現代ビジネス学会 2014年度学会誌

安田女子大学
現代ビジネス学会
2014 年度学会誌
目次
論文
ガンディー思想から地域の回復方法を学ぶ
青木
克仁
染岡
慎一
山下
明博
垰本
一雄
4K 時代に対応した動画アーカイブの構築
ダクテッドファン方式3固定ノズル軽量無人航空機の基礎設計
研究報告書
日本プロバスケットボールリーグと地域活性化
卒業論文題目
2014 年度卒業生
ガンディー思想から地域の回復方法を学ぶ
青木 克仁
再帰性の時代として特徴づけられる「現代」において、人々は、
「伝統」から切り離されること
になる。伝統が意識化されずにただただ従うべき規範として機能していた前近代の時代において
は、共同体のどの成員にとっても、従うべき共同体の時間が当たり前のように存在し、そうした
中で、例えば、
「家」を存続させる時間が流れて行った。こうした時間感覚は、「私」という個人
に焦点を当てるのではなく、共同体の成員としての、あるいは家族の一員としての在り方が優先
する中、
「私」ということが前面に浮かび上がるということはなかったし、仮令、あったとしても、
共同体や家族の命運を担ってのことであった。
しかし、今や、己のライフスタイルを自分で再帰的に自由に選択していく、という先鋭化した
個人主義の時代を迎え、伝統文化に存在していた時間感覚は失われ、その都度の選択の瞬間に濃
縮される時間感覚が取って代わっていった。その都度の選択の際に、伝統的価値観の縛りから解
放されるがゆえ、頼れる原理としては、まさに、快不快原理しか残されていないようになり、
「自
分の目の黒い内」に報酬が得られるように、短期的利益を目途に損得勘定をしながら選択してい
くというふうになっていった。こうした時間感覚は、
「今、ここ」という選択の瞬間に集中してい
るようで実はそうではない。なぜなら、選択を決定づけるのは、未来時制に投影される「目的」
で、その目的の設定原理は、精神分析において明らかにされたように、
「他者の欲望」だからであ
る。人は己が何を欲望しているのかを知らぬがゆえに「他者の欲望」を参照せざるを得なくなり、
そうであるからこそ、一時的な満足は得ることができたとしても、完全な満足によって欲望が解
消することは決してない。つまり、己にとっても、解消不能な不可解な欲望こそが「今、ここ」
の主人であって、野の百合のような存在の充足が「今、ここ」を満たしているわけではないので
ある。にもかかわらず、私たちは自分こそが自分の「欲望」の主体であることを主張する時代に
生きているのである。
どの伝統文化も衣食住を支える基盤として第一次産業を中心として栄えてきたわけだが、まさ
に、そうした基盤産業が自然生態系の時間から身体感覚的な智慧を中心として、ライフスタイル
を組み立ててきたお陰で自然との交流の中で培われた時間感覚が存在していた。しかし、再帰性
の原理による「現代」への転換は、伝統の中ではあり得た「私たち」という在り方を喪失すると
いうだけではなく、個人主義の先鋭化とともに、自然との最低限の繋がりをも忘却させてしまう
ように働いたのである。実際に、自然資源の枯渇に真っ先に脅かされる羽目に陥っているはずの
第一次産業従事者が、同業者の競争圧力に負けて、自然資源を自ら枯渇に追い込むような乱獲競
争に晒されてしまうという深刻な事態が招来されている。このように、自然に一番近い場面で産
業を営む人達の中にも、自然生態系の時間を脅かす、競争圧力を促進する「経済の時間」が介入
してきているのだ。しかし、人間の生存基盤を支える産業が提供してくれる物品との関係で、第
一次産業に従事していない他の人達も、
「自然の恵み」を実感して生きていくことができた時代が
確かに存在していた。今でも、
「旬」であるとか「季節外れ」などといった言い方にそうした時代
の片鱗を窺い知ることが可能である。
今や、グローバル化した資本主義の最後の草刈り場は、アフリカのグローバリゼーションを残
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すのみとなった。その先には、もはや「フロンティア」となるべき地理的空間は存在しない。こ
のような資本主義のあり方が破綻するのは必至なのである。また電子化した金融市場を介して、
バブルの生成と崩壊を繰り返すやり方が、崩壊の際の激震を考えれば、これもいつまでも許され
るとは思えない。ネットによって繋がれた世界金融市場がグローバルに世界中を覆い尽くす中、
目の黒い内の近視眼的な利益を追い求める人間は己の起源が自然にあることを忘れ、己の拠って
立つ生存基盤を切り崩すに至っているのだ。人間は、一体いつ「自然の時間」の懐を飛び出して、
己の生物学的な基盤をも脅かすほど、
「経済の時間」に魂をも売り渡してしまうまでになってしま
ったのだろうか?人間の経済が再び地に足をつけたものになるとしたら、それはどのような形とな
るのだろうか?本論文では、こうした問いに答えるべく、ガンディーの叡智を参照してみたい。
§1.イギリス産業革命に対する別様の見方
近代(モダン)を画する大事件として「イギリスの産業革命」は、世界史の中で大変高く評価
され続けてきた。イギリスの産業革命は、私達の時代から見れば、まさに「革命」の名に相応し
い画期的な運動であったとされているが、歴史学者のフェルナン・ブローデルによれば、その当
初は、革命の兆候の真っ只中にあったはずのアダム・スミスでさえ気付きもしないような、ゆっ
くりとした運動であったという。今回は、ガンディー思想の意義を考える上で、イギリスに端を
発した「産業革命」の負の部分を見ていくことにしよう。
「古典経済学」の祖として崇められているアダム・スミスは、分業によって、従来の職人的な
労働が生み出すよりも、労働力の生産性を高めることで、多くの富を生み出すことができること
に気づいた。こうして、経済成長の因子として、労働生産性を向上させることが必要となる。そ
のための方法には、技術革新と教育投資がある。この二つがあれば、生産プロセスを向上するこ
とが可能なのだ。高度な機械を導入すれば、一人当たりの労働力から生み出される生産性は高ま
る。教育投資も、労働力を質的に改善し、同じ労働力によってより多くの価値ある製品を生み出
すことが可能になるのである。この「技術革新」が、まさに、アダム・スミスのお膝元で起きつ
つあったのであり、スミスの気付かぬ内に、イギリスの国民経済全体にその影響が浸透していく
のである。
確かに、分業化の浸透ということが起きつつあった。ただし、ブローデルが指摘しているよう
に、資本を動かす上層部に当たる資本家にまで分業化が及ぶということはなかった。特に、遠隔
地交易から得られる莫大な富に関しては、それが香辛料であろうと、毛織物であろうと、利益の
あがる商取引であるのなら、何であれ、資本家の専門の仕事となっていくのである。そこで、簡
単に「商人資本」の誕生の歴史を振り返っておこう。
フェルナン・ブローデルは、
『歴史入門』の中で、
「市場経済」の二つの形態を区別し、それぞ
れを「A の経済」
、
「B の経済」と呼んでいる。「A の経済」とは、
「市での日常的な交換、局地的
ないし比較的狭い地域内での取引」を指す。その場合、売り手と買い手が一堂に会するゆえ、予
想外なことが起きないため、まさに「透明な交換」が可能なのである。売り手も買い手も、各自
が予め一部始終を知っていて、常にほどほどの利益が大体推測できるような交換が行われるから
である。それは、
「売り手(生産者)
)と「買い手(消費者)」の間で交わされる「目と目、手と手」
で行われる商取引であるため、適正な価格を両者が判断し得るからである。
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これに対して、
「B の経済」とは、
「生産者と消費者の間に商人が入り込む様態における経済」
を意味する。ここで、初めて、
「A の経済」とは異なる「流通の領域」が出現する。15 世紀以降、
伝統的な「公的な市(パブリック・マーケット)」の傍らに、ブローデルが「反・市場」とまで呼
ぶ、
「私的な市(プライヴェート・マーケット)
」が現れ、重要性を増していった。それは、
「反・
市場」と名付けられたように、
「透明性」や統制を逃れる経済なのである。商人の登場とともに、
何が起きたのかと言えば、行商人が生産者の所へ赴き、直接商品をまとめ買いをしたり、青田の
内に小麦などを買ってしまったりするようなことが起きたのである。行商人達は市の立つ広場の
近辺の旅籠で商談を行い、生産者と直接契約した。
「私的な市(プライヴェート・マーケット)
」
の場を提供した旅籠は、まさに、交通の中継点であり、輸送の要でもあったのだ。こうした密談
の場では、市場経済の原則である「競争」がほとんどなく、商人が二つの点で優位に立つ。先ず、
商人だけが、
「買値」と「売値」の市での相場を知っているため、見込まれる利益も彼等のみが知
っているという点が挙げられる。次に、商人は、何よりも現金を持つという最大の強みを発揮し、
生産者を取り込むことが可能だったという点である。
こうして、生産と消費の間に、商人の長い連鎖が張り巡らされるようになっていく。大都市へ
の供給という点で、
「商人資本」による取引は、効率のよい供給が可能となるため、不公正な取引
が起きた場合でも、市当局は、黙認したり、取締の手を緩めたりしたという。
このようにして、
「B の経済」に見られる交換形態の中から、所謂「商人資本」が登場するので
ある。殊にこの時代、
「B の経済」は、遠隔地交易の際に顕著になっていく。なぜならば、地域的
な隔たりのお陰で、通常の監視が届かないということをいいことに、
「買値」と「売値」の市での
相場を知るのは商人のみであるという利点を大幅に利用できるからである。まさに、遠隔地交易
は、想いのままに操作の利く領域として、大商人達の格好の活躍の場となっていった。こうして
得られた莫大な利益から、巨大な資本蓄積が生まれていくのである。この莫大な蓄積を元手にで
きなければ、遠隔地交易は、誰もが簡単に参入し得る領域ではなく、実際に、少数の大商人によ
って牛耳られていた。こうして寡占及び独占の形態が誕生するのだ。
「B の経済」に見られる「商人資本主義」の確立とともに、イマニュエル・ウォーラーステイ
ンの言う「世界経済 world economy」の下地ができていくことになる。「世界経済」とは、
「統合
の原理が政治ではなく経済にあるような世界システム」なのである。世界経済システムは、
「商人
資本主義」の形を採って始まり、その中心は、イタリア、スペイン、オランダと移行していった。
これから見ていくように、イギリスで起きた産業革命は、技術革新を齎し、大量生産を可能に
した。技術革新をすることによって、他の国が未だ到達していない未来を先取りし、
「可能な未来
の価値体系」と「現在の価値体系」の間の差を利用して利益を得る「産業資本」のメカニズムが
イギリスにおいて誕生した。そして、まさに、イギリスこそが、
「世界経済」の中心となっていく
のである。しかし、こうして生み出された製品を購入してくれる人達が拡大しない限り利潤には
ならないのは当然である。言い換えれば、ケインズが「有効需要の不足」と呼ぶ状態を解決せね
ばならないのだ。需要が不足していれば、大量生産が可能になっても売れないので意味がない。
この需要不足の解決は、端的に経済規模を拡大することによるしかない。このことは、具体的に
は、これまで資本主義経済圏ではなかった地域を取り込んでいくことによって、新規の需要を獲
得していくことに求められることになる。イギリスの場合は、こうして植民地の拡大路線に走っ
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ていくことになるのだ。イギリス植民地としてのインドは、こうして「有効需要の不足」を解消
するための市場としての意味を持たされることになる。ガンディーのインドは、そうした状況下
に置かれ、資本主義のフロンティアに晒されることになったのだ。
イギリスでは、1733 年、ジョン・ケイによって「飛び杼」が発明され、布を織る速度が 2 倍にな
ると、今度は、糸の生産が間に合わない状態になった。これが、今度は、1768 年、アークライト
による水力紡績機の発明を促すこととなったのだ。ここで注目すべきは、ジャック・アタリが『21
世紀の歴史』の中で述べているように、イギリスでは木材資源が乏しく、それが一大帝国を築い
ていたイギリスにとっては、戦略的に海軍の軍備用に使われざるを得なかったということである。
しかも、高い山に恵まれていないため、川の水量を利用した水力紡績機も急流に恵まれた河川の
不在によって、イギリスの深刻なエネルギー危機を救うまでには至らなかった。それでも、以前
よりも繊維産業の生産量は増加したゆえ、糸が大量生産されるようになると、そのことが更に、
1785 年のカートライトによる力織機の発明を動機付けることとなった。当時、フランス人物理学
者のデニス・パパンによって、蒸気機関が発明されたのだが、当のフランスでは、木材資源が豊
富であったため、この発明は実用化されることがなかったというのだ。エネルギー不足のイギリ
スは、フランスでは無視されていた、この蒸気機関の特許権をジェームズ・ワットが取得し実用
化に成功する。ワットは、蒸気機関の燃料として石炭に注目し、こうしてカートライトによる発
明品は、アークライトの水力紡績機の一年後である 1769 年に実用化されたワットの蒸気機関を
動力源として使うことになった。こうして、イギリスの基幹産業ともなった鉱業である石炭の採
掘がはじまったのである。マーガレット・サッチャーによる、国営事業の民営化政策と不採算事
業の廃止を受けて、炭鉱が廃坑に追い込まれ、廃墟と化すまでは、産業革命の頃から栄えた炭鉱
の町はイギリスの繫栄の象徴的存在であったのだ。
アタリによれば、こうした機械化が勝利を齎し、綿紡績の生産性は 10 倍に跳ね上がったという。
しかし、副産物として、悪名高い児童労働に代表される労働問題を生み出す産業が出揃っていく
のである。また、蒸気機関は、発電にも使われるようになるのだが、今や、石炭や石油、天然ガ
スから、原子力を活用したものに変化しただけで、現在でも主要な動力源なのだ、ということを
忘れてはならない。
このように、イギリスにおけるエネルギー不足が幸いして、動力源が水力から蒸気機関へ向け
て画期的な転換を遂げたのである。技術革新を齎すものは、リスクを恐れず、新しい技術やそれ
を応用した革新的技術に果敢な投資を行うことである、ということが言われるが、イギリスにお
いては、エネルギー不足という不利な条件下で、革新を促すだろう被術に賭けてみるしかないよ
うな必然性があった。しかも上述したように、一つの技術革新が、他の技術革新のための呼び水
となって、新たな事業に利潤機会を求め、革新の連鎖が引き起こされたのである。こうして技術
革新によって起業する活動力がイギリスの自信となり、本来はリスクに満ち満ちたフロンティア
を切り開き、その報酬として資本は自己増殖し続けていったのである。こうして、先ず、繊維工
業における大量生産の時代が開始され、これが他の産業のモデルとなって、産業革命の時代が活
気付いていく。時代は、まさにイギリスのものとなった。やがてこれが、原材料や市場の確保と
いう形で、植民地主義を齎し、世界大戦にまで発展していく一方で、生産手段を持つ者と持たざ
る者の差を、まさに貧富の格差という形で生み出していく。また、蒸気機関を生み出した辺りか
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ら動力源は、化石燃料となり、それが公害を生み出し、さらには現在騒がれている気候変動の問
題にも繋がっていく下地を生み出したことは言うまでもないだろう。
1611 年頃から、イギリスの眼はインドに向けられ、植民の拠点がインドの海岸沿いに形成され
ていった。1757 年、イギリス王室の認可を受け、独占的貿易を取り仕切る「東インド会社」が、
インドのベンガルの豪族達と戦争を行い、プラッシーの戦いで勝利を収めた。こうして、インド
は、植民地化されていった。1814 年以降は、大量生産によって生産された綿織物が、イギリス国
内では、余剰状態にあったのに、それが一挙にインドに流れ込み、その結果、インドで作られて
いた手織りの綿織物を駆逐し、インドの職人的な技術は失われていくことになった。後にガンデ
ィーは、職人的技術を再び発掘するのに、大変な苦労をしているのである。私達は、こう言わね
ばならない。植民地化は、原料の確保とともに安い労働力を提供することで求められてきたとい
う説明に加えて、宗主国で生産された余剰製品を消化する場所としても期待されていたのだ、と。
たった今、列挙した大きな問題の陰に隠れて、あまり注目されてこなかったけれども、無視し
得ない問題に光を当てていくことにしよう。それはアタリの『21 世紀の歴史』には記されること
のなかった、謂わば、
「陰の歴史」なのだ。この「陰の歴史」を射程に収めるためには、これから
挙げるフェルナン・ブローデルの言葉がヒントになるだろう。ブローデルの指摘の通り、イギリ
スの木綿産業で起きた革命に、国民経済の全体が対応し得たのも「一番底の部分、日常生活の部
分から生じたものに他ならなかった」
(p.136)からなのである。つまり、生活に一番密着してい
る「衣」の領域で起きた革命は、先ずは、イギリスの生活世界を覆う形で急速に広がっていき、
やがては大英帝国の植民地の生活世界をも覆い尽くす勢いで「市場化」してしまうことになるの
だ。ブローデルは、アダム・スミスでさえ、眼の前で起きている「産業革命」をリアルタイムで
記述し得たにもかかわらず、し得なかったことを指摘しているが、推測するに、その成果があま
りにも身近過ぎる「生活世界」へと行き渡っていったからではなかろうか。ただ、これには、重
大な副作用が伴う結果となった。即ち、イギリス産業革命において、
「衣食住」という人間生活に
とって必要不可欠の領域の内、先ず、
「衣」の分野が、日常的に当たり前であった「手仕事」の領
域から独立していってしまったということだ。これが「食」や「住」の分野の徹底した工業化に
よって完成していくのが 20 世紀後半の出来事であると考えることができるだろう。
「必要」ということの意味を人間が忘却していく「陰の歴史」を鋭く捉えた思索家がいる。そ
れは、ウィリアム・モリスである。モリスは、
『ユートピアだより』の中で、生産の問題における
「一種の悪循環」について語っている。それは「安価な生産」を強制する「世界市場」の出現に
伴って生じた悪循環なのだと彼は主張する。モリスが指摘しているように、世界市場は、一旦動
き始めると、必要かどうかに関わらず、商品を生産させ続けるシステムであり、そうしたダイナ
ミズムの中で、人間は己の真の必要性を忘却していくことになる。モリスが述べているように、
「真の必需品を生産する労苦から自分自身を解放しえなかったのに、かれらはいんちきな人為的
な必需品をとめどなくつくりだした」
(p.170)のである。先ほど、ジョン・ケイの「飛び杼」の発
明が、アークライトによる水力紡績機の発明を促す過程を記述したが、これを発端にして始めら
れる産業革命におけるイノヴェーションの数々こそが、
「いんちきな人為的な必需品」が、とめど
なく作りだされる運動なのである。
ここで、巷で言われているように、イノヴェーションが、人間の必要性によって引き起こされ
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ているのではなく、モリスの表現を捩れば「人為的な必要性」によって引き起こされていること
に注意を喚起したい。言い換えれば、布を織る速度が倍化したので、糸の生産が間に合わない、
といった類の「人為的な必要性」が原動力になっていることに注意を喚起したいのである。実は、
こうした「いんちきな人為的な必需品」が、生活に根差した真の必需品の意味を忘却に追い込ん
でいくのである。
私達が見ていこうとしている、真の必要性の忘却という「陰の歴史」は、まさに、このモリス
の言葉に霊感を得て、書かれることになるだろう。モリスの表現を借りれば、「『安価な生産』と
いう、この貪欲な怪物の口に投げ込まれた」
(p.172)ことによって、消費者の選好構造が「安価
さ」という価値観に平準化されていくこととなり、労働者の側は労働の幸福を、消費者の側は安
全性を、犠牲にしてしまうことになる。
「商品は使うためではなく売るためにつくられるのだ、と
いうのが当時流行の冗談でした」
(p.175)と言うほど、世界市場に流通している商品の品質はお
粗末だった。にもかかわらず、そうした商品を製造するための機械類だけが、
「いつでも申し分の
ない仕上がりで、じつによくかれらの目的にかなっていました」
(p.175)と述べられているよう
に、19 世紀の産業革命は、こうした輝かしい機械類の発明の所為で「不必要な生産という恐るべ
き重荷」
(モリス)を担うことになったのだ。こうして「不必要な生産」によって、供給すること
自体が、セイの法則のパロディであるかのように、過剰消費という形で世界市場を巻き込んでい
くことになった。また、
「使うためではなく売るために」という消費者の視座を忘れた供給は、生
活水準の向上には寄与することなく続けられ、挙句の果てには、地球生態系の持続可能性を脅か
すに至るのである。
「衣食住」という人間の生物学的条件を満たす領域にこそ、
「必要」ということの意味が埋め込
まれていたはずである。精神分析が「人間は本能が壊れた動物である」と規定したように、ただ
でさえ、
「必要不可欠」という言葉の意味からかけ離れ、
「もっと、もっと」と過剰を欲望しがち
な人間が、自分の生物学的条件を反省させてくれる領域には確実に存在していたはずの「必要不
可欠」を忘却していく歴史が開始されたのである。このように考えてみれば、産業革命以降の歴
史は、
「必要不可欠」ということの意味を人間が忘却していく歴史でもある。21 世紀が「環境の
世紀」であるのだとしたら、この「忘却の歴史」こそは、強調すべきことなのだ。
アダム・スミスが出現する以前のイギリスは、重商主義と重農主義が対立していた。重商主義
は、貿易によって富の拡大を求めるので、結局は、植民地の富を収奪しているに過ぎないという
批判が重農主義の側から出されていた。重農主義者は、経済において、新しく富を生むプロセス
があるとしたら、それは農業に他ならないと考えていた。太陽の光と水の恵みと滋味に富んだ大
地、それから労働力から農作物を生み出し収穫する農業こそ、無から有を生み出し得る唯一のプ
ロセスである、と主張したのだ。恐らく、この時代は、イギリスにおいても、必要性の感覚は生
きていたことだろう。未だ人間にとっての生物学的基盤と密接な関わりのある第一次産業が経済
の中心を占めていたからである。
今や、アダム・スミス的な分業論が支配的になり、かつ産業革命による技術革新によって、人
間にとっての生物学的基盤と密接な関係のある「衣食住」の領域は、私達が必要ゆえに手仕事を
経て作り出されていくという過程があったことすら忘れられてしまい、それと同時に、「衣食住」
に纏わる「生活必需品」が人類の生物学的基盤に根差すがゆえに「必要不可欠」だったことが忘
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却されていくようになった。今や、これらの三つの領域は、人間の手を離れ、工業生産化し、与
えられるものとして、市場で求めざるを得なくなってしまったのだ。先進国に住む私達は、
「必要
不可欠」の意味をもはや体感し得ないようになってしまっている。一体、如何なる社会科学が、
こうした副産物の影響を予期し得ただろうか?現代のグローバル化した経済の弊害を考えると、
「衣食住」という人間の生物学的条件に照らし合わせて、人間存在の根幹を成す部分において、
「必要不可欠」の意味を体感し得なくなってしまったことこそ、大きな喪失なのだ、と言えるだ
ろう。「世界経済」と言われるような、経済システムのグローバル化が益々進んでいく中で、「生
活世界」が、そこに根差す「必要不可欠」の意味を忘却してしまうほど、見事に侵食されてしま
う歴史の第一歩が、
「イギリス産業革命」とともに齎されたのである。グローバル化していく経済
成長至上主義の中で、喪失した感受性や美意識を取り戻すことの必要性を感じているのなら、最
初に確認すべき喪失感の原点がここにある。
§2.ガンディー的視座
実際に、大量生産・大量消費・大量廃棄の消費文化が何を招いたのか、ガンディーはこのよう
に述べている。「フォード車のことを考えてみましょう。遅かれ早かれ飽和状態に達するでしょ
う。・・・大量生産は明らかに内部に限界をかかえています。すべての国が大量生産のシステムを導
入すれば、生産した品物を売りさばく市場が足りなくなります。」
(1999.p.85)このような、経
済システムは、やがては飽和状態に達してしまい、所謂「市場の限界」を迎えることで持続可能
な運営が不可能になってしまう。実際に、ガンディーの懸念に応えるかのように、アメリカ自動
車産業の歴史は展開していく形になった。このことを詳しく説明しよう。
ヘンリー・フォードは、その自伝 Today and Tomorrow(邦題:『藁のハンドル』)の中で述べて
いるように、
「小型で、丈夫で、シンプルな自動車を安価につくり、しかも、その製造にあたって
高賃金を支払おうというアイディア」を思いついたのである。この考え方に基づき、1908 年、10
月 1 日、ヘンリー・フォードは、標準化された互換部品を流れ作業に乗せる「自動車作業ライン」
と呼ばれる方法によって、有名な T 型モデルの大量生産を開始した。
「自動車作業ライン」には、
電動式ベルトコンベヤーが使われるようになっていき、一回の動作で一つの作業を済ますという
単純化された労働が要求された。
「効率性」を追求する動きは、もはや不可逆の動きとなった。こ
こに流れ作業に縛られることになる労働者を高賃金で雇うという、フォーディズム(Fordism)が
誕生する。フォード自身は、頭を使わないでもいいような仕事を欲している人々が、世の中には
実際に存在しており、そうした人々は単純作業をむしろ好んで引き受けると考えていた。たとえ、
このようなフォードの考えの通りでなくとも、高賃金を約束されているので、単純作業を強制さ
れている労働者の不満を解消できるのだ。
『雇用・利子および貨幣の一般理論』の中で、ケインズ
が言うには、企業は、技術革新によって、労働者の労働をテクノロジーに置き換えることで、労
働者を解雇し、賃金の抑制とコスト削減をすることで収益を上げていく。けれども、労働者を解
雇すれば、製品を購入してくれる消費者の購買力が落ちるので、需要が落ち込み、したがって、
販売にも影響するようになる。こうなると企業側ももっと労働者を解雇せざるを得なくなり、ま
さに悪循環の「下降スパイラル」が始まってしまう、というのだ。フォードの発想は単純だが、
「下降スパイラル」に陥らない工夫にもなっている。フォードは、自伝の中で、労働者の賃金引
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上げの結果、
「私たちは自社の従業員の購買力を高め、彼らがまた、その他の人たちの購買力を高
めるといったふうに、その影響がアメリカ社会全般に波及していった」と言っている。こうして
頑丈かつ操縦が簡単、しかも安価である大衆車が誕生しただけではなく、労働者がそのまま消費
者でもあるという今となっては当たり前のことが開始されることになる。
さて、
「フォーディズム」の名前の由来である、本家のフォード社は、消費者が一度購入したら
永久に使用できるような自動車作りをスローガンにしていたが、少し遅れてやってき、アルフレ
ッド・スローン率いる GM は、フォードに対抗するために、製品のグレード分化とモデル・チェン
ジ方式を導入した。この「自動車のモデル・チェンジ」という戦術は、毎年、
「カー・オブ・ザ・
イヤー」を決めているような現代社会においては、むしろ見慣れた光景になったが、この当時は
全く新しい試みだった。製品をグレード別にして、高級車のキャデラックから大衆車のシボレー
までの5段階に、車種を分けて、しかもそれぞれにつき、定期的にモデル・チェンジがされた。
GM はさらに、販売ディーラーを充実化させ、販売網を広げるという戦術によって、「消費者が何
を欲しがっているのか」を読み取るという風に、心理学を取り入れたマーケティングに力を入れ
た。さらに一歩進んで、グレード分化やモデル・チェンジ方式は、こう言ってよければ、消費者
を誘惑して、新しい欲望を植え付ける、という新しいマーケティング戦術を生み出したのだ。大
衆の欲望をマーケティング戦術で自由に操作し「消費者」に仕立て上げることができることに気
付いた GM こそが、大量消費時代を完成させたといっていいだろう。
そして、GM の生み出したこのモデル・チェンジ方式によって、世代の違いを見える形で意識さ
せるようになる。
「これはちょっと若い人向けだね」といったように。実際に、モデル・チェンジ
方式のターゲットは若者達で、こうして「消費者」となった若者達は、
「若者文化」を意識させら
れることになっていく。
また、グレード分化という方式は、
「ステータス・シンボル」としての商品という形で、商品が
シンボルになり得るという可能性を教え、これが、ガンディーの心配しているような「市場の限
界」を乗り越える戦術となっていく。
「シンボル/記号」としての商品という可能性が開けたこと
で、アメリカでは、誰でも成功することが可能な自由な国、機会均等の国であるアメリカでの成
功物語を、商品を通して語らせることができるようになった。
「見ろ、俺は今ではキャデラックに
乗れる身分になったぞ」という風に。こうして商品はただ使用されるものというだけではなく、
「記号」として物語るもの、象徴するものにもなっていく。こうして、商品が、民主主義や自由
主義のシンボルにもなってしまい、とりわけアメリカ製品は、こうした付帯価値を持つことによ
って、人々の憧れの感情までをも引き付けることになっていく。こうして、GM の戦術によって、
「市場の限界」の乗り越えが試みられることになったのだ。
フランスの社会学者、ジャン・ボードリヤールは、
「浪費」と「消費」を区別している。彼によ
れば、
「浪費」とは「必要を超えて物を受け取ること」を意味する。浪費の場合は、モノの受け取
ることなので、そこには生理的な限界が必ず存在する。言い換えれば、モノの享受は、身体的満
足感をもたらすのだ。簡単な例を挙げれば、胃袋に詰められる量は限られているので、これ以上
食べられない、という「身体的・生物的限界」があるということになるからだ。この限界が存在
するゆえ、浪費はどこかでストップするというのだ。
しかし、
「消費」とは、これに対して、
「物に付加された『意味』を受け取ること」なのである。
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ここでただちに気づかねばならないことは、
「意味」や「観念」の受け取りには限界が無い、とい
うことだ。精神分析が明らかにしたように、人間の欲望は、
「意味」を巡って「シニフィアン」の
領域において展開されるがゆえに、決して満足へは至らない。つまり、人間の欲望は「意味」に
向かうゆえ、限りが無いのだ。従って、
「消費」には、肉体的・生理的満足のような「ピリオド」
が存在しないのである。それゆえ、
「消費文化」は、満足には決して至らない人間の欲望の上に築
かれているということになる
「消費」は、意味の消費である限りにおいて、そこには「市場の限界」はないかのように見え
る。「Mode(流行)」としての商品は、所謂「心理的減価」を可能にした。こうして、消費者は、
製品の機能というよりは、むしろ「流行」を求め、己の趣味を満たすために「意味」の消費に向
かう。こうして「買い替え需要」の創造が行われることによって、
「市場の限界」を乗り越え「消
費による自己実現」の時代へ向かうのだ。
こうして、必要だから買うという、充足手段としての消費は意味を失い、消費は自己表現の手
段とされる。こうして人々は、不足しているものを充足しなければならない、という本来の意味
合いの「必要性」とは無縁になっていくのだ。充足手段から人が自由になった時、
「需要」という
言葉から「必要性」という意味合いが消えていくことになる。消費が「必要性」を越えて拡張し
える領域に姿を変えた、その途端に、それは資本主義のフロンティアに取り込まれてしまったこ
とになるのだ。その上、人間は自分が本当に欲望するものを知ってはいないゆえに、こうした資
本主義の戦略に乗せられてしまう。けれども、モノの飽和状態を前に、私達は、大して幸せにな
っていないことに気付くのである。それでも、私達の「盲目な欲望」は、刺激されるままに、消
費に向かい続けているのだ。
しかし、1972 年、ローマ・クラブが、
「成長の限界」を訴え始める。今度は、
「市場の限界」ゆ
えの「成長の限界」ではなく、
「環境の限界」ゆえの「成長の限界」が問題視されたのである。つ
まり、「持続可能性」の問題が突きつけられたのだ。この問題は、1992 年、リオの「地球サミッ
ト」の開催を見ても分かるように、無視し得ないものであった。
実際に、
「環境の限界」が現実的になり、多種多様な公害問題や気候変動が引き起こされている。
再生可能資源の中には、インフローからの供給を越えたアウトフローによって涸渇に向かいつつ
あるものが出てきている。再生不能資源も、中国やインドなどの国がアメリカ並みのライフスタ
イルを享受しようとしつつある中、涸渇に向かう速度を加速化させていくことだろう。汚染の吸
収源としての自然も自然の浄化速度を越えた過度な排出のため、既に限度を超えている。例えば、
2030 年までに中国の人口は 15 億に達するとされているが、その中国がアメリカ人並みの石油消
費をすると、一日当たり 1 億バレルの石油が必要になるという試算がある。目下、全世界の一日
当たりの石油産出量は約 8000 万バレル程度なので、それが何を意味するのかよく分かるだろう。
また、同じく中国が、アメリカ人並みに肉類や乳製品を摂取すると:全世界の穀物生産量の2/
3が必要になると言われている。さらに、アメリカ人のように、4 人当たり 3 台の車を持つと、
10 億台必要となる。世界の総自動車台数は8億台なので、これも何を意味するのかが分かるだろ
う。現に、こうした成長の対価として、中国の都市の1/4 には酸性雨が、都市の 3/4 が健康基準
を下回る水準の大気を呼吸しているとされる。今、中国の大都市の大気汚染は大問題となってい
るが、第 6 回香港国際マラソンにおいて、スモッグゆえに、多数のランナーが病院に運ばれ 1 人
9
死亡するという事件が、それを象徴している。
産業革命後に登場した「経済発展モデル」は、持続可能性という点から考えるならば、
「破壊的
な」という形容が相応しいようなシステムとなってしまい、もはや「地球一個分」の思考という
慎ましやかな運営が不可能となっている。フォードの大両生産を目撃したガンディーの懸念は、
こうしたことまで見据えていたと言えるだろう。
さて、マハトマ・ガンディーは、或る村で生産されたものは、先ず、その村の住民達によって
使われるべきである、と考えていた。彼は、所謂「地産地消」と呼ばれている形態の地域経済を
優先させたのだ。彼ははっきりとこのように語っている:
「生活必需品を生産する手段は庶民が確
保しておく必要があります」(1999.p.114)と。もし生活必需品を生産する手段を確保しておか
なければ、現行の世界経済に見られるように、第三世界の人々は原材料を生産するだけになって
しまい、
「市場経済」に巻き込まれて搾取されてしまうだけになってしまうからなのだ。しかも大
変画期的なことに、こうした考え方を、植民地支配からの独立への確実な第一歩として取り入れ
たのである。これは、さらに生活必需品の原料を生み出す大地との一体化をも人々に思い起こさ
せることになるだろう。生活と生命が地域の自然に、如何に根付いているのかということを、そ
の地域の人々に思い起こさせることになるのだ。
そうであるのならば、このガンディー的発想を、グローバル経済への再編化の過程で起きてい
る、大都市一極型で地方を切り捨てる動きに対する抵抗運動のために役立てることが可能だろう。
ガンディーは、地域共同体のメンバーは自分自身の需要を満たし得る、自立可能な経済基盤を打
ち立てるべく、人的資源として、先ず地域経済に貢献すべきだ、と説いた。この場合の「需要」
とは「衣食住」に強く結びつく、日常的な「生活必需品」のことだ。確かに、自分の制作したも
のを使ってくれる人達を身近に感じてこそ、仕事への尊厳が回復される。地域共同体のメンバー
のメンバーによるメンバーのための生産活動という形で、生活必需品を生産するための生産手段
が各メンバーに配分されていることを理想にしたガンディーは、インドの伝統である手仕事を重
視した。それゆえ、彼は、インドに古くから伝わる「紡ぎ車(チャルカ)」を自ら手にして、自分
の衣類を自分で作る活動を開始したのだ。裸同然の格好で「紡ぎ車(チャルカ)」を手にして糸を
紡ぐガンディーの写真を見たことがあるとは思うが、これは、
「生活必需品」の生産手段を自らの
手にというガンディー思想を彼自身が実践している姿なのだ。そしてこれこそが「イギリスよ、
インドを立ち去れ」という有名な非暴力的抵抗運動の第一歩となる活動だった。ガンディーは、
日常品であるのならば、手仕事によって、地域共同体内で賄うことが十分に可能にすることで、
地域の自立を確立しようとしていたのである。日常の必需品を手仕事によって、自給するわけな
ので、当然、環境への負荷も最小限に抑えられることになる。ガンディーは、こうした彼の考え
を「スワラージ」と呼んだ。
「スワ」とは、インドの言葉で「自分」
、
「ラージ」は「治める」とい
う意味である。
「自分を治める」というこの「スワラージ」の思想は、地域コミュニティのメンバ
ーが、
「生活必需品」に関して「生産手段」を確保することによって、地域とともに「自立」する
ことを達成する。彼が自ら手にした「紡ぎ車(チャルカ)」は、ガンディーの「スワラージ」思想
を象徴しているのだ。彼が『ガンディー自伝』に正直に記しているように、彼が文章において「紡
ぎ車」を紹介した時点においても、未だ、
「紡ぎ車」を見たことさえなかったというのだ。自伝に
おいて、彼は、さらにこのように告白している。
「私たちは、またも果てしない困難にぶつかった。
10
私たちは手紡ぎ車も、また、私たちに紡ぎかたを教えてくれる紡ぎ手も見つけることができなか
った」
(130)と。この方法を知る者は、婦人に限られていたし、伝統的にほとんど死にかけてい
たのである。それでも、インドを貧窮から救いだしてくれるやり方こそが、そのまま自治にも繋
がり得るという信念の下、ガンディーは、「紡ぎ車」の運動を推進していったのである。
このように、ガンディー的戦略によって、地域共同体に属する人々は、自分の仕事の貢献度が
目に見えるような、互いの「顔」が見える範囲で共同性を確立し、そこから、共同体のメンバー
各自が、己の仕事に喜びを見出し、自信を得ることから出発する。ガンディーの言葉を引用しよ
う:
最初の義務は社会の重荷にならないことです。すなわち、自立することです。自分のことが自分で賄えるようになれば、空い
た時間を他人に奉仕するために使えます。すべての人が、自分で自分のことを賄えるようになれば、困っている人はいないこと
になり、奉仕する必要はなくなります。人は自立している一方で、それと同じくらい相互に依存した存在です。社会をよい秩序
に保つために依存が必要な場合は、それはもはや依存ではなく協力です(1999.p.79)。
ガンディーは、
「生活必需品」の生産手段を地域社会に委ねた。だからと言って、完全に他の地
域から孤立してしまうことは好ましいこととは思っていなかった。彼は、このように述べている:
「社会から孤立するほど自給自足に徹してしまうのも罪悪に等しいということです。」と。「生活
必需品」に関して、という条件を付すことで、ガンディーは、
「衣食住」のような人間の生物的な
基盤に関わるものに関しては、地域コミュニティが自立してあることを望んだのだ。その他の産
品に関しては、地域コミュニティ間で交流があって交換されても構わないのである。ガンディー
は、極端な自給自足思想に陥っているわけではないということに注意を喚起しておきたい。
産業革命以降、
「必要不可欠」の意味を喪失してしまった、私達、先進国の現代人に対して、ガ
ンディーの頃のインドは未だ「必要不可欠」の意味を分かっていたと思われる。そのことを示す
エピソードを紹介しておこう。インドの言葉に「アステーヤ」という言葉がある。これは「自分
にとって必要不可欠以上のものを手に入れるなかれ」という意味なのだという。サティシュ・ク
マールによれば、「自分にとって必要不可欠」なものを見極めるために、「必要」と「必要以上」
の境を知るのは難しいことであるがゆえに、常に「自己吟味」が重要となるという。彼は、
『君あ
り、故に我あり』という著書の中で、ガンディーにまつわる、大変感動的な話を紹介している。
或る朝、ガンディーは、後にインドの初代首相となるネルーとともに、インドの政情について、
真剣な議論をしていた。当時の住宅には、水道はなかったので、ネルーが、ガンディーの朝の洗
顔用の水を水差しに入れて持ってきていた。ところが議論に熱中するあまり、ガンディーの洗顔
が終わる前に、水差しの水は尽きてしまい、それに気づいたネルーが、
「水をもう一杯汲んできま
しょう。
」とガンディーに告げたところ、ガンディーは、目に涙を浮かべながら、驚きの声を上げ
た。
「何だって?私は、顔も洗い終えない内に、その水差し一杯あった水を使ってしまったのか?
何と無駄なことをしてしまったのだろう。洗顔のために水差し一杯以上の水を使ったことなどな
かったのに!」と言って、話をするのを止めてしまった、というのだ。ガンディース川やヤムナ
ー川といった大きな河川に囲まれた地域に住んでいたから、ネルーは、このガンディーの反応に
驚いてしまい、
「ここでは水は不足していません。何故、泣いているのですか?」と尋ねた。それ
11
に対してガンディーは、
「そのとおりだ。二つの偉大な川が街中を流れているとは恵まれたことだ。
だが、洗顔のための私の取り分は一日水差し一杯だけで、それ以上ではないのだ」と答えたとい
うのだ。何と、感動的なエピソードだろうか。まさに日常のありきたりな場面においても「アス
テーヤ」の精神が生きていることを教えてくれるエピソードである。このエピソードは、
「必要」
と「貪欲」の違いがあまりにも曖昧になってしまった、現代人に、
「必要」とは何なのかを教えて
くれる。大いなる自然の恵みを前にしても、多くを取らず、自分の「必要不可欠」をきちんと知
った上で行動すること、これができれば、地球上の全ての人達が、自然の恩恵に被っても、それ
でも、未だ十分の余剰に恵まれるだろう。ガンディーのこのエピソードは、自然に対して、人間
が如何に振舞うべきかを教えてくれている。
§3. 必要不可欠とは何か:ソローの実験
「必要不可欠」ということの意味を忘却してしまった現代人の中で、その意味を取り戻そうと
試行錯誤した人物がいる。ヘンリー・デイヴィッド・ソロー(Henry David Thoreau)だ。彼は、
1845 年、
アメリカのウォールデン・ポンドと呼ばれている池のほとりに面した森林に小屋を建て、
二年二ヵ月の間その小屋に住みそこでの生活を記録し続けた。その記録に現われる自然描写、あ
るいは動植物の生態の描写ゆえに、そして何よりも自然との交流の結果芽生えた彼の豊かな精神
的な境地ゆえに、彼の『ウォールデン:森の生活(Walden, or Life in the Wood)
』という本は、
今日も環境保護思想に霊感を与え続けている。私達は、スタンリー・カヴェルの導きによって、ソ
ローの『ウォールデン』の冒頭に紹介されている、彼がウォールデンで最初の年を乗り切るため
の経費明細表を「自分の罪を公表」する材料として扱っている件を再読してみよう。その際に、
ソローは、食費の明細に関しては別個に記載しているという事実を指摘したカヴェルは、ソロー
が「この世で摂食しつつ生きる意志の表明を確実に正当化するものはないと考えている」と述べ
た後に、ウォールデンにおける、ソローの冒険的な試みの中で、彼自身が、食せねばならない、
といったような生存の条件や負債に耐え切れなくなるかどうかによって、
「本当の必要性」を感じ
取り、
「誤った必要性を本当の必要性に置き換える」という試行錯誤を行ったことについて語って
いる。こうしたカヴェルの指摘を念頭に置いて、
『ウォールデン』を再読してみると、確かに、ソ
ローの試みは、生存に纏わる「本当の必要性」を見極める試行錯誤と捉えることが可能であるこ
とが分かる。
私達は「必要不可欠」ということの意味を知ろうと考えて、スタンリー・カヴェルによるソロ
ーの読解を参照した。ここで、実際に、ソローの『ウォールデン』から彼の試行錯誤の跡を辿っ
てみることにしよう。例えば、
『ウォールデン』の中で、ソローはインドの立法者に敬意を表して
いるが、その理由は、インドの立法者達は、自分の中の動物性にも適当な居場所を与えることに
成功しているからだし、また、インドの立法者達は「飲食、同棲、糞尿の排泄の仕方に至るまで、
卑俗なものを高めながら教えており、こうしたものをつまらないなどと言って、偽善的に避けて
通ったりはしていない」からなのである。このように、人間に本来備わっている機能であるのな
らば、それがどんなに動物的なものであろうと、取るに足らないものなどはひとつとして存在し
ないのだ、とソローは言う。かくして、ウォールデンの湖畔の生活の中で、ソローは「精神的な
生活への本能と、原始的で下等で野蛮な生活への本能をあわせもっているが、私はそのどちらに
12
も敬意を抱いている」という認識を記すようになっていくのだ。
それでは、
「摂食せねばならぬ」という必然性に関してのソローの認識はどのように記されてい
るのだろうか?彼は、
「そもそも動物愛護協会員を含むあらゆる人間の中で、猟師こそ狩られる動
物の最良の友であろう」と述べている。なぜだろうか?もう少しだけソローを引用してみよう。
これから引用する個所は、人間が、少年時代に狩猟を経験することによって何を学ぶのかを簡潔
に述べた個所である:
心ある人間は、自分とおなじ生存権をもって生きている動物たちを気まぐれに殺すようなまねはしなくなるだろう。ウサギだっ
て追いつめられれば、人間の子供そっくりの泣き声をあげる。世の母親たちに警告しておこう。私の同情はふつうの博愛主義者
のように、人間だけに向けられているわけではないのだ。このようにして、しばしば少年は、森ともっとも根源的な自己とには
じめて出会うのである。最初は猟師や釣り師として森へ行くが、もし彼がその内部によりよき人生の種子を宿しているのならば、
やがて、たとえば詩人とか博物学者としての自己本来の目的を発見し、猟銃や釣竿を捨てるに至るだろう(下 p.79)。
逆説的ではあるが、狩猟を通して、少年は、最終的には、動物にまで拡張された博愛精神に目覚
め、猟銃や釣竿を捨てるに至る、とソローは言っているのだ。引用箇所の最後の方で、ソローは、
「森ともっとも根源的な自己とにはじめて出会う」とはっきりと述べているが、ここでソローの
言っている「森」ということを「生態系」と置き換えても、差し支えないだろう。食べなければ
生きていけない、という人間の業を分かった上で、狩猟をするのならば、
「森」即ち「生態系」へ
の愛に目覚めるのだ、とソローは言っているのである。生態系に依拠せざるを得ないという根源
的な必然性を悟ることで、他の動植物への愛が芽生えるのだというのだ。別の箇所では、このよ
うに言っている:
人間はたいていの場合、他の動物を食べることによって生きることができ、また、現にそうやって生きている。しかし、これが
みじめな生き方であることは、ウサギを罠にかけたり、子ヒツジを屠殺したりする者が、だれでも思い知ることだろう。…。人
類は進歩するにつれ、動物の肉を食べるのをやめる運命にあると、私は信じて疑わない(下 p.84)。
このように「食べる」という、この生活の必然性を通して、狩猟をする人間は、逆に生態系への
愛に目覚め、むしろその愛ゆえに、
「人類は進化するにつれ、動物の肉を食べるのをやめる運命に
ある」のではないか、といった風に生態系への態度を変えていく、というのだ。人間にとっての
「必要不可欠」を徹底して追い求めるソローの妥協無き姿がここにある。摂食の必要性は、その
源である生態系への愛へ開かれ、その愛は、その生態系の一員たる動物にまで浸透し、肉食を「必
要不可欠」の範疇から除外できるという可能性にまで開かれていく。ガンディー自身も、「私は、
精神的な進歩はある段階で、われわれの肉体的要求を満足させるために仲間の生き物を殺すこと
をやめることを要求すると思う」と書いている。特に動物実験に関しては、ガンディーは、強く
反対を唱えており、
「自分達の生きる代償に他の有情の生き物達を苦しめるくらいなら、我々は自
分の生命を断念すべきです」
(
『健康論』
)とまで言っているのだ。ソローやガンディーが言うよう
に、
「必要不可欠」ということから、肉食を除外できるのであるのならば、肉食の無駄についての
論証に耳を傾けるべきだろう。肉食の無駄については、例えば、1㎏の肉を作るのに、16 ㎏の穀
13
物が必要である、という試算が存在している。さらに、地球上の全ての農地の 70%が畜産用に使
われており、それは地球の陸地面積の 30%に当たるという。もし地球上の全ての人が摂取カロリ
ーの 25%を動物性に抑えるのならば 32 億人を、15%に抑えるのならば 42 億人を、0%を動物性
に、つまり、ベジタリアンになるのならば、63 億人を、養うことができると言うのだ。「必要不
可欠」の意味を、食に関して熟考する際に、
「肉食」を「必要不可欠」から除外できるのだと言う
のならば、今、列挙したような試算を考慮すべきだろう。飢餓人口が 12 億存在する反面、飢餓人
口に匹敵する 11 億が肥満に苦しむという、食を巡る不均衡が存在する以上、食に関する「必要不
可欠」を熟考する意義は十分あると考える。
§4.自然の贈与
最後に、衣食住といった人間の生物学的条件から要請される生存の根幹にあたる事象は、
「自然
の贈与」との関連から考えても、自然と人間を結ぶ「臍の緒」と言っても過言ではない事象なの
である、ということを確認しておきたい。資本主義は、経済の全てを、全ての活動領域を覆い尽
くしているわけではない、とブローデルは述べているが、まさに、この「自然の贈与」の次元は、
純然たる受け身の次元であり、資本主義自体も前提としなければ、成立し得ない原初の次元なの
である。
自然が「贈与」をするということは、自然に対する人間の関係の内、最も根源的な関係が「享
受」であるということだ。人間は、水や空気、日光、食糧など「自然の恵み」を享受して生きて
いる。ところが、狩猟経済の時期に恐らく人類が味わっただろうように、自然には、明日も今日
と同様に過不足なく「自然の恵み」を与えてくれるだろうか、ということに対する不確実性があ
る。人間は、
「享受」という受け身の姿勢では、この不確実性に翻弄されることになる。そこで人
間は、こうした不確実性を解消し、「自然の恵み」の享受を延長できるように、「農耕」を開始し
た。古代ギリシアのヘーシオドスは、
『仕事と日』という教訓的な叙事詩を残している。その中で、
彼は、
「神々が人間に季節に応じてお示しになった仕事」をすることを奨励し、一種の「農事歴」
を綴っているのである。例えば、
「アトラースの姫御子、プレーイアデス(昴星)の昇る頃に刈り
入れ、その沈む頃に耕耘を始めよ。この星は、40 夜、40 日の間姿を隠し、一年の廻るがまま、
やがて鎌を研ぎにかかる頃、再びその姿を現す。これぞ野の掟であり・・・」(p.57)のような記述
が続き、四季の規則的なリズムを如何に読み取り、それに合わせてどのような準備や仕事を行な
うべきかが説かれているのだ。このように、四季のリズムに合わせて労働に励むことで、この世
の不確実性から来る悲惨な出来事を、解消していこうとしているのだ。これが経済活動の起源な
のである。しかし、人間は、
「衣食住」に関する必要不可欠の感覚が等遠のくにつれ、この起源を
忘却し、
「贈与」に対する「享受」が、コントロール可能であるかのように錯覚をし始めたのであ
る。それゆえ、私達は意識的に「贈与」の次元に目を向け、その恵みを「享受」する喜びを見出
さねばならない。
人類学者のマルセル・モースは、『贈与論』の中で、「返礼無き贈与は、それを受け取った人を
貶める」という結論を導き出した。彼は、贈与があると、それを「受け取る義務」と同時に「返
礼する義務」が生じることを、様々な文化において観察してきた。例えば、ニュージーランドに
住むマオリ族は、
「ハウ」という霊を宿した「タオンガ」という品物を交換し合うのだが、
「ハウ」
14
は、
「郷土の霊」で、それが生まれた聖地である郷土あるいはその所有者の許に帰りたがるという。
だから、「返礼の義務」を怠ると、「ハウ」の霊が、災いや死を齎すと考え、必ず、贈与があれば
お返しの品を贈るということをしているのだという。同様に、どの文化でも、何かを贈られれば、
必ず、返礼としてお返しの品を贈答する、ということをしている。
「与えられる一方」だと、私達
に、何か「負い目」のような気持ちが生じるわけなのだが、この「負い目」の感情を、マオリ族
は「ハウ」と呼んでいると考えれば分かり易い。
それでは、モースの『贈与論』を応用して考えていくことにしよう。自然は、私達に「生命」
を贈与している、と考える文化が存在している。私達は、
「ある」つまり「存在している」のだが、
それも実は、
「与えられてーある」というあり方ではないのか、という問いを投げかけることがで
きる。このように、初めに「自然」による贈与がある、というところから出発すべきなのだ。実
は、ハイデガーも、
「それは与える(Es gibt:
「~がある」を意味するドイツ語で、この言い方か
ら存在の「贈与(ギフト)
」としての性格を導き出している)」という言い方をしているが、彼の
いう「それ」を「自然」と置き換えても、全く外れてしまうわけではない。
「自然から命を贈与さ
れている」と捉える文化は、例えば、自分達が育てた食べ物を他の生き物と分かち合うことをす
る。例えば、東北の村では、食材の切り方が、何と 39 通りあるという。これは、例えば、虫が食
べていていたり、自然が与えてくれるままの食材には個性的な形があったりするからなのである。
ここには、
「自然から与えられたもの」を「与えられたまま活かす」という知恵が込められている。
「自然の贈与」をいただくのは人間だけではなく、虫も命である以上、同様に「自然の贈与」を
受け取るわけなのだ。このように、虫が食べることも当たり前として捉え、それを切り方によっ
て対処するような食文化が存在している、ということが感動を誘う。
「自然の贈与」は、全ての命
が分かち合うということで、「贈与」に対する返礼としているのだ。「与えられてーある」という
贈与に対して、
「負い目」を感受できる感受性があるところには、今紹介したように、「他の命と
収穫を分かち合う」という文化が育まれることになる。どの文化にも、収穫したものを同じ共同
体のメンバーと分かち合うという文化がある。収穫とは、自然の贈与を受け取る義務を果たすこ
となのだ。それへの返礼を、まさに、他のメンバーと分かち合ったり、他の生命と分かち合った
り、あるいは、
「神様」へと捧げたりすることによって、私達は、「贈与」に対する返礼をしてき
たのである。
「自然の贈与」に対する返礼の仕方とは、
「自然の贈与」という当たり前とされてきたことをそ
のまま「子孫達にお返しする」ということなのだ。食、水、空気、生命など、
「自然の贈与」は「お
金に代えられない」ということに思いを馳せ、循環を基礎とする「自然の贈与」のあり方を考え
ると、循環を損なわないように保つことを「子孫のために行う」ということこそ、子孫にお返し
するということの意味となる。このように、何よりも今私達に求められている一番の返礼こそが、
「自然が贈与する」という当たり前と思われてきたことを、そのまま子孫達にお返ししてくとい
うことなのである。循環を基礎とする自然において、「1 のものは 1」のまま循環し続ける。する
と、私達が子孫に「自然の贈与」を返礼することの基本は、
「1 のものを 1 のまま返す」というこ
とになる。デュピュイが『ツナミの小形而上学』の中で、アメリカン・インディアンの智慧の言
葉を紹介している。それは、
「大地は子孫が貸してくれたもの」というものであるが、デュピュイ
とは異なり私達は、この言葉を「1のものを1のまま子孫に返すこと」を語っていると解釈しよ
15
うと思う。こうして「1のもの」に現行の世代がダメージを与えている、ということ自体を犯罪
的行為として捉え返すことが可能になる。
私達は、
「贈与」に対して、私達は、まさに文字通り「有り難い」ということから、感謝の気持
ちを抱くし、それが大切な人からのものであれば、頂いたモノを大事にしたいという感情が芽生
えるだけではなく、贈与をしてくれた人との絆が強まるという、頂いたモノが持つ以上の価値を
受け取る。つまり、
「贈与」においては、単にモノが渡されるというわけではない。現行の経済シ
ステムは、
「贈与」の次元を見えなくさせてしまうことで、経済交換を可能にしている。分かり易
く言えば、皆が「お金に見合ったサーヴィスをしてもらっているだけだ」という風に、単に「等
価交換」をしていると考えることによって、
「贈与」の次元を忘却してしまうのだ。私達は、現行
の経済システムに抗って、
「自然の贈与」の次元を忘れることなく、感謝とともに受け入れ、自然
の贈与という恩恵を子孫達にそのままお返しをしていくことを考えねばならない。
前節まで、
「衣食住」の内、
「衣」の領域について主に語ってきたが、同様に、自分達の食の生
産および管理を他者に任せてしまうことそのものが、
「自然の贈与」との接点を無くし、私達自身
のコミュニティの意味を消滅させ、そこから跳ね返って、先祖や子孫、あるいは他の生き物との
繋がりを見えなくさせ、最後には、自身の人生へのコントロール感そのものをも失わせることに
なったのである。
そうであるとしたら、「衣食住」という生活の根幹の領域で、
「自然の贈与」の次元を忘却する
ことなく、
「自然の贈与」の次元に対して、常に開かれてあることによって、私達は、現行の経済
システムという閉域を反省的に捉え返すことが可能になるのである、と言えるだろう。もし、私
達、人類が「自然の贈与」に依拠せねば生存すら不可能になるのだというのならば、必要不可欠
ということは、
「1 のものを 1 のまま返す」という循環の時間の中にこそ、見出さねばならないの
だ、ということを教訓としなければならないだろう。
結論:ガンディー的思索をいかに活かすか
「衣食住」に関する「生産手段」を地域コミュニティに委ねるという、こうしたガンディーの
考え方は、確かに、産業革命以後「必要不可欠」の意味を忘却してしまった人類には新鮮な考え
方なのだ。次に、このガンディーの考え方を他のシステムと比較することによって、ガンディー
的な試みのどこに優れた点があるのかを浮き彫りにしていこう。そこで、ガンディー的な地域コ
ミュニティの自立を重んじる考え方を、旧ソ連の体制と比較してみることにしよう。
マルクスの共産主義は、それがソヴィエト連邦によって実践に移された際に、
「生産手段」全般
を国有化し、国に集めて、国が運営しました。資本家階級が、生産手段の私有化をすることで、
まさに「ブルジョアジー」と呼ばれるような「階級」として台頭していき、それに伴って、
「プロ
レタリアート」と呼ばれることとなった「労働者階級」が生み出されて、
「労働者階級」の搾取の
下、貧富の格差が拡大していくことに強く反発をした。しかし、ソヴィエト連邦のように、一旦、
「生産手段」が、国に集約された上での再配分というやり方では、生産者と消費者との間に「顔」
の無い関係が生まれてしまい、生産者は、結局は、
「国家のため」等といった抽象的な理由以外に
生産の喜びを見出すことができなくなってしまった。しかも、国にあまりにも強大な権力が集中
し過ぎ、権力が腐敗した際に牽制が利かない状態になってしまった。
16
これに対して、ガンディーは、資本主義とも共産主義とも異なる第三の道を選択した。それは、
今まで述べてきたように、
「生産手段」を地域共同体に委ね、「生活必需品」に関しては地域で経
済が回るようにしようとした、ということなのだ。地域共同体のように小さな社会の中では、生
産者と消費者は「顔」のある関係で結ばれるので、生産者は自分の行ったことの成果をはっきり
見て取ることが可能になる。しかも地域共同体ごとに、
「私達は、衣食住に関する必要最低限の生
活に関しては、生活手段を自らが確保しているがゆえに自立している」という思い入れがあるた
め、国家による配給が止まるかもしれないといったような、明日への不安からも解放されること
になる。これは、現代のグローバル化した資本主義が社会を崩壊させ、自然を食い潰して、経済
を回していることを反省するのならば、まさに、特効薬として使える発想なのだ。
「衣食住」に関
する基本的な「生活必需品」に関する生産手段を手にすることとともに、そうした「生活必需品」
の生産を助けてくれる自然環境へのリスペクトということは、その地域住民であるがゆえに、失
われることなく抱き続けているはずなのである。それゆえ、
「生活必需品」に関して自立を達成す
る限りにおいて、その地域の自然環境も保持されていくことになるだろう。こうして一旦、生産
手段を地域コミュニティに委ねることができれば、どうなるのだろうか?ガンディー自身の言葉
に耳を傾けることにしよう:
生産も販売も物が必要とされているそれぞれの場で行なわれるならば、自然と統制が取られ、詐欺まがいの取引も少なくなり、
投機はなくなります。生産と消費の両方が各地で分散して行なわれるようになれば、生産速度を無限に、何としても速めたいと
いう誘惑に駆られることもなくなります(1999.p.86)。
このようなガンディー的な戦略に基づいて、地域ごとに自立可能性を確保し、そうした上で、
「越境的民主主義」的な協力体制を他の共同体との間で築いていくことが重要なのだ。
生活必需品に関しては、その地域が生産し、地産地消をしていくということに加えて、もう一
つつけ加えたい考え方がある。それは、ウィリアム・モリスという男によって思索された。ロシ
アで共産主義革命が起きた時、モリスは、
「明日にでも革命が起きる」可能性が高くなっていると
思った。けれども、彼は、このように考えたのだ。もし革命が起きたとしたら、労働者階級が辛
い労働から解放されることになるだろうけれども、そうしたら、何をやって生きたらいいのだろ
うか、と。つまり、革命後、人間があらゆる苦難や苦労から解放されたら、その解放された豊に
なるはずの時間をどうやって生きていくのがいいのだろうかということなのだ。こうして著され
た作品が有名な『ユートピアだより』なのである。そこで、彼は、単に共産主義社会が実現した
世を描くのみに留まらず、一歩踏み込んで、共産主義社会において、労働意欲を促すものが存在
するとしたら、それは何かを思索している。
「苦痛」から解放されたら、
「退屈」が待っている、というショーペンハウエル的図式では、あ
まりにもお粗末で、何のための革命かが分からなくなる。モリスは、民衆の間に芸術が行き渡る
ことこそが必要だと考えた。日用品や生活雑貨、住宅、衣服、家具、などに芸術が入り込んでい
って、民衆がそうした日常レベルで芸術を楽しむことを夢見たのだ。モリスは、芸術家として仕
事をすれば、
「仕事そのもののなかに意識的な感覚の喜びがある」
(p.168)と述べている通りなの
だ。
17
このモリスの思索を受け継いで、私はこのように提案したい。ガンディー思想によって、生活
必需品の生産手段を地域に委ねた暁には、人々は、生活必需品の生産を、まさに、芸術作品の作
成のように楽しんで生産していくことができるようにしていくべきだ、と。
「われわれがつくる必
要だからつくられるのです」(p.177)と言い切るユートピア人の言葉のように、必要性という言
葉に真の意味を取り戻してやらねばならないだろう。ウィリアム・モリスによると、中世の職人
は、生活に必要なほんのわずかな代金でも、職人として、いくらでも時間をかけて仕事をしてい
たが、賃金を貰うようになると、その賃金に見合った分しか働かなくなってしまうのだという。
モリスの工芸主義の背景には、単なる金銭的価値基準によって平準化されていく「金銭的人間関
係」への不信と、
「金銭的人間関係」とは、およそ無縁な、手作りの製品を巡る中世の職人気質が
ある。自分の仕事に対する愛や誇り、職人的技能の高まりによる己の成長確認、さらに、そうし
た仕事を通して他者と繋がる喜び等のような社会的規範が、賃金に見合った労働といったような
市場的規範に追いやられ、忘却されてしまっていたことを、思い起こさねばならない。
地域には、既に、その地域の生態系の中で自然発生的に生み出されてきた特産とされる民芸品
が手本として存在しているのである。いつまでたっても満足に至らない、つまらない消費活動に
勤しむのではなく、生活必需品を己の手で生産し、周囲の人達と共に、楽しむことができれば、
その地域は、輝きを取り戻していくことになるだろう。こうした民芸品等の特産物の意味を知り、
環境あっての地域社会という発想を持つことは、グローバル化の波の中にあっても、守り抜かね
ばならない交換不可能なものの意味を知ることにも通じる。環境倫理学者のベアード・キャリコ
ットは、人間を地域環境への寄生物として捉え、人間ではなく、人間がその中で活かされている
「生態系=生活圏」を主体にするという発想を推し進めた。これこそ、ガンディー主義の副産物
として、ガンディー主義の実現とともに積極的に取り入れていくべき思想なのだ。
最後に、ガンディーが経済学と倫理の関係を述べた言葉を引いておこう:
本物の経済学は決して最も厳しい倫理基準にそむくものではありません。同様にその名に値する正真正銘の倫理学は、同時にす
ぐれた経済学であるべきです。富を崇拝することを教え、強者が弱者を犠牲にして富を蓄えることを許す経済学は、偽りのでき
の悪い学問です。私は経済と倫理の間にはっきりとした境界を定めていません。個人あるいは国家の道徳性を損なう経済は、道
徳に反していますので罪悪です。ですから、ある国が他の国を犠牲にすることを許すような経済は、不道徳であり、「低賃金お
よび過重労働」によって作られた商品を購入し、使用することは罪深いことです。隣人に何が起こるか考慮することなく、一番
安い物を買うように教えるのは浅はかな哲学なのです(1999.P.113)。
経済活動は、誰のための経済活動家が分かる範囲で行えば、それはまさに「倫理的」と形容し得
るような効果を齎すはずだ。その場合の「倫理」の基礎は、
「顔」の見える関係の間に見られる信
頼関係なのである。しかし、経済活動が、単に「利潤のための利潤」を追求し、歯止めの利かな
い「利潤競争」に明け暮れるのであるのならば、「倫理」の入り込む余地も無くなり、「社会」や
「環境」を経済活動のために平気で食い潰していってしまうことだろうし、実際に、今「グロー
バリゼーション」の名の下で起きていることは、そうした信じられないような野蛮なのである。
私は、もしネルーが、ガンディーの示した路線を歩み抜くことを決心していたら、インドは、全
人民が自立への誇りによって武装した「循環型経済」を達成し、
「持続可能な経済モデル」を打ち
18
立て、21 世紀を牽引する指導的な国家となり得たのではないだろうかと夢想する。元ソニー会長
の盛田氏が述べていたように「地域の固有文化は貿易障壁なのだ」というわけで、多国籍大企業
が打ち立てたブランド名を中心に市場を拡張したい者達にとっては、地域の固有文化は崩壊させ
るべき標的だったのだ。グローバル化している経済活動が、
「社会」そのものやそこから発した文
化やそれが拠って立つ自然を食い潰して成長を重ねていくことが当たり前のように観察できるよ
うになった今日であるからこそ、私達は、ガンディーの路線を夢想するだけではなく、もう一度
ガンディーに学び、グローバル経済に飲み込まれないような「経済圏」を地域社会の中に再構築
し、その地域社会の文化と自然やそれに基づく生産様式を守っていく必要がある。
19
引用文献および参考文献
引用した文献に関しては、本文中に直接引用頁番号を記した。
アダム=スミス、
『国富論』上中下、大河内一男訳、中公文庫、1978.
アダム=スミス、
『道徳感情論』上下、水田洋訳、岩波文庫、2003.
アタリ、ジャック、
『21 世紀の歴史』
、林昌宏訳、作品社、2008.
ウォーラーステイン、イマニュエル、『史的システムとしての資本主義』、川北稔訳、岩波書店、
1997.
ウォーラーステイン、イマニュエル、
『アフター・リベラリズム』
、松岡利道訳、藤原書店、2000.
カヴェル、
『センス・オブ・ウォールデン』、齋藤直子訳、法政大学出版局、2005.
ガンジー、
『ガンジー自伝』
、蠟山芳郎訳、中公文庫、1983.
ガンジー、
『ガンジー自立の思想』
、田畑健編、片山佳代子訳、地湧社、1999.
ガンディー、
『ガンディー聖書』
、エルベール編、蒲穆訳、岩波文庫、1950.
ガンディー、
『真の独立への道』
、田中敏雄訳、岩波文庫、2001.
ガンディー、
『獄中からの手紙』
、森本達雄訳、岩波文庫、2010.
キャリコット、J・ベアード、
『地球の洞察』、山内友三郎訳、みすず書房、2009.
クマール、サティシュ、
『君あり、故に我あり』
、尾関修他訳、講談社学術文庫、2005.
ケインズ、
『雇用、利子および貨幣の一般理論』上下、間宮陽介訳、2008.
ソロー、H.D.、
『森の生活』上下、飯田実訳、岩波文庫、1995.
ダースグプタ、
『ガンディーの経済学』
、石井一也監訳、作品社、2010.
デュピュイ、ジャン=ピエール、『ツナミの小形而上学』
、嶋崎正樹訳、岩波書店、2011.
フォード、ヘンリー、
『藁のハンドル』
、竹村健一訳、中央公論新社、2002.
ブローデル、フェルナン、
『歴史入門』
、金塚貞文訳、中央文庫、2009.
ヘーシオドス、
『仕事と日』、松平千秋訳、岩波文庫、1986.
ボードリヤール、
『消費社会の神話と構造』、
モリス、ウィリアム、
『ユートピアだより』、五島茂他訳、中央公論社、2004.
ラジ・パテル、
『肥満と飢餓』、佐久間智子訳、作品社、2010.
20
4K 時代に対応した動画アーカイブの構築
染岡慎一
はじめに
2014 年 3 月、4K(30p)撮影に対応したパーソナルユース対応のビデオカメラが 20 万円で市販さ
れ、4K による映像の個人的な撮影が可能な時代が到来しつつある。
10 年前の 2004 年、ハイビジョン(HD high definition)撮影が可能なパーソナルユースカメラ
が登場し、HD 動画の蓄積が可能となった。2011 年 7 月の地上波放送の完全デジタル化を経て、2014
年現在、家庭用での再生環境は HD が標準となり、スマートフォンで HD 動画の収録も可能である。
この 10 年間で動画ハンドリング環境もまた大きく変化している。2004 年、当時の SD(standard
definition) 環境下では既に DVD が普及し、VHS 等のテープメディアからディスクメディアに移
行が進み、今日では動画をファイルとして保存、管理し、さらに、クラウドや SNS 上に保存、共
有するという使用方法も普及しつつある。
動画規格がアナログからデジタルに移行し、さらに高画質化が進む現在、動画の保存、共有の
手法を整理することは重要である。本稿では、新規格に対応しつつ、動画アーカイブ構築の手法
について 2014 年現在の技術的背景をふまえて解説する。
動画の種類
アナログ時代の動画はアメリカで採用される NTSC(National Television System Committee
全米テレビジョン放送方式標準化委員会)を日本も採用しており、ビデオテープに記録された動
画はこの規格である。動画の縦横比は縦 3 横 4 であり、1 秒間に 30 枚の静止画の集まり(フレー
ム周波数が 30Hz)で表示される。アナログ時代は走査線の集まりで画像を構成するため NTSC の規
格である 525 本の走査線で画像が構成されるが、実際の有効走査線数は 485 本である。NTSC を
480/60i( 60Hz、インターレース)と表記する 480 は画像の縦の解像度を示しており、デジタル時
代の横の解像度は 640 となる。
アナログ時代から実験的に開発が進められてきたハイビジョンは、従来の標準画質(SD)に対し
て2倍の有効捜査線数 1,035 本で縦 9 横 16 の比率の画面の規格として開発が進められ日本では
1989 年に BS を使用して放送が開始された。
その後放送を始め、記録方式のデジタル化にともない縦 1080×横 1920 の解像度(フルハイビジ
ョン)の規格として動画が取り扱われるようになり、横の解像度から 2K と表現する事ができる。
デジタル動画は動画の圧縮方式により規格を分類する事ができ、MPEG-1(H.261)では縦 288×横
352 の解像度から始まり、MPEG-2(H.262) では DVD で使用される縦 480×横 720 の解像度が使用さ
れている。また、HD(2K)の動画は MPEG-4(H.264)動画として、ブルーレイディスクに収録する事
が可能である。
動画の種類表記は、アナログ時代の縦解像度からデジタル時代の横解度を使用した表記が用い
られるようになり、
2011 年頃から現行のフルハイビジョンの4倍の解像度(横 4,098×縦 2180 :DCI
規格, 横 3,840×縦 2160:QFHD 規格)を持つ動画が登場し、横解像度が約4千ピクセルであること
21
から 4K と呼ばれるようになった。
本報告では動画のアーカイブ化に関する技術的なアイディアを報告するが、アナログ時代の標
準(SD)は横解像度が 720 ピクセルであることから 0.7K、現行のフルハイビジョンが 1920 ピクセ
ルであることから 2K と表現する。
動画の保存
0.7K アナログ時代の動画は、ビデオテープに収録して保存するしか手段が存在しなかった。ビ
デオテープ(VHS)は、安価に動画を保存できる一方、テープ媒体であることによる機械的なトラ
ブル、カビの問題や磁気記録そのものが劣化する問題があり、数十年という単位の長期保存は困
難である。
DVD はテープ媒体に比べると保存性に優れる。また、ディスクであるため大量のデータを少な
いスペースに保管することが可能であるが、検索の手掛かりがラベル情報であるため、ラベリン
グの方法が適切でなければ大量のディスクの中から目的の動画を探し当てるのが困難となる。
1990 年代のインターネット普及期から、ネットで動画を取り扱うことができるようになり、配
信の機能だけでなく、動画の保存・アーカイブとして利用することも注目された。筆者が初めて
ネット用の動画を作成したのは 1995 年。200×150 ピクセル、10fps、30 秒で 2M バイト教のサ
イズの動画であったが、当時のインターネットネット環境では転送に数時間を要する場合もあっ
た。
2000 年代に入りコンピュータの性能が向上し、0.7K 品質の動画がから 2K の動画まで安定し
て処理できるようになり、動画はファイルの形でパソコンのハードディスクに保存することがで
きるようになった。
ディスクメディアは 2014 年4月現在 2K 動画の取り扱いまで一般化されているが、4K に関し
てはハードディスク、メモリーディスクにのみ収録可能である。
動画のデジタル化とアーカイブ化の試みはアナログメディアの劣化と再生環境の悪化に対応し
て、特にアナログ8mm ビデオプレーヤーそのものがなくなりはじめる 2001 年頃から進めてき
た。動画は mpeg2 に直接ファイル出力できる AD コンバータを使用し、直接 NAS 上の HDD に
収録する方式を採用した。
NAS に保存した動画は共有が可能なため、数年にわたって運用していたが、2011 年、NAS 本
体がクラッシュしたため、バックアップサーバもあわせて現在サルベージ作業を続けている。
4K 対応ビデオアーカイブの構築
マイクロソフトの Windows XP の保守終了にともない、大量の PC が破棄された。PC を破棄
する前に必要なデータのバックアップ等を行う必要があるが、この 10 年間で HDD の基準容量は
数ギガバイトから数テラバイトへと増加したため、データの引っ越し先の確保が困難となってい
る。また、基準容量の増加にともない、ファイルがあちこちに分散保存されるようになり、デー
タを探す事そのものが困難になりつつある。このような中で PC の破棄が大量に行われると、デ
ータのチェックが終わらないままに破棄の期限が来るという事が起こる。PC は、破棄前に内蔵
HDD ドライブをはずす事が一般的であり、筆者も破棄前の PC の HDD をはずし、保管している。
22
既に廃棄された 10 年前の PC は、当時の主流規格である IDE インターフェイスを使用している
ものが多いが、現在主流の STA とはコネクタの形状が異なり、マザーボードも未対応のため取り
外した HDD ドライブのデータ読み出しをどのように行うかが課題である。当時の貴重な動画フ
ァイルを取り出すため、USB 接続キットを使用してデータのサルベージを行っているが、パスワ
ードロックの回避等の問題を解決する必要がある。
2014 年、手頃な価格の家庭用 4K ビデオカメラ(SONY AX-100)が発売され、我々も 4K 映像を
容易に収録する事が可能となった。一方、4K 映像を上映する環境そのものがが限られている他、
編集・保存する事も含めたハンドリング環境はまだ未整備であり、アーカイブまで含めたシステ
ムの検討と構築が必要である。
2005 年に本学は他に先駆けて当時の HDV(1080X1440)カメラ(SONY FX1)を導入し、収録を開
始した。今日、スマートフォンで 2K 映像をハンドリングできる時代となったが、0.7K(SD)が標
準の時代であった 2005 年は、2K が再生できるモニターそのものが珍しい時代であった。そのよ
うな時代に 2K 画質で収録された映像貴重であり、アーカイブ化した上でいかにして将来に残し
続けるか、その方法を検討する必要がある。
9年後の 2014 年、同様に再生・ハンドリング環境は不十分であるが今現在の 4K 動画は将来的
に貴重なものになると考えられる。今後、収録される 4K 同画の特質にあわせたアーカイブ環境
を検討・構築する予定である。
23
ダクテッドファン方式3固定ノズル軽量無人航空機の基礎設計
Basic Design of Light Unmanned Aircraft with Ducted Fans and Triple Fixed Nozzles
安田女子大学現代ビジネス学部現代ビジネス学科
山
下
Akihiro
明
博
YA M A S H I TA
24
はじめに
近年、多くの無人航空機が開発され、民事目的、軍事目的を問わず実用に供
されている。
しかし、無人航空機はパイロットが搭乗しないことにより、自律的にコンピ
ュータが操縦を行ったり、外部から遠隔操作を行う必要がある。そのため、も
し、機器の故障や通信の不具合により無人航空機の制御が失われた場合、地上
に激突し、人間に被害を与える可能性もある。
本論文は、万が一制御が失われても、人間に与える被害が最小限となるよう
な無人航空機を開発することを目標に、ダクテッドファン及び固定3ノズルと
いう方式を採用し、軽量で安全な無人航空機の推力制御部分の基礎設計を行い、
3Dプリンタによる成形を試みるものである。
25
Ⅰ.無人航空機の現状
1.1
日本における無人航空機の定義
日本において、無人航空機に関する法律上明確な定義は存在しないものの、
航空機については、その航行の安全及び航空機の航行に起因する障害の防止等
を目的として、
「航空法」が制定されている。航空法 2 条 1 項において、航空機
は「人が乗つて航空の用に供することができる飛行機、回転翼航空機、滑空機
及び飛行船その他政令で定める航空の用に供することができる機器」とされて
いる。また、航空法 81 条には、最低安全高度の規制が定められており、日本の
航空機は、人や家屋が密集している地域の上空では、航空機の周囲 600m範囲内
の一番高い障害物の上端から 300m以上の高度、それ以外の地域では 150m以上
の高度を保って飛行することが義務付けられている。しかし、無人航空機に関
する航空法の定義が存在しないため、無人航空機に関して、最低安全高度の規
制等は適用されず、耐空証明の取得も不要である。
1.2
無人航空機の起源
無人航空機の起源をたどることは非常に困難であるが、動力を持たない無人
航空機の起源は、凧や紙飛行機、模型飛行機等であり、中国では、凧を紀元前
より使用していた記録が残る(Wagner 1992, 15)。
動力を持つ無人航空機としては、最も軽量な動力としてゴムが使用され、19
世紀には、ゴムを動力とする模型飛行機がアルフォンス・ペノー(Alphonse
Pénaud)たちにより制作されていた。
1.3
現在の無人航空機
現在では、多くの種類の無人航空機が利用されるようになった。
民事目的では、図1のような農業用無人航空機や、図2のような映像記録用
26
無人航空機、民間防犯用無人航空機などが実用化されている。また、図3のよ
うな荷物配達用無人航空機も計画段階にある。
図1 ヤマハ RMAX Type 2 G
(出典:ヤマハ発動機メディア用写真
http://www.yamaha-motor.co.jp/sky/history/rmax-t2g/img/index/img_001.jpg)
図2 ハイビジョンカメラを搭載したクアッドコプター
(出典:山下 2012, 464)
27
図3 アマゾンのオクトコプター
(出典:ロイター通信 http://www.reuters.com/article/2013/12/02/
us-amazon-drones-idUSBRE9B110T20131202)
軍事目的では、図4に示す、アメリカ軍が運用している、RQ-1(MQ-1)プレ
ディター等が有名である。
図4 MQ-1 プレディター
(出典:アメリカ空軍メディア用写真
http://media.dma.mil/2003/Aug/19/2000597903/-1/-1/0/030813-F-8888W-006.JPG)
アメリカ軍は、他にも、RQ-2 パイオニア、RQ-3 ダークスター、RQ-4 グロー
バルホークなど、多くの無人航空機を開発し、実用化している。
28
Ⅱ.安全な無人航空機の実現方式
2.1
ダクテッドファン方式
ヘリコプターやレシプロ航空機のように、回転翼がむき出しになっている無
人航空機の場合、人を傷つける可能性がある1。また、重量が大きい無人航空機
の場合、制御を失い墜落すると、大きな被害をもたらすことになる。
そこで、回転翼がむき出しにならず、しかも軽量の無人航空機を制作するこ
とを目標に設計を行うことにする。
回転翼がむき出しにならないという無人航空機としては、アメリカ陸軍が
2008 年に採用した、ハニウェル(Honeywell)社の RQ-16 タランチュラホーク
(Tarantula Hawk)がある。図5に、RQ-16 を示す。
図5 RQ-16 タランチュラホーク
(出典:ハニウェル社メディア用写真
https://commerce.honeywell.com/wcsstore/B2BDirectMyAerospaceAssetStore/images/catalog/T
HAWK%20MAV_1_800x800.jpg)
1
2013 年 7 月 18 日午前 8 時半ごろ、千葉県君津市大戸見の市道で、農薬散布のため無線操
縦ヘリコプターを操作していた同県富津市豊岡、農業従事者、尾坂芳郎さん(60)がヘリ
のプロペラと接触し、頭を切って死亡した(共同通信 2013 年 7 月 18 日配信)。
29
RQ-16 は、G-MAV(ガソリンエンジン式マイクロエアビークル)であり、ダ
クテッドファン方式を採用している。ダクテッドファン方式とは、ガソリンエ
ンジンにより、二重反転のダクテッドファンを回して浮上する方式であり、吹
き出す方向を変えることにより、横に移動することができる。二重反転にして
いるのは、トルクを打ち消すためである。また、比較的構造が複雑で縦長の機
体になるという特徴がある。
RQ-16 の最高速度は 74km/h であり、比較的低速であるが、プロペラやロータ
ーが露出していないため、墜落しても、人的被害が少なくて済むという利点が
あるとされている(石川 2012, 209)。
2.2 最少ノズル構成
前述の RQ-16 タランチュラホークは、4つの可動式ノズルを有し、それぞれ
4方向に独立して動作する。そして、機体に取り付けた傾きセンサーにより検
知した傾きを、直接4方向のノズルの角度に直接反映させ、ノズルから空気を
吹き出すことにより、無人航空機の姿勢を保つ。
RQ-16 のこの方式は、4方向のノズルを独立して動かす機構が必要となり、
構造が複雑で、重量が大きくなるという欠点を有する。
そこで、ノズルを可動式にすることなく、空中で安定して静止できる条件を
考えると、最低3つのノズルで実現できる。ノズルが1つ、あるいは2つの場
合、可動式でなければ、不安定な姿勢になったときに修正することができず、
空中で安定して静止できない。これに対し、ノズルが3つであれば、可動式ノ
ズルでなくとも、各ノズルから吹き出す空気の量を調整することにより、空中
で安定して静止させることが可能である。
2.3
固定式3ノズルの推力の解析
RQ-16 のような可動式4ノズルの場合、機体の傾きセンサーにより検知した
30
傾きを、直接4方向のノズルの角度にフィードバックすれば、機体を空中で安
定して静止させることができる。
しかし、今回の設計のように、固定式3ノズルの場合、新たな制御方法を考
える必要がある。
そこで、図6のように、3次元空間上に、3つのベクトル
をとる。各ベクトルは、それぞれ3つの固定式ノズルから吹き出す空気による
推力を示しており、Z軸からθの角度で傾け、XY平面上では120度の間隔
を保って配置する。θは、0度から90度の範囲で考える。また、図7に、実
際の固定式3ノズルの形状を示す。
図6 3次元空間上の3つのベクトル
(出典:筆者作成)
31
図7 固定式3ノズルの形状
(出典:筆者作成)
とおく。また、単純化のために、3ノズルによる空気の量を1とする。すな
わち、
とする。
このとき、各ベクトルは、
で表される。
(1)真下方向に推力を向ける場合
真下の方向に推力を向けるためには、3つのベクトルの和が真下を向く必要
がある。このためには、
が成立していればよい。その場合、3つのベクトルの和は、
32
となる。
(2)前後方向に推力を向ける場合
前後の方向に推力を向けるためには、
が成立していればよい。その場合、3つのベクトルの和は、
となる。
(3)左右方向に推力を向ける場合
左右の方向に推力を向けるためには、
すなわち、
が成立していればよい。その場合、3つのベクトルの和は、
となる。
これら(1)~(3)に示す3つのベクトルの和の式から、均等に推力を出
すとき、機体を真前に傾けるとき、機体を真後に傾けるとき、機体を真右に傾
けるとき、機体を真左に傾けるときという、5つの場合を実現できる3つのベ
クトルの組み合わせは、θが30度であると仮定した場合、次のようになる。
33
34
Ⅲ.ダクテッドファン固定式3ノズル軽量無人航空機の設計
3.1 無人航空機の実現方式
前章で検討した固定式3ノズルの推力の解析をもとに、ダクテッドファン方
式であり、かつ固定式3ノズルを有する軽量の無人航空機の設計が行えるかを
検討する。
ダクテッドファン方式の機体においては、第一目標として、
「機体が空中の一
定の位置で水平に静止し、機体が傾いた時に機体が水平に戻る機能を有する」
必要がある。そこで、この目標を実現するために、以下の4つの実現方式を採
用する。
(1)モーターにより、同軸2重反転ローターを回転させる。
(2)カバーでローターを保護し、安全性を高める。
(3)空気を固定式3ノズルで3方向に吹き出し、機体の姿勢を保つ。
(4)3Dプリンタによりプラスチックで成形し、機体を軽量化する。
3.2
同軸2重反転ローター
同軸2重反転ローターは、機体に不要な回転トルクを与えないようにするた
めに使用する方式である。
一般のヘリコプターに採用されているのは、1組のローターと呼ばれる回転
翼が回転し、それにより垂直方向の揚力を発生させる方式である。しかし、こ
の方式の場合、機体に対し、回転トルクが生じる。そこで、この回転トルクを
打ち消すために、一般のヘリコプターには、小さな補助回転翼が用意されてい
る。
2重反転ローターは、2組のローターが逆方向に回転し、それにより垂直方
向の揚力を発生させる方式である。この方式の場合、2組のローターが生じさ
せる回転トルクが打ち消されるために、一般のヘリコプターに用意されている
小さな補助回転翼は不要となる。
35
3.3 ローター保護カバー
一般のヘリコプターでは、前述のように、ローターの回転により人を傷つけ
る事故が避けられない。そこで、ローターを保護するために、カバーでロータ
ー覆い、制御が失われても、人を傷つけることのないようにする。
3.4 固定式3ノズル
RQ-16 とは異なり、2重反転ローターにより発生する空気の流れを、3方向
ノズルに導き、傾きセンサーの指示に従って、18に分割した仕切りの一部を
2組の板で遮蔽することによって、3方向ノズルから吹き出す空気の量を調整
する方式を検討する。
これら3つのノズルは、XY平面から見て前、右後、左後に120度の間隔
で並べており、前方向をノズルA、右後方向をノズルB、左後方向をノズルC
と命名する。これらのノズルに、2重反転ローターにより発生させた空気を分
割して送り込む。
最初に、図8のように、筒を3つのノズルに合わせて3分割し、さらに、図
9のように、18に区切るための仕切りを作る。そして、18の区切りのうち、
6つの区切りの入り口を2枚の回転板を組み合わせて覆い、残り12の区切り
から流れる空気が、各ノズルに送られるようにする。
36
図8 筒を3つのノズルに合わせて3分割
(出典:筆者作成)
図9 筒を18に区切る
(出典:筆者作成)
18の区切りのうち、6つの区切りの入り口に蓋をすることにより、合計する
と一定となる空気を3つのノズルに送り込む。
37
区切に蓋をするパターンは、5つ用意する。
(1)真下方向に推力を向ける場合
3つのノズルに均等に空気を送り込むことにより、機体は空中で傾かない姿
勢を保つ。
これを実現するために、ノズルA、ノズルB、ノズルCにそれぞれ4つの区
切りを割り当て、他の区切りは、2枚の回転板により蓋をする。
図10に、区切りが4:4:4になるように2枚の回転板を回した状態を示
す。
図10 ノズルA:ノズルB:ノズルC=4:4:4
(出典:筆者作成)
(2)右下方向に推力を向ける場合
傾きセンサーにより、機体が右に傾いていることが検知された場合、右後方
向のノズルに多く空気を送り込むことにより、機体を水平に戻す。
これを実現するために、ノズルAに4つ、ノズルBに6つ、ノズルCに2つ
の区切りを割り当てる。
図11に、区切りが4:6:2になるように2枚の回転板を回した状態を示
す。
38
図11 ノズルA:ノズルB:ノズルC=4:6:2
(出典:筆者作成)
(3)左下方向に推力を向ける場合
傾きセンサーにより、機体が左に傾いていることが検知された場合、左後方
向のノズルに多く空気を送り込むことにより、機体を水平に戻す。
これを実現するために、ノズルAに4つ、ノズルBに2つ、ノズルCに6つ
の区切りを割り当てる。
図12に、区切りが4:2:6になるように2枚の回転板を回した状態を示
す。
39
図12 ノズルA:ノズルB:ノズルC=4:2:6
(出典:筆者作成)
(4)前方向に推力を向ける場合
傾きセンサーにより、機体が前に傾いていることが検知された場合、前方向
のノズルに多く空気を送り込むことにより、機体を水平に戻す。
これを実現するために、ノズルAに6つ、ノズルBに3つ、ノズルCに3つ
の区切りを割り当てる。
図13に、区切りが6:3:3になるように2枚の回転板を回した状態を示
す。
図13 ノズルA:ノズルB:ノズルC=6:3:3
(出典:筆者作成)
(5)後方向に推力を向ける場合
傾きセンサーにより、機体が後ろに傾いていることが検知された場合、後ろ
方向のノズルに多く空気を送り込むことにより、機体を水平に戻す。
これを実現するために、ノズルAに2つ、ノズルBに5つ、ノズルCに5つ
の区切りを割り当てる。
図14に、区切りが2:5:5になるように2枚の回転板を回した状態を示
す。
40
図14 ノズルA:ノズルB:ノズルC=2:5:5
(出典:筆者作成)
2枚の回転板は、図15に示す18分割のうち2分割を覆う回転板と、図16
に示す18分割のうち4分割を覆う回転板で構成する。
図15 18分割のうち2分割を覆う回転板
(出典:筆者作成)
41
図16 18分割のうち4分割を覆う回転板
(出典:筆者作成)
これらを組み合わせて、例えば、ノズルA:ノズルB:ノズルC=4:2:
6のときは、図17のように部品の位置が決まる。
図17 ノズルA:ノズルB:ノズルC=4:2:6のときの部品の位置
(出典:筆者作成)
18分割のうち2分割を覆う回転板の軸は中空になっており、18分割のうち
42
4分割を覆う回転板と組み合わせて、葉車により別個に駆動する。
3.5
3Dプリンタによる成形
今回、無人航空機の設計は、3次元コンピュータグラフィックスソフトであ
る、LightwaveVer11.6.1 で行った。これは、Lightwave が、STL形式の3Dプリ
ンタ用ファイルを作成できるからである。
ここで作成したSTL形式のファイルを入力し、キーエンス(Keyence)社の
3Dプリンタである、AGILISTA-3100で、無人航空機の空気制御
部分を制作した。3Dプリンタで成形することにより、機体を軽量化すること
ができた。
43
結論
無人航空機は、長い間研究開発が続けられ、21 世紀に入り、人類はようや
く、全く人間の意志を介在させない無人航空機を実用化できる技術水準に達し
た。しかし、民間目的での利用はこれからの段階である。
本論文では、もし無人航空機の制御が失われるような事態が発生しても、人
間に与える被害が最小限となるような無人航空機を開発するために、ダクテッ
ドファン及び固定3ノズルという方式を採用し、軽量で安全な無人航空機の推
力制御部分の基礎設計を行った。
現在は、3Dプリンタの普及により、複雑な形状であっても、比較的容易に
成形できるようになってきている。そして、材料もプラスチックであり、軽量
化を図りやすい。
今回は、2枚の回転板で推力を制御する方法を設計した。今後、傾きセンサ
ーと組み合わせ、無人航空機の実機を制作して、本設計の有用性を確認したい。
44
参考文献
石川潤一(2012)
「次世代技術への挑戦! VTOL 無人機」、
『軍事研究』
、2012 年 10 月号、
東京:ジャパンミリタリーレビュー、pp.208-218。
Wagner, William and William P. Sloan(1992) "Fireflies and Other UAVs(Unmanned
Aerial Vehicles)", Texas: Aerofax Inc.
山下明博(2012)
「遠隔操縦マルチローターヘリコプターによる 3 次元映像の記録」、安
田女子大学紀要第 41 号、pp.455-465。
山下明博(2014)
「軍事目的の無人航空機の危険性」
、広島大学平和科学研究センターIPSHU
研究報告シリーズ研究報告 No. 49。
45
研究報告書
日本プロバスケットボールリーグと地域活性化
2014 年 4 月 30 日
安田女子大学現代ビジネス学部
垰本 一雄
46
結論の要約
株式会社日本プロバスケットボールリーグ(bj リーグ)は、理念として、「グローカル&コミュニティ」を
明示しており、バスケットボールを通じた一つのコミュニティ社会の創造とその拡大により社会に貢
献すること、ホームタウン制、地元密着型チーム経営により支持基盤の安定・拡大を図ること、など
を目指すユニークな存在である。今、依然として進む首都圏一極集中に対 して、地方圏の経済社
会ににぎわいを取り戻すための一つのきっかけを提供する存在として、注目を集めている。
旧来の郷土芸能のような古典ではなく、イベント性が強くグローバル性を感じさせる bj チームの試
合は、現代的お祭りの場として、大都市圏と同様の娯楽を地方圏においても提供することができる
ものであろう。
このような観点から、bj チームの地域活性化への貢献、チーム経営の巧拙を明確にしつつ、プロ
スポーツの存在意義を明らかすることが、bj リーグ本体・各 bj チームにとってだけではなく、行政機
関や地域経済社会の立場からも重要であると認識している。
具体的に本研究においては、bj リーグを代表する地方圏チームである島根スサノオマジックと高
松ファイブアローズのご協力を得て、試合観戦者に対するアンケート調査を実施すると共に、全国
の bj チーム運営会社の経営に関するアンケート調査も行い、これら 2 チームを中心にbjチームの地
域活性化への貢献について、二つの観点から検証を試みた。
① 地域活性化効果: 島根スサノオマジックと高松ファイブアローズについて

地域にもたらすマクロ経済的な経済波及効果は、他チームの事例分析をふまえ、また 2 チ
ームの営業収益の大きさから推測して、5~10 億円程度であると推測される。

また、島根スサノオマジックについては、bj リーグ最多のブースタークラブ会員数や、積極
的 な地 元 行 政 機関の支 援に見 るように、地域 プライド強 化の効 果を実 現 しつつあるものと
判断される(なお bj リーグでは、一般に「ファン」を「ブースター」と呼んでいる)。

島根県では、島根スサノオマジックの存在が、ミニバスケットボール競技人口にプラスの影
響を与えている。香川県では、高松ファイブアローズの存在が、全バスケットボール競技人
口にプラスの影響を与えている。これらのことから、バスケットボール競技者に与える影響を
中心に、2 つのチームが一定の社会的な影響を持っていることが推測される。

ブースター調査の結果を J リーグの観戦者調査との比較などによって見ると、これら 2 チー
ムの観戦者が示したチームの地元貢献への評価は、J リーグよりも高い。特に島根スサノオ
マジックについては、9 割以上の観戦者が貢献していると感じており、チームの地元貢献が
きわめて高く評価されている。高松ファイブアローズでは、島根スサノオマジックほどではな
いとしても、J リーグの平均値を上回る高い比率の観戦者が、地元貢献、地元での役割を評
価している。bj リーグの地域活性化貢献は、今回のブースター調査の結果によって、少なく
とも定性的には、社会に大きな影響を与えていると評価されている。

地域住民の一体となった応援については、ブースター調査において、島根スサノオマジッ
クの観戦者 9 割以上があてはまると感じており、他のプロスポーツがない地で初めてできた
プロスポーツチームに対する、地元の強い盛り上がりが明確に示されている。

地元に対する郷土愛・誇りについても、島根スサノオマジックの場合 9 割近い観戦者が強
くなったと感じている。高松ファイブアローズの場合も 6 割以上の観戦者がそう感じている。
47
応援すると地域への愛・誇りが感じられるとする観戦者が、島根スサノオマジックで 9 割以上、
高松ファイブアローズで 8 割以上に達することを合わせ考えると、これらのプロスポーツチー
ムがそれぞれの地域において郷土愛、地域社会への誇りにプラスの影響を与えていること
は間違いない。

地元社会が元気になったかどうかについては、スサノオで 9 割以上、アローズで 7 割以上
がそう感じている。観戦者の感覚として、大多数が地元社会の活性化を実感していることは、
bj リーグの設立目的をこの 2 チームが達成できていることを明確に示している。

以上のような結果から、これら 2 チームが一定以上の地域活性化効果を上げていることが、
明確であると考える。
② 成功チームの経営におけるベストプラクティス明確化 : bj リーグ 11 チーム

島根スサノオマジックについては、チケット収入の基 礎となるブースター会員 組織の人数
が bj リーグで最多であるとされており、今回調査の回答チーム中でも最多であった。公開さ
れている運営会社の 2012 年 6 月期決算数値(黒字)を見ると、チケット収入がスポンサー収
入を上回っている。これは多くの bj チームの経営がスポンサー収入に依存している中で、き
わめて独自性の強い特色であり、地道に地元ファンの数を増やすマーケティング努力が経
営の安定の鍵であることを示唆している。

有料入場者数の比率についても、島根スサノオマジックは最も高い 93%となっている。強
固なブースター組織を作り上げて、招待券をバラまかない方針 で、地元コミュニティへの密
着を徹底していることが背景である。

ブースタークラブの会員数がホームタウンの人口に占める比率も、島根スサノオマジックが
圧倒的に大きく 0.90%である。県民のほぼ 100 人に一人が会員であり、島根県の人口が少
ないことを考慮しても、他チームを圧倒している。

地元行政機関との関係についても、島根スサノオマジック、高松ファイブアローズの 2 チー
ムは良好な関係を維持発展しており、そうした地道な活動が試合の観戦者数の増加、チケ
ット収入の拡大などにつながっていくものと思慮される。

特に島根スサノオマジックの、行政機関などと一体になった地域密着・職域密着型のマー
ケティング手法は、プロスポーツの業界におけるベストプラクティスと言っても差支えないもの
である。
このように bj リーグを代表する地方圏チームである、島根スサノオマジックと高松ファイブアローズ
は、それぞれ一定の地域活性化効果を上げており、特に前者は地域 密着・職域密着のマーケティ
ング手法というベストプラクティスを確立しているものと判断される。
48
第一章 序論
(1) 基本的な問題意識
株式会社日本プロバスケットボールリーグ(bj リーグ)は、明確にグローバルな広がりを意識して、
スポーツを愛 する人 々や子 供 達 に「夢 」と「感 動 」を与 える新 しいス ポーツ文 化 の創 造 を目 指 し、
2005 年に設立された。この組織は理念として、「グローカル&コミュニティ」を明示しており、バスケッ
トボールを通じた一つのコミュニティ社会の創造とその拡大により社会に貢献すること、ホームタウン
制、地元密着型チーム経営により支持基盤の安定・拡大を図ること、などを目指している。
社会の高齢化、若 者人口 の減少に伴い活力を喪失 しつつある地方圏を活性 化し、そこに一定
の雇用を伴う産業を育成、活力を向上するには、地域に根を下ろしたプロスポーツ組織の存在があ
る程度有効であると考えられる。特に bj リーグのチームは、大都市圏でない地方圏において、地域
住民にとってのアイデンティティ、郷土愛、連帯感などの確立に、大きな役割を果たしつつあるので
はないかと思われる。
イベント性の強い bj チームによる試合は、地方の若者のために、伝統的な郷土芸能などとは全く
異なるグローバルな雰囲気の強い現代的お祭りの場として、大都市圏と同様の娯楽を提供すること
ができるものである。
このような観点から、bj チームが地域活性化にどのようにして貢献しているのか、それを支えるチ
ーム経営はどのような方法によってなされているのかを明 確にして、地域活性化におけるプロスポー
ツの存在意義を明らかすることが、単に bj リーグ本体あるいは各 bj チームの視点からだけでなく、こ
うした動きを支援している行政機関サイドの視点からも重要であると認識している。
(2) 研究の目的と方法
この研究では、bj チームの地域活性化への貢献度とその背景にある経営のベストプラクティスを
明確にすることが、大きな目的である。特に bj リーグの大都市圏でない地方圏にホームタウンを置く
チームは、活力を喪失しつつある地方社会において、優れた経営により地域の活性化に貢献する
ことを期待されており、経営的にもうまく事業展開しているチームがあると想定される。
以下、地方圏チームとして色々な意味で注目されている bj リーグの 2 チーム、島根スサノオマジ
ック(チーム運営会社は、株式会社 山陰スポーツネットワーク、以下「スサノオ」)と高松ファイブアロ
ーズ(チーム運営会社は、株式会社ファイブアローズ、以下「アローズ」)について、これら 2 チームの
地域活性化効果について検討する。その上で、他の bj チームも含めて、運営会社の経営に関して
調査し、ベストプラクティス的に効果的な事業展開をして成功しているチームの経営方法について、
検証を試みる。
① 地域活性化効果: 島根スサノオマジックと高松ファイブアローズ

チームが出現したタイミングの前後で、これら 2 チームのホームタウンである島根県・香川
県の地域社 会で起こった変化を、マクロデータや行 政関連の情 報などを用いてまとめ、地
域活性化の効果を示す。

2 チームの試合会場で観戦者を対象に行ったアンケート調査の結果を基に、地域活性化
の効果について検証する。また、地域密着のプロスポーツとして 20 年の歴史を持つ J リーグ
(公益社団法人日本プロサッカーリーグ)が毎年行う観戦者調査の結果とも比較して、J リー
グとの違いを抽出する。
49
② 成功チームの経営におけるベストプラクティス明確化 : bj チーム
bj リーグ全チームを対象に実施したチーム経営に関するアンケート調査の結果をまとめ、ス
サノオとアローズの経営者に対して行ったインタビューの結果などもふまえて、チーム経営に関
する特色を、ベストプラクティスに近いものとして抽出する。
50
第二章 地域活性化効果
(1) 地域社会に起こった変化
マクロデータによって地域社会に起こった変化を、プロバスケットボール・チームの影響に限って
抽出することは簡単ではないが、二つのチームについて以下の点を指摘することは可能である。
 中小企業が 1 社新たに誕生した経済効果と 5~10 億円程度の経済波及効果
公開情報を基にすると、スサノオマジックの年間営業収益は 2.6 億円(山陰合同新報 2012
年 9 月 29 日)、アローズは 0.7 億円(「香川の社長.tv、株式会社ファイブアローズ星島郁洋
バスケは日本で最も大きな可能性のある産業」(注 1))である。
また、今回のチーム経営アンケート調査への回答結果から、bj チームの平均営業収益は、
2.7 億円(9 チームの前年度決算の平均値)となっており、中小企業が 1 社新たに誕生した程
度の効果はある。
地域にもたらす経済波及効果 について、スサノオやアローズに関する経済効果の試算は
なされていないが、他チームの事例をふまえ、また営業収益の大きさから見て、5~10 億円程
度の経済波及効果はあると想定できる(注 2)。
 地域プライド強化の効果: 特にスサノオ
経済的な効果よりもむしろ、地域住民に与える地域プライド的な効果は、定量化できにくい
効果ではあるが、その意義が大きいと考えられる。特に、それまでプロスポーツが存在してい
なかった島根県で全く新しく設立されたスサノオの場合、その効果は大きいようである。リーグ
戦参加直後の 2010 年には、島根県のグーグル検索数1位のキーワーが「スサノオマジック」
であったし、前 2012-13 シーズンのレギュラーシーズン総観客数 48 千人は、県人口 703 千人
(このシーズンの終了時点である、2013 年 6 月 1 日現在の島根県推計人口: しまね統計情
報データベース)に対して、6.8%を占める。昨 年観 戦者に対するアンケート調査 を実施 した
12 月 8 日(日)には、ブースター1,650 人(体育館の座席占有率 73.0%)を集めていた。その他、
県知事が応援団長、試合会場のある松江・出雲市の市長が副応援団長として、応援を盛り
上げている他、県庁・市役所の職域でチケットを販売している。それに加えて、地元スポンサ
ー数約 170 社、10,000 人を目指す bj リーグ最多のブースタークラブ会員数(2013 年末で 6、
350 人)、選手による小学校訪問授業、子どもを対象としたバスケットクリニック、スサノオバー
ガーの商品化、応援バナーの設置、研修で運営会社へ松江市職員派遣、松江市役所職員
による試合会場ボランティアなど、幅広い地域社会の盛り上がりがある(注 3・4)。
なお、島根県のホームページに、次のコメントが掲載されている(注 5)。県がこの県内初め
てのプロスポーツチームに、地域プライド強化の効果を期待していることが、明確である。
「みんなで島根スサノオマジックを応援しよう!」
・ ひとつのチームをみんなで一 緒になって応 援できる環 境 は、県 民に一 体 感を生 み、地
域が自立的に発展するための新たな活力源となっています。
・ 「島根」を冠するプロスポーツチームが全国の強豪チームを相手に戦う姿は、郷土島根
への愛着を増幅させ、県民に夢と希望を与えています。
Let's boost our team together
みんなで我等がチーム「島 根スサノオマジック」を応援しよう!
for SHIMANE PRIDE 島根の誇りのために
51
 地域の支援:アローズ
香川県には、アローズ以外にも、地域密着型スポーツチームとして、香川アイスフェローズ
(アイスホッケー)、香川オリーブガイナーズ(野球)、カマタマーレ讃岐(サッカー)があるため、
アローズだけを取り出して活性化変化効果を明確にすることは容易ではない。
ただし、昨年観戦者に対するアンケート調査を実施した日(11 月 22 日(金))は、県民のため
のスポーツ観戦 DAY であり、来場者全員が無料で試合観戦でき、イベントを楽しめ、知事挨
拶も行われた。またブースターは、1,391 人(体育館の座席占有率 61.6%)を集めていた。県
民のボランティアも試合を支えている。なお、前 2012-13 シーズンの総観客数 26 千人は、県
人口 987 千人(2013 年 2 月 1 日現在: 香川県)の 2.6%を占めるが、スサノオより比率は小さ
く、他のプロスポーツの存在もあり、島根県ほどの大きなインパクトを与えていないように感じら
れる。
アローズは、スポンサー企業の経営破たんにより一度解散の危機に陥っており、そうした過
去の不幸な歴史から復活しつつあるプロセス上にあるからかもしれない。
(2) スポーツ競技者に関する変化
島根県も香川県も人口減少県であり、そのことはスポーツ競技者数にも影響を与えていると考え
られる。ここでは、今回の研究対象スポーツがバスケットボールであることから、公益財団法人日本
バスケットボール協会が公開しているバスケットボールの競技者登録数を、人口との対比で見ること
によって、活性化効果を推測する(同協会のホームページは http://www.japanbasketball.jp/)。
島根県は特にミニバスケットボールの盛んな地域で、バスケットボール全チームの競技者登録数
に占めるミニバスケットボールの登録数比率は、2013 年で 41.1%と全国の 23.8%を大きく上回る。
そこで島根県については、ミニバスケットボールの競技者登録数に着目する。島根県のミニバスケッ
トボールの競技者登録数は、スサノオマジックが bj リーグに参加した 2010 年と 2013 年で比較する
と、0.2%増と、他の年齢層のチームを合わせた全チームの登録数が減少している(3.4%減)のとは
対照的に、また 0~14 歳の年少人口が減少傾向にある(3.4%減)にもかかわらず、増加傾向にある。
2006 年(2,111 人)から 2011 年(1,758 人)まで減少を続けたミニバスケットボール競技者登録数が、
2012 年から増加に転じているのである(2013 年 1,826 人)。このことは、2010 年にスサノオが誕生し
たことによる刺激、スサノオの会員に高校生以下のためのジュニア会員があり低価格で若者層を引
き付けていること、前座のミニバスケットボールの試合に出場すればその試合の入場券が 10%割引
で購入できる優遇があること、などが影響しているのではないかと考えられる。今回のブースター調
査でも 18 歳以下の回答者が 30%を超えており、スサノオが若者を惹き付けていることは間違いない。
島根県の 2013 年 10 月 1 日現在の 18 歳以下人口は、全人口の 16.5%(島根県)であり、相対的に
若い世代の観戦者が多いことが明らかである(注 6)。
このように島根県では、初めてのプロスポーツ球団であるスサノオの存在が、ミニバスケットボール
競技人口にプラスの影響を与えていることから、バスケットボール競技者を中心に一定の社会的な
影響を与えていることが推測される。
香川県については、島根県ほどミニバスケットボールが盛んではないので(全チームの競技者登
録数に占めるミニバスケットボールの登録数比率は、2013 年で 19.2%と全国の 23.8%を下回る)、
全チームのバスケットボール競技者登録数に注目する。アローズが bj リーグに参加した 2006 年と
2013 年を比較すると、全チームの競技者登録数の変化幅は、6.7%増であり、香川県全体の人口
52
が減少傾向にあることを鑑みると、プロスポーツの存在が全バスケットボール競技人口にプラスの影
響を与えていることが分かる。また、2010 年と 2013 年の比較では、チーム数の増加幅は小さくなっ
ており、星島代表体制になる前のアローズ経営の迷走の影響があることも推測される。
(表 1) バスケットボール競技者登録数と人口
バスケットボール競技者登録数
競技者登録数の変化
2006
2010
2013
2006~2013 2010~2013
全チーム
1.2%
0.6%
612,304 616,289 619,823
全国
ミニバスケット 146,673 153,030 147,490
0.6%
-3.6%
全チーム
5,136
4,595
-13.6%
-3.4%
4,439
島根県
ミニバスケット
2,111
1,823
1,826
-13.5%
0.2%
全チーム
5,234
5,300
6.7%
1.3%
4,966
香川県
ミニバスケット
965
1,163
1,016
5.3%
-12.6%
年
年
全年齢
0~14歳人口
全年齢
島根県
0~14歳人口
全年齢
香川県
0~14歳人口
(注) 各年10月1日人口
全国
2006
127,770
17,434
737
99
1,009
139
人口
2010
128,057
16,839
715
92
996
132
人口の変化
2013
2006~2013 2010~2013
127,298
-0.4%
-0.6%
16,389
-6.0%
-2.7%
702
-4.7%
-1.8%
89
-9.8%
-3.4%
985
-2.4%
-1.0%
129
-7.2%
-2.3%
(資料) 公益財団法人日本バスケットボール協会、総務省統計局、島根県、香川県
(3) ブースター調査に見る地域活性化効果
2013 年 11 月 22 日(金)・23 日(土)、高松市にて、12 月 8 日(日)、松江市にて、2 チームの試合
観戦者に対するブースター調査 を実施した。結果 の概要は、資料編にまとめた。以下では主な調
査結果を紹介し、一部の項目については、回答結果を J リーグの観戦者調査(2013 年)の結果との
比較も行いつつ、地域活性化効果について分析する。
①
回答者属性
スサノオの調査については、全観戦者に調査票 を入口で配布し、回 答者 全 員に景品を贈呈す
る方式を採用したこともあって、回答率が観戦者の 40.0%(660 名)となり、全ブースターを代表して
いると想定できるサンプル数となったものと判断している。アローズの調査は、調査員が調査票と鉛
筆を持って会 場を回り、無作 為に観戦 者を選び回答 を依 頼してその場で記入 してもらう方式 を採
用したことから、あまり多数の観戦者に記入を依頼することができず、回答 率が 13.5%(188 名)となり、
スサノオと比較すると少数にとどまった。また、年少者にあまり声をかけることができず、12 歳以下の
サンプルは 4.4%である(スサノオは 27.2%)。
回答者を性別にみると、スサノオは女性比率が 57.3%と男性を上回り、アローズは 51.1%であっ
た。スサノオの調査がほぼ観戦者全体を代表しているとすれば、ブースターに女性が多いことが推
定される。なお、J リーグ観戦者調査では、男性が 62.6%を占め、サッカーが依然として男性中心の
観戦者構成になっていることが分かる。
回答者の年齢は平均で、スサノオ 32.0 歳(保護者が記入したとみられる 4 歳以下の 7 サンプルを
含む)、アローズ 37.3 歳で、共に J リーグの 39.5 歳より若い。50 歳以上は、スサノオで 15.8%(J リ
ーグのように 11 歳以上だけを母数とすると 19.4%)、アローズで 14.9%(同じく 11 歳以上だけを母数
とすると 15.2%)と、J リーグ観戦者の 50 歳以上の比率 23.1%を下回る(なお、J リーグでは観戦者の
53
高齢化が進んでおり、観戦者調査開始の 2001 年の 50 歳以上の比率は 8.3%である)。高齢化が
進みつつある J リーグの観戦者層と比較して、現在のこの bj2 チームの観戦者は若者が中心である
ことが明確である。
住所を見ると、ホームタウンのある県内に住んでいる観戦者の比率は、スサノオ 88.3%、アローズ
82.9%と、岡山県でも試合を開催し他府県との交通の便もいいアローズの方が、県外からの観戦者
の比率が高い。スサノオでは、鳥取県に住んでいる観戦者も入れると、地元である山陰地方の居住
率は 97.1%となる。J リーグでは、活動区域(ホームタウンのある都道府県)に居住する観戦者の比
率は 86.1%である。アローズの観戦者には、今回対戦相手 (アウェイチーム)の地元大阪から 5 名の
他、高知県 18 名、徳島県 3 名と近隣県からの一定数が含まれていた。
観戦者が地元チームのブースターである比率は、スサノオで 76.8%、アローズ 48.4%である。ア
ローズの場合、上のように他県からの観戦者が多いこともあるが、やはりまだ経営体制が刷新されて
間がなく、素直に地元チームのファンとして応援する観戦者が少ないのではないかと思われる。また
そのブースターの内 、ブースタークラブの会 員である観 戦者の比 率は、スサノオ 84.8%、アローズ
48.4%と、会員集めに積極的なスサノオが圧倒している。会員である期間は、スサノオでリーグ参加
当初からの会員が半数以上を占めるのに対し、アローズは星島体制になった 2010-11 シーズン以
後の会員(1 年目~4 年目)が 67%を超える(2006 年の bj 参加当初からの会員も 16.3%を占める)。
経営体制刷新の効果が出ているものと見られる。なお、20 年以上の歴史を誇る J リーグのサポータ
ー歴でも、1 年目は 8.0%(この項目の調査を開始した 2009 年には、9.8%)、9 年目までで 61.5%(同
じく、71.3%)であり、新しい観戦者の比率が減少しつつあるとしても、大きな割合を占めることが分
かる。
(表 2) 観戦者アンケート調査 回答者の属性
単位:人
男性
性別
女性
平均年齢(歳)
~18歳
年齢
19~49歳
50歳~
県内住所
住所
県外住所
地元チーム応援者
ファン
(内、ブースタークラブ会員数・比率)
それ以外
1年目
2~4年目
会員歴
(Jリーグはサ
スサノオは、2010年参加以来
ポーター歴)
5~9年目
アローズは、2006年参加以来
(資料)
スサノオ
280
375
32.0
203
335
101
576
76
506
429
153
40
375
224
42.7%
57.3%
31.8%
52.4%
15.8%
88.3%
11.7%
76.8%
84.8%
23.2%
9.6%
90.4%
54.0%
アローズ
92
96
37.3
18
136
27
155
32
91
44
97
10
19
14
7
48.9%
51.1%
9.9%
75.1%
14.9%
82.9%
17.1%
48.4%
48.4%
51.6%
23.3%
44.2%
32.6%
16.3%
Jリーグ
62.6%
37.4%
39.5
6.7%
70.2%
23.1%
86.1%
13.9%
87.1%
12.9%
8.0%
24.8%
28.7%
島根スサノオマジックに関するアンケート調査 2013 年 12 月
高松ファイブアローズに関するアンケート調査 2013 年 11 月
J リーグ スタジアム観戦者調査 2013(煩雑になるため個別項目別のサンプル数は明記
しないが、調査全体の有効回答数は 17,286)
平均観戦回数を見ると、スサノオの観戦者は前シーズン(2011-2012)11.6 回観戦しており、試合
数 26 に対して 44.6%とほぼ 2 試合に 1 回観戦している。アローズの場合は、4.8 回、試合数に対す
54
る比率も 18.5%となっている。参考までに J リーグのデータを見ると、試合数に対する観戦回数の比
率は J1 で 54.0%、J2 で 61.9%と、J リーグも熱心なサポーターによって支えられていることが分かる。
(表 3)
観戦者アンケート調査 観戦回数
前シーズン平均観戦回数
回答者数
スサノオ
22歳以下
8.7
187
23~49歳
12.4
275
50歳以上
15.0
91
全体
11.6
553
アローズ
22歳以下
2.2
22
23~49歳
4.6
124
50歳以上
6.7
25
全体
4.8
171
試合数
26
スサノオ
44.6%
観戦回数比率
アローズ
18.5%
J1
54.0% スタジアム観戦回数 10.8回
Jリーグ観戦回数比率
J2
61.9% スタジアム観戦回数 13.0回
(注) 対象試合数
J1 20試合:リーグ戦・ナビスコカップのクラブ別平均試合数
J2 21試合:リーグ戦のクラブ別平均試合数
(資料)
島根スサノオマジックに関するアンケート調査 2013 年 12 月
高松ファイブアローズに関するアンケート調査 2013 年 11 月
J リーグ スタジアム観戦者調査 2013
②地元社会への影響
J リーグ観戦者調査では、最初に以下の質問に対する回答を提示している。
A) 「(その J クラブ)は、ホームタウンで大きな貢献をしている」
B) 「(その J クラブ)は、それぞれのホームタウンで重要な役割を果たしている」
C) 「サッカー選手は、社会の模範として重要な役割を果たしている」
D) 「サッカーは、若い人たちの生活に、いい影響を与えることができる」
bj リーグ 2 チームについても、バスケットボールの立場で同じ内容の質問をして回答を得たため、
結果を比較する。
bj リーグ 2 チームの観戦者の、チームの地元貢献の評価は J リーグよりも高い。特にスサノオにつ
いては、9 割以上の観戦者が貢献していると感じており、チームの地元貢献がきわめて高く評価さ
れている(bj リーグ調査の Q5.)。これは地元での役割についても同様で、スサノオで 9 割以上の観
戦者が、チームが地元都市で重要な役割を果たしていると評価している。アローズでは、スサノオほ
どではないとしても、J リーグの平均値を上回る高い比率の観戦者が地元貢献、地元での役割を評
価している(bj リーグ調査の Q3.)。
選手が社会の模範になっているかという点の評価も、スサノオで高く、ほぼ 9 割の観戦者が模範
になっていると回答した。アローズについての評価は J リーグを上回り高いものの、「大いにあてはま
る」という評価では、J リーグの比率を下回っている(bj リーグ調査の Q2.)。
若い人たちの生活への影響については、アローズでも評価が高く、95%の観戦者がいい影響を
与えていると評価している。スサノオでもほぼ同程度の比率の観戦者が高い評価を与えており、共
55
に J リーグの観戦者の評価を大きく上回っている(bj リーグ調査の Q4.)。この結果には、バスケットボ
ールの観戦者層の年齢が低く、このスポーツが若者文化と連動して発展してきたことも関連してい
るのかもしれない。
(表 4) 観戦者アンケート調査 地元社会への影響
「ホーム都市で大きな貢献をしていると思いますか?」 Jリーグ調査項目
スサノオ
アローズ
bj調査Q5.
大いにあてはまる
287
46.0%
25
15.2%
あてはまる
300
48.1%
113
68.5%
合計
587
94.1%
138
83.6%
624
165
サンプル数
「ホーム都市で重要な役割を果たしていますか?」 Jリーグ調査項目
スサノオ
アローズ
bj調査Q3.
大いにあてはまる
305
48.9%
24
14.7%
あてはまる
293
47.0%
118
72.4%
合計
598
95.8%
142
87.1%
624
163
サンプル数
Jリーグ
33.3%
45.8%
79.1%
16,405
Jリーグ
45.2%
37.6%
82.8%
16,418
「選手は、社会の模範として重要な役割を果たしていますか?」 Jリーグ調査項目
スサノオ
アローズ
bj調査Q2.
Jリーグ
大いにあてはまる
195
32.0%
26
16.3%
28.4%
あてはまる
337
55.3%
86
53.8%
37.4%
合計
532
87.4%
112
70.0%
65.8%
609
160
サンプル数
16,379
「若い人たちの生活に、いい影響を与えることができると思いますか?」 Jリーグ調査項目
スサノオ
アローズ
bj調査Q4.
Jリーグ
大いにあてはまる
276
44.2%
58
32.0%
40.5%
あてはまる
310
49.6%
114
63.0%
36.3%
合計
586
93.8%
172
95.0%
76.8%
625
181
サンプル数
16,369
このように、bj リーグの 2 地方圏チームの試合観戦者は、それぞれのチームが地元社会に与えて
いる影響について、絶対値としてもあるいは J リーグと比較しても、高い比率で好意的な評価を与え
ていることが示されており、bj リーグの地域活性化貢献が定性的に社会に与える影響の評価の観
点から検証できている。
次に、J リーグの観戦者調査では質問されていないbjリーグの調査独自の項目に対する回答を
見る。
地域住民が一体となって応援しているかどうかについては、スサノオで 9 割以上の観戦者がそう
感じており、他のプロスポーツがない地で初めてできたプロスポーツチームに対する地元の強い盛り
上がりが示されている。アローズの場合には、他のプロスポーツの存在、チーム自体の過去の経営
トラブルの影響などもあって、一体感ある応援については評価が低くなっているものと推測される(bj
リーグ調査の Q6.)。
地元に対する郷土愛・誇りについても、スサノオの場合 9 割近い観戦者が強くなったと感じている。
アローズの場合も 6 割以上の観戦者がそう感じている(bj リーグ調査の Q7.)。Q8.の質問に対する回
答で、応援すると地域への愛・誇りが感じられるとする観戦者が、スサノオで 9 割以上、アローズで 8
割以上に達することを合わせ考えると、プロスポーツが郷土愛、地域社会への誇りにプラスの影響
を与えていることは間違いない(bj リーグ調査の Q8.)。
56
地元社会が元気になったかどうかについては、スサノオで 9 割以上、アローズで 7 割以上がそう
感じている。観戦者の感覚として、大多数が地元社会の活性化を実感しているのは、本 来の bj リー
グの設立目的をこの 2 チームが達成できていることを明確に示している。
(表 5) 観戦者アンケート調査 郷土愛と地域活性化
「地域の住民が一体になって応援していると感じますか?」
スサノオ
bj調査Q6.
大いにあてはまる
266
42.0%
あてはまる
287
45.3%
合計
553
87.4%
633
サンプル数
アローズ
13
47
60
154
8.4%
30.5%
39.0%
「チームが誕生して、地元に対する郷土愛・誇りが強くなりましたか?」
スサノオ
アローズ
bj調査Q7.
大いにあてはまる
266
42.5%
26
16.5%
あてはまる
272
43.5%
76
48.1%
合計
538
85.9%
102
64.6%
626
158
サンプル数
「観客と一緒に応援すると、地域への愛・誇りが感じられますか?」
スサノオ
アローズ
bj調査Q8.
大いにあてはまる
332
52.5%
39
22.8%
あてはまる
257
40.7%
102
59.6%
合計
589
93.2%
141
82.5%
632
171
サンプル数
「チームができて地元は元気になりましたか?」
スサノオ
bj調査Q9.
大いにあてはまる
307
48.6%
あてはまる
281
44.5%
合計
588
93.0%
632
サンプル数
アローズ
20
91
111
158
12.7%
57.6%
70.3%
③観戦者の熱愛度と行政支援への期待
勝っても負けても応援するという態度で示されるチームに対する観戦者の熱愛度を見ると、スサノ
オ、アローズ共に 9 割以上の観戦者がその熱愛度を持っていることが分かる(bj リーグ調査の Q10.)。
さらに、大都市圏チームと地方圏チームが対等に戦っている姿に興奮する観戦者の比率も、2 チー
ムとも 9 割を超えて、地元ファンの感覚がよく理解できる(bj リーグ調査の Q11.)。特にアローズの観
戦者について、応援の一体感や郷土愛の実感などに関する他の調査項目で、スサノオに比べてや
や否定的であったのに比べて、熱愛度や地方圏チームの戦う姿への共感がむしろスサノオより高く
なっていることが注目される。
バスケットボールの試合は、きわめて現代的な雰囲気を持っており、NBA では HIP HOP 愛好者
の多くが NBA ファンである傾向があると言われていることの影響から、bj リーグの試合会場で流れる
音楽も、現代的なもので、試合会場の雰囲気も若者風である。その結果、試合が現代的で若者を
引きつけているという効果に対する評価も、2 チームとも 8 割を超えている(bj リーグ調査の Q12.)。し
かし、J リーグに比べれば若年層の観戦者が多いとはいえ、相当数の中高年齢の観戦者がいること
もあり(40 歳以上が 2 チームとも 4 割以上を占める)、熱愛度や地方圏チームの戦う姿への共感への
評価に比べれば、やや低い評価となっている。
調査の最後に、行政機関の支援に対する評価を聞いたが、スサノオで 6 割以上が十分と感じて
いるのに対して、アローズでは 3 割を超える程度の観戦者しか十分と感じていない。確かに、島根
県や松江市のスサノオに対する支援には、既述のように手厚いものがあり、観戦者もそれを実感し
ている人の比率が高い。しかし香 川県や高 松市のアローズに対する支援は、少なくともスサノオに
57
比べると弱いように見える。他のプロスポーツも数多くある地域性を考えると、プロスポーツがスサノ
オ一つしかない島根県と単純な比較はできないが、今後のアローズの発展を考えると、行政機関サ
イドに多少の配慮を求めることも必要なのかもしれない。
この Q13.に関する回答者のコメントを見ると、スサノオ、アローズとも数多くの「行政機関の支援を
もっと充実するべき」といった趣旨のコメントが寄せられており、特にチームに対する資金面の支援
が指摘されている。
(表 6) 観戦者アンケート調査 熱愛度と行政支援
「勝っても負けてもチームを応援したいですか?」
スサノオ
bj調査Q10.
大いにあてはまる
396
62.6%
あてはまる
211
33.3%
合計
607
95.9%
643
サンプル数
アローズ
87
85
172
179
48.6%
47.5%
96.1%
「チームが大都市圏のチームと対等に戦っている姿に興奮しますか?」
スサノオ
アローズ
bj調査Q11.
大いにあてはまる
329
52.6%
61
38.6%
あてはまる
237
37.9%
87
55.1%
合計
566
90.4%
148
93.7%
627
177
サンプル数
「試合は、現代的で若者を引きつけていると感じますか?」
スサノオ
bj調査Q12.
大いにあてはまる
241
38.1%
あてはまる
312
49.4%
合計
553
87.5%
630
サンプル数
アローズ
48
96
144
176
28.1%
56.1%
84.2%
「チームに対する行政機関(県や市)の支援は十分だと感じますか?」
スサノオ
アローズ
bj調査Q13.
大いにあてはまる
148
23.4%
13
8.2%
あてはまる
236
37.3%
39
24.7%
合計
384
60.8%
52
32.9%
593
155
サンプル数
58
第三章 チーム経営の現状
(1) 経営に関する調査について
今回、bj リーグ本社のご承認を得て、「bj チームの経営に関するアンケート」として、リーグ全 21
チームに調査票をお送りして、回答をお願いした。
結果、11 チームからご回答をいただいた。以下、アンケート調査の回答内容の概略を紹介する。
結果のデータは、資料編に収録した。ただし、全ての調査項目について整合性ある回答が得られ
なかったこともあり、一部の項目についてはこの結果概要の解説で触れるにとどめた。
なお、以下では、bj リーグの通例に従い各チームをそれぞれのホームタウンの地名(多くは県名・
国名、宮城・香川の場合は都市名、浜松・東三河は地域名 )で呼ぶ。例えば、青森ワッツは「青森」、
琉球ゴールデンキングスは「琉球」(同チームの場合には、沖縄ではなく旧国名である琉球を使って
いる)と呼ぶ(なおブースター調査の結果については、県名が頻出することから、紛らわしさを避ける
ため、あえてチーム名の短縮形を使って、島根スサノオマジックと高 松ファイブアローズを呼んだ)。
(表 7) bj チームの経営に関するアンケート 調査回答 11 チーム
チーム名
チーム運営会社
Eastern Conference
青森スポーツクリエイション(株)
青森ワッツ*
仙台89ERS エイティナイナーズ
(株)仙台スポーツリンク
(株)新潟プロバスケットボール
新潟アルビレックスBB
群馬クレインサンダーズ
(株)群馬プロバスケットボールコミッション
Western Conference
浜松・東三河フェニックス
(株)フェニックス
滋賀レイクスターズ
(株)滋賀レイクスターズ
大阪エヴェッサ
ヒューマンスポーツエンタテインメント(株)
バンビシャス奈良*
(株)バンビシャス奈良
島根スサノオマジック
(株)山陰スポーツネットワーク
高松ファイブアローズ
(株)ファイブアローズ
琉球ゴールデンキングス
沖縄バスケットボール(株)
*: 2013年からの参入
(2) 運営会社の状況
回答を得た 11 社の内、2013-2014 シーズンから bj リーグに参入した 2 チーム(青森と奈良)を除く
9 チームの調査時点での最新決算に基づいて、営業収益に関する平均値をまとめると、次のように
なっている。9 チーム中、営業黒字は 5 チーム、赤字は 4 チームであり、地方圏を中心とするプロバ
スケットボールの事業会社としての経営が厳しい現実を反映している。
営業費用については、項目の定義がややあいまいであったことから、整合性あるデータとなって
いないこともあり、集計していない。
(表 8) bj チーム 11 社の営業収益と黒字・赤字
≪営業収益≫
・スポンサー収入
・チケット売上収入
・放映権収入
・ブースタークラブ会員収入
・その他収入
営業収益計
平均値
148.7
72.7
0.3
7.9
47.8
270.2
59
比率
55.0%
26.9%
0.1%
2.9%
17.7%
100.0%
営業収益の内容を見ると、各チームの経営がスポンサー収入に依存していることが明確である。
チケット売上収入の比率は 3 割を切っている。
特に地方圏で経営するプロバスケットボール・チームの場合、地元経済の規模が小さいことを前
提にすると、あまり大きくスポンサー収入に依存するのではなく、観戦者を数多く集める努力をする
ことが正道なのではないかと考えるが(試合会場の収容人員は、通常 3,000 人程度、最大で 5,500
人程度であり、地方圏でも満員にすることは困難ではない)、現実は厳しい。
なお、後述するように、このチケット収入の基礎となるブースターの会員組織の人数が最多の島
根の場合、公開されている 2012 年 6 月期決算数値を見ると、チケット収入は収入の 38.4%とスポン
サー収入の 36.2%を上回っており(山陰合同新報 2012 年 9 月 29 日)、地道に地元のファンの数を
増やす努力が経営の安定に必要であることを示唆している。
株主については、大手企業ヒューマンホールディングス株式会社の 100%子会社である大阪を除
く 10 社について見ると、7 社で経営者個人または経営者保有企業が一定比率の株式を保有して
おり、企業としてはまだ個人経営になっているチームが多い。その影響もあり、株式公開については、
過去実施したチームが 2 つあるだけで、基本的には否定的である。
(3)ブースターについて
有料入場者数の比率については、チームによる違いが大きいが、ほぼ 6 割~9 割。ここでも、強
固なブースター組織 を作 り上 げて、基 本 的に招待 券をバラまかない方針 を持ち、地 元コミュニティ
への密着を徹底する島根が、最も高く 93%となっている。
ブースタークラブの会員数は、2013-2014 シーズンからの参入で回答のなかった奈良を除くと、10
チーム平均で約 2,000 人。ホームタウンの人口に占める比率は、島根が圧倒的に大きく 0.90%と県
民 のほぼ 100 人 に一 人 が会 員 である。青 森 ・高 松 ・琉 球 も相 対 的 に大 きく、それぞれ 0.18%・
0.15%・0.14%となっている。
大阪のような大都市圏では、スポーツその他の娯楽も多く、ブースター会員を増やして観戦者を
多数集めることは簡単ではないことが読み取れる。
(表 9) ブースタークラブ会員数
チーム
青森
仙台
新潟
群馬
浜松・東三河
会員数
2,350
1,522
2,058
170
ホームタウン
青森県
宮城県
新潟県
群馬県
静岡県浜松市・湖西市、愛知県
780
東三河地域・岡崎市
ホームタウン人口 人口に対する比率
1,338,181
0.18%
2,326,702
0.07%
2,334,375
0.09%
2,023,807
0.01%
1,984,757
2,363 滋賀県
1,416,388
1,028 大阪府
8,861,908
6,350 島根県
703,371
1,500 香川県
986,587
1,985 沖縄県
1,413,723
平均
2,011
2,338,980
(資料) 人口データは各府県による2013年5月31日または6月1日の人口(2012-2013シーズン終了後)
滋賀
大阪
島根
高松
琉球
0.04%
0.17%
0.01%
0.90%
0.15%
0.14%
0.09%
また、bj リーグ本社にご提供いただいた 2012-2013 レギュラーシーズンの観客数データを基にし
て、観客数とホームタウンの人口を比較した。レギュラーシーズンの観客数が、ホームタウンの人口
60
に対してどの程度の比率を占めるかを見ると、ブースタークラブ会員数が最も多い島根が約 7%と
最高の数値になっている。次いで、優勝 2 回、準優勝 1 回を誇る琉球がほぼ 6%。この 2 チームに
続くのは、滋賀、新潟、高松である。
(表 10)
2012-2013 レギュラーシーズン観客数(26 試合)
チーム
平均
合計
ホームタウン人口
人口に対する比率
仙台
1,824
47,420
2,326,702
2.04%
新潟
2,499
64,977
2,334,375
2.78%
群馬
1,024
26,629
2,023,807
1.32%
浜松
2,177
56,605
1,984,757
2.85%
滋賀
1,631
42,415
1,416,388
2.99%
大阪
1,469
38,201
8,861,908
0.43%
島根
1,860
48,368
703,371
6.88%
高松
1,005
26,142
986,587
2.65%
琉球
3,041
79,062
1,413,723
5.59%
(資料) 観客数データは、bjリーグ本社
人口データは各府県による2013年5月31日または6月1日の人口(2012-2013
シーズン終了後)
(4)地域密着の方法
地元社会に溶け込み、基盤からファン層を開拓する手段として、バスケスクール・クリニックやチア
スクールなどがある。回答の切り口がチームによって異なり、また無回答のチームもあることから、デ
ータとして取りまとめて語ることは難しいが、各チームとも積極的に地元の小中学生などを対象にス
クール・クリニック事業を展開して、ファン層を拡張しようと努力している。
ただし、バスケスクール・クリニック参加者への試合入場料優待などについては、チームによる方
法の違いがある。優待制度を持っているのは、11 チーム中 7 であり、4 チームはそういう制度を持っ
ていない。
(表 11) バスケスクール・クリニック参加者への試合入場料優待など
チーム
青森
仙台
新潟
群馬
浜松・東三河
滋賀
大阪
奈良
島根
高松
琉球
合計
あり
○
○
○
○
なし
ありの場合、何割引などその形態
20%割引または子供500円
バスケスクールに限りチケットプレゼント
○
○
○
子供は無料、保護者は10%引き
○
○
○
7
ホームゲームシーズンパス
全52試合を2階自由席で観戦可能(パス進呈)
○
4
また 3 つの理念の内に、「ホームタウン制、地元密着型チーム経営により支持基盤の安定・拡大
を図る」ことを明確にしている bj リーグでは、地元の行政機関との関係構築も重要な課題である。こ
れまで歴史的にスポーツが文部科学省の所管とされてきたこともあり、教育行政との連携も重要で
ある。そこでこうしたスクール・クリニックに関する行政機関の支援・関与についても、今回調査の中
61
で聞いた。
結果を見ると、11 チーム中 9 チームで、行政が何らかの形で支援・関与していることが明確になっ
た。特に地方圏におけるプロバスケットボール事業の展開においては、地域活性化の観点からも、
行政機関の何らかの後押しが、経営面にもいい影響を与えるものと思慮する。
(表 12)
チーム
青森
仙台
新潟
群馬
浜松・東三河
滋賀
あり
○
○
○
バスケスクール・クリニックに関する行政の支援・関与
なし
ありの場合、その形
市町村、教育委員会
市の外郭団体とタイアップして実施例あり
助成、ゆめづくり事業は県主催(収入あり)
○
○
後援や場所提供など
○
大阪
○
奈良
○
島根
○
高松
琉球
○
○
大阪府府民文化部都市魅力創造局より大阪府の後援事業と
して認めていただいています。
主催事業として
小学校で年間30回開催の「夢授業」のコスト(選手のギャラな
ど)は、行政負担。予算化されている。10~20万円/回。
クリニック開催は、教育委員会と連携。
離島へ出張の際の移動費補助
地元コミュニティへの浸透策として、招待券を有効に使うことも、考えられる。これは、J リーグでア
ルビレックス新潟が経営の方針として積極的に進めている方法であり、常に試合会場ににぎわい感
を生み出すには有効である。ただし入場 料 収入の放棄にもなる招 待券 を 安 易に乱 発することは、
経営にいい影響を与えることにならないので、その利用方法が重要となる。
招待券の発行枚数については、回答を得られたチームの数が多くないため、その利用方法に対
する回答のみ以下に示す。これを見ると、招待券の利用については、基本的に全チームがあまり積
極的でなく、むしろ高松が言うように、「招待券を利用して入場者を獲得しようとしていない」というこ
とである。
(表 13) 招待券利用に関する各チームのポリシー
チーム
招待券利用のポリシー
基本有料入場
基本的にスポンサー経由で配布
株主、スポンサー、後援会役員、バスケットボール協会役員以外は、無償チケッ
新潟
トの配布はしない。
群馬
配布なし(ただし、スポンサー候補や行政窓口は有)
浜松・東三河 スポンサー還元チケット内での招待のみ行っている(スポンサー額の30%分)
滋賀
有料入場の習慣をつけたいため招待は限定的
大阪
主に小中学学生に割引券を配布し、ファン層の地盤を強化
奈良
理由のない招待はしない
招待券をばらまいて満員にする方策の効果は、続かない。
島根
(観戦チケット引換券、株主優待券は別)
お金を払って見に来てもらうことに価値がある。招待券のばら撒きは一切しな
高松
い。いい顧客を育てたい。従って、無料招待券は出さない。アカデミーでの利用
などはあるが、招待券を利用して入場者を獲得しようとしていない。
琉球
招待券をばらまかない。チケットの価値=チームの価値と信じています。
青森
仙台
従って招待券利用の入場者獲得スキームについても、効果的と思われるスキームの記述はなか
62
った。関連する動きとして、大阪が、「無料メルマガ会員で 500 円引き→ブースター会員になっても
らい 700 円引き(会員は前売り価格で購入可能、700 円安い)」という流れを示していた。
地元の行政機関、町内会などコミュニティ組織、パートナー・スポンサー企業を通じた PR、入場
券の販売、招待券の配布などについての各チームの動きは、下のようになっており、パートナー・ス
ポンサー企業を中心としつつ、地元の行政機関やコミュニティ組織の利用も行われている。島根の
県庁・市 役所の職域を通 じたマーケティング活動は有名であり、ブースタークラブ会員の確保 、試
合会場でのボランティア確保などにつながっている。
(表 14) PR、入場券販売、招待券配布のためのルートとしての利用
チーム
②行政機関
③町内会等
青森
仙台
新潟
群馬
浜松・東三河
滋賀
大阪
奈良
島根
高松
琉球
○
○
○
○
○
○
合計
6
○
○
○
○
○
④パートナー・ス
ポンサー
○
○
○
○
○
○
○
○
○
5
○
10
地元の行政機関による支援は、色々な方法によって行われている。国や県の雇用助成金など制
度の利用、県知事・市長などが応援団長や後援会役員に就任 (新潟、浜松・東三河、島根)、会場
使用料の減免や使用の優遇、スポンサーとして支援しアウェイユニフォームにロゴを掲載そしてスポ
ーツ観戦デーを設けて知事が来場し挨拶 (高松)などがあり、多くのチームで地元行政が積極的な
支援を行っている。ただし、滋賀・大阪・奈良では、行政の積極的な支援はないようである。
地元スポンサーの数は下のようになっており、滋賀や新潟が健闘している。ただし、地元行政が
スポンサーとして名を連ねているチームは、島根、高松などがあるが、多くない。また TV 中継につい
ては、きわめて限 られた機 会 以 外 は、行 われていない。有 料 でマルチデバイス対 応 のサービス、
bjTV があるので、本当に見たいファンはそれを利用することになる。
(表 15)
地元スポンサー数
チーム
青森
仙台
新潟
群馬
浜松・東三河
滋賀
大阪
奈良
島根
高松
琉球
平均
2013年9月末
110
75
302
45
49
350
82
50
170
200
150
144
63
(5)PR 活動
経営者が講演、マスメディア出演などによって、PR 活動を率先して行う例が多く、半数以上のチ
ームで年 10 回などの形で行われている。
地元のパートナー・スポンサーとタイアップした PR 活動も色々行われており、以下のようものがあ
る。琉球のパートナーである沖縄ファミリーマートとのコラボによるラッピングショップなどは、きわめて
斬新で効果的と思われる。
(表 16)
チーム
群馬
浜松・東三河
滋賀
大阪
奈良
島根
高松
琉球
地元パートナーとのタイアップによる PR 活動
内容
コラボおにぎり1回/年
夏祭りなど7回
協賛企業での記者会見1回、協賛飲食店ファン食事会1回、協賛スーパーでの
ファン交流5回、協賛企業ファンとの田植
大阪PITAPAタイアップ1回
PRイベント2回/年
地元商店のお米や丼もの販売など多数
店舗にシール・ポスター、讃岐三畜屋台など
沖縄ファミリーマート×キングスがコラボしたラッピングショップ「キングスマート」
各チームのロゴを表示した応援自動販売機は、街角の有力な PR 設備となる。各チームとも積極
的に配置を進めており、現状は下のようになっている。浜松・東三河、滋賀が多い。奈良は、昨年の
調査時点での回答はなかったが、その後応援自動販売機のオーナー募集に力を入れている。
(表 17) 応援自動販売機の数
応援自動販売機の数
チーム
台数
青森
36
仙台
16
新潟
21
群馬
40
浜松・東三河
213
滋賀
125
大阪
10
奈良
島根
61
高松
7
琉球
27
奈良を除く平均
55.6
2013年9月時点
(6)試合会場の工夫
ハーフタイムショーの地元出演者のイベントによる盛り上げなどが積極的に行われている他、ほと
んどのチームで小中学生による前座試合などが実施され、雰囲気の盛り上げに役立っている。
その他、郷土芸能イベント、B 級グルメ、子供向け縁日企画、おやじナイト、ハロウィン、クラッシク
デー、会場全体のダンスなど、各チームが郷土色も活かしつつ、工夫をこらしている。
bj リーグが地域密着を志向している以上、地域の代表として、他の都道府県に出かけてアウェイ
64
で試合を行う場合の PR 活動も重要となる。この意味では、浜松・東三河と高松でアウェイユニフォ
ームに地元自治体のロゴを掲載しており、地域としての PR をプロバスケットボールのチームに期待
している。
今回調査で、各チームが明らかにしたアウェイ試合での PR 活動は、以下の通り。
(表 18) アウェイ試合での PR 活動
チーム
内容
自社で観光パンフレット作成、各市町村観光協会にパンフレット依頼。県
青森
りんご対策協議会提供によるアウェイでのりんご配布。
仙台
仙台市から観光PR事業を受託しており、年間10回ほど行っている。
群馬
県とのタイアップにより年4~6ゲーム実施。
浜松・東三河 アウェイユニフォームにシティプロモーションロゴを掲載。
奈良
アウェイチームに出向きPR活動。
島根
高松、仙台などで2~3回。
アウェイのユニフォームに県・市のロゴが入る他、香川プロスポーツクラブ
高松
連絡協議会がブースを出すなどしている。
沖縄
本年度は滋賀、横浜、大阪の試合会場にて沖縄観光をPRします。
65
第四章 終わりに
本研究は、「地元密着型チーム経営により支持基盤の安定・拡大を図る」ことを明確に打ち出し
ている bj リーグが、実際にホームタウンのある地域で活性化効果を上げているのか、そしてその背
後にあるチーム経営の方法としてベストプラクティス的なものがありうるのか、そういう問題意識に基
づいて実施したものである。
地域活性化の効果については、ブースター調査を実施した島根スサノオマジック、高松ファイブ
アローズ共に、一定の効果を上げていることが検証された。
その背景にある経営のベストプラクティスとしては、島根スサノオマジックが展開する行政機関な
ど地域や職域と密着したマーケティング手法がきわめて有効であり、ベストプラクティスと言えるもの
なのではないか、と判断された。高松ファイブアローズは、現在経営の立て直 しが軌道に乗った段
階であり、今後一層の経営的飛躍が期待できる。
今回は、松江市と高松市の試合会場におけるブースターへのアンケート調査を初めて実施した
ことから、歴史あるサッカーの J リーグが毎年実施している観戦者調査との比較も交えて地域活性
化効果を測定したが、今後は本調査の結果も比較のベースとして利用し、bj チームができたことに
よる地域の経済社会に対する影響を測定し、それを実現する経営手法 についても、個別チームと
の協働によって分析を深めていくことも可能である。
研究についてご協力をいただいた、bj リーグ本社の皆様、特に代表取締役社長・中野秀光氏、2
チームの運営会社である山陰スポーツネットワークとファイブアローズの皆様、特にそれぞれの代表
者である、赤池大介氏、星島郁洋氏に、心から感謝申し上げたい。
66
注
(注 1) 香川の社長.tv (番組公開日:2013 年 10 月 15 日) http://j-president.net/kagawa/fivearrows
2014 年 4 月 30 日アクセス
(注 2) bj チームの経済効果は、例えば仙台 89ERS の場合で約 5 億円、信州ブレイブウォリアーズ
で約 3.3 億円、滋賀レイクスターズで約 7 億円、琉球ゴールデンキングスで約 25 億円と試
算されている。

「仙台 89ERS が宮城県に及ぼす経済波及効果について」 宮城県 2010 年 6 月

「Bj リーグ 2011‐2012 シーズン初参 入 信州 ブレイブウォリアーズの経 済 波及 効 果
は 3 億 3 千万円」 千曲市企画課 2012 年 9 月

「bj リーグ 2010-11 年シーズンにおける滋賀レイクスターズの県内経済への波及効果」
しがぎん経済文化センター 2011 年 8 月

「bjリーグによる地域活性化」 りゅうぎん総合研究所 2012 年 10 月
(注 3) 2012 年 2 月 9 日第 10 回松江市スポーツ推進審議会 6. 報告事項 3)島根スサノオマジ
ックについて 資料 3
(注 4) 2013 年 12 月 7 日 株式会社山陰スポーツネットワーク代表取締役・赤池大介氏インタビ
ュー
(注 5) http://www.pref.shimane.lg.jp/shimanegurashi/bj-league/basket.html 2014 年 4 月 30 日ア
クセス
(注 6) 観戦者全てを対象にした調査ではないが、今回のスサノオのブースター調査の回答者 660
人は、当日観戦ブースター1,650 人の 40%を占めており、調査方法から見て、ある程度、全
ブースターを代表できるサンプル数であると考えられる。
参考文献

河内敏光(2005) 「意地を通せば夢は叶う!」 東洋経済新報社

木村達郎(2009) 「琉球ゴールデンキングスの奇跡」

垰本一雄(2012) 「プロバスケットリーグと地域活性化の可能性」 日本スポーツマネジメント学
会第 5 回大会一般研究発表(2012 年 12 月 9 日)

二宮 浩彰(2011) 「プロスポーツ観戦者行動におけるチームに対する愛着とホームタウンへの
地域愛着」 同志社スポーツ健康科学第 3 号 pp.14-21

舟 木泰 世 、工 藤 康宏 、梶 原 健 、涌 井 佐和 子 、野 川 春夫 (2013) 「プロスポーツチームとまち
づくりに関する研究― bj リーグ新規参入チームの拠点地域における住民のソーシャルキャピ
タルに着目して―」 SSF スポーツ政策研究第 2 巻 1 号 pp.126-134
67
資料編
1.試合会場における観戦者を対象にしたアンケート調査
(1) 島根スサノオマジックにおける調査
① 実施日時: 2013 年 12 月 8 日(日)
② 実施試合: 大分ヒートデビルズ戦
③ 試合会場: 松江市総合体育館
④ 調査票回収方法: アンケート調査票と鉛筆を、入場時に全観戦者に配布し記入を依頼し
た。回答済みの調査票を試合終了時までに受付に持参すると、謝礼品 (缶バッジ)と交換。
⑤ 回答者数: 660 人 (当日観戦者数 1,650 人の 40.0%)
⑥ 性別・年齢区分別回答者分布:
年齢区分
~6歳
7~12歳
13~18歳
19~22歳
23~29歳
30~39歳
40~49歳
50~59歳
60歳~
不明
計
男性
14
5.0%
71
25.4%
10
3.6%
4
1.4%
10
3.6%
49
17.5%
73
26.1%
32
11.4%
15
5.4%
2
0.7%
280 100.0%
42.7%
女性
10
2.7%
76
20.3%
19
5.1%
13
3.5%
19
5.1%
76
20.3%
89
23.7%
40
10.7%
14
3.7%
19
5.1%
375 100.0%
57.3%
不明
3
1
1
5
計
24
150
29
18
30
125
162
72
29
21
660
100.0%
3.8%
23.5%
4.5%
2.8%
4.7%
19.6%
25.4%
11.3%
4.5%
100.0%
⑦ 住所と性別
住所
松江市
出雲市
雲南市
安来市
島根県その他
米子市
鳥取県その他
山陰地方以外
不明
計
男性
179 63.9%
40 14.3%
10
3.6%
0.0%
14
5.0%
13
4.6%
17
6.1%
6
2.1%
1
0.4%
280 100.0%
女性
243 64.8%
41 10.9%
7
1.9%
14
3.7%
25
6.7%
16
4.3%
14
3.7%
8
2.1%
7
1.9%
375 100.0%
不明
3
2
5
計
425 65.2%
81 12.4%
17
2.6%
14
2.1%
39
6.0%
31
4.8%
31
4.8%
14
2.1%
8
660 100.0%
⑧ ブースターか、会員か (性別)
ブースター
島根ブースター
それ以外
不明
計
男性
234 83.6%
45 16.1%
1
0.4%
280 100.0%
女性
269 71.7%
106 28.3%
0
0.0%
375 100.0%
不明
ブースタークラブ
会員
非会員
不明
計
男性
196 83.8%
36 15.4%
2
0.9%
234 100.0%
女性
231 85.9%
36 13.4%
2
0.7%
269 100.0%
不明
68
3
2
5
2
1
3
計
506 76.8%
153 23.2%
1
660 100.0%
計
429 85.6%
72 14.4%
5
506 100.0%
⑨ ブースターか、会員か (年齢区分別)
島根ブースター
それ以外
不明
計
7~12歳
~6歳
20 100.0% 81 100.0%
4 20.0% 68 84.0%
0.0%
1
1.2%
24 120.0% 150 185.2%
13~18歳
22 100.0%
7 31.8%
0.0%
29 131.8%
19~22歳
15 100.0%
3 20.0%
0.0%
18 120.0%
23~29歳
30~39歳
40~49歳
25 100.0% 95 100.0% 137 100.0%
5 20.0% 30 31.6% 25 18.2%
0.0%
0.0%
0.0%
30 120.0% 125 131.6% 162 118.2%
50~59歳
65 100.0%
7 10.8%
0.0%
72 110.8%
不明
60歳~
28 100.0%
18
1
3.6%
3
0.0%
29 103.6%
21
総計
506 100.0%
153
30.2%
1
0.2%
660 130.4%
ブースタークラブ
会員
非会員
不明
計
~6歳
16 80.0%
3 15.0%
1
5.0%
20 100.0%
13~18歳
17 77.3%
5 22.7%
0.0%
22 100.0%
19~22歳
15 100.0%
0.0%
0.0%
15 100.0%
23~29歳
19 76.0%
6 24.0%
0.0%
25 100.0%
50~59歳
63 96.9%
2
3.1%
0.0%
65 100.0%
不明
60歳~
26 92.9%
15
2
7.1%
3
0.0%
28 100.0%
18
総計
429
84.8%
72
14.2%
5
1.0%
506 100.0%
7~12歳
62 76.5%
18 22.2%
1
1.2%
81 100.0%
30~39歳
40~49歳
75 78.9% 121 88.3%
19 20.0% 14 10.2%
1
1.1%
2
1.5%
95 100.0% 137 100.0%
⑩ 会員としての属性: 会員歴、会員プラン (性別)
いつから会員か
2010-11
2011-12
2012-13
2013-14
不明
計
男性
108 55.1%
37 18.9%
32 16.3%
14
7.1%
5
2.6%
196 100.0%
女性
116 50.2%
42 18.2%
39 16.9%
25 10.8%
9
3.9%
231 100.0%
不明
会員プラン
ジュニア
ライト
スタンダード
ハイグレード
プレミア
不明
計
男性
43 21.9%
18
9.2%
31 15.8%
98 50.0%
4
2.0%
2
1.0%
196 100.0%
女性
38 16.5%
33 14.3%
66 28.6%
88 38.1%
2
0.9%
4
1.7%
231 100.0%
不明
1
1
2
1
1
2
計
224 54.0%
79 19.0%
72 17.3%
40
9.6%
14
429 100.0%
計
81 19.1%
52 12.3%
97 22.9%
187 44.2%
6
1.4%
6
429 100.0%
⑪ 会員としての属性: 会員歴、会員プラン (年齢区分別)
いつから会員か
2010-11
2011-12
2012-13
2013-14
不明
計
~6歳
3 18.8%
3 18.8%
3 18.8%
6 37.5%
1
6.3%
16 100.0%
7~12歳
21 33.9%
13 21.0%
17 27.4%
5
8.1%
6
9.7%
62 100.0%
13~18歳
10 58.8%
1
5.9%
6 35.3%
0.0%
0.0%
17 100.0%
19~22歳
6 40.0%
1
6.7%
5 33.3%
3 20.0%
0.0%
15 100.0%
23~29歳
10 52.6%
5 26.3%
3 15.8%
1
5.3%
0.0%
19 100.0%
30~39歳
40~49歳
28 37.3% 71 58.7%
16 21.3% 28 23.1%
18 24.0% 13 10.7%
11 14.7%
6
5.0%
2
2.7%
3
2.5%
75 100.0% 121 100.0%
50~59歳
48 76.2%
5
7.9%
4
6.3%
5
7.9%
1
1.6%
63 100.0%
60歳~
不明
18 69.2%
9
5 19.2%
2
2
7.7%
1
1
3.8%
2
0.0%
1
26 100.0%
15
総計
224
52.2%
79
18.4%
72
16.8%
40
9.3%
14
3.3%
429 100.0%
会員プラン
ジュニア
ライト
スタンダード
ハイグレード
プレミア
不明
計
~6歳
14 87.5%
0.0%
0.0%
0.0%
1
6.3%
1
6.3%
16 100.0%
7~12歳
55 88.7%
4
6.5%
2
3.2%
0.0%
0.0%
1
1.6%
62 100.0%
13~18歳
9 52.9%
3 17.6%
3 17.6%
2 11.8%
0.0%
0.0%
17 100.0%
19~22歳
0.0%
1
6.7%
5 33.3%
9 60.0%
0.0%
0.0%
15 100.0%
23~29歳
0.0%
5 26.3%
5 26.3%
9 47.4%
0.0%
0.0%
19 100.0%
30~39歳
40~49歳
0.0%
0.0%
15 20.0% 15 12.4%
23 30.7% 32 26.4%
34 45.3% 71 58.7%
1
1.3%
2
1.7%
2
2.7%
1
0.8%
75 100.0% 121 100.0%
50~59歳
0.0%
6
9.5%
15 23.8%
41 65.1%
1
1.6%
0.0%
63 100.0%
60歳~
不明
1
3.8%
2
3 11.5%
9 34.6%
3
11 42.3%
10
1
3.8%
1
3.8%
26 100.0%
15
総計
81
18.9%
52
12.1%
97
22.6%
187
43.6%
6
1.4%
6
1.4%
429 100.0%
⑫ 他チームのブースター
他チームのブースター
5
3.3%
アウェイ
2
1.3%
その他
84 54.9%
特になし
62 40.5%
不明
計
153 100.0%
69
⑬ 平均観戦回数
前シーズン平均観戦回数
男性
12.5
女性
10.9
~6歳
7.8
7~12歳
6.0
13~18歳
8.8
19~22歳
12.3
23~29歳
11.4
30~39歳
11.4
40~49歳
14.5
50~59歳
16.1
60歳~
13.8
全体
11.6
回答者数
247
318
18
128
25
16
26
106
143
65
26
569
前シーズン平均観戦回数
ジュニア
11.1
ライト
12.0
スタンダード
12.2
ハイグレード
20.4
プレミア
19.3
回答者数
66
43
84
167
6
⑭ 個別の質問に対する回答
大いにあてはまる
Q2 バスケットボール
選手は、社会の模範と
して重要な役割を果た
していますか?
Q3 スサノオマジック
はホーム都市で重要な
役割を果たしています
か?
あてはまる
どちらでもない
あてはまらない 全くあてはまらない 意味ある解答合計 分からない
195 32.0%
337 55.3%
72 11.8%
5
0.8%
305 48.9%
293 47.0%
20
3.2%
4
0.6%
Q4 バスケットボール
は若い人たちの生活
に、いい影響を与える
ことができると思いま
すか?
276 44.2%
310 49.6%
35
5.6%
4
Q5 スサノオマジック
はホーム都市で大きな
貢献をしていると思い
ますか?
287 46.0%
300 48.1%
34
5.4%
Q6 スサノオマジック
が誕生して、島根・山
陰の住民が一体になっ
て応援していると感じ
ますか?
266 42.0%
287 45.3%
Q7 スサノオマジック
が誕生して、島根・山
陰に対する郷土愛・誇
りが強くなりましたか?
266 42.5%
Q8 体育館でたくさん
の観客と一緒に応援す
ると、島根・山陰への
愛・誇りが感じられます
か?
不明
合計
0.0%
609 100.0%
42
9
660
0.3%
624 100.0%
32
4
660
0.6%
0.0%
625 100.0%
31
4
660
3
0.5%
0.0%
624 100.0%
32
4
660
65 10.3%
14
2.2%
0.2%
633 100.0%
21
6
660
272 43.5%
82 13.1%
6
1.0%
0.0%
626 100.0%
29
5
660
332 52.5%
257 40.7%
36
5.7%
7
1.1%
0.0%
632 100.0%
22
6
660
Q9 スサノオマジック
ができて島根・山陰は
元気になりましたか?
307 48.6%
281 44.5%
40
6.3%
4
0.6%
0.0%
632 100.0%
24
4
660
Q10 勝っても負けても
スサノオマジックを応
援したいですか?
396 61.6%
211 32.8%
24
3.7%
10
1.6%
2
0.3%
643 100.0%
13
4
660
Q11 スサノオマジック
が首都圏・関西圏など
の大都市圏のチームと
対等に戦っている姿に
興奮しますか?
329 52.5%
237 37.8%
53
8.5%
7
1.1%
1
0.2%
627 100.0%
26
7
660
241 38.3%
312 49.5%
71 11.3%
5
0.8%
1
0.2%
630 100.0%
24
6
660
148 25.0%
236 39.8%
158 26.6%
45
7.6%
6
1.0%
593 100.0%
57
10
660
Q12 プロバスケットの
試合は、現代的で若者
を引きつけていると感
じますか?
Q13 スサノオマジック
に対する行政機関(県
や市)の支援は十分だ
と感じますか?
70
2
1
⑮ 回答者の Q13 に対するコメント
No.
性別 年齢 年齢Zone
Q1 Q13
Q14 コメント
別件ですが、事前準備(心がまえ)が遅い気がする。戦う姿勢として、交代は早く事前に準備する必
要があるのでは?そこの所(基本的)な部分で負けていると感じる
行政に頼ったら負けです
全選手に衣食住についてきめ細かい金銭等のサポートをしてほしい。
資金は必要。しかし税金の投入には慎重とバランスが必要。
34
1
43 40~49歳
6
3
36
39
53
1
1
1
40 40~49歳
42 40~49歳
41 40~49歳
2
20
20
1
5
4
59
1
43 40~49歳
30
3
74
80
1
1
6 ~6歳
49 40~49歳
20
7
3 もっとおうえんして
2 支援の一環として電光表示を改良出来ませんか?
82
1
不明
25
4
84
86
88
97
99
134
139
148
1
1
1
1
1
1
1
1
21
45
33
37
44
37
57
54
19~22歳
40~49歳
30~39歳
30~39歳
40~49歳
30~39歳
50~59歳
50~59歳
25
20
18
8
15
10
40
15
4
4
4
2
5
4
1
3
168
1
42 40~49歳
20
4
174
181
191
199
200
210
239
250
254
255
256
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
55
46
43
34
41
52
10
33
43
17
44
50~59歳
40~49歳
40~49歳
30~39歳
40~49歳
50~59歳
7~12歳
30~39歳
40~49歳
13~18歳
40~49歳
6
10
10
10
11
10
10
48
32
8
10
4
4
3
5
4
4
4
4
4
4
4
324
2
30 30~39歳
5
4
332
347
348
375
2
2
2
2
50 50~59歳
35 30~39歳
不明
45 40~49歳
27
10
14
29
2
4
5
4
378
2
21 19~22歳
25
4
393
400
416
2
2
2
48 40~49歳
43 40~49歳
53 50~59歳
26
10
25
4
4
4
417
2
42 40~49歳
28
4
429
2
50 50~59歳
28
4
435
2
35 30~39歳
0
6
489
2
60 60歳~
20
1
502
525
528
537
544
561
569
574
619
621
622
649
658
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
53 50~59歳
44 40~49歳
不明
23 23~29歳
55 50~59歳
40 40~49歳
40 40~49歳
不明
43 40~49歳
33 30~39歳
56 50~59歳
42 40~49歳
26 23~29歳
6
10
40
25
14
28
4
3
1
3
4
4
5
5
4
4
4
2
4
30
2
2
10
1
0
資金的支援。人口が少ない松江では観戦者、ブースターの数も限られる。唯一のプロチームとして
県を上げて、人・金銭の支援がないと、チームの存在が危ぶまれる。
球団職員、HCのマナーが悪い。タバコのポイ捨て、ブースターは見ていますよ。プロスポーツは、
礼・マナーを重んじ模範となるべきです。
スポンサーとしてもっと金を
スサノオはチケットが高すぎます。2階自由席で2000円以下でないとなかなか人が来ないのでは?
もう少し市が協力してもいいと思います。
もっと全面的な支援が必要
今でも支援されていますが補助金、臨時バス等、試合会場へのアクセス整備
もっと地域との一体化してほしい。企業とのコラボも
体育館の状態、交通インフラ、もっと見やすい環境警備、NBAみたいな会場作り
スポンサーにたくさん入ってくれた方が良い
しっかりしたビジョンをもったチーム運営をしてもらいたい!
市役所・病院(可能な範囲)・事業所で試合録画を流す。
プロができても中学の部活でバスケが無くなる学校がある。子供がゆめを持てるよう部活をあり方
も支援して欲しい
バスケット専用体育館を作って欲しい
金銭は難しいが職員を派遣してもらい県がもりあがるよう、連携してはとうか
独立採算を目指すべき
もっとPRに力を入れるべきだと思う
金銭的支援の充実
金銭面
ピーアールがたりない
広報活動、特に鳥取に向けて
経済的、広報的支援
ホームアリーナ建設
資金提供!!ホームアリーナ建設!!
スサノオの活躍は島根の経済効果を十分にUPすると思います。もっと知名度が多くの人に浸透す
るようPR活動して欲しいです。
アウェイで行ったとき、選手とふれ合える時間を作って欲しい
もっと広めていく必要がある、広告等
副市長はアウェイにも参加される、市長は途中で帰る姿勢に力を入れてるとは思えない
資金面でもう少し入場料を安く(してほしい)
県でスサノオマジックのイベントを増やしたほうがいいと思います。もっと県や市が協力すればさら
に地域の活性化につながるんじゃないかと思います。
金銭的にもっとフォローすべき
遠征費用や練習会場費用など経費面での支援
学校訪問の増加を求む
新しくブースターをかくとくするための働きかけ、動員を増やすはたらきかけをもっとすべき!スサノ
オマジックかんばって!!今こそひとつになろう!!
今でも頑張っておられますが、もっとブースターとして会場にも来て欲しいです、全職員が参加して
欲しいです。
この質問を来場者にされても、質問の前に今、県や市がどんな支援をしているのかの説明があけ
れば十分か不十分かは判断できません。
これからもたくさん県・市に応援してもらうように選手のみなさんががんばって上を目指すことだと
思います。
もっと観客が増えるようにシャトルバスを出したり、PR活動に力を入れたらよいと思う
金銭的、体育館の整備、動員
島根から元気(になった)!
もう少し盛り上げて欲しい
資金の援助
金銭的支援
財政
駐輪場、アクセスの悪さ
もっとTV等のメディア番組を増やして欲しい
鳥取県ももっと力を入れて欲しい
市制をあげてブースターを増やしていく努力(特に西部地区)
学校などへのけいはつ
ピーアール不足
71
(島根スサノオマジック ブースター調査の調査票)
島根スサノオマジックに関するアンケート
ご回答いただいた方に、素敵なプレゼントを差し上げます。
ご回答に際し、以下についてご教示ください(該当する箇所に○または必要事項をご記入ください、以下同様)。
性 別
男性
女性
年 齢
( ) 歳
島根県
松江市
出雲市
雲南市
安来市
その他 (
住 所
鳥取県
米子市
その他 (
)
その他都道府県 (
)
スサノオマジックのブースターですか?
はい
いいえ
→ はいの場合、スサノオマジックのブースタークラブ会員ですか?
→ はいの場合、どのシーズンから会員ですか?
→ はいの場合、今のプランの種類は?
はい
いいえ
2011-2012
2012-2013
2013-2014
スタンダード
ハイグレード
プレミア
アウェイチーム
その他
特になし
2010-2011
ジュニア
)
ライト
→ いいえの場合、どのクラブのブースターですか?
Q1 前2012-2013シーズン、スサノオマジックの試合を何回くらい見ましたか?
( )回
Q2 バスケットボール選手は、社会の模範として重要な役割を果たしていますか?
大いにあてはまる
あてはまる
どちらでもない
あてはまらない
全くあてはまらない
分からない
全くあてはまらない
分からない
Q3 スサノオマジックはホーム都市で重要な役割を果たしていますか?
大いにあてはまる
あてはまる
どちらでもない
あてはまらない
Q4 バスケットボールは若い人たちの生活に、いい影響を与えることができると思いますか?
大いにあてはまる
あてはまる
どちらでもない
あてはまらない
全くあてはまらない
分からない
全くあてはまらない
分からない
Q5 スサノオマジックはホーム都市で大きな貢献をしていると思いますか?
大いにあてはまる
あてはまる
どちらでもない
あてはまらない
Q6 スサノオマジックが誕生して、島根・山陰の住民が一体になって応援していると感じますか?
大いにあてはまる
あてはまる
どちらでもない
あてはまらない
全くあてはまらない
分からない
Q7 スサノオマジックが誕生して、島根・山陰に対する郷土愛・誇りが強くなりましたか?
大いにあてはまる
あてはまる
どちらでもない
あてはまらない
全くあてはまらない
分からない
Q8 体育館でたくさんの観客と一緒に応援すると、島根・山陰への愛・誇りが感じられますか?
大いにあてはまる
あてはまる
どちらでもない
あてはまらない
全くあてはまらない
分からない
全くあてはまらない
分からない
全くあてはまらない
分からない
Q9 スサノオマジックができて島根・山陰は元気になりましたか?
大いにあてはまる
あてはまる
どちらでもない
あてはまらない
Q10 勝っても負けてもスサノオマジックを応援したいですか?
大いにあてはまる
あてはまる
どちらでもない
あてはまらない
Q11 スサノオマジックが首都圏・関西圏などの大都市圏のチームと対等に戦っている姿に興奮しますか?
大いにあてはまる
あてはまる
どちらでもない
あてはまらない
全くあてはまらない
分からない
Q12 プロバスケットの試合は、現代的で若者を引きつけていると感じますか?
大いにあてはまる
あてはまる
どちらでもない
あてはまらない
全くあてはまらない
分からない
Q13 スサノオマジックに対する行政機関(県や市)の支援は十分だと感じますか?
大いにあてはまる
あてはまる
どちらでもない
あてはまらない
全くあてはまらない
分からない
Q14 Q13で「あてはまらない」または「全くあてはまらない」と回答された方
具体的にどんな支援が望ましいと考えておられますか、
自由にご記入ください:
アンケートへのご協力、本当にありがとうございました。いただきましたご回答内容は、今後の球団運営活動のための貴重なご意見とし
て、活用させていただきます。今後ともスサノオマジックの応援、よろしくお願い申し上げます。 2013年12月8日(日)
ご記入いただいたアンケート用紙は、1階入口付近の総合受付に鉛筆と一緒にご提出ください。
72
(2) 高松ファイブアローズにおける調査
① 実施日時: 2013 年 11 月 22 日(金)・23 日(土)
② 実施試合: 大阪エベッサ戦
③ 試合会場: 高松市総合体育館
④ 調査票回収 方法: 調査 員がアンケート調査票 と鉛筆を持って会場を回り、観戦者 に回答
記入を依頼して記入してもらう。
⑤ 回答者数: 188 人 (当日観戦者数 1,391 人の 13.5%)
⑥ 性別・年齢区分別回答者分布:
年齢区分
7~12歳
13~18歳
19~22歳
23~29歳
30~39歳
40~49歳
50~59歳
60歳~
不明
計
男性
6
6.5%
6
6.5%
1
1.1%
13
14.1%
24
26.1%
25
27.2%
11
12.0%
6
6.5%
0
0.0%
92 100.0%
48.9%
女性
2
2.1%
4
4.2%
4
4.2%
11
11.5%
27
28.1%
31
32.3%
3
3.1%
7
7.3%
7
7.3%
96 100.0%
51.1%
計
8
10
5
24
51
56
14
13
7
188
100.0%
4.4%
5.5%
2.8%
13.3%
28.2%
30.9%
7.7%
7.2%
100.0%
⑦ 住所と性別
住所
高松市
坂出市
さぬき市
丸亀市
香川県その他
香川県以外
不明
計
男性
55
59.8%
3
3.3%
4
4.3%
7
7.6%
9
9.8%
14
15.2%
0
0.0%
92 100.0%
女性
64
66.7%
2
2.1%
0.0%
3
3.1%
8
8.3%
18
18.8%
1
1.0%
96 100.0%
⑧ ブースターか、会員か (性別)
男性
ブースター
高松ブースター
50
54.3%
それ以外
42
45.7%
計
92 100.0%
男性
24
48.0%
26
52.0%
50 100.0%
⑨ ブースターか、会員か (年齢区分別)
ブースタークラブ
会員
非会員
計
計
119
63.6%
5
2.7%
4
2.1%
10
5.3%
17
9.1%
32
17.1%
1
188 100.0%
女性
41
42.7%
55
57.3%
96 100.0%
計
91
48.4%
97
51.6%
188 100.0%
女性
20
48.8%
21
51.2%
41 100.0%
計
44
48.4%
47
51.6%
91 100.0%
高松ブースター
それ以外
計
7~12歳
5 62.5%
3 37.5%
8 100.0%
13~18歳
4 40.0%
6 60.0%
10 100.0%
19~22歳
1 20.0%
4 80.0%
5 100.0%
23~29歳
7 29.2%
17 70.8%
24 100.0%
30~39歳
26 51.0%
25 49.0%
51 100.0%
40~49歳
32 57.1%
24 42.9%
56 100.0%
50~59歳
9 64.3%
5 35.7%
14 100.0%
不明
60歳~
5 38.5%
2
8 61.5%
5
13 100.0%
7
総計
91
48.4%
97
51.6%
188 100.0%
ブースタークラブ
会員
非会員
計
7~12歳
5 100.0%
0.0%
5 100.0%
13~18歳
4 100.0%
0.0%
4 100.0%
19~22歳
0.0%
1 100.0%
1 100.0%
23~29歳
3 42.9%
4 57.1%
7 100.0%
30~39歳
8 30.8%
18 69.2%
26 100.0%
40~49歳
15 46.9%
17 53.1%
32 100.0%
50~59歳
4 44.4%
5 55.6%
9 100.0%
不明
60歳~
3 60.0%
2
2 40.0%
5 100.0%
2
総計
44
48.4%
47
51.6%
91 100.0%
73
⑩ 会員としての属性: 会員歴、会員プラン (性別)
男性
5
20.8%
3
12.5%
0.0%
1
4.2%
0.0%
3
12.5%
5
20.8%
7
29.2%
0.0%
24 100.0%
いつから会員か
2006-07
2007-08
2008-09
2009-10
2010-11
2011-12
2012-13
2013-14
不明
計
男性
4
7
4
9
会員プラン
ライト
ジュニア
レギュラー
プレミアム
不明
計
24
16.7%
29.2%
16.7%
37.5%
0.0%
100.0%
女性
2
10.0%
1
5.0%
2
10.0%
0.0%
3
15.0%
6
30.0%
2
10.0%
3
15.0%
1
5.0%
20 100.0%
計
7
4
2
1
3
9
7
10
1
44
女性
4
20.0%
3
15.0%
7
35.0%
4
20.0%
2
10.0%
20 100.0%
計
81
52
97
187
6
423
16.3%
9.3%
4.7%
2.3%
7.0%
20.9%
16.3%
23.3%
100.0%
19.4%
12.5%
23.3%
44.8%
100.0%
⑪ 会員としての属性: 会員歴、会員プラン (年齢区分別)
いつから会員か
2006-07
2007-08
2008-09
2009-10
2010-11
2011-12
2012-13
2013-14
不明
計
7~12歳
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
1 20.0%
4 80.0%
0.0%
5 100.0%
13~18歳
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
1 25.0%
3 75.0%
0.0%
4 100.0%
19~22歳
23~29歳
1 33.3%
0.0%
0.0%
1 33.3%
0.0%
1 33.3%
0.0%
0.0%
0.0%
3 100.0%
30~39歳
2 25.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
3 37.5%
1 12.5%
1 12.5%
1 12.5%
8 100.0%
40~49歳
3 20.0%
1
6.7%
1
6.7%
0.0%
2 13.3%
3 20.0%
3 20.0%
2 13.3%
0.0%
15 100.0%
50~59歳
0.0%
2 50.0%
0.0%
0.0%
0.0%
1 25.0%
1 25.0%
0.0%
0.0%
4 100.0%
不明
60歳~
1 33.3%
1 33.3%
0.0%
1
0.0%
1 33.3%
0.0%
1
0.0%
0.0%
0.0%
3 100.0%
2
総計
7
15.9%
4
9.1%
2
4.5%
1
2.3%
3
6.8%
9
20.5%
7
15.9%
10
22.7%
1
2.3%
44 100.0%
会員プラン
ライト
ジュニア
レギュラー
プレミアム
不明
計
7~12歳
1 20.0%
4 80.0%
0.0%
0.0%
0.0%
5 100.0%
13~18歳
0.0%
4 100.0%
0.0%
0.0%
0.0%
4 100.0%
19~22歳
23~29歳
1 33.3%
0.0%
0.0%
2 66.7%
0.0%
3 100.0%
30~39歳
3 37.5%
0.0%
1 12.5%
3 37.5%
1 12.5%
8 100.0%
40~49歳
1
6.7%
1
6.7%
7 46.7%
5 33.3%
1
6.7%
15 100.0%
50~59歳
2 50.0%
0.0%
2 50.0%
0.0%
0.0%
4 100.0%
不明
60歳~
0.0%
0.0%
1
1 33.3%
2 66.7%
1
0.0%
3 100.0%
2
総計
8
18.2%
10
22.7%
11
25.0%
13
29.5%
2
4.5%
44 100.0%
⑫ 他チームのブースター
他チームのブースター
5
5.2%
アウェイ
1
1.0%
その他
58
59.8%
特になし
不明
33
34.0%
計
97 100.0%
⑬ 平均観戦回数
前シーズン平均観戦回数
男性
5.1
女性
4.5
7~12歳
3.1
13~18歳
2.1
19~22歳
1.3
23~29歳
4.2
30~39歳
4.4
40~49歳
5.3
50~59歳
7.1
60歳~
6.3
全体
4.8
回答者数
89
88
8
10
4
21
49
54
13
12
177
前シーズン平均観戦回数
ライト
10.5
ジュニア
3.8
レギュラー
15.3
プレミアム
21.4
74
回答者数
8
10
10
13
⑭ 個別の質問に対する回答
大いにあてはまる
Q2 バスケットボール
選手は、社会の模範と
して重要な役割を果た
していますか?
Q3 ファイブアローズ
はホーム都市で重要な
役割を果たしています
か?
あてはまる
どちらでもない
あてはまらない 全くあてはまらない 意味ある解答合計 分からない
不明
合計
26 16.3%
86 53.8%
44 27.5%
4
2.5%
0.0%
160 100.0%
25
3
188
24 14.7%
118 72.4%
19 11.7%
2
1.2%
0.0%
163 100.0%
23
2
188
Q4 バスケットボール
は若い人たちの生活
に、いい影響を与える
ことができると思います
か?
58 32.0%
114 63.0%
0.0%
0.0%
181 100.0%
7
188
Q5 ファイブアローズ
はホーム都市で大きな
貢献をしていると思い
ますか?
25 15.2%
113 68.5%
22 13.3%
3.0%
0.0%
165 100.0%
23
188
Q6 ファイブアローズ
が誕生して、香川県の
住民が一体になって応
援していると感じます
か?
13
8.4%
47 30.5%
64 41.6%
3
1.9%
154 100.0%
34
188
26 16.5%
76 48.1%
49 31.0%
6
3.8%
1
0.6%
158 100.0%
28
2
188
39 22.8%
102 59.6%
23 13.5%
7
4.1%
0.0%
171 100.0%
15
2
188
Q9 ファイブアローズ
ができて香川県は元気
になりましたか?
20 12.7%
91 57.6%
43 27.2%
4
2.5%
0.0%
158 100.0%
28
2
188
Q10 勝っても負けても
ファイブアローズを応
援したいですか?
87 48.6%
85 47.5%
61 34.5%
87 49.2%
21 11.9%
48 27.3%
96 54.5%
29 16.5%
13
39 25.2%
58 37.4%
Q7 ファイブアローズ
が誕生して、香川県に
対する郷土愛・誇りが
強くなりましたか?
Q8 体育館でたくさん
の観客と一緒に応援す
ると、香川県への愛・
誇りが感じられますか?
Q11 ファイブアローズ
が首都圏・関西圏など
の大都市圏のチームと
対等に戦っている姿に
興奮しますか?
Q12 プロバスケットの
試合は、現代的で若者
を引きつけていると感
じますか?
Q13 ファイブアローズ
に対する行政機関(県
や市)の支援は十分だ
と感じますか?
8.4%
9
6
5.0%
5
27 17.5%
3.4%
0.0%
1
0.6%
179 100.0%
8
1
188
7
4.0%
1
0.6%
177 100.0%
10
1
188
3
1.7%
0.0%
176 100.0%
12
7.1%
155 100.0%
31
34 21.9%
75
11
188
2
188
⑮ 回答者の Q13 に対するコメント
日付
No.
性別 年齢 年齢Zone
3
1122
1
41 40~49歳
4
10
14
29
33
37
44
47
51
74
75
1122
1122
1122
1122
1122
1122
1122
1122
1122
1122
1122
1
1
1
1
1
1
1
1
1
2
2
31
52
35
44
40
38
42
41
41
48
29
80
1122
81
86
1122
1122
87
89
95
99
106
112
115
125
128
134
137
138
141
142
144
149
155
162
169
170
183
187
Q1 Q13
Q14 コメント
ホームでアウェイブースターを人数を限定して、無料で招待する。他見から来た人に香川県でお金を使って
もらう。
シャトルバス、試合の告知をさらに多く、体育館を優先的に使えるように。
スポンサー企業への優遇措置を何かもう少し考えればよいのでは…。
初めて試合を見に来ました。娘もバスケットを始めて、非常に興味を持っています。頑張って!!
カマタマーレと同等の支援を望む
もっと宣伝やアクセス駐車場など、行政支援してほしい
TVの宣伝が少ない、ワクを買い取って放送すべき
財政支援
資金について、もっと!
資金面でもう少し支援すべきである。
広報で今回知りましたが、知らない方が多い。もう少し認知度を上げる工夫を!!
球団の資金繰りに必死な姿が見えすぎです。もう少し隠してほしいです。
もっと県や市をあげてアローズのアピールをしてほしい。他の野球やサッカーに比べて支援が少ないように
感じる。
選手たちの練習環境を整えて、もっと試合を宣伝して欲しい。
金銭面
7
4
30~39歳
50~59歳
30~39歳
40~49歳
40~49歳
30~39歳
40~49歳
40~49歳
40~49歳
40~49歳
23~29歳
26
0
0
30
0
10
10
4
2
0
6
4
4
3
4
3
5
4
4
4
4
4
2
35 30~39歳
40
5
2
2
40 40~49歳
35 30~39歳
15
8
5
4
1122
2
30 30~39歳
10
4 もっと取材や特集を組み、見たことない人たちに見せるべき。ファイブアローズ自体知らない人も多いはず
1122
1122
1122
1122
1123
1123
1123
1123
1123
1123
1123
1123
1123
1123
1123
1123
1123
1123
1123
1123
1123
2
2
2
2
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
2
2
2
2
2
2
65 60歳~
43 40~49歳
2
2
7
26
0
2
10
4
20
6
10
0
28
0
1
0
1
0
0
8
10
4
4
4
4
5
5
5
4
4
5
1
4
4
4
6
4
5
5
4
2
4
40
30
35
42
82
37
55
64
38
35
41
59
23
39
64
43
65
45
40~49歳
30~39歳
30~39歳
40~49歳
60歳~
30~39歳
50~59歳
60歳~
30~39歳
30~39歳
40~49歳
50~59歳
23~29歳
30~39歳
60歳~
40~49歳
60歳~
40~49歳
経済支援、観客導引
サッカーのカマタマーレのように企業・県・市がもう少し支援を増やして欲しいです。
サッカー野球に比べて思う。もっとメジャーに
公共交通機関を利用しやすくする
専用アリーナの建設、地上波放送、社会貢献活動の強化、有名選手の入団支援
募金活動
税金の投入はよくない。自立できるようになるのが望ましい
公費を出すべきだ。
資金面での支援が必要
多額の補助金の支援
イベントをもっと多くしてください。
TVで放映して、大きくとりあげてほしい。
試合のPRが少ない。サッカーに比べて
経済的支援
県・市がどのような支援を行っているのか資料、データ(その効果を含む)で示されないと判断できない。
もう少し宣伝をしても良いと思います。
もっと広告を出すべきと思います
入場料を少し安くし人数を取った方がいい
資金面
もっともっとがんばって強くなって下さい
金銭的、広報活動をもっとアピールして欲しい。
76
(高松ファイブアローズ ブースター調査の調査票)
高松ファイブアローズに関するアンケート
2013年11月22日(金)・23日(土)
ファイブアローズをより活躍できるチームにするため、調査にご協力をお願いいたします。
ご回答に際し、以下についてご教示ください(該当する箇所に○または必要事項をご記入ください、以下同様)。
性 別
男性
年 齢
( ) 歳
住 所
香川県
女性
高松市
坂出市
その他都道府県 (
さぬき市
丸亀市
はい
いいえ
その他
( )
)
ファイブアローズのブースターですか?
→ はいの場合、クラブアローズ会員ですか?
→ はいの場合、どのシーズンから会員ですか?
→ はいの場合、今のプランの種類は?
はい
いいえ
2006-2007
2007-2008
2008-2009
2009-2010
2010-2011
2011-2012
2012-2013
2013-2014
ジュニア
レギュラー
プレミアム
アウェイチーム
その他
ライト
ファイブアローズのブースターでない方、どのクラブのブースターですか?
Q1 前シーズン、ファイブアローズの試合を何回くらい見ましたか?
特になし
( )回
Q2 バスケットボール選手は、社会の模範として重要な役割を果たしていますか?
大いにあてはまる
あてはまる
どちらでもない
当てはまらない
全くあてはまらない
分からない
全くあてはまらない
分からない
Q3 ファイブアローズはホーム都市で重要な役割を果たしていますか?
大いにあてはまる
あてはまる
どちらでもない
当てはまらない
Q4 バスケットボールは若い人たちの生活に、いい影響を与えることができると思いますか?
大いにあてはまる
あてはまる
どちらでもない
当てはまらない
全くあてはまらない
分からない
全くあてはまらない
分からない
Q5 ファイブアローズはホーム都市で大きな貢献をしていると思いますか?
大いにあてはまる
あてはまる
どちらでもない
当てはまらない
Q6 ファイブアローズが誕生して、香川県の住民が一体になって応援していると感じますか?
大いにあてはまる
あてはまる
どちらでもない
当てはまらない
全くあてはまらない
分からない
Q7 ファイブアローズが誕生して、香川県に対する郷土愛・誇りが強くなりましたか?
大いにあてはまる
あてはまる
どちらでもない
当てはまらない
全くあてはまらない
分からない
Q8 体育館でたくさんの観客と一緒に応援すると、香川県への愛・誇りが感じられますか?
大いにあてはまる
あてはまる
どちらでもない
当てはまらない
全くあてはまらない
分からない
全くあてはまらない
分からない
全くあてはまらない
分からない
Q9 ファイブアローズができて香川県は元気になりましたか?
大いにあてはまる
あてはまる
どちらでもない
当てはまらない
Q10 勝っても負けてもファイブアローズを応援したいですか?
大いにあてはまる
あてはまる
どちらでもない
当てはまらない
Q11 ファイブアローズが首都圏・関西圏などの大都市圏のチームと対等に戦っている姿に興奮しますか?
大いにあてはまる
あてはまる
どちらでもない
当てはまらない
全くあてはまらない
分からない
Q12 プロバスケットの試合は、現代的で若者を引きつけていると感じますか?
大いにあてはまる
あてはまる
どちらでもない
当てはまらない
全くあてはまらない
分からない
Q13 ファイブアローズに対する行政機関(県や市)の支援は十分だと感じますか?
大いにあてはまる
あてはまる
どちらでもない
当てはまらない
全くあてはまらない
分からない
Q14 Q13で「あてはまらない」または「全くあてはまらない」と回答された方
具体的にどんな支援が望ましいと考えておられますか、
自由にご記入ください:
アンケートへのご協力、本当にありがとうございました。いただきましたご回答内容は、今後の球団運営活動のための貴重なご意見とし
て、活用させていただきます。今後ともファイブアローズの応援、よろしくお願い申し上げます。
高松ファイブアローズ
77
2.全 bj チームを対象にした経営に関するアンケート調査
① 実施日時: 2013 年 10 月~11 月
②
実施方法: bj リーグ本社のご了解を得て、bj リーグ全 21 チームに郵送で調査票をお送り
し、返信用封筒で回答済調査票を返送願った。
③ 回答チーム:11 チーム
④ 回答チーム一覧
East
青森ワッツ*
仙台89ERS
新潟アルビレックスBB
群馬クレインサンダーズ
*: 2013年からの参入
West
浜松・東三河フェニックス
滋賀レイクスターズ
大阪エヴェッサ
バンビシャス奈良*
島根スサノオマジック
高松ファイブアローズ
琉球ゴールデンキングス
⑤ 運営会社の損益情報
損益情報は、個別チームのデータを開示することができないこと、特に営業費用について整
合性あるデータが取れていないことから、2013 年参入の 2 チーム(青森と奈良)を除く 9 チーム
の営業収益の平均値と黒字・赤字会社の数のみ、データとして示す。
直近決算期 金額(単位:百万円)
≪営業収益≫
・スポンサー収入
・チケット売上収入
・放映権収入
・ブースタークラブ会員収入
・その他収入
営業収益計
平均値
148.7
72.7
0.3
7.9
47.8
270.2
営業黒字
営業赤字
5チーム
4チーム
⑥ 株主情報
株主情報も各チームが公開していない情報であることから、概要の解説でコメントするにとど
め、データを集計して示すことはしない。
⑦ ブースターについて
有料入場者の比率は、新規参入 2 チームを除く昨シーズン(2012-2013 シーズン)の 9 チーム
平均で、80.9%となっている。
有料入場者の比率%(2012-2013)
仙台
87.0
新潟
72.0
群馬
80.0
浜松・東三河
86.0
滋賀
57.0
大阪
80.1
島根
93.0
高松
85.0
琉球
88.0
平均
80.9
78
ブースタークラブ会員数は、下記の通り。
ブースタークラブ会員数 (2012-2013)
青森
2,350
仙台
1,522
新潟
2,058
群馬
170
浜松・東三河
780
滋賀
2,363
大阪
1,028
島根
6,350
高松
1,500
琉球
1,985
平均
2,011
⑧ 地域密着の方法:地元でのバスケスクール・クリニック、チアスクールなど
データとして取りまとめることは切り口がチームによって異なり、無回答のチームもあることから
難しいが、多くのチームが地元の小中学生などを対象に、スクール開催などを積極的に行っ
ている。参加者への試合入場料優待や行政の支援・関与については、以下の通り。
バスケスクール・クリニック参加者への試合入場料優待など
あり
なし
ありの場合、何割引などその形態
青森
○
仙台
○
新潟
○
20%割引または子供500円
群馬
○
バスケスクールに限りチケットプレゼント
浜松・東三河
○
滋賀
○
大阪
○
子供は無料、保護者は10%引き
奈良
○
島根
○
ホームゲームシーズンパス
高松
○
全52試合を2階自由席で観戦可能(パス進呈)
琉球
○
合計
7
4
チーム
チーム
青森
仙台
新潟
群馬
浜松・東三河
滋賀
大阪
奈良
島根
高松
琉球
バスケスクール・クリニックに関する行政の支援・関与
あり
なし
ありの場合、その形
○
市町村、教育委員会
○
市の外郭団体とタイアップして実施例あり
○
助成、ゆめづくり事業は県主催(収入あり)
○
○
後援や場所提供など
○
大阪府府民文化部都市魅力創造局より大阪府の後援事業と
○
して認めていただいています。
○
主催事業として
小学校で年間30回開催の「夢授業」のコスト(選手のギャラな
○
ど)は、行政負担。予算化されている。10~20万円/回。
○
クリニック開催は、教育委員会と連携。
○
離島へ出張の際の移動費補助
⑨ 地域密着の方法:地元コミュニティへの浸透
招待券の枚数、招 待券利 用のポリシーやそれによる入場者獲得スキームについては、概要
の解説でコメントするにとどめる。地元行政機関・地元町内会・地元パートナー・スポンサー企
業を通じた PR、入場券の販売、招待券の配布などについては、以下の通り。
79
地元行政機関・地元町内会・地元パートナー・スポンサー企業を通じたPR、入場券の販売、招待券の配布など
チーム
青森
仙台
新潟
群馬
浜松・東三河
滋賀
大阪
奈良
島根
高松
琉球
行政機関
○
○
○
○
町内会等
○
○
○
○
○
○
○
パートナー・スポンサー
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
⑩ 地域密着の方法:地元行政の支援、スポンサー数、地元 TV 中継数
行政の支援形式については、概要の解説でコメントするにとどめる。地元 TV 中継は、各チー
ム年間数試合にとどまる。地元スポンサー数は、以下の通り。地元行政機関がスポンサーに
名を連ねる企業も多い。
地元スポンサー数
チーム
2013年9月末
青森
110
仙台
75
新潟
302
群馬
45
浜松・東三河
49
滋賀
350
大阪
82
奈良
50
島根
170
高松
200
琉球
150
平均
144
⑪
PR 活動: 経営者自身の PR 活動、地元パートナー・スポンサーとタイアップした PR 活動、応
援自動販売機の数
経営者自身が、数多くの講演やマスメディア出演を行うチームが多い。地元パートナー・スポ
ンサーとタイアップした PR 活動も行われている。
地元パートナーとのタイアップによるPR活動
内容
群馬
コラボおにぎり1回/年
浜松・東三河 夏祭りなど7回
協賛企業での記者会見1回、協賛飲食店ファン食事会1回、協賛スーパーでの
滋賀
ファン交流5回、協賛企業ファンとの田植
大阪
大阪PITAPAタイアップ1回
奈良
PRイベント2回/年
島根
地元商店のお米や丼もの販売など多数
高松
店舗にシール・ポスター、讃岐三畜屋台など
琉球
沖縄ファミリーマート×キングスがコラボしたラッピングショップ「キングスマート」
チーム
80
応援自動販売機の数は、以下の通り。
応援自動販売機の数
チーム
台数
青森
36
仙台
16
新潟
21
群馬
40
浜松・東三河
213
滋賀
125
大阪
10
奈良
島根
高松
琉球
奈良を除く平均
61
7
27
55.6
2013年9月時点
81
⑫ 試合会場の工夫
(1)ハーフタイムショーの盛り上げ
チーム
内容
青森
地域の子供達のバトントワリング、チア等
仙台
スポンサーがらみのイベントが中心で、時折アーティストのライブを実施。
毎回内容を変えている: 仮装コンテスト、抽選会、チアスクール生による演出、プロのチアリーダーによる演出、地元人気アーティスト
新潟
によるミニコンサート
群馬
地元の出演者を毎回入れており、パフォーマンスの場を提供
浜松・東三河 地域のダンスチームや子供達による催し物、シュートボクシングなど異種競技も
滋賀
チアスクール発表会、地元ダンス団体発表
大阪
観客参加型のクイズ形式によるイベント等
奈良
地元のパフォーマーの参加
島根
冠スポンサー、地元産品のPRなど
高松
色々な団体を呼んできたり、ファンが参加したり。モノを出せる企業には、ゲームの賞品など。
沖縄
音と光に力を入れています。見えるもの、聞こえるものに注意しています。
(2)前座試合など
チーム
青森
ミニバス、中学生の試合、車イスバスケット等
仙台
新潟
群馬
浜松・東三河
滋賀
大阪
奈良
島根
高松
沖縄
内容
毎回、地元のチームによるエキシビションを開催(開場時間より、オープニングまで全て)
ミニバス、中学生のゲームを毎回
ミニバス、中学校のゲームや上記催し物も行っている
毎試合2試合の前座試合実施
バスケットスクール生の試合、チアスクール生の発表会等
バスケットの前座、ダンスパフォーマンス来演他
毎回必ず実施。ミニバス、障害者バスケットなど。
アカデミー、ミニバスケットの試合、FID(知的障害者)バスケットボールの試合などを前座で。
(3)その他の試合会場を盛り上げる仕組み
チーム
内容
青森
県内全域5会場であり、各地域の特性を生かしたイベント実施。郷土芸能、B級グルメ等。
仙台
キッズストリートと称して、子供向け縁日企画を実施している。
新潟
おやじナイト、ハロウィン、クラッシクデー、キッズデー他、毎回テーマを変えて演出効果を向上
チア、マスコットにより、第4Qのタイムアウト時に会場全体で踊りが定着、ボランティアスタッフによる着ぐるみを使ったパフォーマンスの
群馬
事前ネゴ
浜松・東三河 ロースター入場時の演出やスポンサー提供商品がもらえるダンスタイムなど
滋賀
飲食出店の充実、専属チアリーダーのレベルアップ
大阪
奈良
島根
高松
沖縄
今年から、フィンガー5の「学園天国」を、皆で黄色いタオル(これも今年から)を振りながら踊る企画を導入。昨年も同じような企画があっ
たが、観客のノリは悪かった。
お客様に自由にお楽しみいただく。応援を強制せず、応援団ではなく会場全体で自由に楽しむ。
(4)アウェイ試合での活動
チーム
内容
青森
自社で観光パンフレット作成、各市町村観光協会にパンフレット依頼。県りんご対策協議会提供によるアウェイでのりんご配布。
仙台
仙台市から観光PR事業を受託しており、年間10回ほど行っている。
新潟
なし
群馬
県とのタイアップにより年4~6ゲーム実施
浜松・東三河 アウェイユニフォームにシティプロモーションロゴを掲載
滋賀
出来ていません
大阪
奈良
島根
高松
沖縄
アウェイチームに出向きPR活動
高松、仙台などで2~3回。
香川プロスポーツクラブ連絡協議会がブースを出すなどしている。
本年度は滋賀、横浜、大阪の試合会場にて沖縄観光をPRします。
82
(bj チームの経営に関するアンケート 調査票)
bjチームの経営に関するアンケート
本調査は、bjリーグ本社のご了解、ご確認を得て、bjチームの経営に関するベストプラクティス研究を目的に実施するものです。
個別チームの「1.運営会社について」に関するご回答結果については、個別チームデータとして公表資料に記載しようとする場合、各チームの
ご了解を得るものとさせていただきます。また、結果については、bjリーグ本社と共有させていただく予定です。
以下の質問に、可能な範囲で構いませんので、できるだけ正確に必要事項をご記入してご回答いただけますよう、お願いいたします。
「はい」「いいえ」の質問には、当てはまるものに○を付けてください。
調査結果は、返信用封筒に入れて、そのまま投函してください。
回収期日: 2013年10月31日
ご回答謝礼: 図書カード2,000円
調査実施主体: 安田女子大学現代ビジネス学部 垰本一雄研究室
〒731-0153 広島市安佐南区安東6-13-1
Tel: 090-4524-1994 Fax: 082-878-9905
eMail: [email protected]
2013年10月7日
運営会社名
記入者氏名
住所
所属部署
Eメール
〒
電話番号
Fax番号
1.運営会社について
(1)損益情報(可能な範囲でご回答いただくか、既存の経営情報資料を添付いただけますよう、お願いいたします)
直近決算期 ( 年 月期)
≪営業収益≫
単位:百万円
金額
前期比増減 ≪営業費用≫
・スポンサー収入
・チーム人件費
・チケット売上収入
・試合関連経費
・放映権収入
・スクール他地元関連費用
・ブースタークラブ会員収入
・ブースタークラブ関連費用
・その他収入
金額
前期比増減
・販売費・一般管理費
営業収益計
・その他費用
営業費用計
(2)株主情報(直近決算期)
所有比率% ②株式を一般公募していますか?
株主
①株主構成
経営者個人(経営者保有の企業を含む)
はい( ) いいえ( )
その理由について、簡単にご説明いただけますか?
大スポンサー
地元自治体など
その他
2.ブースターについて
(1)有料入場者の比率
2012-2013シーズン
2011-2012シーズン
2010-2011シーズン
%
%
%
(2)ブースタークラブ会員数
2012-2013シーズン
2011-2012シーズン
2010-2011シーズン
83
人
人
人
3.地域密着の方法
(1)地元でのバスケスクール・クリニック、チアスクールなど
①開催対象と回数・参加者数(概略)
スクール種別 対象学校など
2012年
回数
2011年
参加者数
回数
参加者数
2010年
回数
参加者数
②バスケスクール・クリニック参加者への試合入場料優待など
→「あり」の場合、何割引などその形態
( )
あり( )
なし( )
③こうしたバスケスクール・クリニックに関して、行政の支援や関与はありますか?
はい( )
いいえ( )
→「はい」の場合、どんな形ですか?
(2)地元コミュニティへの浸透
・前シーズンの発行枚数
①招待券
枚
・招待券利用に関する貴チームのポリシー
・招待券利用の入場者獲得スキーム(例:1回目招待券、その場で割引券配布で2回目入場、3回目で有料入場などの想定フロー)
②地元行政機関(県・市など)を通じたPR、入場券の販売、招待券の配布などを行っていますか?
はい( )
③地元町内会などコミュニティ組織を通じたPR、入場券の販売、招待券の配布などを行っていますか?
はい( )
④地元パートナー・スポンサー企業を通じたPR、入場券の販売、招待券の配布などを行っていますか?
はい( )
⑤地元行政の支援はどのような形ですか? (例: 県知事が応援団長、市職員が会場ボランティア、制度による補助金など)
⑥地元スポンサーの数(2013年9月末)
⑦地元TV中継の数
2012-2013
4.PR活動
(1)経営者自身のPR活動の内容は?
(2)地元パートナー・スポンサーとタイアップした
PR活動は? (代表的なものを挙げてくださ
(3)応援自動販売機の台数は?
いいえ( )
いいえ( )
いいえ( )
社・団体 内、地元行政機関は何団体? ( )
回 2011-2012
回 2010-2011
回
例:講演
(約10回/年)
例:コラボ弁当
内容
(頻度)
内容
( ) ( ) ( ) ( )
(日曜約10回) (頻度・回数) ( ) ( ) ( ) ( )
台
2013年9月時点の台数
5.試合会場の工夫 (今実行されていることについて、可能な範囲で簡単にご説明ください)
(1)ハーフタイムショーについて、イベントなどどんな盛り上げの工夫をしていますか?
(2)前座試合など本来の試合以外の工夫は?
(3)その他、試合会場を盛り上げる仕組みは?
(4)アウェイ試合で、貴チームの地元紹介パンフレットを配布するなどして、ホームタウンへの来訪を促進する活動は?
6.その他、bjチームとしての経営に関するご意見などがあれば、自由にご記入ください。
ご多忙中わざわざ時間を取ってご回答いただき、ありがとうございました。心より感謝申し上げます。結果については取りまとめ後、「1.運営会社
について」に関する部分を除く要約版を各チームと共有させていただきます。その際、謝礼の品をお送りいたします。また他の公開データ等による
分析結果と合わせ、学会発表、論文執筆などに今回調査結果を利用させていただくことをお許しください。その場合、個別チームの「1.運営会社
について」に関するご回答結果については、個別チームデータとして公表資料に記載しようとする場合、各チームのご了解を得るものとさせてただ
きます。
以 上
84
卒業論文題目一覧
【青木ゼミ】論文指導:青木克仁
11121111
加藤 未来
なぜ「アイドル」は人々の心を掴むのか
11121112
門田 枝緒
依存症について
11121117
櫻井 愛子
脳死は死と言えるのか
11121129
田中 理紗
水資源の未来
11121137
中村 美貴
私たちは何故他人の目を意識するのか
11121148
平岡 ともよ
水、海洋汚染の問題について
11121155
丸子 莉奈
循環型社会~食料品について~
11121157
宮﨑 夏音
世の中お金が全てなのか
11121205
上田 祥子
音楽と人間はどう向き合っていくべきか
11121229
武井 佳穂
人はなぜ笑うのか
11121234
寺戸 加奈
象徴としての桜
11121265
山本 あかね
少年法の厳罰化について
11121266
横川 紘子
人間と動物は共存できるか
【塩崎ゼミ】論文指導:塩崎英明
11121108
釆原 星香
「意外性」マーケティングの研究
11121126
竹本 知世
住宅の未来
11121134
中川 千尋
コンビニコーヒーマーケティング
11121152
文田 千尋
ドラッグストアの差別化戦略
11121201
淺井 真帆
広告メディアの未来
11121227
髙橋 沙季
「お~いお茶」はなぜシェア№1なのか
11121231
蓼 尚子
ヒット飲料のマーケティング戦略
11121233
谷本 莉菜
男性向け美容ビジネスの行方
11121238
中村 菜美子
広島駅前再開発のゆくえ
11121241
西川 茉希
サマンサタバサのヒットの理由
11121243
西本 友香里
「ケータイ・マーケティング」の可能性
11121246
原田 佳奈
自動販売機マーケティング
11121261
森近 啓子
女性ファッション誌の未来
11121262
森山 麻衣
LCC は日本で成功するか
【ジョイゼミ】論文指導:Joy Jarman-Walsh
11121209
大本 舞
Japanese Regional Mascot's Effect on the Tourism Business.
11121221
信夫 惠子
Japanese souvenir business
85
【染岡ゼミ】論文指導:染岡慎一
11121109
岡田 季栄子
女子大学生の自分磨きに関する意識について
11121121
篠田 美紗
就活メイクについて
11121142
萩森 那波
ファストファッションについて
11121252
前薗 未来
紙の本の未来
11121256
村岡 梨紗
音楽による人への影響や効果について
【垰本ゼミ】論文指導:垰本一雄
11121103
池上 佳奈子
グローバル経営の課題
11121120
佐藤 千紘
「ダッフィー」キャラクタービジネス成功までの軌跡
11121136
中西 美咲
中国地方の中小企業の海外進出
11121143
濱田 咲
ソーシャルビジネスの課題と展望
11121151
古谷 遥
地方観光都市のマーケティング戦略
11121159
盛 香奈絵
プロスポーツ球団の経営
―東北楽天ゴールデンイーグルスの例―
11121164
柳矢 真希
ファッションセンターしまむらの経営戦略
11121165
山根 恵
プロスポーツが地域社会に与える影響
11121216
越水 三菜実
マリーナホップ活性化の経営戦略
~アウトレットとしての再生~
11121228
髙橋 里奈
サンフレッチェ広島の経営戦略
11121232
田中 結衣
洋菓子店の立地戦略
11121245
花咲 里奈
ファストファッション企業の競争戦略の違い
11121247
東田 早織
神楽の経営戦略
【田村ゼミ】論文指導:田村聡一郎
11121102
天野 真子
ペットビジネスの現状と今後の展望
11121130
津田 彩加
企業ロゴから見るカラー戦略に関する考察
11121133
頓宮 あかり
食生活と健康
11121239
中本 初美
製菓会社の経営戦略の比較
11121267
脇 菜穂美
喫煙に関する調査
【辻ゼミ】論文指導:辻 秀典
11121113
金子 みのり
説明上手になるために
11121114
唐椀 里帆
伝え方は学べる
11121125
田河 汐美
アメリカ人の食
11121146
久川 まりな
広島のプロスポーツチームの経済効果
11121154
松岡 美貴
女性の社会的地位
11121158
宮本 千春
さとり世代
11121163
安原 沙苗
スポーツ環境の現状と今後について
11121204
上川 真世
非嫡出子と現代社会
11121213
鎌倉 悠香
女性の社会進出
11121219
重末 優衣
日本の労働環境について
11121220
篠田 未来
色のイメージ効果
11121242
西田 有梨沙
働く女性のワークライフバランス
11121253
松尾 枝美
ディズニーリゾートの戦略
11121257
村上 文香
スウェーデンの雇用保障と子育て支援
【戸井ゼミ】論文指導:戸井佳奈子
11121106
井上 恵理子
セブンイレブンの経営戦略
11121115
木内 すみれ
LCC の参入は成功するのか
11121119
笹山 未莉眞
利用者視点における電子マネーの在り方
11121145
原田 美樹
ハウステンボスの経営戦略
11121156
三木 はつみ
無印良品の経営戦略
11121168
渡辺 早也佳
日本の自動車業界にみる経営戦略
11121169
林 知子
旭酒造はなぜ成功したのか
11121207
大窪 亜莉沙
広島に観光客を増加させるためには
11121215
神野 沙季
地方銀行の役割と将来性
11121223
菅 彩音
日本の資産運用の必要性
11121225
多賀 千亜紀
印刷業界の現状と課題
11121235
土居 彩花
消費者は何を見て購入するのか
11121244
長谷川 万莉
ポプラの経営戦略
11121260
森田 恵
SONY は復活できるのか
【西村ゼミ】論文指導:西村則久
11121110
柏原 知佳
Android 用旅行計画支援アプリの開発
11121138
鍋島 裕湖
Visual Basic を使った近代ポーカーの制作
11121162
保田 彩
iPhone で楽しめるオセロゲームの開発
11121224
孫 秀美
Visual Basic を使ったいろはかるたの制作
【畑井ゼミ】論文指導:畑井淳一
11121104
石川 静菜
日本人の働き方に関する研究
11121116
岸田 絵里
サマータイム導入による効果
11121140
新田 紗季
広島の国際的認知度に関する研究
11121160
森岡 萌
笑いがもたらす影響力
11121161
門利 知香
健康におけるダイエットと生活習慣病に関する研究
11121167
吉田 梨穂
日本の航空業界における LCC の展望
11121203
今岡 有紀
「完壁主義者」といわれる日本人のこれから
11121240
西上 杏菜
異文化理解が日本に及ぼす効果
11121249
藤井 英里香
日本は観光立国になれるか
11121251
前 響子
スポーツにおける日本、及び期待されること
11121254
松本 優希
ゆとり世代の現状とこれから
11121264
山根 彩綾
ホスピタリティの可能性
【森岡ゼミ】論文指導:森岡文泉
11121131
戸野廣 千晴
日本の損害保険業界の実態と変遷
11121147
樋野 綾香
中国の人口問題
11121206
瓜生 紗也
ディズニーのおもてなしについて
11121212
金子 真純
消費増税による影響
11121214
桑木 里穂
価格と生活から見る経済
11121217
近藤 紗也香
J リーグの主なスタジアムの観客動員数について
11121222
新迫 美由紀
中国高度経済成長と引き起こされた社会問題
11121226
髙野 美紅
中国の環境汚染と日本に及ぼす影響
11121236
德永 美咲
スターバックスの経営戦略
11121255
宮本 千菜美
韓国経済成長の実態と政策
11121258
望戸 里紗
東京ディズニーリゾートの経営戦略
11121263
矢崎 理奈
リッツ・カールトン・ホテルのもてなしについて
11121268
渡邊 美波
アニメがもたらす経済効果
【八城ゼミ】論文指導:八城年伸
11121101
青戸 智奈美
音楽業界の現状と課題~おまけ商法に焦点を当てて~
11121107
上田 杏依
バレーボールのプロリーグ化の現状と課題
11121123
新宅 倫子
電子書籍の普及について
11121124
髙橋 萌子
宝塚歌劇 100 周年に学ぶ
11121127
多田 早苗
情報化が再生可能エネルギーに与える影響について
11121128
舘林 古都子
動画配信の現状と将来
~レンタルビデオショップは生き残ることができるのか~
11121132
豊島 晶帆
仮想空間について
11121135
長島 早紀
セブンイレブンの経営戦略
11121141
灰原 里香
出生順位と性格
~きょうだい関係は性格形成に影響を与えるのか~
11121144
林 南樹
ヒット曲における曲名の特性について
11121153
前田 由衣
SNS が及ぼす影響
11121166
山本 幸奈
近年の嫌中・嫌韓について
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大山 純菜
日本での国際結婚について
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小川 茉希
自動車業界の今後のゆくえについて
―若者のクルマ離れに焦点を当てて―
【山下ゼミ】論文指導:山下明博
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藤岡 沙紀
三次元 CG によるヴェネチアの街並の再現に関する研究
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荒木 さよこ
現代の木造建築の三次元 CG による表現に関する研究
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太田 果歩
三次元 CG を用いたスマートフォン表現技術に関する研究
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佐々木 ちはる
三次元 CG によるアニメーションのアイテム表現に関する研究
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森 美咲
新広島市民球場の三次元 CG による表現に関する研究