2008年1月~4月分(PDF 305KB)

国際建設情報
ダイジェスト
2008 年 1 月上期号
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(社)国際建設技術協会 / TEL : 03-3263-4821
タイ、新しいビル安全コード強化
タイ政府は、2年半前の違法改装による火災事故を契機にビルの安全コードの改訂を命じ、公共事
業・都市・国土計画局に、リスクがあると思われる9つのタイプのビルを調査させた。一方で、検査
内容の不確かさと検査結果に伴う費用を恐れるビジネスマン・ホテル経営者等の方は、新規制の施行
の延期を求めた。ホテル・劇場等の建物は耐久性、消化装置・電気設備等の検査を受ける。大規模検
査が5年後に、小規模検査は毎年行われる。
オランダ、2016 年全国規模衛星距離課金スタート
11 月 30 日オランダ政府は、2016 年までに全国で全車両を対象とし、人工衛星を利用した走行
距離による課金システムを実施すると発表した。同計画は、環境に優しい車両は低料金で、また混雑
した地域に乗り入れる場合は、より高額な課金が行われる。同計画は 2011 年に重量物運搬車両に適
用し、2016 年までに全車両に対し実施する予定である。同計画は、その実施と共に道路税と新車購
入税が引き下げられるため国民の支持を得ている。
バングラデシュ、サイクロン被害復旧に数十億ドルの支援求める
11 月 15 日、サイクロン「シドゥル」がバングラデシュ海岸を直撃し南部地域に破壊的な傷跡を
残した。最も被害が大きかった地域ではサイクロンが高潮を引き起こし、道路や家畜、農作物など村
全体を一掃し、住宅約 56 万 4,000 戸が全壊した。同国政府は 22 億ドルの支援をドナーに要請し、
さらに追加支援を求めると思われる。同国政府は約 2,000 のサイクロン避難所を作り、住宅や農作
物を守るために数百マイルの道路や堤防を改修する予定だ。
ドル安、中東で建設費高騰を招く
中東ではディルハムの急激な下落と、世界的な信用危機のため建設費が急速に高騰している、とア
ナリスト達が主張している。またアラブ首長国連邦(UAE)のディルハムを含む中東の通貨の大半
は米ドルと固定されており、ドル安が一部中東地域で建設業の利幅の減少を引き起こしていると言わ
れている。一般に UAE の中央銀行は自国通貨がドルと連動しているため、インフレ対策向けに利率
の引き上げなどの通貨操作が使えない。
EU、ガリレオ衛星の本格運用を承認
米国の GPS に対抗するガリレオ計画は、数千の雇用を生み出し、米国の GPS からの自立を確実
にするという欧州委員会の主張にも関わらず、その実行可能性と費用に関する長年の疑念に悩まされ
てきた。しかし今般、27 の EU 加盟国中 26 カ国が、30 基の衛星打ち上げ作業に関する提案を支
持するに至り、ガリレオ衛星の運行プログラムが承認された。スペインは、地上管理センター配備の
保証を求めて提案に反対したが、多数決で敗北した。
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2008 年 1 月下期号
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建設入札の不正一掃
英国公正取引局(OFT)は、建設業界の不正入札を 2009 年に告発することを検討している。然し
OFT 手持ちの人的資源では全ケースの調査は不可能であり、OFT は請負業者が免罪と引換えに不正
入札を告白するのを頼りにしている。この提案は業者にとり魅力があり既に 38 社が名乗りを上げ、
罰金の 50%減額を期待している。しかし業者が談合を書面で認めた場合、罪が重いと判断されて民
事裁判所に送られると業者の立場が弱くなる事もある。
アメリカ・メキシコ国境水問題
1944 年の条約でメキシコは、テキサス国境の両国の管理下にある2つのダムの水を5年毎にアメ
リカに送ることになっている。メキシコ側では送水の度に農作物が壊滅し、又雨が散発的にしか降ら
ない砂漠地帯では農業灌漑もできない。農民を救うため地元の議員たちは、今年のアメリカへの送水
が合法か否かの判断をメキシコ最高裁判所に求めた。彼らはアメリカへの送水の内、メキシコ側の国
境線に沿った西の地点からリオグランデ川に流れる支流を水源とする分については、アメリカ側に金
の支払義務を課す条項が同条約に存在するという。
カナダ、廃水規制新基準を策定するも財源は未定
カナダ政府は、全州で 3,500 ヶ所を超える市営下水処理施設からの廃水の量と水質の改善を目指
す。この動きの背景には(1)毎年3兆リットル超の処理廃水が同国の地表水に投棄されていること、
(2)多くの下水システムが雨水との合流式下水であり大雨の際に未処理の下水が直接下水から溢れ
でること、(3)最善の技術でも全物質の除去が不可能なこと、がある。資金的には目的税歳入の使
用と地方自治体間での費用分担が考慮されているが、依然懸念材料である。
ボストン・ビッグディッグプロジェクト漸く終了
最も複雑で費用のかかる幹線道路プロジェクト、ビッグディッグの工事が 2007 年末に終了した。
完成までには、トンネルの漏水、大規模な交通渋滞、トンネル崩落事故、26 億ドルから 148 億ドル
に膨れ上がった費用等の事情がある。なお、道路の地下化に伴い旧高架道路は解体された。ボストン
中心部を通過する平均走行時間が 19.5 分から 2.8 分に短縮された。
ベトナム、ラオスのメコン川流域に巨大水力発電ダム建設を計画
電力不足のベトナムは、建設費 20 億ドルの巨大ダムを隣国ラオスのメコン川に建設する計画を立
てている。2007 年度の経済成長率が 8.4%に達するベトナムの電力需要は、その倍の伸びを示す
もののダム建設が可能な河川が不足しており一方、最貧国に入るラオスは水力発電から得られる電力
をベトナムに売電し貧困からの脱出を図りたいとしている。しかしこの計画は、メコン川の生態系の
保護を訴える環境保護者団体の非難の的になっている。
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2008 年 2 月上期号
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EU 新加盟国ルーマニア、ハンガリー等で建設業に打撃
ルーマニアやハンガリー等の EU 最新加盟国では、大型早期着工プロジェクト管理者が、建設費管
理で新しい問題を課されている。通貨変動、熟練技術者の不足、老朽化した交通インフラ、非現実的
な低価格入札等、問題が山積している。ルーマニアでは熟練作業員の不足が最大の問題である。フィ
リピン等から労働者を連れてきても、旅費や住居費で低賃金のメリットが相殺されてしまう。またこ
れらの新 EU 加盟国では、プロジェクト管理者はユーロで契約を行い、地元サプライヤーは現地通貨
契約を求めるため、建設費管理が更に困難となっている。
米国家運輸安全委員会、
I-35W 崩落事故の原因はガセットプレートの厚さ不足と発表
昨年8月に発生し、13 人の死者と 145 人の負傷者を出したミネソタ州の I-35W 崩落事故で国
家運輸安全委員会は、設計ミスが原因と発表した。トラスの角桁を接合する鋼板のガセットプレート
は、中央径間にあるもののうち 16 枚の厚さが、必要な厚さの半分程度で、建設当時その厚さも強度
も当時の安全域を満たしていなかった。昨年 10 月に下院運輸インフラ委員会が可決した法案は年1
回の検査を義務付け、州の担当責任者に技術士の資格を義務づけている。
中国、世界的なダム建設者に−三峡ダムの再来か
昨今中国企業は、パキスタンでやラオスで大型のダムの建設契約を獲得し、またアフリカに対して
も積極的に攻勢をかけている。環境保護主義者や人権保護活動家は、中国が国中で大型ダムを建設し、
また海外でダムの再開を導くことで、自国でダムが引き起こした多くの間違いを再び行うことを懸念
している。中国政府は影響評価や公聴会の義務づけを行い、大型ダムの見直しを開始している。
豪マレー川、干ばつでバッテリー液並みの酸性水に
オーストラリアの最大の川、マレー川の一部が旱魃で車のバッテリー液に等しい酸性液となり、酸
性硫酸塩の土壌により川や沼、池の魚や鳥が死んでいる。マレー川沿いには酸性硫酸塩土壌があり数
十年間水浸しであったが、今は水が枯れつつある地域で主に硫酸がでてきている。硫酸が生成される
のは、川岸や浅瀬で自然発生する黄鉄鉱が酸素と反応するためで、この問題は水位を上げて、川岸や
浅瀬を水浸しにすることで防御可能である。
米、徒歩圏で生活できる区域の数で都市をランキング
ブルッキングス研究所の最近の調査研究報告書は、ワシントン DC、ボストン、サンフランシスコ
を徒歩圏都市ベスト3に挙げている。米国では第二次大戦後の長期に渡り郊外部の成長が続いた後、
都市圏の中心部の再生と交通機関のアクセス性を優先した開発が進んだ。ワシントン DC に歩ける
徒歩圏都市区域が全米で一番多いのは、メトロ鉄道網の成功、柔軟な建築規制による駅周辺の開発促
進、比較的安定した経済がその要因となっている。
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2008 年 2 月下期号
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国際建設市場さらに成長
2006 年版上位 225 社国際建設会社の海外プロジェクトの連結収益は、前年より 18.5%増の
2244 億 3000 万ドルを示した。また上位 200 社国際設計会社の海外プロジェクトの設計収益も
25.6%増加した。かれら国際請負業者は官民パートナーシップ(PPP)に高い利益の可能性を見出し
ている。一方で市場は材料費と人件費がより不安定になり、通貨変動は不安を誘発している。また中
国とインドの請負業者の今後の躍進も予測されている。
モスクワ、クリスタルアイランドプロジェクトが始動
クリスタルアイランドと名付けられた超高層建築物は、クレムリンから 7.5kmのモスクワ川に臨む
Nagatino島に位置し、高さ 450m、直径 701m、総面積は 250 万m2あり、頂上に向かってらせん
形を描くピラミッドのような形をしている。このテントのような外部構造は、通気性のある膜で、メ
インビルディングの断熱材となって、モスクワの厳しい夏や冬の天候から内部を守る。この建物の中
には店舗、高級アパート、ホテル、劇場、映画館、美術館および学校などが建設される予定だ。
豪クイーンズランド州の洪水、損害 10 億豪ドル突破の恐れ
オーストラリアのクイーンズランド州では1月下旬に洪水が襲い、州内各地で道路を切断、炭鉱を水浸
し、牧畜に損害を与え、州民は住宅からの避難を余儀なくされた。被害総額は 10 億豪ドルを突破する勢い
で、炭鉱と農業部門の損害が国民経済に波及するのは必至と思われる。同州のボーエン・ベイスンの炭鉱
33 カ所が、石炭採掘中止の危機に直面している。
ドイツ初の高速道路拡幅 PPP 契約
南ドイツを走るA8号線で混雑の激しいアウクスブルク・ミュンヘン(37km)で初の拡幅および
運営の PPP モデル契約が、アウトバーンプラス・コンソーシアムにより実施されることとなった。
A8号線はドイツのアウトバーン網の一部であり、現在同路線は上下線共に路肩に舗装のない2車線
道路であるが、拡幅工事完成の暁には上下線共に舗装路肩と3車線道路となる。
I-35W 橋崩落事故から、調査体制強化の呼びかけ
昨夏のミネソタ州ミネアポリス I-35W 橋崩落事故に関して、米国家運輸安全委員会(NTSB)の
中間報告書が発表された。同報告書は、崩落前に定期的に行われていた橋の調査は、亀裂や腐食の検
出に注力した余り当初の設計ミスに気づかなかったという。この橋は、構造的に荷重をどこかで止め
るというリダンダンシーを欠くため、一部分の崩壊が橋全体の崩壊を招く。最近の橋は一部分の見落
しが原因になり、突然の崩壊を防止するため、構造設計にはリダンダンシーを取り込んでいる。
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インドの建設ブームに沸く英建設業界
2006 年版上位 225 社国際建設会社の海外プロジェクトの連結収益は、前年より 18.5%増の
2244 億 3000 万ドルを示した。また上位 200 社国際設計会社の海外プロジェクトの設計収益も
25.6%増加した。かれら国際請負業者は官民パートナーシップ(PPP)に高い利益の可能性を見出し
ている。一方で市場は材料費と人件費がより不安定になり、通貨変動は不安を誘発している。また中
国とインドの請負業者の今後の躍進も予測されている。
韓国の橋梁プロジェクト、経営を国際
現在韓国で建設中の仁川連絡橋は、永宗島とソウルの国際空港を韓国本土を結ぶ工費 17 億ドル、全
長 12.3km の橋梁だ。コンセッションは透明性を高め、効率を上げるため、韓国型の民営化プロジェ
クトからの離脱を決め、韓国の請負業者をコンセッション事業主体から外した。その代わり同社はタ
ーンキー入札をコンセッション事業者へ提出させ、結果として 20%の費用節約を実現した。韓国政府
はコンセッション契約を受注した Incheon Bridge 社に対し建設助成金の 49%を提供し、最低収益を
保証している。
アブダビ、世界初のゼロカーボン・シティ建設開始
アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビ首長国で開催された代替エネルギーに関する国際会議で、世界
初の炭素排出ゼロの都市となるマスダール市の建設が2月に開始されると発表された。6km2 の地域
に5万人が住む。移住は 2009 年から始まり、同市の完成は 2013 年の予定。太陽光発電所が市内
の建物に送電し、市内の自動車走行は禁止され、人々は軽量鉄道と小型無人バスで移動する。同計画
は、世界的な保護団体による世界自然保護基金の旗艦プロジェクトでもある。
ロンドン市長、大規模自転車レンタル計画発表
ロンドンは、パリで評判のシステムと同様の自転車レンタルプログラムを採用する。環境対策の一
環であるこの計画のもと、市内に 300m 毎に駐輪場が設置され、6,000 台の自転車がレンタル可
能になる。この政策には新しい自転車道の実現や自転車専用の区域の設定、市内全域の地下鉄の駅に
増設される駐輪場などが含まれる。
Livingston 市長は 2025 年までにロンドン市内全通勤者の 5%、
または 170 万人が自転車通勤になることを望んでいる。
米、FEMA の洪水ハザードマップに地方自治体が反論
ハリケーン・カトリーナの災害を受け、連邦危機管理庁(FEMA)はハザードマップの再編に取
組んできた。その新しい洪水危機基準を示すマップが最近発表され、方々の州で地方自治体を狼狽さ
せている。伝えられるところでは、新マップ上では市街地の大部分が今後建物を新築する際、地上か
ら高さ6m 以上離れた位置に地上階を設定する必要がある。市がその高さ指定に反論するにも時間
が限られている。また同マップ論争には費用がかかる。
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豪前政権下の全国水利 100 億ドル計画破棄へ
労働党政権下で新計画に取替え
オーストラリアではラッド労働党連邦新政権が前政権の計画を破棄し、水資源のより積極的な再分
配を行う。前政権の計画はマレー・ダーリング水系の水利権を連邦の管轄に移し、時代遅れとなった
灌漑システムを整備するというものであったが、ラッド政権下では 50 億豪ドルを支出し、同水系流
域の灌漑農民 15,500 人に対し永久的水利権の断絶の補償が行われる。同水系内の灌漑農民、環境、
その他直接・間接の水利用者に対する平等な所有権付与による水の再割当の終了後、約 10 億豪ドル
が効率向上に支出される。
テキサス州、全米初の全州レベル緊急避難管理システムを採用
テキサス州緊急事態管理局(GDEM)は、全米初の全州レベルの避難管理システムを導入する。AT&T
社は、主プロバイダとしてワイヤレス RFID(無線チップ識別)サービスを提供し、全州規模の緊急避
難追跡システムをサポートする。緊急避難時には避難者をその場で登録し、バーコードつき RFID が
腕輪が支給される。バスには避難ルートを追跡する GPS 装置が装備されている。目的地に到着すると
避難者のプロファイルを更新してリアルタイムで情報を提供する。
英、グリーン屋根の普及が勢いを増す
英国では開発により失われた自然環境の穴埋めとして、植栽を施したグリーン屋根(緑化屋根)を求め
る動きが力を増している。地方自治体は病院、学校、公営住宅等の仕様に緑化屋根を含めるよう求め
ている。緑化屋根のメリットとしては、
(1)建物の熱取得が激減する、
(2)雨水は留保され、より長
い時間をかけて放出されることで洪水の可能性を低減する、等が挙げられている。
イーガンレポートの見直し
1998 年サプライチェーンの統合を介し建設業の効率改善を訴えた「建設を考え直す」(イーガン
レポート)が発表された。2002 年には、前者の提案を促進する「変革を促進する」が発表された。
2002 年版の第一項目は、2004 年末までに 20%(金額ベース)、2007 年末までに 50%の建設プ
ロジェクトを統合されたチームとサプライチェーンにより実施することを謳っているが、数字で見る
実績は遥か及ばなかった。
チェコ共和国の高速道路事情、
今後 3 年間に 1000 億コルナ(約 6300 億円)で新規高速道路 184km
チェコ共和国は今後3年間に総額 1500 億コルナ(約 9,500 億円)の予算を計上の上、約 980 億
コルナを新規高速道路 184km の建設に充当する。EU からは 440 億コルナ、欧州投資銀行からは 170
億コルナの資金供与を受ける。チェコ自体の投資は 40%に満たない。これにより首都プラハからベル
リンまで高速道路で繋がるが、高速道路網の完成には程遠く 1,000km の不足である。同国で高速
道路への資金導入が強化されたのは 2004 年の同国の EU 加盟以降である。
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ブッシュ大統領、目的特定予算の抑制に大統領令発動
ブッシュ大統領は昨年、議会で議論や審議もなく、時間ぎりぎりの駆け込みが多い「目的特定予算」
の金額と件数とを半減するよう、議会に要請したが効果がなかった。今年の一般教書演説で大統領は、
本年は金額・件数が半減されていない目的特定予算の法案には拒否権を発動すると述べた。
各州、老朽化した橋梁の架け替えに予算効率化の様々な工夫
米ヴァージニア州交通局は、「構造的に不十分」とされる橋梁への対処方法として、劣化した橋桁
を監視し、場合によっては通行車両の重量・積載制限を実施しながら運用した上で、最終的に架け替
えるという方法を取っている。また、オクラホマ州交通局は、道路工事部分を最小に押さえることに
よって予算削減を図っている。新橋を建設する際は、既存橋を閉鎖して迂回路を活用し、現位置に建
設する。これにより、建設位置をずらして既存橋を交通に供する場合に比べ、道路工事量が大幅に減
少した。
議事堂から銀行まで、各国でエコビルが進む
ベルリンのドイツ国会議事堂、ロンドンのスイス・リ社ビル、ニューヨーク世界貿易センター跡地
のフリーダム・タワー等、世界各地で新しく建設される象徴的なビルの多くが、環境対策を大きく打
ち出している。またドイツ銀行フランクフルト本社等の既存の建物も、環境への影響削減を目指して
改修が行われている。こういった環境配慮ビルの台頭理由のひとつに、欧州連合(EU)の指令
(Directive)、「建築物のエネルギー性能にかかわる欧州指令」がある。
オランダ、気候変動に対応するための様々な対策を開始
今後数十年の間に地球温暖化が進行すると、海面より低い国土を持つオランダでは、海面上昇によ
る堤防の決壊、雨量増大による大河川の急激な水位上昇、泥炭層である国土全体の地盤沈下等の被害
が予測される。これに対処するための活動が始まっているが、その方法として従来形の土木工事によ
る水浸入防止施設の強化に加え、「水と調和して生活する」ことを目指す動きもある。例えばロッテ
ルダム南東の Dordrecht 市では、「水陸両用地区」等の新しいコンセプトを導入した実験的な試みを
行っている。
フランス上下水道事業の実態
フランスの上下水道事業者(公営、民営)を対象に、統計調査団体 BIPE が調査行った。フランス
の用途別上水道源の内訳、下水処理の処理レベルの現状、および上水供給、下水処理を行っている事
業者の公共、民間等の形態、利用者から徴収した料金の配分等の実態が明らかになった。
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