ダウンロード - EPCOS

TDK 技術・製品プレスカンファレンス 2016
ピエゾアクチュエータ
触覚フィードバック機能を搭載したピエゾアクチュエータ
Harald Kastl
ピエゾテクノロジー責任者
ピエゾ&プロテクションデバイス B.Grp.
デバイスの小型化と使いやすさ向上への要求が高まる中で、多機能のタッチスクリーンやタ
ッチサーフィスは至る所で見られるようになりました。そうした HMI(Human Machine
Interface)には利点が数多くあるものの、重大な欠点が一つあります。それは、ユーザーア
クションに対する触覚フィードバックが非常に限られており、その力も十分に強いとは言え
ない点です。そのため、HMI はユーザーフレンドリーとは言えず、入力エラーが起こりやす
い傾向があります。さらに車などでは、安全上のリスクにもなりかねません。触覚フィード
バックが十分でない、あるいは欠けているため、ドライバーは常にそれらに注意しなければ
ならず、交通状況に集中できないといった事態を招くのです。
比類ない加速度、発生力、応答時間
この EPCOS ブランドの画期的な触覚フィードバック機能搭載アクチュエータは、加速度、
発生力、応答時間で比類ない性能を発揮するため、未だかつてない触覚フィードバック特性
をもたらします。センサが組み込まれた、 強大な出力をコンパクトな形状で実現するこのア
クチュエータは、人間の触感全域に働きかけ、HMI の感覚体験を高めます。通常の触覚ソリ
ューションでは、実際のアクチュエータに加えて別のタッチセンサが求められますが、本製
品では圧電正効果を利用してドライバーが検知できる外部電極に電圧や電荷を発生させます。
加えられた力に対する電圧や電荷の直線性が高いため、このアクチュエータは所定レベルの
力が加わるとただちに触覚フィードバックに応答します。
コンパクトで強力なピエゾテクノロジー
触覚フィードバック機能を備えた新型ピエゾアクチュエータの基礎となるのは、銅製内部電
極を伴う積層ピエゾプレートです。積層技術により、このアクチュエータは 120 V までの比
較的低い動作電圧で駆動することができます。ピエゾプレートは、駆動すると垂直方向(z
軸方向)で振動しますが、ピエゾ効果のため平面方向(x 軸と y 軸の両軸方向)で同時に収
縮します。この新部品では、変位量増幅器としてプレート両面にシンバル形状の金属板を配
し、z 軸方向での収縮を 15 倍増幅しています。このアクチュエータは、上限 100 µm の変位
特性を実現する 5 N タイプと 200 µm 超の変位特性を達成する 20 N タイプの二種類で当初
発売されます。それぞれ 12.7 mm x 12.7 mm x 1.6 mm と 26 mm x 26 mm x 2.4 mm という
コンパクトな寸法ですが、これらのアクチュエータは最大で 5 N と 20 N の力を発生させる
ことが可能です。
TDK Corporation
1/ 2
偏心モータ(ERM)やリニアバイブレータ(LRA)といった今までの触覚フィードバックと
比べて、今回発表のピエゾアクチュエータは、高い加速度と大きな発生力、速い応答時間を
薄型で実現したことが特徴です。0.1 kg 負荷の場合、5 N タイプは 2 ms の立ち上がり時間
で 5G の加速を実現し、20 N タイプはわずか 1 ms 後に 15G という仕様になっています。そ
れとは対照的に、通常の LRA は 25 ms の立ち上がり時間でわずか 1.7G だけです。
幅広い用途を目的とした未だかつてない高品位触覚フィードバック
今までの触覚フィードバックとは異なり、触覚フィードバック機能搭載ピエゾアクチュエー
タは、1 Hz から 1000 Hz の刺激帯域全体にわたり振動することが可能です。そのため、人
の感覚に合わせた触覚フィードバックの実現がかのうとなっています。このようにして、本
製品では、ユーザーが最先端の HMI に期待する触覚フィードバック特性を設計者がカスタ
ム開発できるようになっています。
触覚フィードバック機能搭載ピエゾアクチュエータの用途としては、自動車やスマートフォ
ン、タブレット、家庭製品、ATM、自動販売機、ゲームコントローラー、産業機器、医療器
具などで見られます。
----本文および関連する画像は、www.epcos.co.jp/tpc16 からダウンロードできます。
製品に関する詳しい情報は、こちらを参照してください。www.epcos.co.jp/inquiry
製品に関する詳しい問い合わせは、[email protected] にお願いします。
----報道関係者の問い合わせ先
担当者
所属
電話番号
Email Address
手島
TDK 株式会社
広報グループ
+81 3 6852-7102
[email protected]
TDK Corporation
2/ 2