第20回長野県クラブユース選手権 - 長野県クラブユースサッカー連盟

第20回長野県クラブユース選手権(U-15)大会レポート
長野県クラブユース連盟技術委員長 酒井雄高
① 大会結果、総評(傾向)
優勝:MAC SALTO ジュニアユース
準優勝:AC長野パルセイロジュニアユース
3位:上田ジェンシャンジュニアユース 4位:松本山雅FC U−15
上位3チームが7月に開催される北信越大会への出場権を獲得。北信越リーグ所属のCEDAC、ASA FUT
UROの2チームが準々決勝で敗れ、長野県1部リーグの地域クラブが上位を独占した。広域的に能力の高い選手
を集めて例年大会の軸となっているCEDAC、ASAはシードチームとして準々決勝からの参戦となったが共に
初戦で敗れ上位チームの顔ぶれは例年とは違う様相となった。
② ゲームの質、様相、プレーの質
大会は予選リーグが50分ゲーム1日2試合、決勝トーナメントからは全国大会に習い80分ゲーム1日1試合で
行われた。決勝トーナメントでは試合時間が長いため攻守において主導権を握れないチームは後半の中盤以降に失
点を多く重ねる試合が目立った。守備時にコンパクトフィールドを作りプレッシャーをかけてボールを奪うことや、
攻撃時にしっかりとボールをつなぎゴールへ向かうといった現代サッカーのベースの攻防はほとんどの試合で行
われていたが、その中で相手に意図的にボールを回させたり、攻撃時に意図的に自陣でゆっくり動かす「筆休め」
の時間を作り出せる余裕のあるチームが上位に進出したと感じた。
③ 特に目立った選手やチーム
優勝したMAC
SALTOは大会を通じて質の高い試合を見せた。ハードワークをベースに非常に攻守の切り替
えが速く決勝戦でも多くの時間を相手陣内でサッカーをしていた。また攻撃面でも個人のスキルの高さ、判断の良
さをベースに両サイド、中央とキープレーヤーを配置し、両サイドバックのオーバーラップも加え多彩な攻撃を見
せていた。
④ 北信越大会全国大会の展望
長野県代表チームはここ2年間、北信越大会を勝ち抜けず全国大会に出場できずにいる。今年の北信越大会は長野
県開催で3チームが出場することもあり全国大会出場権獲得に期待がかかる。北信越大会参加チームは速い、強い、
上手い、というベースを持っているため、その部分だけ優位に試合を戦うことは出来ない。各チームのサッカーの
コンセプトがハイプレッシャー、ハイスピードのゲームの中、また北信越大会独特の雰囲気の中、どれだけ通用す
るかが全国大会出場のカギを握る。
⑤ 2015 U-18 世代で全国大会ベスト8に入るために、Jリーガー、世代代表含め 10 名が活躍するために
本大会期間中のJ1アルビレックス新潟トップチームのJリーグ公式戦において、MAC
SALTOジュニアユ
ース出身でアルビレックス新潟ユース所属の高校3年生西村竜馬選手が2種登録されベンチ入りを果たした(2試
合)。自分は現SALTOジュニアユース3年生で北信越トレセンに選出されている三浦涼太選手のプレーと、西
村竜馬選手のU−15年代時のプレーがオーバーラップして見えた。三浦選手以外でも現中学3年生の学年では、
佐々木哲也(MAC SALTO)、唐沢一輝(AC長野パルセイロ)、加藤克(上田ジェンシャン)、横山和輝(C
EDAC)等、将来有望なタレントが多く存在するが、長野県では高校進学時に中学年代の有望選手の多くが県外
のJクラブや全国クラスの強豪高校に進学しているという現実がある。長野県内の高校が県内で育った有望選手に
対し、県内の高校に進みたいという何らかの「魅力」を提供できる学校を増やすことや、松本山雅や長野パルセイ
ロがJリーグに昇格しクラブチームとして「魅力」を整え提供して、長野県内の有望選手を県内で育てる環境を整
えることが、長野県U−18年代での全国大会での活躍や、長野で育ったプロ選手、日の丸を輩出するために必要
不可欠な要素であると感じる。