修士学位論文 トラック運送事業における ドライバーの労働実態の把握に関する研究 平成 22 年度 (2011 年 3 月) 東京海洋大学大学院 海洋科学技術研究科 海運ロジスティクス専攻 藍郷 なつき トラック運送事業におけるドライバーの労働実態の把握に関する研究 目次 第1章 序論 .......................................................................................................................................1 1.1 本研究の背景 ...........................................................................................................................1 1.2 本研究の目的 ...........................................................................................................................3 1.3 本研究の構成 ...........................................................................................................................4 第2章 トラック運送事業の現状と課題 ............................................................................................6 2.1 国内貨物の輸送量とトラック運送事業者数 ............................................................................6 2.2 トラック輸送における実勢運賃と車両価格 ..........................................................................12 2.3 トラック運送事業者の経営実態と労働実態 ..........................................................................14 2.4 脳・心臓疾患(過労死)と精神疾患等の要因 ............................................................................18 2.5 長時間労働と脳・心臓疾患(過労死)数等の関係 ....................................................................21 第3章 ドライバーの労働に関する法律について............................................................................27 3.1 労働基準法の概要 ..................................................................................................................27 3.2 自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(改善基準告示)の概要 .................................29 第4章 運転日報データの概要 ........................................................................................................34 4.1 運転日報のデータ項目及び項目間の関係 ..............................................................................34 4.2 運転日報の基本情報(乗務員数、車両台数等) ........................................................................38 4.3 法律用語とデータの関係性 ...................................................................................................42 第5章 ドライバーの労働実態の分析 .............................................................................................43 5.1 分析方法 ................................................................................................................................43 5.2 労働時間に関する分析結果 ...................................................................................................44 5.2.1 1 週間単位の労働時間 .....................................................................................................44 5.2.2 1 日単位の労働時間 ........................................................................................................47 5.3 休憩時間に関する分析結果 ...................................................................................................50 5.3.1 労働時間が 6 時間超であり 8 時間以下の場合の休憩時間 ..............................................50 5.3.2 労働時間が 8 時間超であり 10 時間以下の場合の休憩時間 ............................................53 5.3.3 労働時間が 10 時間を超える場合の休憩時間 ..................................................................56 5.4 拘束時間に関する分析結果 ...................................................................................................59 5.4.1 1 カ月単位の拘束時間 .....................................................................................................59 5.4.2 1 日単位の拘束時間 ........................................................................................................62 5.4.3 1 週間内に 1 日の拘束時間が 15 時間を超える回数 .......................................................65 5.5 休息期間に関する分析結果 ...................................................................................................68 i 5.6 運転時間に関する分析結果 ...................................................................................................71 5.6.1 1 日単位(2 日平均)の運転時間 ........................................................................................71 5.6.2 1 週間単位(2 週間平均)の運転時間 .................................................................................74 第6章 ドライバーの長時間労働における改善策の検討 .................................................................77 6.1 分析方法 ................................................................................................................................77 6.2 荷役時間の分析結果 ..............................................................................................................79 6.2.1 荷積時間 .........................................................................................................................79 6.2.2 荷卸時間 .........................................................................................................................91 6.2.3 平均荷役時間 ................................................................................................................103 6.3 空車走行時間の分析結果 .....................................................................................................105 6.3.1 一般道の空車走行時間 ..................................................................................................105 6.3.2 高速道の空車走行時間 .................................................................................................. 117 6.3.3 専用道の空車走行時間 ..................................................................................................129 6.3.4 道路種別平均空車走行時間 ...........................................................................................141 6.4 長時間労働を引き起こす要因 ..............................................................................................147 6.5 改善策の検討 .......................................................................................................................151 第7章 結論 ...................................................................................................................................154 7.1 本研究のまとめ ...................................................................................................................154 7.2 今後の課題 ..........................................................................................................................156 謝辞 .................................................................................................................................................157 参考文献 ..........................................................................................................................................158 ii 第1章 序論 1.1 本研究の背景 我が国の国内貨物輸送量は、国内輸送トン数の場合、近年では減少傾向にある。一方で、国内輸送 トンキロ数の場合、近年では横ばいの傾向にある(1)。そして、国内貨物輸送の機関別分担率の推移を トンキロベースで見ると、昭和 50 年から内航海運や鉄道などが減少しているのに対し、営業用トラ ックや自家用トラックを含めた、トラック総合は年々増加している。さらに、2008 年の国内貨物輸 送量の現状をトンベースで見ると、トラックの輸送機関分担率が全体の約 92%と大半を占めている。 トンベースでは、全体の約 62%を占めていた(2)。よって、この現状からトラック輸送産業は、現代の 我が国において、重要な産業となっていることが分かる。 また、トラック運送産業事業者数は、年々増加している。このようなトラック運送事業者数の増加 は、貨物自動車運送事業法による参入規制緩和を受けて、新規参入が増加したためである。1991 年 以降、一般トラック運送事業を中心に毎年 1,500 者を超える新規参入が続いている(3)。そのため、ト ラック運送事業者の競争が激化している。そして、トラック運送事業者の経営規模は、事業によって 異なり、特別積合せでは比較的大手の事業者が多いのに対し、他の事業では極めて小規模なトラック 運送事業者が大多数を占めている。2008 年のトラック運送事業者の規模を従業員数別で見ると、従 業員数 20 人以下のトラック運送事業者が全体の約 71%を占めていた。車両数別では、車両数 20 両 以下のトラック運送事業者が全体の約 78%を占めていた。資本金別では、2009 年の場合、501 万円 以上 3,000 万円以下のトラック運送事業者が全体の約 54%を占めていた(3)。この結果から、わが国の トラック運送業界は極めて小規模なトラック運送事業者によって構成されていることが分かる。 次に、トラック運送事業の経営実態についてである。トラック運送事業者の営業収益、営業収益営 業利益率を見る。営業収益では、年々減少傾向にある。営業収益を車両規模別で見ると、全ての規模 で前年度に比べ減少しており、トラック運送業界は依然厳しい状況が続いている。営業収益営業利益 率でも、年々減少傾向にある(2)。そして、トラック運送事業者の倒産状況は、2006 年から 2008 年に かけて増加している(3)。また、トラックの車両価格と物価指数の推移では、物価指数は 1989 年から 2008 年にかけて横ばいであるのに対し、トラックの車両価格は、1989 年と比べて 2009 年では約 2 倍にもなっている。2010 年の自動車関係諸税の税収額では、車体課税の合計が 34,759(億円)、燃料 課税の合計が 42,189(億円) (2)となり、他産業と比較してもコスト負担の大きい産業であることが分か る。トラックの車両価格や税収額が高いことも、トラック運送事業者の経営を圧迫していると考えら れる。 さらに、トラック運送事業の労働実態についてである。 2008 年の産業別月間労働時間および平均月間収入を見ると、全産業では月間労働時間が約 149 時間 で、所定外労働時間が約 11 時間であった。平均月間収入は全産業で約 33 万円、時間当たりの賃金 にすると、2219 円であった。一方、道路貨物運送業(トラック運送業)は、月間労働時間が約 183 時 間で、所定外労働時間が約 28 時間、平均月間収入は約 29 万円、時間当たりの賃金は 1597 円であっ た(3)。全産業とトラック運送業を比較すると、月間労働時間や所定外労働時間は著しく長く、平均月 間収入や時間当たりの賃金は低いことが分かる。つまり、トラック運送事業は、低賃金、過労働とな っている。そして、トラックドライバーの年齢構成を見ると、20 歳~29 歳以下の割合は年々、減少 1 傾向にあり、1993 年は約 26%であるのに対し、2008 年では約 8%にすぎない。一方で、50 歳以上 の割合は年々、増加傾向にあり、1993 年は約 18%であるのに対し、2008 年では約 32%となってい る(2)。この結果から、トラック運送業のドライバーも少子高齢化となっていることが分かる。 トラック運送業は、我々の生活や社会を営む上で、非常に重要な産業である。しかし、現状は、中 小零細規模の事業者が多く、昨今の不景気の影響も受けて、営業収益もさらに低くなり、倒産件数も 増加している。また、他産業と比較すると、トラック運送事業のドライバーの労働実態は、低賃金か つ長時間労働と厳しい状況である。そして、ドライバーの少子高齢化も進んでいる。このようなトラ ック運送事業が抱える問題の中で特に改善が必要なのは、ドライバーの労働実態である。ドライバー の長時間労働等は、安全運転を妨げる要因や過労死、精神疾患など健康を害する要因の一つともなる。 つまり、人の生死に関わる問題になるのである。 このようなドライバーの労働、健康、安全等に関する既存研究は、以下のようなものがある。 参考文献(4)では、トラックドライバーの安全運転を行う上で抱く負担感の構造や特徴、計器盤内 に表示されるインジケータに対する理解状況をアンケートで調査し、負荷軽減策のあり方を見直した。 また、車両状態を把握しやすいメタゲージの仕様について実験的に検討している。 参考文献(5)では、全日本運輸一般労働組合労働者の労働と健康の関連、必要な労働条件の改善、 規制のあり方の検討のために、「労働と健康に関するアンケート調査」を行った。この報告では、回 答者の大半を占めたトラック運転手について検討している。 参考文献(6)では、長距離トラック運転員の不安全運転行動の一つである、高速道路での車線変更 を取り上げ、運転行動記録から車線変更を検出する技術を開発すると共に、道路交通環境が運転員の 状態や車線変更に及ぼす影響を明らかにしている。 参考文献(7)では、環境・安全対策と競争条件の変化、生き残りをかけた事業者の努力など、現在、 トラック運送事業者が抱えている問題を述べており、特に NOx・PM 法に伴う排出ガス規制適合車 の代替やコスト負担の増加、ジャストインタイム方式による輸送品質の向上などについて検討してい る。 参考文献(8)では、軽貨物自営業者の就業や生活の実態を明らかにするために、北海道内の軽貨物 自営業者を対象に質問紙調査と聞き取り調査を実施した。この調査結果を基に、運賃体系やドライバ ーの就業時間、所得水準等の内容がまとめられている。 つまり、既存研究では、ドライバーの疲労を軽減するためのメータ、解析ソフト等の装置の開発に 関する研究やドライバーの 1 日の就業時間や 1 ヶ月の休日日数の把握等の労働実態に関する研究が 行われている。 しかし、上記の既存研究において、ドライバーの労働実態の把握では、就業時間等の大雑把な時間 についてしか検討されておらず、ドライバーの働いている時間(労働時間や拘束時間、荷役時間等)や 休んでいる時間(休憩時間等)のように、詳細な時間に分けて検討されていない。 また、労働基準法等の法律で定められている時間を指標として分析を行った研究もなく、ドライバ ーの長時間労働の要因の抽出や、その問題の改善策も検討されていないのが現状である。 2 1.2 本研究の目的 そこで、本研究は、トラック運送事業者におけるドライバーの労働実態を、時間の観点から調査し、 長時間労働等の労働上の問題やその要因を抽出すると共に、長時間労働の改善策を検討することを目 的とする。 分析を行うにあたり、実際のトラック運送事業者におけるドライバーの運転日報の就業時間や休憩 時間、出社・退社日時、走行時間等のデータから、労働基準法、自動車運転者の労働時間等の改善の ための基準(改善基準告示)で定められている、労働時間や休憩時間、拘束時間や休息期間、運転時間 等を求め、ドライバーの労働実態の把握を行う。 また、ドライバーの長時間労働等の問題を考えるためには、様々な時間から労働実態を把握する必 要がある。その様々な時間は、ドライバーが働いている時間とドライバーが休んでいる時間に分けら れる。労働基準法、改善基準告示を基に考えると、働いている時間には、労働時間や拘束時間、運転 時間等が該当し、休んでいる時間には、休憩時間や休息期間が該当する。よって、このような詳細な 時間に分けて分析を行う。 3 1.3 本研究の構成 本論文の構成について説明する。図 1 は本研究の流れを示したものである。 第 1 章では、本研究の序論についてまとめる。具体的には、研究背景(既存研究)、研究目的、本研究 の構成について述べる。 第 2 章では、トラック運送事業の現状と課題について説明する。そのため、トラック運送事業の現 状や長時間労働と脳・心臓疾患(過労死)数等の関係など、直面している課題について述べる。 第 3 章では、ドライバーの労働に関する法律について説明する。そのため、労働基準法や自動車運 転者の労働時間等の改善のための基準(改善基準告示)の概要について述べる。 第 4 章では、実際のトラック運送事業者の運転日報データの概要について説明する。そのため、運 転日報のデータ項目及び項目間の関係や法律用語とデータの関係性などについて述べる。 第 5 章では、ドライバーの労働実態の分析について説明する。そのため、分析方法や労働時間、休 憩時間、拘束時間、休息期間、運転時間の分析結果を述べる。 第 6 章では、ドライバーの長時間労働における改善策の検討について説明する。そのため、分析方 法や荷役時間、空車走行時間の分析結果、長時間労働を引き起こす要因、改善策の検討について述べ る。 第 7 章では、本研究の結論についてまとめる。具体的には、本研究のまとめ、今後の課題について 述べる。 4 第1章 序論 ・背景(既存研究) ・目的 第2章 トラック運送事業の現状と課題 ・貨物の輸送量と事業者数 ・実勢運賃と車両価格 ・過労死等の要因 第3章 ・経営状況 ・過労死数等の比較 ドライバーの労働に関する法律について ・労働基準法 第4章 ・研究構成 ・自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(改善基準告示) 運転日報データの概要 ・運転日報のデータ項目及び項目 第5章 ・運転日報の基本情報 ・法律用語とデータの関係性 ドライバーの労働実態の分析 ・分析方法 ・労働時間、休憩時間の分析結果 ・拘束時間、休息期間、運転時間の分析結果 第6章 ドライバーの長時間労働における改善策の検討 ・分析方法 ・荷役時間、空車走行時間の分析結果 ・長時間労働を引き起こす要因 ・改善策の検討 第7章 ・まとめ 結論 ・今後の課題 図 1 本研究の流れ 5 第2章 トラック ク運送事業の現状と課 課題 2.1 国内貨物の輸送 送量とトラッ ック運送事業 業者数 我が国 国の貨物輸送 送量は、2008 年のリーマ マンショック ク以降、景気 気の急激な悪 悪化を受け、低調に推移 移 してきて ている。まず ず、国内貨物 物輸送量につ ついて述べる。 まず、図 2.1.1 に、トンベー に ースの国内貨 貨物輸送量の推移(1)(3)を示 示し、図 2.11.2 に、トン ンキロベース 貨物輸送量の の推移(1)(3)を表 表した図を示 示す。 の国内貨 8 8,000,000 7 7,000,000 2008 年 ( 6 6,000,000 輸 送 5 5,000,000 量 4 4,000,000 千 3,000,000 ト 3 ン 2 2,000,000 5,144,2445 2,616,397 7 ) 1,000,000 0 196 65 1970 1975 1980 19 985 1990 1995 1 2000 2005 2010 年 年度(年) 図 2.1.1 国内貨物輸 輸送量の推移 移(トンベー ス) 7 700,000 ( 600,000 輸 6 送 5 500,000 量 400,000 百 4 万 300,000 ト 3 ン 200,000 キ 2 ロ 100,000 557,5441 18 85,726 ) 0 1965 1970 1975 5 1980 19 85 1990 1995 2000 2005 2010 年 年度(年) 図 2.1.2 国内貨物輸 輸送量の推移 移(トンキロベ ベース) 6 図 2.1.1 より、2008 年のトンベースの国内貨物輸送量は 51.4 億トン(前年度比 4.6%減)であること が分かる。近年一貫して減少が続いており、減少傾向に歯止めがかかっていない。 一方、図 2.1.2 より、2008 年のトンキロベースの国内貨物輸送量は 5,575 億トンキロ(前年度比 4.2% 減)であることが分かる。2004 年から 2007 年まで 4 年連続の増加となり、2007 年には過去最大の 5,822 億トンキロに達した。しかし、2008 年は一転して大幅な減少となった。 そして、輸送機関別分担率について述べる。 図 2.1.3 に、トンベースの 2008 年の輸送機関別分担率(2)を示し、図 2.1.4 に、トンキロベースの 2008 年の輸送機関別分担率(2)の図を示す。 鉄道,46 1% 航空, 1 0.02% 内航海運, 379 7% 貨物自動車 (自家用) 1,910 37% 5,144 (単位:百 万トン) 貨物自動車 (営業用) 2,808 55% 図 2.1.3 2008 年の国内輸送機関分担率(トンベース) 鉄道,222 4% 内航海運, 1,879 34% 航空, 11 0.2% 5,576 (単位:億 トンキロ) 貨物自動車 (営業用) 3,028 54% 貨物自動車 (自家用), 436 8% 図 2.1.4 2008 年の国内輸送機関分担率(トンキロベース) 7 1.3 より、トンベースのトラック(営 営業用+自家 家用)の輸送機 機関分担率は は約 92%と大 大半を占めて て 図 2.1 おり、内 内航海運は約 約 7%、鉄道は約 1%であ あることが分 分かる。 一方、図 2.1.4 より、トンキロベースの トラック(営 営業用+自家用 用)の輸送機 機関分担率は約 62%を占 占 り、内航海運 運は約 34%、鉄道は 4% であることが が分かる。 めており この結 結果から、トラック輸送 送産業は、我々 々の社会や生 生活を営む上 上で非常に重 重要な産業で であることが が 分かる。 次に、トラック運 運送事業者数 数について述 述べる。 国のトラック ク運送事業者 者数は、ほぼ一 加を続けてき きた。これま までのトラッ ック運送事業 業 わが国 一貫して増加 者数の増 増加には、物 物流二法の施 施行が関係し している。物 物流二法は、 「貨物自動車 車運送事業法 法」と「貨物 物 運送取扱 扱事業法」で である。これらは、トラッ ックを自ら運 運行して輸送 送する事業と と営業行為と として輸送サ サ ービスを を利用する事 事業を規定す する法律とし して、1990 年 12 月に施行 行された。物 物流二法の主 主な特徴は、 規制緩和 和を法的に進 進めたこと、路線と一般区 路 区域に分かれ れていたトラ ラック事業を を一本化し営 営業の自由度 度 を高めた たこと、輸送機 機関別に規定 定されていた た取扱事業を を一本化し複 複合輸送に対 対応しやすい い環境を整え え たこと等 等が挙げられ れる。その後 後、2002 年 3 月には、改 改正物流二法 法が施行され れた。その内 内容は、トラ ック事業 業での営業区 区域規制の廃 廃止や運賃・料 料金に関する る事前届出制 制の廃止など ど経済的規制 制を緩和する 一方、安 安全面など社 社会的規制を を強化する内 内容になっており、「物流 流二法」施行 行時の流れを をさらに進め め たものと となっている る。よって、物流二法施 施行以後は参入者がさらに急増して、 、毎年 1000 者超の純増 増 が続いた た。このようなトラック運 運送事業者の の増加は、貨物自動車運 貨 送法による参 参入規制緩和 和を受けて、 新規参入 入が増加した たためである る。1991 年以 以降、一般トラック運送事業を中心に に毎年 1500 者を超える 新規参入 入が続いてい いる。一方、廃業や倒産 産などによる退出も相次い いでおり、22002 年以降は毎年 10000 者を上回 回る退出が続 続いている(3))。 図 2.1 1.5 に、トラック運送事業者数の推移 移(2)(3)を示す す。 70,000 60,000 事 50,000 業 40,000 者 数 30,000 者 20,000 62,892 39,,555 ( ) 10,000 0 3 1995 199 7 1999 200 01 2003 20 005 2007 1989 1991 1993 年 年度(年) 図 2.1.5 トラック運 運送事業者数 数の推移 8 図 2.1.5 より、2008 年トラック運送事業者数は、6 万 2,892 者であることか分かる。2006 年以降増 加率は鈍化に向かい、2008 年末には減少した。また、2008 年は 1860 者の新規参入があった一方で、 退出事業者数が過去最多の 2090 者に達したため、230 者の減少に転じた。 この結果から、トンベースの国内貨物輸送量は減少傾向であるのに対し、トラック運送事業者数は 増加しているため、トラック運送事業者間の競争は益々激化すると考えられる。 さらに、トラック運送事業者の規模構成について述べる。トラック運送事業者の経営規模は事業に よって異なっている。特別積合せでは比較的大手のトラック運送事業者が多いのに対し、他の事業で は中小零細の事業者が大多数を占めている。 そこで、まず、トラック運送事業者の経営規模を従業員数別で見る。 図 2.1.6 に、1989 年と 2008 年の従業員数別のトラック運送事業者数の比較(2)の図を示す。 35.6% 1989年 28.8% 15.5% 10.1% 10.0% 10人以下 11~20人 21~30人 8.6% 47.6% 2008年 23.5% 10.9% 9.3% 31~50人 51人以上 0% 20% 40% 60% 割合(%) 80% 100% 図 2.1.6 従業員数別トラック運送事業者数の比較 図 2.1.6 より、1989 年の場合、従業員数 10 人以下の割合が全体の約 36%であり、11~20 人以下の 割合が全体の約 29%を占めていることが分かる。一方、2008 年の場合は、従業員数 10 人以下の割 合が全体の約 48%であり、11~20 人以下の割合が全体の約 24%を占めていた。つまり、従業員数 20 人以下のトラック運送事業者は、1989 年では全体の約 64%、2008 年では全体の約 71%を占めてい る。よって、2008 年は 1989 年に比べて、従業員数 20 人以下の極めて小規模なトラック運送事業者 は増加していることが分かる。また、従業員数 51 人以上のトラック運送事業者は減少していること が分かる。 9 次に、トラック運送事業者の経営規模を保有車両数別で見る。 図 2.1.7 に、1989 年と 2008 年の車両数別のトラック運送事業者数の比較(2)の図を示す。 42.8% 1989年 28.0% 9.8% 7.1% 12.3% 10両以下 11~20両 56.5% 2008年 6.9% 5.8% 21.7% 9.2% 21~30両 31~50両 51両以上 0% 20% 40% 60% 割合(%) 80% 100% 図 2.1.7 車両数別トラック運送事業者数の比較 図 2.1.7 より、1989 年の場合、車両数 10 両以下の割合が全体の約 43%であり、11~20 両以下の割 合が全体の 28%を占めていることが分かる。一方、2008 年の場合は、車両数 10 両以下の割合が全 体の約 57%であり、11~20 両以下の割合が全体の約 22%を占めていた。つまり、車両数 20 両以下の トラック運送事業者は、1989 年では全体の約 71%、2008 年では全体の約 78%を占めている。 よって、2008 年は 1989 年に比べて、車両数 20 両以下の極めて小規模なトラック運送事業者は増 加していることが分かる。また、車両数 51 両以上のトラック運送事業者は減少していることが分か る。 10 そして、トラック運送事業者の経営規模を資本金別で見る。 図 2.1.8 に、以下に、2008 年の資本金別のトラック運送事業者数(3)の図を示す。 2.5% 6.5% 5.0% 3.8% 100万円以下 300万円まで 18.4% 500万円まで 1千万円まで 21.9% 3千万円まで 10.4% 5千万円まで 1億円以上 その他 31.7% 図 2.1.8 2008 年の資本金別トラック運送事業者数 図 2.1.8 より、資本金 100 万円以下のトラック運送事業者は全体の 5%で、300 万円以下は約 18%、 500 万円以下は約 10%、1 千万円以下は約 32%、3 千万円以下は約 22%、5 千万円以下は約 4%、1 億円以上は全体の約 3%であることが分かる。この結果より、501 万円以上 3,000 万円以下のトラッ ク運送事業者が全体の約 54%を占めていることが分かる。 以上の結果から、トラック運送事業は、極めて中小規模のトラック運送事業者で構成されているこ とが分かった。 11 2.2 トラック輸送における実勢運賃と車両価格 まず、トラック輸送における実勢運賃について述べる。 現在、トラックの実勢運賃や貸切運賃などの水準は、リーマンショック後の物量急減によって、全 体として横ばいとなっている。この理由としては、トラックの減車やトラック運送事業者の廃業によ る運賃の高騰という上向き要素と景気後退による運賃の下落という下向き要素が拮抗して、結果的に 横ばいに収まったということが考えられる(9)。 図 2.2.1 に、4 トントラックの距離制貸切運賃の推移(9)を示し、図 2.2.2 に、10 トントラックの距 離制貸切運賃の推移(9)を示す。 70,000 60,000 50,000 実 勢 40,000 運 賃 30,000 円 20,000 50km 100km ( 300km ) 500km 10,000 0 1985 1990 1995 2000 2005 2010 年度(年) 図 2.2.1 4 トントラックの距離制貸切運賃の推移 100,000 90,000 80,000 円 70,000 60,000 50km 50,000 100km 40,000 300km 30,000 500km ( 実 勢 運 賃 ) 20,000 10,000 0 1985 1990 1995 2000 2005 年度(年) 図 2.2.2 10 トントラックの距離制貸切運賃の推移 12 2010 図 2.2.1 と図 2.2.2 より、1994 年に最も高い運賃を示し、その後は横ばい、もしくは減少傾向にあ ることが分かる。そして、4 トントラック、10 トントラック共に、距離 50km や 100km の貸切運賃 に対し、距離 500km の貸切運賃の方が、実勢運賃の増減幅が激しいことが分かった。 次に、トラックの車両価格と物価指数について述べる。 トラック運送事業者にとって、実勢運賃の低迷は経営を存続する上で非常に厳しいものである。そ もそも、利益を生み出すには、収入を上げる事と、支出を下げる事が考えられる。トラック運送事業 者が支出を下げるためには、固定資産の一つであるトラックについて考える必要がある。ここでは、 トラックの車両価格が近年、どのように推移しているかを見る。 そこで、図 2.2.3 に、トラックの車両価格と物価指数の推移(2)の図を示す。 2.0 2.0 1.9 1.8 1.7 1.6 指 1.5 数 1.4 車両価格 物価指数 1.3 1.2 1.1 1.1 1.0 1989 1994 1999 年度( 年) 2004 2009 図 2.2.3 トラックの車両価格と物価指数の推移 図 2.2.3 は、1989 年の物価指数を 1.0 としたときのトラックの車両価格と物価指数を示している。 図 2.2.3 より、物価指数は 2008 年で 1.1 となり、1989 年から横ばいであるのに対し、トラックの車 両価格は 2009 年で 2.0 となり、1989 年と比較すると、約 2 倍に増加している。この理由は、政府 が定めた環境規制やスピードリミッター等の装着の基準を満たすために、トラック 1 台当りの価格 が上昇していると考えられる。今後、さらに排ガス規制などが厳しくなるため、トラックの車両価格 の更なる高騰が予想される。 このように、実勢運賃は横ばいのため、収入は以前と変わらないのに対し、トラックの車両価格等 は高騰しているため、支出は増加すると考えられる。よって、トラック運送事業者の経営は厳しいこ とが分かる。 13 2.3 トラック運送事業者の経営実態と労働実態 まず、トラック運送事業者の営業収入等について述べる。 表 2.3.1 に、トラック運送事業者の営業収益・営業利益率の推移(3)を示す。 表 2.3.1 トラック運送事業者の営業収益・営業利益率の推移 営業収益(千円) 営業利益率(%) 18年度 19年度 20年度 18年度 19年度 20年度 (▲3.5) (▲5.6) (▲2.4) 全体 0.1 ▲ 0.4 ▲ 1.3 219,282 206,967 202,005 (▲11.1) (▲5.1) (▲2.4) ~10台 ▲ 4.7 ▲ 2.7 ▲ 3.7 53,250 50,538 49,311 (▲0.3) (▲2.9) (▲1.4) 11~20 ▲ 0.9 ▲ 2.8 ▲ 1.3 137,857 133,924 132,071 (1.5 (▲6.4) (▲1.1) 21~50 0.4 ▲ 1.0 0.1 321,162 300,621 297279 -0.6 (▲4.1) (▲5.2) 51~100 1.0 ▲ 0.1 0.3 707,716 678,501 642912 (▲8.9) (▲4.8) (▲10.0) 1.1 0.4 0.5 101台以上 1,333,890 1,269,478 1143118 区分 車 両 規 模 別 表 2.3.1 より、平成 20 年度(2008 年)におけるトラック運送事業営業収益については、2 億 200 万 5 千円と、前年度の 2 億 696 万 7 千円に比べて 2.4%の減収であることが分かる。平成 19 年度(2007 年)の前年度比 5.6%減と比較すると、減少幅は縮小している。2008 年の車両規模別では、全ての規 模で前年度に比べ減少しており、トラック運送業界は依然として厳しい状況が続いている。車両数 10 台以下が 2.4%減、11~20 台以下が 1.4%減、21~50 台以下が 1.1%減、51~100 台以下が 5.2%減、 101 台以上が 10%減となっている。よって、車両数が多いトラック運送事業者において減収の傾向 が顕著に表れている。 一方、営業収益に対する営業利益率を見ると、平成 18 年度(2006 年)はプラス 0.1%と黒字であっ たが、2007 年に全体でマイナス 0.4%と赤字に転落し、さらに 2008 年にはマイナス 1.3%と赤字幅 が拡大したため、年々減少傾向にある。2008 年の車両規模別では、車両数 10 台以下が 4.7%減、11~20 台以下が 2.8%減、21~50 台以下が 1.0 %減、51~100 台以下が 0.1%減、101 台以上が 0.5%増となっ ている。101 台以上の規模の事業者で小幅ながら黒字を維持したが、その他の規模ではいずれも赤字 となっている。特に、車両数 10 台以下では前年度からさらに 1.0 ポイント低下し、車両数 11~20 台 以下でも赤字幅が拡大したことが分かる。 14 また、トラック運送事業者の倒産状況等について述べる。 図 2.3.1 に、倒産件数の推移(3)を示し、図 2.3.2 に、負債総額の推移(3)の図を示す。 400 366 350 300 倒 産 250 件 200 数 150 件 100 340 183 116 ( ) 50 0 2006 2007 2008 2009 年度(年) 図 2.3.1 トラック運送事業者の倒産件数の推移 図 2.3.1 より、倒産件数の推移では、2006 年が 116 件、2007 年が 183 件であったが、2008 年に は 366 件と 2 倍になっていることが分かる。その後、2009 年は 340 件となっており、2008 年より は 26 件減少しているが、依然として高い水準を示していることが分かる。 1200 989 1000 853 負 債 800 総 額 600 395 ( 億 400 円 220 ) 200 0 2006 2007 2008 2009 年度(年) 図 2.3.2 トラック運送事業者の負債総額の推移 一方、図 2.3.2 の負債総額の推移では、2008 年には 989 億円と 2007 年に比べて約 2.5 倍になって いることが分かる。その後、2009 年は 853 億円となっており、2008 年よりは 136 億円減少してい るが、高い水準を示している。これは、営業収益や営業利益率の低迷によって生じていると考えられ 15 る。 営業収益や営業収益率は低下しており、倒産件数や負債増額は増加しているため、この結果からも、 トラック運送事業者の経営は厳しい状態であることが分かる。 次に、産業別月間労働時間及び平均月間収入について述べる。 これまで、トラック運送事業者の経営実態について述べてきたが、ここでは視点を変えて、様々な産 業の労働実態を把握するために、産業別月間労働時間及び平均月間収入を見る。 表 2.3.2 に、産業別月間労働時間及び平均月間収入の状況(3)を示す。 表 2.3.2 産業別月間労働時間及び平均月間収入の状況 2007 年 業種\項目 月間労働時間(h) 平均月間収入(円) 時間当たりの賃金(円) 全産業 150.7(11.0) 330,313 2,192 製造業 166.2(16.6) 374,484 2,253 卸売業・小売業 140.5(6.7) 268,016 1,908 金融・保険業 152.8(12.0) 507,075 3,319 サービス業 151.7(10.9) 309,942 2,043 運輸業 178.6(24.9) 336,548 1,884 道路貨物運送業 187.0(29.5) 299,701 1,603 2008 年 業種\項目 月間労働時間(h) 平均月間収入(円) 時間当たりの賃金(円) 全産業 149.3(10.7) 331,300 2,219 製造業 163.6(15.2) 374,362 2,288 卸売業・小売業 140.3(6.8) 273,768 1,951 金融・保険業 152(12.3) 491,171 3,231 サービス業 150.7(10.9) 314,280 2,085 運輸業 176.2(23.7) 332,202 1,885 道路貨物運送業 183.4(27.9) 292,867 1,597 出所:厚生労働省「毎月勤労統計調査年報」(事業所規模 5 人以上) 注 1:月間労働時間のうち( )内数字は所定外労働時間数 16 表 2.3.2 より、2007 年の場合、全産業では、月間労働時間が約 150 時間、所定外労働時間が 11 時 間であり、平均月間収入は約 33 万円、時間当たりの賃金は 2192 円であることが分かる。一方、道 路貨物運送業では、月間労働時間が 187 時間、所定外労働時間が 29.5 時間であり、平均月間収入は 約 30 万、時間当たりの賃金は 1,603 円であった。 2008 年の場合、全産業では、月間労働時間が約 149 時間、所定外労働時間が 10.7 時間であり、 平均月間収入は約 33 万円、時間当たりの賃金は 2219 円であることが分かる。一方、道路貨物運送 業では、月間労働時間が約 183 時間、所定外労働時間が 27.9 時間であり、平均月間収入は約 29 万 円、時間当たりの賃金は 1597 円であった。 この結果から、全産業に比べて、道路貨物運送業(トラック運送業)は長時間労働かつ低賃金である ことが分かる。 近年、トラック運送事業者のドライバーの長時間労働等は特に問題となっている。その 1 つ目の 理由は、トラック運送事業の業務上、重要視されるのが安全運転であるが、長時間労働はその安 全運転を妨げる要因になるからである。そして、2 つ目の理由は、長時間労働は人の健康を悪化 させる要因になるからである。つまり、長時間労働等は様々な問題を引き起こすのである。 17 2.4 脳・心臓疾患(過労死)と精神疾患等の要因 長時間労働が引き起こす問題の一つに、健康状態の悪化がある。 2.4 では、脳・心臓疾患(過労死)と精神疾患等の要因について述べる。 まず、過労死は、脳・心臓疾患、呼吸器疾患、精神疾患等を発病し、死亡または重度の障害を残す に至ることを意味する。脳や心臓疾患の中でも特に、脳出血、くも膜下出血、急性心不全、心筋梗 塞による死亡が圧倒的に大きな比重を占めている(10)(11)(12)。過労死の前兆には全身の疲労感、胸痛、 冷汗、息切れ、首や肩の凝り、手足のしびれ、頭痛などがある。一時的に意識を失ったり、片手が しびれたり、箸を落としたりするような場合は、脳梗塞などの脳血管障害が考えられる。後頭部の 激痛の場合はクモ膜下出血の前兆と言われている(11)(12)。この過労死が起こる要因は、長時間過密労 働、深夜勤、海外出張、単身赴任等による極度の過労やストレスである。また、仕事によるストレ スは、低賃金などによっても生じていると考えられる。脳・心臓疾患は日常生活や遺伝等に起因す る諸要因で徐々に悪化して発病するものであるが、このうち仕事が主な要因で発症する場合があり、 これらが過労死として労災認定されている(13)。従来は発症前の 1 週間程度の業務量、業務内容等を 中心に業務の過重性が評価されてきたが、2001 年からは仕事による長期にわたる疲労の蓄積も考慮 されるようになっている。しかし、過労死や過労自殺の労災認定のためには、この死亡が業務に起 因するものであることを証明しなければならないが、企業の協力は得られないため、過労死の労災 認定は労働行政の厚い壁に阻まれている(13)。 さらに精神疾患である過労自殺は、業務上生じた過度な心理的負荷によって精神疾患(うつ、統合 失調症、適応障害、燃えつき症候群など)を発症し、これによって自殺するに至ることである。この 過労自殺は、大きな社会問題になってきている(11)(12)。1998 年に精神障害での労災認定基準が定め られ、労災請求件数は、年々増加しており、平成 21 年度(2009 年度)では、精神障害に起因する労 災請求件数は 1136 件(前年比 22.6%増)と前年度より約 2 割の増加となったが、労災認定件数 234 件と前年より 35 件、13%減少した。5 人が請求すれば、1 人が認定されるという厳しい状況にある (10)(13)。 労災の認定基準が出来るまでは、うつ病等の精神疾患は、個人的な要因によるもの判断され、 労災請求はほとんど認められていなかった頃から比べると隔世の感があるが、現状の労災認定はま だ厳しいものがある(11)(12)。 そこで、最近の過労死数と精神疾患数の推移を見るために、表 2.4.1 に、脳血管疾患及び虚血性心 疾患等(「過労死」等事案)の労災補償状況(10)を示し、表 2.4.2 に、精神障害等の労災補償状況(10)を 示す。 18 表 2.4.1 脳血管疾患及び虚血性心疾患等(「過労死」等事案)の労災補償状況 (件) 区分\年 脳・心臓疾患 うち死亡 平成 17 年 平成 18 年 平成 19 年 平成 20 年 平成 21 年 請求件数 869 938 931 889 767 決定件数 749 818 856 797 709 うち支給決定 330 355 392 377 293 件数(認定率) (44.1%) (43.4%) (45.8%) (47.3%) (41.3%) 請求件数 336 315 318 304 237 決定件数 328 303 316 313 253 うち支給決定 157 147 142 158 106 件数(認定率) (47.9%) (48.5%) (44.9%) (50.5%) (41.9%) 表 2.4.1 より、脳・心臓疾患の労災請求件数は、平成 17 年度が 869 件であるのに対し、平成 21 年度は 767 件であることが分かる。決定件数は平成 17 年度が 749 件であり、平成 21 年度は 709 件 であった。支給決定件数は、平成 17 年度が 330 件、平成 21 年度は 293 件であった。よって、請求 件数と決定件数、支給決定件数は平成 18、19 年度を境に減少傾向にある。認定率も 4 程度にとどま っているのが現状である。 一方、死亡の請求件数は、平成 17 年度が、336 件であるのに対し、平成 21 年度は 237 件であっ た。決定件数は平成 17 年度が 328 件であり、平成 21 年度は 253 件であった。支給決定件数は平成 17 年度が 157 件であり、平成 21 年度は 106 件であった。よって、請求件数と決定件数、支給決定 件数は減少傾向にあることが分かる。認定率も 4 割から 5 割程度にとどまっているのが現状である。 表 2.4.2 精神障害等の労災補償状況 (件) 区分\年度 精神障害等 うち自殺 平成 17 年 平成 18 年 平成 19 年 平成 20 年 平成 21 年 請求件数 656 819 952 927 1136 決定件数 449 607 812 862 852 うち支給決定 127 205 268 269 234 件数(認定率) (28.3%) (33.8%) (33.0%) (31.2%) (27.5%) 請求件数 147 176 164 148 157 決定件数 106 156 178 161 140 うち支給決定 42 66 81 66 63 件数(認定率) (39.6%) (42.3%) (45.5%) (41.0%) (45.0%) 表 2.4.2 より、精神障害等の労災請求件数は、平成 17 年度が 656 件であるのに対し、平成 21 年 度は 1136 件であることが分かる。決定件数は平成 17 年度が 449 件であり、平成 21 年度は 852 件 であった。支給決定件数は、平成 17 年度が 127 件、平成 21 年度は 234 件であった。よって、請求 19 件数と決定件数はほぼ増加傾向にある。しかし、支給決定件数は請求件数が増加しているのも関わら ず、増加していないのが現状である。認定率も 3 割程度にとどまり、極めて低いことが分かる。 一方、自殺の請求件数は、平成 17 年度が、147 件であるのに対し、平成 21 年度は 157 件であっ た。決定件数は平成 17 年度が 106 件であり、平成 21 年度は 140 件であった。支給決定件数は平成 17 年度が 42 件であり、平成 21 年度は 63 件であった。よって、請求件数はほぼ横ばいであるが、 決定件数、支給決定件数は平成 19 年度を境に減少傾向にある。認定率も 4 割程度にとどまっている のが現状である。 20 2.5 長時間労働と脳・心臓疾患(過労死)数等の関係 仕事による過労やストレスを引き起こす要因の一つとして、長時間労働や低賃金等が挙げられる。 2.3 で示したように、道路貨物運送業(トラック運送業)等は他産業と比較すると、月間労働時間や所 定外労働時間が長く、平均月間収入や時間当たりの賃金が低いのが現状である。よって、過労やスト レスが特に多い産業であるため、過労死数も多いと考えられる。そこで、2.5 では、長時間労働であ るトラック運送業と脳・心臓疾患(過労死)数、精神疾患数との関係を見るために、産業間における 脳・心臓疾患(過労死)数、精神疾患数の支給決定件数等の比較を行う。 まず、表 2.5.1 に、脳・心臓疾患(過労死)の業種別請求、決定および支給決定件数状況(10)を示す。 表 2.5.1 脳・心臓疾患(過労死)の業種別請求、決定および支給決定件数状況 (件) 平成 20 年度 業種\年度 請求件数 決定件数 6 5 製造業 129 建設業 平成 21 年度 支給 支給 請求件数 決定件数 2 8 6 1 104 48 87 95 32 108 109 42 112 90 30 運輸業、郵便業 188 174 99 155 157 85 卸売・小売業 167 124 62 103 112 46 5 7 2 11 11 2 教育、学習支援業 16 11 5 17 9 2 医療、福祉 35 39 15 45 28 9 情報通信業 24 22 11 24 24 9 宿泊業、飲食サービス業 57 53 39 48 36 21 154 149 52 157 141 56 889 797 377 767 709 293 農業・林業・漁業・鉱業、 採石業、砂利採取業 金融業・保険業 その他の事業 (上記以外の事業) 合計 決定件数 決定件数 表 2.5.1 より、運輸業や郵便業(トラック運送業も含む)は、他産業と比較して、請求件数、決定件 数、支給決定件数、全てが高い水準であることが分かる。また、支給決定件数においては、平成 20 年度が 99 件、平成 21 年度が 85 件と、最も高い。 この結果から、長時間労働であるトラック運送業は、過労死数も多いことが分かった。 21 さらに詳しく産業間における脳・心臓疾患(過労死)数を見るために、表 2.5.2 に、脳・心臓疾患(過 労死)の支給決定数の多い業種(10)を示す。 表 2.5.2 脳・心臓疾患(過労死)の支給決定数の多い業種(中分類、上位 15 業種) 平成 21 年度 業種(大分類) 業種(中分類) 件数 労働人口 労働人口 100 万人 (万人) 当たりの疾病状況 1 運輸業、郵便業 道路貨物運送業 65 348 18.7 2 運輸業、郵便業 道路旅客運送業 19 348 5.5 3 建設業 総合工事業 18 517 3.5 3 宿泊業、サービス業 飲食店 18 380 4.7 その他の事業サービス業 13 463 2.8 6 卸売・小売業 機械器具小売業 10 1055 0.9 6 卸売・小売業 その他の小売業 10 1055 0.9 10 195 5.1 5 6 サービス業(他に分類 されないもの) 学術研究、専門・技術 専門サービス業(他に分 サービス業 類されないもの) 9 卸売・小売業 飲食料品卸売業 8 1055 0.8 9 卸売・小売業 飲食料品卸売業 8 1055 0.8 6 517 1.2 11 建設業 職別工事業(設備工事業 を除く) 11 建設業 設備工事業 6 517 1.2 11 情報通信業 情報サービス業 6 193 3.1 娯楽業 6 241 2.5 食料品製造業 5 1073 0.5 5 621 0.8 11 生活関連サービス業、 娯楽業 14 製造業 14 医療、福祉 社会保険・社会福祉・介 護事業 表 2.5.2 より、運輸業、郵便業の中でも特に、道路貨物運送業(トラック運送業)の支給決定件数が 65 件で最も多く、労働人口 100 万人当たりの疾病状況も 18.7(件/人)で最も多いことが分かった。 この結果から、道路貨物運送業(トラック運送業)は、最も過労死数が多い業種であることが分かる。 22 そして、表 2.5.3 に、脳・心臓疾患(過労死)の支給決定件数の多い職種(10)を示す。 表 2.5.3 脳・心臓疾患の支給決定件数の多い職種(中分類、上位 15 種類) 平成 21 年度 職種(大分類) 職種(中分類) 件数 労働人口 労働人口 100 万人 (万人) 当たりの疾病状況 1 運輸・通信従事者 自動車運転者 84 198 42.4 2 販売従事者 商品販売従事者 33 857 3.9 3 事務従事者 一般事務従事者 25 1295 1.9 4 管理的職業従事者 会社・団体等管理職員 17 168 10.1 5 サービス職業従事者 飲食物調理従業者 10 804 1.2 9 168 5.4 営業・販売事務従業者 9 1295 0.7 情報処理技術者 7 968 0.7 建設・土木・測量技術者 7 968 0.7 機械・電気技術者 7 968 0.7 7 804 0.9 7 1678 0.4 6 804 0.7 5 1305 0.4 5 804 0.6 6 管理的職業従事者 6 事務従事者 8 8 8 専門的・技術的職業 従事者 専門的・技術的職業 従事者 専門的・技術的職業 従事者 8 サービス職業従事者 生産工程・労務作業者 8 (採掘・建設・労務作業 者) 13 サービス職業従事者 14 その他の管理的職業従事 者 その他のサービス職業従 事者 建設作業者(建設躯体工 事作業者を除く) 接客・給仕職業従事者 生産工程・労務作業者 その他の製造・制作作業 (製造・制作作業者) 者 14 保安職業従事者 その他の保安職業従事者 表 2.5.3 より、運輸・通信従事者の中でも特に、自動車運転者(ドライバー)の支給決定件数が 84 件で最も多く、労働人口 100 万人当たりの疾病状況も 42.4 (件/人)で最も多いことが分かった。 この結果から、自動車運転者(ドライバー)は、最も過労死数が多い職種であることが分かる。 23 次に、産業間における精神疾患数の比較を行う。 過労死と精神疾患は非常に関係が深い。精神疾患等を発病し、死亡または重度の障害を残すに至る 場合も過労死となるのである。特に、過労死数が多い道路貨物運送業(トラック運送業)等では、精神 疾患数にも注目する必要がある。 そこで、表 2.5.4 に、精神障害等の業種別請求、決定および支給決定件数状況(10)を示す。 表 2.5.4 精神障害等の業種別請求、決定および支給決定件数状況 (件) 平成 20 年度 業種\年度 請求件数 決定件数 7 5 製造業 168 建設業 運輸業、郵便業 平成 21 年度 支給 支給 請求件数 決定件数 3 8 8 2 150 50 205 168 43 71 62 22 70 60 26 85 81 23 101 72 23 157 138 48 187 140 36 金融業・保険業 43 35 11 41 41 10 教育、学習支援業 27 26 12 29 22 4 医療、福祉 122 105 26 127 98 21 情報通信業 50 50 17 67 48 12 宿泊業、飲食サービス業 38 34 14 56 39 15 159 176 43 245 156 42 927 862 269 1136 852 234 農業・林業・漁業・鉱業、 採石業、砂利採取業 卸売・小売業 その他の事業 (上記以外の事業) 合計 決定件数 決定件数 表 2.5.4 より、運輸業や郵便業(トラック運送業も含む)における平成 20 年度の請求件数は 85 件、 決定件数は 81 件、支給決定件数は 23 件であることが分かる。また、平成 21 年度の請求件数は 101 件、決定件数は 72 件、支給決定件数は 23 件であるため、請求件数は増加していることが分かる。 この結果からは、長時間労働であるトラック運送業の精神疾患数は、過労死数ほど多くないように 見える。 24 さらに詳しく産業間における精神疾患数を見るために、表 2.5.5 に、精神障害等の支給決定数の多 い業種(10)を示す。 表 2.5.5 精神障害等の支給決定件数の多い業種(中分類、上位 15 業種) 平成 21 年度 業種(大分類) 業種(中分類) 件数 労働人口 (万人) 労働人口 100 万 人当たりの疾病 状況 1 建設業 総合工事業 15 517 2.9 2 運輸業、郵便業 道路貨物運送業 13 348 3.7 3 情報通信業 情報サービス業 13 193 6.7 3 医療、福祉 医療業 13 621 2.1 5 宿泊業、飲食サービス業 飲食店 10 380 2.6 10 621 1.6 5 医療、福祉 社会保険・社会福祉・介 護事業 7 建設業 設備工事業 8 517 1.5 7 卸売・小売業 その他の小売業 8 1055 0.8 9 運輸業、郵便業 道路旅客運送業 7 348 2.0 9 卸売・小売業 各種商品小売業 7 1055 0.7 7 165 4.2 7 195 3.6 9 金融・保険業 9 保険業(保険媒介代理業、 保険サービス業を含む) 学術研究、専門・技術サ 専門サービス業(他に分 ービス業 類されないもの) 13 製造業 食料品製造業 6 1073 0.6 13 製造業 電気機械器具製造業 6 1073 0.6 13 製造業 輸送用機械器具製造業 6 1073 0.6 表 2.5.5 より、運輸業、郵便業の中でも特に、道路貨物運送業(トラック運送業)の支給決定件数が 13 件で 2 番目に多く、労働人口 100 万人当たりの疾病状況は 3.7(件/人)で 3 番目に多いことが分か った。 この結果から、業種を細分化し、労働人口を考慮して見ると、道路貨物運送業(トラック運送業)の 精神疾患数は、他産業と比較して多いことが分かった。 25 そして、表 2.5.6 に、精神障害等の支給決定件数の多い職種(10)を示す。 表 2.5.6 精神障害等の支給決定件数の多い職種(中分類、上位 15 職種) 平成 21 年度 業種(大分類) 業種(中分類) 件数 労働人口 (万人) 労働人口 100 万 人当たりの疾 病状況 1 販売従業者 商品販売従業者 27 857 3.2 2 事務従業者 一般事務従業者 25 1295 1.9 3 運輸・通信従業者 自動車運転者 14 198 7.1 4 専門的・技術的職業従業者 情報処理技術者 13 968 1.3 5 専門的・技術的職業従業者 建築・土木・測量技術者 10 968 1.0 5 管理的職業従業者 会社・団体等管理職員 10 168 6.0 5 管理的職業従業者 その他の管理職員 10 168 6.0 9 968 0.9 9 968 0.9 9 968 0.9 8 1295 0.6 12 専門的・技術的職業従業者 保健士、助産師、看護師 7 968 0.7 12 サービス職業従業者 接客・給仕職業従事者 7 804 0.9 14 販売従業者 販売類似職業従事者 5 857 0.6 5 1305 0.4 8 専門的・技術的職業従業者 社会福祉専門職業従業 者 8 専門的・技術的職業従業者 機械・電気技術者 8 専門的・技術的職業従業者 11 事務従業者 14 生産工程・労務作業者 (製造・制作作業者) その他の専門的職業従 事者 営業・販売事務従業者 食料品製造作業者(精 穀・製粉・調味食品製造 作業者を除く) 表 2.5.6 より、運輸・通信従事者の中でも特に、自動車運転者(ドライバー)の支給決定件数が 14 件で 3 番目に多く、労働人口 100 万人当たりの疾病状況は 7.1(件/人)で最も多いことが分かった。 この結果から、自動車運転者(ドライバー)は、精神疾患数が多い職種であることが分かる。 以上より、長時間労働であるトラック運送業は、脳・心臓疾患(過労死)数や精神疾患数が共に多 いことが分かった。 26 第3章 ドライバーの労働に関する法律について 3.1 労働基準法の概要 第 3 章の 3.1 では、労働基準法の概要について述べる。 労働基準法とは、労働に関する規制等を定める法律である。労働組合法、労働関係調整法と共に、 労働三法の一つである。労働基準法は憲法第 25 条 1 項の生存権、第 27 条 2 項の勤労条件の基準を 具体化したものと言える。具体的には、社会的経済的に見て使用者に対し弱い立場にある労働者を保 護することを目的として、労働条件の最低基準を定め、基準の遵守を強制している。違反した場合は 罰則が適用される規定もある。また、労働基準法は、民法の特別法であるため、一般法に優先する。 よって、労働基準法の労働契約に関する規定は、民法の雇用契約に関する規定に優先して適用される。 労働基準法は全 13 章で構成されている(14)(15)。第 1 章では「総則」について述べられ、第 2 章で は「労働契約」について述べられている。第 3 章では、 「賃金」について、第 4 章では、 「労働時間・ 休憩・休日及び年次有給休暇」について述べられている。第 5 章では、「安全及び衛生」について、 第 6 章では、 「年少者」について、第 6 章の 2 では、「妊産婦等」について述べられている。第 7 章 では、「技能者の養成」について、第 8 章では「災害補償」について述べられている。第 9 章では、 「就業規則」について、第 10 章では、「寄宿舎」について述べられている。第 11 章では、「監督機 関」について、第 12 章では、 「雑則」、第 13 章では「罰則」、 「附則(抄)」、 「別表」が述べられている (14)(15)。 本研究では特に、第 4 章の「労働時間・休憩・休日及び年次有給休暇」を基に検討する。 第 4 章は、第 32 条から第 41 条から成る。第 4 章で定められている内容について説明する。 第 32 条は、労働時間(14)(15)についてである。 1.労働時間は 1 週間について休憩時間を除き、40 時間以下であること、2.労働時間は 1 日につい て休憩時間を除き、8 時間以下であることが述べられている。 第 33 条は、災害等による臨時の必要がある場合の時間外労働等についてである。 第 34 条は、休憩についてである。 1.労働時間が 6 時間を超える場合においては、少なくとも 45 分の休憩時間を労働時間の途中に与 えること、2.労働時間が 8 時間を超える場合においては、少なくとも 1 時間の休憩時間を労働時間 の途中に与えることが述べられている。 第 35 条は、休日についてである。 第 36 条は、時間外及び休日の労働についてである。 第 37 条は、時間外、休日及び深夜の割増賃金についてである。 第 38 条は、時間計算についてである。 第 39 条は、年次有給休暇についてである。 第 40 条は、労働時間及び休憩の特例についてである。 第 41 条は、労働時間等に関する規定の適用除外についてである。 27 次に、労働基準法の経緯(16)(17)(18)をまとめる。 労働基準法は、第二次世界大戦後の 1947 年(昭和 22)4 月に、日本国憲法第 27 条 2 項の「賃金、 就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律でこれを定める」という規定に基づいて制定 された。これは当時の ILO(国際労働機関)やその他の先進国の水準を指向したもので、第二次世 界大戦前の極めて不十分な工場法と比較すると、日本の労働法史上画期的な意義をもつものであった。 1985 年(昭和 60)5 月に成立した「男女雇用機会均等法」や女子差別撤廃条約批准に伴う国内法 整備の為に改正され、女子の保護規定が削除された。女性の時間外労働(年間 150 時間)と深夜業 (午後 11 時以降)の制限の撤廃である。他方、無制限な労働時間の延長を防ぐために、労働時間の 延長については厚生労働大臣はその基準を定めることができるようになった。 その後 1987 年 9 月に成立した「労働基準法の一部を改正する法律」(1988 年 4 月施行)によっ て、週 40 時間労働制となった。1 日 8 時間・週 48 時間から、1 日 8 時間・週 40 時間に短縮するこ とが決定された。ただし、それは中小企業などの実態を勘案して、当面の経過措置として、週 46 時 間制を政令で定め、ついで 44 時間制へ、さらに最終的に 40 時間制に移行するというものであった (この週 40 時間制は 1999 年 4 月より完全実施されるようになった)。 そして、労働時間を短縮するかわりに、変形労働時間制が導入されるようになった。労働時間の上 限は、休憩時間を除き、1 日については 8 時間、1 週間については 40 時間と定められている。変形 労働時間とは、1 週間単位、1 か月単位、1 年単位で、それぞれの単位内で平均労働時間が法定労働 時間を超えない限り、特定の日・週・月において集中的に労働することができる制度である。フレッ クスタイム制(労働者が一定の時間帯のなかで労働の始期と終期を自由に決定できる労働時間制)も、 変形労働時間制に含まれる。いずれも労使協定または就業規則によって定めることが条件となってい る。なお、この改正によって、有給休暇の最低給付日数を 6 日間から 10 日間に延長することも決定 された。さらに、1990 年代以降の「規制緩和」の動向に対応して、より抜本的な改革が相次いで実 施されてきた。 また、裁量労働制の導入・拡大が行われた。これは労働を時間ではなく成果もしくは業績によって 量る制度である。従来は労働時間を計ることが困難であった研究者やデザイナーなど 11 業種に認め られてきたが、2000 年 4 月より、企画、立案、調査などホワイトカラー業務にも適用が拡大された。 以上、労働基準法における基準は最低限の基準であり、この基準での労働条件の実効性を確保するた めに独自の制度が設けられている。 28 3.2 自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(改善基準告示)の概要 3.2 では、自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(以下、改善基準告示)の概要について述 べる。 改善基準告示とは、自動車運転者の労働時間等の労働条件の改善をするために厚生労働大臣が 1989 年 2 月に告示したものの略称(19)(20)である。改善基準告示は、全 6 条で構成されている(19)(21)。第 1 条 では、目的が述べられ、第 2 条、第 3 条では、一般乗用旅客自動車運送事業に従事する自動車運転者 の拘束時間等について述べられている。第 4 条では、貨物自動車運送事業に従事する自動車運転者の 拘束時間等について述べられている。第 5 条は、一般乗用旅客自動車運送事業以外の旅客自動車運送 事業に従事する自動車運転者、並びに旅客自動車運送事業及び貨物自動車運送事業以外の事業に従事 する自動車運転者であって、主として人を運送することを目的とする自動車の運転の業務に従事する 者(バス運転者等)の拘束時間等について述べられている。第 6 条は、細目について述べられている (19)(21)。この告示はこれまで2回改正されてきたが 1997 年 1 月にさらに一部改正され、現行基準は 1997 年 4 月 1 日から適用されている。改善基準告示は交通安全を確保するために運転者の「拘束時 間」「休息期間」「運転時間」「時間外や休日労働」などを規制しているもので、トラック・バス・タ クシーの業種毎に基準を定めている(19)(21)。 改善基準告示の対象者は、 「労働基準法第 9 条に規定する労働者であって、四輪以上の自動車の運 転業務に主として従事する者」となっている(19)(21)。改善基準告示でいう労働者とは、給料をもらっ て働いている人のことを指す。よって、社長などが自分自身で自動車を運転している場合には対象と はならない。また、給料をもらって働いているドライバーを対象としているため、緑ナンバー、白ナ ンバーには関係なく、自家用トラックを毎日運転して配達をしている人なども対象となる。対象者は 「運転業務に主として従事する者」であるため、職種は運転手であっても月に数回しか乗務しない人 や、クレーン車のオペレーターなどは対象外となる。なお、改善基準告示は四輪以上のドライバーを 対象としているので、バイク便のライダーなどは対象にならない(19)(21)。 改善基準告示が適用除外となる場合がある。1 つ目は、震災などで緊急援助の認定を公安委員会(警 察)から受けた場合である。1995 年 1 月の阪神淡路大震災の際には、多くの緊急援助物資がトラック により迅速に被災地へ運ばれた。このような、人命救助や災害援助という緊急を要する場合で、公安 委員会(警察)の認定を受けているときには適用されない。2 つ目は、火薬、高圧ガス、核燃料など の危険物の輸送で、届出と運搬計画書が必要な場合である。危険物の輸送については、様々な法律で 安全運転なども含めその運搬方法が制限されているため除外される。ただし、危険物のうち頻繁に行 われる石油タンクローリー等の輸送については、すべて改善基準告示の対象となる(19)(21)。 29 次に、トラック運転者を対象とした改善基準告示で定められている内容について説明する。 1.拘束時間、休息期間(20) 拘束時間は、始業時刻から終業時刻までの時間で、労働時間と休憩時間(仮眠時間を含む)の合計時 間を言う。休息期間は、勤務と次の勤務の時間で、睡眠時間を含む労働者の生活時間として、労働者 にとって全く自由な時間を言う。労働時間には、時間外労働時間または休日労働時間が含まれるので、 その時間数または日数をできるだけ少なくすることにより、改善基準告示に定める拘束時間内の運行、 休息期間の確保等が可能となる。 終業 休息期間 労働時間 始業 作業時間(運転・整備等・荷扱い) (時間外・休日労 拘束時間 働時間を含む) 手待ち時間(荷待ち等) 終業 休息期間 始業 休憩時間 (仮眠等を含む) 図 3.2.1 拘束時間、休息期間等の時間関係 2.拘束時間の限度と休息期間の確保(20) (1)1 カ月の拘束時間 ①1 カ月の拘束時間は原則として 293 時間以内でなければならない。 ②毎月の拘束時間の限度を定める書面による労使協定を締結した場合には、1 年のうち 6 カ月ま では、1 年間の拘束時間が 3,516 時間(293 時間×12 カ月)を超えない範囲において、1 カ月の 拘束時間を 320 時間まで延長することができる。また、労使協定で定める事項は、協定の適 用対象者、1 年間について毎月の拘束時間、当該協定の有効期間、協定変更の手続き等などで ある。 (2)1 日の拘束時間と休息期間 ①1 日(始業時刻から起算して 24 時間をいう。以下同じ)の拘束時間は 13 時間以内を基本とし、 これを延長する場合であっても 16 時間が限度である。(ただし、(4)の制限がある。) ②1 日の休息期間は継続 8 時間以上とする必要がある。拘束時間と休息期間は表裏一体のもので あり、1 日とは始業時刻から起算して 24 時間を言うので、結局、1 日(24 時間)=拘束時間(16 時間以内)+休息期間(8 時間以上)ということである。 30 (3)拘束時間・休息期間の計算方法 ①1 カ月の拘束時間が改善基準告示を満たしているかどうかは、1 ヶ月間の各勤務の拘束時間(始 業時刻から終業時刻まで)をそのまま合計してチェックすることになる。 例)a 1 カ月の拘束時間 1 ヶ月間の各勤務の拘束時間(始業時刻から終業時刻まで)をそのまま合計 ・月曜日 始業 8:00~終業 21:00 13 時間 ・火曜日 始業 6:00~終業 22:00 16 時間 : : A 合計 *1 ヶ月間の各勤務の拘束時間の合計 A 時間 時間≦1 カ月の拘束時間の限度であれば、改善基 準告示を満たしていることになる。 ②1 日の拘束時間が改善基準告示を満たしているかどうかは、始業時刻から起算した 24 時間以 内の拘束時間によりチェックすることになる。 例)1 日の拘束時間 a 月曜日(始業時刻 8:00 からの 24 時間)の拘束時間・休息期間 ・月曜日 火曜日 ・月曜日 始業 8:00~終業 21:00 13 時間 始業 6:00~8:00 2 時間 終業 21:00~翌 6:00 9 時間 拘束時間 15 時間 休息期間 9 時間 b 火曜日(始業時刻 6:00 からの 24 時間)の拘束時間・休息期間 ・火曜日 始業 6:00~終業 22:00 ・火曜日 終業 22:00~翌 6:00 16 時間 拘束時間 16 時間 8 時間 休息期間 8 時間 *上記 a, b については、共に改善基準告示を満たしているが、a のように翌日の始業時刻が 早まっている場合(月曜日は始業時刻 8:00 だが、火曜日は始業時刻 6:00)は、月曜日の始 業時刻から 24 時間内に、火曜日の 6:00~8:00 の 2 時間も入れてカウントされるので、1 日の拘束時間は、改善基準告示に定める原則 13 時間ではなく、15 時間になる。一方、火曜 日は始業時刻が 6:00 なので、始業時刻から 24 時間内には 6:00~8:00 の 2 時間はカウ ントされる。 (4)1 週間における 1 日の拘束時間延長の回数の限度 1 日の拘束時間を原則 13 時間から延長する場合であっても、15 時間を超える回数は 1 週間に つき 2 回が限度である。このため、休息期間が 9 時間未満となる回数も 1 週間につき 2 回が限 度となる。したがって、片道拘束 15 時間を超える長距離の往復運送は 1 週につき 1 回しかでき ず、改善基準告示に違反しないためには一定の工夫をする必要がある。 (5)休息期間の取扱い 休息期間については、運転者の住所地での休息期間が、それ以外の場所での休息期間より長く なるよう努めなければならない。 31 (6)休日の取扱い 休日は、休息期間+24 時間の連続した時間とすることが必要である。ただし、いかなる場合 であっても、この時間が 30 時間を下回ってはならない。すなわち、休息期間は原則として 8 時 間確保されなければならないので、休日は、休息期間 8 時間+24 時間=32 時間以上の連続した 時間となる。また、後述の「5.特例」の(3)の隔日勤務の場合、20 時間以上の休息期間が確保 されなければならないので、休日は休息時間 20 時間+24 時間=44 時間以上の連続した時間と なる。よって、これらの時間数に達しないものは休日として取り扱われない。なお、後述の「5. 特例」の(1)分割休息期間、(2)2 人乗務の特例、(4)フェリーに乗船する場合の特例については、 休息期間に 24 時間を加算しても 30 時間に満たない場合があるが、この場合でも、30 時間以上 の連続した時間を与えなければ休日として取り扱われない。なお、2 日続けて給仕を与える場合 は、2 日目は連続 24 時間以上あれば差し支えない。 3.運転時間の限度(20) (1)1 日の運転時間 1 日の運転時間は 2 日(始業時刻から 48 時間を言う。以下同じ)平均で 9 時間以内とする。 運転時間の計算に当たっては、特定日の日を起算部として 2 日ごとに区切り、その 2 日間の平 均とすることが望ましいが、この特定日の最大運転時間が改善基準告示に違反するか否かは、(特 定日の前日の運転時間+特定日の運転時間)÷2 と、(特定日の運転時間+特定日の翌日の運転時 間)÷2 とが共に 9 時間を超える場合は改善基準告示に違反し、そうでない場合は違反しない。 (2)1 週間の運転時間 1 週間の運転時間は 2 週間ごとの平均で 44 時間以内とする。特定の日を起算日として 2 週間 ごとに区切り、その 2 週間ごとに計算する。1 週目の運転時間と 2 週目の運転時間の平均が 44 時間以内であれば、改善基準告示を満たすということになる。 (3)連続運転時間 連続運転時間は 4 時間以内とする。運転開始後、4 時間以内又は 4 時間経過直後に 30 分以上 の休憩等を確保することにより、運転を中断する必要がある。ただし、運転開始後 4 時間以内 又は 4 時間経過直後に運転を中断する場合の休憩等については、少なくとも 1 回につき 10 分以 上としたうえで分割することもできる。 例) 4 時間 ○ ○ ○ 1 時間 20 分 10 分 1 時間 20 分 2 時間 40 分 10 分 20 分 1 時間 25 分 5分 1 時間 25 分 図 3.2.2 連続運転時間と休憩時間の関係 32 1 時間 20 分 1 時間 20 分 4 時間 10 分 × × 30 分 30 分 5分 1 時間 10 分 20 分 10 分 10 分 4.時間外労働及び休日労働の限度(20) (1)時間外労働及び休日労働は拘束時間の限度まで 時間外労働及び休日労働は 1 日の最大拘束時間(16 時間)、1 カ月の拘束時間(原則 293 時間、 労使協定があるときは 2(1)の条件のもとで 320 時間まで)の範囲内でしかできない。なお、時間 外労働及び休日労働を行う場合には、労働基準法第 36 条第 1 項に基づく時間外労働及び休日労 働に関する協定届を労働基準監督署へ届け出なければならない。 (2)休日労働は 2 週間に 1 回 休日労働は 2 週間に 1 回の頻度でしかできない。 5.特例(20) (1)分割休息期間 業務の必要上、 勤務の終了後継続した 8 時間以上の休息期間を与えることが困難な場合には、 当分の間、一定期間(原則として 2 週間から 4 週間程度)における全勤務回数の 2 分の 1 の回数を 限度として、休息期間を拘束時間の途中及び拘束時間の経過直後に分割して与えることができる。 この場合、分割された休息期間は、1 日において 1 回あたり継続 4 時間以上、合計 10 時間以上 でなければならない。 (2)2 人乗務の特例 運転者が同時に 1 台の自動車に 2 人以上乗務する場合(ただし、車両内に身体を伸ばして休息 することができる設備がある場合に限る。)においては、1 日の最大拘束時間を 20 時間まで延長 でき、また、休息期間を 4 時間まで短縮できる。 (3)隔日勤務の特例 業務の必要上、やむを得ない場合には、当分の間、次の条件下に隔日勤務に就かせることがで きる。 ①2 暦日における拘束時間は 21 時間を超えないこと ただし、事業場内仮眠施設または使用者が確保した同種の施設において、夜間に 4 時間以上 の仮眠時間を与える場合には、2 週間について 3 回を限度に、この 2 暦日における拘束時間を 24 時間まで延長することができる。この場合においても、2 週間における総拘束時間は 126 時間を超えることはできない。 ②勤務終了後、継続 20 時間以上の休息期間を与えること。 (4)フェリーに乗船する場合の特例 運転者が勤務の中途においてフェリーに乗船する場合には、フェリー乗船時間のうち 2 時間(フ ェリー乗船時間が 2 時間未満の場合には、その時間)については拘束時間として取り扱い、その他 の時間については休息期間として取り扱う。フェリー乗船時間が 2 時間を超える場合には、上記 より休息期間とされた時間を休息期間 8 時間(2 人乗務の場合 4 時間、隔日勤務の場合 20 時間)か ら減じることができる。ただし、その場合においても、減算後の休息期間は、2 人乗務の場合を除 き、フェリー下船時刻から勤務終了時刻までの間の時間の 2 分の 1 を下回ってはならない。 33 第4章 運転日報データの概要 4.1 運転日報のデータ項目及び項目間の関係 今回、実際のトラック運送事業者におけるドライバーの運転日報を基に、長時間労働等の労働実態 の把握や改善策の検討を時間の観点から行った。 ここで、某トラック運送事業者の事業概要をまとめる。 従業員数は 200 名、資本金は約 5000 万の企業であり、5 つの事業部から成る。その中の 4 つの事業 部について紹介する。『運輸事業部』と『エアカーゴ事業部』では、118 台の自社便と多彩な物流ネ ットワークを活用して、小口貨物から重量貨物までを扱っている。陸・海・空を利用して物流の基本 であるスピードに対応し、セイフティを教訓に最適化物流を目指したシステムを構築することを目指 している。そして、「地球にやさしい運転を心掛ける」ことが「地球の未来」のためになるという、 エコドライバー宣言(Declaration Of Ecology Driver)を行っている。『環境化成事業部』では、全国 の 2 拠点において、主に浄化槽や冷却塔(クーリングタワー)用充填材を製造している。工場に新 たに真空成型機と呼ばれる機械を2機追加したことで国内でもトップクラスの生産量を誇る。『自動 車事業部』では、スーパー車検(超スーパー車検)の導入によりテクニカルメンテナンスシステムを 構築し、透明度の高いメンテナンスを実現する(22)。 また、ドライバーの運転日報には 65 個の項目があり、分析には 2010 年 4 月から 6 月の 3 カ月分 のデータを用いた。そして、入庫日時や出庫日時、始業時刻や終業時刻、就業時間、休憩時間、走行 時間などの項目から労働時間や拘束時間、休息期間、運転時間などを求めた。トラックの車両重量は、 2 トン、3 トン、4 トン、8 トン、10 トン、12 トン、13 トンであり、この 7 種類の車両データがあ る。特に、2 トン、4 トン、10 トン、13 トンのデータ数が多い。 4.1 では、運転日報が表す 65 個のデータと各データ項目間の関係についてまとめる。 34 ○データ項目の一覧 1.日報番号⇒運行収支日報の番号 2.運行日⇒運行した日にち 3.乗務員⇒乗務員の名前 4.車両⇒車両のナンバープレート 5.出庫日時⇒出庫した時間 6.入庫日時⇒入庫した時間 7.出庫メータ⇒出庫した時のメータ数 8.入庫メータ⇒入庫した時のメータ数 9.走行距離⇒走行した距離 10.一般道・実車走行距離⇒荷物を積んだ状態で一般道路を走行した距離 11.一般道・空車走行距離⇒荷物が空の状態で一般道路を走行した距離 12.高速道・実車走行距離⇒荷物を積んだ状態で高速道路を走行した距離 13.高速道・空車走行距離⇒荷物が空の状態で高速道路を走行した距離 14.一般走行時間⇒一般道路の走行時間 15.高速走行時間⇒高速道路の走行時間 16.稼動時間⇒車両が稼働した時間 17.アイドリング時間⇒アイドリングした時間 18.停止時間⇒車両のエンジンが停止した時間 19.出社日時⇒乗務員が出社した日にち、時刻 20.出社日付⇒乗務員が出社した日にち 21.出社時刻⇒乗務員が出社した時刻 22.退社日時⇒乗務員が退社した日にち、時刻 23.退社日付⇒乗務員が退社した日にち 24.退社時刻⇒乗務員が退社した時刻 25.就業時間⇒乗務員が就業した時間 26.残業時間⇒乗務員が残業した時間 27.深夜時間⇒乗務員が深夜(22 時から 5 時まで)に働いた時間 28.荷積時間⇒荷積先で荷積開始時に押し、荷積開始時間、時間計測及び実車を認識する。荷積地 から配送先までの距離測定の基点認識する。 29.荷卸時間⇒荷卸先で荷卸開始時に押し、荷卸開始時間、時間計測及び空車を認識する。荷積地 から配送先までの距離測定の終点認識する。 30.荷待時間⇒顧客より荷積指定があった場合に荷積地に到着後、指定時間に押す。荷積開始時間 までに時間計測をする。 31.点検時間⇒車両の点検などにかかった時間 32.休憩時間⇒乗務員が休憩する時間。休憩開始時間及び時間の計測をする。 33.休息時間⇒乗務員の休息期間。1 日の休息期間は継続 8 時間以上とする。 35 34.追加荷積時間⇒追加荷積地で荷積が始まった時に押し、追加時の距離計測の基点になる。 35.追加荷卸時間⇒追加荷卸地で荷卸が始まった時に押すし、追加距離計測の終点となる。 36.荷積回数⇒荷積した回数 37.荷卸回数⇒荷卸した回数 38.追加荷積回数⇒追加で荷積した回数 39.追加荷卸回数⇒追加で荷卸した回数 40.専用道・実車走行距離⇒荷物を積んだ状態で専用道路を走行した距離 41.専用道・空車走行距離⇒荷物が空の状態で専用道路を走行した距離 42.専用道走行時間⇒専用道路を走行した時間 43.届出運賃⇒乗務員が届け出た運賃 44.実勢運賃⇒荷主と運送会社間の価格交渉によって決定される運賃 45.留置料(荷積)⇒荷積をする際にトラックを留置する時の料金 46.留置料(荷卸)⇒荷卸する際にトラックを留置する時の料金 47.追加距離運賃⇒追加した距離分の運賃 48.追加時間運賃⇒追加した時間分の運賃 49.深夜割増⇒午後 10 時から午前 5 時に配送する場合に割増される運賃 50.休日割増⇒休日に配送する場合に割増される運賃 51.冬季割増⇒冬季に配送する場合に割増される運賃 52.地区割増⇒ある特定の区や市に配送する場合に割増される運賃 53.実績運賃明細[距離]⇒距離で見たときの実績の運賃明細 54.実績運賃明細[距離-夜間割増]⇒距離と夜間割増で見たときの実績の運賃明細 55.実績運賃明細[距離-休日割増]⇒距離と休日割増で見たときの実績の運賃明細 56.実績運賃明細[時間] ⇒時間で見たときの実績の運賃明細 57.追加運賃明細[距離] ⇒距離で見たときの追加の運賃明細 58.追加運賃明細[距離-夜間割増]⇒距離と夜間割増で見たときの追加の運賃明細 59.追加運賃明細[距離-休日割増]⇒距離と休日割増で見たときの追加の運賃明細 60.追加運賃明細[時間] ⇒時間で見たときの追加の運賃明細 61.宵積(よいづみ)の有無⇒夜に荷物の積み込みがあるかないか 62.燃費⇒車両の走行燃費 63.車種コード⇒車種のトン数 64.実車走行距離⇒荷物を積んだ状態で走行した距離 65.最初の荷積発時刻⇒最初の荷積のために出発した時刻 36 ○各データ項目間の関係 2.運行日=20.出社日付 5.出庫日時=19.出社日時 6.入庫日時=22.退社日時 9.走行距離=10.一般道・実車走行距離+11.一般道・空車走行距離+12.高速道・実車走行距離+ 13.高速道・空車走行距離+40.専用道・実車走行距離+41.専用道・空車走行距離 *データの集計上、小数点の端数の誤差が生じたため、上記の式の右辺の値を使用した。 9.走行距離=8.入庫メータ-7.出庫メータ *データの集計上、小数点の端数の誤差が生じた。 16.稼動時間=6.入庫日時-5.出庫日時 25.就業時間=16.稼動時間-33.休息時間 *データの集計上、小数点の端数の誤差が生じたため、上記の式の左辺の値を使用した。 64.実車走行距離=10.一般道・実車走行距離+12.高速道・実車走行距離+ 40.専用道・実車走行距離 *データの集計上、小数点の端数の誤差が生じたため、上記の式の右辺の値を使用した。 37 4.2 運転日報の基本情報(乗務員数、車両台数等) 4.2 では、ドライバーの運転日報を基に、トラック運送事業者の基本情報についてまとめた。 表 4.2.1 は、4 月から 6 月の 3 カ月分の乗務員数や車両台数等の基本情報を示している。 表 4.2.1 3 か月分の基本情報 4月 5月 6月 乗務員数(名) 65 63 64 車両台数(台) 66 66 62 運転日報の数 2,850 2,881 2,883 実勢運賃(円) 27,937,180 30,784,918 39,741,377 表 4.2.1 より、乗務員、車両台数は 3 カ月間でほぼ変化がなく、実勢運賃は 6 月が最も多く、 39,741,377 円であることが分かった。 表 4.2.2 は、4 月の道路種別の走行時間と走行距離を示している。 表 4.2.2 4 月の道路種別走行時間と走行距離の状況 道路種別 一般 走行時間(h) 走行距離(km) 高速 専用 合計 3014 2820 2386 8220 75598 168499 83955 328052 表 4.2.2 より、走行時間は一般道路が最も多く、3014 時間であることが分かった。一方、走行距 離は高速道路が最も多く、16,849,9km であった。 表 4.2.3 は、5 月の道路種別の走行時間と走行距離を示している。 表 4.2.3 5 月の道路種別走行時間と走行距離の状況 道路種別 走行時間(h) 走行距離(km) 一般 高速 専用 合計 3295 2431 1979 7705 83791 145250 70932 299973 表 4.2.3 より、走行時間は一般道路が最も多く、3295 時間であることが分かった。一方、走行距 離は高速道路が最も多く、14,525,0km であった。 38 表 4.2.4 は、6 月の道路種別の走行時間と走行距離を示している。 表 4.2.4 6 月の道路種別走行時間と走行距離の状況 道路種別 一般 高速 合計 3495 2599 1884 7978 89026 152230 66542 307799 走行時間(h) 走行距離(km) 専用 表 4.2.4 より、走行時間は一般道路が最も多く、3495 時間であることが分かった。一方、走行距 離は高速道路が最も多く、15,223,0km であった。 表 4.2.5 は、4 月の車両重量別の車両台数や走行距離、1 台当たりの走行距離を示している。 表 4.2.5 4 月の車両重量別車両台数や走行距離等の状況 2 トン 3 トン 4 トン 8 トン 車両台数(台) 18 1 23 2 走行距離(km) 73474.9 3485.7 118033.6 12636.5 4081.9 3485.7 5131.9 6318.3 1 台あたりの走行距離(km/台) 10 トン 12 トン 13 トン 合計 車両台数(台) 9 5 8 66 走行距離(km) 42380.2 32593.4 45414.1 328018.4 4708.9 6518.7 5676.8 4970.0 1 台あたりの走行距離(km/台) 表 4.2.5 より、車両台数は 4 トンが最も多く、23 台であり、走行距離も 4 トンが最も多く、約 11,803,4km であることが分かった。また、1 台あたりの走行距離は 12 トンが最も多く、約 6519km であった。 表 4.2.6 は、5 月の車両重量別の車両台数や走行距離、1 台当たりの走行距離を示している。 表 4.2.6 5 月の車両重量別車両台数や走行距離等の状況 2 トン 3 トン 4 トン 8 トン 車両台数(台) 18 1 22 2 走行距離(km) 73400.6 3694.6 108100.3 11876.9 4077.8 3694.6 4913.6 5938.5 1 台あたりの走行距離(km/台) 10 トン 12 トン 13 トン 合計 車両台数(台) 8 5 7 63 走行距離(km) 41992.4 21689.0 39191.5 299945.3 5249.0 4337.8 5598.8 4761.0 1 台あたりの走行距離(km/台) 39 表 4.2.6 より、車両台数は 4 トンが最も多く、22 台であり、走行距離も 4 トンが最も多く、約 10,810,0km であることが分かった。また、1 台あたりの走行距離は 8 トンが最も多く、約 5939km であった。 表 4.2.7 は、6 月の車両重量別の車両台数や走行距離、1 台当たりの走行距離を示している。 表 4.2.7 6 月の車両重量別車両台数や走行距離等の状況 2 トン 3 トン 4 トン 8 トン 車両台数(台) 17 1 22 2 走行距離(km) 72643.2 3702.1 107772.4 10294.1 4273.1 3702.1 4898.7 5147.0 1 台あたりの走行距離(km/台) 10 トン 12 トン 13 トン 合計 車両台数(台) 8 5 7 62 走行距離(km) 39238.2 30066.8 44048.7 307765.4 4904.8 6013.4 6292.7 4964.0 1 台あたりの走行距離(km/台) 表 4.2.7 より、車両台数は 4 トンが最も多く、22 台であり、走行距離も 4 トンが最も多く、約 10,777,2km であることが分かった。また、1 台あたりの走行距離は 13 トンが最も多く、約 6293km であった。 表 4.2.8 は、4 月の走行時間やアイドリング時間、停止時間、稼働時間、そして、稼働時間を 100% とした時のそれぞれの時間の構成割合を示している。 表 4.2.8 4 月の走行時間、アイドリング時間等の状況 走行時間 時間(h) 構成割合(%) アイドリング時間 停止時間 稼働時間 8220.0 1488.2 10463.5 20171.7 40.8 7.4 51.9 100 表 4.2.8 より、走行時間は 8220 時間、アイドリング時間は約 1488 時間、停止時間は約 10,464 時 間、稼働時間は約 20,172 時間であることが分かった。また、構成割合では、停止時間が最も多く、 約 52%であった。 40 表 4.2.9 は、5 月の走行時間やアイドリング時間、停止時間、稼働時間、そして、稼働時間を 100% とした時のそれぞれの時間の構成割合を示している。 表 4.2.9 5 月の走行時間、アイドリング時間等の状況 走行時間 アイドリング時間 停止時間 稼働時間 時間(h) 7705 1011.3 10185.7 18902.1 構成割合(%) 40.8 5.4 53.9 100 表 4.2.9 より、走行時間は 7705 時間、アイドリング時間は約 1011 時間、停止時間は約 10,186 時 間、稼働時間は約 18,902 時間であることが分かった。また、構成割合では、停止時間が最も多く、 約 54%であった。 表 4.2.10 は、6 月の走行時間やアイドリング時間、停止時間、稼働時間、そして、稼働時間を 100% とした時のそれぞれの時間の構成割合を示している。 表 4.2.10 6 月の走行時間、アイドリング時間等の状況 走行時間 アイドリング時間 停止時間 稼働時間 時間(h) 7978 1945.1 9892.3 19815.3 構成割合(%) 40.3 9.8 49.9 100 表 4.2.10 より、走行時間は 7978 時間、アイドリング時間は約 1945 時間、停止時間は約 9892 時 間、稼働時間は約 19,815 時間であることが分かった。また、構成割合では、停止時間が最も多く、 約 50%であった。 41 4.3 法律用語とデータの関係性 4.3 では、労働基準法や自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(改善基準告示)で定めら れている用語とドライバーの運転日報のデータとの関係性についてまとめる。 [ ]内の用語は法律用語を示す。 [始業時刻]=出社日時 出社日時=出庫日時 [終業時刻]=退社日時 退社日時=入庫日時 [拘束時間]=就業時間 [労働時間]=就業時間-休憩時間 [休憩時間]=休憩時間 [休息期間]=出社日時-退社日時 [運転時間]=走行時間 走行時間=一般道走行時間+高速道走行時間+専用道走行時間 [時間外労働]=残業時間 42 第5章 ドライバーの労働実態の分析 5.1 分析方法 労働実態の検証についての分析方法を示す。 5.2、5.3 では、労働基準法の労働時間と休憩時間の定義を基に、[労働時間]=就業時間-休憩時間、 [休憩時間]=休憩時間という式を使って、ドライバーの労働実態を分析する。 そして、5.4、5.5、5.6 では、自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(改善基準告示)の拘 束時間と休息期間、運転時間の定義を基に、[拘束時間]=就業時間、[休息期間]=出社日時-退社日時、 [運転時間]=走行時間=一般道走行時間+高速道走行時間+専用道走行時間という式を使って、ドライ バーの労働実態を分析する。 表 5.1.1 は、5.2、5.3 の分析項目を示す。 表 5.1.1 5.2、5.3 の分析項目 労働基準法 5.2 労働時間 5.2.1 1 週間単位の労働時間 5.2.2 1 日単位の労働時間 5.3.1 労働時間が 6 時間超であり 8 時間以下の場合の休憩時間 5.3 休憩時間 5.3.2 労働時間が 8 時間超であり 10 時間以下の場合の休憩時間 5.3.3 労働時間が 10 時間を超える場合の休憩時間 表 5.1.2 は、5.4、5.5、5.6 の分析項目を示す。 表 5.1.2 5.4、5.5、5.6 の分析項目 自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(改善基準告示) 5.4 拘束時間 5.4.1 1 カ月単位の拘束時間 5.4.2 1 日単位の拘束時間 5.4.3 1 週間内に 1 日の拘束時間が 15 時間を超える回数 5.5 休息期間 1 日単位の休息期間 5.6 運転時間 5.6.1 1 日単位(2 日平均)の運転時間 5.6.2 1 週間単位(2 週間平均)の運転時間 43 5.2 労働時間に関する分析結果 5.2.1 1 週間単位の労働時間 労働基準法により、労働時間は 1 週間について休憩時間を除き、40 時間以下でなければならな いと定められている。 表 5.2.1 に、ドライバーの運転日報における 4 月、5 月、6 月の 1 週間単位の労働時間の度数分布 と割合を示す。 表 5.2.1 1 週間単位の労働時間の頻度と割合 労働時間 4 月(回) 割合(%) 5 月(回) 割合(%) 6 月(回) 割合(%) 30 時間以下 7 2.8 4 1.6 2 0.8 40 時間以下 4 1.6 6 2.4 2 0.8 50 時間以下 21 8.3 17 6.9 16 6.4 60 時間以下 63 25.0 72 29.3 68 27.2 70 時間以下 50 19.8 57 23.2 54 21.6 80 時間以下 45 17.9 42 17.1 49 19.6 90 時間以下 20 7.9 24 9.8 33 13.2 100 時間以下 15 6.0 9 3.7 8 3.2 100 時間超 27 10.7 15 6.1 18 7.2 252 100.0 246 100.0 250 100 合計 表 5.2.1 より、3 ヶ月間で、労働時間 60 時間以下が最も多く、4 月は 63 回、5 月は 72 回、6 月は 68 回であることが分かった。 労働基準法の 40 時間以下を満たしている割合を見ると、4 月、5 月は約 4%で、6 月は約 2%という 結果となった。極めて低い値であった。 44 図 5.2.1 に、4 月の 1 週間単位の労働時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は労働時間を示している。 70 63 60 50 頻度 回( ) 50 45 40 30 21 20 10 7 20 27 15 4 0 時間 図 5.2.1 4 月の 1 週間単位の労働時間 図 5.2.1 より、労働時間 40 時間以下の頻度は 11 回、50 時間以下は 21 回、60 時間以下は 63 回、 70 時間以下は 50 回、80 時間以下は 45 回、80 時間を超えるものは 62 回であることが分かる。 よって、労働時間 60 時間以下の頻度が最も高い。 図 5.2.2 に、5 月の 1 週間単位の労働時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は労働時間を示している。 80 70 60 50 40 72 57 頻度 回( ) 30 20 10 0 42 24 17 4 9 6 時間 図 5.2.2 5 月の 1 週間単位の労働時間 45 15 図 5.2.2 より、労働時間 40 時間以下の頻度は 10 回、50 時間以下は 17 回、60 時間以下は 72 回、 70 時間以下は 57 回、80 時間以下は 42 回、80 時間を超えるものは 48 回であることが分かる。 よって、労働時間 60 時間以下の頻度が最も高い。 図 5.2.3 に、6 月の 1 週間単位の労働時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は労働時間を示している。 80 70 60 50 40 68 頻度 回( ) 54 30 20 10 0 49 33 18 16 2 8 2 時間 図 5.2.3 6 月の 1 週間単位の労働時間 図 5.2.3 より、労働時間 40 時間以下の頻度は 4 回、50 時間以下は 16 回、60 時間以下は 68 回、 70 時間以下は 54 回、80 時間以下は 49 回、80 時間を超えるものは 59 回であることが分かる。 よって、労働時間 60 時間以下の頻度が最も高い。 46 5.2.2 1 日単位の労働時間 労働基準法より、1 日についての労働時間は、休憩時間を除き 8 時間以下でなければならないと 定められている。 表 5.2.2 に、ドライバーの運転日報における 4 月、5 月、6 月の 1 日単位の労働時間の度数分布と 割合を示す。 表 5.2.2 1 日単位の労働時間の頻度と割合 労働時間 4 月(回) 割合(%) 5 月(回) 割合(%) 6 月(回) 割合(%) 2 時間以下 7 0.5 10 0.7 3 0.2 4 時間以下 18 1.2 26 1.7 18 1.2 6 時間以下 59 3.9 73 4.8 64 4.1 8 時間以下 170 11.2 185 12.2 164 10.5 10 時間以下 340 22.4 342 22.6 349 22.4 12 時間以下 307 20.2 290 19.2 310 19.9 14 時間以下 231 15.2 234 15.5 253 16.3 16 時間以下 145 9.5 161 10.7 197 12.7 18 時間以下 85 5.6 71 4.7 67 4.3 20 時間以下 39 2.6 36 2.4 30 1.9 22 時間以下 27 1.8 19 1.3 19 1.2 24 時間以下 22 1.4 18 1.2 21 1.4 24 時間超 70 4.6 46 3.0 60 3.9 1520 100.0 1511 100.0 1555 100.0 合計 表 5.2.2 より、3 ヶ月間で、労働時間 10 時間以下が最も多く、4 月は 340 回、5 月は 342 回、6 月 は 349 回であることが分かった。 労働基準法の 8 時間以下を満たしている割合を見ると、4 月は約 17%、5 月は約 19%、6 月は 16% という結果となった。 47 図 5.2.4 に、4 月の 1 日単位の労働時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は労働時間を示している。 400 340 350 307 300 231 頻度 回( ) 250 170 200 145 150 100 50 85 59 7 39 18 70 27 22 0 時間 図 5.2.4 4 月の 1 日単位の労働時間 図 5.2.4 より、労働時間が 8 時間以下の回数は 254 回、10 時間以下は 340 回、12 時間以下は 307 回、14 時間以下は 231 回、16 時間以下は 145 回、18 時間以下は 85 回、18 時間を超えるものは 158 回であることが分かる。よって、労働時間 10 時間以下の頻度が最も高い。 図 5.2.5 に、5 月の 1 日単位の労働時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は労働時間を示している。 400 342 350 290 頻度 回( ) 300 234 250 185 200 161 150 73 100 50 10 71 26 0 時間 図 5.2.5 5 月の 1 日単位の労働時間 48 36 19 18 46 図 5.2.5 より、労働時間が 8 時間以下の回数は 294 回、10 時間以下は 342 回、12 時間以下は 290 回、14 時間以下は 234 回、16 時間以下は 161 回、18 時間以下は 71 回、18 時間を超えるものは 119 回であることが分かる。よって、労働時間 10 時間以下の頻度が最も高い。 図 5.2.6 に、6 月の 1 日単位の労働時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は労働時間を示している。 400 349 350 300 310 頻度 回( ) 253 250 200 197 164 150 100 50 0 67 64 3 18 30 19 21 60 時間 図 5.2.6 6 月の 1 日単位の労働時間 図 5.2.6 より、労働時間が 8 時間以下の回数は 294 回、10 時間以下は 349 回、12 時間以下は 310 回、14 時間以下は 253 回、16 時間以下は 197 回、18 時間以下は 67 回、18 時間を超えるものは 130 回であることが分かる。よって、労働時間 10 時間以下の頻度が最も高い。 49 5.3 休憩時間に関する分析結果 5.3.1 労働時間が 6 時間超であり 8 時間以下の場合の休憩時間 労働基準法により、労働時間が 6 時間を超える場合においては少なくとも 45 分の休憩時間がな ければならないと定められている。 表 5.3.1 に、ドライバーの運転日報における 4 月、5 月、6 月の労働時間が 6 時間超~8 時間以下 の場合の休憩時間の度数分布と割合を示す。 表 5.3.1 労働時間が 6 時間超~8 時間以下の場合における休憩時間の頻度と割合 休憩時間 0分 4 月(回) 合計 5 月(回) 割合(%) 6 月(回) 割合(%) 123 72.8 134 72.4 349 80.6 7 4.1 12 6.5 23 5.3 39 23.1 39 21.1 61 14.1 169 100 185 100 433 100 0<45 45 分以上 割合(%) 表 5.3.1 より、3 ヶ月間で、休憩時間 0 分が最も多く、4 月は 123 回、5 月は 134 回、6 月は 349 回であることが分かった。 労働基準法の 45 分以上を満たしている割合を見ると、4 月は約 23%、5 月は約 21%、6 月は約 14% という結果となった。 図 5.3.1 に、4 月の労働時間が 6 時間超で 8 時間以下の場合の休憩時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は休憩時間を示している。 140 123 120 頻度 回( ) 100 80 60 39 40 20 7 0 0分 0<45 45分以上 時間(分) 図 5.3.1 4 月の労働時間が 6 時間超で 8 時間以下の場合の休憩時間 50 図 5.3.1 より、休憩時間が 0 分の回数は 123 回、0 分を超え 45 分未満は 7 回、45 分以上は 39 回 であることが分かる。よって、休憩時間を取らない頻度が最も高い。 図 5.3.2 に、5 月の労働時間が 6 時間超で 8 時間以下の場合の休憩時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は休憩時間を示している。 160 140 134 120 頻度 回( ) 100 80 60 39 40 12 20 0 0分 0<45 45分以上 時間(分) 図 5.3.2 5 月の労働時間が 6 時間超で 8 時間以下の場合の休憩時間 図 5.3.2 より、休憩時間が 0 分の回数は 134 回、0 分を超え 45 分未満は 12 回、45 分以上は 39 回であることが分かる。よって、休憩時間を取らない頻度が最も高い。 51 図 5.3.3 に、6 月の労働時間が 6 時間超で 8 時間以下の場合の休憩時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は休憩時間を示している。 400 350 349 300 頻度 回( ) 250 200 150 100 61 50 23 0 0分 0<45 時間(分) 45分以上 図 5.3.3 6 月の労働時間が 6 時間超で 8 時間以下の場合の休憩時間 図 5.3.3 より、休憩時間が 0 分の回数は 349 回、0 分を超え 45 分未満は 23 回、45 分以上は 61 回であることが分かる。よって、休憩時間を取らない頻度が最も高い。 52 5.3.2 労働時間が 8 時間超であり 10 時間以下の場合の休憩時間 労働基準法により、労働時間が 8 時間を超える場合においては少なくとも 1 時間の休憩時間が なければならないと定められている。 表 5.3.2 に、ドライバーの運転日報における 4 月、5 月、6 月の労働時間が 8 時間超~10 時間以下 の場合の休憩時間の度数分布と割合を示す。 表 5.3.2 労働時間が 8 時間超~10 時間以下の場合における休憩時間の頻度と割合 休憩時間 4 月(回) 割合(%) 5 月(回) 割合(%) 6 月(回) 割合(%) 0分 234 68.8 220 64.3 296 71.2 0<60 43 12.6 51 14.9 62 14.9 60 分以上 63 18.5 71 20.8 58 13.9 340 100.0 342 100.0 416 100.0 合計 表 5.3.2 より、3 ヶ月間で、休憩時間 0 分が最も多く、4 月は 234 回、5 月は 220 回、6 月は 296 回であることが分かった。 労働基準法の 1 時間(60 分)以上を満たしている割合を見ると、4 月は約 19%、5 月は約 21%、6 月は 約 14%という結果となった。 図 5.3.4 に、4 月の労働時間が 8 時間超であり 10 時間以下の場合の休憩時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は休憩時間を示している。 250 234 200 頻度 回( ) 150 100 63 43 50 0 0分 0<60 60分以上 時間(分) 図 5.3.4 4 月の労働時間が 8 時間超で 10 時間以下の場合の休憩時間 53 図 5.3.4 より、休憩時間が 0 分の回数は 234 回、0 分を超え 1 時間未満は 43 回、1 時間以上は 63 回であることが分かる。よって、休憩時間を取らない頻度が最も高い。 図 5.3.5 に、5 月の労働時間が 8 時間超で 10 時間以下の場合の休憩時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は休憩時間を示している。 250 220 200 頻度 回( ) 150 100 71 51 50 0 0分 0<60 60分以上 時間(分) 図 5.3.5 5 月の労働時間が 8 時間超で 10 時間以下の場合の休憩時間 図 5.3.5 より、休憩時間が 0 分の回数は 220 回、0 分を超え 1 時間未満は 51 回、1 時間以上は 71 回であることが分かる。よって、休憩時間を取らない頻度が最も高い。 54 図 5.3.6 に、6 月の労働時間が 8 時間超で 10 時間以下の場合の休憩時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は休憩時間を示している。 350 300 296 頻度 回( ) 250 200 150 100 62 58 0<60 60分以上 50 0 0分 時間(分) 図 5.3.6 6 月の労働時間が 8 時間超で 10 時間以下の場合の休憩時間 図 5.3.6 より、休憩時間が 0 分の回数は 296 回、0 分を超え 1 時間未満は 62 回、1 時間以上は 58 回であることが分かる。よって、休憩時間を取らない頻度が最も高い。 55 5.3.3 労働時間が 10 時間を超える場合の休憩時間 労働基準法の第 32 条の 5 において、日ごとの業務に著しい繁閑の差が生じることが多く、各日 の労働時間を特定することが困難であると認められる厚生労働省令で定める事業であって、常時使 用する労働者の数が厚生労働省令で定める数未満のものに従事する労働者については、労働組合や 労働者の過半数を代表する者との書面による協定があるとき、1 日について 10 時間まで労働させ ることができると定められている。よって、5.3.3 では、労働時間が 10 時間を超える場合におい ても検討する。この場合、労働時間は 8 時間を超えているので、少なくとも 1 時間の休憩時間が なければならないと考えた。 表 5.3.3 に、ドライバーの運転日報における 4 月、5 月、6 月の労働時間が 10 時間超の場合の休憩 時間の度数分布と割合を示す。 表 5.3.3 労働時間が 10 時間超の場合における休憩時間の頻度と割合 休憩時間 4 月(回) 割合(%) 5 月(回) 割合(%) 6 月(回) 割合(%) 0分 687 70.3 671 76.7 394 83.1 0<60 86 8.8 67 7.7 36 7.6 60 分以上 204 20.9 137 15.7 44 9.3 合計 977 100 875 100 474 100 表 5.3.3 より、3 ヶ月間で、休憩時間 0 分が最も多く、4 月は 687 回、5 月は 671 回、6 月は 394 回であることが分かった。極めて高い値であった。 労働基準法の 1 時間(60 分)以上を満たしている割合を見ると、4 月は約 21%、5 月は約 16%、6 月は 約 9%という結果となった。 56 図 5.3.7 に、4 月の労働時間が 10 時間を超える場合の休憩時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は休憩時間を示している。 800 700 687 600 頻度 回( ) 500 400 300 204 200 86 100 0 0分 0<60 60分以上 時間(分) 図 5.3.7 4 月の労働時間が 10 時間を超える場合の休憩時間 図 5.3.7 より、休憩時間が 0 分の回数は 687 回、0 分を超え 1 時間未満は 86 回、1 時間以上は 204 回であることが分かる。よって、休憩時間を取らない頻度が最も高い。 図 5.3.8 に、5 月の労働時間が 10 時間を超える場合の休憩時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は休憩時間を示している。 800 700 671 600 頻度 回( ) 500 400 300 200 137 67 100 0 0分 0<60 60分以上 時間(分) 図 5.3.8 5 月の労働時間が 10 時間を超える場合の休憩時間 57 図 5.3.8 より、休憩時間が 0 分の回数は 671 回、0 分を超え 1 時間未満は 67 回、1 時間以上は 137 回であることが分かる。よって、休憩時間を取らない頻度が最も高い。 図 5.3.9 に、6 月の労働時間が 10 時間を超える場合の休憩時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は休憩時間を示している。 450 400 394 350 頻度 回( ) 300 250 200 150 100 50 36 44 0<60 60分以上 0 0分 時間(分) 図 5.3.9 6 月の労働時間が 10 時間を超える場合の休憩時間 図 5.3.9 より、休憩時間が 0 分の回数は 394 回、0 分を超え 1 時間未満は 36 回、1 時間以上は 44 回であることが分かる。よって、休憩時間を取らない頻度が最も高い。 58 5.4 拘束時間に関する分析結果 5.4.1 1 カ月単位の拘束時間 拘束時間とは、始業時刻から就業時刻までの時間で、労働時間と休憩時間(仮眠時間等を含む)の 合計時間をいう。 自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(以下、改善基準告示とする)により、1カ月の拘束 時間は 293 時間以内(320 時間まで延長可能)でなければならないと定められている。 表 5.4.1 に、ドライバーの運転日報における 4 月、5 月、6 月の 1 カ月単位の拘束時間の度数分布と 割合を示す。 表 5.4.1 1 カ月単位の拘束時間の頻度と割合 拘束時間 4 月(回) 割合(%) 5 月(回) 割合(%) 6 月(回) 割合(%) 293 時間以下 28 43.1 28 44.4 24 37.5 293 時間<320 時間 13 20.0 18 28.6 11 17.2 320 時間以上 24 36.9 17 27.0 29 45.3 合計 65 100.0 63 100.0 64 100.0 表 5.4.1 より、4 月、5 月では拘束時間 293 時間以下が最も多く、4 月は 28 回、5 月は 28 回であ ることが分かった。6 月は拘束時間 320 時間以上が最も多く、29 回であった。 改善基準告示の 293 時間以内を満たしている割合を見ると、4 月は約 43%、5 月は約 44%、6 月は約 38%という結果となった。 59 図 5.4.1 に、4 月の 1 カ月単位の拘束時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は拘束時間を示している。 30 28 24 25 頻度 回( ) 20 15 13 10 5 0 293時間以下 293時間<320時間 320時間以上 時間(時) 図 5.4.1 4 月の 1 カ月単位の拘束時間 図 5.4.1 より、拘束時間が 293 時間以下の回数は 28 回、293 時間を超え 320 時間未満は 13 回、 320 時間以上は 24 回であることが分かる。よって、拘束時間 293 時間以下の頻度が最も高い。 図 5.4.2 に、5 月の 1 カ月単位の拘束時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は拘束時間を示している。 30 28 25 20 頻度 回( ) 18 17 15 10 5 0 293時間以下 293時間<320時間 時間(時) 図 5.4.2 5 月の 1 カ月単位の拘束時間 60 320時間以上 図 5.4.2 より、拘束時間が 293 時間以下の回数は 28 回、293 時間を超え 320 時間未満は 18 回、 320 時間以上は 17 回であることが分かる。よって、拘束時間 293 時間以下の回数が最も高い。 図 5.4.3 に、6 月の 1 カ月単位の拘束時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は拘束時間を示している。 35 29 30 24 頻度 回( ) 25 20 15 11 10 5 0 293時間以下 293時間<320時間 320時間以上 時間(時) 図 5.4.3 6 月の 1 カ月単位の拘束時間 図 5.4.3 より、拘束時間が 293 時間以下の回数は 24 回、293 時間を超え 320 時間未満は 11 回、 320 時間以上は 29 回であることが分かる。よって、拘束時間 320 時間以上の頻度が最も高い。 61 5.4.2 1 日単位の拘束時間 改善基準告示により、1 日の拘束時間は 13 時間以内(16 時間まで延長可能)でなければならない と定められている。 表 5.4.2 に、ドライバーの運転日報における 4 月、5 月、6 月の 1 日単位の拘束時間の度数分布と割 合を示す。 表 5.4.2 1 日単位の拘束時間の頻度と割合 拘束時間 4 月(回) 割合(%) 5 月(回) 割合(%) 6 月(回) 割合(%) 8 時間以下 109 7.2 89 5.9 107 6.9 10 時間以下 264 17.4 235 15.6 241 15.5 13 時間以下 416 27.4 324 21.4 478 30.7 15 時間以下 265 17.4 142 9.4 292 18.8 16 時間以下 100 6.6 54 3.6 138 8.9 20 時間以下 207 13.6 84 5.6 177 11.4 20 時間超 159 10.5 583 38.6 122 7.8 1520 100.0 1511 100.0 1555 100.0 合計 表 5.4.2 より、4 月、6 月では、拘束時間 13 時間が最も多く、4 月は 416 回、6 月は 478 回である ことが分かった。5 月は拘束時間 20 時間超が最も多く、583 回であった。 改善基準告示の 13 時間以内を満たしている割合を見ると、4 月は 52%、5 月は約 43%、6 月は約 53% という結果となった。 62 図 5.4.4 に、4 月の 1 日単位の拘束時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は拘束時間を示している。 頻度 回( ) 450 400 350 300 250 200 150 100 50 0 416 265 264 207 159 109 100 時間 図 5.4.4 4 月の 1 日単位の拘束時間 図 5.4.4 より、拘束時間が 8 時間以下の回数は 109 回、10 時間以下は 264 回、13 時間以下は 416 回、15 時間以下は 265 回、16 時間以下は 100 回、20 時間以下は 207 回、20 時間を超えるものは 159 回であることが分かる。よって、拘束時間 13 時間以下の頻度が最も高い。 図 5.4.5 に、5 月の 1 日単位の拘束時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は拘束時間を示している。 700 583 600 頻度 回( ) 500 400 324 300 200 100 235 89 142 54 0 時間 図 5.4.5 5 月の 1 日単位の拘束時間 63 84 図 5.4.5 より、拘束時間が 8 時間以下の回数は 89 回、10 時間以下は 235 回、13 時間以下は 324 回、15 時間以下は 142 回、16 時間以下は 54 回、20 時間以下は 84 回、20 時間を超えるものは 583 回であることが分かる。よって、拘束時間 20 時間超の頻度が最も高い。 図 5.4.6 に、6 月の 1 日単位の拘束時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は拘束時間を示している。 600 478 500 頻度 回( ) 400 300 200 100 241 292 138 107 177 122 0 時間 図 5.4.6 6 月の 1 日単位の拘束時間 図 5.4.6 より、拘束時間が 8 時間以下の回数は 107 回、10 時間以下は 241 回、13 時間以下は 478 回、15 時間以下は 292 回、16 時間以下は 138 回、20 時間以下は 177 回、20 時間を超えるものは 122 回であることが分かる。よって、拘束時間 13 時間以下の頻度が最も高い。 64 5.4.3 1 週間内に 1 日の拘束時間が 15 時間を超える回数 改善基準告示により、1 日についての拘束時間が 15 時間を超える回数は、1 週間について 2 回 以内でなければならないと定められている。 表 5.4.3 に、ドライバーの運転日報における 4 月、5 月、6 月の 1 週間内に 1 日の拘束時間が 15 時間を超える回数の度数分布と割合を示す。 表 5.4.3 1 週間内に 1 日の拘束時間が 15 時間を超える回数の頻度と割合 回数 4 月(回) 0回 0 0.0 0 0.0 0 0.0 1回 33 21.6 22 13.5 2 0.8 2回 33 21.6 21 12.9 0 0.0 3回 42 27.5 16 9.8 1 0.4 4回 29 19.0 26 16.0 9 3.6 5回 14 9.2 38 23.3 44 17.6 6回 2 1.3 40 24.5 184 73.6 7回 0 0.0 0 0.0 10 4.0 合計 153 100.0 163 100.0 250 100.0 割合(%) 5 月(回) 割合(%) 6 月(回) 割合(%) 表 5.4.3 より、4 月の拘束時間 15 時間を超える回数は 3 回が最も多く、42 回であることが分かっ た。5 月と 6 月の拘束時間 15 時間を超える回数は 6 回が共に最も多く、5 月は 40 回、6 月は 184 回 であった。 改善基準告示の 2 回以内を満たす割合は、4 月は約 43%、5 月は約 26%、6 月は約 1%という結果と なった。6 月は満たす割合が極めて低いことが分かる。 65 図 5.4.7 に、4 月の 1 週間内に 1 日の拘束時間が超える回数の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は 1 日の拘束時間が 15 時間を超える回数を示している。 45 42 40 33 35 33 29 頻度 回( ) 30 25 20 14 15 10 5 0 2 0 0回 1回 2回 3回 4回 5回 6回 0 7回 15時間を超える回数(回) 図 5.4.7 4 月の 1 週間内に 1 日の拘束時間が 15 時間を超える回数 図 5.4.7 より、1 週間内に 1 日の拘束時間が 15 時間を超える回数が 0 回のものは 0 回、1 回のも のは 33 回、2 回のものは 33 回、3 回のものは 42 回、4 回のものは 29 回、5 回のものは 14 回、6 回のものは 2 回、7 回のものは 0 回であることが分かる。よって、15 時間を超える回数は、3 回の 頻度が最も高い。 図 5.4.8 に、5 月の 1 週間内に 1 日の拘束時間が超える回数の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は 1 日の拘束時間が 15 時間を超える回数を示している。 45 38 40 40 35 30 頻度 回( ) 26 25 22 21 20 16 15 10 5 0 0 0回 0 1回 2回 3回 4回 5回 6回 15時間を超える回数(回) 図 5.4.8 5 月の 1 週間内に 1 日の拘束時間が 15 時間を超える回数 66 7回 図 5.4.8 より、1 週間内に 1 日の拘束時間が 15 時間を超える回数が 0 回のものは 0 回、1 回のも のは 22 回、2 回のものは 21 回、3 回のものは 16 回、4 回のものは 26 回、5 回のものは 38 回、6 回のものは 40 回、7 回のものは 0 回であることが分かる。よって、15 時間を超える回数は、6 回の 頻度が最も高い。 図 5.4.9 に、6 月の 1 週間内に 1 日の拘束時間が超える回数の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は 1 日の拘束時間が 15 時間を超える回数を示している。 200 184 180 160 頻度 回( ) 140 120 100 80 60 44 40 20 0 0 2 0 1 0回 1回 2回 3回 10 9 4回 5回 6回 7回 15時間を超える回数(回) 図 5.4.9 6 月の 1 週間内に 1 日の拘束時間が 15 時間を超える回数 図 5.4.9 より、1 週間内に 1 日の拘束時間が 15 時間を超える回数が 0 回のものは 0 回、1 回のも のは 2 回、2 回のものは 0 回、3 回のものは 1 回、4 回のものは 9 回、5 回のものは 44 回、6 回のも のは 184 回、7 回のものは 10 回であることが分かる。よって、15 時間を超える回数は、6 回の頻度 が最も高い。 67 5.5 休息期間に関する分析結果 改善基準告示より、1 日の休息期間は継続 8 時間以上とする必要があると定められている。また、 拘束時間と休息期間は表裏一体のものであり、1 日とは始業時刻から起算して 24 時間をいうので、1 日(24 時間)=拘束時間(16 時間以内)+休息期間(8 時間以上)となる。 また、休日は、休息期間+24 時間の連続した時間とする必要がある。ただし、いかなる場合も、 この時間が 30 時間を下回ってはならない。すなわち、休息期間は原則として 8 時間確保されなけれ ばならないので、休日は、「休息期間 8 時間+24 時間=32 時間」以上の連続した時間となる。 表 5.5 に、ドライバーの運転日報における 4 月、5 月、6 月の 1 日単位の休息期間の度数分布と割合 を示す。 表 5.5 1 日単位の休息期間 休息期間 0 時間 4 月(回) 割合(%) 5 月(回) 割合(%) 6 月(回) 割合(%) 114 7.9 76 5.2 88 5.9 2 時間以下 13 0.9 11 0.8 17 1.1 4 時間以下 14 1.0 10 0.7 9 0.6 6 時間以下 29 2.0 30 2.1 19 1.3 8 時間以下 86 5.9 85 5.9 82 5.5 10 時間以下 174 12.0 171 11.8 220 14.8 12 時間以下 226 15.6 244 16.9 272 18.2 18 時間以下 506 34.8 482 33.3 496 33.3 24 時間以下 42 2.9 42 2.9 46 3.1 32 時間以下 23 1.6 12 0.8 6 0.4 225 15.5 285 19.7 236 15.8 1452 100.0 1448 100.0 1491 100.0 32 時間超 合計 表 5.5 より、3 ヶ月間で、休息期間 18 時間以下が最も多く、4 月は 506 回、5 月は 482 回、6 月 は 496 回であることが分かった。 改善基準告示の 8 時間以上を満たす割合は、4 月は約 82%、5 月は約 85%、6 月は約 86%という 結果となった。しかし、一方で、0 時間の値も高く、4 月は 114 回、5 月は 76 回、6 月は 88 回とい う結果のため、1 日 8 時間以上という休息期間を取っていない場合もあることが分かった。 68 図 5.5.1 に、4 月の 1 日の休息期間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は休息期間の時間を示している。 600 506 500 ( 400 頻 度 300 回 200 ) 174 114 100 226 225 86 13 14 42 29 23 0 時間(時) 図 5.5.1 4 月の 1 日の休息期間の分布 図 5.5.1 より、1 日の休息期間が 0 時間のものは 114 回、2 時間以下は 13 回、4 時間以下は 14 回、 6 時間以下は 29 回、8 時間以下は 86 回、10 時間以下は 174 回、12 時間以下は 226 回、18 時間以 下は 506 回、24 時間以下は 42 回、32 時間以下は 23 回、32 時間を超えるものは 225 回であること が分かった。よって、休息期間 18 時間以下の頻度が最も高い。 図 5.5.2 に、5 月の 1 日の休息期間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は休息期間の時間を示している。 600 482 500 400 頻 度 300 回 200 ( 171 ) 100 285 244 76 11 10 30 85 42 0 時間(時) 図 5.5.2 5 月の 1 日の休息期間の分布 69 12 図 5.5.2 より、1 日の休息期間が 0 時間のものは 76 回、2 時間以下は 11 回、4 時間以下は 10 回、 6 時間以下は 30 回、8 時間以下は 85 回、10 時間以下は 171 回、12 時間以下は 244 回、18 時間以 下は 482 回、24 時間以下は 42 回、32 時間以下は 12 回、32 時間を超えるものは 285 回であるこ とが分かった。よって、休息期間 18 時間以下の頻度が最も高い。 図 5.5.3 に、6 月の 1 日の休息期間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は休息期間の時間を示している。 600 496 500 400 頻 度 300 回 200 ( 220 272 236 ) 100 0 88 82 17 9 46 19 6 時間(時) 図 5.5.3 6 月の 1 日の休息期間の分布 図 5.5.3 より、1 日の休息期間が 0 時間のものは 88 回、2 時間以下は 17 回、4 時間以下は 9 回、 6 時間以下は 19 回、8 時間以下は 82 回、10 時間以下は 220 回、12 時間以下は 272 回、18 時間以 下は 496 回、24 時間以下は 46 回、32 時間以下は 6 回、32 時間を超えるものは 236 回であること が分かった。よって、休息期間 18 時間以下の頻度が最も高い。 70 5.6 運転時間に関する分析結果 5.6.1 1 日単位(2 日平均)の運転時間 改善基準告示より、1 日の運転時間は 2 日平均で 9 時間以内でなければならないと定められてい る。 表 5.6.1 に、ドライバーの運転日報における 4 月、5 月、6 月の 1 日単位の運転時間(2 日平均)の度 数分布と割合を示す。 表 5.6.1 1 日単位の運転時間(2 日平均)の頻度と割合 運転時間 4月 5月 % 6月 % % 0 時間 153 8.1 128 6.8 112 6.0 3 時間以下 407 21.6 503 26.6 635 34.2 6 時間以下 975 51.7 987 52.2 653 35.2 9 時間以下 303 16.1 251 13.3 305 16.4 12 時間以下 37 2.0 12 0.6 99 5.3 15 時間以下 7 0.4 3 0.2 41 2.2 18 時間以下 0 0.0 2 0.1 5 0.3 21 時間以下 3 0.2 3 0.2 3 0.2 24 時間以下 0 0.0 1 0.1 3 0.2 1885 100.0 1890 100.0 1856 100.0 合計 表 5.6.1 より、3 ヶ月間で、運転時間 6 時間以下が最も多く、4 月は 975 回、5 月は 987 回、6 月 は 653 回であることが分かった。 改善基準告示の 9 時間以内を満たす割合を見ると、4 月は約 98%、5 月は約 99%、6 月は約 92%と いう結果となった。よって、1 日単位の運転時間は、3 カ月共に改善基準告示を満たす割合が高い。 71 図 5.6.1 に、4 月の 1 日単位(2 日平均)の運転時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は運転時間を示している。 1200 975 1000 頻度 回( ) 800 600 407 400 200 303 153 37 7 0 0 3 0 時間 図 5.6.1 4 月の 1 日単位(2 日平均)の運転時間 図 5.6.1 より、1 日単位(2 日平均)の運転時間が 0 時間の回数は 153 回、3 時間以下は 407 回、6 時間以下は 975 回、9 時間以下は 303 回、12 時間以下は 37 回、15 時間以下は 7 回、18 時間以下は 0 回、21 時間以下は 3 回、24 時間以下は 0 回であることが分かる。 よって、運転時間 6 時間以下の頻度が最も高い。 図 5.6.2 に、5 月の 1 日単位(2 日平均)の運転時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は運転時間を示している。 1200 987 1000 頻度 回( ) 800 503 600 400 200 0 251 128 12 3 時間 図 5.6.2 5 月の 1 日単位(2 日平均)の運転時間 72 2 3 1 図 5.6.2 より、1 日単位(2 日平均)の運転時間が 0 時間の回数は 128 回、3 時間以下は 503 回、6 時間以下は 987 回、9 時間以下は 251 回、12 時間以下は 12 回、15 時間以下は 3 回、18 時間以下は 2 回、21 時間以下は 3 回、24 時間以下は 1 回であることが分かる。 よって、運転時間 6 時間以下の頻度が最も高い。 図 5.6.3 に、6 月の 1 日単位(2 日平均)の運転時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は運転時間を示している。 700 635 653 600 頻度 回( ) 500 400 305 300 200 100 112 99 41 0 5 3 3 時間 図 5.6.3 6 月の 1 日単位(2 日平均)の運転時間 図 5.6.3 より、1 日単位(2 日平均)の運転時間が 0 時間の回数は 112 回、3 時間以下は 635 回、6 時間以下は 653 回、9 時間以下は 305 回、12 時間以下は 99 回、15 時間以下は 41 回、18 時間以下 は 5 回、21 時間以下は 3 回、24 時間以下は 3 回であることが分かる。 よって、運転時間 6 時間以下の頻度が最も高い。 73 5.6.2 1 週間単位(2 週間平均)の運転時間 改善基準告示より、1 週間の運転時間は 2 週間平均で 44 時間以内でなければならないと定められ ている。 表 5.6.2 に、ドライバーの運転日報における 4 月、5 月、6 月の 1 週間単位の運転時間(2 週間平均) の度数分布と割合を示す。 表 5.6.2 1 週間単位の運転時間(2 週間平均)の頻度と割合 運転時間 4 月(回) 割合(%) 5 月(回) 割合(%) 6 月(回) 割合(%) 0 時間 26 2.4 13 1.1 18 1.7 20 時間以下 78 7.1 57 5.0 232 21.3 30 時間以下 475 43.0 551 48.6 340 31.3 44 時間以下 482 43.6 498 43.9 352 32.4 50 時間以下 38 3.4 13 1.1 60 5.5 60 時間以下 6 0.5 2 0.2 73 6.7 60 時間超 0 0.0 0 0.0 13 1.2 1105 100.0 1134 100.0 1088 100.0 合計 表 5.6.2 より、4 月、6 月は、運転時間 44 時間以下が最も多く、4 月は 482 回、6 月は 352 回であ ることが分かった。5 月は、運転時間 30 時間以下が最も多く、551 回であった。 改善基準告示の 44 時間以内を満たす割合は、4 月は約 96%、5 月は約 99%、6 月は約 87%という結 果となった。よって、1 週間単位の運転時間も、3 カ月共に改善基準告示を満たす割合が高い。 74 図 5.6.4 に、4 月の 1 週間単位(2 週間平均)の運転時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は運転時間を示している。 600 475 500 482 頻度 回( ) 400 300 200 100 26 78 38 0 6 0 時間 図 5.6.4 4 月の 1 週間単位(2 週間平均)の運転時間 図 5.6.4 より、1 週間(2 週間平均)の運転時間が 0 時間の回数は 26 回、20 時間以下は 78 回、30 時間以下は 475 回、44 時間以下は 482 回、50 時間以下は 38 回、60 時間以下は 6 回、60 時間を超 える回数は 0 回であることが分かる。よって、運転時間 44 時間以下の頻度が最も高い。 図 5.6.5 に、5 月の 1 週間単位(2 週間平均)の運転時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は運転時間を示している。 551 600 500 498 頻度 回( ) 400 300 200 100 13 57 13 0 時間 図 5.6.5 5 月の 1 週間単位(2 週間平均)の運転時間 75 2 0 図 5.6.5 より、1 週間(2 週間平均)の運転時間が 0 時間の回数は 13 回、20 時間以下は 57 回、30 時間以下は 551 回、44 時間以下は 498 回、50 時間以下は 13 回、60 時間以下は 2 回、60 時間を超 える回数は 0 回であることが分かる。よって、運転時間 30 時間以下の頻度が最も高い。 図 5.6.6 に、6 月の 1 週間単位(2 週間平均)の運転時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は運転時間を示している。 400 340 350 頻度 回( ) 300 352 232 250 200 150 100 50 60 18 73 13 0 時間 図 5.6.6 6 月の 1 週間単位(2 週間平均)の運転時間 図 5.6.6 より、1 週間(2 週間平均)の運転時間が 0 時間の回数は 18 回、20 時間以下は 232 回、30 時間以下は 340 回、44 時間以下は 352 回、50 時間以下は 60 回、60 時間以下は 73 回、60 時間を超 える回数は 13 回であることが分かる。以上より、運転時間 44 時間以下の頻度が最も高い。 76 第6章 ドライバーの長時間労働における改善策の検討 6.1 分析方法 ドライバーの長時間労働における改善策の検討を行う。 第 5 章の分析結果より、労働時間や拘束時間は 1 カ月、1 週間、1 日単位などで見ても、法律で定 められている時間制限を大幅に超えているものが多かった。このドライバーの労働時間や拘束時間を 短くするためには、2 つの方法があると考えられる。1 つ目は、主体作業時間の運転時間を短縮する ことである。2 つ目は、補助作業時間等の運転時間以外の時間を短縮することである。 1 つ目の運転時間を短縮する場合は、運転時間内の無駄な時間であるトラックの空車走行時間等を 短縮する必要がある。実車走行時間も輸配送計画やルートの見直し等により短縮できると考えられる が、今回は無駄な時間を無くすという方針から、空車走行時間の短縮を考える。 2 つ目の運転時間以外の時間を短縮する場合は、補助作業時間である荷役時間等を短縮する必要が ある。よって、第 6 章では、荷役時間と空車走行時間に注目して、分析を行っていく。 6.2 では、荷役時間を詳細に把握するために、荷役時間を荷積時間と荷卸時間に分け、4 月、5 月、 6 月の月別に分析を行った。また、今回のトラック運送事業者が日々の運行にあたって、最も頻繁に 使用している、2 トン、4 トン、10 トン、13 トンのトラックについて分析をした。 分析の際、以下の式を使用した。 荷積時間=荷積時間(追加を除く)+追加荷積時間 荷卸時間=荷卸時間(追加を除く)+追加荷卸時間 荷役時間=荷積時間+荷卸時間 6.3 では、運転時間に含まれる空車走行時間を詳細に把握するために、4 月、5 月、6 月の月別と 一般道路、高速道路、専用道路の道路種別によって分析を行った。また、空車走行時間においても、 2 トン、4 トン、10 トン、13 トンのトラックについて分析をした。 分析の際、以下の式を使用した。 一般道走行距離=一般道・実車走行距離+一般道・空車走行距離 一般道走行速度=一般道走行距離÷一般道走行時間 一般道空車走行時間=一般道・空車走行距離÷一般道走行速度 高速道走行距離=高速道・実車走行距離+高速道・空車走行距離 高速道走行速度=高速道走行距離÷高速道走行時間 高速道空車走行時間=高速道・空車走行距離÷高速道走行速度 専用道走行距離=専用道・実車走行距離+専用道・空車走行距離 専用道走行速度=専用道走行距離÷専用道走行時間 専用道空車走行時間=専用道・空車走行距離÷専用道走行速度 空車走行時間=一般道空車走行時間+高速道空車走行時間+専用道空車走行時間 77 6.2、6.3 で個別に分析結果を示し、6.4 で長時間労働を引き起こす要因について明らかにする。そし て、6.5 で結果に対する考察(改善策等)をまとめて述べることとする。 表 6.1.1 は、6.2 の分析項目を示す。 表 6.1.1 6.2 の分析項目 荷役時間 6.2.1 荷積時間 6.2.2 荷卸時間 6.2.3 平均荷役時間 表 6.1.2 は、6.3 の分析項目を示す。 表 6.1.2 6.3 の分析項目 空車走行時間 6.3.1 一般道の空車走行時間 6.3.2 高速道の空車走行時間 6.3.3 専用道の空車走行時間 6.3.4 道路種別平均空車走行時間 78 6.2 荷役時間の分析結果 6.2.1 荷積時間 まず、表 6.2.1 に、ドライバーの運転日報における 4 月の車両重量別(2 トン、4 トン、10 トン、 13 トン)の荷積時間の度数分布と割合を示す。 表 6.2.1 4 月の車両重量別荷積時間の頻度と割合 荷積時間 2t(回) 割合(%) 4t(回) 割合(%) 10t(回) 割合(%) 13t(回) 割合(%) 0分 18 4.1 26 4.8 4 2.1 12 7.5 20 分以下 31 7.0 88 16.3 16 8.2 12 7.5 40 分以下 16 3.6 59 10.9 12 6.2 13 8.1 60 分以下 32 7.2 56 10.4 10 5.2 21 13.1 80 分以下 61 13.8 67 12.4 8 4.1 20 12.5 100 分以下 92 20.8 49 9.1 15 7.7 14 8.8 120 分以下 83 18.7 36 6.7 16 8.2 10 6.3 140 分以下 60 13.5 33 6.1 21 10.8 7 4.4 160 分以下 26 5.9 34 6.3 20 10.3 11 6.9 180 分以下 12 2.7 23 4.3 9 4.6 8 5.0 200 分以下 7 1.6 28 5.2 17 8.8 8 5.0 200 分超 5 1.1 40 7.4 46 23.7 24 15.0 443 100.0 539 100.0 194 100.0 160 100.0 合計 表 6.2.1 より、2 トン車は荷積時間 100 分以下の回数が 92 回(約 21%)で最も多く、4 トン車は荷積 時間 20 分以下の回数が 88 回(約 16%)で最も多いことが分かった。10 トン車は荷積時間 200 分を超 えるの回数が 46 回(約 24%)で最も多く、13 トン車も荷積時間 200 分を超える回数が 24 回(15%)で 最も多かった。よって、重量が重いトラックは荷積時間が長いことが分かる。 79 図 6.2.1 に、4 月の 2 トン車の荷積時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は荷積時間を示している。 92 83 61 60 ( 100 90 80 70 頻 60 度 50 回 40 30 20 10 0 32 ) 31 18 26 16 12 7 5 時間(分) 図 6.2.1 4 月、2 トン車の荷積時間の分布 図 6.2.1 より、荷積時間が 0 分の回数は 18 回、20 分以下は 31 回、40 分以下は 16 回、60 分以下 は 32 回、80 分以下は 61 回、100 分以下は 92 回、120 分以下は 83 回、140 分以下は 60 回、160 分以下は 26 回、180 分以下は 12 回、200 分以下は 7 回、200 分を超える回数は 5 回であることが 分かった。よって、荷積時間 100 分以下の頻度が最も高い。 図 6.2.2 に、4 月の 4 トン車の荷積時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は荷積時間を示している。 88 59 67 56 49 36 ( 100 90 80 70 頻 60 度 50 回 40 30 20 10 0 ) 26 33 40 34 23 時間(分) 図 6.2.2 4 月、4 トン車の荷積時間の分布 80 28 図 6.2.2 より、荷積時間が 0 分の回数は 26 回、20 分以下は 88 回、40 分以下は 59 回、60 分以下 は 56 回、80 分以下は 67 回、100 分以下は 49 回、120 分以下は 36 回、140 分以下は 33 回、160 分以下は 34 回、180 分以下は 23 回、200 分以下は 28 回、200 分を超える回数は 40 回であること が分かった。よって、荷積時間 20 分以下の頻度が最も高い。 図 6.2.3 に、4 月の 10 トン車の荷積時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は荷積時間を示している。 46 21 ( 50 45 40 35 頻 30 度 25 回 20 15 10 5 0 ) 16 4 12 15 10 16 20 17 9 8 時間(分) 図 6.2.3 4 月、10 トン車の荷積時間の分布 図 6.2.3 より、荷積時間が 0 分の回数は 4 回、20 分以下は 16 回、40 分以下は 12 回、60 分以下 は 10 回、80 分以下は 8 回、100 分以下は 15 回、120 分以下は 16 回、140 分以下は 21 回、160 分 以下は 20 回、180 分以下は 9 回、200 分以下は 17 回、200 分を超える回数は 46 回であることが分 かった。よって、荷積時間 200 分を超える頻度が最も高い。 81 図 6.2.4 に、4 月の 13 トン車の荷積時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は荷積時間を示している。 30 24 25 21 20 ( 頻 度 15 回 10 12 12 13 20 14 11 ) 10 7 8 8 5 0 時間(分) 図 6.2.4 4 月、13 トン車の荷積時間の分布 図 6.2.4 より、荷積時間が 0 分の回数は 12 回、20 分以下は 12 回、40 分以下は 13 回、60 分以下 は 21 回、80 分以下は 20 回、100 分以下は 14 回、120 分以下は 10 回、140 分以下は 7 回、160 分 以下は 11 回、180 分以下は 8 回、200 分以下は 8 回、200 分を超える回数は 24 回であることが分か った。よって、荷積時間 200 分を超える頻度が最も高い。 82 次に、表 6.2.2 に、ドライバーの運転日報における 5 月の車両重量別(2 トン、4 トン、10 トン、 13 トン)の荷積時間の度数分布と割合を示す。 表 6.2.2 5 月の車両重量別荷積時間の頻度と割合 荷積時間 2t(回) 割合(%) 4t(回) 割合(%) 10t(回) 割合(%) 13t(回) 割合(%) 0分 15 3.3 31 5.6 4 2.1 12 8.1 20 分以下 17 3.7 73 13.3 12 6.2 7 4.7 40 分以下 14 3.1 54 9.8 11 5.7 12 8.1 60 分以下 31 6.8 54 9.8 13 6.7 19 12.8 80 分以下 99 21.8 46 8.4 13 6.7 17 11.4 100 分以下 81 17.8 60 10.9 20 10.3 14 9.4 120 分以下 83 18.3 41 7.5 15 7.7 11 7.4 140 分以下 58 12.8 51 9.3 18 9.3 15 10.1 160 分以下 28 6.2 25 4.5 14 7.2 8 5.4 180 分以下 14 3.1 21 3.8 17 8.8 7 4.7 200 分以下 6 1.3 30 5.5 13 6.7 5 3.4 200 分超 8 1.8 64 11.6 44 22.7 22 14.8 454 100.0 550 100.0 194 100.0 149 100.0 合計 表 6.2.2 より、2 トン車は荷積時間 80 分以下の回数が 99 回(約 22%)で最も多く、4 トン車は荷積 時間 20 分以下の回数が 73 回(約 13%)で最も多いことが分かった。10 トン車は荷積時間 200 分を超 える回数が 44 回(約 23%)で最も多く、13 トン車も荷積時間 200 分を超える回数が 22 回(約 15%)で 最も多かった。よって、重量が重いトラックは荷積時間が長いことが分かる。 83 図 6.2.5 に、5 月の 2 トン車の荷積時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は荷積時間を示している。 120 99 100 ( 頻 度 ) 回 81 80 83 58 60 31 40 20 15 17 28 14 14 6 8 0 時間(分) 図 6.2.5 5 月、2 トン車の荷積時間の分布 図 6.2.5 より、荷積時間が 0 分の回数は 15 回、20 分以下は 17 回、40 分以下は 14 回、60 分以下 は 31 回、80 分以下は 99 回、100 分以下は 81 回、120 分以下は 83 回、140 分以下は 58 回、160 分以下は 28 回、180 分以下は 14 回、200 分以下は 6 回、200 分を超える回数は 8 回であることが 分かった。よって、荷積時間 80 分以下の頻度が最も高い。 図 6.2.6 に、5 月の 4 トン車の荷積時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は荷積時間を示している。 80 73 70 54 60 ( 頻 50 度 40 回 30 64 60 54 51 46 41 31 ) 25 20 10 0 時間(分) 図 6.2.6 5 月、4 トン車の荷積時間の分布 84 30 21 図 6.2.6 より、荷積時間が 0 分の回数は 31 回、20 分以下は 73 回、40 分以下は 54 回、60 分以下 は 54 回、80 分以下は 46 回、100 分以下は 60 回、120 分以下は 41 回、140 分以下は 51 回、160 分以下は 25 回、180 分以下は 21 回、200 分以下は 30 回、200 分を超える回数は 64 回であること が分かった。よって、荷積時間 20 分以下の頻度が最も高い。 図 6.2.7 に、5 月の 10 トン車の荷積時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は荷積時間を示している。 44 20 ( 50 45 40 35 頻 30 度 25 回 20 15 10 5 0 ) 12 11 13 15 13 18 14 17 13 4 時間(分) 図 6.2.7 5 月、10 トン車の荷積時間の分布 図 6.2.7 より、荷積時間が 0 分の回数は 4 回、20 分以下は 12 回、40 分以下は 11 回、60 分以下 は 13 回、80 分以下は 13 回、100 分以下は 20 回、120 分以下は 15 回、140 分以下は 18 回、160 分以下は 14 回、180 分以下は 17 回、200 分以下は 13 回、200 分を超える回数は 44 回であること が分かった。よって、荷積時間 200 分を超える回数が最も高い。 85 図 6.2.8 に、5 月の 13 トン車の荷積時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は荷積時間を示している。 25 22 19 20 12 12 ) 回 10 15 14 11 ( 頻 15 度 17 8 7 5 7 5 0 時間(分) 図 6.2.8 5 月、13 トン車の荷積時間の分布 図 6.2.8 より、荷積時間が 0 分の回数は 12 回、20 分以下は 7 回、40 分以下は 12 回、60 分以下 は 19 回、80 分以下は 17 回、100 分以下は 14 回、120 分以下は 11 回、140 分以下は 15 回、160 分以下は 8 回、180 分以下は 7 回、200 分以下は 5 回、200 分を超える回数は 22 回であることが分 かった。よって、荷積時間 200 分を超える頻度が最も高い。 86 さらに、表 6.2.3 に、ドライバーの運転日報における 6 月の車両重量別(2 トン、4 トン、10 トン、 13 トン)の荷積時間の度数分布と割合を示す。 表 6.2.3 6 月の車両重量別荷積時間 荷積時間 2t(回) 割合(%) 4t(回) 割合(%) 10t(回) 割合(%) 13t(回) 割合(%) 0分 21 4.7 11 2.0 4 2.0 13 7.6 20 分以下 15 3.3 83 15.0 10 5.1 8 4.7 40 分以下 16 3.6 62 11.2 7 3.6 14 8.2 60 分以下 33 7.3 57 10.3 15 7.6 25 14.6 80 分以下 82 18.3 64 11.6 20 10.2 21 12.3 100 分以下 70 15.6 47 8.5 21 10.7 18 10.5 120 分以下 91 20.3 42 7.6 12 6.1 8 4.7 140 分以下 66 14.7 34 6.1 13 6.6 14 8.2 160 分以下 24 5.3 29 5.2 18 9.1 7 4.1 180 分以下 14 3.1 32 5.8 14 7.1 10 5.8 200 分以下 4 0.9 20 3.6 13 6.6 8 4.7 13 2.9 73 13.2 50 25.4 25 14.6 449 100.0 554 100.0 197 100.0 171 100.0 200 分超 合計 表 6.2.3 より、2 トン車は荷積時間 120 分以下の回数が 91 回(約 20%)で最も多く、4 トン車は荷積 時間 20 分以下の回数が 83 回(15%)で最も多いことが分かった。10 トン車は荷積時間 200 分を超え る回数が 50 回(約 25%)で最も多く、13 トン車は荷積時間 60 分以下と 200 分を超える回数が 25 回(約 15%)で最も多かった。よって、重量が重いトラックは荷積時間が長いことが分かる。 87 図 6.2.9 に、6 月の 2 トン車の荷積時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は荷積時間を示している。 91 82 70 66 ( 100 90 80 70 頻 60 度 50 回 40 30 20 10 0 ) 33 21 15 24 16 14 4 13 時間(分) 図 6.2.9 6 月、2 トン車の荷積時間の分布 図 6.2.9 より、荷積時間が 0 分の回数は 21 回、20 分以下は 15 回、40 分以下は 16 回、60 分以下 は 33 回、80 分以下は 82 回、100 分以下は 70 回、120 分以下は 91 回、140 分以下は 66 回、160 分以下は 24 回、180 分以下は 14 回、200 分以下は 4 回、200 分を超える回数は 13 回であることが 分かった。よって、荷積時間 120 分以下の回数が最も高い。 図 6.2.9 に、6 月の 4 トン車の荷積時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は荷積時間を示している。 83 73 62 57 64 47 42 ( 90 80 70 60 頻 50 度 40 回 30 20 10 0 34 ) 29 32 20 11 時間(分) 図 6.2.9 6 月、4 トン車の荷積時間の分布 88 図 6.2.9 より、荷積時間が 0 分の回数は 11 回、20 分以下は 83 回、40 分以下は 62 回、60 分以下 は 57 回、80 分以下は 64 回、100 分以下は 47 回、120 分以下は 42 回、140 分以下は 34 回、160 分以下は 29 回、180 分以下は 32 回、200 分以下は 20 回、200 分を超える回数は 73 回であること が分かった。よって、荷積時間 20 分以下の頻度が最も高い。 図 6.2.10 に、6 月の 10 トン車の荷積時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は荷積時間を示している。 60 50 50 ( 40 頻 度 30 回 20 ) 15 10 10 4 7 20 21 12 13 18 14 13 0 時間(分) 図 6.2.10 6 月、10 トン車の荷積時間の分布 図 6.2.10 より、荷積時間が 0 分の回数は 4 回、20 分以下は 10 回、40 分以下は 7 回、60 分以下 は 15 回、80 分以下は 20 回、100 分以下は 21 回、120 分以下は 12 回、140 分以下は 13 回、160 分以下は 18 回、180 分以下は 14 回、200 分以下は 13 回、200 分を超える回数は 50 回であること が分かった。よって、荷積時間 200 分を超える頻度が最も高い。 89 図 6.2.11 に、6 月の 13 トン車の荷積時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は荷積時間を示している。 30 25 25 21 18 20 ( 頻 度 15 回 10 25 14 13 14 ) 8 10 8 7 8 5 0 時間(分) 図 6.2.11 6 月、13 トン車の荷積時間の分布 図 6.2.11 より、荷積時間が 0 分の回数は 13 回、20 分以下は 8 回、40 分以下は 14 回、60 分以下 は 25 回、80 分以下は 21 回、100 分以下は 18 回、120 分以下は 8 回、140 分以下は 14 回、160 分 以下は 7 回、180 分以下は 10 回、200 分以下は 8 回、200 分を超える回数は 25 回であることが分 かった。よって、荷積時間 60 分以下と 200 分を超える頻度が最も高い。 90 6.2.2 荷卸時間 まず、表 6.2.4 に、ドライバーの運転日報における 4 月の車両重量別(2 トン、4 トン、10 トン、 13 トン)の荷積時間の度数分布と割合を示す。 表 6.2.4 4 月の車両重量別荷卸時間の頻度と割合 荷卸時間 2t(回) 割合(%) 4t(回) 割合(%) 10t(回) 割合(%) 13t(回) 割合(%) 0分 3 0.7 62 11.5 11 5.7 21 13.1 20 分以下 5 1.1 65 12.1 12 6.2 9 5.6 40 分以下 8 1.8 52 9.6 14 7.2 16 10.0 60 分以下 18 4.1 64 11.9 18 9.3 14 8.8 80 分以下 33 7.4 61 11.3 26 13.4 15 9.4 100 分以下 54 12.2 65 12.1 26 13.4 12 7.5 120 分以下 73 16.5 44 8.2 30 15.5 17 10.6 140 分以下 67 15.1 41 7.6 14 7.2 8 5.0 160 分以下 68 15.3 31 5.8 10 5.2 9 5.6 180 分以下 44 9.9 19 3.5 13 6.7 2 1.3 200 分以下 35 7.9 12 2.2 7 3.6 8 5.0 200 分超 35 7.9 23 4.3 13 6.7 29 18.1 443 100.0 539 100.0 194 100.0 160 100.0 合計 表 6.2.4 より、2 トン車は荷卸時間 120 分以下の回数が 73 回(約 17%)で最も多く、4 トン車は荷卸 時間 20 分以下と 100 分以下の回数が 65 回(約 12%)で最も多いことが分かった。10 トン車は荷卸時 間 120 分以下の回数が 30 回(約 16%)で最も多く、13 トン車は荷卸時間 200 分を超える回数が 29 回 (約 18%)で最も多かった。よって、13 トン車は荷卸時間が長いことが分かる。 91 図 6.2.12 に、4 月の 2 トン車の荷卸時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は荷卸時間を示している。 80 73 70 68 54 60 44 頻 50 度 40 回 30 35 ( 33 35 ) 18 20 10 67 3 5 8 0 時間(分) 図 6.2.12 4 月、2 トン車の荷卸時間の分布 図 6.2.12 より、荷卸時間が 0 分の回数は 3 回、20 分以下は 5 回、40 分以下は 8 回、60 分以下は 18 回、80 分以下は 33 回、100 分以下は 54 回、120 分以下は 73 回、140 分以下は 67 回、160 分以 下は 68 回、180 分以下は 44 回、200 分以下は 35 回、200 分を超える回数は 35 回であることが分 かった。よって、荷卸時間 120 分以下の頻度が最も高い。 図 6.2.13 に、4 月の 4 トン車の荷卸時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は荷卸時間を示している。 70 60 62 65 64 61 65 52 50 44 頻 40 度 回 30 41 ( 31 23 ) 19 20 12 10 0 時間(分) 図 6.2.13 4 月、4 トン車の荷卸時間の分布 92 図 6.2.13 より、荷卸時間が 0 分の回数は 62 回、20 分以下は 65 回、40 分以下は 52 回、60 分以 下は 64 回、80 分以下は 61 回、100 分以下は 65 回、120 分以下は 44 回、140 分以下は 41 回、160 分以下は 31 回、180 分以下は 19 回、200 分以下は 12 回、200 分を超える回数は 23 回であること が分かった。よって、荷卸時間 20 分以下と 100 分以下の頻度が最も高い。 図 6.2.14 に、4 月の 10 トン車の荷卸時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は荷卸時間を示している。 35 30 30 26 26 25 18 ( 頻 20 度 回 15 ) 11 12 14 14 10 10 13 13 7 5 0 時間(分) 図 6.2.14 4 月、10 トン車の荷卸時間の分布 図 6.2.14 より、荷卸時間が 0 分の回数は 11 回、20 分以下は 12 回、40 分以下は 14 回、60 分以 下は 18 回、80 分以下は 26 回、100 分以下は 26 回、120 分以下は 30 回、140 分以下は 14 回、160 分以下は 10 回、180 分以下は 13 回、200 分以下は 7 回、200 分を超える回数は 13 回であることが 分かった。よって、荷卸時間 120 分以下の頻度が最も高い。 93 図 6.2.15 に、4 月の 13 トン車の荷卸時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は荷卸時間を示している。 35 29 30 21 16 ( 25 頻 20 度 回 15 ) 10 9 14 15 17 12 8 9 5 8 2 0 時間(分) 図 6.2.15 4 月、13 トン車の荷卸時間の分布 図 6.2.15 より、荷卸時間が 0 分の回数は 21 回、20 分以下は 9 回、40 分以下は 16 回、60 分以下 は 14 回、80 分以下は 15 回、100 分以下は 12 回、120 分以下は 17 回、140 分以下は 8 回、160 分 以下は 9 回、180 分以下は 2 回、200 分以下は 8 回、200 分を超える回数は 29 回であることが分か った。よって、荷卸時間 200 分を超える頻度が最も高い。 94 次に、表 6.2.5 に、ドライバーの運転日報における 5 月の車両重量別(2 トン、4 トン、10 トン、 13 トン)の荷卸時間の度数分布と割合を示す。 表 6.2.5 5 月の車両重量別荷卸時間の頻度と割合 荷卸時間 2t(回) 割合(%) 4t(回) 割合(%) 10t(回) 割合(%) 13t(回) 割合(%) 0分 2 0.4 54 9.8 7 3.6 20 13.4 20 分以下 2 0.4 75 13.6 7 3.6 2 1.3 40 分以下 11 2.4 79 14.4 21 10.8 14 9.4 60 分以下 27 5.9 64 11.6 18 9.3 12 8.1 80 分以下 42 9.3 62 11.3 28 14.4 18 12.1 100 分以下 52 11.5 59 10.7 34 17.5 14 9.4 120 分以下 69 15.2 40 7.3 16 8.2 12 8.1 140 分以下 81 17.8 26 4.7 17 8.8 6 4.0 160 分以下 63 13.9 38 6.9 16 8.2 14 9.4 180 分以下 40 8.8 20 3.6 8 4.1 8 5.4 200 分以下 32 7.0 8 1.5 4 2.1 8 5.4 200 分超 33 7.3 25 4.5 18 9.3 21 14.1 454 100.0 550 100.0 194 100.0 149 100.0 合計 表 6.2.5 より、2 トン車は荷卸時間 140 分以下の回数が 81 回(約 18%)で最も多く、4 トン車は荷卸 時間 20 分以下の回数が 75 回(約 14%)で最も多いことが分かった。10 トン車は荷卸時間 100 分以下 の回数が 34 回(約 18%)で最も多く、13 トン車は荷卸時間 200 分を超える回数が 21 回(約 14%)で最 も多かった。よって、13 トン車は荷卸時間が長いことが分かる。 95 図 6.2.16 に、5 月の 2 トン車の荷卸時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は荷卸時間を示している。 81 69 63 52 42 40 ( 90 80 70 60 頻 50 度 40 回 30 20 10 0 ) 27 32 33 11 2 2 時間(分) 図 6.2.16 5 月、2 トン車の荷卸時間の分布 図 6.2.16 より、荷卸時間が 0 分の回数は 2 回、20 分以下は 2 回、40 分以下は 11 回、60 分以下 は 27 回、80 分以下は 42 回、100 分以下は 52 回、120 分以下は 69 回、140 分以下は 81 回、160 分以下は 63 回、180 分以下は 40 回、200 分以下は 32 回、200 分を超える回数は 33 回であること が分かった。よって、荷卸時間 140 分以下の頻度が最も高い。 図 6.2.17 に、5 月の 4 トン車の荷卸時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は荷卸時間を示している。 75 79 64 54 62 59 40 ( 90 80 70 60 頻 50 度 40 回 30 20 10 0 38 ) 26 25 20 8 時間(分) 図 6.2.17 5 月、4 トン車の荷卸時間の分布 96 図 6.2.17 より、荷卸時間が 0 分の回数は 54 回、20 分以下は 75 回、40 分以下は 79 回、60 分以 下は 64 回、80 分以下は 62 回、100 分以下は 59 回、120 分以下は 40 回、140 分以下は 26 回、160 分以下は 38 回、180 分以下は 20 回、200 分以下は 8 回、200 分を超える回数は 25 回であることが 分かった。よって、荷卸時間 40 分以下の頻度が最も高い。 図 6.2.18 に、5 月の 10 トン車の荷卸時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は荷卸時間を示している。 40 34 35 28 30 頻 25 度 20 回 15 21 18 ( 16 17 18 16 ) 10 7 8 7 4 5 0 時間(分) 図 6.2.18 5 月、10 トン車の荷卸時間の分布 図 6.2.18 より、荷卸時間が 0 分の回数は 7 回、20 分以下は 7 回、40 分以下は 21 回、60 分以下 は 18 回、80 分以下は 28 回、100 分以下は 34 回、120 分以下は 16 回、140 分以下は 17 回、160 分以下は 16 回、180 分以下は 8 回、200 分以下は 4 回、200 分を超える回数は 18 回であることが 分かった。よって、荷卸時間 100 分以下の頻度が最も高い。 97 図 6.2.19 に、5 月の 13 トン車の荷卸時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は荷卸時間を示している。 25 20 21 20 18 14 12 14 14 12 ( 頻 15 度 ) 回 10 5 6 8 8 2 0 時間(分) 図 6.2.19 5 月、13 トン車の荷卸時間の分布 図 6.2.19 より、荷卸時間が 0 分の回数は 20 回、20 分以下は 2 回、40 分以下は 14 回、60 分以下 は 12 回、80 分以下は 18 回、100 分以下は 14 回、120 分以下は 12 回、140 分以下は 6 回、160 分 以下は 14 回、180 分以下は 8 回、200 分以下は 8 回、200 分を超える回数は 21 回であることが分 かった。よって、荷卸時間 200 分を超える頻度が最も高い。 98 さらに、表 6.2.6 に、ドライバーの運転日報における 6 月の車両重量別(2 トン、4 トン、10 トン、 13 トン)の荷卸時間の度数分布と割合を示す。 表 6.2.6 6 月の車両重量別荷卸時間の頻度と割合 荷卸時間 2t(回) 割合(%) 4t(回) 割合(%) 10t(回) 割合(%) 13t(回) 割合(%) 0分 4 0.9 41 7.4 2 1.0 20 11.7 20 分以下 4 0.9 79 14.3 10 5.1 11 6.4 40 分以下 4 0.9 63 11.4 14 7.1 18 10.5 60 分以下 25 5.6 63 11.4 23 11.7 12 7.0 80 分以下 30 6.7 52 9.4 30 15.2 20 11.7 100 分以下 50 11.1 54 9.7 21 10.7 15 8.8 120 分以下 86 19.2 43 7.8 17 8.6 15 8.8 140 分以下 72 16.0 55 9.9 14 7.1 11 6.4 160 分以下 58 12.9 29 5.2 16 8.1 15 8.8 180 分以下 61 13.6 22 4.0 14 7.1 8 4.7 200 分以下 25 5.6 15 2.7 8 4.1 2 1.2 200 分超 30 6.7 38 6.9 28 14.2 24 14.0 449 100.0 554 100.0 197 100.0 171 100.0 合計 表 6.2.6 より、2 トン車は荷卸時間 120 分以下の回数が 86 回(約 19%)で最も多く、4 トン車は荷卸 時間 20 分以下の回数が 79 回(約 14%)で最も多いことが分かった。10 トン車は荷卸時間 80 分以下 の回数が 30 回(約 15%)で最も多く、13 トン車は荷卸時間 200 分を超える回数が 24 回(14%)で最も 多かった。よって、13 トン車は荷卸時間が長いことが分かる。 99 図 6.2.20 に、6 月の 2 トン車の荷卸時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は荷卸時間を示している。 86 72 58 50 61 ( 100 90 80 70 頻 60 度 50 回 40 30 20 10 0 ) 25 4 4 30 25 30 4 時間(分) 図 6.2.20 6 月、2 トン車の荷卸時間の分布 図 6.2.20 より、荷卸時間が 0 分の回数は 4 回、20 分以下は 4 回、40 分以下は 4 回、60 分以下は 25 回、80 分以下は 30 回、100 分以下は 50 回、120 分以下は 86 回、140 分以下は 72 回、160 分以 下は 58 回、180 分以下は 61 回、200 分以下は 25 回、200 分を超える回数は 30 回であることが分 かった。よって、荷卸時間 120 分以下の頻度が最も高い。 図 6.2.21 に、6 月の 4 トン車の荷卸時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は荷卸時間を示している。 79 63 63 52 55 54 43 41 38 ( 90 80 70 60 頻 50 度 40 回 30 20 10 0 ) 29 時間(分) 図 6.2.21 6 月、4 トン車の荷卸時間の分布 100 22 15 図 6.2.21 より、荷卸時間が 0 分の回数は 41 回、20 分以下は 79 回、40 分以下は 63 回、60 分以 下は 63 回、80 分以下は 52 回、100 分以下は 54 回、120 分以下は 43 回、140 分以下は 55 回、160 分以下は 29 回、180 分以下は 22 回、200 分以下は 15 回、200 分を超える回数は 38 回であること が分かった。よって、荷卸時間 20 分以下の頻度が最も高い。 図 6.2.22 に、6 月の 10 トン車の荷卸時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は荷卸時間を示している。 35 30 30 23 25 頻 20 度 回 15 ( 14 21 17 14 16 ) 10 10 5 28 14 8 2 0 時間(分) 図 6.2.22 6 月、10 トン車の荷卸時間の分布 図 6.2.22 より、荷卸時間が 0 分の回数は 2 回、20 分以下は 10 回、40 分以下は 14 回、60 分以下 は 23 回、80 分以下は 30 回、100 分以下は 21 回、120 分以下は 17 回、140 分以下は 14 回、160 分以下は 16 回、180 分以下は 14 回、200 分以下は 8 回、200 分を超える回数は 28 回であることが 分かった。よって、荷卸時間 80 分以下の頻度が最も高い。 101 図 6.2.23 に、6 月の 13 トン車の荷卸時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は荷卸時間を示している。 30 24 25 20 ( 頻 度 15 回 10 20 20 18 15 11 15 12 15 11 ) 8 5 2 0 時間(分) 図 6.2.23 6 月、13 トン車の荷卸時間の分布 図 6.2.23 より、荷卸時間が 0 分の回数は 20 回、20 分以下は 11 回、40 分以下は 18 回、60 分以 下は 12 回、80 分以下は 20 回、100 分以下は 15 回、120 分以下は 15 回、140 分以下は 11 回、160 分以下は 15 回、180 分以下は 8 回、200 分以下は 2 回、200 分を超える回数は 24 回であることが 分かった。よって、荷卸時間 200 分を超える頻度が最も高い。 102 6.2.3 平均荷役時間 6.2.3 では、4 月、5 月、6 月の車両重量別の平均荷役時間について検討する。また、車両ごとの 運賃形態と平均荷役時間の関係を見ることで、荷役時間にどのような影響があるかを把握する。 荷役時間は、荷積時間と荷卸時間を合わせた時間とし、平均荷役時間は、1 日トラック 1 台あたり にかかる荷役の平均時間とする。 まず、表 6.2.7 に 4 月の車両重量別の平均荷役時間を示す。 表 6.2.7 4 月の車両重量別の平均荷役時間 車両重量 平均荷役時間(時) 平均荷役時間(分) 2 トン 3.7 220.5 3 トン 2.2 134.3 4 トン 2.8 165.1 8 トン 4.4 262.0 10 トン 4.1 243.8 12 トン 3.1 184.9 13 トン 3.7 222.5 表 6.2.7 より、8 トン車の平均荷役時間が 4.4 時間で最も長く、次いで、10 トン車の平均荷役時間 が 4.1 時間となっていることが分かった。今回のトラック運送事業者の場合、8 トン車の運賃形態は、 時間や距離が変動しても実勢運賃は一定という固定運賃形態(*ただし、8 時間拘束を超えた場合は残 業代請求)となっている。10 トン車の運賃形態は、固定運賃形態と変動運賃形態(時間や距離が変動す ると実勢運賃も変動する)となっている。そのため、特に 8 トンの場合は、荷役時間が長時間かかっ ても、固定運賃形態であるため、追加の運賃を請求できないのが現状である。 そして、表 6.2.8 に 5 月の車両重量別の平均荷役時間を示す。 表 6.2.8 5 月の車両重量別の平均荷役時間 車両重量 平均荷役時間(時) 平均荷役時間(分) 2 トン 3.7 220.4 3 トン 2.2 130.7 4 トン 2.9 174.0 8 トン 4.9 291.6 10 トン 4.1 243.0 12 トン 3.4 204.1 13 トン 3.6 218.3 103 表 6.2.8 より、5 月の場合は、8 トン車の平均荷役時間が 4.9 時間で最も長く、次いで、10 トン車 の平均荷役時間が 4.1 時間となっていることが分かった。5 月も 8 トン車と 10 トン車の荷役時間が 長い。特に、8 トンの場合は荷役時間が長くかかっても、追加運賃を請求できないのが現状である。 最後に、表 6.2.9 に 6 月の車両重量別の平均荷役時間を示す。 表 6.2.9 6 月の車両重量別の平均荷役時間 車両重量 平均荷役時間(時) 平均荷役時間(分) 2 トン 3.7 223.3 3 トン 2.2 132.6 4 トン 3.1 185.1 8 トン 4.6 274.7 10 トン 4.3 256.7 12 トン 3.3 199.7 13 トン 3.5 211.6 表 6.2.9 より、6 月の場合は、8 トン車の平均荷役時間が 4.6 時間で最も長く、次いで、10 トン車 の平均荷役時間が 4.3 時間となっていることが分かった。やはり、6 月も 8 トン車と 10 トン車の荷 役時間が長い。特に、8 トンの場合は荷役時間が長くかかっても、追加運賃を請求できないのが現状 である。 以上、表 6.2.7 から表 6.2.9 より、8 トン車は荷役時間が長いことが分かった。よって、変動運賃 形態にするなど、運賃形態の見直しを行う必要がある。また、荷役時間を短くしていくためには、荷 主にドライバーの長時間労働の現状について理解してもらい、協力を得る必要がある。 104 6.3 空車走行時間の分析結果 6.3.1 一般道の空車走行時間 まず、表 6.3.1 に、ドライバーの運転日報における一般道の車両重量別(2 トン、4 トン、10 トン、 13 トン)の 4 月の空車走行時間1の度数分布と割合を示す。 表 6.3.1 一般道における 4 月の車両重量別空車走行時間の頻度と割合 空車時間 2t(回) 割合(%) 4t(回) 割合(%) 10t(回) 割合(%) 13t(回) 割合(%) 0分 20 4.5 157 29.1 35 18.0 53 33.1 20 分以下 46 10.4 124 23.0 36 18.6 53 33.1 40 分以下 53 12.0 67 12.4 28 14.4 19 11.9 60 分以下 51 11.5 49 9.1 12 6.2 6 3.8 80 分以下 38 8.6 41 7.6 12 6.2 8 5.0 100 分以下 52 11.7 30 5.6 13 6.7 2 1.3 120 分以下 53 12.0 21 3.9 7 3.6 8 5.0 140 分以下 67 15.1 13 2.4 10 5.2 5 3.1 160 分以下 35 7.9 12 2.2 8 4.1 3 1.9 180 分以下 14 3.2 8 1.5 16 8.2 1 0.6 200 分以下 9 2.0 5 0.9 6 3.1 0 0.0 200 分超 5 1.1 12 2.2 11 5.7 2 1.3 443 100.0 539 100.0 194 100.0 160 100.0 合計 表 6.3.1 より、2 トン車は空車走行時間 140 分以下の回数が 67 回(約 15%)で最も多く、4 トン車は 空車走行時間 0 分の回数が 157 回(約 29%)で最も多いことが分かった。10 トン車は空車走行時間 20 分以下の回数が 36 回(約 19%)で最も多く、13 トン車は空車走行時間 0 分と 20 分以下の回数が 53 回(約 33%)で最も多かった。よって、2 トン車の空車走行時間が長いことが分かった。 1 自動車が実際に貨物を載せて走った時間を実車走行時間とし、これ以外の走った時間を空車走行 時間とする。従って荷主から輸送依頼を受け貨物を受取に行く走行時間も空車走行時間に含まれる。 105 図 6.3.1 に、一般道の 4 月 2 トン車の空車走行時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は空車走行時間を示している。 80 67 70 60 53 52 51 53 38 35 ( 頻 50 度 40 回 30 46 ) 20 20 14 10 9 5 0 時間(分) 図 6.3.1 一般道、4 月 2 トン車の空車走行時間の分布 図 6.3.1 より、空車走行時間が 0 分の回数は 20 回、20 分以下は 46 回、40 分以下は 53 回、60 分 以下は 51 回、80 分以下は 38 回、100 分以下は 52 回、120 分以下は 53 回、140 分以下は 67 回、 160 分以下は 35 回、180 分以下は 14 回、200 分以下は 9 回、200 分を超える回数は 5 回であること が分かった。よって、空車走行時間 140 分以下の頻度が最も高い。 図 6.3.2 に、一般道の 4 月 4 トン車の空車走行時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は空車走行時間を示している。 ( 180 160 140 120 頻 100 度 80 回 60 40 20 0 157 124 67 ) 49 41 30 21 13 時間(分) 106 12 8 5 12 図 6.3.2 一般道、4 月 4 トン車の空車走行時間の分布 図 6.3.2 より、空車走行時間が 0 分の回数は 157 回、20 分以下は 124 回、40 分以下は 67 回、60 分以下は 49 回、80 分以下は 41 回、100 分以下は 30 回、120 分以下は 21 回、140 分以下は 13 回、 160 分以下は 12 回、180 分以下は 8 回、200 分以下は 5 回、200 分を超える回数は 12 回であること が分かった。よって、空車走行時間 0 分の頻度が最も高い。 図 6.3.3 に、一般道の 4 月 10 トン車の空車走行時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は空車走行時間を示している。 40 35 30 36 28 16 ( 頻 25 度 20 回 15 35 ) 10 12 12 13 7 10 8 11 6 5 0 時間(分) 図 6.3.3 一般道、4 月 10 トン車の空車走行時間の分布 図 6.3.3 より、空車走行時間が 0 分の回数は 35 回、20 分以下は 36 回、40 分以下は 28 回、60 分 以下は 12 回、80 分以下は 12 回、100 分以下は 13 回、120 分以下は 7 回、140 分以下は 10 回、160 分以下は 8 回、180 分以下は 16 回、200 分以下は 6 回、200 分を超える回数は 11 回であることが分 かった。よって、空車走行時間 20 分以下の頻度が最も高い。 107 図 6.3.4 に、一般道の 4 月 13 トン車の空車走行時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は空車走行時間を示している。 60 53 53 50 ( 40 頻 度 30 回 20 ) 10 19 6 8 8 2 5 3 1 0 0 2 時間(分) 図 6.3.4 一般道、4 月 13 トン車の空車走行時間の分布 図 6.3.4 より、空車走行時間が 0 分の回数は 53 回、20 分以下は 53 回、40 分以下は 19 回、60 分 以下は 6 回、80 分以下は 8 回、100 分以下は 2 回、120 分以下は 8 回、140 分以下は 5 回、160 分 以下は 3 回、180 分以下は 1 回、200 分以下は 0 回、200 分を超える回数は 2 回であることが分かっ た。よって、空車走行時間 0 分と 20 分以下の頻度が最も高い。 108 次に、表 6.3.2 に、ドライバーの運転日報における一般道の車両重量別(2 トン、4 トン、10 トン、 13 トン)の 5 月の空車走行時間の度数分布と割合を示す。 表 6.3.2 一般道における 5 月の車両重量別空車走行時間の頻度と割合 空車時間 2t(回) 割合(%) 0分 4t(回) 割合(%) 10t(回) 割合(%) 13t(回) 割合(%) 1 0.2 136 24.7 19 9.8 42 28.2 20 分以下 28 6.2 115 20.9 21 10.8 51 34.2 40 分以下 44 9.7 71 12.9 25 12.9 13 8.7 60 分以下 46 10.1 47 8.5 18 9.3 9 6.0 80 分以下 60 13.2 39 7.1 20 10.3 14 9.4 100 分以下 70 15.4 42 7.6 15 7.7 8 5.4 120 分以下 66 14.5 27 4.9 13 6.7 4 2.7 140 分以下 60 13.2 22 4.0 17 8.8 4 2.7 160 分以下 53 11.7 19 3.5 9 4.6 1 0.7 180 分以下 14 3.1 6 1.1 13 6.7 1 0.7 200 分以下 5 1.1 4 0.7 8 4.1 0 0.0 200 分超 7 1.5 22 4.0 16 8.2 2 1.3 454 100.0 550 100.0 194 100.0 149 100.0 合計 表 6.3.2 より、2 トン車は空車走行時間 100 分以下の回数が 70 回(約 15%)で最も多く、4 トン車は 空車走行時間 0 分の回数が 136 回(約 25%)で最も多いことが分かった。10 トン車は空車走行時間 40 分以下の回数が 25 回(約 13%)で最も多く、13 トン車は空車走行時間 20 分以下の回数が 51 回(約 34%) で最も多かった。 109 図 6.3.5 に、一般道の 5 月 2 トン車の空車走行時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は空車走行時間を示している。 80 70 70 60 60 44 ( 頻 50 度 40 回 30 66 60 46 53 28 ) 14 20 10 0 5 1 7 時間(分) 図 6.3.5 一般道、5 月 2 トン車の空車走行時間の分布 図 6.3.5 より、空車走行時間が 0 分の回数は 1 回、20 分以下は 28 回、40 分以下は 44 回、60 分 以下は 46 回、80 分以下は 60 回、100 分以下は 70 回、120 分以下は 66 回、140 分以下は 60 回、 160 分以下は 53 回、180 分以下は 14 回、200 分以下は 5 回、200 分を超える回数は 7 回であること が分かった。よって、空車走行時間 100 分以下の頻度が最も高い。 図 6.3.6 に、一般道の 5 月 4 トン車の空車走行時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は空車走行時間を示している。 160 140 120 ( 頻 100 度 80 回 60 ) 40 136 115 71 47 39 42 27 20 22 0 時間(分) 図 6.3.6 一般道、5 月 4 トン車の空車走行時間の分布 110 19 22 6 4 図 6.3.6 より、空車走行時間が 0 分の回数は 136 回、20 分以下は 115 回、40 分以下は 71 回、60 分以下は 47 回、80 分以下は 39 回、100 分以下は 42 回、120 分以下は 27 回、140 分以下は 22 回、 160 分以下は 19 回、180 分以下は 6 回、200 分以下は 4 回、200 分を超える回数は 22 回であること が分かった。よって、空車走行時間 0 分の頻度が最も高い。 図 6.3.7 に、一般道の 5 月 10 トン車の空車走行時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は空車走行時間を示している。 30 25 25 20 ( 頻 度 15 回 10 19 21 18 20 15 17 16 13 13 ) 9 8 5 0 時間(分) 図 6.3.7 一般道、5 月 10 トン車の空車走行時間の分布 図 6.3.7 より、空車走行時間が 0 分の回数は 19 回、20 分以下は 21 回、40 分以下は 25 回、60 分 以下は 18 回、80 分以下は 20 回、100 分以下は 15 回、120 分以下は 13 回、140 分以下は 17 回、 160 分以下は 9 回、180 分以下は 13 回、200 分以下は 8 回、200 分を超える回数は 16 回であること が分かった。よって、空車走行時間 40 分以下の頻度が最も高い。 111 図 6.3.8 に、一般道の 5 月 13 トン車の空車走行時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は空車走行時間を示している。 60 50 51 42 40 ( 頻 度 30 回 20 ) 10 13 9 14 8 4 4 1 0 1 0 2 時間(分) 図 6.3.8 一般道、5 月 13 トン車の空車走行時間の分布 図 6.3.8 より、空車走行時間が 0 分の回数は 42 回、20 分以下は 51 回、40 分以下は 13 回、60 分 以下は 9 回、80 分以下は 14 回、100 分以下は 8 回、120 分以下は 4 回、140 分以下は 4 回、160 分 以下は 1 回、180 分以下は 1 回、200 分以下は 0 回、200 分を超える回数は 2 回であることが分かっ た。よって、空車走行時間 20 分以下の頻度が最も高い。 112 さらに、表 6.3.3 に、ドライバーの運転日報における一般道の車両重量別(2 トン、4 トン、10 トン、 13 トン)の 6 月の空車走行時間の度数分布と割合を示す。 表 6.3.3 一般道における 6 月の車両重量別空車走行時間の頻度と割合 空車時間 0分 2t(回) 割合(%) 4t(回) 割合(%) 10t(回) 割合(%) 13t(回) 割合(%) 3 0.7 118 21.3 18 9.1 71 41.5 20 分以下 37 8.2 116 20.9 22 11.2 48 28.1 40 分以下 44 9.8 69 12.5 23 11.7 16 9.4 60 分以下 53 11.8 52 9.4 16 8.1 9 5.3 80 分以下 54 12.0 28 5.1 13 6.6 10 5.8 100 分以下 66 14.7 43 7.8 15 7.6 4 2.3 120 分以下 64 14.3 37 6.7 18 9.1 3 1.8 140 分以下 58 12.9 30 5.4 13 6.6 5 2.9 160 分以下 36 8.0 15 2.7 16 8.1 3 1.8 180 分以下 24 5.3 18 3.2 18 9.1 0 0.0 200 分以下 6 1.3 8 1.4 4 2.0 1 0.6 200 分超 4 0.9 20 3.6 21 10.7 1 0.6 449 100.0 554 100.0 197 100.0 171 100.0 合計 表 6.3.3 より、2 トン車は空車走行時間 100 分以下の回数が 66 回(約 15%)で最も多く、4 トン車は 空車走行時間 0 分の回数が 118 回(約 21%)で最も多いことが分かった。10 トン車は空車走行時間 40 分以下の回数が 23 回(約 12%)で最も多く、13 トン車は空車走行時間 0 分の回数が 71 回(約 42%)で 最も多かった。よって、2 トン車の空車走行時間が長いことが分かった。 113 図 6.3.9 に、一般道の 6 月 2 トン車の空車走行時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は空車走行時間を示している。 66 70 60 53 50 頻 40 度 回 30 64 58 54 44 37 36 ( 24 ) 20 10 6 3 4 0 時間(分) 図 6.3.9 一般道、6 月 2 トン車の空車走行時間の分布 図 6.3.9 より、空車走行時間が 0 分の回数は 3 回、20 分以下は 37 回、40 分以下は 44 回、60 分 以下は 53 回、80 分以下は 54 回、100 分以下は 66 回、120 分以下は 64 回、140 分以下は 58 回、 160 分以下は 36 回、180 分以下は 24 回、200 分以下は 6 回、200 分を超える回数は 4 回であること が分かった。よって、空車走行時間 100 分以下の頻度が最も高い。 図 6.3.10 に、一般道の 6 月 4 トン車の空車走行時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は空車走行時間を示している。 140 120 118 116 100 80 回 60 ( 頻 度 69 52 ) 43 40 28 37 30 15 20 0 時間(分) 図 6.3.10 一般道、6 月 4 トン車の空車走行時間の分布 114 18 8 20 図 6.3.10 より、空車走行時間が 0 分の回数は 118 回、20 分以下は 116 回、40 分以下は 69 回、60 分以下は 52 回、80 分以下は 28 回、100 分以下は 43 回、120 分以下は 37 回、140 分以下は 30 回、 160 分以下は 15 回、180 分以下は 18 回、200 分以下は 8 回、200 分を超える回数は 20 回であるこ とが分かった。よって、空車走行時間 0 分の頻度が最も高い。 図 6.3.11 に、一般道の 6 月 10 トン車の空車走行時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は空車走行時間を示している。 25 20 18 23 21 18 16 13 15 16 18 13 ( 頻 15 度 22 ) 回 10 4 5 0 時間(分) 図 6.3.11 一般道、6 月 10 トン車の空車走行時間の分布 図 6.3.11 より、空車走行時間が 0 分の回数は 18 回、20 分以下は 22 回、40 分以下は 23 回、60 分以下は 16 回、80 分以下は 13 回、100 分以下は 15 回、120 分以下は 18 回、140 分以下は 13 回、 160 分以下は 16 回、180 分以下は 18 回、200 分以下は 4 回、200 分を超える回数は 21 回であるこ とが分かった。よって、空車走行時間 40 分以下の頻度が最も高い。 115 図 6.3.12 に、一般道の 6 月 13 トン車の空車走行時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は空車走行時間を示している。 80 70 60 48 ( 頻 50 度 40 回 30 71 ) 20 10 16 9 10 4 3 5 3 0 0 1 1 時間(分) 図 6.3.12 一般道、6 月 13 トン車の空車走行時間の分布 図 6.3.12 より、空車走行時間が 0 分の回数は 71 回、20 分以下は 48 回、40 分以下は 16 回、60 分以下は 9 回、80 分以下は 10 回、100 分以下は 4 回、120 分以下は 3 回、140 分以下は 5 回、160 分以下は 3 回、180 分以下は 0 回、200 分以下は 1 回、200 分を超える回数は 1 回であることが分か った。よって、空車走行時間 0 分の頻度が最も高い。 116 6.3.2 高速道の空車走行時間 まず、表 6.3.4 に、ドライバーの運転日報における高速道の車両重量別(2 トン、4 トン、10 トン、 13 トン)の 4 月の空車走行時間の度数分布と割合を示す。 表 6.3.4 高速道における 4 月の車両重量別空車走行時間の頻度と割合 空車時間 0分 2t(回) 割合(%) 4t(回) 割合(%) 10t(回) 割合(%) 13t(回) 割合(%) 70 15.8 251 46.6 81 41.8 97 60.6 20 分以下 132 29.8 63 11.7 31 16.0 15 9.4 30 分以下 64 14.4 32 5.9 15 7.7 6 3.8 40 分以下 64 14.4 51 9.5 14 7.2 10 6.3 60 分以下 75 16.9 63 11.7 28 14.4 9 5.6 80 分以下 17 3.8 20 3.7 11 5.7 12 7.5 100 分以下 7 1.6 20 3.7 6 3.1 4 2.5 120 分以下 11 2.5 13 2.4 5 2.6 2 1.3 3 0.7 26 4.8 3 1.5 5 3.1 443 100.0 539 100.0 194 100.0 160 100.0 120 分超 合計 表 6.3.4 より、2 トン車は空車走行時間 20 分以下の回数が 132 回(約 30%)で最も多く、4 トン車は 空車走行時間 0 分の回数が 251 回(約 47%)で最も多いことが分かった。10 トン車は空車走行時間 0 分の回数が 81 回(約 42%)で最も多く、13 トン車も空車走行時間 0 分の回数が 97 回(約 61%)で最も 多かった。よって、高速道路の場合、空車走行時間はどの車両でも短いことが分かった。 117 図 6.3.13 に、高速道の 4 月 2 トン車の空車走行時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は空車走行時間を示している。 132 140 120 100 80 回 60 ( 頻 度 70 64 64 75 ) 40 17 20 7 11 3 0 時間(分) 図 6.3.13 高速道、4 月 2 トン車の空車走行時間の分布 図 6.3.13 より、空車走行時間が 0 分の回数は 70 回、20 分以下は 132 回、30 分以下は 64 回、40 分以下は 64 回、60 分以下は 75 回、80 分以下は 17 回、100 分以下は 7 回、120 分以下は 11 回、 120 分を超える回数は 3 回であることが分かった。よって、空車走行時間 20 分以下の頻度が高い。 図 6.3.14 に、高速道の 4 月 4 トン車の空車走行時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は空車走行時間を示している。 300 250 ( 200 頻 度 150 回 100 251 ) 50 63 32 51 63 20 0 時間(分) 図 6.3.14 高速道、4 月 4 トン車の空車走行時間の分布 118 20 13 26 図 6.3.14 より、空車走行時間が 0 分の回数は 251 回、20 分以下は 63 回、30 分以下は 32 回、40 分以下は 51 回、60 分以下は 63 回、80 分以下は 20 回、100 分以下は 20 回、120 分以下は 13 回、 120 分を超える回数は 26 回であることが分かった。よって、空車走行時間 0 分の頻度が最も高い。 図 6.3.15 に、高速道の 4 月 10 トン車の空車走行時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は空車走行時間を示している。 ( 90 80 70 60 頻 50 度 40 回 30 20 10 0 81 31 ) 28 15 14 11 6 5 3 時間(分) 図 6.3.15 高速道、4 月 10 トン車の空車走行時間の分布 図 6.3.15 より、空車走行時間が 0 分の回数は 81 回、20 分以下は 31 回、30 分以下は 15 回、40 分以下は 14 回、60 分以下は 28 回、80 分以下は 11 回、100 分以下は 6 回、120 分以下は 5 回、120 分を超える回数は 3 回であることが分かった。よって、空車走行時間 0 分の頻度が最も高い。 119 図 6.3.16 に、高速道の 4 月 13 トン車の空車走行時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は空車走行時間を示している。 120 100 ( 頻 度 ) 回 97 80 60 40 20 15 6 10 12 9 4 2 5 0 時間(分) 図 6.3.16 高速道、4 月 13 トン車の空車走行時間の分布 図 6.3.16 より、空車走行時間が 0 分の回数は 97 回、20 分以下は 15 回、30 分以下は 6 回、40 分 以下は 10 回、60 分以下は 9 回、80 分以下は 12 回、100 分以下は 4 回、120 分以下は 2 回、120 分 を超える回数は 5 回であることが分かった。よって、空車走行時間 0 分の頻度が最も高い。 120 次に、表 6.3.5 に、ドライバーの運転日報における高速道の車両重量別(2 トン、4 トン、10 トン、 13 トン)の 5 月の空車走行時間の度数分布と割合を示す。 表 6.3.5 高速道における 5 月の車両重量別空車走行時間の頻度と割合 空車時間 0分 2t(回) 割合(%) 4t(回) 割合(%) 10t(回) 割合(%) 13t(回) 割合(%) 93 20.5 270 49.1 79 40.7 85 57.0 20 分以下 147 32.4 66 12.0 23 11.9 14 9.4 30 分以下 55 12.1 29 5.3 16 8.2 12 8.1 40 分以下 70 15.4 44 8.0 21 10.8 3 2.0 60 分以下 56 12.3 68 12.4 31 16.0 11 7.4 80 分以下 18 4.0 28 5.1 10 5.2 7 4.7 100 分以下 5 1.1 22 4.0 7 3.6 4 2.7 120 分以下 7 1.5 8 1.5 4 2.1 3 2.0 120 分超 3 0.7 15 2.7 3 1.5 10 6.7 454 100.0 550 100.0 194 100.0 149 100.0 合計 表 6.3.5 より、2 トン車は空車走行時間 20 分以下の回数が 147 回(約 32%)で最も多く、4 トン車は 空車走行時間 0 分の回数が 270 回(約 49%)で最も多いことが分かった。10 トン車は空車走行時間 0 分の回数が 79 回(約 41%)で最も多く、13 トン車も空車走行時間 0 分の回数が 85 回(57%)で最も多 かった。よって、高速道路の場合、空車走行時間はどの車両でも短いことが分かった。 121 図 6.3.17 に、高速道の 5 月 2 トン車の空車走行時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は空車走行時間を示している。 160 147 140 120 93 70 ( 頻 100 度 80 回 60 55 56 ) 40 18 20 5 7 3 0 時間(分) 図 6.3.17 高速道、5 月 2 トン車の空車走行時間の分布 図 6.3.17 より、空車走行時間が 0 分の回数は 93 回、20 分以下は 147 回、30 分以下は 55 回、40 分以下は 70 回、60 分以下は 56 回、80 分以下は 18 回、100 分以下は 5 回、120 分以下は 7 回、120 分を超える回数は 3 回であることが分かった。よって、空車走行時間 20 分以下の頻度が最も高い。 図 6.3.18 に、高速道の 5 月 4 トン車の空車走行時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は空車走行時間を示している。 300 270 250 ( 200 頻 度 150 回 100 ) 50 66 29 44 68 28 0 時間(分) 図 6.3.18 高速道、5 月 4 トン車の空車走行時間の分布 122 22 8 15 図 6.3.18 より、空車走行時間が 0 分の回数は 270 回、20 分以下は 66 回、30 分以下は 29 回、40 分以下は 44 回、60 分以下は 68 回、80 分以下は 28 回、100 分以下は 22 回、120 分以下は 8 回、 120 分を超える回数は 15 回であることが分かった。よって、空車走行時間 0 分の頻度が最も高い。 図 6.3.19 に、高速道の 5 月 10 トン車の空車走行時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は空車走行時間を示している。 79 ( 90 80 70 60 頻 50 度 40 回 30 20 10 0 ) 23 31 16 21 10 7 4 3 時間(分) 図 6.3.19 高速道、5 月 10 トン車の空車走行時間の分布 図 6.3.19 より、空車走行時間が 0 分の回数は 79 回、20 分以下は 23 回、30 分以下は 16 回、40 分以下は 21 回、60 分以下は 31 回、80 分以下は 10 回、100 分以下は 7 回、120 分以下は 4 回、120 分を超える回数は 3 回であることが分かった。よって、空車走行時間 0 分の頻度が最も高い。 123 図 6.3.20 に、高速道の 5 月 13 トン車の空車走行時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は空車走行時間を示している。 85 ( 90 80 70 60 頻 50 度 40 回 30 20 10 0 ) 14 12 3 11 7 4 3 10 時間(分) 図 6.3.20 高速道、5 月 13 トン車の空車走行時間の分布 図 6.3.20 より、空車走行時間が 0 分の回数は 85 回、20 分以下は 14 回、30 分以下は 12 回、40 分以下は 3 回、60 分以下は 11 回、80 分以下は 7 回、100 分以下は 4 回、120 分以下は 3 回、120 分を超える回数は 10 回であることが分かった。よって、空車走行時間 0 分の頻度が最も高い。 124 さらに、表 6.3.6 に、ドライバーの運転日報における高速道の車両重量別(2 トン、4 トン、10 トン、 13 トン)の 6 月の空車走行時間の度数分布と割合を示す。 表 6.3.6 高速道における 6 月の車両重量別空車走行時間の頻度と割合 空車時間 0分 割合 2t(回) (%) 割合 4t(回) (%) 割合 10t(回) (%) 割合 13t(回) (%) 99 22.0 272 49.1 92 46.7 109 63.7 20 分以下 132 29.4 49 8.8 25 12.7 12 7.0 30 分以下 51 11.4 32 5.8 19 9.6 5 2.9 40 分以下 60 13.4 51 9.2 20 10.2 3 1.8 60 分以下 73 16.3 63 11.4 19 9.6 12 7.0 80 分以下 13 2.9 36 6.5 10 5.1 13 7.6 100 分以下 6 1.3 20 3.6 6 3.0 4 2.3 120 分以下 12 2.7 16 2.9 1 0.5 6 3.5 3 0.7 15 2.7 5 2.5 7 4.1 449 100.0 554 100.0 197 100.0 120 分超 合計 171 100.0 表 6.3.6 より、2 トン車は空車走行時間 20 分以下の回数が 132 回(約 29%)で最も多く、4 トン車は 空車走行時間 0 分の回数が 272 回(約 49%)で最も多いことが分かった。10 トン車は空車走行時間 0 分の回数が 92 回(約 47%)で最も多く、13 トン車も空車走行時間 0 分の回数が 109 回(約 64%)で最も 多かった。よって、高速道路の場合、空車走行時間はどの車両でも短いことが分かった。 125 図 6.3.21 に、高速道の 6 月 2 トン車の空車走行時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は空車走行時間を示している。 132 140 120 100 80 回 60 ( 頻 度 99 73 51 60 ) 40 13 20 6 12 3 0 時間(分) 図 6.3.21 高速道、6 月 2 トン車の空車走行時間の分布 図 6.3.21 より、空車走行時間が 0 分の回数は 99 回、20 分以下は 132 回、30 分以下は 51 回、40 分以下は 60 回、60 分以下は 73 回、80 分以下は 13 回、100 分以下は 6 回、120 分以下は 12 回、 120 分を超える回数は 3 回であることが分かった。よって、空車走行時間 20 分以下の頻度が最も高 い。 図 6.3.22 に、高速道の 6 月 4 トン車の空車走行時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は空車走行時間を示している。 300 272 250 ( 200 頻 度 150 回 100 ) 50 49 32 51 63 36 0 時間(分) 図 6.3.22 高速道、6 月 4 トン車の空車走行時間の分布 126 20 16 15 図 6.3.22 より、空車走行時間が 0 分の回数は 272 回、20 分以下は 49 回、30 分以下は 32 回、40 分以下は 51 回、60 分以下は 63 回、80 分以下は 36 回、100 分以下は 20 回、120 分以下は 16 回、 120 分を超える回数は 15 回であることが分かった。よって、空車走行時間 0 分の回数が最も高い。 図 6.3.23 に、高速道の 6 月 10 トン車の空車走行時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は空車走行時間を示している。 92 ( 100 90 80 70 頻 60 度 50 回 40 30 20 10 0 ) 25 19 20 19 10 6 1 5 時間(分) 図 6.3.23 高速道、6 月 10 トン車の空車走行時間の分布 図 6.3.23 より、空車走行時間が 0 分の回数は 92 回、20 分以下は 25 回、30 分以下は 19 回、40 分以下は 20 回、60 分以下は 19 回、80 分以下は 10 回、100 分以下は 6 回、120 分以下は 1 回、120 分を超える回数は 5 回であることが分かった。よって、空車走行時間 0 分の頻度が最も高い。 127 図 6.3.24 に、高速道の 6 月 13 トン車の空車走行時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は空車走行時間を示している。 120 109 100 ( 頻 度 ) 回 80 60 40 20 12 5 3 13 12 4 6 7 0 時間(分) 図 6.3.24 高速道、6 月 13 トン車の空車走行時間の分布 図 6.3.24 より、空車走行時間が 0 分の回数は 109 回、20 分以下は 12 回、30 分以下は 5 回、40 分以下は 3 回、60 分以下は 12 回、80 分以下は 13 回、100 分以下は 4 回、120 分以下は 6 回、120 分を超える回数は 7 回であることが分かった。よって、空車走行時間 0 分の頻度が最も高い。 128 6.3.3 専用道の空車走行時間 まず、表 6.3.7 に、ドライバーの運転日報における専用道の車両重量別(2 トン、4 トン、10 トン、 13 トン)の 4 月の空車走行時間の度数分布と割合を示す。 表 6.3.7 専用道における 4 月の車両重量別空車走行時間の頻度と割合 空車時間 0分 2t(回) 割合(%) 4t(回) 割合(%) 10t(回) 割合(%) 13t(回) 割合(%) 241 54.4 242 44.9 64 33.0 29 18.1 20 分以下 92 20.8 76 14.1 20 10.3 18 11.3 40 分以下 50 11.3 40 7.4 22 11.3 26 16.3 60 分以下 21 4.7 35 6.5 10 5.2 11 6.9 80 分以下 14 3.2 27 5.0 9 4.6 12 7.5 100 分以下 11 2.5 32 5.9 11 5.7 13 8.1 120 分以下 3 0.7 17 3.2 11 5.7 8 5.0 140 分以下 1 0.2 24 4.5 12 6.2 13 8.1 160 分以下 4 0.9 13 2.4 14 7.2 9 5.6 180 分以下 3 0.7 7 1.3 10 5.2 8 5.0 180 分超 3 0.7 26 4.8 11 5.7 13 8.1 443 100.0 539 100.0 194 100.0 160 100.0 合計 表 6.3.7 より、2 トン車は空車走行時間 0 分の回数が 241 回(約 54%)で最も多く、4 トン車も空車 走行時間 0 分の回数が 242 回(約 45%)で最も多いことが分かった。10 トン車は空車走行時間 0 分の 回数が 64 回(33%)で最も多く、13 トン車も空車走行時間 0 分の回数が 29 回(約 18%)で最も多かっ た。よって、専用道の場合、空車走行時間は全ての車両で 0 分の回数が最も多いことが分かった。 129 図 6.3.25 に、専用道の 4 月 2 トン車の空車走行時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は空車走行時間を示している。 300 250 241 ( 200 頻 度 150 回 100 ) 92 50 50 21 14 11 3 0 1 4 3 3 時間(分) 図 6.3.25 専用道、4 月 2 トン車の空車走行時間の分布 図 6.3.25 より、空車走行時間が 0 分の回数は 241 回、20 分以下は 92 回、40 分以下は 50 回、60 分以下は 21 回、80 分以下は 14 回、100 分以下は 11 回、120 分以下は 3 回、140 分以下は 1 回、 160 分以下は 4 回、180 分以下は 3 回、180 分を超える回数は 3 回であることが分かった。 よって、空車走行時間 0 分の頻度が最も高い。 図 6.3.26 に、専用道の 4 月 4 トン車の空車走行時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は空車走行時間を示している。 300 250 ( 200 頻 度 150 回 100 242 ) 50 76 40 35 27 32 17 24 0 時間(分) 図 6.3.26 専用道、4 月 4 トン車の空車走行時間の分布 130 13 7 26 図 6.3.26 より、空車走行時間が 0 分の回数は 242 回、20 分以下は 76 回、40 分以下は 40 回、60 分以下は 35 回、80 分以下は 27 回、100 分以下は 32 回、120 分以下は 17 回、140 分以下は 24 回、 160 分以下は 13 回、180 分以下は 7 回、180 分を超える回数は 26 回であることが分かった。 よって、空車走行時間 0 分の頻度が最も高い。 図 6.3.27 に、専用道の 4 月 10 トン車の空車走行時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は空車走行時間を示している。 70 64 60 50 ( 頻 40 度 回 30 ) 20 10 20 22 10 9 11 11 12 14 10 11 0 時間(分) 図 6.3.27 専用道、4 月 10 トン車の空車走行時間の分布 図 6.3.27 より、空車走行時間が 0 分の回数は 64 回、20 分以下は 20 回、40 分以下は 22 回、60 分以下は 10 回、80 分以下は 9 回、100 分以下は 11 回、120 分以下は 11 回、140 分以下は 12 回、 160 分以下は 14 回、180 分以下は 10 回、180 分を超える回数は 11 回であることが分かった。 よって、空車走行時間 0 分の頻度が最も高い。 131 図 6.3.28 に、専用道の 4 月 13 トン車の空車走行時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は空車走行時間を示している。 35 30 26 18 ( 25 頻 20 度 回 15 29 ) 11 12 13 8 10 13 13 9 8 5 0 時間(分) 図 6.3.28 専用道、4 月 13 トン車の空車走行時間の分布 図 6.3.28 より、空車走行時間が 0 分の回数は 29 回、20 分以下は 18 回、40 分以下は 26 回、60 分以下は 11 回、80 分以下は 12 回、100 分以下は 13 回、120 分以下は 8 回、140 分以下は 13 回、 160 分以下は 9 回、180 分以下は 8 回、180 分を超える回数は 13 回であることが分かった。 よって、空車走行時間 0 分の頻度が最も高い。 132 次に、表 6.3.8 に、ドライバーの運転日報における専用道の車両重量別(2 トン、4 トン、10 トン、 13 トン)の 5 月の空車走行時間の度数分布と割合を示す。 表 6.3.8 専用道における 5 月の車両重量別空車走行時間の頻度と割合 空車時間 0分 2t(回) 割合(%) 4t(回) 割合(%) 10t(回) 割合(%) 13t(回) 割合(%) 264 58.1 246 44.7 61 31.4 24 16.1 20 分以下 89 19.6 91 16.5 21 10.8 19 12.8 40 分以下 40 8.8 46 8.4 21 10.8 16 10.7 60 分以下 20 4.4 34 6.2 14 7.2 17 11.4 80 分以下 17 3.7 20 3.6 14 7.2 12 8.1 100 分以下 8 1.8 26 4.7 12 6.2 10 6.7 120 分以下 4 0.9 34 6.2 14 7.2 10 6.7 140 分以下 3 0.7 11 2.0 10 5.2 9 6.0 160 分以下 4 0.9 15 2.7 8 4.1 8 5.4 180 分以下 3 0.7 8 1.5 5 2.6 8 5.4 180 分超 2 0.4 19 3.5 14 7.2 16 10.7 454 100.0 550 100.0 194 100.0 149 100.0 合計 表 6.3.8 より、2 トン車は空車走行時間 0 分の回数が 264 回(約 58%)で最も多く、4 トン車も空車 走行時間 0 分の回数が 246 回(約 45%)で最も多いことが分かった。10 トン車は空車走行時間 0 分の 回数が 61 回(約 31%)で最も多く、13 トン車も空車走行時間 0 分の回数が 24 回(約 16%)で最も多か った。よって、専用道の場合、空車走行時間は全ての車両で 0 分の回数が最も多いことが分かった。 133 図 6.3.29 に、専用道の 5 月 2 トン車の空車走行時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は空車走行時間を示している。 300 264 250 ( 200 頻 度 150 回 100 ) 89 40 50 20 17 8 4 0 3 4 3 2 時間(分) 図 6.3.29 専用道、5 月 2 トン車の空車走行時間の分布 図 6.3.29 より、空車走行時間が 0 分の回数は 264 回、20 分以下は 89 回、40 分以下は 40 回、60 分以下は 20 回、80 分以下は 17 回、100 分以下は 8 回、120 分以下は 4 回、140 分以下は 3 回、160 分以下は 4 回、180 分以下は 3 回、180 分を超える回数は 2 回であることが分かった。 よって、空車走行時間 0 分の頻度が最も高い。 図 6.3.30 に、専用道の 5 月 4 トン車の空車走行時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は空車走行時間を示している。 300 250 ( 200 頻 度 150 回 100 246 ) 50 91 46 34 20 34 26 11 0 時間(分) 図 6.3.30 専用道、5 月 4 トン車の空車走行走行時間の分布 134 15 8 19 図 6.3.30 より、空車走行時間が 0 分の回数は 246 回、20 分以下は 91 回、40 分以下は 46 回、60 分以下は 34 回、80 分以下は 20 回、100 分以下は 26 回、120 分以下は 34 回、140 分以下は 11 回、 160 分以下は 15 回、180 分以下は 8 回、180 分を超える回数は 19 回であることが分かった。 よって、空車走行時間 0 分の頻度が最も高い。 図 6.3.31 に、専用道の 5 月 10 トン車の空車走行時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は空車走行時間を示している。 70 60 61 50 ( 頻 40 度 回 30 ) 20 21 21 14 14 12 14 10 10 8 14 5 0 時間(分) 図 6.3.31 専用道、5 月 10 トン車の空車走行時間の分布 図 6.3.31 より、空車走行時間が 0 分の回数は 61 回、20 分以下は 21 回、40 分以下は 21 回、60 分以下は 14 回、80 分以下は 14 回、100 分以下は 12 回、120 分以下は 14 回、140 分以下は 10 回、 160 分以下は 8 回、180 分以下は 5 回、180 分を超える回数は 14 回であることが分かった。 よって、空車走行時間 0 分の頻度が最も高い。 135 図 6.3.32 に、専用道の 5 月 13 トン車の空車走行時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は空車走行時間を示している。 30 25 ( 20 頻 度 15 回 10 24 19 16 17 16 12 ) 10 10 9 8 8 5 0 時間(分) 図 6.3.32 専用道、5 月 13 トン車の空車走行時間の分布 図 6.3.32 より、空車走行時間が 0 分の回数は 24 回、20 分以下は 19 回、40 分以下は 16 回、60 分以下は 17 回、80 分以下は 12 回、100 分以下は 10 回、120 分以下は 10 回、140 分以下は 9 回、 160 分以下は 8 回、180 分以下は 8 回、180 分を超える回数は 16 回であることが分かった。 よって、空車時間 0 分の頻度が最も高い。 136 さらに、表 6.3.9 に、ドライバーの運転日報における専用道の車両重量別(2 トン、4 トン、10 トン、 13 トン)の 6 月の空車走行時間の度数分布と割合を示す。 表 6.3.9 専用道における 6 月の車両重量別空車走行時間の頻度と割合 空車時間 0分 2t(回) 割合(%) 4t(回) 割合(%) 10t(回) 割合(%) 13t(回) 割合(%) 263 58.6 280 50.5 78 39.6 32 18.7 20 分以下 81 18.0 77 13.9 20 10.2 18 10.5 40 分以下 41 9.1 38 6.9 25 12.7 15 8.8 60 分以下 13 2.9 41 7.4 14 7.1 15 8.8 80 分以下 21 4.7 37 6.7 9 4.6 11 6.4 100 分以下 10 2.2 27 4.9 11 5.6 12 7.0 120 分以下 8 1.8 13 2.3 14 7.1 17 9.9 140 分以下 2 0.4 13 2.3 7 3.6 17 9.9 160 分以下 5 1.1 9 1.6 4 2.0 15 8.8 180 分以下 2 0.4 7 1.3 2 1.0 4 2.3 180 分超 3 0.7 12 2.2 13 6.6 15 8.8 100.0 554(回) 100.0 197(回) 100.0 171(回) 100.0 合計 449(回) 表 6.3.9 より、2 トン車は空車走行時間 0 分の回数が 263 回(約 59%)で最も多く、4 トン車も空車 走行時間 0 分の回数が 280 回(約 51%)で最も多いことが分かった。10 トン車は空車走行時間 0 分の 回数が 78 回(約 40%)で最も多く、13 トン車も空車走行時間 0 分の回数が 32 回(約 19%)で最も多か った。よって、専用道の場合、空車走行時間は全ての車両で 0 分の回数が最も多いことが分かった。 137 図 6.3.33 に、専用道の 6 月 2 トン車の空車走行時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は空車走行時間を示している。 300 263 250 ( 200 頻 度 150 回 100 ) 81 41 50 13 21 10 8 0 2 5 2 3 時間(分) 図 6.3.33 専用道、6 月 2 トン車の空車走行時間の分布 図 6.3.33 より、空車走行時間が 0 分の回数は 263 回、20 分以下は 81 回、40 分以下は 41 回、60 分以下は 13 回、80 分以下は 21 回、100 分以下は 10 回、120 分以下は 8 回、140 分以下は 2 回、 160 分以下は 5 回、180 分以下は 2 回、180 分を超える回数は 3 回であることが分かった。 よって、空車走行時間 0 分の頻度が最も高い。 図 6.3.34 に、専用道の 6 月 4 トン車の空車走行時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は空車走行時間を示している。 300 280 250 ( 200 頻 度 150 回 100 ) 50 77 38 41 37 27 13 13 0 時間(分) 図 6.3.34 専用道、6 月 4 トン車の空車走行時間の分布 138 9 7 12 図 6.3.34 より、空車走行時間が 0 分の回数は 280 回、20 分以下は 77 回、40 分以下は 38 回、60 分以下は 41 回、80 分以下は 37 回、100 分以下は 27 回、120 分以下は 13 回、140 分以下は 13 回、 160 分以下は 9 回、180 分以下は 7 回、180 分を超える回数は 12 回であることが分かった。 よって、空車走行時間 0 分の頻度が最も高い。 図 6.3.35 に、専用道の 6 月 10 トン車の空車走行時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は空車走行時間を示している。 78 ( 90 80 70 60 頻 50 度 40 回 30 20 10 0 ) 20 25 14 9 11 14 7 13 4 2 時間(分) 図 6.3.35 専用道、6 月 10 トン車の空車走行時間の分布 図 6.3.35 より、空車走行時間が 0 分の回数は 78 回、20 分以下は 20 回、40 分以下は 25 回、60 分以下は 14 回、80 分以下は 9 回、100 分以下は 11 回、120 分以下は 14 回、140 分以下は 7 回、 160 分以下は 4 回、180 分以下は 2 回、180 分を超える回数は 13 回であることが分かった。 よって、空車走行時間 0 分の頻度が最も高い。 139 図 6.3.36 に、専用道の 6 月 13 トン車の空車走行時間の図を示す。 縦軸は頻度、横軸は空車走行時間を示している。 35 32 30 ( 25 頻 20 度 回 15 18 15 17 15 ) 11 17 12 15 15 10 4 5 0 時間(分) 図 6.3.36 専用道、6 月 13 トン車の空車走行時間の分布 図 6.3.36 より、空車走行時間が 0 分の回数は 32 回、20 分以下は 18 回、40 分以下は 15 回、60 分以下は 15 回、80 分以下は 11 回、100 分以下は 12 回、120 分以下は 17 回、140 分以下は 17 回、 160 分以下は 15 回、180 分以下は 4 回、180 分を超える回数は 15 回であることが分かった。 以上より、空車走行時間 0 分の頻度が最も高い。 140 6.3.4 道路種別平均空車走行時間 6.3.4 では、4 月、5 月、6 月の車両重量別の平均空車走行時間について検討し、さらに、道路種 別の平均空車走行時間についても検討を行う。 空車走行時間は、一般道空車走行時間と高速道空車走行時間と専用道空車走行時間を合わせた時 間とする。一般道空車走行時間=一般道・空車走行距離÷一般道走行速度、高速道空車走行時間=高 速道・空車走行距離÷高速道走行速度、専用道空車走行時間=専用道・空車走行距離÷専用道走行 速度という式で求めた。平均空車走行時間は、1 日トラック 1 台あたり、空車で走行する平均時間 とする。 まず、表 6.3.10 に 4 月の車両重量別の平均空車走行時間を示す。 表 6.3.10 4 月の車両重量別の平均空車走行時間 車両重量 平均空車走行時間(時) 平均空車走行時間(分) 2 トン 2.1 127.2 3 トン 2.6 155.3 4 トン 1.9 111.2 8 トン 3.5 212.3 10 トン 2.7 160.5 12 トン 1.9 116.2 13 トン 2.1 125.8 表 6.3.10 より、8 トン車の平均空車走行時間が 3.5 時間で最も長く、次いで、10 トン車の平均空 車走行時間が 2.7 時間となっていることが分かった。 そして、表 6.3.11 に 5 月の車両重量別の平均空車走行時間を示す。 表 6.3.11 5 月の車両重量別の平均空車走行時間 車両重量 平均空車走行時間(時) 平均空車走行時間(分) 2 トン 2.2 132.7 3 トン 2.6 155.5 4 トン 1.8 111.0 8 トン 3.5 211.8 10 トン 3.0 177.5 12 トン 1.9 113.8 13 トン 2.4 141.9 141 表 6.3.11 より、8 トン車の平均空車走行時間が 3.5 時間で最も長く、次いで、10 トン車の平均空 車走行時間が 3.0 時間となっていることが分かった。 さらに、表 6.3.12 に 6 月の車両重量別の平均空車走行時間を示す。 表 6.3.12 6 月の車両重量別の平均空車走行時間 車両重量 平均空車走行時間(時) 平均空車走行時間(分) 2 トン 2.2 132.0 3 トン 2.3 137.8 4 トン 1.9 113.3 8 トン 3.2 190.0 10 トン 2.8 169.9 12 トン 2.3 140.1 13 トン 2.2 133.1 表 6.3.12 より、8 トン車の平均空車走行時間が 3.2 時間で最も長く、次いで、10 トン車の平均空 車走行時間が 2.8 時間となっていることが分かった。 以上、表 6.3.10 から表 6.3.12 の結果より、4 月から 6 月で、空車走行時間が長い車両は共通して、 8 トン、10 トンであることが分かった。 次に、表 6.3.13 に一般道における 4 月の車両重量別の平均空車走行時間を示し、表 6.3.14 に一般 道における 5 月の車両重量別の平均空車走行時間を示し、表 6.3.15 に一般道における 6 月の車両重 量別の平均空車走行時間を示す。 表 6.3.13 一般道における 4 月の車両重量別の平均空車走行時間 車両重量 一般道平均空車走行時間(時) 一般道平均空車走行時間(分) 2 トン 1.4 83.3 3 トン 2.5 151.4 4 トン 0.7 41.1 8 トン 1.2 74.2 10 トン 1.2 71.3 12 トン 0.6 38.1 13 トン 0.5 29.8 表 6.3.13 より、3 トン車の平均空車走行時間が 2.5 時間で最も長く、次いで、2 トン車の平均空車 走行時間が 1.4 時間となっていることが分かった。 142 表 6.3.14 一般道における 5 月の車両重量別の平均空車走行時間 車両重量 一般道平均空車走行時間(時) 一般道平均空車走行時間(分) 2 トン 1.5 93.0 3 トン 2.5 149.6 4 トン 0.8 49.7 8 トン 1.1 65.9 10 トン 1.5 90.9 12 トン 0.9 52.3 13 トン 0.5 30.5 表 6.3.14 より、3 トン車の平均空車走行時間が 2.5 時間で最も長く、次いで、2 トン車、10 トン 車の平均空車走行時間が 1.5 時間となっていることが分かった。 表 6.3.15 一般道における 6 月の車両重量別の平均空車走行時間 車両重量 一般道平均空車走行時間(時) 一般道平均空車走行時間(分) 2 トン 1.5 89.5 3 トン 2.2 132.9 4 トン 0.9 55.9 8 トン 1.2 69.7 10 トン 1.7 99.9 12 トン 1.4 82.0 13 トン 0.4 24.1 表 6.3.15 より、3 トン車の平均空車走行時間が 2.2 時間で最も長く、次いで、10 トン車の平均空 車走行時間が 1.7 時間となっていることが分かった。 以上、表 6.3.13 から表 6.3.15 の結果より、4 月から 6 月の一般道において、空車走行時間が長い 車両は、2 トン、3 トン、10 トンであることが分かった。 143 また、表 6.3.16 に高速道における 4 月の車両重量別の平均空車走行時間を示し、表 6.3.17 に高速 道における 5 月の車両重量別の平均空車走行時間を示し、表 6.3.18 に高速道における 6 月の車両重 量別の平均空車走行時間を示す。 表 6.3.16 高速道における 4 月の車両重量別の平均空車走行時間 車両重量 高速道平均空車走行時間(時) 高速道平均空車走行時間(分) 2 トン 0.5 27.5 3 トン 0.0 1.0 4 トン 0.5 29.5 8 トン 0.5 28.2 10 トン 0.4 25.5 12 トン 0.3 20.9 13 トン 0.3 20.4 表 6.3.16 より、4 トン車の平均空車走行時間が約 30 分で最も長く、次いで、8 トン車の平均空車 走行時間が約 28 分となっていることが分かった。 表 6.3.17 高速道における 5 月の車両重量別の平均空車走行時間 車両重量 高速道平均空車走行時間(時) 高速道平均空車走行時間(分) 2 トン 0.4 23.9 3 トン 0.0 0.0 4 トン 0.4 24.1 8 トン 0.5 32.3 10 トン 0.4 25.7 12 トン 0.3 15.9 13 トン 0.5 29.9 表 6.3.17 より、8 トン車の平均空車走行時間が約 32 分で最も長く、次いで、13 トン車の平均空 車走行時間が約 30 分となっていることが分かった。 144 表 6.3.18 高速道における 6 月の車両重量別の平均空車走行時間 車両重量 高速道平均空車走行時間(時) 高速道平均空車走行時間(分) 2 トン 0.4 25.6 3 トン 0.0 1.0 4 トン 0.4 26.5 8 トン 0.4 24.4 10 トン 0.4 22.7 12 トン 0.4 24.8 13 トン 0.4 24.0 表 6.3.18 より、4 トン車の平均空車走行時間が約 27 分で最も長く、次いで、2 トン車の平均空車 走行時間が約 26 分となっていることが分かった。 以上、表 6.3.16 から表 6.3.18 の結果より、4 月から 6 月の高速道において、空車走行時間が長い 車両は、2 トン、4 トン、8 トン、13 トンであることが分かった。 最後に、表 6.3.19 に専用道における 4 月の車両重量別の平均空車走行時間を示し、表 6.3.20 に専 用道における 5 月の車両重量別の平均空車走行時間を示し、表 6.3.21 に専用道における 6 月の車両 重量別の平均空車走行時間を示す。 表 6.3.19 専用道における 4 月の車両重量別の平均空車走行時間 車両重量 専用道平均空車走行時間(時) 専用道平均空車走行時間(分) 2 トン 0.3 16.4 3 トン 0.0 2.9 4 トン 0.7 40.6 8 トン 1.8 109.9 10 トン 1.1 63.7 12 トン 1.0 57.2 13 トン 1.3 75.6 表 6.3.19 より、8 トン車の平均空車走行時間が 1.8 時間で最も長く、次いで、13 トン車の平均空 車走行時間が 1.3 時間となっていることが分かった。 145 表 6.3.20 専用道における 5 月の車両重量別の平均空車走行時間 車両重量 専用道平均空車走行時間(時) 専用道平均空車走行時間(分) 2 トン 0.3 15.8 3 トン 0.1 5.9 4 トン 0.6 37.1 8 トン 1.9 113.5 10 トン 1.0 60.9 12 トン 0.8 45.6 13 トン 1.4 81.5 表 6.3.20 より、8 トン車の平均空車走行時間が 1.9 時間で最も長く、次いで、13 トン車の平均空 車走行時間が 1.4 時間となっていることが分かった。 表 6.3.21 専用道における 6 月の車両重量別の平均空車走行時間 車両重量 専用道平均空車走行時間(時) 専用道平均空車走行時間(分) 2 トン 0.3 16.9 3 トン 0.1 3.9 4 トン 0.5 30.9 8 トン 1.6 95.9 10 トン 0.8 47.2 12 トン 0.6 33.4 13 トン 1.4 85.0 表 6.3.21 より、8 トン車の平均空車走行時間が 1.6 時間で最も長く、次いで、13 トン車の平均空 車走行時間が 1.4 時間となっていることが分かった。 以上、表 6.3.19 から表 6.3.21 の結果より、4 月から 6 月の専用道において、空車走行時間が長い 車両は共通して、8 トン、13 トンであることが分かった。 また、一般道、高速道、専用道の全体で比較すると、一般道は最も空車走行時間が長く、高速道は 最も空車走行時間が短いことが明らかとなった。 146 6.4 長時間労働を引き起こす要因 6.2 では、荷役時間の分析として、荷積時間、荷卸時間、平均荷役時間を検討した。 車両重量別の平均荷役時間では、1 日トラック 1 台当たり、2 トントラックの場合で 3.7 時間、3 トンで 2.2 時間、4 トンで約 2.9 時間、8 トンで約 4.6 時間、10 トンで約 4.2 時間、12 トンで約 3.3 時間、13 トンで 3.6 時間であることが分かった。 6.3 では、空車走行時間の分析として、一般道の空車走行時間、高速道の空車走行時間、専用道の 空車走行時間、道路種別平均空車走行時間を検討した。 車両重量別の平均空車走行時間では、1 日トラック 1 台当たり、2 トントラックの場合で約 2.2 時 間、3 トンで 2.5 時間、4 トンで約 1.9 時間、8 トンで約 2.8 時間、10 トンで約 2.8 時間、12 トンで 約 2 時間、13 トンで 2.2 時間であることが分かった。 よって、6.2、6.3 の結果より、ドライバーの長時間労働を引き起こす要因は、運転時間以外の補助 作業時間である荷役時間や運転時間内の無駄な時間である空車走行時間であることが分かった。 6.4 では、荷役時間や空車走行時間の長さをより詳細に把握するために、1 日(24 時間)を 100%と した時の荷役時間が占める割合や拘束時間内の荷役時間が占める割合、そして、1 日(24 時間)を 100% とした時の空車走行時間が占める割合や運転時間内の空車走行時間が占める割合について考える。 まず、図 6.4.1 に 4 月の 2 トントラックのドライバーを例として、1 日 24 時間の中の拘束時間、 運転時間、荷役時間の割合を示す。 図 6.4.2 には、拘束時間を 100%とした時の荷役時間の割合を示す。 1日(24時間) 100% 拘束時間 46.8% 運転時間 24.8% 0.0 10.0 20.0 荷役時間 その他 16.4% 5.6% 30.0 40.0 50.0 60.0 70.0 80.0 90.0 100.0 割合(%) 図 6.4.1 1 日の拘束時間、運転時間、荷役時間の割合 図 6.4.1 より、1 日を 100%とした時の拘束時間は約 47%であることが分かる。しかし、その拘束 時間内の運転時間は約 25%であるのに対し、荷役時間は、その他の時間(荷待ち時間等)と合わせると 22%であった。つまり、拘束時間の約半分は主体作業時間(運転時間)ではない、補助作業時間(荷役時 間)が占めていることになる。この荷役時間等を減らすことができれば、収益につながる運転時間を 147 減らさなくても 1 日の拘束時間は現状より短くできると考えられる。また、荷役時間を減らした結 果、トラックの稼働時間が増えれば、トラック運送事業者の固定資産の一つであるトラックの回転率 が上がる。よって、固定資産回転率の面から見ても、収益につながると考えられる。 運転時間 53.0 % 0% 20% 荷役時間 35.0 % 40% 60% 80% その他 12.1% 100% 図 6.4.2 拘束時間を 100%とした時の荷役時間の割合 図 6.4.2 より、拘束時間を 100%とした時、運転時間が全体の 53%であるのに対して、荷役時間は その他の時間(荷待ち時間等)と合わせると約 47%を占めていることが分かった。やはり、この図から も、拘束時間内の補助作業時間である荷役時間の割合が高いことが分かる。よって、この荷役時間を 減らしていく必要がある。 148 ト クのドライバ バーを例として、1 日 244 時間の中の の運転時間、 次に、図 6.4.3 に 4 月の 2 トントラック 行時間、空車 車走行時間の の割合を示す す。 実車走行 図 6.4 4.4 には、運 運転時間を 10 00%とした時 時の荷役時間 間の割合を示 示す。 1日(24時 間) 100% 運 運転時間 19.5% 実車 空車 10.7 % 8.8% 0.0 10.0 20.0 0 30.0 40.0 4 50.0 60.0 70.0 0 80.0 90.0 9 100.0 割合(%)) 図 6.4.3 1 日の運転 転時間、実車 車走行時間、 空車走行時 時間の割合 4.3 より、1 日を 100%と とした時の運 運転時間は約 約 20%である ることが分か かる。しかし し、その運転 転 図 6.4 時間内の の実車走行時 時間は約 11% %であるのに に対し、空車 車走行時間は約 9%であっ った。つまり り、運転時間 間 の約半分 分は主体作業 業時間(実車走 走行時間)で ではない、無 無駄で価値を生み出さな い時間 (空車 車走行時間)) が占めて ていることに になる。この空車時間を減 減らすことや や無くすこと とができれば ば、より効率 率的に時間を を 使えるよ ようになるた ため、同じ運 運転時間内で も輸配送でき きる仕事の量 量が増え、収 収益につなが がることが考 考 えられる る。また、効 効率的に運転 転できれば、運 運転時間が減 減るので、結 結果的に拘束 束時間も減る る可能性があ あ る。 149 実車走行時間 54.8% 0% 20% 空車走行時間 45.2 % 40% 60% 80% 100% 割合(%) 図 6.4.4 運転時間を 100%とした時の空車走行時間の割合 図 6.4.4 より、運転時間を 100%とした時、実車走行時間が全体の約 55%であるのに対して、空車 走行時間は約 45%を占めていることが分かった。やはり、この図からも、運転時間内の無駄な時間 である空車走行時間の割合が高いことが分かる。よって、この空車走行時間を減らしていく必要があ る。 150 6.5 改善策の検討 6.1 から 6.4 でドライバーの長時間労働についての分析を行った。その結果、荷役時間や空車走 行時間が、長時間労働を引き起こす要因であることが分かった。 6.5 では、ドライバーの長時間労働における改善策の検討を行う。 長時間労働の要因は、荷役時間と空車走行時間である。よって、改善策は、(1)荷役時間の短縮、 (2)空車走行時間の短縮 という 2 つの視点から考え、検討を行っていく。 (1)荷役時間の短縮 分析結果より、平均荷役時間は約 4 時間であることが分かった。これは明らかに手荷役で行っ ている可能性が高いことが分かる。 よって、荷役時間を短縮するためには、トラック運送事業者はフォークリフトやかご車、パレッ ト等を使用する必要がある。また、荷主には長時間の荷役時間が、ドライバーの長時間労働の要因 になることを理解してもらった上で、パレットの使用に必要な設備環境の整備等の協力を得る必要 がある。例えば、積載率に影響が少ない、シートパレットを使用する際などには、特殊なフォーク リフトが必要となるため、フォークリフトの使用環境を整えてもらう必要がある。 一方で、荷主は、トラック運送事業者が荷待ち等に時間を費やさないために、検品等のスケジュ ール調整も行う必要があると考える。 また、パレット紛失等を防ぐためには、一例として、日本パレットレンタル株式会社が行ってい る、 「共同回収システム」(23)の利用が有効であると考える。このシステムは、コスト低減、使用す るパレット数の削減、トラックの稼働率の上昇、作業効率の上昇、廃棄パレット数の削減等、様々 な効果がある。よって、このようなシステム等を利用することで、荷役時間の短縮につながると考 えられる。ドライバーの長時間労働を改善するためには、トラック運送事業者だけでなく、荷主も 協力する必要がある。 そして、このような様々な改善策を実施し、平均荷役時間である約 4 時間を短縮できた場合、 改善基準告示で定める、1 日単位の拘束時間 13 時間以内という項目を満たす割合は、約 71%とな り、現状の約 22%も増加することが明らかとなった。 よって、荷役時間の短縮が拘束時間や労働時間の短縮につながり、ドライバーの長時間労働は改 善できると考えられる。 現在、荷役作業はドライバーの輸送業務の一環として義務付けられている場合が多いが、荷役作 業は本来、荷主が行うべき仕事の一つであるため、荷主はドライバーの労働負荷軽減のためにも、 荷役作業を積極的に行う必要がある。 151 (2)空車走行時間の短縮 分析結果より、平均空車走行時間は約 2 時間であることが分かった。 よって、空車走行時間を短縮するためには、トラックの積載率の向上やトラック運送事業者が持つ 車庫の位置の見直しを検討する必要がある。まず、トラックの積載率の向上では、特に復路の積載 率を上げることで、空車走行時間はより短縮できると考えられる。 そこで、復路の積載率を上げるために、一例として、トラボックス株式会社が行っている、 「求 荷求車情報サービス」(24)の利用が有効であると考える。このシステムは、荷物を積んでいない空 トラックと荷物のマッチング機能を持つオンライン物流ネットワークであり、コスト削減、トラッ クの積載率の向上、収益の増加等、様々な効果がある。また、都市間の輸配送の際、オンラインで 荷物状況を把握できるため、ドライバーは充分な休憩を取り、労働時間や拘束時間等を長くするこ となく、必要な時に復路の荷物を得る事ができる。よって、このようなシステム等を利用すること で、空車走行時間の短縮につながると考えられる。 また、車庫の位置の見直しの際は、特定の荷主との取引が多い場合、送り荷主と受け荷主のなる べく近くに車庫を作ることが有効である。送り荷主と受け荷主の近くに車庫を作ることで、車庫か ら送り荷主へ行く際、受け荷主から車庫へ帰る際の空車走行時間や空車走行距離が短縮できると考 えられる。 そして、このような様々な改善策を実施し、平均空車走行時間である約 2 時間を短縮できた場 合、改善基準告示で定める、1 日単位の拘束時間 13 時間以内という項目を満たす割合は、約 65% となり、現状の約 15%も増加することが明らかとなった。よって、空車走行時間の短縮が拘束時 間や労働時間の短縮につながり、ドライバーの長時間労働は改善できると考えられる。 図 6.5.1 に、車庫の位置と空車走行時間等の関係を示す。 152 (配送先①) 受け荷主① 送り荷主 (配送先②) 受け荷主② 空車走行時間 が非常に長い 空車距離も 非常に長い 車庫 車庫の見直しを行うと… (配送先①) 受け荷主① 送り荷主 (配送先②) 受け荷主② 車庫 空車距離の短縮 空車走行時間 の短縮 図 6.5.1 車庫の位置と空車走行時間、空車走行距離の関係 153 第7章 結論 7.1 本研究のまとめ まず、本研究の目的は、トラック運送事業者におけるドライバーの労働実態を、時間の観点から調 査し、長時間労働等の労働上の問題やその要因を抽出することである。さらに、その長時間労働の改 善策を検討することである。 そして、7.1 では、以下のような構成で、本研究のまとめを行う。 (1)ドライバーの労働実態の把握 (2)ドライバーの長時間労働の要因の抽出 (3)ドライバーの長時間労働における改善策の検討 (1) ドライバーの労働実態の把握 労働時間では、労働基準法の 1 週間 40 時間以下を満たす割合は約 3.3%であり、1 日 8 時間以 下を満たす割合は 17.4%であった。休憩時間では、労働基準法の休憩時間 45 分以上を満たす割 合は約 19.4%であり、1 時間以上を満たす割合は約 16.5%であった。よって、労働時間、休憩時 間は共に、労働基準法を満たす割合が極めて低いことが分かった。 拘束時間では、改善基準告示の 1 ヶ月 293 時間以下を満たす割合は約 42%であり、1 日 13 時 間以下を満たす割合は約 49.3%であった。1 週間内に 1 日の拘束時間が 15 時間を超える回数では、 改善基準告示の 1 週間 2 回以内を満たす割合は約 23.5%であった。休息期間では、改善基準告示 の 1 日 8 時間以上を満たす割合は約 84.5%であった。運転時間では、改善基準告示の 2 日平均で 9 時間以内を満たす割合は約 96.1%であり、2 週間平均で 44 時間以内を満たす割合は 93.8%であ った。よって、拘束時間は改善基準告示を満たす割合が低いことが分かった。 以上の結果より、働いている時間(労働時間や拘束時間等)は長く、休んでいる時間(休憩時間等) は短いことが分かり、ドライバーは長時間労働となっていることが明らかとなった。 (2) ドライバーの長時間労働の要因の抽出 ドライバーは長時間労働となっていることが分かり、ドライバーの 1 日の時間の内訳や拘束時 間、運転時間の内訳を見た結果、拘束時間内の約 47%は荷役時間が占めており、運転時間内の約 45%は空車走行時間2が占めていることが分かった。そのため、荷役時間と空車走行時間に注目し て分析を行った。 平均荷役時間では、1 日トラック 1 台当たり、2 トントラックの場合で 3.7 時間、3 トンで 2.2 時間、4 トンで約 2.9 時間、8 トンで約 4.6 時間、10 トンで約 4.2 時間、12 トンで約 3.3 時間、13 トンで 3.6 時間もかかっていることが分かった。 平均空車走行時間では、1 日トラック 1 台当たり、2 トントラックの場合で約 2.2 時間、3 トン で 2.5 時間、4 トンで約 1.9 時間、8 トンで約 2.8 時間、10 トンで約 2.8 時間、12 トンで約 2 時間、 2 自動車が実際に貨物を載せて走った時間を実車走行時間とし、これ以外の走った時間を空車走行 時間とする。従って荷主から輸送依頼を受け貨物を受取に行く走行時間も空車走行時間に含まれる。 154 13 トンで 2.2 時間もあることが分かった。 以上の結果より、ドライバーの長時間労働を引き起こす要因は、運転時間内の無駄な時間である 空車走行時間や運転時間以外の補助作業時間である荷役時間であることが分かった。よって、荷役 時間と空車走行時間の短縮を行う必要がある。 (3)ドライバーの長時間労働における改善策の検討 長時間労働の要因は、荷役時間と空車走行時間である。よって、改善策は、①荷役時間の短縮、 ②空車走行時間の短縮 という 2 つの視点から考える。 ①荷役時間の短縮 分析結果より、平均荷役時間は、平均荷役時間は約 4 時間であることが分かった。 この荷役時間を短縮した場合、1 日の拘束時間 13 時間以内を満たす割合は、約 71%(約 22% 増)となることが分かった。よって、荷役時間を短縮する必要がある。そのために、トラック 運送事業者は、フォークリフトやパレット等を使用する必要がある。また、荷主にはパレット の使用に必要な設備環境の整備等の協力を得る必要がある。 一方で、荷主は、ドライバーの労働負荷軽減のために、本来の業務である荷役を積極的に行 う必要がある。そして、検品等のスケジュール調整も行う必要があると考える。ドライバーの 長時間労働を改善するためには、トラック運送事業者だけでなく、荷主も協力する必要がある。 ②空車走行時間の短縮 分析結果より、平均空車走行時間は約 2 時間であることが分かった。 この空車走行時間を短縮した場合、1 日の拘束時間 13 時間以内を満たす割合は、約 65%(約 15%増)となることが分かった。よって、空車走行時間を短縮する必要がある。そのために、 トラック運送事業者は、トラックの積載率の向上と車庫の位置の見直しを検討する必要がある。 積載率の向上では、特に、復路の積載率を上げる必要がある。車庫の位置の見直しでは、現在 の運行状態で空車走行時間を無くすには限界があるため、特定の荷主との取引が多い場合、送 り荷主と受け荷主の近くに車庫を作ることが有効である。 以上の改善策より、荷役時間や空車走行時間は短縮されると考えられる。荷役時間や空車走行 時間の短縮によって、ドライバーの労働時間や拘束時間等の短縮につながれば、ドライバーの長 時間労働は改善される。 155 7.2 今後の課題 本研究では、トラック運送事業者におけるドライバーの労働実態を、時間の観点から調査し、長時 間労働等の労働上の問題やその要因の抽出と共に、長時間労働の改善策の検討を行った。 今後は、より研究内容を深めるために、労働時間内における荷物の手待ち時間等の時間の内訳や 1 年間の拘束時間等を考慮して分析を行う必要がある。また、2010 年 4 月 1 日から労働基準法が改正 されたため、その改正内容も踏まえて分析をしていきたい。特に、有給休暇に関する、代替休暇制度 や時間単位年休の導入が労働実態にどのような影響を及ぼすかを検討したい。 156 謝辞 研究及び論文の作成にあたり、多大なご協力と有益な示唆をいただいた方々に、感謝の意をここで 示し、厚くお礼を申し上げます。 本研究室の鶴田三郎教授、黒川久幸准教授には、多くのご指導、ご鞭撻に心から感謝すると共に、 お二人のもとで本研究ができたことを大変、誇りに思います。 そして、論文作成にあたり多くのご協力をいただいた、宮本英二様、行岡智恵子様、松田孝司様に 深く感謝申し上げます。また、本研究室所属、博士課程の張畢さん、Achmad Riadi さん、修士課程 の邢斐斐さん、佐藤智さん、嶋津直哉さん、鈴木理沙さん、山内崇史さん、柯晟劼さん、冷静さん、 馮馳さん、葛剣橋さん、謝英博さん、学部 4 年生の末永健太さん、竹内玲さん、菊池光輝さん、沈 天聖環さん、中嶋美沙さんに感謝申し上げます。 157 参考文献 (1)「数字でみる物流 2009 年版」、社団法人 (2) 社団法人 全日本トラック協会 (3) 社団法人 全日本トラック協会 日本物流団体連合会発行、2009 年 10 月 「トラック運送業界の現状と課題」平成 22 年 5 月 29 日 「[平成 21 年度版]トラック輸送産業の現状と課題<特別編集版>」平成 22 年 3 月 (4) 岩男眞由美・小林正己・平野友規「ドラックドライバの負担感と負荷軽減策-車両状態を把握し やすい表示系の検討-」 、国際交通安全学会誌 Vol.30No.3、pp74~82、2005 年 9 月 (5) 西山勝夫・北原照代・垰田和史・立入理恵子「トラック運転手の労働実態と健康状態-質問紙法 による全国調査結果-」 、産業衛生学雑誌 40 巻(臨時増刊号)、pp356、社団法人日本産業衛生学 会、1998 年 3 月 20 日 (6) 吉村健志・伊藤博子・丹羽康之・福戸敦司「長距離トラック運転における不安全運転行動の検出 技術に関する研究」、産業保健人間工学研究 7、pp146~149、産業保健人間工学会、2005 年 10 月 (7) 桜木隆「トラック運転手の睡眠と休憩の実態調査」、日本労働研究雑誌 49(4)、pp36~39、独立 行政法人労働政策研究・研修機構、2007 年 4 月 (8) 川村雅則「軽貨物自営業者の就業、生活及び健康」、開発論集第 77 号、pp131~166、北海学園 大学開発研究所、2006 年 3 月 (9) 月刊ロジスティクス・ビジネス、 「特集トラック運賃 2010」、ライノス・パブリケーションズ発 行 No.109、2010 年 4 月 (10) 厚生労働省 http://www.mhlw.go.jp/ -報道発表資料 http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/ -平成21年度における脳・心臓疾患及び精神障害等に係る労災補償状況について http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000006kgm.html (11) 過労死 110 番全国ネットワーク (12) 過労死救済センター (13) 厚生労働省 http://karoshi.jp/ http://www.karousi.com/ 脳・心臓疾患の労災認定 -「過労死」と労災保険- 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http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/kantoku/dl/040330-10.pdf (21) 社団法人 宮崎県トラック協会 (22) 株式会社三愛 http://www.mta.or.jp/ http://www.3-ai.co.jp/index2.htm (23) 日本パレットレンタル株式会社 (24) トラボックス株式会社 http://www.jpr.co.jp/ http://www.trabox.ne.jp/ 159
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