第3章 事業化を支援する専門家のリスト化 3-1.専門家発掘対象の抽出 本事業の目的である、コーディネート案件と、それに対し適切な対応がとれる専門 家とのマッチングが自立的に取れる仕組みを構築するには、広範なコーディネート案 件に対応可能な、様々な経験、能力を持った専門家を揃えることが必要である。 そのため、まず専門家に求められる経験、能力を検討し、専門家の定義として、以 下をすべて満たす者とした。 ①企業等において、企画、経営、設計、開発、研究、製造、販売等の実務経験を数 年以上有する者、または士業等の有資格者。 ②中小企業の事業化を支援した経験を有する者。 上記定義に該当する専門家としては、中小企業診断士等の士業、コンサルタント、 企業OB、中小企業経営者などが考えられ、以下のような手段で専門家発掘対象を抽 出した。 ①抽出候補機関363機関等に対するアンケート調査からの発掘 2-2項で述べた、抽出候補機関に対するアンケート調査において、「経営課題 解決支援の実績を持つ専門家をご推薦いただくことは可能ですか」との設問に対し 156機関等から回答を得た。 その結果、19機関等(12%)が「推薦可能」 、35機関等(23%)が「場合 によっては推薦可能」 、50機関等(32%)が「紹介は可能」と回答し、これらを 合わせた104機関等(67%)を専門家発掘対象とした(図表3-1) 。 なお、アンケート調査において「推薦できない」と回答した機関等は52機関等 (33%)であった。 (アンケート全体の結果は添付資料2参照) 。 9 図表3-1.専門家の推薦について (アンケート調査結果抜粋) ②国等の関係機関で公開している専門家に関する資料からの発掘 九州経済産業局ホームページで公開している、 「中小企業支援ネットワーク強化 事業」の巡回アドバイザー一覧、「九州地域の知財戦略支援人材一覧」 、 「国際ビジ ネスプロスキルアドバイザー一覧表」や、特許庁の「地域・中小企業等知財戦略支 援人材データベース」を専門家発掘対象とした。また、九州経済産業局「平成23 年度九州地域ものづくり中小企業技術戦略支援調査」にて検討する「九州版・事業 化プロデューサー(仮称) 」も専門家発掘対象とした。 ③同センターや再委託先である株式会社ベンチャーラボが有する情報 同センターや再委託先である株式会社ベンチャーラボは、これまで企業に対して 様々な支援を行っており、こうした取り組みを通じて、多数の専門家とのつながり を有している。そのため、これら機関が有する情報も専門家発掘に活用した。 3-2.専門家リストの掲載内容の検討 発掘した専門家をリスト化するにあたり、支援機関や企業等が欲しいと思われる情 報(専門家が保有する経験、スキル等の情報) 、コーディネート案件に適した専門家を 選定するに有効な情報を含めてリスト化することによって、専門家のより積極的、効 果的な活用を促す必要がある。そのため、以下の手順により、専門家リストへの掲載 内容について検討した。 ①九州経済産業局「九州地域の知財戦略支援人材一覧」 (50名程度の専門家を掲載) における掲載内容を参考とした。 10 ②インターネットを活用して、各産業支援機関等が作成・公開している専門家一覧 を抽出し、そこで公開されている専門家に関する情報(掲載項目)を調査した。 ③一般社団法人九州地域中小企業支援専門家連絡協議会※(以下、 「九州志士の会」 という。 )の協力を得て、九州志士の会に所属する専門家の意見を反映した。 ※一般社団法人九州地域中小企業支援専門家連絡協議会(通称:九州志士の会) 熱い志をもった複数の士業等の専門家の集まりで、平成23年4月4日に設立し、同年5 月16日に一般社団法人化。複数の専門家でなければ解決できない高度な課題に対して、 様々なスキームや手法を駆使し中小企業支援に挑もうとしている。 検討の結果、以下の項目を専門家リストに掲載することとした。 ■ 基本情報(氏名、所属・役職、保有資格等、連絡先、顔写真) ■ 中小企業支援に対する理念・思い ■ 主な職務経験歴 ■ 中小企業の支援実績・内容 ■ 支援可能な業務、得意分野(以下から選択) <経営面> 1.経営企画・戦略立案 2.経理・財務管理 3.人事・労務管理 4.法務 5.資金調達 6.人材開発 7.人材の獲得 8.その他( ) <事業面> 1.技術・製品開発 2.生産管理 3.物流管理 4.販売・マーケティング 5.販路開拓 6.海外展開・国際化(国名 ) 7.情報化・IT活用 8.知的財産の取得・活用 9.その他( ) ■精通している業界(以下から選択) 1.全般 2.製造業(→分類項目詳細について、さらに下記から選択) 食料品 繊維工業 木製品・パルプ・紙・印刷 化学工業 石油・石炭製品 プラスチック・ゴム・革製品 窯業・土石製品 鉄鋼 非鉄金属 金属製品 一般機械器具 電子部品・デバイス・電子回路 電気機械器具 情報通信機械器具 輸送用機械器具 その他 ( ) 3.農林水産業 4.建設業 5.情報通信業 6.卸売業、小売業 7.金融業・保険業 8.上記以外( ) 11 3-3.専門家リスト作成 3-1項で抽出した専門家発掘対象に対し、3-2項で確定した専門家リスト掲載 項目を盛り込んだ専門家調査票(添付資料4参照)を送付し、専門家リストに掲載す る専門家を収集した。 その結果、207名から回答があり、掲載を辞退した者等を除く205名について その内容を「事業化支援専門家一覧」にまとめ、A4版、124ページ、二色刷りで 400冊印刷した。その際、企業が抱える課題に応じて専門家を整理した。また、 「事 業化支援専門家一覧」は、関係機関連絡会参加機関等に配布した。 なお、当該「事業化支援専門家一覧」に掲載する専門家については、今後も収集を 図ることとした。 図表3-2. 「事業化支援専門家一覧」表紙 12 図表3-3.専門家掲載イメージ 13
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