どんな国シリーズ:インド編 平成27年12月24日 SMBCフレンド証券 投資情報部 一ノ瀬吉隆 今さら人に聞けない!!インドってどんな国? 1 基礎データ 面積 約329万平方キロメートル(世界第7位、日本の約9倍) 人口 約12億5000万人(世界第2位、日本の約10倍)(2013年現在) 主な都市 ニューデリー(首都)、ムンバイ、コルカタ インド人の多数を占め るヒンドゥー教徒は神 聖な動物として崇めて いるため、牛を食べな いんだ。イスラム教徒 は不浄な動物として豚 を食べないよ。 人種 トルコ・イラン、インド・アーリヤ、スキト・ドラヴィダ、アー リョ・ドラヴィダ、モンゴロ・ドラヴィダ、モンゴロイドなど7種。 言語 ヒンディー語が公用語で、英語は補助公用語。 宗教 ヒンドゥー教徒79.8%、イスラム教徒14.2%、キリスト教徒2.3%、 シク教徒1.7%、仏教徒0.7%、ジャイナ教徒0.4%、その他0.9% (出所:各種資料よりSMBCフレンド証券作成) (筆者撮影) 最終ページに重要なお知らせ「注意事項」がありますので必ずお読みください。 有効期限:平成28年12月31日 どんな国シリーズ:インド編 平成27年12月24日 SMBCフレンド証券 投資情報部 一ノ瀬吉隆 意外と知らないインドの魅力 2 世界遺産大国インド インドと英語 国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)に登録されている世界遺産は現在、世 1877年、英国女王がインド皇帝を兼ねる英国領インド帝国が成立した。1947年 界163ヵ国1031ヵ所。最多はイタリアの51ヵ所で以下、中国48ヵ所、スペイン44ヵ にインドは独立したが、植民地時代の宗主国の言語であった英語は現在でも補 所、フランス41ヵ所、ドイツ40ヵ所、メキシコ33ヵ国と続く。インドは32ヵ所で、堂々 助公用語として用いられている。近年は、インド人のIT関連の分野での活躍は 世界第7位にランクインしている。中でも、首都ニューデリーから車で約3時間の 目覚ましく、マイクロソフト、IBM、インテルといった米国のIT企業では、多くのイ アグラにそびえ立つ白亜の霊廟(れいびょう)タージマハルは、イスラム建築の ンド人がエンジニアとして働いている。IT分野におけるインド人の優位性につい 至宝と称賛され、日本の旅行会社による「一度は見たい世界遺産」ランキングで ては、英語能力の高さとの関連性も指摘されている。英語が補助公用語である 上位に入る憧れの的となっている。 ことは、国際的なビジネスを行うにあたって有利であるといえる。 インドが誇る世界遺産とニューデリー市内の風景(筆者撮影) (タージマハル) (チャトラパティ・シヴァージー・ターミナス) 最終ページに重要なお知らせ「注意事項」がありますので必ずお読みください。 (ニューデリー駅前) 有効期限:平成28年12月31日 どんな国シリーズ:インド編 平成27年12月24日 SMBCフレンド証券 投資情報部 一ノ瀬吉隆 ポイント ①中国を上回る経済成長率をIMFが予測 3 中国を抜いた成長率 30年に中間層の消費が世界トップになる予測 2015年のインドの実質国内総生産(GDP)成長率は、1-3月期と7-9月期に インドは中間層による消費という点で、09年には世界の上位10ヵ国にも入らなか 中国を上回った。国際通貨基金(IMF)が10月に発表した予測によると、インドの った。しかし、ある米国屈指のシンクタンクによる11年時点の予測によると、20年 16年度の成長率は7.5%と、16年に6.3%成長予想の中国を上回る見込み。14年 には中国、米国に次ぐ3位に達している見込み。さらに30年には、両国を抑えて 5月に発足したモディ政権下では、物価上昇が鈍化し、経常赤字が縮小、経済 1位になるという。予測で注目すべきは、インドにおける成長率の高さだ。20年か 成長率が上昇しており、マクロ経済面での実績に対する評価が高い。また、懸 ら30年にかけて中国での消費額が4兆4680億ドルから9兆9850億ドルに123.5% 案事項だった保険、防衛部門などで外資規制を緩和するなど、外資誘致の点で の成長が予測されているのに対して、インドの消費額は、3兆7330億ドルから12 もポイントをあげている。 兆7770億ドルに242.3%もの成長が予測されている。 (%) インドと中国の実質GDP成長率の推移 (前年同期比) (期間:2013年1-3月期~15年7-9月期) 中間層消費上位5ヵ国(2011年時点の予測) 中国 <2020年> 順位 10.0 インド 8.4 8.0 7.8 7.9 7.5 7.6 7.3 7.4 7.5 7.0 6.4 6.0 6.7 6.7 7.5 7.2 7.2 6.6 7.0 7.4 6.9 7.0 4.7 4.0 1-3月期 4-6月期 7-9月期 10-12月期 1-3月期 4-6月期 7-9月期 10-12月期 1-3月期 4-6月期 7-9月期 13年 14年 国名 国旗 消費額 世界シェア <2030年> 順位 国名 国旗 消費額 世界シェア 1位 中国 4兆4680億ドル 13% 1位 インド 12兆7770億ドル 23% 2位 米国 4兆2700億ドル 12% 2位 中国 9兆9850億ドル 18% 3位 インド 3兆7330億ドル 11% 3位 米国 3兆9690億ドル 7% 4位 日本 2兆2030億ドル 6% 4位 インドネシア 2兆4740億ドル 4% 5位 ドイツ 1兆3610億ドル 4% 5位 日本 2兆2860億ドル 4% 15年 *中間層の定義:1日当りの消費額が10~100米ドル(2005年の購買力平価に基づく) (出所:ブルームバーグデータよりSMBCフレンド証券作成) 最終ページに重要なお知らせ「注意事項」がありますので必ずお読みください。 (出所:各種資料よりSMBCフレンド証券作成) 有効期限:平成28年12月31日 どんな国シリーズ:インド編 平成27年12月24日 SMBCフレンド証券 投資情報部 一ノ瀬吉隆 ポイント ②「若い人口構成」 4 人口ピラミッドが強みの一つ 主要産業と構成比 インドの人口は13年現在、約12億5000万人で中国に続き世界第2位。今後も人 インドでは第三次産業の割合が第一次産業、第二次産業に比べて高いことが特 口は増加し、25年には約14億人に達し世界最大の人口規模になると一部で予 徴となっている。近年のインド経済をけん引してきたのは主に、卸売・小売、ホテ 測されている。インド経済の強みの一つと指摘されていることが「若い人口構成」 ル・レストラン、金融・保険・不動産といったサービス部門である。成長中の産業 である。インドは生産年齢人口(15歳~64歳)の比率が約66%と高く(15年推計) として、電気電子産業や自動車産業があげられる。これらの産業は多くの人口 それ以外の人口(従属人口)の比率は低いのが特徴。労働者1人当りが支える を抱えるインドにとって雇用を創出する産業となるためインド政府は主要産業と 人口が少ないことから、経済成長しやすい環境が整っているといえる。今後数十 して位置づけ、積極的な外資導入策を進めている。ITサービスや、コールセンタ 年にわたってこの好環境が続き、持続的に経済成長する可能性がある。 ー、バックオフィス等業務などの業務請負サービスも主要産業となっている。 インドの対実質GDP業種別構成比 (2013年度) 人口ピラミッド(2015年推計) (千人) 0 男性 80,000 40,000 40,000 60,000 80,000 85歳~ 80-84 75-79 70-74 65-69 60-64 55-59 50-54 45-49 40-44 35-39 30-34 25-29 20-24 15-19 10-14 5-9 ~4歳 女性 60,000 20,000 20,000 鉱業・採掘 1.9% 電力・ガス・ 水道 1.9% 建設業 7.4% 貿易・ホテル・ 運送・通信 26.4% 地域・社会・人 的サービス 12.9% 農林水産 13.9% 製造業 14.9% 金融保険・不動 産・ビジネス サービス 20.6% 0 (出所:国連データよりSMBCフレンド証券作成) (注)2013年度は会計年度で13年4月~14年3月を示す。 (出所:各種資料よりSMBCフレンド証券作成) 最終ページに重要なお知らせ「注意事項」がありますので必ずお読みください。 有効期限:平成28年12月31日 どんな国シリーズ:インド編 平成27年12月24日 SMBCフレンド証券 投資情報部 一ノ瀬吉隆 ポイント ③金融政策と財政政策 5 景気拡大のため利下げへ政策転換 財政赤字の対GDP比率が低下傾向 インド準備銀行(中央銀行)は15年1月15日、政策金利(レポレート)を8.00%か 15年度予算案の歳出見込みは14年度予算見通し(修正済み)と比べ、6%増の ら7.75%に引き下げた。利下げ実施は約1年8ヵ月ぶりとなり、金融緩和に政策 17兆7747億ルピーだった。一方で、歳入は11兆4157億ルピーと1%増にとどまっ 姿勢を転換した。15年は利下げを合計4回行い、12月18日現在で政策金利は た。ただし、財政赤字のGDP比率は14年度の4.0%から3.9%に下がる見通し。 6.75%となっている。今後も原油安を背景に物価上昇が鈍化すれば、さらなる追 3.0%とする中期目標の達成時期は延長されている。今後の目標は、16年度が 加利下げで景気拡大を下支えする可能性がある。中央銀行は、前年同月比の 3.5%、17年度が3.0%であり、財政健全化の姿勢が維持されている。11年度に 消費者物価指数(CPI)上昇率を16年1月までに6%未満に抑制する目標を掲げ 5.8%だった財政赤字の対GDP比率は、その後毎年低下しており、インドの財政 ており、15年11月の上昇率は5.41%にとどまった。 健全化の実績は評価できる。 (%) インド政策金利(レポレート)の推移 (期間:2011年1月3日~15年12月18日、日次) 9.0 (%) 7.0 6.5 5.8 6.0 8.5 6.0 8.0 5.0 7.5 4.0 7.0 3.0 6.5 6.0 11年1月 財政赤字の対GDP比率推移(期間:2008年度~17年度<目標>) 4.9 4.8 4.4 4.0 3.9 3.5 3.0 2.0 08年度 09年度 10年度 11年度 12年度 13年度 14年度 15年度 16年度 17年度 12年1月 13年1月 14年1月 15年1月 *インドの会計年度は当年4月~翌年3月 (出所:ブルームバーグデータよりSMBCフレンド証券作成) 最終ページに重要なお知らせ「注意事項」がありますので必ずお読みください。 (予想) (目標) (目標) (出所:各種資料よりSMBCフレンド証券作成) 有効期限:平成28年12月31日 どんな国シリーズ:インド編 平成27年12月24日 SMBCフレンド証券 投資情報部 一ノ瀬吉隆 6 注意事項 ■当社の概要 商号等 加入協会 SMBCフレンド証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第40号 日本証券業協会 一般社団法人第二種金融商品取引業協会 ■当社取扱い商品の手数料等およびリスクについて ・当社でお取扱いの商品にご投資いただく際には、各商品等に所定の手数料や諸経費等をご負担いただく場合があります。また、各商品等 には価格の変動等により損失を生じるおそれがあります。 ・商品ごとに手数料等およびリスクは異なりますので、当該商品等の契約締結前交付書面、目論見書等またはお客さま向け資料をよくお読 みください。 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