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育児・介護休業について
育児・介護休業について、平成 29 年 1 月 1 日より、法改正が行われます。育児・介護休業にともなう労務に関する手続きや助
成金について簡単に紹介します。
1.育児・介護休業制度の概要
育児または介護にともない、休業を申し出た従業員に対し、一定期間休業や休暇、勤務時間の短縮、時間外労働の制限等の措
置を与える制度です。具体的には以下の措置となります。
【育児に関する措置】
①原則1年間の休業、②子の看護休暇として1年に5日の休暇、③所定外労働・時間外労働・深夜労働の制限、④勤務時間の
短縮(代替措置可)
【介護に関する措置】
①通算 93 日の休業、②看護休暇として1年に5日の休暇、③時間外労働・深夜労働の制限、④勤務時間の短縮(代替措置可)
2.雇用保険からの育児・介護休業期間中の給付制度
育児休業または介護休業をした場合、通常、労働を提供しておりませんので、賃金・給与は支払われません。その期間中の経済
的支援として、雇用保険から育児休業給付金、介護休業給付金が出ます。具体的には以下のとおりです。
【育児休業給付金】
①育児休業開始から6か月間
休業開始時賃金日額×支給日数×67%
毎月の賃金・給与の 67%相当分
②育児休業開始から6か月経過後
休業開始時賃金日額×支給日数×50%
毎月の賃金・給与の 50%相当分
【介護休業給付金】
休業開始時賃金日額×支給日数×40%
毎月の賃金・給与の 40%相当分
法改正により平成 28 年 8 月より支給率が 40%から 67%へ改正
※育児・介護休業期間中に、出勤し、賃金・給与等が支払われる場合、給付金の減額や支給されないことがあります。
※賃金・給与相当分には上限があるので、それに従い、給付金にも上限があることになります。
※給付金は非課税です。所得税及び復興特別所得税、住民税はかかりません。控除対象配偶者に該当するかどうかを判定すると
きの合計所得金額にも含まれません。
3.社会保険料の免除
産前産後・育児休業期間中については、社会保険料が免除されます。
(会社負担、本人負担ともに)
また、産後から一定期間、育児休業が見込まれることから、養育期間の特例措置として、子どもが生まれる前の標準報酬月額を
適用し、養育期間中の報酬の低下が将来の年金額に影響しないようにするための措置が可能です。
産前産後の期間については、健康保険より、出産一時金、出産手当金(賃金・給与相当額の約 66%)が支給されます。
※出産一時金、出産手当金は非課税です。
4.育児・介護休業に関する助成金
育児・介護休業に関する助成金として、「両立支援等助成金」があります。そのうち、「出生時両立支援助成金」、「中小企業両立
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支援金(3コース)」について簡単に紹介します。(助成金については、支給要件が詳細に設定されておりますので、要点のみ紹介
します。
)
【出生時両立支援助成金】
〇男性労働者が育児休業を取得しやすい職場風土作りに取り組み、男性労働者にその養育する子の出生後8週間以内に開始する育
児休業を利用させた事業主に対する出生時両立支援助成金の支給
〇対象労働者1人目
中小企業
対象労働者2人目以降
60 万円/中小企業以外 30 万円
企業規模関係なく
15 万円
※4/1~翌 3/31 の年度に1人のみ申請可能
【中小企業両立支援助成金】
①代替要員確保コース
〇育児休業取得者を、育児休業終了後、原職又は原職相当職(以下「原職等」という。
)に復帰させる旨の取扱いを労働協約又は就
業規則に規定し、育児休業取得者の代替要員を確保し、かつ、育児休業取得者を原職等に復帰させた事業主に対して、助成金を
支給
〇対象労働者1人につき
50 万円
※4/1~翌 3/31 の年度に 10 人まで申請可能
(5年間で最大 50 人まで可)
②期間雇用者継続就業支援コース
〇期間雇用者について、通常の労働者と同等の要件で育児休業が取得できること、また育児休業取得者を、育児休業終了後、原職
等に復帰させる旨の取扱いを労働協約又は就業規則に規定し、子の1歳到達日より前に育児休業の取得を開始した期間雇用者を
原職等に復帰させ、6か月以上継続して雇用した事業主に対して、助成金を支給
〇対象労働者1人目
40 万円
対象労働者2人目~5人目
15 万円
③育休復帰支援プランコース
〇労働者の育児休業取得及び職場復帰を円滑にするため、育休復帰支援プランを作成及び同プランに基づく措置を実施し、育児休
業を取得した労働者を育児休業後継続して雇用した事業主に対して、助成金を支給
〇対象労働者
期間の定めなし1人
30 万円
期間の定めあり1人
30 万円
※いずれか片方2人で 60 万円は不可、片方1人のみの申請可
5.育児・介護休業制度の法改正
措置
現行
改正後
介護休業
93 日間を1回で取得
93 日間を3回まで分割取得可
育児・介護休暇
1日単位での取得
半日単位での取得可
介護による勤務時間短縮
93 日間のみ短縮措置
介護休業とは別に、利用開始から3年間で2回以上以下の措置の利用
①短時間勤務、②フレックスタイム、③始業・終業時刻の繰り上げ・繰り下げ、④介護サービス費
用の助成等
育児休業
育児休業の対象となる子
育児休業の対象となる子
法律上の親子関係のある実子・養子
特別養子縁組の監護期間中の子、養子縁組里親に委託されている子等の追加