外国人に言わない方がいい 10 のポイント

外国人に言わない方がいい 10 のポイント
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多くの日本人は外国人と英語で話すとき、緊張したり、ドキドキしたりするでしょう。これは自然
なことです。外国人が日本語で話をするときも同じ気持ちになります。残念なことに、外国語で話
すと母国語では絶対言わないようなことを言ってしまい、相手に失礼だと思われてしまうことがあ
ります。日本語では OK でも、英語だと失礼に聞こえてしまうこともあります。
失礼なことではなくても、相手を嫌な気持ちにさせたり、怒らせてしまうこともあります。日本に
長年住んでいる外国人もたくさんいるということを忘れないでください。長年日本に住んでいる人
は、くり返し同じことを言われたり、質問されることにうんざりしているのです。外国人と友好的
に英語でコミュニケーションをしたいのなら、
「何を言ったらいいのか」を学ぶことも大切ですが、
「何を言ってはいけないのか」を知ることも同じように大切です。ここに避けた方がいい 10 のポ
イントを挙げるので参考にしてください。
1. Where are you from?(どちらからいらしたのですか?)
この質問にはいくつかの問題点があります。まず1つ目は、この質問が「英語」だということです。
日本にいる外国人が全員英語を話すわけではありません。たとえ英語を話すとしても、英語圏以外
から来た人は嫌な気持ちになるかもしれません。外国人と英語で話したいときは、まず日本語で話
しかけてみてください(英語で話しかけると、ただ英会話の練習をしたいのかと思われるかもしれ
ません)。相手が日本語を分からないようなら、次の質問は Do you speak English? になるでしょう。
もし相手が英語を話すと答えても、勝手にアメリカ出身だと判断してアメリカについて質問するの
はやめましょう。これはアメリカ以外から来た人をとても嫌な気持ちにさせます。
2つ目は、この質問は、相手について最初に気づいたことが「自分とは違う点」だということを表
しています。ですから、Where are you from? で会話を始めるのは、あまり友好的な方法ではないと
言えます。何か共通点を見つけるために、当たり障りのない会話から始める方がずっといいでしょ
う。例えば、It's hot, isn't it? や This shop is very crowded.、Have you been waiting long? などです。し
ばらく会話をした後で Where are you from? と聞くのは問題ありませんが、いきなりこの質問で会
話を始めるのはやめましょう。
2. We Japanese...(我々、日本人は…)
「我々、日本人は…」と言いたいときに、この表現を使う人はたくさんいますが、ほとんどの外国
人は、このフレーズを聞くと不快な気持ちになります。理由の1つとしては、「日本人はみんな同
じ」というふうに聞こえておかしいからです。例えば、
「私たち日本人は、朝食にお米を食べます」
というのは事実ではないですよね。お米を食べない人もたくさんいるでしょう。もう1つの理由は、
We Japanese... と言うと、相手を「よそ者」扱いしているように聞こえるからです。かなり差別的
な発言にも聞こえます。「我々、日本人は…」には、日本で生まれた韓国人や、沖縄や北海道の先
住民族も含まれますか?英語で話すときはこのフレーズは使わない方が無難です。
3. 「日本語、上手ですね!」
日本語が上手だと褒められるのが好きではないと言うと、びっくりする人もいるかもしれませんが、
実はそれはどのくらい長く日本にいて、どのくらい日本語を使いこなしているかによります。日本
に来たばかりで、日本語があまり上手ではない人に「日本語、上手ですね」と言うのは問題ありま
せん。相手はきっととても喜ぶでしょう。しかし、日本に長年住んでいて、日本語を日常的に使っ
ている人は、「日本語、上手ですね」と言われると、いまだに「よそ者」扱いをされているような
気持ちになってしまうのです。その人の日本語が本当に上手なら、ただ他の日本人と会話をするの
と同じように話せばいいのです。それが一番の賛辞になるでしょう。
4. Do you like natto?(納豆は好きですか?)
ほとんどの英語圏では、一緒に食事をする場合を除いて、初めて会った人と食べ物について話すこ
とはありません。初めて誰かに会ったなら、何か共通点を見つける方が自然です。日本人でさえ嫌
いなことが多い食べ物について質問するのは、共通点ではなく相違点を探しているようにも聞こえ
ます。これはあまり友好的な態度ではないでしょう。非常に多くの日本人が、外国人にこの質問を
するのです。私たちがどのくらいこの質問にうんざりしているのかも考えてみてください。
5. Can you use chopsticks?(お箸は使えますか?)
日本人ではなくても、自分の国でアジア料理を食べるので、お箸を使えることは珍しいことではあ
りません。事実、それほど難しくもないので、日本に暮らしているほとんどの外国人は、2、3週
間以内に覚えてしまうでしょう。私がこのことを日本人の友人に話すと、彼女は「でも私の3才の
娘はお箸が上手に使えないのよ」と言いました。私は、「そうかもしれないけど、それは彼女が3
才だからでしょう?赤ちゃんと比べないで!」と答えました。お箸を使えることを褒めるのは、靴
ひもを結べることを褒めるのと同じです。相手をばかにしているような印象を与えてしまうので気
をつけてください。
6. 外見や年齢について
たとえいい意味だったとしても、人の外見について何かを言うのは礼儀に反することです。例えば、
「あなたの目はとても青いのね!」や「あなたってとても大きいのね!」というような発言は、相
手をまるで動物園の動物になったような気持ちにさせてしまいます。相手の身長や体重についての
発言も避けた方がいいでしょう。小さな子ども以外の場合は、初めて会った人に年齢を聞いたりす
るのも避けてください。
7. Are you married?(ご結婚されていますか?)
この質問は、全く気にしない人もいますが、とても怒る人もいるので、避けた方が安全です。もし、
相手が結婚していないと知っていても、Why aren't you married? と聞いてはいけません。子どもが
いるかどうかを聞くのは問題ありませんが、相手が No.と答えても、絶対に Why not? と聞いては
いけません。日本人男性と結婚したカナダ人の友人は、よく「どうして日本人と結婚したの?」と
聞かれるそうです。これはおかしな質問ですよね。彼女は別に日本人男性だから結婚したのではな
く、相手の男性を好きになったから結婚したのです。この質問をされると彼女はとても怒ります。
8. What is your religion?(宗教は何ですか?)
宗教は多くの人にとってデリケートな話題なので、初めて会った人と話すのは避けた方がいいでし
ょう。
9. When are you going back to your country?(いつ自分の国に戻るのですか?)
長年日本で暮らしている人にとっては、日本はすでに「home」です。日本で結婚して家庭を築い
ている人もたくさんいます。この質問はあなたが相手を「よそ者」だと思っていることを表してい
ます。
10. Do you like Japanese sushi?(日本のお寿司は好きですか?)
多くの日本人は、外国人と話すときに「日本らしさ」を強調したがりますが、お寿司も旅館も相撲
も日本のものだということはみんな知っているので、わざわざ Japanese を付けて強調する必要はあ
りません。日本人が「日本のもの」だと思っていても、実は違う国から来たものはたくさんありま
す(お箸や漢字のように)。
その他の気をつけるべきポイント
もし、明らかにあなたの英語よりも日本語が上手な人と話すなら、あなたのつたない英語でコミュ
ニケーションをしようとするのはやめましょう。これは、「あなたはあまり日本語が上手ではない
ので、私が英語で話します」というような印象を与え、とても失礼にあたります。相手があなたの
言ったことを理解しているなら、わざわざ英語で説明を付け加える必要もありません(なぜか年配
の男性は説明を付け加える傾向があります)。相手があなたの先生ではない限り、あなたと英会話
の練習をしても、その人はお給料をもらえるわけではないので、お互いが話せる言葉、日本語を使
いましょう。
最後になりますが、たとえ相手が外国人でも、話すときはちゃんと相手を見るようにしてください。
外国人が日本人と一緒に出かけると、他の日本人はよくその連れの日本人に向けて話します。これ
はその外国人が完璧な日本語を話せてもよく起こることです。例えば、私がレストランでウェイタ
ーやウェイトレスに何か日本語で質問すると、その接客係は、私が話すときは私の方を見て、私が
言ったことを理解すると、私の連れの日本人に向けて答えるのです。これはとても失礼なことです。
たとえ相手が外国人でも、その人があなたの母国語を話せるのなら、きちんと相手を見て話してく
ださい。
もし外国人の先生や友人がいたら、ここに挙げたポイントについてどう思うか、また、他に付け足
した方がいいポイントがあるかどうか聞いてみてください。もしかしたら、あなたの先生(友人)
も何か言いたいことがたくさんあるかもしれませんよ!