今さら人に聞けない!! 株式市場には、市場拡大が見込まれる何らかのテーマが常に存在します。ここ 平成 25 年 11 月 22 日 SMBCフレンド証券 投資情報部 大木登志枝 では、‘何となく知っているものの、ぼんやりとしたイメージしか描けない’タイに ついて分かりやすく解説します。 タイって、どんな国 ? タイと聞いて思い浮かぶのは、黄金の仏教寺院やトムヤンクン、水上マーケットでしょうか。ここ数年は、 空港占拠デモや大洪水がニュースに取り上げられ若干イメージが暗くなったかもしれません。現在、タイは 洪水被害から復興し、再び生産拠点、そして消費市場としても注目されています。 「微笑みの国」と呼ばれているタイは、国民の9割以上が仏教徒で、国王、宗教(仏教)、民族(国民)が国家を統合 する三大柱とされています。タイは、1980 年代後半以降外資導入をてこに著しい経済発展を遂げ、97 年の通貨危機 後、構造改革を経てアセアンの生産拠点としての地位を確立しました。自動車産業の集積が進んでいることから「東洋 のデトロイト」と呼ばれています。近年では 2008 年の世界金融危機や 11 年の大洪水被害で経済が落ち込みました が、現在は本来の成長軌道に戻っています。国際通貨基金(IMF)によると 12 年の1人当り名目国内総生産(GDP) は約 5390 ドルと日本の 70 年代後半の水準に達し消費市場としても成長が期待されています。 タイの国土と民族・属性 タイ王国(以下タイ)はインドシナ半島の中央部に位置し、面積は約 51 万 4000 平方キロメートル(日本の約 1.4 倍)で、ミャンマー、ラオス、カンボジア、 マレーシアと国境を接しています。 10 年の国勢調査によると、人口は約 6598 万人で、宗教別の割合は、仏 教(93.6%)、イスラム教(4.9%)、キリスト教(1.2%)、ヒンズー教(0.06%)、 儒教(0.03%)、シーク教(0.02%)、その他(0.07%)となっています。憲法で は信仰の自由が規定されていますが、仏教はほぼ国教となっています。民 族的には大多数がタイ族(タイ国政府観光庁によると人口の約 85%)で、 中国系(同約 10%)のほかマレー系、モーン・クメール系、ラオス系、インド 系のほか山岳少数民族が住んでいます。他のアセアン諸国と異なりタイで (出所:外務省) は中国系の人々の同化が進んでいると言われています。公用語はタイ語で、日常会話は地方によって方言があり、少 数民族は独自の言語を使用します。 タイは熱帯雨林気候に属し、雨期(6月~10 月)、乾期(11 月~2月)、1年で最も暑い季節の暑期(3月~5月)に分 かれます。暑期にタイの正月である「ソンクラーン」を祝います。ソンクラーンは水掛け祭りとしても有名です。首都はバ ンコクで、かつては運河が巡らされ水上交通が盛んで「東洋のベニス」と呼ばれていました。多くの運河は埋め立てられ 道路となりましたが、チャオプラヤ川(メナム川)は今でも重要な水運です。11 年の洪水ではこのチャオプラヤ川も氾濫し ました。 敬虔な仏教国であるタイでは、仏教寺院が多く、男子は一生に一度は出家をして修行を積むこととなっており、街を歩 けば黄色い衣を身にまとった僧侶が托鉢(たくはつ)を行う姿が見られます。タイ文化は、根底には仏教があり、東西交 最終ページに重要なお知らせ「注意事項」がありますので必ずお読みください。 有効期限:平成 26 年 11 月 30 日 1/8 平成 25 年 11 月 22 日 SMBCフレンド証券 投資情報部 大木登志枝 流の拠点であったためインドや中国の影響を受けつつ土着の生活様式や精霊信仰(アニミズム)が混合し形成されてい ます。また、タイは仏教建築、歴史的遺産、美しいビーチリゾート、タイ料理、ショッピングなど豊富な観光資源に恵まれ ています。 タイの国王と政治体制 ① 崇敬される国王 タイには微笑みを絶やさない穏やかな国民性のイメージがあり「微笑み の国」と呼ばれていますが、政治は落ち着いてはいません。軍事政権が倒 れた 1973 年から 2012 年までの 39 年間にクーデター4回、憲法の制定6 回、総選挙の実施 14 回、政権の交代を 28 回経験しています。この間の首 相の数は 17 名で、長期政権を維持した2人と現首相を除いた残り 14 人の 首相の平均在任期間は約1年半の短さでした。それでもタイが海外からみ (写真提供:日本アセアンセンター) て不安定な国とされないのは、クーデターが起こっても流血の事態まで悪化 せず、政治体制を揺るがすほどの政治変動が起こらず、かつ経済が成長しているからでしょう。また、国王の存在もタイ の安定化に貢献していると思われます。 タイは立憲君主制です。国家元首はプミポン・アドゥンヤデート国王(ラーマ9世王)で、1782 年に建国されたチャックリ ー王朝の9代目の国王にあたります。2013 月6月9日には在位 67 年を迎えます。日本の天皇は国民の象徴ですが、タ イで国王は憲法上「神聖不可侵の存在」と規定され広範な権限を与えられています。たとえば、国会の開催、内閣の任 命、法律の制定、軍の統括、官庁の局長以上の人事の任命権などです。1932 年に立憲革命が起こり、王政は廃止され ましたが、現在においても、国王は国民に広く崇敬され、強い存在感を示しています。19 世紀後半、国王の指導の下で 西洋列強諸国と通商貿易条約を結び、タイの植民地化を防ぎ(タイは東南アジアで唯一独立を維持することができた国 です)、社会経済制度の改革を進めてきた歴史的背景や、現国王が国の非常時には表舞台に出て解決に導いているこ と、仏教の教えのもとで全国各地の環境保全や伝統文化の保存など 400 以上の「王立プロジェクト」を通してタイ社会に 大きく貢献していることがあります。 ② 混迷する政治 議会は、上院 150 名(公選 77 名、任命 73 名、任期6年)、下院 500 名(小選挙区 375 名、比例区 125 名、任期4年) から構成されます。01 年に初の民間出身の首相タクシン・シナワット氏が率いるタクシン政権は、国民の高い支持と下 院における安定多数を背景に 05 年1月にはタイ政治史上初めて議会の任期を満了する政権となり同年2月の下院選 挙で与党が圧勝しタイ史上初めての単独政権が誕生しました。 しかし、06 年になるとタクシン首相の政治手法や一族の株式売買などを巡り反タクシン運動が高まり、同年9月軍部 のクーデターによってタクシン政権は崩壊します。タクシン首相は国外滞在を余儀なくされ、08 年 12 月までの約2年間に、 軍出身のスラユット政権→タクシン派のサマック政権→タクシン派のソムチャイ政権→反タクシン派のアピシット政権と、 政権は目まぐるしく交代しました。 アピシット政権時、タクシン派によるデモ集会が頻発し、10 年3月以降のデモ隊と治安部隊の一連の衝突により日本 人を含む約 90 名が死亡しました。11 年5月アピシット首相は任期満了を待たず下院を解散、11 年7月に総選挙が実施 されました。その結果、タクシン派のタイ貢献党が勝利し、インラック・シナワット女史が首班指名を受けます。インラック 最終ページに重要なお知らせ「注意事項」がありますので必ずお読みください。 有効期限:平成 26 年 11 月 30 日 2/8 平成 25 年 11 月 22 日 SMBCフレンド証券 投資情報部 大木登志枝 首相はタイ史上初の女性首相で、タクシン氏の実妹です。同政権は発足直後から大洪水の被害という非常事態に直面 することとなりましたが、現在は復興が進み経済は通常の軌道に戻っています。 しかし、政治は不安定な様相を見せています。13 年 11 月はタクシン氏の帰国につながる恩赦法案を巡り、数千人規 模のデモが発生、与野党が対立するなど政治情勢が緊迫化しました。上院での否決を受けて恩赦法案は廃案になる見 通しですが、反タクシン派はインラック政権打倒に向け攻勢を強めています。また、インラック政権が導入したコメ担保融 資制度は、財政を悪化させるとの批判を受けていますが、制度の廃止は与党の大票田である農村部が強く反対してお り、同政権は難しい舵取りを迫られています。 タイの国旗 タイの国旗は、5本の横縞からなり、青は国王、白は宗教(仏教)を、赤は国家と国民の団 結心を表しています。その色からトン・トライロング(三色旗)と呼ばれています。タイにおいて、 国王、仏教、国民(民族)は国家を統合する三大柱となっています。 タイの実質GDP成長率と1人当り名目GDP (期間: 1994~2013年〈推計〉) タイの経済状況 ① GDPと消費 (出所:外務省) (ドル) (%) 15.0 7000 タイの経済規模は、IMFによると 12 年に名 目GDPが約 3660 億ドルと日本(約5兆 9603 億 ドル)の約6%、同1人当り名目GDPも約 5390 ドルで日本(約4万 6707 ドル)の約 12%の水準 6000 9.0 9.2 5.9 5000 7.1 5.3 4.4 4.8 2.2 6.3 7.8 0.1 10.0 6.5 4.6 5.1 5.0 2.5 ‐2.3 3.1 5.0 4000 ‐1.4 です。しかし、アセアン 10 ヵ国のなかでは名目 0.0 3000 GDPがインドネシアに次いで2位、1人当りGD ‐10.5 Pがマレーシアに次いで4位と上位に位置して 2000 います。 1000 タイは、1980 年代後半以降外資導入をてこ に著しい経済発展を遂げました。しかし 90 年代 ‐5.0 ‐10.0 1人当り名目GDP(左軸) 実質GDP成長率(右軸) 0 ‐15.0 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 ( 年) 注: 2013年のデータはIMFの推計値。 (出所: IMFデータより投資情報部作成) 以降、タイ経済は3回経済が大きく落ち込みま した。1回目は通貨危機に襲われた 97 年(前 年比実質GDP成長率-1.4%)とその翌年の 98 年(同-10.5%)です。IMFおよび日本などの支援や不良債権処理など の構造改革を経て、政府の景気対策や好調な輸出に支えられて経済は回復、07 年頃まで比較的高い成長が続きまし た。2回目のマイナス成長は 09 年の-2.3%です。08 年に、内政の混乱に加えリーマン・ショックに端を発する世界金融 危機により輸出が落ち込んだことが原因です。政府は大規模な財政支出を行い、海外の景気回復とともにタイ経済も 10 年に回復しました。そうしたところ、11 年には大洪水被害によって3回目の大打撃を受けます。12 年に入って復旧が 進み、また好調な内需がけん引し前年比実質GDP成長率は 11 年の 0.1%から 12 年は 6.5%となり、本来の成長軌道を 取り戻しました。13 年は消費や輸出の低迷から成長が鈍化、通年の実質GDP成長率についてIMFは前年比 3.1%、タ イ政府は同 3.0%を予想しています。 タイでも他のアセアン諸国同様、個人所得の増加に伴い消費市場が成長しています。80 年代後半からの経済成長に より 96 年には1人当り名目GDPが 3000 ドルを超え、アジア通貨危機後に減少・低迷するも 06 年にふたたび 3000 ドル 最終ページに重要なお知らせ「注意事項」がありますので必ずお読みください。 有効期限:平成 26 年 11 月 30 日 3/8 平成 25 年 11 月 22 日 SMBCフレンド証券 投資情報部 大木登志枝 台に回復しました。この間、ビールの生産量が増加し、百貨店やコンビニエンスストアが地方にも進出していきました。 12 年には、1人当り名目GDPは 06 年の約 1.7 倍の約 5390 ドルとなり日本の 70 年代後半の水準に達しています。12 年は景気回復に加え、政府の自動車購入支援策により、自動車販売が堅調で、販売台数は前年比 80%増の 143 万台 で初めて 100 万台を超えました。 IMFによると 18 年の1人当り名目GDPは 12 年の約 1.5 倍の 8024 ドルと予想されており、所得の増加が個人消費の 拡大を後押しすると期待されます。今後は、装飾品やブランド品などの高付加価値品、教育や旅行などのサービス消費 も活発化すると見込まれます。 ② 主要産業と構成比 タイ経済は伝統的には農業中心でしたが、60 年代 タイの対実質GDP産業構成比(2012年) から民間資本活用による工業化が進みました。80 年 不動産 3.9% 金融業 4.4% 代後半のプラザ合意後は日本など海外企業による直 接投資が急増、工業化が急速に進み、とくに自動車、 鉄鋼、石油化学などの重化学工業が発展しました。通 運輸・倉 庫・通信 9.8% 貨危機後に再び海外からの投資ラッシュが起こり、こ の時期は、タイバーツ安となっていたため電気・電子 ホテル・レストラン 4.2% など輸出競争力を持った製造業の基盤が急速に形成 その他 8.8% 農林水産 業 8.4% 鉱業 2.2% 製造業 39.1% 卸・小売 13.4% されました。 建設 2.1% 工業化により、70 年には実質 GDP の 25%程度を 電力・ガス・水道 3.7% 注: 2012年のGDPは暫定値で、基準年は1988年。 (出所) JETRO〈原資料は国家経済社会開発庁〈NESDB〉データより投資情報部作成 占めていた農林水産業の割合は低下、製造業の割合 が上昇しました。産業構成を対実質GDP比(12 年)で みると農林水産業は 8.4%に対し製造業は 39.1%と極めて高くなっています。しかし、農林水産業従事者は就業人口の 約4割(12 年)を占め、農林水産業は依然重要な産業といえましょう。 タイには自動車産業の組立・部品産業を含む裾野産業が広く集積しており、しばしば「東洋のデトロイト」と言われま す。その発展過程には日本企業が大きくかかわっており、タイの自動車生産量の9割以上は日本勢が占めています。そ の過程を振り返ってみましょう。80 年代後半以降、自動車産業育成のため、タイは他のアセアン諸国と異なり国産車(タ イメーカーによる完成車)生産にこだわらないで国産部品の調達比率を上げる政策をとりました。折しも、日本がプラザ 合意後の円高で海外生産を余儀なくされた時期と重なり、日本の自動車メーカーはタイへ進出を加速させ、日本メーカ ーを中心に自動車産業の集積が進みます。当初は国内市場向けの生産拠点でしたが、97 年の通貨危機で国内販売が 落ち込むと、輸出に拍車がかかり第三国向けの生産拠点となり、タイは国際分業体制に組み込まれていきます。 12 年、タイの自動車の生産台数は前年比 68.3%増の約 245 万台で世界 10 位、輸出台数は同 39.6%増の約 103 万 台で世界7位となり、タイは名実ともに「東洋のデトロイト」に成長しました。11 年には洪水被害で生産が落ち込んだため 伸び率が高くなっています。タイの自動車の輸出台数は通貨危機後に増加し、現在タイの輸出比率は日本と同水準ま で高くなっています。アセアン諸国の所得の上昇、アセアン域内分業の進展によりタイはアセアンの生産拠点(ハブ)とし ての地位の役割を一層高めると予想されます。 最終ページに重要なお知らせ「注意事項」がありますので必ずお読みください。 有効期限:平成 26 年 11 月 30 日 4/8 平成 25 年 11 月 22 日 SMBCフレンド証券 投資情報部 大木登志枝 ③ 洪水被害とインフラ整備 11 年9月以降にタイ中央部で拡大した洪水は過去数十年で最大規模のものでした。タイ政府は洪水によって実質 GDP が 3.7%引き下げられたと試算しています。洪水の原因として気象要因のほか、堤防などのインフラ不足やダムか らの放水の遅れなど人為的な要因も指摘されています。被害が特に大きかったのは、バンコク周辺の工業団地で 838 社が被災しました。その多くは自動車と電子機器メーカーでした。それらのメーカーが製造を中止したため、サプライチェ ーンの分断により世界的に影響がでて、タイが国際分業に組み込まれていることを改めて示す結果となりました。タイ政 府は、11 年 10 月末に大洪水被害への短期対策を1年かけて実施、12 年1 月には中期的な視点から「持続的な水資源管理マスタープラン」が発表さ れました。 また、国家予算とは別に「復興・未来開発のための国家戦略」も発表しま した。その内容には、①水害防止・軽減・抑制のための治水(水資源管理)、 ②自然災害に対する強靱(きょうじん)性を強化するための製造業・サービ ス業における再編の推進、③国境地域など新経済区(メコン経済圏)の開 発、④保険制度の改善、⑤基本インフラの改善が含まれています。同戦略 (写真提供:日本アセアンセンター) の投資総額の約 86%を占める 721 億ドルが基本インフラの改善に投資される予定で、資金源は政府予算のほか、海 外・国際機関からの借り入れや民間資金の活用(官民パートナーシップ)が想定されています。そのうちインフラ整備で は陸上輸送分野に投資総額の 64.8%が充当され、隣国や主要都市間を連結する道路・鉄道網、首都や周辺地域の大 量輸送網の開発を進める予定です。この計画では、国内だけでなく、今後成長が予想されるメコン経済圏内の経済回廊 の開発を推進します。タイはメコン経済圏の拠点(ハブ)となる戦略を持っており、その実現に向けて動きだしています。 ④ 貿易 タイの貿易は、12 年には、輸出が前年比 3.1%増であったものの、輸入が 8.2%増となり、貿易収支は 180 億 7600 万 ドルの赤字を計上しました。輸出額は名目 GDP の約 63%を占め輸出依存度が高いといえましょう。 タイは産業の国際分業体制に組み込まれているため、原材料や資本財を輸入し、それを加工、製品化し、第三国に 輸出する貿易構造となっています。 輸出を個別品目別(構成比)にみますと、自動車・同部品(10.0%)が最大シェアを持ち、次いでコンピューター・同部 品(8.3%)となっています。両製品とも前年比伸び率がそれぞれ 34.9%、11.7%と高く、11 年の洪水時に落ち込んだ反動 がみられます。一方、価格の下落や欧州など海外経済の低迷などでゴムは前年比 31.1%減となりました。 輸入品目別(構成比)では、原油(14.5%)が最大シェアを持ち前年比伸び率が 9.0%となりました。次いで機械・同部 品(10.6%)、電気機械・同部品(6.9%)で、洪水後の需要増加が影響し、それぞれ前年比伸び率が 31.1%、27.4%と高 い伸びを記録しました。 最終ページに重要なお知らせ「注意事項」がありますので必ずお読みください。 有効期限:平成 26 年 11 月 30 日 5/8 平成 25 年 11 月 22 日 SMBCフレンド証券 投資情報部 大木登志枝 輸出統計金額(品目別上位5位) 輸入統計金額(品目別上位5位) 2012年 2011年 2012年 2011年 金額 金額 構成比 伸び率 自動車・同部品 16,985 22,913 10.0 34.9 コンピューター・同部品 17,064 19,057 8.3 11.7 金額 金額 構成比 伸び率 原油 32,897 35,843 14.5 9.0 機械・同部品 19,970 26,177 10.6 31.1 宝石・ 宝飾品 12,301 13,148 5.7 6.9 電気機械・同部品 13,350 17,005 6.9 27.4 精製燃料 10,092 12,881 5.6 27.6 宝石・地金銀 19,918 15,805 6.4 ▲20.6 ゴム 12,698 8,746 3.8 ▲31.1 鉄・鉄鋼 13,908 15,165 6.1 9.0 合計(その他含む) 222,575 229,514 100.0 3.1 合計(その他含む) 228,780 247,590 100.0 8.2 ※ 単位: 100万ドル、% (出所: JETRO<原資料はタイ商務省>データより投資情報部作成) 12 年の輸出先を国別にみますと、中国が最大で 11.7%、次いで日本(10.2%)、米国(9.9%)と続きます。中国の割合 は 2000 年には4%程度でしたが、10 年に最大輸出相手国に躍り出ました。00 年、1位の米国(21.3%)は、12 年には約 半分に低下しています。市場が米国から中国に移行したことを示していると言えましょう。日本(00 年 14.7%)も同様に低 下傾向にありますが、米国ほど急激ではありません。 輸入先でも中国のプレゼンスが高まっています。00 年には輸入全体の 5.5%でしたが、12 年には 14.9%で2位に上昇 しています。最大の輸入相手国は依然日本ですが、割合は徐々に低下傾向にあります(00 年 24.7%→12 年 20.0%)。3 位はEU27、4位は原油の輸入先であるアラブ首長国連邦(UAE)です。米国は5位で、輸出同様、00 年から割合が半 減しています(00 年 11.8%→12 年 5.2%)。 タイの主要貿易相手国の構成比(2012年) 中国 11.7% 日本 10.2% その他 33.7% 輸出 オーストラリア 4.3% 日本 20.0% その他 30.0% 米国 9.9% 輸入 台湾 3.3% インドネシア 3.3% EU27 香港 9.5% 5.7% シンガポール 4.7% インドネシア マレーシア 4.9% 5.4% 韓国 3.6% マレーシア 5.3% 米国 5.2% 中国 14.9% EU27 8.1% アラブ首長国 連邦(UAE) 6.3% (出所: JETRO<原資料はタイ商務省>データより投資情報部作成) 最終ページに重要なお知らせ「注意事項」がありますので必ずお読みください。 有効期限:平成 26 年 11 月 30 日 6/8 平成 25 年 11 月 22 日 SMBCフレンド証券 投資情報部 大木登志枝 まとめ 一般事情 1.面積 約 51 万 4000 平方キロメートル(日本の約 1.4 倍) 2.人口 6598 万人(2010 年タイ国勢調査) 3.民族 タイ族(約 85%)、中国系(約 10%)、マレー系、モーン・クメール系、ラオス系、インド系のほか山岳少数民族 4.言語 公用語はタイ語、日常会話は地方によって方言あり、少数民族は独自の言語を使用 5.宗教 仏教(93.6%)、イスラム教(4.9%)、キリスト教(1.2%)、ヒンズー教(0.06%)、儒教(0.03%)、シーク教(0.02%)、その他(0.07%) 政治体制・内政 1.政体 立憲君主制(1932 年~) 2.元首 プミポン・アドゥンヤデート国王(ラーマ9世王)(1946 年6月9日即位) 3.議会 上院 150 名(公選 77 名、任命 73 名、任期6年)、下院 500 名(小選挙区 375 名、比例区 125 名、任期4年) 4.政府 首相名:インラック・シナワット 経済(特記がなければ 2012 年) 1.主要産業 製造業(電気・電子、自動車)、農林水産業(農林水産業従事者は就業人口の約4割を占める) 2.名目 GDP 約 3660 億ドル(IMF) 3.1人当り名目 GDP 約 5390 ドル(IMF) 4.経済成長率 6.5% 5.消費者物価指数 103.0(基準年は 11 年) 6.失業率 0.7% 7.総貿易額 (1)輸出 2295 億 1400 万ドル (2)輸入 2475 億 9000 万ドル 8.主要貿易品目 (1)輸出 自動車・同部品、コンピューター・同部品、宝石・宝飾品、精製燃料、ゴム (2)輸入 原油、機械・同部品、電気機械・同部品、宝石・地金銀、鉄・鉄鋼 9. 通貨 バーツ (出所: 各種資料より投資情報部作成) 最終ページに重要なお知らせ「注意事項」がありますので必ずお読みください。 有効期限:平成 26 年 11 月 30 日 7/8 平成 25 年 11 月 22 日 SMBCフレンド証券 投資情報部 大木登志枝 注意事項 ■当社の概要 商号等 SMBCフレンド証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第 40 号 加入協会 日本証券業協会 ■当社取扱い商品の手数料等およびリスクについて ・ 当社でお取扱いの商品にご投資いただく際には、各商品等に所定の手数料や諸経費等をご負担 いただく場合があります。また、各商品等には価格の変動等により損失を生じるおそれがあり ます。 ・ 商品ごとに手数料等およびリスクは異なりますので、当該商品等の契約締結前交付書面、目論 見書等またはお客さま向け資料をよくお読みください。 ■資料の取扱いについて ・ 本資料は、投資判断の参考となる情報提供を目的としておりますが、投資の最終判断はお客さ まご自身で行っていただきますようお願いいたします。 ・ 本資料は、当社が信頼できると判断した情報に基づいて作成しておりますが、その情報の正確 性、完全性について当社が保証するものではありません。 ・ 記載されたデータ、意見等は表記日時における当社の判断であり、予告なく変更する場合があ ります。 ・ 債券格付けの記載について、記載の格付けを付与している格付会社グループ( 「スタンダード &プアーズ・レーティングズ・サービシズ(S&P)」 「ムーディーズ・インベスターズ・サー 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