イムノファイン TM FLU

この添付文書をよく読んでから使用してください。
体外診断用医薬品
インフルエンザウイルスキット
イ ムノファイ ン
イムノファイン
TM
TM
貯 法 : 2∼30℃
包 装 : 10テスト
有効期間: 製造後30ヶ月*
FL U
FLU
**2016年 11月改訂(第8版)
*2015年 8月改訂(第7版)
承認番号:22300AMX00466000
Code:522061
テストプレート内部
重要な基本的注意
本製品による検査結果のみ
(1) インフルエンザウイルス感染の診断は、
でおこなわず、他の検査結果及び臨床症状を考慮して総合的に判
断してください。
(2) 咽頭ぬぐい液を検体とした場合、鼻腔ぬぐい液、鼻腔吸引液に比べ
検出率が低い傾向にあるので、
検体の採取法にご留意ください。
適切な検体採取がおこなわれない
(3) 鼻汁鼻かみ液を検体とした場合、
と正しい検査結果が得られない可能性がありますので、検体の採
取法および得られた検体量には十分ご留意ください。
判定部A
判定部
判定部B
判定部
判定部r
判定部
マウス抗インフルエンザ マウス抗インフルエンザ
ヤギ抗マウスIgG
ウイルスB型抗原モノ ウイルスA型抗原モノ
ポリクローナル抗体 クローナル抗体
クローナル抗体
青色ラテックス結合マウス
抗インフルエンザウイルス
A型抗原モノクローナル抗体
赤色ラテックス結合マウス
抗インフルエンザウイルス
B型抗原モノクローナル抗体
吸収パッド
メンブラン
コンジュゲートパッド
サンプルパッド
全般的な注意
インフルエンザ
ウイルスA型抗原
それ以外の目的に使用しないでください。
(1) 本製品は体外診断用ですので、
(2)添付文書の記載から逸脱した使用方法については保証いたしません。
感染の危険があるものとして、
取り扱いに注意してください。
(3) 検体は、
形状・構造等(キットの構成)
展開
テストプレート ………………………………………… 10 個
成分:
測定原理
(A 型陽性の場合)
マウス抗インフルエンザウイルス A 型抗原モノクローナル抗体
マウス抗インフルエンザウイルス B 型抗原モノクローナル抗体
青色ラテックス結合マウス抗インフルエンザウイルス A 型抗原モノクローナル抗体
赤色ラテックス結合マウス抗インフルエンザウイルス B 型抗原モノクローナル抗体
操作上の注意
〇検体の保存に関する注意
検体の保存に関する注意
(1) 検体を採取した綿棒は、
すぐに抽出液に浸して抽出してください。
(2) 検体抽出後の抽出液は、
速やかに試験に用いてください。
<付属品>
(1) 抽出液入りスクイズチューブ …………………… 0.3mL×10 本
(2) フィルターチップ ………………………………… 10 個
(鼻腔用) ………………………………… 10 本
(3) 滅菌綿棒
〇検体の輸送に関する注意
検体の輸送に関する注意
(1) 検体採取後の綿棒や抽出液を院内で移送する場合は、
検体が飛散した
り漏出したりしないように注意してください。
(2) 外部に輸送する場合は、
必ず密栓してください。
使用目的
鼻腔ぬぐい液、鼻腔吸引液、鼻汁鼻かみ液および咽頭ぬぐい液中の
インフルエンザウイルスA型抗原およびB型抗原の検出
(インフルエンザウイルスA型およびB型感染の診断補助)
〇反応を妨害する物質等に関する注意
反応を妨害する物質として知られているものはありません。
溶血ヘモグロビン(濃度0−600mg/dL)について本キットを用いて試験
をおこなった結果、影響は認められませんでした。
測定原理
イムノファイン FLU
イムノファイ
FLU( 以下、
本キット ) は、
免疫クロマトグラフィー
を原理とし、鼻腔ぬぐい液、鼻腔吸引液、鼻汁鼻かみ液および咽頭ぬぐい
液中のインフルエンザウイルス A 型抗原およびインフルエンザウイル
ス B 型抗原を定性的に検出するキットです。
検体を採取して抽出した検体抽出液を、本キットのテストプレートに滴
下し、メンブラン上の判定部にラインが現れるか否かで判定をおこない
ます。
検体中にインフルエンザウイルス A 型抗原が存在する場合、メンブラン
上の「マウス抗インフルエンザウイルス A 型抗原モノクローナル抗体」
−抗原−
「青色ラテックス結合マウス抗インフルエンザウイルス A 型抗
原モノクローナル抗体」の複合体が形成され、メンブラン上の判定部 A
に青色のラインが現れます。
検体中にインフルエンザウイルス B 型抗原が存在する場合、メンブラン
上の「マウス抗インフルエンザウイルス B 型抗原モノクローナル抗体」
−抗原−
「赤色ラテックス結合マウス抗インフルエンザウイルス B 型抗
原モノクローナル抗体」の複合体が形成され、メンブラン上の判定部 B
に赤色のラインが現れます。
判定部 r には、
「ヤギ抗マウス IgG ポリクローナル抗体」
が固定されてお
り、
「青色ラテックス結合マウス抗インフルエンザウイルス A 型抗原モ
ノクローナル抗体」および「赤色ラテックス結合マウス抗インフルエン
ザウイルス B 型抗原モノクローナル抗体」
が結合し、判定部 r には、紫色
のラインが出現します。
このことにより検査が正しくおこなわれたこと
を確認できます。
TM
テストプレート外観
テストプレート外
判定部
検体滴下部
2 drops
判定窓
−1−
〇薬剤に関する注意
次の薬剤について本キットを用いて試験をおこなった結果、判定への
影響は認められませんでした。
薬剤
アセトアミノフェン
クロルフェニラミンマレイン酸塩
デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物
フェニレフリン
グアイフェネシン
1mg/mL
1mg/mL
0.4mg/mL
1mg/mL
1.12mg/mL
○交差反応性 *
次のウイルス株について本キットを用いて試験をおこなった結果、
全例陰性でした。
ウイルス名
Parainfluenza virus
Respiratory syncytial virus
Adenovirus
Mumps
Poliovirus
Coxsackievirus
Echovirus
Enterovirus
Herpes simplex virus
Rhinovirus
型
type : 1, 2, 3
subtype: A, B
type : 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 37
type : 1, 2, 3
type : A6, A9, A16, B1, B2, B3, B4, B5, B6
type : 5, 6, 9, 18, 24, 30
type : 71
type : 1
速やかに使用してください。
(3) 滅菌綿棒は包装を開封した後、
(軸の白化)
や折れ曲がり、汚れがあった場合には使用
(4) 滅菌綿棒に破損
しないでください。
反らす、
折り曲げるなど、
変形させて使用
(5) 滅菌綿棒は軸部分を曲げる、
しないでください。
(6) 滅菌綿棒を使用するときは、力を入れすぎたり、強く押したりして軸
を折らないようにご注意ください。
特に、軸の径が変わる部分に負荷
がかからないようにご注意ください。
軸の先端部を傷めたりする可能性
(7) 綿球部分の滅菌状態を損なったり、
があるので、滅菌綿棒は、必ず指定された側から開封して、軸部分を
持って取り出してください。
反対側から無理に開封しないでくださ
い。
次の菌株について本キットを用いて試験をおこなった結果、全例陰性
でした。
Bordetella pertussis
Candida albicans
Corynebacterium diphtheriae
菌 株 ※1
Pseudomonas aeruginosa
Serratia marcescens
Enterococcus faecalis
Escherichia coli
Haemophilus influenzae type a
Klebsiella pneumoniae subsp. pneumoniae
Listeria monocytogenes
Moraxella catarrhalis
Mycoplasma pneumoniae
Neisseria gonorrhoeae
Neisseria meningitidis serogroup B
Proteus vulgaris
Staphylococcus aureus subsp. aureus※2
Staphylococcus epidermidis
Streptococcus agalactiae
Streptococcus anginosus
Streptococcus dysgalactiae
Streptococcus dysgalactiae subsp. equisimilis
Streptococcus equinus
Streptococcus mutans
Streptococcus pneumoniae
Streptococcus sanguinis
[ 検体の採取方法 ]
(1) 鼻腔ぬぐい液
キット付属の滅菌綿棒(鼻腔用)を外鼻孔から鼻腔内にしっかり挿入
し、
鼻甲介を数回擦るようにして粘膜表皮を採取します。
あきらかに通常より挿入距離が短い位置で軸に
a) 挿入部位において、
抵抗を感知する場合には、無理に挿入操作を続けないでください。
特に小児および鼻腔狭小者においては、擦過時に軸にかかる抵抗
が大きくなる可能性があるため、軸に力をかけて強く擦ったり、無
理に回転させたりしないでください。
b) 滅菌綿棒は、綿球の検体を採取する性能が向上していますので、滅
菌綿棒の先を鼻腔に無理に擦り付ける必要はありません。
(2) 鼻腔吸引液
1) トラップをつけた吸引用ボトルの一方を鼻腔に挿入し、他方を吸引
装置につないで吸引をおこない、
トラップへ鼻腔液を採取します。
2) 採取された鼻腔吸引液の粘度が高い部分や固形成分は避けて、キッ
ト付属の滅菌綿棒
(鼻腔用)
を浸します。
(3) 鼻汁鼻かみ液
患者に鼻をかんでもらいます。
1) 検体採取用シートを用い、
キット付属の滅菌綿
2) 採取された鼻汁鼻かみ液の固形成分は避けて、
棒を浸します。
a) 鼻をかんでもらった際の鼻汁の量が、滅菌綿棒の綿球部全体に付
着させられる量に満たない場合は、検体量が不十分と考えられる
ので、
その検体は検査に使用せず、
他の方法で検体を採取してくだ
さい。
b) 自分で鼻をかめない場合や、鼻汁があまり出ていない場合には、他
の方法で検体を採取してください。
(4) 咽頭ぬぐい液
咽頭後部、
扁桃、
その他炎症部分を、
咽頭用綿棒で擦って咽頭粘液を採
取します。
綿棒が舌、
ほほ、
歯に触れないように注意してください。
注)検体が通常より多く採取されてしまった場合、検体採取用シートや
滅菌ガーゼなどで軽くぬぐってください。
この際に、強くぬぐいます
と検体が不足する場合がありますので注意してください。
また、
検体をぬぐい取った検体採取用シートなどは、
二次感染を起こ
す可能性がありますので、取り扱いに注意して、速やかに廃棄してく
ださい。
(5 ページの廃棄上の注意 (1) を参照してください。
)
※1: 1×107CFU/mLの濃度で試験を実施しました。
※2: Staphylococcus aureus subsp. aureus は1×108CFU/mLの濃度で
試験を実施しました。
用法・用量(操作方法)
〇操作方法のフローチャート **
検体の準備
1. 検体採取方法に従い、鼻腔ぬぐい液、鼻腔吸引液、鼻汁鼻かみ液ま
たは咽頭ぬぐい液を採取する。
2. 検体を採取した綿棒の綿球部を、速やかにスクイズチューブの抽出
液に浸す。
3. スクイズチューブを押さえ、綿球部をはさみつけるように 10 回以上
回転させ、検体を抽出する。
4. 綿球部を強めにはさみ込みながら液体をしぼり出した後、綿棒をスク
イズチューブに沿ってまっすぐに抜き取り、フィルターチップをしっ
かり取り付ける。
測定
1. アルミ包装からテストプレートを取り出し、判定窓のある面を上に
して、水平に置く。
2. スクイズチューブの検体抽出液を、テストプレートの検体滴下部に
2滴、滴下する。
1-5 分後 **
3. 判定部 A、B、r のライン出現の有無を目視にて確認し、結果を判定
する。検体抽出液を滴下してから 10 分以降は判定しないこと。**
[ 検体の調製方法 ]
開封前に
(1) キット付属の抽出液入りスクイズチューブを開封する際は、
シールを上面にして軽くたたき、シール側についている試薬を下に
落としてから、なるべく顔から遠ざけ、抽出液が飛散しないように注
意しながらシールをはがしてください。
(2) 検体採取した綿棒の綿球部を速やかにスクイズチューブの抽出液に
浸します。
(3) スクイズチューブを押さえ、綿球部をはさみつけるように 10 回以上
回転させ、
検体を抽出します。
綿棒をスク
(4) 綿球部を強めにはさみ込みながら液体をしぼり出した後、
イズチューブに沿ってまっすぐに抜き取ります。
スクイズチューブにしっかり取り
(5) キット付属のフィルターチップを、
付けます。
〇検体の準備
[ 検体採取に必要な器具 ]
・手袋、
作業衣服、
保護眼鏡等
・鼻腔吸引液を採取する場合:吸引トラップ、
吸引ポンプ
・鼻汁鼻かみ液を採取する場合:検体採取用シート
・咽頭ぬぐい液を採取する場合:咽頭用綿棒
[ 検体採取の準備 ]
(1) 感染の危険性のある検体の取り扱いに適切な手袋、作業衣服、保護眼
鏡等を着用してください。
(鼻腔用)
を使
(2) 鼻腔ぬぐい液を採取する場合は、キット付属の滅菌綿棒
用してください。
採取に適した器具
(吸引トラップ、
吸引
(3) 鼻腔吸引液を採取する場合は、
ポンプ)
を使用してください。
(ビニールやナイ
(4) 鼻汁鼻かみ液を採取する場合は、検体採取用シート
ロンのように吸水性がなく検体が滲みこまない 20cm 四方程度の
シート)
を使用してください。
綿球部の材質がレーヨンの咽頭用綿棒を使
(5) 咽頭ぬぐい液の採取には、
用してください。
木軸の綿棒は使用しないでください。
(6) キット付属の抽出液入りスクイズチューブは室内温度(15−30℃)に
戻してから使用してください。
○操作方法
[ 必要な器具 ]
・手袋、
作業衣服、
保護眼鏡等 ・タイマー
[ 構成試薬 ]
・テストプレート
[ 構成試薬の調製方法 ]
テストプレートは、室内温度 (15−30℃) に戻してからアルミ包装を開封
して使用します。
[ 操作方法 ] **
(1) アルミ包装からテストプレートを取り出し、判定窓のある面を上に
して、
水平に置いてください。
(2) スクイズチューブをゆっくりと逆さまにし、チューブの側面を軽く
(約55μL)
押して検体抽出液を、
テストプレートの検体滴下部に2滴
、
滴下します。
フィルターチップが検体滴下部に触れないようにして、
垂直に滴下してください。
a) 検体抽出液の滴下量(2 滴)を守ってください。
本キットは、検体抽出
液を多くテストプレートに滴下しても感度の上昇は認められません。
(鼻腔用)
取り扱い上の注意 ]
[ 滅菌綿棒
キット付属の滅菌綿棒
(鼻腔用)
を使用する際、以下の点に注意してくだ
さい。
再使用はできません。
(1) 滅菌綿棒の使用は 1 回限りです。
個々の包装袋に破れや汚染の疑いがある
(2) 滅菌綿棒は滅菌済ですので、
場合は使用しないでください。
−2−
b) 最初の1滴にまれに泡が入ることがあります。
この場合は、さらに 1
滴
(合計 3 滴まで)
滴下してください。
c) 滴下量が多すぎた場合には、判定ラインおよび r ラインの呈色の減
弱、遅延が発生し、まれに判定時間内
(5 分)
に r ラインが認められず
に、
判定不能や偽陰性になる場合があります。
d) 滴下量が少ない場合には、インフルエンザウイルス抗原量が不足し
て偽陰性になる場合があります。
また、展開が正常におこなわれず、
判定時間内(5 分)にメンブランの不均一な着色が消えないことがあ
ります。
著しい着色で判定が困難な場合は、
新たなテストプレートを
用いて、検体抽出液を正確に 2 滴(約 55μL)滴下して再度試験をお
こなってください。
e) 粘調度の高い検体などでは、検体抽出液が検体滴下部に滞留し正し
い反応がおこなわれず、r ラインも 5 分以内に出現しない場合があ
ります。
滴下時には検体抽出液が検体滴下部に確実に滲み込むこと
を確認してください。
(3) 1−5 分後、判定部 A、B、r のライン出現の有無を目視にて確認し、次
のように結果を判定してください。
a) 1−5 分の間に、判定部 A または判定部 B のラインと判定部 r のラ
インが認められた場合には、A 型陽性または B 型陽性と判定してく
ださい。
b) 5 分経過後に、判定部 r にラインが認められ、判定部 A と判定部 B
の両方にラインが認められない場合は陰性と判定してください。5
分経過前に、判定部 r にラインが認められ、判定部 A と判定部 B の
両方にラインが認められなくても、
陰性と判定しないでください。
c) 1−5 分の間に、一方の陽性ラインが認められた場合でも、もう一方
の型の感染を否定するものではありません。
d) 1−5 分の間に判定できなかった場合でも、必ず 10 分以内に判定し
てください。
(6) 検体採取量が過剰の場合や検体の粘性が高い場合、
検体中に試料の展
開や反応に影響する成分等を含んでいる場合などで、r ラインおよび
テストラインの呈色が弱い、あるいは着色粒子の滞留によりメンブ
ラン上にライン状の呈色が認められることがあります。
このような
場合は,再度検体採取からやり直すか、または判定部以外に呈色が
あっても判定部でのテストライン出現の有無と色調により判定して
ください。
また、検体の粘性が高いと展開速度が遅くなり 5 分で反応
が完了しない場合があります。
もし、5 分の時点で判定部の背景色が
残っていて判定が難しいときは、検体を採り直して新しいテストプ
レートと新しいスクイズチューブを用いて再検査を実施してくださ
い。
(検体を希釈した場合には、
抗原検出感度が低下しますのでご注意
**
ください。
)
(7) 判定時に検体に起因する要因により、
極めてまれに背景が赤紫∼青紫
に呈色し、テストラインが無色
(白色)
となる場合があります。
この場
合は、
陰性と判定してください。
(8) 判定可能時間を過ぎたテストプレートは、
乾燥等により経時的に判定
部に着色粒子がライン状に現れる場合がありますので、所定の時間
内に判定してください。
(9) 本検査は、インフルエンザウイルス A 型および B 型感染の診断補助
をおこなうものであり、
確定診断は、
臨床症状やウイルス分離培養等、
他の検査結果と合わせて担当医師が総合的に判断してください。
(10) 本検査は定性的試験であるため、本検査によりインフルエンザウイ
ルス抗原の定量値およびインフルエンザウイルス抗原量の増減を測
定することはできません。
(11) 判定部 A または判定部 B にラインが認められない場合、インフルエ
ンザウイルス抗原が存在しないことを示していますが、
検体の採取が
不十分であった場合や、
検体中にインフルエンザウイルスが存在して
いても本キットの検出感度以下であった場合の可能性は否定できま
せん。
(12) 本キットの測定上限はインフルエンザウイルス A 型で 2.9×108
pfu/mL※、インフルエンザウイルス B 型で 8.5×107 pfu/mL※まで
確認していますが、
この濃度を超える検体については確認していません。
※ pfu:plaque forming unitの略。
測定結果の判定法
○判定方法
[ 判定基準 ]
(1) インフルエンザウイルス A 型抗原 陽性
判定部 r に紫色のライン、判定部 A に青色のラインが認められ、判定
部 B に赤色のラインが認められない場合。
(2) インフルエンザウイルス B 型抗原 陽性
判定部 r に紫色のライン、判定部 B に赤色のラインが認められ、判定
部 A に青色のラインが認められない場合。
(3) インフルエンザウイルス A 型・
型・B 型抗原 両陰性
判定部 r に紫色のラインが認められ、判定部 A に青色のラインが認
められず、
判定部 B にも赤色のラインが認められない場合。
注)r ラインの紫色が、青色や赤色に見える場合がありますが、ラインが
確認されれば、
判定して構いません。
臨床的意義
インフルエンザウイルスによる罹患は、長期にわたる頭痛、悪寒、高熱、
筋肉痛、倦怠感などを伴った急性の呼吸器感染症です。
インフルエンザ
ウイルスはオルソミクソウイルス科に属し、直径約 80−120nm の球形
のウイルスであり、ウイルスタンパク質の抗原特異性から A、B、C の 3
つの型に分類されます。
毎年冬季に A 型または B 型が広範囲に流行す
ると言われています。
インフルエンザウイルスに感染することで、免疫力の低下している高齢
者などは肺炎を引き起こし①、また小児では脳症を併発し、重篤な合併症
に陥る場合も報告されています②、③。
これらハイリスク群については、特
にインフルエンザウイルスに対する予防および早期治療が不可欠であ
り、早期に簡便かつ迅速にインフルエンザウイルスによる感染を診断す
ることが重要です。
[ 再検査 ]
以下のパターンの場合には、
再検査を実施してください。
(1) 判定部 A あるいは判定部 B、またはその両方に紫色のラインなど指
定色以外のラインが認められる場合。
(2) 判定部 r に紫色のラインが認められない場合。
注)r ラインの紫色が、
青色や赤色に見える場合があります。
性能
用法・用量の操作方法に基づいて感度試験、正確性試験および同時再現
性試験をおこなった場合、
下記の規格に適合します。
○判定上の留意事項 **
(1) 検体抽出液を滴下してから 1−5 分で、判定部 A または判定部 B のラ
インと判定部 r の紫色のラインが認められた場合には、A 型陽性また
は B 型陽性と判定できます。
また、1−5 分で一方の陽性ラインが認め
られた場合でも、もう一方の型の感染を否定するものではありませ
ん。
検体抽出液を滴下してから 5 分経過しても判定部 A と判定部 B
**
にラインが認められない場合は陰性と判定してください。
(2) 検体抽出液を滴下してから 5 分以内に判定部 r に紫色のラインが認
**
められなかった場合は再検査してください。
(3) 判定部 r に紫色のライン、判定部 A に青色のライン、判定部 B に赤色
のラインが認められ、
インフルエンザウイルス A 型・B 型抗原両陽性
となる場合があります。
インフルエンザウイルス A 型・B 型の重複感
染の発生頻度は非常にまれですので、念のために検体を再度採取し
て、
再検査を実施してください。
また、
臨床症状や他の検査結果と合わ
せて総合的に判断してください。
(4) 判定ラインおよび r ラインの一部が欠ける場合がまれにありますが、
ラインが認められれば検査結果は有効としてください。
また、反応中
にすじ状の不規則なラインが一時的に出現する場合があります。
こ
れは着色粒子がメンブラン左部へ移動するときの流路に見られる現
象で、
反応および判定には影響はありません。
なお、
著しいすじ状の不
規則なラインにより判定部のラインの確認が困難な場合は、再度試
験をおこなうことをお勧めします。
(5) r ラインには抗マウス IgG 抗体が固定化されており、原理上、r ライ
ンの色調は検体中の抗原量または検体由来成分によって色調や濃淡
が変化する可能性がありますが、呈色が認められれば検査結果は有
効としてください。
r ラインの色調は、反応しなかった A 型
(青色)
と
B 型(赤色)の各ラテックス量に応じた混合色または単一色となりま
す。
通常の場合、典型的な色調として、陰性または弱陽性では紫色、A
型強陽性では赤紫色∼赤色、B 型強陽性では青紫色∼青色を呈しま
す。
(1) 感度試験
陰性の結果を得る。
1) 陰性自家管理検体を用いたとき、
2) インフルエンザウイルス A 型抗原陽性自家管理検体を用いたとき、
インフルエンザウイルス A 型抗原陽性の結果を得る。
3) インフルエンザウイルス B 型抗原陽性自家管理検体を用いたとき、
インフルエンザウイルス B 型抗原陽性の結果を得る。
(2) 正確性試験
1) インフルエンザウイルス A 型抗原陽性自家管理検体を用いたと
き、インフルエンザウイルス A 型抗原陽性とインフルエンザウイ
ルス B 型抗原陰性の結果を得る。
2) インフルエンザウイルス B 型抗原陽性自家管理検体を用いたと
き、インフルエンザウイルス B 型抗原陽性とインフルエンザウイ
ルス A 型抗原陰性の結果を得る。
(3) 同時再現性試験
1) インフルエンザウイルス A 型抗原陽性自家管理検体を所定の操作
で 3 回繰り返し試験するとき、インフルエンザウイルス A 型抗原
陽性の同一結果を得る。
2) インフルエンザウイルス B 型抗原陽性自家管理検体を所定の操作
で 3 回繰り返し試験するとき、インフルエンザウイルス B 型抗原
陽性の同一結果を得る。
注)
インフルエンザウイルス A 型抗原陽性自家管理検体:
1.0×106−5.0×106pfu/mL
インフルエンザウイルス B 型抗原陽性自家管理検体:
1.0×106−5.0×106pfu/mL
陰性自家管理検体:
インフルエンザウイルス A 型および B 型抗原を含まない緩衝液
−3−
○較正用の基準物質
○相関性
[ 分離培養法との相関性 ]
(1) インフルエンザウイルスA型
インフルエンザウイルスA型抗原(A/Hiroshima/52/2005)
(2) インフルエンザウイルスB型
インフルエンザウイルスB型抗原(B/Shanghai/361/2002)
(1) 鼻腔ぬぐい液
分離培養
○ 最小検出感度
A型
B型
インフルエンザウイルス株
AH1N1:A/New Caledonia/20/99
AH1N2:A/Yokohama/22/2002
AH3N2:A/New York/55/2004
AH3N2:A/Hiroshima/52/2005
AH1pdm:A/Yokohama/1000/2009
B/Shanghai/361/2002
B/Malaysia/2506/2004
最小検出感度
1.2×105 pfu/mL
1.3×104 pfu/mL
2.0×104 pfu/mL
4.2×104 pfu/mL
2.3×104 pfu/mL
3.4×104 pfu/mL
2.8×104 pfu/mL
本
品
A型
陽性
陰性
合計
陽性
69
0
69
本
品
B型
陽性
陰性
合計
陽性
112
8
120
(2) 鼻腔吸引液
本キットは以下のヒト由来鳥インフルエンザウイルス株および動物
由来インフルエンザウイルス株に反応を示しました。
合計
114
171
285
B型
陽性一致率:93.3% (112検体/120検体)
陰性一致率:98.8% (163検体/165検体)
全体一致率:96.5% (275検体/285検体)
本
品
陽性
67
1
68
本
品
B型
陽性
陰性
合計
陽性
92
7
99
陰性
5
272
277
合計
72
273
345
A型
陽性一致率:98.5% ( 67検体/ 68検体)
陰性一致率:98.2% (272検体/277検体)
全体一致率:98.3% (339検体/345検体)
陰性
0
246
246
合計
92
253
345
B型
陽性一致率:92.9% ( 92検体/ 99検体)
陰性一致率:100% (246検体/246検体)
全体一致率:98.0% (338検体/345検体)
合計
50
137
187
A型
陽性一致率:90.6% ( 48検体/ 53検体)
陰性一致率:98.5% (132検体/134検体)
全体一致率:96.3% (180検体/187検体)
合計
68
119
187
B型
陽性一致率:93.2% ( 68検体/ 73検体)
陰性一致率:100% (114検体/114検体)
全体一致率:97.3% (182検体/187検体)
合計
36
112
148
A型
陽性一致率:92.1% ( 35検体/ 38検体)
陰性一致率:99.1% (109検体/110検体)
全体一致率:97.3% (144検体/148検体)
合計
41
107
148
B型
陽性一致率:80.0% ( 40検体/ 50検体)
陰性一致率:99.0% ( 97検体/ 98検体)
全体一致率:92.6% (137検体/148検体)
(3) 鼻汁鼻かみ液
分離培養
(2)
動物由来インフルエンザウイルス株
亜型
H1N1
H1N1
H1N1
H1N1
H1N1
H1N1
H1N1
H1N1
H1N1
H1N1
H1N1
H1N2
H1N2
H2N2
H3N2
H3N2
H3N2
H3N8
H4N6
H5N2
H6N2
H7N7
H7N9
H7N9
H7N9
H7N9
H8N4
H9N2
H10N7
H11N6
H12N5
H13N6
H14N5
H15N8
H16N3
陰性
2
163
165
分離培養
※1:高病原性鳥インフルエンザウイルス
インフルエンザウイルス株
A/duck/Tottori/723/80
A/swine/Iowa/15/1930
A/New Jersey/8/1976
A/swine/Niigata/1/1977
A/swine/Niigata/1/1978
A/swine/Toyama/1/1978
A/swine/Kanagawa/1/1978
A/swine/Shizuoka/1/1978
A/swine/Shimane/1/1978
A/swine/Hokkaido/1980
A/swine/Hokkaido/2/1981
A/swine/Saitama/1996
A/swine/Miyagi/5/2003
A/duck/Hokkaido/17/01
A/swine/Hong Kong/126/1982
A/swine/Obihiro/10/1985
A/swine/Chonburi/2002
A/duck/Mongolia/4/03
A/duck/Czech/56
A/duck/Pennsylvania/10128/83
A/turkey/Massachusetts/3740/65
A/teal/Massachusetts/1/80
A/duck/Mongolia/119/2008
A/duck/Mongolia/128/2008
A/duck/Mongolia/147/2008
A/duck/Mongolia/129/2010
A/turkey/Ontario/6118/68
A/turkey/Wisconsin/66
A/chicken/Germany/N/49
A/duck/England/56
A/duck/Alberta/60/76
A/gull/Maryland/704/77
A/mallard/Astrakhan/263/82
A/duck/Australia/341/83
A/black-headed gull/Sweden/5/99
A型
陽性一致率:100% ( 69検体/ 69検体)
陰性一致率:99.1% (214検体/216検体)
全体一致率:99.3% (283検体/285検体)
分離培養
A型
陽性
陰性
合計
(1)
ヒト由来鳥インフルエンザウイルス株
亜型
H5N1
H5N1
H5N1
H5N1
H7N7
H7N7
H7N9
合計
71
214
285
分離培養
○ヒト由来鳥インフルエンザウイルス株および動物由来イン
フルエンザウイルス株との反応性
インフルエンザウイルス株
A/Hong Kong/483/97 ※1
A/chicken/Yamaguchi/7/04 ※1
A/whooper swan/Mongolia/3/05 ※1
A/chicken/Ibaraki/1/05 A/chicken/Netherland/2586/03 ※1
A/turkey/Italy/4580/99 ※1
A/Anhui/1/2013
陰性
2
214
216
本
品
A型
陽性
陰性
合計
陽性
48
5
53
本
品
B型
陽性
陰性
合計
陽性
68
5
73
陰性
2
132
134
分離培養
陰性
0
114
114
(4) 咽頭ぬぐい液
分離培養
本
品
A型
陽性
陰性
合計
陽性
35
3
38
本
品
B型
陽性
陰性
合計
陽性
40
10
50
陰性
1
109
110
分離培養
−4−
陰性
1
97
98
[ 既承認品との相関性 ]
○廃棄上の注意
(1) 鼻腔ぬぐい液
既承認品
本
品
A型
陽性
陰性
合計
陽性
70
0
70
本
品
B型
陽性
陰性
合計
陽性
109
0
109
陰性
1
214
215
合計
71
214
285
A型
陽性一致率:100% ( 70検体/ 70検体)
陰性一致率:99.5% (214検体/215検体)
全体一致率:99.6% (284検体/285検体)
合計
114
171
285
B型
陽性一致率:100% (109検体/109検体)
陰性一致率:97.2% (171検体/176検体)
全体一致率:98.2% (280検体/285検体)
(1) 検査に使用したテストプレート、使用後の検体抽出液の入った
スクイズチューブ、検体採取に用いた綿棒等は、滅菌処理をおこ
なった後、廃棄物処理および清掃に関する法律、水質汚濁防止法
等の規定にしたがって、
適切な方法で廃棄してください。
(2) 検体が飛散した場合は、アルコールスプレーなどを用いてふき
取りと消毒をおこなってください。
(3) 抽出液には保存剤としてアジ化ナトリウムを含有しているの
で、
廃棄の際には大量の水とともに洗い流してください。
既承認品
(2) 鼻腔吸引液
陰性
5
171
176
本
品
陽性
69
0
69
本
品
B型
陽性
陰性
合計
陽性
86
1
87
陰性
3
273
276
10 テスト
合計
72
273
345
A型
陽性一致率:100% ( 69検体/ 69検体)
陰性一致率:98.9% (273検体/276検体)
全体一致率:99.1% (342検体/345検体)
合計
92
253
345
B型
陽性一致率:98.9% ( 86検体/ 87検体)
陰性一致率:97.7% (252検体/258検体)
全体一致率:98.0% (338検体/345検体)
既承認品
陰性
6
252
258
(3) 鼻汁鼻かみ液
陽性
49
0
49
陰性
1
137
138
合計
50
137
187
A型
陽性一致率:100% ( 49検体/ 49検体)
陰性一致率:99.3% (137検体/138検体)
全体一致率:99.5% (186検体/187検体)
本
品
陽性
66
0
66
陰性
2
119
121
合計
68
119
187
B型
陽性一致率:100% ( 66検体/ 66検体)
陰性一致率:98.3% (119検体/121検体)
全体一致率:98.9% (185検体/187検体)
(4) 咽頭ぬぐい液
本
品
陽性
36
0
36
陰性
0
112
112
合計
36
112
148
B型
陽性
陰性
合計
陽性
41
0
41
陰性
0
107
107
5分
陰性 判定
0分
陽性 判定
5分
10分
注)
10 分を超えて判定しないでください。
○判定基準
(3 ページの判定基準も参照してください)
判定部 r に紫色のライン、判定部 A に青色のライ
ンが認められ、
判定部 B に赤色のラインが認めら
れない場合。
A型
陽性一致率:100% ( 36検体/ 36検体)
陰性一致率:100% (112検体/112検体)
全体一致率:100% (148検体/148検体)
(2) インフルエンザウイルス
スB 型抗原 陽性
判定部 r に紫色のライン、判定部 B に赤色のライ
ンが認められ、判定部 A に青色のラインが認めら
れない場合。
既承認品
本
品
(2 ページの操作方法も参照してください)
(1) インフルエンザウイルス A 型抗原 陽性
既承認品
A型
陽性
陰性
合計
①山腰雅宏 , 鈴木幹三 , 山本俊信 , 山本俊幸 , 後藤則子 , 中北隆 ,
山中克己:特別養護老人ホームで流行した高齢者インフルエン
ザ (AH3N2) の検討 , 感染症学雑誌 70(5), 449-455. 1996
②武内可尚:インフルエンザの重症合併症 , 小児科 39(2), 125−
138. 1998
③富樫武弘 , 松薗嘉裕 , 穴倉迫彌 , 根路銘国昭:インフルエンザ脳
症 , インフルエンザ流行中の小児脳炎・脳症 , 日本臨床 55(10),
2699−2705. 1997
1∼5分
既承認品
B型
陽性
陰性
合計
主要文献
○判定時間 **
既承認品
A型
陽性
陰性
合計
貯蔵方法:2−30℃で保存
有効期間:製造後 30 ヶ月( 使用期限は外箱に表示 )*
包装単位
既承認品
A型
陽性
陰性
合計
本
品
貯蔵方法・有効期間 *
合計
41
107
148
B型
陽性一致率:100% ( 41検体/ 41検体)
陰性一致率:100% (107検体/107検体)
全体一致率:100% (148検体/148検体)
(3) インフルエンザウイルス
スA 型・
型・B 型抗原
型抗原 両陰性
両陰性
判定部 r に紫色のラインが認められ、
判定部 A に
青色のラインが認められず、判定部 B にも赤色の
ラインが認められない場合。
使用上または取り扱い上の注意
注)r ラインの紫色が、
青色や赤色に見える場合がありますが、
ラインが確認されれば、
判定して構いません。
○取り扱い上
(危険防止)
の注意
(1) すべての検体は感染の危険があるものとして、十分に注意して取
り扱ってください。
(2) テストプレートの検体滴下部や判定窓に直接触れないでくださ
い。
(3) 抽出液には 0.1%未満のアジ化ナトリウムが含まれています。
万
が一、誤って眼や口に入ったり、皮膚に付着した場合は、水で十分
に洗い流す等の応急処置をおこない、必要に応じて医師の診断を
受けてください。
○使用上の注意
(1) テストプレートおよび抽出液入りスクイズチューブは 2−30℃
で保存してください。
(2) テストプレートおよび抽出液入りスクイズチューブは室内温度
(15−30℃) に戻してから使用してください。
(3) テストプレートは使用直前にアルミ包装から取り出してくださ
い。
(4) 使用期限の過ぎた試薬は使用しないでください。
(5) テストプレートやスクイズチューブは再使用しないでください。
−5−
問合せ先・製造販売元・発売元
〒104-8402 東京都中央区築地6-19-20
TEL: 03(3248)2228 FAX: 03(3248)2243
−6−