ソフトウェア品質知識体系ガイド-SQuBOK Guide

・CMM!,CMMI! and Capability Maturity Model are registered with the U. S. Patent and
Trademark Office.
・PMI!,PMBOK!は Project Management Institute の米国及びその他の国における登録商標
です.
・SQuBOK!は財団法人日本科学技術連盟の登録商標です.
・SQuBOK!は財団法人日本科学技術連盟と社団法人日本品質管理学会とが共同で組織した
SQuBOK!策定部会による研究成果物です.
・SQuBOK!は SQuBOK!策定部会の著作物であり,SQuBOK!にかかる著作権,その他の権
利は財団法人日本科学技術連盟および各権利者に帰属します。
・SQuBOK! guide reprinted with permission from IEEE Std. 6
1
0.
1
2−1
9
9
0:IEEE Standard
Glossary of Software Engineering Terminology, by IEEE. The IEEE disclaims any responsibility or liability resulting from the placement and use in the described manner.
・その他本文中の会社名および製品名は,一般に各社の登録商標または商標であり,注記
がない場合もこれを十分尊重します.
SQuBOK!ガイド巻頭言
∼第1版の公開によせて∼
SQiP ステアリング委員会委員長
(旧 SPC ステアリング委員会)
飯塚悦功(東京大学教授)
1
9
8
0年,ソフトウェアへの品質管理の適用,すなわち,ソフトウェア工学と TQM(総合的品
質管理)の結婚のため,日本科学技術連盟に「ソフトウェア生産管理研究委員会」
(略称「SPC
研究委員会」
)が設立されました。設立以来,SPC 研究委員会は,わが国ソフトウェア産業の競
争力向上のために有用な方法論の普及に焦点をあて,実践的なソフトウェア品質学の体系化を
めざす活動を続けてきました。1
9
9
0年代半ばまでの活動は,製造業を中心に確立された TQM
の哲学・方法論・技法のソフトウェアへの適用が研究の中心であったと言えます。そしてネオ
ダマ(ネットワーキング,オープン化,ダウンサイジング,マルチメディア)といういい方に
象徴されるソフトウェア産業の構造変化に対応して,その後は新たな開発・保守のパラダイム
構築に対応してきました。
今日では,ユビキタスという言葉で表されるようにあらゆるところにソフトウェアが組み込
まれつつあり,ますますその品質の重要性が増しています。ここで,改めて我々がソフトウェ
ア品質の分野で貢献を続けるにあたっての意義,決意を確認する意味を込めて2
0
0
7年9月に SPC
の名称を SQiP(Software Quality Profession:「スキップ」と読む)に変更しました。ソフトウェ
ア品質に関わる専門的職業,およびその職業に従事する専門家というような意味を持たせた決
意表明です。
振り返れば,SPC 活動に不可欠のものがありました。それは,新時代に適したソフトウェア
品質学の知識体系の構築でした。どのような製品・サービスであろうとも,質を達成するため
には,質への動機,質に関わる思想・価値観,質を実現する技術(方法論)
,技術を生かすマネ
ジメントの方法論,そのもとで業務に携わる“ひと”の意欲・知識・技能を促す方法論が必須
です。ソフトウェアも例外ではなく,品質に焦点をあてた,これらの概念と方法論に関わる“知
識体系”が必要です。
こうした認識のもと,2
0
0
5年4月ごろ,SPC ステアリング委員会において,知識体系へのア
クセス手段として SQuBOK!ガイド(Guide to the Software Quality Body of Knowledge:「ス
クボック」と読む)の策定を明示的な目標として掲げ,榊原彰(日本アイ・ビー・エム)
,西康
晴(電気通信大学)
,高橋寿一(ソニー・コンピュータエンタテイメント)
,野中誠(東洋大学)
の各氏が予備的な検討を行いました。これに基づき,同年9月に岡崎靖子(日本アイ・ビー・
エム)氏をリーダ,西,野中の両氏をサブリーダとする SQuBOK!策定部会を組織し,検討を開
始しました。検討にあたっては,兼子毅(武蔵工業大学)氏が率いる日本品質管理学会のソフ
トウェア部会とともに,合同部会の形で活動を進めてきました。
活動にあたっては,まさに SQiP の理念にそって,ソフトウェア品質担当者の育成に役立つソ
フトウェア品質に関する日本の暗黙知の形式知化と,ソフトウェア品質に関する最新テーマの
iii
整理・体系化によって,ソフトウェア品質技術の認知度向上を図り,ソフトウェア品質プロセ
スの確立をめざす組織の支援となることを目標としました。
SQuBOK!ガイドは,わが国のソフトウェア品質界が蓄積してきた有用な“知識”の構造的可
視化をめざし,公表されている国内のよい事例も含め,国内で入手しやすい和書を網羅するこ
とを基本としました。
そして,文字どおり精力的な活動によって,2
0
0
6年4月に α 版を作成しました。α 版と称して
いましたので,もちろん完成されたものではありません。この未定稿を,許容し得る未成熟レ
ベルの判断ができる識者に限定公開してコメントを頂戴しました。コメントは,東基衞(早稲
田大学)
,岡崎毅久(日本アイ・ビー・エム)
,小笠原秀人(東芝)
,小川健司((独)情報処理
推進機構
IT スキル標準センター)
,金子龍三(日本電気通信システム)
,兼子毅(武蔵工業大
学)
,河合清博(アスプコミュニケーションズ)
,菊本正紀(日本ノーベル)
,香村求(システム
SWAT)
,笹部進(日本電気通信システム)
,福山俊一(鳥取環境大学)
,堀田文明(北陸先端科
学技術大学院大学)
,土井聡之(協和エクシオ)の1
3氏から3
5
0ほどいただきました。
第1版の作成に向けて,策定メンバを α 版策定当時の1
4名から2
7名に増員し,α 版に頂戴した
コメントを踏まえて,一年数ケ月をかけて知識体系の再整理と解説文の作成を行いました。そ
の成果を2
0
0
7年9月に β 版として公開しパブリックコメントの募集を行いました。そして,こ
れまでに頂戴したコメントを反映するとともに,最下層のトピックス(約2
0
0項目)の解説文を
追加して第1版の完成としました。この間,顧問をお願いしている大場充(広島市立大学)
,松
尾谷徹(デバッグ工学研究所,法政大学)
,保田勝通(つくば国際大学)の先生方には,厳しく
も暖かいレビューをいただきました。
思い起こせば,私自身が,ソフトウェア品質に関心を寄せ,SPC 研究委員会に加わって2
0年
余,ソフトウェア界変革のさなかに SPC 委員長になって1
0年余になります。この間,SPC 研究
委員会に,いやソフトウェア品質界に必須のものとして,長いこと構築しなければと思い描い
ていた文書を目にして,その思いたるやとても言葉には表しようがありません。
どのような分野も最初から体系ができているわけではありません。とくに実学に分類される
分野はそうです。目的達成に必要な基本的な方法論に関わる理論とその展開,そして幾多の優
れた先人による,反面教師も含めた無数の断片的かもしれない知見の蓄積を,可視化,構造化
してできあがるものです。
「学」といわれるものは,決して学者の知的ゲームの産物ではなく,
知識の再利用のための,実践の体系化なのです。その第1版を新生 SQiP ソフトウェア品質委員
会から提示できることに,誇りと,そしてこの分野に関心を抱いたものとして万感の思いを感
じざるを得ません。ソフトウェア品質分野で,何らかの貢献をしようと思ったら,何にしても
必要なものだったからです。
この SQuBOK!ガイドを基礎にして「ソフトウェア品質学」の確立へ大きな一歩を踏み出せる
でしょう。教育・訓練カリキュラムの枠組みを提示できるでしょう。人材育成,キャリアパス
を考察するためのモデル構築の基盤にもなることでしょう。
第1版公開までの間,α 版ドラフト,α 版,β 版ドラフト,β 版のレビューをお引き受けいた
iv
だいた方々に,この場を借りて改めて御礼申し上げますとともに,知識体系を継続的に発展,
進化させるという SQuBOK!の趣旨をご理解いただき,今後も厳しくも建設的なコメントをいた
だきたく,伏してお願い申し上げます。
リーダへの指名を受け,一筋縄でいかない猛者を誘引して,ここまで仕上げた,岡崎靖子氏
の力量には敬服します。SQiP ソフトウェア品質委員会・SQuBOK!策定委員会,日本品質管理学
会・ソフトウェア部会・SQuBOK!研究会の各メンバの努力に感動します。身内ではありますが,
この場を借りて御礼申し上げます。
SQuBOK!は,SQiP ソフトウェア品質委員会の実践的研究・普及事業の柱となるものです。
SQiP,SQuBOK!合わせて,今後とも,みなさま方のご指導,ご支援,どうぞよろしくお願い申
し上げます。
v
■SQuBOK!策定部会(第1版完成時)
リーダ
岡崎
靖子
日本アイ・ビー・エム株式会社
サブリーダ(5
0音順)
辰巳
敬三
富士通株式会社
西
康晴
電気通信大学
野中
誠
東洋大学
飯泉
紀子
株式会社日立ハイテクノロジーズ
池田
暁
日立情報通信エンジニアリング株式会社
大川
鉄太郎
日本ユニシス株式会社
大西
建児
株式会社豆蔵
大野
晋
日本光電工業株式会社
小川
俶子
株式会社コンピータジャパン
河合
一夫
株式会社ニルソフトウェア
古賀
惠子
株式会社日立製作所
榊原
彰
日本アイ・ビー・エム株式会社
篠沢
達也
株式会社アイネス
田淵
秀之
みずほ情報総研株式会社
奈良
隆正
NARA コンサルティング
西尾
桂子
パナソニック
福井
信二
オムロン株式会社
伏見
諭
株式会社情報数理研究所
誉田
直美
日本電気株式会社
本間
周二
株式会社 CSK システムズ
町田
欣史
株式会社 NTT データ
宮城
幸一
株式会社オージス総研
向井
清
住商情報システム株式会社
山浦
恒央
東海大学
鷲崎
弘宜
国立情報学研究所
渡辺
喜道
山梨大学
大場
充
広島市立大学
松尾谷
徹
有限会社デバッグ工学研究所,法政大学
保田
勝通
つくば国際大学
メンバ(5
0音順)
モバイルコミュニケーションズ株式会社
顧問(5
0音順)
vi
■はじめに
岡崎
靖子
1.SQuBOK!策定部会について
0
0
5年9月2
0日のキックオフミーティングから本格的に活動を開始し
SQuBOK!策定部会は,2
た,最初は1
0名から成ったボランティアベースの集まりである。2
0
0
6年4月2
8日に6
4頁の α
版を完成したときには1
4名に増えていたが,それでも人手が足りず,β 版の策定に取りかかる前
に,まだ参画いただけていなかった企業や業界の方々を中心にご協力をお願いし,現在は大幅
に増員した2
7名で活動している。部会メンバは,
「
(財)日本科学技術連盟・SQiP ソフトウェア
(社)日本品質管理学会・
品質委員会(旧 SPC 研究委員会)
・SQuBOK!策定委員会」もしくは「
ソフトウェア部会・SQuBOK!研究会」のどちらかに所属しているが,活動の実体は SQuBOK!
策定部会である。
2.目的
我々は次の五つを目的として SQuBOK!ガイド第1版を策定した。本ガイドは日本発のもので
ある。
1.品質保証に携わる方の育成に役立つものにする
2.ソフトウェア品質に関する日本の暗黙知を形式知化する
3.ソフトウェア品質に関する最新のテーマを整理し,体系化する
4.ソフトウェア品質技術の認知度向上を図る
5.ソフトウェア品質保証プロセスを確立したい組織の助けとなる
第一の目的「品質保証に携わる方の育成に役立つものにする」では,SQuBOK!ガイド第1版
は品質保証に携わるエンジニアを利用層として想定していることを示している。短期間で確実
に SQuBOK!ガイドを形にするために,最初の版ではスコープを絞る必要があり,まずは品質保
証に携わる方を想定読者にして,品質保証活動に関する知識領域から整理する方針とした。第
2版以降でスコープの拡大を検討することにしている。第2版以降で検討する箇所は序章の図
1から図4に示す樹形図に「*」印で示している。
第二の「ソフトウェア品質に関する日本の暗黙知を形式知化する」では,欧米発の BOK(Body
of Knowledge:知識体系)ガイドには含まれていない国内の先人らの優れた知識・経験を形式
知化することを目的とした。これを実現するために,SQuBOK!策定部会を組織する際にはでき
るだけ色々な企業や大学の方々に協力を呼びかけて参画していただいた。また,IT 業界の2
0
0
7
年問題を控えて,諸先輩のご経験や知識をこの機会に可視化することも目指した。
第三の目的「ソフトウェア品質に関する最新のテーマを整理し,体系化する」では,SQuBOK!
ガイドは散在するソフトウェア品質に関するさまざまな知識を体系化して既知の知識体系への
アクセス手段を提供することを示す。IT が社会基盤の重要な役割を担っている現在,SLA(Service Level Agreement)
,ITIL(Information Technology Infrastructure Library)
,セキュリティ,
IT スキルスタンダード,XP(eXtreme Programming)に代表されるアジャイル開発,ソフトウェ
vii
アプロダクトライン,AOP(Aspect Oriented Programming)
,経済産業省による「情報システ
ムによる信頼性向上ガイドライン」
,新発行の国際標準規格等,IT エンジニアが知らなければな
らない知識や領域は,近年急激に増加している。過去にはソフトウェア品質マネジメントやソ
フトウェア品質管理に関する辞書的な良書が何冊か発行されているが,最近の情報までを含ん
だ包括的な内容のものがあまり見当たらなく,本ガイドにおいてソフトウェア品質に関する知
識のアクセス・ハブの役割を目指すこととした。本ガイドは決してソフトウェア品質の知識を
含む他の知識体系(例えばプロジェクトマネジメントの BOK である PMBOK やソフトウェアエ
ンジニアリングの BOK である SWEBOK〔ISO/IEC TR 1
9
7
5
9:2
0
0
5〕等)を排除するものでは
なく,むしろその中からソフトウェア品質に関する要素を抽出した部分を含めるものである。
第四の目的「ソフトウェア品質技術の認知度向上を図る」では,ソフトウェア品質が広範囲
かつ専門的な技術によって支えられていることを知ってもらうことで,ソフトウェア品質に関
連する従事者に正当な評価を与えたいという意図を示す。
最後の第五の目的は「ソフトウェア品質保証プロセスを確立したい組織の助けとなる」であ
る。ソフトウェア品質保証プロセスをこれから確立したい組織に本ガイドを役立てていただけ
れば幸いである。
3.対象とする読者
第一の目的で述べたように第1版では品質保証に携わるエンジニアを想定している。
しかし,設計やプログラミングを担うエンジニアにとっても,本ガイドを参照すれば,自ら
の開発する仕様やコードの良し悪しをどのようにして見極めるのかという観点を理解できる。
そしてそれは,品質の高い仕様やコードを設計・開発する際のヒントにしていただけると考え
ている。
4.今後の予定
マイルストーンを次に紹介する。
・
・
・
・
SQuBOK!ガイド第1版
!
SQuBOK ガイド第1版
!
SQuBOK ガイド第1版
!
α版
有識者公開(2
0
0
6年4月2
8日)
β版
一般公開
(2
0
0
7年9月7日)
書籍発行
(オーム社)
SQuBOK ガイド アメンドメント 一般公開
(2
0
0
8年1
0月)
http : //www.juse.or.jp/software/squbok-amd1.html
0
0
6年4月2
8日に有識者の方々に公開し,レビューしていただ
SQuBOK ガイド第1版 α 版は2
!
いた。α 版に対して有識者の方々から頂戴したコメントを反映しつつ,α 版で積み残した内容も
盛り込んで β 版を策定した。本版は β 版に対して頂戴したパブリックコメントの検討を加えた
ものである。
今後は,本版に対して頂戴するコメントを参考にしながら,本版で制限としていたり繰り越
した内容を検討する他,ソフトウェア品質エンジニアリングの進化にあわせて継続的に発展さ
せていく予定である。
viii
5.α 版,β 版,本版の違い
α 版に対して β 版での主な変更点は次のとおりである。
・
品質の作り込み関係の知識領域の位置づけを明示
前述のように,第1版では策定期間の関係で,設計やコーディング等の品質の作り込みに関
する知識領域はスコープ外にしている。α 版ではそれらを樹形図から除外していたが,β 版では
樹形図の中にそれらの挿入予定場所を明示した(序章の図1から図4の*印の箇所)
。体系とし
てはこの方が美しく,また,読者にもわかりやすくなったと考える。
・
知識領域の並べ替え
樹形図の三つのカテゴリのうち,中央の「ソフトウェア品質マネジメント」カテゴリの分量
が特に多いため,既存のよく知られた枠組みのいくつかを参考にし,三つの副カテゴリに分割
して整理しなおした。
さらに,
「ソフトウェア品質マネジメント」カテゴリの知識領域と「ソフトウェア品質技術」
カテゴリの知識領域をできるだけ対応づけるようにした。具体的には,樹形図(序章の図1)
の「ソフトウェア品質マネジメント」カテゴリ下の「プロジェクトレベル(個別)のソフトウェ
ア品質マネジメント」副カテゴリ下の「品質計画のマネジメント」知識領域から「運用・保守
のマネジメント」知識領域までは,
「ソフトウェア品質技術」カテゴリ下の「品質計画の技法」
知識領域から「運用・保守の技法」知識領域に対応づけた。
加えて,
「ソフトウェア品質技術」カテゴリ(序章の図4)では,
「レビューの技法」知識領
域下の副知識領域と「テストの技法」知識領域下の副知識領域を対応づけるよう試みた。但し,
「レビューの技法」の整理はまだ完全ではない。
・
トピックスの充実(網羅度向上,解説文付与)
α 版では,トピックスは副知識領域を理解するための参考としてタイトルだけを付録に示すに
留まっていたが,β 版ではトピックスにも解説文を付与した。また,有識者レビューにおいて有
識者の方々からご教授いただいたトピックスも追加した。なおトピックスの執筆者はその上位
の(副)知識領域の執筆者とは限らない。
・
表彰論文一覧追加
品質関係のシンポジウム等で表彰された過去の論文一覧を付録に追加した。
・
文献リストの充実
α 版では推奨文献をリストとして掲載していたが,β 版では,次の三つに識別して付録に掲載
した。
(1) 推薦書籍/論文:複数の部会メンバが推奨する文献(同僚や部下に薦めたい文献)
(2) 参考文献/関連文献:本文の解説で触れられているか,関連文献欄に紹介している文
献
(3) 規格:内容や IT 業界に与える影響力を鑑みて複数の部会メンバが推奨する規格,およ
び,本文中で引用・参照している規格
なお,国内の IT エンジニアの便宜を考慮し,推奨書籍/論文は日本語のものに重点を置くよ
ix
うに努めた。
・
一部の解説文の書き換え
α 版でコメントが多く寄せられた箇所は全面的に書き換えた。
β 版に対して本版は,パブリックコメントとして頂戴したものの検討を行い,かつ,トピック
スの解説文を追記したものである。
6.制限,および,検討中の事項
現在の制限と,検討中の事項は次のとおりである。
・
スコープについて
スコープの拡大は第2版以降の検討項目としている。現時点で想定している第2版以降の検
討予定箇所は,序章の図1から図4の樹形図中に注釈している(図中の*印の箇所)
。なお,
「コ
ミュニュケーション」等の品質に特化しない一般的なものはスコープ外とした。また,狭義の
ツール類(企業が営利目的で発売しているツール)もスコープ外としている。
・
知識領域・副知識領域・トピックスに対する,より詳細な解説文や本ガイドの使い方の説
明書について
メンバ間で必要性を議論してはいるが,具体的な対応はまだ決まっていない。
・
樹形図について
詳細化が十分でない箇所がある。例えば,
「レビューの技法」
,
「信頼性予測に関する技法」は,
トピックスへの詳細化がまだ荒い。また「メトリクス」については,構成の整理が不十分であ
るとともに,トピックスへの詳細化も不足している。日本特有のマネジメントや技術について
の形式知化もさらに充実させたいと考えている。
・
用語について
Error,Fault,Failure の用語は,本版では JIS X0
0
1
4に沿って使い分けているが,JIS Z8
1
1
5の
方に揃える可能性がある。
・
引用・転載について
引用・転載許諾が得られていないために,本版での掲載を見合わせた箇所がある。今後,引
用・転載許諾が得られればそれらも紹介していきたいと考えている。
7.謝
辞
α 版をレビューしてコメントをお寄せくださった有識者の方々は次のとおりである。短期間に
丁寧なレビューをしていただいた。東基衞先生は,α 版の樹形図に対してコメントをくださると
ともに,ご自分の研究室に我々を招いて β 版の樹形図を検討する場を設けてくださった。皆々
様にここで再度感謝を申し上げたい。なお,頂戴したコメントの中に,本ガイドで対応するこ
とが難しいとしたものや,次の版以降に対応を見送ったものがあることをこの場を借りてお詫
びしなければならない。
x
α 版にレビューコメントをお寄せくださった有識者の方々
(5
0音順,敬称略,所属はレビュー当時)
・
東
基衞
早稲田大学
・
岡崎
毅久
日本アイ・ビー・エム株式会社
・
小笠原秀人
株式会社東芝
・
小川
健司
独立行政法人 情報処理推進機構
・
金子
龍三
日本電気通信システム株式会社
・
兼子
毅
・
河合
清博
株式会社アスプコミュニケーションズ
・
菊本
正紀
日本ノーベル株式会社
・
香村
求
株式会社システム SWAT
・
笹部
進
日本電気通信システム株式会社
・
福山
俊一
鳥取環境大学
・
堀田
文明
北陸先端科学技術大学院大学 IP オペレーションセンター
・
土井
聡之
株式会社協和エクシオ
IT スキル標準センター
武蔵工業大学
(財)日本科学技術連盟・SQiP ソフトウェア品質委員会(旧 SPC 研究委員会)と(社)日本
品質管理学会・ソフトウェア部会には,各々の下に本 SQuBOK!策定部会を組織するための委員
会や研究会を発足させていただいた。
(財)日本科学技術連盟の糸柳寿人氏には本 SQuBOK!策
定部会の事務局を担っていただいた。お礼を申し上げたい。
高橋寿一氏(株式会社ソニー・コンピュータエンタテイメント)
,松岡正人氏(マイクロソフ
ト株式会社)には途中まで策定メンバとしてご協力いただいた。小野敦史君,杉崎静士君,肥
後智紘君(株式会社日立システムアンドサービス)には,α 版の策定において,策定メンバの下
で一部の作業をお手伝いいただいた。狩野紀昭先生には資料のご紹介をいただいた。感謝した
い。
【参考文献】
〔ISO/IEC TR 1
9
7
5
9:2
0
0
5〕
ISO/IEC TR 1
9
7
5
9:2
0
0
5 Software Engineering − Guide to the Software Engineering Body of Knowledge(SWEBOK)
xi
目
次
!
SQuBOK ガイド巻頭言 ……………………………………………………iii
∼第1版の公開によせて∼ SQiP ステアリング委員会委員長 飯塚悦功(東京大学教授)
!
SQuBOK 策定部会・顧問 …………………………………………………vi
はじめに
序章
第1章
岡崎靖子
………………………………………………………………vii
!
SQuBOK ガイド概略………………………………………………1
ソフトウェア品質の基本概念 …………………………………11
1.
1 KA:品質の概念 ………………………………………………………1
2
1.
2 KA:品質のマネジメント ……………………………………………5
6
第2章
ソフトウェア品質マネジメント ………………………………83
組織レベルのソフトウェア品質マネジメント………………………………8
4
2.
1 KA:ソフトウェア品質マネジメントシステムの構築と運用 ……8
4
2.
2 KA:ライフサイクルプロセスのマネジメント ……………………1
0
1
2.
3 KA:プロセスアセスメント・プロセス改善のマネジメント ……1
1
4
2.
4 KA:検査のマネジメント ……………………………………………1
2
4
2.
5 KA:監査のマネジメント ……………………………………………1
2
6
2.
6 KA:教育・育成のマネジメント ……………………………………1
2
9
2.
7 KA:法的権利・法的責任のマネジメント …………………………1
4
0
プロジェクトレベル(共通)のソフトウェア品質マネジメント ………1
4
4
2.
8 KA:意思決定のマネジメント ………………………………………1
4
4
2.
9 KA:調達マネジメント ………………………………………………1
4
6
2.
1
0 KA:構成管理 ………………………………………………………1
5
0
xii
目
次
2.
1
1 KA:リスクマネジメント …………………………………………1
5
4
2.
1
2 KA:プロジェクトマネジメント全般 ……………………………1
6
0
プロジェクトレベル(個別)のソフトウェア品質マネジメント ………1
6
4
2.
1
3 KA:品質計画のマネジメント ……………………………………1
6
4
2.
1
4 KA:レビューのマネジメント ……………………………………1
6
7
2.
1
5 KA:テストのマネジメント ………………………………………1
6
9
2.
1
6 KA:品質分析・評価のマネジメント ……………………………1
7
7
2.
1
7 KA:運用・保守のマネジメント …………………………………1
8
2
第3章
ソフトウェア品質技術 …………………………………………197
3.
1 KA:メトリクス ………………………………………………………1
9
8
3.
2 KA:品質計画の技法 …………………………………………………2
2
1
3.
3 KA:要求分析の技法 …………………………………………………2
2
3
3.
4 KA:レビューの技法 …………………………………………………2
2
9
3.
5 KA:テストの技法 ……………………………………………………2
5
6
3.
6 KA:品質分析・評価の技法 …………………………………………3
0
7
3.
7 KA:運用・保守の技法 ………………………………………………3
3
5
付録 A : 推奨書籍/論文一覧 ………………………………………………3
4
1
付録 B : 参考文献/関連文献一覧 …………………………………………3
4
6
付録 C : 規格一覧 ……………………………………………………………3
5
6
付録 D : 表彰論文一覧 ………………………………………………………3
6
4
付録 E : 索引 …………………………………………………………………3
7
3
xiii
序章
SQuBOK!ガイド概略
序章 SQuBOK!ガイド 概略
(1)SQuBOK!の樹形図
SQuBOK!の体系をあらわす樹形図を図1から図4に表す。
「ソフトウェア品質の基本概念」
,
「ソフトウェア品質マ
SQuBOK!ガイドでは,知識領域は,
ネジメント」
,
「ソフトウェア品質技術」の三つのカテゴリに大別している(図1)
。最初の「ソ
フトウェア品質の基本概念」カテゴリでは,品質の概念をはじめとする,ソフトウェア品質に
関する基本的な概念や考え方を分類している。次の「ソフトウェア品質マネジメント」カテゴ
リでは,品質をマネージするためのアクティビティ(諸活動)を分類している。最後の「ソフ
トウェア品質技術」カテゴリでは,メトリクス,および,品質計画の技法から運用・保守の技
法に至るまでの具体的な手法を分類している。
各カテゴリの下は,知識領域,副知識領域,トピックスの形式で整理している。具体的には,
最初の「ソフトウェア品質の基本概念」カテゴリ(図2)には,
「品質の概念」と「品質のマネ
ジメント」の二つの知識領域がある。そして,
「品質の概念」知識領域の下には「品質の定義
(品質の考え方の変遷)
」
,
「ソフトウェア品質モデル」
,
「ディペンダビリティ」
,
「セキュリティ」
,
「ユーザビリティ」
,
「セーフティ」の六つの副知識領域がある。さらに,
「品質の定義(品質の
考え方の変遷)
」副知識領域には,
「品質の定義(Gerald M. Weinberg)
」から「品質の定義(ISO
/IEC 2
5
0
0
0)
」まで十のトピックスがある。
「ソフトウェア品質マネジメント」カテゴリ(図3)は,扱う内容が多いため,カテゴリと
知識領域との間に副カテゴリの層を設けている。組織で管理・実施することの多い知識領域を
整理した「組織レベルのソフトウェア品質マネジメント」
,開発の各工程に共通する知識領域を
整理した「プロジェクトレベル(共通)のソフトウェア品質マネジメント」
,開発の個々の工程
の知識領域を整理した「プロジェクトレベル(個別)のソフトウェア品質マネジメント」の三
つである(図3,図5)
。そして,副カテゴリの下は同様に知識領域とその下位の副知識領域,
トピックスがある。
同様の構造で,
「ソフトウェア品質技術」カテゴリ(図4)にも知識領域があり,その下位に
副知識領域,トピックスがある。
このように樹形図は,カテゴリ,
(副カテゴリ)
,知識領域,副知識領域,トピックスの4層
もしくは5層になっている。
(2)SQuBOK!ガイドの構成
第1章,第2章,第3章は,三つのカテゴリ(Category:CA)ごとにその配下の副カテゴリ
(Sub-Category : S-CA)
,知識領域(Knowledge Area : KA)
,副知識領域(Sub-Knowledge Area :
S-KA)の解説をしている。副カテゴリから副知識領域までの解説は,下位の層へのポインター
であるとともに,簡単な意義や目的等も含む。最下位のトピックス(Topics :T)は,
「概要」
,
,
「参考文献」
,
「関連文献」等を説明している。
「関連トピックス/知識領域」
2
より深く知りたい場合には,
「参考文献」
,
「関連文献」や付録の「推奨書籍/論文一覧」にあ
たっていただくことをお勧めする。また,トピックスの「関連トピックス/知識領域」の項目
も参照していただくとよい。
「関連トピックス/知識領域」欄の項目の掲載している章・節番号
を知るには,付録 E の「索引」をご覧いただくとよい。
付録 A には,
「推奨書籍/論文一覧」を掲載している。これは,複数の策定メンバが推薦する
文献を厳選している。国内のエンジニアの便宜を考慮して日本語で書かれた文献を充実するよ
うに努めた。
付録 B には,
「参考文献/関連文献一覧」を掲載している。これは,本文の解説で引用・参照
している文献や,関連文献として紹介したものをまとめた。付録 A と重複しているものもある。
付録 C には「規格一覧」を掲載している。これは,トピックスとして取り上げているか,本
文の解説で触れている規格で,その内容や影響度の点から,一覧で整理しておいたほうがよい
と判断したものである。
付録 D には,
「表彰論文一覧」として,シンポジウム等で表彰された論文を掲載した。
付録 E には,
「索引」として,知識領域・副知識領域・トピックス名を一覧で掲載している。
ある知識領域・副知識領域・トピックスの内容を調べたい場合は,この付録 E,もしくは,図1
から図4の樹形図を参照すると,掲載している章・節番号を見つけやすいだろう。
3
序章 SQuBOK!ガイド 概略
SQuBOK!樹形図(全体)
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(*1)SQuBOK!第1版では扱わない
図1 樹形図概観(カテゴリ層から副知識領域層の上位4層まで)
4
SQuBOK!樹形図(ソフトウェア品質の基本概念)
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図2「ソフトウェア品質の基本概念」カテゴリ(カテゴリ層からトピックス層まで全て)
5
序章 SQuBOK!ガイド 概略
SQuBOK!樹形図(ソフトウェア品質マネジメント)
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(*1)SQuBOK!第1版では扱わない
図3「ソフトウェア品質マネジメント」カテゴリ(カテゴリ層からトピックス層まで全て)
6
SQuBOK!樹形図(ソフトウェア品質技術)
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図4「ソフトウェア品質技術」カテゴリ(カテゴリ層からトピックス層まで全て)
7
序章 SQuBOK!ガイド 概略
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図5「ソフトウェア品質マネジメント」カテゴリの分類法
(3)Error, Fault, Failure の区別
品質を理解するうえで注意しておくべき用語について説明する。特に区別が必要なのは,Error, Fault, Failure である。さまざまな団体や規格がそれぞれに若干異なった意味でこれらを定義
している。本版は JIS X 0
0
1
4〔JIS X 0
0
1
4:1
9
9
9〕の定義に沿って本文の解説を行った。ただ
し,これ以外の用語(不具合・バグ・欠陥)を書籍からの引用,技法の名称,その他どうして
も使わざるを得ない場合には,これらを意図的に使用している。
JIS X 0
0
1
4〔JIS X 0
0
1
4:1
9
9
9〕の定義
4の error)
」
①「誤差・誤り(ISO/IEC 2
3
8
2―1
計算,観測若しくは測定された値または状態と,真の,指定された若しくは理論的に正しい
値または状態との間の相違。
②「障害(同 ISO/IEC の fault)
」
要求された機能を遂行する機能単位の能力の,縮退または喪失を引き起こす,異常な状態。
③「故障(同 ISO/IEC の failure)
」
要求された機能を遂行する,機能単位の能力がなくなること。
8
(4)ISO/IEC 規格,JIS 規格の表記
・本文中における ISO/IEC 規格から引用した用語および引用文は,特に説明がない場合は,対
応する翻訳 JIS の用語および文章をそのまま用いている。
・翻訳 JIS 規格には,
「参考」や「解説」等 ISO/IEC 規格にはない項目がある。これらを引用し
ている箇所では,JIS 規格を参照している。
【参考文献】
〔JIS X 0
0
1
4:1
9
9
9〕
3
JIS X 0
0
1
4:1
9
9
9 情報処理用語 ― 信頼性,保守性及び可用性,p.
〔JIS Z 8
1
1
5:2
0
0
0〕
JIS Z 8
1
1
5:2
0
0
0 ディペンダビリティ(信頼性)用語,pages6,1
0and1
3
9
第1章
ソフトウェア品質の基本概念
「ソフトウェア品質の基本概念」カテゴリは,ソフトウェア品質
に関する基本的な概念や考え方を説明している。本カテゴリは,
「品
質の概念」と「品質のマネジメント」の知識領域に分けて整理して
いる。
「品質の概念」知識領域は,さらに,さまざまな規格や研究者の
行った「品質の定義」
,ISO/IEC9
1
2
6に代表される「ソフトウェア品
質モデル」
,信頼性の上位概念の「ディペンダビリティ」
,近年関心
が高まっている「セキュリティ」
,
「ユーザビリティ」
,
「セーフティ」
の六つの副知識領域に分けている。
一方,
「品質のマネジメント」知識領域も,
「品質コントロール」
,
「品質保証の考え方」
,
「改善の考え方」
,
「ソフトウェアの品質マネ
ジメントの特徴」
,
「ソフトウェア測定の考え方」
,
「ソフトウェア評
価の考え方」
,
「V&V」
,
「検査」の八つの副知識領域で構成している。
なお,前述のように,本カテゴリは,基本的な考え方を説明する
ことを意図しているため,具体的なアプローチの説明は後続のカテ
ゴリ(第2章と第3章)に委ねている。例えば,本カテゴリの「品
質のマネジメント」知識領域の下に「改善の考え方」副知識領域が
あるが,本章では考え方についての説明を主とした。具体的な方法
を知りたい場合は,第2章の「ソフトウェア品質マネジメント」カ
テゴリ下の「プロセスアセスメント・プロセス改善のマネジメント」
のトピックスの解説を参照するとよい。
第1章 ソフトウェア品質の基本概念
1.
1 KA:品質の概念
(1)品質の定義
品質あるいはソフトウェア品質については,研究者,ISO,JIS,IEEE 規格によってさまざま
に定義されてきた。しかし現在は,ユーザの満足を最終ゴールとすることで世界的に概ね合意
が得られている。これには石川馨他による日本の「消費者指向」の考え方が欧米に与えた影響
が大きい。本領域下は,廃版となった規格を除き,よく知られている定義を配下のトピックスと
して紹介している。
本版においてトピックスとしてまだ整理していてないものは,例えば次のようなものがある。
Garvin は,
(ソフトウェアに限らず)ある品目の品質を利害関係者の視点により以下のように
とらえようとした〔Garvin1
9
8
4〕
。
・超越した視点:品質が何かを認識はできるが定義は困難である
・ユーザの視点:品質が目的に適合しているか
・製造者の視点:品質が仕様に準拠しているか
・製品の視点:品質が固有の製品特性に結びついているか
・価値に基づいた視点:品質は顧客が対価として支払う額に依存する
狩野は,テレビや置時計を題材として,満足感と物理的充足度合いの二次元の概念を使って,
ユーザにとっての「当たり前品質」
「一元的品質」
「魅力的品質」という区分を提案した〔狩野
1
9
8
4,狩野 1
9
8
5〕
。
・当たり前品質要素:それが充足されれば当たり前と受け取られるが,不十分であれば不満
を引き起こす品質要素
・一元的品質要素:それが充足されれば満足,不十分であれば不満を引き起こす品質要素
・魅力的品質要素:それが充足されれば満足を与えるが,不十分であってもしかたがないと
受け取られる品質要素
石川馨は,
「品質」にかわって「質」という用語の使用を提案し,これを狩野と飯塚も推奨し
ている〔狩野 2
0
0
0,飯塚 2
0
0
5〕
。質の管理の主たる対象が有形の工業製品であった時代は「品
物の質」というニュアンスがあっても問題なかったことから「品質」が違和感なく使われた。
しかし,サービス産業等の無形の価値を提供する産業が増加し,
「品質」と表現すると有形の製
品の「質」を暗に想定するという固定観念があることを考慮し,あらゆる産業においてその定
義の意味するところを端的に表す用語として,従来の品質と全く同じ意味で「質」という言葉
を使用すると説明している。それが製品・サービスであれ,システムであれ,人であれ,プロ
セスであれ,業務であれ,何であれ,その対象に対するニーズに関する特徴・特性に関心があ
る。飯塚が委員長として策定した「JIS Q9
0
0
5:2
0
0
5質マネジメントシステム−持続可能な成
長の指針」
〔JIS Q9
0
0
5:2
0
0
5〕では,日本の規格としてはじめて「質マネジメント」という用
語が使われている。
12
1.
1 KA:品質の概念
(2)ユーザ満足獲得の難しさ
ユーザ満足を得るために品質を追求するのであるが,このユーザの望む品質は普遍ではなく,
変遷するということに注意しなければならない。例えば,1
9
5
0年代はプログラムが正しく動く
ことがユーザにとって重要であったが,その後,信頼性や処理時間に焦点が移り,1
9
8
0年代に
は信頼性は当たり前品質と称されてユーザビリティに目が向けられた。そして現在はセキュリ
ティがユーザの大きな関心事の一つになっている。このような時代的変化に加え,ユーザのニー
ズや満足度の基準といったものはごく短期間に(開発途中でも)変化する。
さらに,ユーザの要求や期待は多様化しており,ユーザ(あるいはステークホルダ:利害関
係者)ごとに,各品質特性に対する優先度が変わることにも配慮したい。あるユーザの望むこ
とが別のユーザは望まない場合がある。トピックスにあげた Glass はプロジェクトの種類によっ
て各品質特性への優先度は異なるべきだと述べ,Weinberg もユーザ要求把握の難しさについて
言及している。
『
(1)
利
ISO/IEC9
1
2
6―1では,ユーザ要求把握の難しさを次の四つに分けて説明している。
用者が自分の真の必要性に気づいていないことがある (2)
必要性は,明示された後に変わる
ことがある (3)
異なった利用者は,異なった運用環境をもつことがある (4)
特に既製ソフ
トウェアにおいては,可能性のある全種別の利用者を調査することは不可能かもしれない』
〔ISO/
0
0
1〕
。また,同規格は,2
0
0
1年の改定時に,従来の「内部品質」と「外部品質」
IEC9
1
2
6―1:2
に「利用時の品質」を加え,ユーザの満足度をより考慮したソフトウェアの品質モデルになっ
ている。
(3)ディペンダビリティ,リライアビリティ,セキュリティ,ユーザビリティ,セーフティ
の関係
本知識領域では,
「ディペンダビリティ(dependability)
」と近年関心が高まっている「セキュ
リティ」
,
「ユーザビリティ」
,
「セーフティ」を副知識領域としている。
ディペンダビリティはリライアビリティ(reliability)と同じように「信頼性」と訳されるこ
とが多いが,ソフトウェア自体のリライアビリティのみを指すのではなく,リライアビリティ
に影響を与える要因等も含む,リライアビリティよりも上位のより包括的な概念である。
「JIS
Z8
1
1
5:2
0
0
0ディペンダビリティ(信頼性)用語」
〔JIS Z 8
1
1
5:2
0
0
0〕では,ディペンダビリ
ティを,Availability,Reliability,Maintainability を含むものとしている。Jean−Claude Laprie
は,
「一般社会で信頼できるシステム」という場合の Reliability(日本語の信頼性に近い概念)
と,数学的な Reliability(日本語の信頼度に近い概念)があるとし,これを区別するために,前
者にあたる用語としてディペンダリティができたと説明した〔Laprie1
9
8
5〕
。実際,JIS Z8
1
1
5
の備考に,
『ディペンダビリティは,非定量的用語として一般的記述に限り用いられる』
〔JIS
Z8
1
1
5:2
0
0
0〕とあり,ディペンダビリティは,理論的には厳密に定義することの困難な観測不
可能な利用上の問題を含む概念であると理解できる。例えば,故障は観測可能であるが,不具
合は認識の問題であり,客観的な観測が不可能な問題も多い。
13
第1章 ソフトウェア品質の基本概念
「ディペンダビリティ」
,
「セキュリティ」
,
「ユーザビリティ」
,
「セーフティ」は「ソフトウェ
ア品質モデル」とともに,本知識領域下の同じ階層(副知識領域)に並置しているが,これら
は,視点(ソフトウェア,システム,IT や装置製造の視点に限らない一般社会の広い視点)に
よってとらえ方が異なり,包含関係で説明されている場合もあるので,留意が必要である。国
際標準規格の場合には,ソフトウェア単独の視点かハードウェア主体のシステムの中のソフト
ウェアの視点かで,品質特性の包含関係の定義が異なっている。また,審議している団体(欧
州型のシステム規格が多い IEC か,米国型の規格の多い ISO か)によっても相違がある。
表1.
1.
1 国際標準策定・審議団体
分野
策定・審議団体
スコープ(視点)
ISO/IEC 9
1
2
6で扱う
品質特性全般
ISO/IEC JTC1 SC7
セキュリティ
ISO/IEC JTC1 SC2
7
システム
ユーザビリティ
ISO TC1
5
9
システム
ソフトウェア
セーフティ
IEC TC5
2
システム
ディペンダビリティ
IEC TC5
6
システム
表1.
1.
1に示すように,ISO/IEC JTC1 SC7で議論している ISO/IEC 9
1
2
6の品質モデルは,
ソフトウェアを対象範囲として,各品質特性の関係を説明している。同じ ISO/IEC JTC1下の
SC2
7では,システムを対象範囲としてセキュリティを議論している。ISO TC1
5
9では,システ
ムを対象範囲としてユーザビリティを議論している。一方,IEC 下の TC5
2では,システムを対
象範囲としてセーフティを審議している。同じ IEC 下の TC5
6では,ハードウェア主体のシステ
ムを対象範囲としてディペンダビリティを議論しており,その要素としてソフトウェアやセキュ
リティをあげている。ディペンダビリティの議論はドメイン依存であり,原子力,航空宇宙,
鉄道,自動車等で個別に議論している。現在の日本の立場(少なくともソフトウェア分野)は
IEC よりも ISO,欧州よりも米国の影響が大きいため,本ガイドでは,主体を ISO に置いている。
(4)Error,Fault,Failure の区別
最後に,品質を理解するうえで注意すべき用語をここで説明する。特に区別が必要と考えて
いるものは,Error,Fault,Failure である。団体によって,若干異なった意味でこれらを定義し
ている。
9
9
0〕では,以下のように定義している。
IEEE Std 6
1
0〔IEEE Std 6
1
0.
1
2―1
① Error
(1)計算された値,観察値若しくは測定値または条件と,真値,指定値若しくは理論的に
正しい値または条件との間の相違。
② Fault
(1)ハードウェアのデバイスまたはコンポーネントのディフェクト。
(2)コンピュータプ
14
1.
1 KA:品質の概念
ログラムの間違ったステップ,プロセス,またはデータ定義。
③ Failure
システムやコンポーネントが,指定された要求性能どおりに要求された機能を実行すること
ができない状態。
IEEE Std 6
1
0では,Error を(1)から(4)までに分けて広義・狭義で定義しており,広義
の場合は Fault や Failure を含む総合的な概念としている。また,同規格では Failure を引き起こ
す人的行動を「mistake」として,広義の Error の概念に組み込んでいる。
ISO/IEC 2
3
8
2−1
4の翻訳を含む JIS X 0
0
1
4〔JIS X 0
0
1
4:1
9
9
9〕では,以下のように定義して
いる。
①「誤差・誤り(error)」
計算,観測若しくは測定された値または状態と,真の,指定された若しくは理論的に正しい
値または状態との間の相違。
②「障害(fault)
」
要求された機能を遂行する機能単位の能力の,縮退または喪失を引き起こす,異常な状態。
③「故障(failure)
」
要求された機能を遂行する,機能単位の能力がなくなること。
JIS X 0
0
1
4〔JIS X 0
0
1
4:1
9
9
9〕では,意図しない結果を引き起こす人間の行為は,
「間違い,
人的過誤(mistake, human error)
」として別に定義しており,
「誤差・誤り(error)
」の中には
含めていない。
主に IEC 6
0
0
5
0(1
9
1)を翻訳した JIS Z 8
1
1
5〔JIS Z 8
1
1
5:2
0
0
0〕では,次のように定義し
ている。
①「エラー・誤り(error)」
計算,観察,または測定値若しくは条件と,特定されまたは推論的に正しい値若しくは条件
との間の不一致。
②「フォールト(fault)
」
ある要求された機能を遂行不可能なアイテムの状態,また,その状態にあるアイテムの部分。
アイテムの要求機能遂行能力を失わせたり,要求機能遂行能力に支障を起こさせる原因(設
計の状態)
。
③「故障(failure)
」
アイテムが要求機能達成能力を失うこと。
15
第1章 ソフトウェア品質の基本概念
JIS Z 8
1
1
5〔JIS Z 8
1
1
5:2
0
0
0〕では,人的な間違いをおかす行為(ヒューマンエラー)を
「エラー・誤り(error)
」に含める場合があるとしている。大場充(広島市立大学)は,
“Fault
は「記述上に固定されている欠陥」で,第三者にも確認できる。Error は,認識の問題であり,
第三者には確認する方法がない。テストは,Failure を起こさせることで Fault の存在を表面化さ
せるものである。レビューは記述を読むことで,Fault を検出し,記述を改善するためのもので
あると同時に,その Fault の原因である Error を分析し,再発を防止させるためのものである。
”
と説明している。保田勝通(つくば国際大学)も,
“Fault の原因である Error を分析して再発を
防止することがソフトウェア品質向上の鍵である”と述べている。
このように JIS 規格間でも同じ英単語に対応させている日本語や意味が異なる上,IT の世界
では慣用的に,バグ,不具合,ディフェクト(defect)
,インシデント(incident)等の用語も使
われている。本ガイドでは,執筆箇所によって意味が異ならないように,JIS X 0
0
1
4〔JIS X
0
0
1
4:1
9
9
9〕に準拠した,
「障害(fault)
」と「故障(failure)
」という用語で統一することとし
た。いわゆるソフトウェアバグは「障害(fault)
」であり,この結果,ソフトウェアが意図した
とおりに動かない現象は「故障(failure)
」である。
本知識領域では,品質の考え方の変遷と主なソフトウェア品質モデルを概観した後,上述し
たディペンダビリティ,セキュリティ,ユーザビリティ,セーフティをあげて各概念を解説す
る。
【参考文献】
〔Garvin 1
9
8
4〕
David A. Garvin, What Does ”Product Quality” Really Mean?, MIT Sloan Management Review,
5,1
9
8
4
Vol.
2
6,No.
1,pp.
2
5−4
〔狩野 1
9
8
4〕
狩野紀昭,瀬楽信彦,高橋文夫,辻新一,魅力的品質と当たり前品質,品質,Vol.
1
4,No.
2,日本品
質管理学会,pp.
3
9−4
8,1
9
8
4
〔狩野 1
9
8
5〕
三浦新,狩野紀昭,津田義和,大橋靖雄,TQC 用語辞典,日本規格協会,pp.
1
6
2―1
6
6,1
9
8
5
〔狩野 2
0
0
0〕
狩野紀昭,品のない“質管理”を,品質,Vol.
3
0,No.
2,日本品質管理学会,p.
6,2
0
0
0
〔飯塚 2
0
0
5〕
医療の質用語事典編集委員会,飯田修平,飯塚悦功.棟近雅彦(監修)
,医療の質用語事典,日本規格
協会,pp.
1
4−1
9,2
0
0
5
16