ボール投げゲーム

第2学年
体育科学習指導案
平成14年
1
単元名
「ボール投げゲーム」
(ゲーム・ボールゲーム)
2 単元について
(1)一般的特性
ボール投げゲームは、いろいろなボールで、投げる、転が
す、当てる、捕らえる、避けるなどして、簡単な規則をもと
に楽しく遊ぶことができるゲームである。
(2)児童から見た特性
○狙った的へ向かって投げる、つくなどして楽しんだり、的
に当たるのを防ぐために、ボールを捕ったりして楽しむゲ
ームである。
○集団対集団で競い合うなかで仲間と力を合わせたり、仲間
と協力をして、ゲームを楽しくするための工夫や、楽しい
ゲームを作り上げることができるものである。
○技能面における個人差が大きく、ボールを捕らえることに
対しては恐怖心が先立つこともあり、学習意欲を失いやす
い一面もあるゲームである。
10月18日(金) 第5校時
指導者 教諭 長谷典昭
ほとんどない:23名
③ ドッヂボールを3m離れて3回投げたとき捕ることがで
きた回数
3回 17名
2回 11名
1回 9名
0回 1名
④ スポーツテストの結果より
ソフトボール投げ平均
男子 14.9m(全国19.01m 県16.93m)
女子 6.4m(全国10.73m 県 9.68m)
学級 9.76m
〈考察〉
ボールを投げることが嫌いな児童が半数を上回る。その主
な原因は恐怖心や、基礎的な技能が身に付いておらず、ボール
を投げることや捕ることを楽しめていないことにある。また、
約60%の児童がボールを投げて遊ぶことがほとんど無く、経
験も乏しい。また体育でのめあて学習の経験もほとんど無い。
投げる力は男女とも全国平均、県平均を大きく下回り、投げる
力が十分に育っていないことが分かる。特に女子の記録が低位
にある。
(6)指導にあたって
児童の実態、運動の特性を踏まえて、次のことに留意したい。
ゲーム(ボールゲーム)
① 単元の学習過程およびめあて学習について
○いくつかのめあてや作戦を提示し、それから個人やチー
いろいろなボールで、ボールをつく、転が
ムのめあて、作戦を選択していく。また、単元の後半で
す、投げる、当てる、捕らえる、蹴る、止
は、チームとして練習内容を選択する場を設ける。
(めあ
めるなどして簡単な規則をもとにボールゲ
ての設定、作戦、練習を自分たちで決定することで、よ
ームを楽しくする。
り主体的な学習へ)
○基礎感覚づくりのゲームで身に付く力を子どもたちに知
↓
らせ、技能への意識付けを行う。
ゲーム
○ボールを投げたり、捕ったりする経験を多く積ませ、自
バスケットボール型ゲーム、ベースボール
分の力や力の伸びをつかめるようにする。
型ゲームについて、友だちと規則を工夫し、
○オリエンテーションの時に、学び方、学習カードの記入
簡単な技能を身につけ、ゲームが楽しくで
の仕方、投げ方などについて十分に理解させるようにす
きるようにする。
る。
○ゲームのルール変更がしやすいように、初めのルールは
↓
簡単なものを設定する。
ボール運動
② 豊かなかかわり合いについて
チームに適した課題を持って、バスケット
○どの子も活躍し、楽しめるためのルールや作戦の工夫を
ボールやソフトボールなどの運動を行い、
考えながら、一人一人が楽しみながら、チームの仲間と
その技能を身につけ、簡単な作戦を生かし
協力してゲームができるようにする。
てゲームができるようにする
○能力別、リーダー性などを考慮したグルーピングを行う。
○チーム名を考えたり、チームのマスコットなどを作るこ
とでチームとしての意識を高めるようにする。
(4)本単元における基礎的・基本的事項
③ 場・教材の工夫について
○ 簡単なルールをもとに、それを守って楽しくボールゲーム
○みんなが楽しめて、どの子どもにも活躍の場があるよう
をすることができる。
に、得点の偶然性や、一発逆転がある教具を用いる。
○ 投げる、捕らえるなどの簡単な技能を身につけることがで
○興味関心を持たせるために、基礎感覚づくりの6種類の
きる。
ゲームをローテーションで進め、いろいろなゲームを体
○ 自分の力に応じた簡単なめあてを持ち、楽しむためのルー
験する。
ルや作戦を考える。
○ボールを投げる力が十分に育っていない実態から、遠く
に投げる力を育てるゲームを取り入れる。
(5)児童の実態(男子15名、女子23名 計38名)
○書く時間をできるだけ少なくすむようにし、運動量が十
〈アンケート調査より〉
分に確保できるようにする。
① あなたはボールを投げたり捕ったりすることが好きです
④ 評価について
か。
○簡単に記入できる学習シートを作成し、「楽しかったか、
はい(17/38)
いいえ(21/38)
困ったことはないか」を中心として記入できるようにす
好きな理由:友だちと遊べる・おもしろい・野球が好き
る。
投げることが好き・楽しい
○記入しやすい評価表を作成すると共に、自分の力の伸び
嫌いな理由:うまく投げられない・捕れない・顔に当たる
や、チームとしてできるようになったこと、よかったこ
から怖い・遠くに投げられない・ボールを投
となどを発表して、子どもたちに返すことができる評価
げることが嫌い・男子の力が強い・悪口を言
をめざす。
われる
○ねらい②のゲーム1とゲーム2の間と、ゲーム3の後に
② ボールを投げて遊ぶことはありますか。
アドバイスタイムをいれ、児童相互の評価を入れていく。
毎日:4名 週2回:6名 週1回:4名 月1回:1名
(3)系統
1・2年生
3・4年生
5・6年生
⑤ 人権教育の視点
・お互いに認め合い励まし合う学習活動ができるよう学習環境を整え、子どもとの関わりを大切にした学習を進めるようにする。
・能力に応じた的や練習方法を選択させ、全員が楽しく学習できるようにする。
3
単元の目標
(1) ボールを投げる、転がす、当てる、捕らえるなどして楽しくゲームをすることができる。
(2) ルールを守り、互いに仲良くゲームを行い、勝敗を素直に認めることができる。
(3) ゲームを楽しむための簡単なルールや作戦を工夫することができる。
4 指導計画(7時間)本時6/7
時間
1
2
4
5
6
7
2年3組ゲーム祭りを行う
○オリエンテー
準備運動・場作り
ション
ねらい①
基礎感覚作り
・学習のねらい、 ローテーションをしながら、いろいろな動きを経験する。
6つのゲーム
進め方を知る。 ・基礎感覚づくりのゲームを行いやり方を身につ
の中から選択し
・チーム編成
ける。
たゲームを行う
・ゲームの仕方や ・どのゲームでどんな力がつくかを知らせる。
ルールを知る。
ねらい②
・学習シートへの
グループで協力しながらゲームを行う。
記入方法を知
シュートゲーム1
る。
アドバイスタイム
シュートゲーム
0
学習シートへの記入・反省・あとかたづけ
技能
︵評価方法︶
思考・判断
評価
関・意・態
45
3
①
①
①
②
③
①
③
観察
カード
観察
カード
観察
カード
観察
カード
観察
カード
観察
カード
観察
カード
①
①
②
②
②
観察
カード
観察
カード
観察
カード
観察
カード
観察
カード
①
②
①
③
②
③
観察
観察
観察
観察
観察
観察
6 場の設定
ねらい①
ステージ
ミニシュートゲーム
ストラックアウト
的
子
○
子
○
子
○
ストラックアウトの的
子
○
的
子
○
子
○
自分にあった距離から、ボールを投げて的を抜く
ゲームで使用する的を使い、ミニゲームを行う。
一個のボールでゲームを行う
キャッチボール
遠投ゲーム
7
0
3
0
タ
ノ
シ
イ
ネ
!
2
0
5
m
10
m
13
m
1
0
0
フラフープの中から、ボールを投げてキャッチボールをする。
ミニシュートゲーム
まと両方抜きゲーム
まと
子
○
子
○
子
○
まと
子
○
子
○
子
○
子
○
子
○
子
○
的
子
○
子
○
シュートゲームのまとを両方向から抜く。
子
○
ゲームで使用する的を使い、ミニゲームを行う。ボールを1
人一個持ち、動きながらボールを投げる練習をする。
ねらい②
ステージ
子
○
子
○
子
○
子
○
子
○
子
○
的
的
子
○
子
○
子
○
子
○
子
○
子
○
子
○
子
○
子
○
子
○
的
子
○
的
子
○
子
○
子
○
子
○
子
○
子
○
子
○
つかむ
6 本時の学習
(1) 本時の目標
○みんなで協力し合いながら基礎感覚を身につけたり、ゲームを楽しんだりする。
(2)本時の展開
過程 時 間
学 習 活 動
教
師
主
な
発
問
・
指
示
指
5分
1 学習の流れを知る。
○今日は前の時間と同じように、準備運動、簡単な
ゲーム、シュートゲームの順に行います。
2 準備する
指 今日のめあてを確認しなさい
○
3 グループでめあての確認をする。
指 それぞれのグループで準備運動をしなさい。
音楽
○
4 準備・補助運動を行う。
がなりおわったら、準備をします。
ひ ろ げる
10分
の
支
点 評
留
意
・ 体や心の様子を確認する。
・ 安全に留意して素早く準備させる。
・ 本時の学習の流れを知らせたり、学習内
容を確認することで、学習に見通しを持
たせる。
・ あまり調子の良くない児童をしっかり
見て、タイムリーな言葉かけを行う。
価
援
備考
学習カード
音楽テープ
・ グループを回りながら、言葉かけを行 関心意欲①(観察) 的などの練
う。活動が停滞しているグループには適
習に必要な
ねらい① 仲間と協力しながら、楽しくボール投げゲームをする。
切な指導を行う。
教具
・ 安全に練習ができるように配慮する。
音楽テープ
指 音楽が変わったら、次のゲームに移りましょう。 ・ 楽しくゲームを行いながら、基礎感覚を
○
身につけるようにする。
25分 6 シュートゲームを行う。
5
ねらい②
チームで選択した簡単なゲームを行う。
みんなで協力し合いながら、シュートゲームを楽しむ。
組み合わせ(ビブスの色)
Aコート
Bコート
黄色
①
緑
まとめる
5分
7
8
青
③
②
①
黒
水色
③
②
赤
・ 安全にゲームができるようにルールの
シュートゲ
確認を行う。
思考判断②(観察・ ームの的
指 集合しなさい
○
・ 危険なプレーや問題点が出てきた場合 学習カード)
得点板
指
○グループで相手チーム・作戦・役割分担の確認を
には、指導・助言を行う。
記録用紙
しなさい。
・ アドバイスタイムでは、グループのみん
音楽テープ
指 ゲームの場所へ移動しなさい。
○
なへ相互評価をしっかり行わせ、次のゲ
指
○音楽が鳴りおわったら、ゲームを止めて、アドバ
ームへつなげさせる。
イスタイムに入りましょう。
・ 音楽が変わるごとにゲーム1(4分)→
アドバイスタイム(2分)→ゲーム2(4
分)→アドバイスタイム(2分)→ゲー
ム3→アドバイスタイムという動きを
入れていく。
指 集合しなさい。
・ 楽しかったことを出すことでチームや
本時の振り返りを学習シートに記入し、感想 ○
発 よかったこと・楽しかったことはありませんか。
○
個人の伸びを評価し、次時への意欲づけ
を出し合う。
発 ルールで変更したいところはありませんか。
○
とする。また、ルールで変更したいとこ
それはなぜですか。
整理運動・後片付けを行う
ろを出すことで、みんなが楽しめるため
指 整理運動をしなさい。
○
にゲームをよりよくしようとする意識
指 みんなで協力してかたづけをしなさい。
○
を高める。
学習カード