公債とは (10/21)

財政学(原田)
第 20 回講義資料
公債とは
1.
日本の財政の現状
平成 26 年度一般会計予算(歳入)
2.
公債とは
政府の発行する債券.
国が財政上の必要から発行する債券で国の運営に必要な資金を集めるために発
行されるものを国債,地方自治体の発行するものを地方債と呼ぶ.
Ø
債券:国や企業が資金調達の際に発行する有価証券.
公債は他の債券同様,発行された後でも市場で売買できるため,価格は常に変
動している.
Ø
公債価格とその裏返しとしての国債金利(≒長期金利)は世界情勢や,国
債を発行している国の社会動向,経済状態を反映するため,政治的にも非
常に重要な要素である.
財政赤字と公債
政府支出のための財源は税金以外にも公債発行により調達される.
Ø
公債は,国,政府関係機関及び地方公共団体が行政運営上必要な財源を借
入により調達した場合の当該借入,その際に発行された証書,証券.
Ø
国債,政府関係機関債及び地方債の総称.
一般会計における歳入・歳出の状況
3.
公債の特徴と問題点
•
公債の特徴
公債は政府による資金調達の手段だが,同じ資金調達の手法である増税と比べ
ると,以下の特徴を持つ.
•
発行に伴う問題点
4.
財政法
第四条 国の歳出は、公債又は借入金以外の歳入を以て、その財源としなけれ
ばならない。但し、公共事業費、出資金及び貸付金の財源については、国会の
議決を経た金額の範囲内で、公債を発行し又は借入金をなすことができる。
第五条 すべて、公債の発行については、日本銀行にこれを引き受けさせ、又、
借入金の借入については、日本銀行からこれを借り入れてはならない。但し、
特別の事由がある場合において、国会の議決を経た金額の範囲内では、この限
りでない。
5.
国債の種類
国債の目的による分類
•
普通国債.
•
建設国債.
•
赤字国債(特例国債).
•
交付国債.
•
財政融資資金特別会計国債(財投債).
•
個人向け国債.
社会資本の建設のため財政法に基づき発行される.
Ø
主に公共工事に使われるために発行される.
Ø
財政法第4条において,公共工事などに充当する場合にのみ国債を発行で
きるとし,この建設国債しか認めていない.
Ø
これは,建設国債であれば,公共工事など将来にメリットを残すので国債
発行(=借金)という形で将来に負担がかかっても容認できるという考え
による.
歳入の不足を補うための国債発行は財政法上禁止されているが,特別法(特例
法)により発行される.
Ø
1965 年(昭和 40 年)補正予算で戦後初めて発行され,1991 年から 1993
年まで発行されず,1994 年(平成 6 年)から再び発行.
地方自治法に基づき地方財政法で規定される。
Ø
地方公共団体の歳出の財源は、原則として地方債以外の財源とする必要が
あるが,一部の場合において、地方債をもってその財源とすることができ
る。
•
交通事業,ガス事業,水道事業
•
災害復旧
•
学校,道路の建設,河川整備など
公債残高の推移
基礎的財政収支
基礎的財政収支が均衡すれば,毎年度の税収等によって,過去の借入に対する
元利払いを除いた毎年度の歳出をまかなうこととなる.
ただし,債務残高は利払い費分だけ増加する.
Ø
近年の我が国の基礎的財政収支は大幅な赤字となっているが,政府は,2010
年代初頭における基礎的財政収支の黒字化,2010 年代半ばにおける国・地
方それぞれの債務残高 GDP 比の安定的な引下げを目標として,財政の健全
化に取り組んでいる.
プライマリーバランス(一般会計)と特例公債発行額の推移
30
20
10
0
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555657585960 616263元 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11121314151617181920 212223242526
-20
-30
-40
-50
プライマリーバランス
特例公債発行額
理論的には,プライマリー・バランスの将来までの合計額を利子率で割り引い
た現在価値が,現在の政府債務残高を下回れば財政破綻の状態と言う.
Ø
将来の期間としては理論的には無限先を想定する.したがって,この状態
では,将来無限先までの政府の純貯蓄額を金利で割り引いた総額を使って
も,現在の政府債務を完全に返済することができない.
Ø
このため政府の債務残高が累増し利払い費が増えることになり,政府は借
金地獄から抜け出せなくなる.この状態になったとき財政破綻と認定され
る. 財政破綻を回避する方法
公債発行による政府支出(公共投資)の増加が,マクロ経済を刺激し,GDP を
引き上げれば,やがて利払い費を上回る税収が期待でき,公債の償還が実現さ
れる.
人口成長や技術進歩により経済成長が実現し,公債の利子率より経済成長率が
高い状態が実現されれば,相対的に公債残高の対 GDP 比率は低下する.