日本のなかの九州、アジアのなかの九州

Chapter
1
日本のなかの九州、アジアのなかの九州
日本のなかの九州:わが国の「1割経済」
アジアのなかの九州:東アジアへのゲートウェイ
九州は日本列島の南西部に位置し、九州島と周辺の島々からなり、福岡、佐
九州は韓国や中国と地理的に近く、東アジアへのゲートウェイとなっていま
賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島の7県で構成されます。九州は、本州と
す。なかでも福岡市は、首都・東京から約 1,000km 離れている一方、韓国の釜
関門海峡で隔てられた独立した島々で構成され、域内の相互依存関係が強い地
山まで約 200km、ソウルまで約 600km、中国の上海まで約 1,000km と、東アジア
域となっています。また、他の地方ブロックに比べて東京経済圏からの自立度
の主要都市と近い距離にあります。
が高い点も特徴のひとつです。
九州内の空港からは、アジアの主要都市を中心に 28 の国際路線が張り巡らさ
九州の総面積は4万 2,191k ㎡、総人口は 1,323 万人(2010 年 10 月)で、全
国の約 10.5%を占めています。域内総生産(GDP)は 42.6 兆円(2009 年度)で
れ、九州の港湾には 101 航路の外貿コンテナ定期船が就航しているなど、アジ
アとの交易・交流環境が充実しています。
全国の約 8.8%を占め、電力消費量、小売業年間販売額、地方自治体財政規模
このような近接性から、アジアとは経済的なつながりも強い地域です。例え
などの主要経済指標も全国の1割前後です。このため、九州はわが国の1割経
ば 2001~2010 年の九州地場企業の海外進出件数 657 件のうち、552 件(84.0%)
済といわれます。
はアジアが占めており、2011 年の九州の輸出総額に占める韓国の比率は 12.7%
地方ブロック別にみると、人口や GDP は関東、近畿、東海の3大都市圏に次
で、全国より 4.7 ポイント高くなっています。また、2011 年の九州への入国外
ぐ規模で、地方圏では最も規模が大きい地域です。2009 年度の九州の GDP をド
国人数も、アジア地域が 92.9%と大半を占めています。さらに、トヨタ自動車
ル換算すると 4,555 億 US ドルで、4,587 億 US ドル(2010 年)のスウェーデン、
など日本を代表する企業が、中国と日本との新たな物流結節点として博多港や
4,693 億 US ドル(2010 年)のベルギーに匹敵する経済規模を有しています。
北九州港を活用する動きが相次いでいます。
ブロック別人口構成、全国シェア(2010年)
ブロック別名目GDP、全国シェア(2009年度)
(100億円、%)
50,000
44,854
(35.5%)
45,000
老年人口
40,000
35,000
年少人口
25,000
14,931
(11.8%)
20,000
15,000
10,000
5,000
5,449
(4.4%)
11,038
(8.7%)
第2次産業
15,000
20,632
(16.3%)
7,553
(6.0%) 4,018
(3.2%)
3,060
(2.4%)
13,233
(10.5%)
5,000
1,414
(1.1%)
沖
縄
総務省「国勢調査」
宮崎県
372
(0.8%)
沖縄
九
州
4,262
(8.8%)
九州
四
国
四国
中
国
中国
近
畿
近畿
北
陸
北陸
東
海
東海
関
東
2,744
(5.7%) 1,300
(2.7%)
1,146
(2.4%)
関東
東
北
3,972
(8.2%)
東北
北
海
道
1,805
(3.7%)
北海 道
0
熊本県
7,547
(15.6%)
6,107
(12.6%)
大分県
長崎県
第1次産業
10,000
0
(千人、%)
佐賀県
第3次産業
20,000
生産年齢人口
30,000
福岡県
19,066
(39.5%)
25,000
内閣府「県民経済計算年報」
鹿児島県