ベトナム投資ガイドブック - JICAナレッジサイト

ベトナム投資ガイドブック
ハノイ、2013年
ベトナム投資ガイドブック | 1
読者のみなさまへ
今日のグローバル化した世界では、先を見通す賢明さこそがビジネスチャンス
拡大の鍵です。ベトナムでは外国投資家の皆様に対し、そのようなチャンスが
日々、出現しています。近年、ベトナムは立地の優位性、経済的潜在力、政治
的安定、豊富な人材及び天然資源などの点から「有望な投資先」と考えられて
います。ベトナムは、強力な国内マーケットやより大きな国際マーケットへの
参加機会と定評ある輸出競争力を提供しています。外国投資は、経済発展を促
す主要な触媒と考えており、2020年には近代的工業国となることを目標にして
います。ベトナム政府は、法制度を整備し、外国投資家の皆様へ高いインセン
ティブを導入するなど、優位な投資環境の形成に努めてまいりました。
この冊子は、ベトナム投資ガイドブックの最新版です。2005年の発刊以来、数
回にわたって改訂され、その間、ベトナムへの外国投資家の皆様より大きな支
持と温かい歓迎をいただいてまいりました。ベトナム計画投資省は、アーンス
トアンドヤング・ベトナムとの提携により、この冊子をとおしてベトナムにお
ける投資環境とインセンティブの概要をご紹介できることをうれしく思いま
す。ただし、これはベトナムの経済分析や外国投資の形態について、詳細を提
供するものではなく、潜在的な投資機会をお求めの外国投資家の皆様に我が国
の一般状況をお知らせするものです。
皆様が、ベトナムへの投資により既に利益を得ている多くの投資家の一員とし
て加わってくださるよう、お待ちいたします。ベトナムは、より好ましい投資
先として相互に利益と機会を得られるウィン・ウィン戦略を提供してまいりま
す。この冊子がベトナム投資に向けた恰好のガイドブックとしてお役に立てれ
ば、たいへん幸いです。
ベトナムへようこそ!
ベトナム投資計画省・外国投資庁
2 | ベトナム投資ガイドブック
略称
本ガイドブックに使用される略称は以下のとおりである。
AFTA
ASEAN
ASEAN自由貿易地域
アジア太平洋経済協力会
議
東南アジア諸国連合
IAS
国際会計基準
IFRS
国際財務報告基準
IZ
工業特区
BCC
事業協力契約
MFN
最恵国待遇
BOT
建設・運営・譲渡
MoF
財務省
BT
建設・譲渡
MOLISA
労働傷病兵社会省
BTA
二国間貿易協定
MPI
計画投資省
BTO
建設・譲渡・運営
PIT
個人所得税
CIF
保険料と運送費
SBV
ベトナム国家銀行
CIT
法人税
SOE
国有企業
EPZ
輸出加工区
SSC
国家証券委員会
EU
欧州連合
SST
特別消費税
FIE
外資系企業
USD
米ドル
FOB
本船渡し
VAS
ベトナム会計システム
GDP
国内総生産
VAT
付加価値税
GSO
統計総局
VND
ベトナムドン
GTI
課税所得総額
WTO
世界貿易機関
HTZ
ハイテク団地
APEC
注意事項
1.本書は、英語からの日本語訳です。法令条文等の最終的な解釈は、原語であるベトナム語に
基づいてなされることにご留意下さい。
2.本書の日本語訳にあたっては、独立行政法人国際協力機構(JICA)において細心の注意を
払っておりますが、記載の誤りや本書の利用等に伴って生じる偶発的、結果的損害に関して
は、JICAは一切の法的責任を負うものではありません。
本書の日本語訳に関する一切の権利はJICAに属します。
ベトナム投資ガイドブック | 3
目次
なぜ、ベトナムに投資するのか
重要な事実と有用な情報
A. 重要な事実 A-1. 経済の概要と主な成果
A-2. 主要産業
A-3. 輸出入
A-4. インフラストラクチャー
A-5. 金融システム
A-6. 証券取引所
A-7. 国際統合
B. 有用な情報
B-1.地理
B-2.人口と労働力
B-3.言語
B-4.政府と政治的構造
B-5.時間
B-6.接続性
B-7.気候
B-8.ベトナムでの生活
B-9.ビザ及び労働許可
B-10.国の祝日
ベトナム投資の法的ガイド
C. 投資及び企業に関する法令
C-1. 概要
C-2. 国有企業と民営化
C-3. 投資保証
C-4. 企業の形態
C-5. 直接投資の形態
C-6. 投資優遇措置
C-7. 投資ライセンス
C-8. 労働と雇用の規制
C-9. 合弁と買収
C-10. 紛争の解決
C-11. 撤退条項
C-12. 知的財産
C-13. 競争法
D. 税制
D-1.法人税(CIT)
D-2.付加価値税(VAT)
D-3.外国契約者税(FCT)
D-4.輸出入関税
4 | ベトナム投資ガイドブック
D-5.特別消費税(SST)
D-6.事業免許税
D-7.環境保護税
D-8.天然資源税
D-9.個人所得税(PIT)
D-10.二重課税回避と租税条約
E. 財務報告と監査
E-1.法定要件
E-2.会計原則及び慣行
E-3.開示、報告及び申告要件
E-4.監査要件
F. 外国為替管理
F-1.外貨の使用に関する制限
F-2.個人による外貨現金の使用
F-3.非居住者によるベトナムドンの使用
F-4.ベトナムと国境を接する国の通貨の使用
F-5.為替レート
F-6.外国投資企業による銀行口座の開設
F-7.海外借入の登録
G. 土地使用に関する規制
G-1.土地使用権及び土地使用権証明書
G-2.借地
G-3.外国人所有のアパート
H. 環境
H-1.国家管理
H-2. 環境影響評価
I. 技術移転
I-1.一般的な原則
I-2.技術移転契約
I-3.準拠法
I-4.登録
I-5.価格設定
I-6.守秘義務
付録
 ベトナムにおける外国人投資家の事業活動に関連する主要な法的文書のリスト
 投資優遇措置の対象分野のリスト
 投資優遇措置の対象地域のリスト
 外国人投資家に適用される条件付投資分野のリスト
 役に立つアドレスと連絡先
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なぜ、ベトナムに
投資するのか
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なぜ、ベトナムに投資するのか
治安と政治的安定性
世界の一部の国では、政治的・経済的な不安定性に対して脆弱性を有している
が、ベトナムにおいては、政府や社会構造が安定的で、資本投資のための理想
的な場所となっている。
戦略的な地理的位置
東南アジアのゆりかごに位置するベトナムは、地球上の最大の人口集積(ASEAN
はもとより、中国、日本、韓国及びチャイニーズ·タイペイで20億人以上人口
を有する)に対する発射台及びホームベースとして活用できる、有利な地理的
立地となっている。
高い経済成長率
外国直接投資及び民間部門の活力によって、ベトナムは、近年、高いGDP成長
率を達成する、アジアにおいて最も急速に成長しつつある経済地域の一つとな
っている。
若く活力のある人口
ベトナムは、8,650万人(世界第13位)の人口を有し、年1.2%の成長率で2020年
には1億人に達すると予測されている。人口の50%以上が25歳以下である。類
を見ない高い労働倫理と90%以上の識字率を有する若いベトナム労働者は、高
い教育水準を備え、情報技術、医薬品、金融サービスのような高いスキルが要
求される業界において、この地域の他の国よりも競争力のあるコストで働くこ
とができる。
豊富な資源
海底油田探査が1970年代に開始されて以降、ベトナムは原油の輸出国となって
いる。石油・ガス、石炭及び水力発電が、直ちに利用可能なエネルギー源を提
供する。ベトナムには、鉄鉱石、錫、銅、鉛、亜鉛、ニッケル、マンガン、大
理石、チタン、タングステン、ボーキサイト、グラファイト、マイカ、ケイ
砂、石灰岩などの鉱物を産出する。更に、ベトナムは、コショウは世界最大の
輸出国、コーヒーと米は第2位の輸出国、カシューナッツは第3位の輸出国で
あり、世界の市場への農産物の輸出に、大きな役割を果たしている。
ベトナム投資ガイドブック | 7
法的環境の大幅な改善
wtoに加盟に当たって、ベトナムは、投資環境をより透明にするために法制度
を刷新して、労働法、土地法、建設法、有価証券法、競争法、企業法及び投資
法などの法的枠組を大きく改正した。実のところ、過去に多国籍企業(MNC’S)
の市場参入に障害のあったベトナムにおいて、WTOへの加盟は、法的環境を改
革し、全ての面においてより透明に、より国際基準に準拠したものとした。
グローバルな国際統合に活躍
WTOに加盟する以前から、ベトナムは、高いGDP成長率を達成し、市場の自由化
や規制環境の改革に継続的に取り組んできた。ベトナムは、正式にASEANの一
員となり、ASEAN自由貿易地域(AFTA)に加入し、更に2007年1月11日には世界貿
易機関(WTO)の150カ国目の加盟国となった。
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重要な事実 ベトナム投資ガイドブック | 9
重要な事実と有用な情報
A. 重要な事実
A-1. 経済の概要と主な成果
ベトナムは、1986年の第6回共産党大会で宣言された「ドイモイ」(又は「刷
新」)と呼ばれる、ベトナムの経済を開放しビジネス環境を劇的に改善する広
範な経済改革パッケージにより、経済発展の実質的な進展を達成してきた。
これまでに、ベトナムは、官僚主義と補助金による中央集権的計画経済から、
強いダイナミズムで急速に拡大する起業家精神に特徴づけられる、社会主義的
市場経済への変革に成功した。ベトナムの経済は、地域及び世界経済に深く統
合され、外国からの投資の流入はもとより、貿易量も急激に上昇した。
ベトナム経済は、市場メカニズムに基づくマルチ・セクター経済モデルに沿っ
て発展している。過去十年間に、GDPは、年率7.2パーセントの平均成長率を記
録し、アジア太平洋地域でトップクラスの順位が与えられた。民間とFDI部門
は、法律で禁じられた領域を除く全ての分野で事業の自由を認められ、企業活
動の障害になる数多くの行政手続を取り除いた2005年の企業法と投資法に基づ
いて、非常に有利な条件を享受することが可能となった。
国有セクターの効率を向上するために、政府は、株式化を通じた同セクター再
編成のための強力な政策を採用した。この結果、2011年末までに、3,951社以
上の国有企業が株式化された。
ベトナムの経済は、国際的な経済危機と、高いインフレ率、貿易赤字、財政
赤字などの国内的なマクロ経済後退の影響を受けているものの、経済は急速
に回復しつつあり、2011年には、5.89%のGDP成長率を達成した。ベトナム
は、2011年の一人当たりのGDPが1,350ドルを超え、下位中所得国となった。政
府は、2012年度の国家社会経済開発計画において、インフレの抑制とマクロ経
済の安定化、経済構造のリストラと行政改革、労働力の質の改善と社会福祉
の向上等を含む抜本的な対策を提示しており、6-6.5%程度のGDP成長率を達成
し、貿易赤字を減少させ、CPI(消費者物価指数)の増加率を10%以下にすること
を目標としている。
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2011年度のベトナム経済実績
No.
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
12
13
14
項目
平均人口
GDP
一人当たりGDP
輸出
輸入
CPI(消費者物価指数)
外国人観光客
外国投資
農業
工業
サービス
為替レート(VND/USD)
外国からの送金
統計数値
8,784万人
1,200億ドル
1,365ドル
969億ドル
1,067億ドル
—
6,014,000 人(訪問数)
146.95億ドル
265億ドル
486億ドル
469億ドル
1ドル21,030ドン
90億ドル
2011年度成長率
1. 0%
5.89%
—
34.2 %%
25.8%
18. 58%
19.1%
-26%
4.0%
5.33%
7.01%
—
12.5%
出典:統計総局(計画投資省)2011年12月31日
A-2. 主要産業
ベトナムの経済が持続的に増加するとともに、国の経済構造も顕著な変化を
記録した。1990年から2011年にかけて、農業セクターのシェアが38.7%から
22.02%に減少する一方、製造・建設セクターは22.7%から40.25%に増加し
た。サービスセクターは、比較的安定的であった(1990年38.6%、2011年37.73
%)。
農業は、全雇用者数の約57%を占め、対外貿易の拡大に重要な貢献をしている
など、ベトナムの社会経済生活に重要な役割を果たしている。2011年の食糧総
産量は47百万トンで、そのうち、米、コーヒー、紅茶及びゴムのシェアは5%
以上の増加となった。2011年の木材生産量は469万m3、17%増加し、森林面積
は547,000ヘクタール、2010年に比べ3.7%増加した。魚やエビが主な製品の漁
業生産量は5.4万トンで、2010年に比べ5.6%増加した。ベトナムは、米、コー
ヒー、カシューナッツや水産品などの農産物の主要輸出国の一つである。
工業は、年率の平均成長率が10%から15%程度と、粗生産量を継続的かつ急速
に成長させている。国営企業を除く外資企業や民間企業は、工業発展と輸出に
ますます重要な役割を果たている。2011年の工業生産指数(IPI)は、2010年に
比べ6.8%増加し、なかでも製造、電気、ガス、水道のシェアは、10%の増加と
なった。
サービス業の平均成長率は、7-8%である。2011年のサービス業の付加価値
は、商業、金融、ホテル・レストラン、観光が好調に推移した結果、6.99%の
増加となった。消費材及びサービスの総小売売上高は、2010年に比べ24%増加
し、国内消費市場の規模は、ほぼ90億ドルに達した。ベトナム小売市場は、世
界で最も魅力的な市場の一つとなっている。2011年には、ベトナムへの外国観
光客人数が600万人を超え、2010年に比べ19.1%増加となったため、観光業では
ベトナム投資ガイドブック | 11
「豊作」の年であったと見なされている。郵便と通信サービス業は、卓越した
産業分野となり、2010年比で19.3%増加という、素晴らしい成長率を得た。
製造及びサービス業は、経済におけるシェアを増加させ続けている。これは、
市場志向の改革、競争と民間セクター開発の障壁の漸進的な削減、及びインフ
ラの改善を反映している。工業生産とサービスの、より一層の多様化は、生産
量と雇用に対する更なる持続的成長の基盤となっている。
A-3. 輸出及び輸入の概要
輸出
総輸出額は、2010年に比べ33.3%増の963億ドルで、うち国内企業は、26.1%増
の418億ドル、FDIセクター(原油を含む)は、39.3%増の545億ドルである。原油
を除いた場合には、FDIセクターは、昨年比38.4%増の472億ドルとなった。
2011年に20億ドル以上の輸出額を達成した輸出商品は、14品目ある。そのう
ち、織物は2010年に比べ25.1%増の140億ドル、石油及びガスは45.5%増の72億
ドル、固定電話、携帯電話及びその部品は197.3%増の69億ドル、履物は27.3%
増の65億ドル、水産物は21.7%増の61億ドル、電子及びパソコンの製品は16.9%
増の42億ドル、機械・設備は34.5%増の41億ドル、木製家具は13.7%増の39億ド
ル、米は12.2%増の36億ドル、ゴムは35%増の32億ドル、コーヒーは48.1%増の
27億ドル、貴石・金属は5.2%減の27億、運送手段及びその部品は51.3%増の24
億ドルとなっている。
輸入
2011年の総輸出額は、昨年に比べ24.7%増の1058億ドルであった。そのうち国
内企業は21.2%増の580億ドル、外資企業は29.2%増の478億ドルを達成した。輸
入品は、主に国内生産用の機械設備及び原料である。
FDIセクターは、輸出で39.3%増、輸入で29.2%増となり、全国の輸出入額の増
加に大きな役割を果たした。このセクターの総輸出額(原油を含む)は、全国の
輸出額の56.6%を占め、輸入額は全国の輸入額の45.2%を占めている。
2011年の貿易赤字は95億ドルで、輸出額の9.9%に相当する。これは、過去5年
間で最低となり、2002年以降の輸出額に対する貿易赤字率でも、最低の年とな
った。
サービスの輸出及び輸入
2011年のサービス総輸出額は、2010年に比べ19%増の88.79億ドルとなった。
そのうち、観光サービスは26.3%増の56.2億ドル、運送サービスは8.7%増の
25.05億ドルである。2011年度のサービス総輸入額は、2010年に比べ19.5%増の
118.59億ドルとなった。そのうち、運送サービスは24.7%増の82.26億ドル、
観光サービスは16.3%増の17.10億ドルである。2011年のサービス貿易赤字
は、2010年に比べ21.1%増の29.80億ドルとなり、2011年のサービス輸出額の
33.6%に相当する。(出典:GSO、www.gso.gov.vn、2011年の経済開発に関する
報告)
12 | ベトナム投資ガイドブック
A-4.
インフラストラクチャー
道路ネットワーク
「S」の字形に南北に伸びる地形のベトナムの道路総全長は220,000kmある。そ
のうち、国道高速道路は90以上、総延長17,300km、省高速道路は21,760km、県
高速道路は45,000km、市街道路は6,650km、村落道路は130,000km以上となって
いる。
国高速道路及び省高速道路上には、合計7,440以上の橋が建設された。そのう
ち、60%以上の橋は、新設の恒久橋となっている。
国道1号線は、国内の7つの経済地域のうち6つを結び(中央高原地域を除く)、
国内の輸送道路の基幹ルートとして知られている。この道路は、輸送量の増加
及び通行時間の減少に重要な役割を果たす。
ベトナムの弟2基幹ルートは、ホーチミン道路で、国道第1号線に並行して中央
高原を通過する。この道路は、国の西部エリアの経済開発を促進すると期待さ
れている。ホアラックとベンキャット(ビンフォック省)を接続する弟1フェー
ズは完了した。弟2フェーズでは、北部がカオバン、南部がカマウに延長され
ると期待されている。その他の重要なルートとしては、北部地域においては、
ハノイ中心部の交通を迂回する道路システム及び東西の省間道路、中部地域に
おいては、東西道路システム、及びホーチミン市を中心とする南部道路システ
ムが含まれる。
ベトナム道路システムは、中国、ラオス、カンボジアの道路システムに接続さ
れ、アジア横断道路及びアセアン諸国の道路、メコン川流域地域及び東西回廊
道路を含む道路システムの一部になる。
ベトナムの交通インフラを著しく改善する総延長5,900kmの20の高速道路を建
設するための500億ドルに及ぶ投資が政府により計画されている。
鉄道ネットワーク
ベトナム国鉄の総延長3,142.7kmのうち、9つの幹線が2,632km、地方線(ステー
ション・ライン)が402.7km、及び分岐線が108kmである。これら全ては単線で
ある。軌間1,000mmは2,251kmで全国鉄道の85.5%、軌間1,435mmは161kmで全国
鉄道の6.1%、三線軌条は220kmで全国鉄道の8.4%となっている。全国の鉄道線
上に、総延長45.5kmの1,790の橋、11.8km、31の共用橋、及び11.5kmの39のト
ンネルがある。
ハノイ-ホーチミン及びハノイ-ハイフォンの2つの幹線は、メコン川デルタ地
域を除くベトナムのほとんど主要な経済地域を結ぶ。ベトナムの鉄道は、ハノ
イ-ダナン(ランソン省)及びハノイ-ラオカイの鉄道線で中国とを結ぶ。カンボ
ジア、タイ、ラオス、マレーシア及びシンガポールに接続させる鉄道の開発計
画が立案されている。
現在、ベトナムは、北南間総延長1,600kmの高速鉄道システムの建設を検討し
ている。総投資額は300億ドル以上である。近い将来、いくつかの古い鉄道線
が修復され再使用される。これに加え、新たな分岐線を中央高原地域における
経済開発のために建設する計画も進められている。
ベトナム投資ガイドブック | 13
内陸水運
ベトナムの内陸水運システムは非常に多様である。2,360以上の河川及び運河
の総延長は42,000kmである。そのうち、11,000km(主に紅河の2,500kmの及びメ
コン川の4,500km)は、内陸水運に利用されている。北部にある水路(主に紅河
とタイビン川)は水路学的要因の影響を受ける。
様々な制約があるものの、水路運送は、安くて一定の商品に適しているため、
現在でも好んで用いられる輸送手段となっている。水路の運送能力を向上する
ために、ベトナムは、河川港のアップグレードと共に、川底の浚渫プログラム
を実施している。
港湾
総延長3,260km海岸線を有し、東西を結ぶ海路の戦略的な場所に位置し、多く
の深い海港を持つベトナムは、海運開発に有利な条件を有している。海上運送
は、ベトナムの総輸出入量の80%を担っている。
現在、ベトナムには、大きさの異なる100以上の海港があり、その総延長は
30,000m以上である。北部(クアンニン省からニンビン省まで)には22の海港が
あり、うちカイランとハイフォンの港湾複合施設は、最も重要な海港である。
中部(タインホア省からビントゥアン省まで)には、37の海港があり、うちダナ
ン(一般)とギソン、ズンクアット(専用)の港湾複合施設は、最も重要な海港で
ある。南部には45の海港がある。この地域、サイゴン-チーバイ-ヴンタウ地区
は、現在ベトナムの最大のエントリー・ポートとなっている。最も重要な国際
航路は、ハイフォン又はホーチミン市から出発して、東アジア地域(ロシア、
日本、韓国、香港など)に到達するものとなっている。
北部のハイフォン、中部のダナン及び南部のホーチミン-チーバイ-バリアブ
ンタウの3地区に、エントリー・ポートとしての最大規模の港湾複合施設の
開発計画が立案されている。これらの港湾複合施設は、100,000トン以上の
船が受け入れ可能になると期待されている。特に、ヴァン・フォン国際港
も、200,000〜300,000トン級の受け入れ能力で建設される予定である。
空港
ベトナムは、航空輸送を開発する上で有利な地理的立地条件にあり、この地域
の旅客および貨物の航空輸送の中心となっている。現在、ベトナムには20の空
港があり、うち北部に5空港(重要な空港は、ハノイのノイバイ国際空港)、中
部に8空港(最も重要な空港は、新たに建設されたダナン国際空港)、南部に7空
港(重要な空港はホーチミン市のタンソンニャット国際空港)。ハノイとホー
チミン市の両空港は、エアバスA380やボーイング747-8など世界最大の旅客機
を受け入れる能力を有している。
ベトナム航空会社(株)は、ベトナムの大手航空会社であり、現在49機の航空機及
び複数のリース航空機を運用している。国内20カ所の就航地の外に、東アジア、
東南アジア、ヨーロッパ、アメリカ、オーストラリアの主要な地域に41の国際便
の就航地がある。一方、30の航空会社がベトナム向けのルートで運行している。
ベトナムに出入りする国際航空会社を見つけることは非常に簡単である。
2008年には、南部の航空輸送能力を高めるため、新タンソンニャット国際空港
が建設された。同様に、ノイバイ空港第2ターミナルが建設中で、2013年にオ
14 | ベトナム投資ガイドブック
ープンする予定となっている。ホーチミン市の東南約50キロの位置には、将
来、ロンタン国際空港が建設予定である。いくつかの古い空港は修復され、軍
事目的から旅客目的に変更される予定である。
経済開発区
現在、ベトナムには283工業団地と輸出加工区(IZ S)があり、その総面積は
76,000ヘクタール以上に及ぶ。そのうち、リース用の工業用地面積は46千ヘク
タール以上で、総面積の約61%となっている。2011年末までに、リース用の工
業用地は約65%となり、ベトナムにおけるIZ Sの65%は稼働中である。投資規
模について見ると、IZSは、4,100件のFDIプロジェクトを誘致し、その資本投
資額は、596億ドルに及ぶ。
ベトナムは、ホアラック(ハノイ)、ダナン及びホーチミン市に、総面積3,509
ヘクタールの3つのハイテク団地も有している。これらのハイテク団地は、
主にマイクロ・エレクトロニクス、バイオ・テクノロジー、IT、ナノテク、
ロボット、新エネルギー、精密機械などの分野に係るプロジェクトに使用さ
れ、Intelや日本電産などの目覚ましい大規模投資が誘致されている。
これらに加え、最近、首相は、臨海地域における総面積662,000ヘクタールの
15の経済特区の設立を承認した。これらの経済特区は、ズンクアット製油所、
ドーサン重工業会社(Doosan Heavy Industries Vietnam)及びギソン火力発電
所など、総投資額500億ドル、700件以上の投資プロジェクトを誘致している。
エネルギー
ベトナムは、原油、石炭、水力、地熱、バイオエネルギー、太陽エネルギーな
どの豊富な自然エネルギー資源に恵まれており、原子力エネルギーの将来にお
ける開発も計画されている。
石油・天然ガス
石油・天然ガスは、1970年代初頭にベトナムで初めて発見されたが、その開発
が開始されたのは1984年になってからであった。確認埋蔵量は、原油が約17
億トン、天然ガスが約8,350億立方メートルと見積もられている。推定埋蔵量
は、原油が60億トンで、天然ガスが40,000億立方メートルである。年間石油生
産量は、約2,000万トンで、ほとんどが輸出され、国の総輸出額の約20‐25%に
貢献している。2011年には、天然ガス産量は、93.2億立方メートル、石油産量
は1,500万トンに達した。
石炭
石炭は、主に北部地域で発見されている。確認埋蔵量は、約60.6億トンと見
積もられている。褐炭も、紅河デルタにあり、約2,000億トンの推定埋蔵量が
ある。2005年度の石炭産量は、3,400万トンで、2011年には4,68万トンに達し
た。​​
電力
電力は、ベトナムの工業化及び近代化の過程において、社会経済開発のための
インフラとして非常に重視されている。電力インフラは、発電能力、送電ネッ
トワーク、サービスの品質、安全及びコストの面で、大幅に改善されている。
ベトナム投資ガイドブック | 15
2006年末の総発電量は513億kWh、その60%以上はガスタービン、水力によって
発電された。2011年だけで総発電量は96億kWhに達しており、2020年までには
2,000 ~ 2,500億kWhになると予想されている。現在のベトナムの総電力能力
は、約12,000 MWである。ベトナムは原子力発電開発の実現可能性を検討中で
あり、2015年以降に最初の原子力発電所(約2,000 MW)を建設することが期待さ
れている。
送電ネットワーク
送電ネットワークは、電源開発と並行して、国内における電力アクセス拡大の
ために拡張されてきた。第一南北500kV送電線が1995年に運用開始され、これ
以降全国の電力ネットワークが統一運用されるようになった。2005年には、先
進技術を用いた第ニ南北500kV送電線が運用開始され、国内の様々なエリアに
おける電力調整を容易にし、今後の地域の電力ネットワークへの接続のための
道を開いた。
通信
ベトナムにおける通信開発ブームは1990年代初頭に観察され、その成長率は、
この地域においては2番目に高く、郵便及び通信サービス分野における純利益
も80億ドルに達するなど、世界で最もダイナミックな新興通信市場の一つとさ
れた。インフラの積極的な改善により、通信サービスは量及び質の両面で急速
に成長した。
電話
携帯電話サービスは、1995年にベトナムに導入されて以降、急成長してきた。
携帯電話加入者数は、1995年の22,500名から2005年の約930万名に劇的に増加
し、平均年間成長率は80%以上であった。2011年には、携帯電話加入者の合計
数は、1億3,310万人に達しており、そのうち3,000万名以上が、携帯電話の常
用ユーザーである。またベトナムの有線電話サービスの使用者は、1,550万人
である。
インターネット
ベトナムは1997年にインターネットに接続され、それ以降、インターネットサ
ービスは急速に成長し、すべての省に普及している。 2011年末までに、全国
のインターネット利用者数は、3,200万人以上、全人口の35%を占めるまでに
なった。うち、ほぼ420万人は、ブロードバンドインターネットサービスの加
入者である。
A-5. 金融システム
政府は、強固な金融システムを形成する観点から、ベトナム国立銀行(SVB)
法、金融機関法、及び外国為替関係法令並びにこれらの施行ガイドラインの
発行など、銀行セクターの法的枠組みの改革のための重要な制度改正を行っ
た。SVBは、国内の銀行の健全性を高めるための措置も講じた。これらの法律
や措置は、金融機関が融資したローンを保全するとともに、財務の透明性向上
に効果を示した。SVBは、国有銀行の商業的活動を推奨し、金融システムの多
様化を促すため、これら国有銀行の活動に対する自らの介入も減少させた。
2005年-2010年の間に、銀行セクターは、量及び総資産の両面において劇的な
16 | ベトナム投資ガイドブック
成長を経験した。最近の5年間で、国有商業銀行の与信及び預金のシェアは、
株式商業銀行からの積極的な競争に直面して、徐々に縮小してきている。2011
年には、合弁銀行や外国銀行に対するベトナムドン調達に関する制限が解除さ
れ、国内銀行及び外国銀行並びに国有商業銀行及び株式商業銀行の事業環境は
平等なものとなった。
2008年の金融危機からの影響にもかかわらず、ベトナムの銀行は、良好な利益
の成長を維持しており、それはトップ8銀行の2008年、2009年及び2009年の平
均的な成長率(それぞれ46%、31%と59%)に反映されている。この期間内に良
好な業績を上げた銀行としては、ベトナム輸出入銀行(Eximbank)、ベトナム軍
事銀行(Military Bank)、ベトナム技術商業銀行(Techcombank)とベトナム海運
商業銀行(Maritime Bank)などの株式商業銀行があげられる。国有商業銀行の
ベトナム商工銀行株式会社(Vietinbank)は、2008年から2010年の間に、卓越し
たパフォーマンスを実現した。外国銀行の事業業績は、多くは公表されていな
いが、有力銀行であるHSBC銀行は、2010年に40%と、高い税引き後利益の伸び
を報告した。
紙幣
ベトナムの公式通貨は、ドンである。ベトナムは、2004年から2006年までに
発行された額面価値VND10,000、VND 20,000、VND 50,000、VND 100,000、VND
200,000とVND 500,000建の各紙幣については、紙製からポリマー製へと交換
することを完了した。他の小額紙幣VND500、VND 1,000、 VND 2,000及び VND
5,000については引き続き紙製で発行される。
A-6. 証券取引所
ベトナムの最初の証券取引所(HOSE)は、ホーチミン市に2000年7月に設立さ
れ、2社が上場された。これに続きハノイ証券取引所(HNX)が設立された。証券
取引所においては、政府、金融機関や企業が発行した証券や債券が売買され
る。2011年12月末までに、750社以上が、ハノイ及びホーチミン両証券取引所
に上場されている。
政府は、証券市場の発展を促進するため、資本市場に関する規則の改正、規制
当局の再編、国有企業の株式化の加速などの措置を講じた。
規制当局の役割を強化するため、政府は、政令第66/2004/ND-CP号を発行し
て、2004年2月19日に国家証券委員会(SSC)を財務省の直接の監督下に置いた。
2005年9月に、首相は、証券市場に上場している国内企業の総外国人株式保有
率の上限を、上場銀行を除き株式総数の30%から49%まで増加させた。ベトナ
ム証券市場で株式を売買する外国人は、SSCの規定に従い、預託銀行を通じて
証券取引局に外国投資の管理コードを登録しなければならない。証券取引所に
上場された債券は、外国人投資家は無制限に購入できる。
ベトナムで証券事業に従業したい外国証券機関は、SSCによって発行されるライセ
ンスに従って、ベトナムのパートナーと合弁会社を設立しなければならない。こ
の場合の当該合弁会社に占める外国証券会社の最大株式保有率は、定款資本の49
%以下でなければならない。同様に、ベトナムの証券市場に投資することを望む
外国の投資ファンドは、SSCからのライセンスを取得する必要がある。
ベトナム投資ガイドブック | 17
ベトナムにおける外国証券会社及びファンド管理会社の駐在員事務所
外国証券会社及びファンド管理会社は、SSCに事業を登録した後に、ベトナ
ムに駐在員事務所を設立ことを許可される。
A-7. 国際統合
ベトナムは、地域的及び国際的な経済統合に積極的にコミットしてきた。ドイ
モイ政策を導入して以降、ベトナムは、1995年にヨーロッパとの経済・貿易協
力協定を締結、1995年にASEANに加盟、1996年にCEPT/ AFTA協定を締結、1998
年にAPECの加盟国となった。2000年に調印された米国との二国間貿易協定
(BTA)の結果、両国間の貿易量は劇的に増加した。ベトナムは、2007年1月11日
に世界貿易機関(WTO)の150カ国目の加盟国となった。更に、ベトナムは、アジ
ア太平洋地域における一層の経済自由化を目指す前例のない多角的な自由貿易
及び投資の枠組みである環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に参加するため、
米国、日本、オーストラリアなどを含む10カ国と、事前協議を進めている。
ベトナムのWTOへのコミットメントは、商品及び役務の輸出の市場アクセスを
向上させるとともに、適用される貿易規制の透明性を確保し、ベトナム企業と
外国企業間の、より公平な競争条件の確保を可能にした。ベトナムは、商品(
関税、輸出入枠及び農業補助金の上限)及び役務(外国役務提供者に対するアク
セス規定及び関連条件)に対する約束にコミットし、知的財産権(TRIPS)、投資
措置(TRIMS)、税関評価、貿易の技術的障壁、衛生・植物検疫措置、輸入ライ
センス条項、アンチ・ダンピング及び相殺措置、原産地規則に関する諸協定を
遵守している。
現時点で、ベトナムは、172カ国と外交関係を確立し、55の二国間投資協
定、58の二重課税協定を締結している。 ベトナムは、約165カ国・地域と、経
済・貿易関係を有している。ベトナムは、63の国際機関及び約650の非政府組
織のメンバーシップを保持している。
国際関係における「多国間主義と多様化」政策は、ベトナムを世界及び地域経
済により深く統合し、世界中の国々との貿易・投資関係を高めることに貢献し
ている。更に重要なのは、ベトナムが、一貫してビジネスに友好的な環境の改
善に努めてきたことである。
18 | ベトナム投資ガイドブック
有用な情報
ベトナム投資ガイドブック | 19
B. 有用な情報
B-1. 地理
ベトナムは、東南アジア半島の東海岸線を占めており、北には中国、西にはラ
オス及びカンボジアと接する境界線がある。ベトナムの海岸線はタイランド湾
と南シナ海(東海)に面している。
ベトナムは、331,114平方キロメートルの面積を有する。国のほとんどは丘陵
や山地で、平坦な土地は、全国面積の約20%しかない。北部の主要な地形は、​​
高地と紅河デルタであり、南部は、中央山脈、沿岸低地とメコン川のデルタを
含む。
ベトナムは、3,444キロの美しく長い海岸を有する。これは、特に、海運業、
貿易及び観光事業の開発のための理想的な条件となっており、世界の海運の中
心地としても知られている。
ベトナムの首都であるハノイは、国の北部に位置し、人口や経済活動の面で最
大の都市であるホーチミン市は、南部に位置する。その他の主要都市は、ハイ
フォン、ダナン、フエ、ヴィン、クイニョン、ニャチャン、カントーとダラッ
トなどである。
丘陵、高原や沿岸地域などの多様な地理的構造は、包括的な経済特区に適して
いる。
B-2. 人口と労働力
2011年の推定人口は2010年に比べ1.04%増の8,784万人で、うち4,347万人は
男性で、総人口の49.5%を占め、2010年に比べ1.1%上昇、4,437万人は女性
で、総人口の50.5%を占め、2010年に比べ0.99%上昇となっている。都市人
口は2010年に比べ2.5%増の2,688万人で、総人口の30.6%を占め、農村人口
は、0.41%増の6,096万人で、総人口の69.4%を占める。
2011年の15歳以上の労働力は5,139万人で、2010年に比べ1.97%増加となっ
た。労働年齢層に属する人口は、4,648万人で0.12%増加となった。 農業、林
業、漁業の分野における労働力の割合は、2010年の48.7%から2011年の48.0%
に減少した。製造業と建設業の分野における該当割合は、それぞれ21.7%から
22.4%に上昇した。サービス業の該当割合は、29.6%を維持している。
2011年の労働年齢グループに属する労働者の失業率は2.27%で、そのうち都市
の率は3.6%、農村地域の率は1.71%である(2010年は、それぞれ2.88%、4.29
%と2.30%)。2011年の労働年齢グループに属する労働者の不完全雇用率は
3.34%で、そのうち都市の率は1.82%、農村地域の率は3.96%である(2010年
は、それぞれ3.57%、1.82%と4.26%)。
54民族で構成され、そのうち88%が越(キン)族であり、残りの12%は、テ
イ、タイ、ホア(中国)、クメール、モン族等の少数民族である。政府は、
質の高いトレーニングと教育システムの開発に、優先順位を与えている。
20 | ベトナム投資ガイドブック
B-3. 言語
ベトナム語が公式言語である。現代の書き言葉は、ベトナム式アルフ
ァベットを用いており、話し言葉には、ローマ字式を使用している。
英語が第二言語として用いられることが多く、一方で、使用頻度は少ないもの
のベトナムにおいて使われている言語としては、フランス語、ロシア語、中国
語、クメール語及び山岳地域言語(モン・クメールとマレー・ポリネシア)があ
げられる。
B-4. 政府と政治構造
ベトナムは、共産党総書記長、内閣総理大臣(PM)及び大統領の集団指導体制
による一党独裁国家である。政策は共産党大会で5年間ごとに設定され、年2回
開催される中央委員会全体会議で調整される。政府および他の国家機関は政策
を実施する責任を負う。国会は、憲法と法律の承認、改定及び国家の重要な意
思決定(内政及び外交に関する政策、社会経済的要素、政治的要素、治安要
素、国家機関の運営)に関する権限を有し、国家機関のすべての運営を監督す
る。
大統領は国家元首として内政及び外交におけるベトナム社会主義共和国を代表
する。政府はベトナム社会主義共和国の最高行政機関であり、国家機関の政
治、経済、文化、社会、国防、安全保障と外交を実行、管理する責任を負う。
各省は特定の産業又はセクターに対する国家権力の執行を担当する。人民委員
会(省、県(区)及び村)は、自らの管轄地域内の管理事務を所管し、地方国家機
関の日常的な活動を運営、指導するとともに、関連する人民議会及び上部国家
機関の政策を執行する。
B-5. 時間
ベトナム現地時間は、協定世界時(UTC)の7時間前である。ベトナムでの営業時
間は、一般的には午前7:30からおよそ午後4:30までであるが、都市部の外資企
業は午前8:00から午後5:00 まで、商店は午前9:00から午前9: 00まで営業し
ていることが多い。
B-6. 接続性
インターネットは、最新の技術と設備でベトナムで非常に人気がある。インタ
ーネットサービスは、ほとんど全ての都市と地方で利用可能であり、簡単にア
クセス可能である。
2011年12月末の全国のインターネット加入者数は、前年同期比で16.1%増の420
万ドルとなった。2011年12月末のインターネット利用者数は、前年同期比で22
%増の32.6万人に達した。2011年度の郵便と通信サービスの純利益は、2010年
に比べ19.3%増の167.1兆ドンとなった。
B-7. 気候
ベトナム北部には、春、夏、秋、冬の四季がある。春は1月から3月まで、夏は
4月から7月の終わりまで、秋は8月から9月の終わりまで、冬は残りの期間であ
る。北部において、秋は、最も美しい気候であり、昼間の平均気温は270Cから
320Cまで、夜間は240Cから270Cまで低下する。一方、ベトナム中部は、秋に台
ベトナム投資ガイドブック | 21
風に見舞われやすい。南部は、一般的に高温で、乾季及び雨季の2つの季節が
ある。南部においては、気温が30˚C以下となる3月~5月の乾季が終了すると、
もっとも暑い季節になる。この期間は、5月から10月までである。
B-8. ベトナムでの生活
住宅
ハノイとホーチミン市の通常の家賃は、庭園や水泳プールを備えた大規模な住
宅の多くで、1月当たり約1,500ドル〜6,000ドルである。住宅には家具付と家
具無しがある。
ここ数年、多くのサービスアパートメントが建設されている。その結果、良質
の宿泊場所が、立地条件とサービス施設に応じて、1月当たり500ドル~5,000
ドルで賃貸可能になっている。
一般的には、ハノイの家賃は、ホーチミン市に比べて若干高価である。
家賃の6ヶ月の分を前払いを請求される場合もあるが、1~3ヶ月程度の前払い
の方がより一般的である。多くの外国人が、メイド、コック、ドライバー、警
備員などの家庭用のスタッフを採用している。これらのスタッフの月給は、実
行サービスに応じて約100ドル〜400ドルである。
教育
2011年末までに、ベトナムの63の省・市のうち、57の省・市が、年齢通りの
小学校教育の普及基準を満した。63省・市の全てが中・高学校の教育の普及
基準を満している。2010-2011学校年度において国家規格を満たす学校は、直
前の学校年度に比べ、幼稚園の教育レベルで20.6%、小学校の教育レベルで
11.5%、中高学校の教育レベルで22.3%、および高等学校の教育レベルで24.3
%増加した。2010-2011学校年度の教員数は、直前の学校年度に比べ、12,000
名増の830,900名となった。国家標準を満たす教師の割合は、小学校レベルで
97.6%、中高学校レベルで97.4%、高等学校レベルで99.0%となった。
職業訓練については、ベトナムには、2011年末時点で、128の職業訓練高等学
校、308の職業訓練中高学校、908の職業訓練校、及びその他1,000の職業訓練
センターがある。今年度は、学生が186万件インターンとして採用され、昨年
度に比較して6.4%増加した。そのうち、職業訓練高等学校及び職業訓練中高
学校は、42万件の生徒を募集し、職業訓練初級学校は144万件の生徒を募集し
た。
個人経営の外国人子供向けの国際学校は、ハノイとホーチミン市に設置されて
いる。これらの学校は、幼稚園から高等学校までの全ての国籍の子供を教育
し、国際バカロレア・プログラムにより能力を評価する。標準適性検査はいく
つかの特定の学校で受験可能である。各学校は、それぞれ独自のカリキュラム
を備えているが、一般的にはオーストラリア、アメリカ及びフランスの教育
システムが多く使われている。これらの学校の年間授業料は、5,000ドル
~
20,000ドルの範囲である。
医療サービス
2010年時点で、ベトナムには、13,467の国営病院や診療所、246,300患者分の
22 | ベトナム投資ガイドブック
ベッド、及び61,400名以上の医師がいる。
ハノイとホーチミン市には国際的な医療施設や外国人医師が存在し、個人診
療、一般的な医療アドバイス、臨床検査、婦人科、産婦人科、歯科などのざま
ざまな医療サービスを提供している。これらの医師は国際的に訓練され、様々
な国から来ている。
これらのクリニックは、必要な場合には、3万ドルの費用で緊急の病院搬送を
手配することもできる。ベトナムで生活又は旅行する外国人には医療及び医療
搬送保険の購入が推奨される。
レジャー及び観光
ベトナムの文化・文明は4,000年以上前から存在していた。伝統的な農業の耕
作方法や伝統的な衣類などは、現在でも田舎で見ることができる。一方で、ベ
トナムの都会の活気あふれる生活も特徴的である。
観光は、経済活動における急成長セクターとなっている。ベトナムには、25の
5つ星ホテル、85の4つ星のホテル及び166の3つ星ホテルなどを含む合計9,350
(1)
以上のホテルがあり、それらのホテル合計で客室数は約184,830に及ぶ。
多くのアジアの発展途上国と同様に、西欧文化からの影響が増大している。地
元の店、ショッピングモールやスーパーマーケットで、西欧のコンパクトディ
スクやDVDが入手可能である。ゴルフやテニスなどの先進国で人気のあるスポ
ーツも、ここで行なわれている。サイクリングもよく目にする余暇のレクリエ
ーションである。
ヒマラヤ山脈を通って流れ出る約4,023キロ(2,500マイル)のメコン川と2,897
キロ(1,800マイル)の海岸は、美しいビーチやレクリエーションの機会を提供
する。一流ホテルやリゾートなどのベトナムの観光インフラは、広く開発され
ている。過去数年間で、ダラット、ファンティエット、ニャチャン、ダナン、
サパなどでリゾートが開発され、多くの一流ホテルも、これらの街で開業し
た。
B-9. ビザ及び労働許可書
入国ビザ
ベトナムを訪問するためには、ほとんどの国の国民は、海外のベトナム大使館
又は領事館で、事前にビザを収得する必要がある。ベトナム到着時のビザは、
天災或いはベトナム領事館や外交代表部を設置していない国から出発する場合
など例外的な場合に限って発行される。ベトナムに入国するビジネスビザや観
光ビザは、所定の必要書類、写真、パスポート(最低6ヶ月の有効期間が必要)
、招待状や訪問の目的を示すその他の資料を提出することによって取得でき
る。
デンマーク、フィンランド、ノルウェー、スウェーデン (2) 、日本、韓国 (3)
(南)およびASEAN加盟国(ブルネイ、カンボジア、インドネシア、ラオス、マ
レーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、タイなど)の国民は、15
1 出典:ベトナム観光総局
2 年4月13日付外務省決定No.808/2005/QD-BNGに基づく
3 2004年6月30日付外務省決定No.09/2004/QD-BNGに基づく
ベトナム投資ガイドブック | 23
日〜30日までの指定された期間の滞在に限り入国ビザを必要としない。さら
に、二国間条約に基づいて、外交、公用、その他特別なパスポートを持つ場合
には、最大90日間までビザの取得が免除される。(これまでに、ベトナムは入
国査証免除に関する54カ国と二国間協定に調印している)(4)。
一次又は数次入国ビザは、ビジネス及び観光ビザで取得可能である。ベトナム
に入国した後に、最大で12ヶ月間、ビザの有効期間を延長することも可能であ
(5)
る。これ以上は、新たなビザを取得しなければならない。
新たなビザ取得及
びビザの有効期間の延長申請の手数料は、25ドル~100ドルである。居住許可
申請手数料は、 60ドル~100ドルである。ビジネスビザには、ベトナムで活動
している組織からの保証が必要である。15日間有効のシングルビザは、招待状
や保証なしで、入国時に申請者に対して与えられる。
認可された投資プロジェクトを実施するため、ベトナムに入国する外国人投資
家やそのアシスタントは、1年間の数次入国ビザが認められる。該当ビザは、
契約期間に応じて追加の1年間の更新が可能である。居住許可証は、ベトナム
で労働、生活する長期駐在員に付与される。
労働許可証
ベトナムで働く全ての外国人及び外国人被雇用者を3ヶ月以上雇用するベトナ
ムの企業及び組織は、法律に基づいて、労働許可証の取得が必要である。3ヶ
月未満の就業者、構成員が1名だけの有限責任会社の所有者又は構成員が2名
以上の有限責任会社の構成員、会社の取締役員、緊急の技術的問題又は技術的
に複雑な問題を処理・解決するための役務を提供するためにベトナムに入国す
る者、及び外国人弁護士を除いて、労働許可証は、ベトナムの労働契約又は任
(6)
命状に沿うものでなければならない。
労働許可証を取得するためには、労働許可証の申請書及びそれに記載されてい
る全ての必要書類が提出されなければならない。労働許可申請書は、労働許可
証を発行する地域の労働傷病兵社会福祉局(DOLISA)で入手可能である。
労働許可証は、有効なビザとは別に、追加的に取得することが必要なものであ
る。雇用者は、労働許可を申請する必要があり、外国人の被雇用者は、労働許
可証の申請書類に必要な全ての個人的な書類を提供しなければならない。
労働許可は、一回の延長ごとに、最大で36ヶ月の延長が可能である。延長申請
用の書類は、労働許可の有効期限の終了日の少なくとも30日以上前に、DOLISA
に提出されなければならない。
居住許可
一時居住許可/カード(TRC)は、ベトナムに長期に滞在する外国人に対して必要
とされている。 TRCを取得するためは、個人は、現在、自らが労働許可に従っ
てベトナムで雇用されていることを証明する書類を警察署に提出して申請しな
ければならない。TRCの期間は、労働許可の有効期間に合致する。TRCはビザの
代わりに使用される。
4 外務省発行の入国ビザ免除の統計から抽出
5 2001年5月28日付政令No.21/2001/ND-CP第3条に基づく
6 2008年3月25日付政令No.34/2008/ND-CP第9条に基づく
24 | ベトナム投資ガイドブック
B-10. 国の祝日
国の祝日は、以下の通り。ベトナムの旧正月(テト)は、太陰暦に基づくため、
年によって異なる。
1月1日-新年日
1月又は2月-テト最も重要なベトナムの祝日であり、伝統的な太陰暦に従っ
て、古い旧暦年の最後の日から旧暦の新年の3日間又はその後までとする
旧暦の3月10日-フン王様の命日
4月30日-全国独立記念日
5月1日-労働者の日
9月2日-国立記念日
B-11.便利な連絡先
ベトナムで役立つ連絡先や詳細住所などは「付録5」にてご参考して下さい。
ベトナム投資ガイドブック | 25
投資及び企業に
関する法令
26 | ベトナム投資ガイドブック
ベトナム投資の法的ガイド
C. 投資及び企業に関する法令
C-1. 概要
ベトナムのすべての投資活動は、2005年11月29日に国会によって採択された企
業法(LOE)及び2005年11月29日に国会によって採択された投資法(LOI)の規定に
準拠する。両法律は、2006年7月1日から発効した。
LOEは、ベトナムにおいて事業を許可される企業の類型並びにその設立、内部
統制、法的責任及び運営方法について規定している。
LOIには、投資活動、投資家の権利と義務、投資プロジェクトの登録と評価、
投資インセンティブ、投資保証及び投資に対する国家管理に関する規定が含ま
れている。この法律は、旧ベトナムにおける外国投資法及び国内投資の奨励に
関する法律に代わるものであり、国内及び国外の投資家に共通に適用されるも
のである。
ベトナムは、60​​の国と地域との投資促進及び保護協定、ASEAN包括投資協定
(ACIA)、中国、韓国、オーストラリア・ニュージーランド、インド及び日本
とのASEAN自由貿易協定、投資憲章を含むアメリカ合衆国との二国間貿易協定
(BTA)、多数国間投資保証機関(MIGA)の設立条約、及びその他の関連国際投資
協定など、投資に関する様々な二国間および多国間協定に調印し、加盟してい
る。
国際協定の規定が、外国直接投資に関するベトナム国内の法令の規定と矛盾す
る場合には、国際協定の規定が適用される。
ベトナムは2006年11月7日に正式にWTOに加盟し、2007年1月11日から、そのコ
ミットメントの施行を開始した。
WTOへの加盟はベトナムの市場と経済に肯定的な影響を与えた。具体的には、
以下のとおり。
民間及び政府の消費財並びに国内での生産財に係る輸入関税の大幅な削
減。
ベトナムのサービス市場の自由化。以前は外国投資に対して閉ざされて
おり、又は限定されていたサービス分野(流通、輸送、通信、金融な
ど)は、2009年以降、大幅に自由化された
C-2. 国有企業と民営化
民間投資の奨励、外国人投資家への経済の開放と共に行なわれた「ドイモイ」
(刷新)政策の実施以降、ベトナム政府は、国有企業(SOEs)の生産性と効率
性を向上させることを目的に、国営企業改革プログラムを推進した。改革は、
以下の4つの主要な施策の実施を通じて、3段階(リストラクチャリング、復興
及び開発)に分けて実施された。
(i) SOEsの経営改革
ベトナム投資ガイドブック | 27
(ii) 国有総合企業の再編成及び強化
(iii) SOEsの株式化
(iv) SOEsの譲渡、契約、リース及び売却
国有企業を持株会社に形態転換し、従業員及び民間投資家にその一部又は全部
を販売することを含む株式化のプロセスは、1991年に開始された。2011年末ま
でに、3,976以上国有企業が株式化された。これらには、1,309の完全な国有
企業(100%SOEs)、101の企業グループ及び総合企業、2つの国有商業銀行(7)
と、1,000以上の独立SOEsを含んでいる。
2005年以降、株式化は、中小国有企業に限定されるだけでなく、大規模な総合
企業も対象にされている。特に注目されるのは、2007年の国家保険公社(バオ
ベト)及びベトコムバンク、2008年のVietinBank、そして最近では、2011年
12月のBIDVの株式化など、金融及び銀行セクターの株式化である。国有企業
改革に関して最近承認された計画に基づけば、今後2015年までに、573の株式
化された国有企業を含む1,309の国有企業がリストラクチャリングされる予定
である。2020年までに株式化される予定の大規模な企業グループ及び総合企
業には、PVN(ベトナム国営石油·ガスグループ)、VINACOMIN(ベトナム石炭鉱物
産業グループ)、EVN(ベトナム電力グループ)、VNPT(ベトナム郵電通信グルー
プ)、Vinachem(ベトナム化学品グループ)、Vinacafe(ベトナムコーヒー会社)
、VRG(ベトナムゴムグループ)が含まれる。
C-3. 投資保証
ベトナム政府は、投資家に対する公正な取り扱いを保証している。投資家の資
本及びその他の法的資産は、法律及び行政措置によって収用又は没収されるこ
とはない。また、外国投資資本を有する企業は国有化されない。外国人投資家
は、投資資本及び利益、ローンの元金及び利息、その他の法的収益及び資産を
海外に送金することが認められている。
外国投資資本を有する企業又は事業協力契約に基づいて働く外国人駐在員は、
海外に自らの所得を送金することが認められている。
外国人投資家の利益は、法律の変更による悪影響が発生した場合においても、
複数の措置を適用することにより、十分に保証される。LOIは、このような不
利益となる法律の変更が適用されないこと、又は法律の変更に伴う投資家の不
利益に対して、その業務の一部改正を許可すること、若しくは補償のための免
税優遇措置を付与すること、若しくは損害賠償を行なうことにより、損害に対
する補償を行なうことを保証している。
更に、より有利な規定が制定された場合には、既存の投資家は、これらのメリ
ットを享受することができる。会社の清算手続きが完了した場合には、外国の
投資家は、海外に残存資本を送金することができる。
C-4. 企業の形態
責任有限会社
LOEに基づき、ベトナムには以下の企業形態がある。
7 ベトナム農業地方開発銀行(AgriBank)及びメコン住宅銀行(MHB)
28 | ベトナム投資ガイドブック
1名有限責任会社(1名LLC)
2名以上の有限責任会社(LLC)
LLCは、各構成員がLLCに資本金を出資する方法で設立される法人である。各構
成員が拠出した資本は、持分として扱われる。LLCの構成員は、LLCに拠出した
資本(又は拠出すると約束した資本)の範囲内で、LLCの金融債務の支払い義務
を負う。
一名以上の外国人投資家によって設立されるLLCは、100%外資企業(FOE、すべ
てのメンバーが外国人投資家である場合)、又は外資系合弁企業(一名又は複数
の外国人投資家と1名又は複数の国内投資家で設立される)のいずれかの形態を
とることができる。
株式会社/株式所有会社
株式会社(JSC)は、JSCの株式の登録に基づいて創立株主によって設立された
法人である。JSCの資本金は、株式に分割され、それぞれの創立株主は、JSCに
登録し、払い込んだ金額の割合に相当する株式数を保有する。JSCは、少なく
とも3名以上の株主(株主数の上限を規定しない)でなければならない。
パートナーシップ
パートナーシップは、少なくとも2名の構成員を必要とし、無限責任社員は、
個人資産を限度として法律的な義務を負う。
個人企業
個人企業は、個人資産の範囲内で、企業の全ての活動に関する義務を負う。個
人企業は、いずれの形態であれ有価証券を発行することはできない。一個人
は、一つの私営企業しか設立できない。
C-5. 直接投資の形態
LOIは、直接投資について、合弁企業、100%外資企業(FOE)及び契約ベース
投資(BCC又はBOT/ BT / BTO)の基本的な形態を規定している。
合弁企業
基本的に、外国人投資家とベトナムのパートナーが、共同で企業設立を申請す
る。投資家には合弁企業を作成するための2つ方法がある。(i)新しい企業の設
立(合併や買収を含む)、又は(ii)企業の株券等の購入を介した既存の企業への
参加。
合弁会社は、1名以上の構成員による有限責任会社、株式会社、又はパートナ
ーシップとして設立できる。設立された法人は、以下の対象者間で締結された
合弁企業契約を根拠とする、有限責任の法人である。
(1)
(2)
(3)
(4)
ベトナム当事者と外国当事者
ベトナム当事者と100%外資企業
合弁企業と外国当事者
合弁企業と100%外資企業、又は
ベトナム投資ガイドブック | 29
(5) 2つの合弁企業。
100%外資企業(FOE)
100%外資企業は、上記に示した企業の形態の下で、一名又はそれ以上の外国
人投資家によって設立された法人である。100%外資企業の一般的な形態は、
パートナーシップが義務づけられている場合を除けば、LLC又はJSCである。
外国人投資家は、最低投資資本規制の対象とならない。
事業協力契約(BCC)
BCCとは、1つ以上の特定の業務を営むための協力の目的を持って、1名又は
2名以上の外国人投資家と、1名又は2名以上のベトナムパートナーによっ
て締結された契約である。この投資形態は、新たな法人を構成せず、投資家
は、BCCの債務に対する無限責任を負う。ベトナムの法的枠組みに基づいて、
契約当事者は、各当事者間の事業対象、内容、利益、義務と責任について、自
由に決定可能であり、その決定を本契約に明記することができる。
建設・運営・譲渡の契約、建設・譲渡・運営の契約、建設・譲渡の契
約或いは建設・運営の契約
建設・運営・譲渡契約(BOT)、建設・譲渡・運営契約(BTO)、建設・譲渡契約
(BT)及び建設・運営の契約(BO)は、投資法に基づいて認められるほか、政府の
独立した法令によって規制される。外国投資家は、ベトナムにおけるインフラ
建設プロジェクトを実施するため、所管する国家機関との間で、BOT、BTO、及
びBT契約を締結することができる。それらのプロジェクトは、しばしば、交
通、発電及び売電、給水又は排水、廃棄物処理などの分野に属している。外国
人投資家の権利及び義務は、署名されたBOT、BTO、及びBT契約に規定される。
BOT契約に基づく場合、投資家は特定の期間において、プロジェクトの建設と
運営に関する完全な責任を負い、その期間終了後には、プロジェクトは、補償
なしに国に譲渡される。
BTO契約に基づく場合、プロジェクトは、建設完了直後に国家に譲渡される。
しかしながら、国は、投資家が資本及び合理的な利益を回収できるように、投
資家に対して、契約に記載された両当事者の合意に基づく一定期間、プロジェ
クトの運営を行なうことを認める。
BT契約に基づく場合、プロジェクトは、建設完了した後に、国家に譲渡され、
国家は、投資家に対して、その他プロジェクトの実施権限を付与するか、契約
で規定した金額を支払う。
その他のベトナムにおける事業及び投資用の施設
(1)支店
支店とは、外国法人に付随するユニットであり、ベトナムが調印した国際条約
に沿って、直接的な営利目的の商業活動を行うことができる。
文化、教育、旅行の分野で活動している外国の銀行、タバコ会社、航空会社、
法律事務所は、ベトナムに支店を設置することを認められている。外国企業
は、商業活動及び商品の取引に直接関係する活動を行なうため、ベトナムに支
30 | ベトナム投資ガイドブック
店を設立することができる。
(2)駐在事務所
ベトナムにおいて法人を設立し、投資ライセンスを取得する目的の他、ベトナ
ムに関係する事業又はベトナムにおける投資プロジェクトを有している外国企
業は、ベトナムにおいて駐在事務所の設立を申請できる。
駐在事務所(RO)は、独立した法人ではなく、商業活動を直接実施することは許
可されない(契約の履行、金銭の直接の受取又は支払、商品の販売又は購入、
又は役務の提供など)。
しかしながら、ROは、以下のことを実施できる。
ビジネス環境を調査するため、連絡事務所として行動すること
貿易・投資の機会及びパートナーを探すこと
親会社の承認に基づいて、本社に代わって商品やサービスの供給又は購
入の契約を交渉し、署名すること(税務目的に関する注意が必要)
契約の履行を監督し、催促すること
親会社に代わってベトナムにおける投資プロジェクトの実施を監督し、
指示すること
外国会社の商品・サービスを宣伝し、販促すること
ROは、親会社に代わって様々な管理機能を行うため、ベトナム人及び駐在員ス
タッフを雇用できる。但し、ROは、直接利益を生み出す活動に従事してはなら
ない。
C-6. 投資優遇措置
外国人投資家のベトナム国内における事業活動に対する標準的な投資優遇措置
には、法人税率の軽減、起業段階における免税期間や減税、土地賃貸料の引き
下げと輸入税の免除が含まれる。投資優遇措置を受けることのできるプロジェ
クトは、投資優遇分野への投資、投資優遇地域におけるプロジェクトがあげら
れる。一般的に、投資家は、以下の優遇措置の利用が可能である。
税制上の優遇措置
I)法人税(CIT)に関する優遇措置
2009年1月1日より施行された法人税法は、標準法人税率25%を、外資企業及び
国内企業双方に適用した。
優遇税率
標準税率以外の優遇税率の10%及び20%は、特定の事業分野への投資、又は投
資優遇地域への投資などの一定の条件を満たす数多くの投資プロジェクトに適
用される。
ベトナム投資ガイドブック | 31
具体的には、
① 15年間、10%の法人税率
優遇税率は、2008年12月11日付け政令第124/2008/ND-cp号(以下
「政令124」)の付表に基づく、特に社会的・経済的に困難な地
域、及び経済特区、ハイテク団地に投資する新設外資企業のプロ
ジェクト、又は、(i)ハイテク、科学研究及び技術開発、(ii)水
プラント、発電所及び給水システムの開発、橋梁、道路及び鉄
道、空港、港湾、河川港、空港、駅及び首相府が規定した他の特
別に重要なインフラ分野、及び、(iii)コンピュータソフトウェ
ア製品(以下 「特定セクター」)に投資する、新設外資企業のプロ
ジェクトに適用される。
② 30年間、10%の法人税率
新設外資企業のプロジェクトであって、ハイテク又は新しい技術
を用いる大規模であり、投資誘致が特別に必要される特定セクタ
ーの投資プロジェクトに対しては、全体の適用期間が30年を超え
ない範囲で、優遇税率の適用期間を延長することができる。
③ 全事業期間を通して、10%の法人税率
教育、人材育成、職業訓練、医療保健、文化、スポーツ、環境の
分野(「社会化セクター」)の企業の所得については、全事業全期
間を通じて優遇税率が適用される。
④ 10年間に20%法人税税率
この優遇税率は、政令124の付表に基づく困難な社会経済的条件
にある地域において、新設外資企業が行なう投資プロジェクトに
適用される。
優遇税率の適用期間は、当該企業の優遇税率の対象となる活動又
は事業から売上が発生した最初の年から連続して起算される。規
定の優遇税率の期限が終了した後には、25%の標準法人税率が当
該プロジェクトの残存期間に適用される。
石油・天然ガス又は希少・高価値鉱物の探鉱プロジェクトついて
は、適用される法人税率は、様々な条件に従って、32%~50%の
範囲となる。この種のプロジェクトに対する特別税率は、MOFの
提案に基づいて、首相によって決定される。
CIT免税及び減税
CITの優遇税率に加えて、外資企業及びBCCプロジェクトに参加する外国当事者
は、2-4年間、CITを免除され、更にその後、4年-9年間、50%減税される。
具体的には、
① 新設の外資企業による(i)政令124の付表に基づく特別に社会的・
経済的に困難な地域、(ii)経済特区及びハイテク団地、及び
(iii)特定のセクター、に投資するプロジェクトについては、4年
間CITが免除され、その後9年間はCIT税額の50%が減税される。
② 政令124の付表に基づく社会的・経済的に困難、又は特別に社会
的・経済的に困難な地域以外であって、社会化セクターに投資す
る新設外資企業によるプロジェクトについて、4年間CITが免除さ
れ、その後5年間はCIT税額は50%減税される。
32 | ベトナム投資ガイドブック
③
政令124の付表に基づく特別に社会的・経済的に困難な地域に投
資するプロジェクトであって、新設外資企業によるプロジェク
トについては、2年間CITが免除され、その後の4年間はCIT税額の
50%減税される。
優遇税率の適用期間は、外資企業が投資プロジェクトからの課税所得が発生し
た年から連続して起算される。外資企業は、投資プロジェクトからの売上発生
から3年間に、課税所得を生まなかった場合には、規定の免税及び減税の期間
は、第4年目から起算される。
CIT優遇税率、免税・減税期間は以下の表にまとめられる。
ベトナム投資ガイドブック | 33
34 | ベトナム投資ガイドブック
全期間
売上が発生した
最初の年以降10
年間
全期間
―
特定セクター:ハイテク、科学研究及び技術開発、
特に重要なインフラ及びソフトウエア開発
社会科セクター(教育関連、職業訓練、医療、文
化、スポーツ及び環境)
社会的・経済的に困難な地域に新設された企業
農業協同組合及び人民信用基金
32%~50%税率を適用する石油・天然ガス又は希
少・高価値鉱物探鉱プロジェクトを除く、全てのプ
ロジェクトの標準税率。
売上が発生した
最初の年以降
15年間
売上が発生した
最初の年以降降
15年間(首相承
認により最長30
年間)
地域:特に社会的・経済的に困難な地域、首相決定
に基づいて設立された経済特区、ハイテク団地
以下の条件で新規に設立された企業
条件
税率適用
期間
―
―
2年間
4年間
CIT
免税
期間*
―
―
4年間
9年間(社会的・経済的に困難又
は特に社会的・経済的に困難な地
域以外で、社会化セクターの事業
を行うの新規設企に対しては5年
間)
免税期間が終了した後の50%CIT
免税期間*
* 免税/減税は、利益を発生した最初の年から適用。適用は3年間に制限。
女性や少数民族の労働者に支払った製造、建設、輸送の企業の特定の支出は、CITから控除される。
25%
20%
10%
税率
CIT
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II) 関税に関する優遇措置
輸入関税の免税は、以下場合に適用される。
❖ 一時輸入され、その後再輸出される展示目的であって一定の条件
を満たす商品
❖ 投資法で奨励されているプロジェクトの固定資産を形成するため
に輸入された商品。これらには、機械設備、特定の輸送手段、建
設資材(原材料、スペアパーツ等ベトナムで生産できないもの)
を含む
❖ BOT企業及びその請負業者が輸入した、BTO、BTプロジェクトを実
施するための特定の商品
❖ 石油・ガス事業のために輸入された特定の商品
❖ ODAプロジェクトを実施するために一時的に輸入され(再輸出さ
れ)る商品
❖ 外国当事者等との輸出加工契約を実施するために輸入された商品
(例:材料、半製品)
土地使用料の優遇措置
土地使用料の優遇措置は、以下の表にまとめられる。
プロジェクト
免税期間
奨励分野(新たなビジネスの開発ベース)
3年
社会的・経済的に困難な地域への投資
7年
特別に社会的・経済的に困難な地域への投資、特別に奨
励される分野への投資、社会的・経済的に困難な地域に
おける奨励される分野のプロジェクト
11年
特別に社会的・経済的に困難な地域における特別に奨励
される分野の当地プロジェクト、又は特別に社会的・経
済的に困難な地域における奨励分野のプロジェクト
15年
投資優遇プロジェクト
I) BOTプロジェクト
BOTプロジェクトへの優遇措置は、BTO、BT及びBOTの形で投資するプロジェ
クトに関する政府の2009年11月27日付政令第108/2009/ND-CP号及び政令第
108/2009/ND-CP号を修正する2011年4月5日付け 政令24/2011/ND-CP号に規定さ
ベトナム投資ガイドブック | 35
れる。政府は、以下の領域において、新規インフラ施設を構築、運用、管理す
るプロジェクト、又は既存の事業を改善、拡大、近代化、運営、管理するプロ
ジェクトの実施を奨励する。
❖ 道路、道路橋、道路トンネル、及びフェリー埠頭
❖ 鉄道、鉄道橋、及び鉄道トンネル
❖ 空港、港湾、河川港
❖ 浄水供給システム、排水システム、及び汚水及び廃棄物の収集・
処理システム
❖ 発電所、及び送電線
❖ 医療、教育、職業訓練、スポーツ施設、事務所
❖ 首相の決定基づくその他インフラ施設
上記の分野のBOT投資プロジェクトに対しては、以下の優遇措置が与えられる
❖ 25%の標準税率に対して、10%又は20%の軽減CIT税率
❖ 利益を発生させた最初年から4年間は免税、次の9年間は50%減税
❖ 特定の輸出入関税の免除
❖ 土地使用料の免除
36 | ベトナム投資ガイドブック
工業団地、輸出
加工区、経済区
内の全てのプロ
ジェクトの固定
資産を形成する
商品
プロジェクト全
期間で免税
未だ国内で生産
できない工業団
地及び輸出加工
区における製造
向けの原材料及
び資材
5年間免税
VAT 0%
輸出加工区、輸
出加工企業に輸
入される商品
VAT 0%
工業団地と輸出
加工区に使用す
るバスや電気路
面電車などの公
共交通手段
免税
VAT及び消費税
は免税される
経済特区の非関
税地域に輸入さ
れる商品
VAT還付
数ケース
・利益を発生した最初の年から4年
間は免税
・次の9年間は50%減税
付加価値税(VAT)と消費税
プロジェクト
全期間、10%
経済特区内の社会化
プロジェクト
輸入税
最長30年間、10%
経済特区内の
ハイテク・プロジェクト
その他の税金
事業開始から15年間は10%、その後
25%
税率
CIT
経済特区内の
プロジェクト
プロジェクト形式
法人所と税(CIT)
II) 経済特区に立地するプロジェクト
個人所得税
(PIT)
50% 減税
経済特区に従
業する派遣者
及び従業員
なし
送金税
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ベトナム投資ガイドブック | 37
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工業団地、輸出加工区及び経済特区のインフラ開発に対する政府の支援
❖ 社会的・経済的に困難な地域の特定エリアにおける工業団地イン
フラ開発ための補償及びサイト・クリアランス
❖ 工業団の「フェンスの外」の技術的なインフラの提供
❖ 経済特区の機能ゾーンの「フェンスまで」の技術的なインフラの
提供
❖ 経済特区の機能ゾーン用の補償及びサイト・クリアランス、並び
に政府から土地を収用された村人のための定住領域の確保。
❖ 経済特区の従業員の、経済特区内における住宅(土地利用権)の
賃貸
❖ 賃貸料の国内外の投資家の両方に対する共通な適用
工業団地の従業員向け住宅地建設に対する政府の支援
❖ 土地使用料の免除
❖ 特別投資優遇分野のプロジェクトに対する法人税、輸入税及びそ
の他特別投資の優遇措置
❖ ソフトローンに対する優遇措置
廃水処理施設建設への政府の支援
❖ 土地使用料の免除
❖ 特別投資優遇分野のプロジェクトに対する法人税、輸入税及びそ
の他特別投資の優遇措置
❖ 社会的・経済的に困難な地域に位置する廃水処理所建設プロジェ
クトに使用する予算措置
❖ ソフトローンに対する優遇措置
III) 経済特区の機能ゾーンにおける下水処理所建設プロジェクトに使用す
る予算措置
ハイテク団地におけるプロジェクトに対する優遇措置
(優先的に開発されるハイテク技術とハイテク製品のリスト- 2010年7月19日
付け首相府の決定第49号/2010/QD-TTg)
❖ ハイテク企業は、土地、法人税、付加価値税、輸入関税と輸出税
に関する法的規則に基づく最高レベルの優遇措置を受けることが
できる。
❖ 政府は、ハイテク団地やハイテク利用農業団地の情報、交通、電
気、水インフラ、エグゼクティブ・オフィス及び廃棄物処理のシ
ステムの構築を支援する。
❖ 省レベルの人民委員会は、自己の権限や任務に基づいて、ハイテ
ク団地とハイテク農業団地に投資する組織及び個人のためのラン
ド・クリアランスを行ない、良好な条件を整備する。
38 | ベトナム投資ガイドブック
❖ ハイテク開発に関する国家マスタープランに基づく資金を受け入
れることができる。
❖ R&D、人材育成や技術移転に関する、科学技術開発基金及びその
他の基金からの資金援助の対象となる。
IV) 裾野産業のプロジェクトに対する優遇措置
(数種類の裾野産業の開発政策に関する2011年2月24日付け首相府の決定弟
12/2011/QD-TTg)
裾野産業に投資する企業は、以下の優遇措置及び政府からの支援を受けること
ができる。
❖ 市場開発の支援:該当プロジェクトの広告は、商工省の公式ウェ
ブサイトに無料で掲載される。貿易や投資促進ための費用は、財
政支援を受ける。生産や役務提供のサプライチェーン契約のため
の円滑化支援が提供される。
❖ インフラストラクチャの支援:該当プロジェクトは、土地の割
当に当たって優先される。産業クラスター及び工業団地におけ
るインフラ、公共およびその他のサービスへのアクセスが確保
される。労働者の募集や研修の支援を得る。中小企業(政令第
56/2009/ND-CP号に準拠する)の生産のための土地の優遇措置及
びハイテク法に基づく土地の優遇措置を享受する。
❖ 科学技術と労働訓練の支援:該当プロジェクトは、技術移転、デ
ザイン・ソフトウエア著作権の購入、外国人専門家の雇用、人材
育成の費用一部に対する財政援助が考慮される。
❖ 財政支援:該当プロジェクトは、投資開発ための国の信用の部分
的な供与が考慮され、ハイテク法の規定に基づく、税制上の優遇
措置を受けられる。
❖ 裾野産業開発の支援:優先的に開発されるべき分野の裾野産業の
製品リストに掲載された製品を生産するプロジェクトに対して
は、関連する優遇措置や支援が与えられる。投資家は、現行法令
及び規則を踏まえて優遇内容を明記した優遇措置申請書類を作成
して、裾野産業プロジェクトの認可委員会の承認得て、最終的な
首相の決定を得るために申請する。
V) 農業及び農村に投資する企業に対する優遇措置
(2010年6月4日付け政府政令第61/2010/ND-CP 号)
土地のリースに対する優遇措置
プロジェクト
奨励農業
プロジェクト
優遇措置
▶ 省レベル人民委員会が決定した土地リース
料の範囲内で最低のリース料で賃貸できる。
▶ 土地と水面のリース料が、最初の11年間免
除される。
ベトナム投資ガイドブック | 39
投資優遇対象に属する
プロジェクト
▶ 省レベル人民委員会が決定した土地リース
料の範囲内でに最低のリース料で賃貸でき
る。
▶ 土地と水面のリース料が、最初の15年間免
除される。
特別投資優遇対象に属する
プロジェクト
▶ 土地と水面のリース料が免除される。
投資に対する支援
❖ 人材訓練
❖ 市場開発
❖ コンサリティングサービス
❖ 科学技術の応用
❖ 運賃
C-7. 投資ライセンス/認可
条件付き投資分野
全ての国と同様に、ベトナムは主権国家として、「条件付き投資分野」と呼ば
れるセンシティブな分野に対する外国投資を制限するための権利を留保してい
る。条件付き投資分野における投資プロジェクトは、ライセンスを取得するた
めに、投資形態条件、経済組織設立に適用する条件及び市場アクセス条件な
ど、特定の条件を満たす必要がある。条件付き投資分野は以下の通り。
❖ 放送及びテレビ
❖ 文化的製品の生産、出版及び配布
❖ 鉱物の探鉱および開発
❖ 通信ネットワークのためのインフラの整備及びインターネットや
通信サービスの送信及び提供
❖ 公共郵便ネットワークの設立及び郵便サービス、エクスプレスサ
ービスの提供
❖ 河川港、港湾、ターミナル、空港の建設及び運営
❖ 鉄道、航空路、道路、海や内陸水路による商品及び乗客の輸送
❖ 水産漁業
❖ タバコの生産
❖ 不動産事業
❖ 輸出入及び流通事業
❖ 教育及びトレーニング
❖ 病院及び診療
❖ ベトナムが加盟する国際条約により、外国人投資家への市場開放
を制限しているその他の投資分野
認可当局
40 | ベトナム投資ガイドブック
ベトナム国内企業及び外資系企業に、設立証明証(又は投資証明証)を発行す
る権限を有する機関は、(ⅰ)特定分野の投資プロジェクトに対する投資方針
を承認する首相、(ⅱ)各省及び中央直轄市の人民委員会、(ⅲ)各省及び
中央直轄市の工業団地、輸出加工区、ハイテク団地、経済特区の管理委員会
(MA)、及び(iv)いくつかの投資分野を管轄する中央レベル当局。
投資承認及びライセンス発行権限は以下により分担される。
(1)首相は、以下の投資プロジェクトを承認する。
投資資本の原資及び投資規模に関わらず下記分野の投資プロジェクト
空港の建設及び商業運営並びに航空運送
国家港湾の建設と商業運営
石油の探査、採掘及び処理並びに鉱物の探査と掘採
ラジオ及びテレビ放送
カジノの商業運営
タバコの生産
大学設立
工業団地、輸出加工区、経済特区及びハイテク団地の設立。
投資資本の原資に関わらず、15,000億ドン以上の投資規模がある下記の
投資プロジェクト
電力、鉱物加工、冶金に関する事業
鉄道、道路、内陸水路のインフラ建設
アルコール、ビールの製造事業
外国投資資本金がある下記分野の投資プロジェクト
海上輸送の運営
郵便や配達、通信及びインターネットサービスを提供するための
ネットワークの建設、電波ネットワークの建設;
新聞や印刷物の印刷と配布、出版
独立科学的研究施設の設立。
上記の投資プロジェクトが、首相(又は首相が権限を委譲した機関)により承
認されたマスタープランに含まれており、かつ、ベトナムの法令及びベトナム
が加盟する国際条約に定める条件を満たす場合には、ライセンス当局は、投資
方針の決定を得るための首相に提出することなく投資家に投資証明書を発行す
る。
上記の投資プロジェクトが、首相(又は首相が権限を委譲した機関)により承
認されたマスタープランには含まれておらず、又はベトナムの法令及びベトナ
ムが加盟する国際条約定める条件を満たさない場合には、ライセンス当局は、
関係省、計画投資省及びその他の関係機関からの意見を聴取し、照合の上で、
首相に提出する。
上記の投資プロジェクトに係るマスタープランが存在しない場合には、ライセ
ンス当局は、関係省、計画投資省及びその他の関係機関からの意見を聴取し、
ベトナム投資ガイドブック | 41
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照合の上で、首相に提出する。
(2)省レベルの人民委員会
(各省の計画投資局は、申請書類を受理し、申請書類を精査する等の関連技術
的な問題を処理する任務を割り当てられたワンストップ・ショップである)
❖ 工業団地、輸出加工区、ハイテク団地及び経済特区以外に立地
し、かつ、首相承認を得る必要がないプロジェクト
❖ 工業団地、輸出加工区、ハイテク団地及び経済特区内であって管
理委員会が存在しない地方における、地区のインフラ開発プロジ
ェクト
(3)管理委員会(MA)
❖ 工業団地、輸出加工区、ハイテク団地及び経済特区内であって、
首相承認を得る必要がないプロジェクト
❖ 工業団地、輸出加工区、ハイテク団地及び経済特区内のインフラ
開発プロジェクト
(4)中央管理機関
中央管理機関はいくつかの投資分野のプロジェクトに対する投資証明証を発行
する。具体的には、以下の通り。
❖ 計画投資省は、BOT、BTO、及びBTプロジェクトに投資証明証を発
行する
❖ 商工省は、石油及びガスのプロジェクトに投資証明証を発行する
❖ ベトナム中央銀行は、金融機関に投資証明証を発行するおよび
❖ 財政省は、保険プロジェクトに投資証明証を発行する。
認可手続
投資の規模及び分野に応じて、異なるライセンスと登録の手続が適用される
❖ 投資登録
❖ 投資審査
ベトナムに初めて投資する外国投資家は、投資プロジェクトを有してなければ
ならず、投資証明書が発行されるためには、投資登録又は投資審査の手続を経
なければならない。
1) 投資登録
3,000億ドン以下の総投資資本の外国投資プロジェクト(15百万ドルに相当す
る)であって、条件付き投資分野に該当しない場合、「投資登録」の対象にな
り、当該プロジェクトの外国投資家は、投資証明書を取得するため、投資登録
の手続を経なければならない。投資証明証は事業体の営業登録を兼ねる。
150億ドン以上3,000億ドン以下の総投資資本がある国内投資プロジェクトも、
「投資登録」の対象になる。国内投資家の申請に応じて、認可当局は、投資家
に投資証明証を発行する。
企業は、後日に、別法人を設立することなく、追加の投資プロジェクトを登録
42 | ベトナム投資ガイドブック
することができる。
「投資登録」手続は、政令108に規定されている。これに基づき、投資家は、
投資登録用の申請書類をライセンス当局に提出しなければならない。認可当局
は、法的に有効で不備のない書類を受領後、書類をチェックし、投資家への投
資証明証を、15営業日以内に発行しなければならない。
投資登録用書類を提出
1
投資家
管理機関
(DPI , MA)
2
投資ライセンスに対する
決定を出す期間
(15 日間)
2) 投資審査
総投資資本金が3,000ドン以上(15百万ドルに相当する)ある投資プロジェク
ト又は条件付き投資分野のプロジェクトに対しては、投資認可当局及びその他
の関係管理機関による「投資審査」が行なわれる。審査には、以下の2種類が
ある。
❖ 総投資資本額に関わらない条件付き投資プロジェクトの審査
❖ 条件付き投資プロジェクトではないが、総投資資本金が3,000億
ドン以上があるプロジェクトの審査
総投資資本金額が3,000億ドン以上があるプロジェクトが審査されるために
は、申請者は、申請書類のほかに、投資プロジェクトの「経済・技術説明書」
を当局に提出しなければならない。該当経済・技術説明書は、投資プロジェク
トの経済・技術の説明文書であり、事業の目的、規模、立地、投資資本額、実
施期間、土地使用の必要性、技術的・環境的な対策が記載されている必要があ
る。
条件付き投資分野の投資プロジェクトを審査に当たっては、投資家は申請書類
の外に、当該分野に係る要件を満たしていることを示す書類も提出する必要が
ある。
申請書類を評価する際には、認可当局は、提案された投資プロジェクトを評価
するため、その他の関係省庁や機関と連携することができる。評価すべき項目
は下記とおり
❖ 技術インフラのマスタープラン、土地使用のマスタープラン、建
設のマスタープラン、鉱物及びその他の天然資源の利用のマスタ
ープランとの整合性
❖ 土地使用に関する要件
❖ プロジェクトの実施期間
❖ 環境対策
ベトナム投資ガイドブック | 43
投資法は、投資審査の期限は、法的に有効で不備のない書類を受領し
てから30日間を超えてはならないと規定している。必要な場合には、
上記の期限が延長される場合もあるが、45日間を超えてはならない。
ライセンス付与 (5 日間)
首相
省レベル人民委
員会(管理当局)
6
5
補足レコード
投資家
1
2
レコードの8部提出
補足要求
3日間
DPI
(レコード承
認部署–
管理委員会)
4
省庁
15日間
3
申請書類
一般的に、100%外資企業の設立を申請するためには、以下の書類が要求され
る(8)。
❖ 所定様式に基づいて作成された投資ライセンスの発行申請書
❖ 設立予定の事業体の定款のドラフト
❖ 所定様式に基づき作成された投資家の一覧
❖ 投資家の財政能力の報告書
❖ プロジェクトの経済・技術説明書(Feasibility Study)
❖ 要件が如何にして満たされるかを説明する書類
❖ 投資家の法人の証明書
ライセンス取得以降の手続
投資証明証を取得した後に、外資企業は、一般的に以下の一定の行政的な手続
(全てを網羅したものではない)を行うことが必要である。
(1) 印鑑の取得及び印鑑登録
(2) ベトナムでの活動が認められている印刷或いは電子新聞に3連続
号で設立を提示する
(3) 銀行口座を開く
(4) 税コードを登録する
(5) 会計チーム/ポリシーをアレンジする
(6) 関連労働当局に従業員の募集と登録
C-8.
労働と雇用の規制
外資系企業(FOE)による労働雇用
改定労働法に基づいて、FOEは、直接、又は認可された労働者派遣会社を通じ
8 申請書類に関する詳細なガイドラインは、2006年9月22日付政令
44 | ベトナム投資ガイドブック
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てベトナム人を雇用することができる。FOE企業は、雇用後、採用されたベト
ナム人労働者リストを、地方労働当局に登録し、定期的に従業員の利用と変更
状況について、労働担当局に報告することが求められる。
外国人労働者の登録
3ヶ月以上ベトナムで就労する外国人労働者は、労働許可証を取得しなければ
ばらない。労働許可証の期間は、労働契約の期間に従うものとされる。労働契
約は、36ヶ月を限度とするが、雇用者の求めにより延長することができる。
外国人労働者の労働開始予定日の20日前までに、FICは、その外国人労働者の
ための労働許可証を取得するために、MOLISA又は関係当局に申請書類を提出し
なければならない。申請書類の受領後15日以内に、MOLISA又は関係当局は、当
該労働許可証の申請について決定する義務を負う。申請書類を却下する場合に
は、明確な理由が提供されなければならない。さらに、外国人労働者がベトナ
ム法律に違反すること等を含む一定の状況においては、労働許可証は取り消さ
れることがある。
ベトナムで就労する外国人労働者のうち、以下の5つのケースに該当する場合
には、労働許可証の取得が免除される。(i)労働機関が3ヶ月未満の外国人、
(ii)2名以上の構成員からなる有限会社の構成員、(iii)1名からなる有限会社
の所有者、(iv)株式会社の取締役会の役員、(v)サービスを提供するためにベ
トナムに入国する外国人、(vi)故障又は技術的に複雑な問題で事業に悪影響を
与え又は与える恐れのある緊急の状態を解決する場合であって、ベトナム国内
において就労するベトナム人又は外国人では修理・対応ができない事態を解決
するためにベトナムに入国する外国人。この場合、解決に3ヶ月以上要する場
合には、3ヶ月を超えた時点で労働許可証の申請が必要及び、(vii)ベトナム法
務省から弁護士業の資格を受けた外国人弁護士
労働許可証の取得を免除される者は、勤務開始日の7日前までに、雇用者の本
社が所在する市、省の労働傷病兵社会局(DOLISA)に、登録されなければならな
い。登録には、被雇用者の名前、年齢、国籍とパスポート番号、勤務開始日と
終了日及び業務内容を記載することが必要である。
従業員に係る社会保険(SI)、健康保険(HI)及び失業保険(UI)の拠出
2007年1月1日から施行された社会保険(SI)に関する法律は、SIとUIについての
ガイダンスを与える。健康保険(HI)は、2009年7月1日から施行された。SIとUI
に係る負担金は、ベトナム人の従業員のみに適用される。HIに係る負担金は、
ベトナムにおける労働契約に基づいて採用されたベトナム人労働者及び外国人
労働者に適用される。
SIに係る負担金は、労働使用者負担16%と本人負担6%であり、ベトナム人従
業員を対象にしている。SIの負担金は、2012年1月1日より、労働使用者負担17
%と本人負担7%に引き上げられた。
UIに係る負担金は、労働使用者負担1%と本人負担1%であり、ベトナム人従業
員を対象にしている。従業員10人以上を雇用する雇用社者に限り、このUIへの
負担を求められる。
HIに係る負担金は、労働使用者負担3%と本人負担1.5%であり、ベトナム人労
働者と外国人労働者を対象にされている。(2010年10月1日より施行される)
ベトナム投資ガイドブック | 45
これらの拠出は、契約された基本給に基づいて計算されるが、最低賃金の20倍
が上限となる。2012年5月1日より施行される最低賃金は、月105万ドンである(
約50米ドル)
最低賃金
2011年8月22日付第70/2011/ND-CP号政令に基づいて、企業法の下で設立された
企業、ベトナムにおける外資系企業、協同組合、農場、個人事業者、外国組
織と国際組織等で働く労働者に対する地域別の最低賃金は、2011年10月1日か
ら、当該機関の所在地域によって、以下の4種類に分けられる。詳細は以下の
通り。
❖ 第1地域(ハノイ市・ホーチミン市・ハイフォン・ドンナイ・ビン
ズオン・バリア・ヴンタウの都市区部)の企業に対する最低賃金
は、月200万ドンである。
❖ 第2地域(ハノイ市とホーチミン市の農村部・ハイフォン・クアン
ニン・ヴンタウ・ビンズオン省等周辺各省の一部の地区)の企業
に対する最低賃金は、月178万ドンである。
❖ 第3地域(ヴィンフック・クアンニン・カインホア・ニントゥアン
省等の一部の地区)の企業に対する最低賃金は、月155万ドンであ
る。
❖ 第4地域(上記以外の地域)の企業に対する最低賃金は月140万ドン
である。
C-9. 合弁と買収
規制
ベトナムにおける投資において、外資系資本及びBCCは、投資の再構築を、企
業の分割、分離、合弁又は統合といった形態で行なうことが認められており、
外国投資家は、その投資を別の法的形態に変更することができる。外国人投資
家は、自ら保有する株式を他の法人に移転することができる。
LOIは、投資家が、(i)資本の拠出、及び(ii)ベトナムで運営している企業及び
支店の株式の購入することを認めている。一部の分野、産業及び商業において
は、外資系企業による出資拠出及び株式購入率の制限が、政府の規則により定
められている。
ベトナムにおいて資本を払い込み、株式を購入し、ベトナム企業を合併・買収
使用とする投資家は、出資比率、投資形態及び事業開始スケジュールについ
て、ベトナムが加盟している国際条約の規制に従い、並びに、経済的集中に係
る競争法及び企業法の規定に従い、並びに条件付き投資分野の投資プロジェク
トの場合には、当該投資プロジェクトに係る条件に従わなければならない。
既存企業の株式持分購入
合弁会社又は100%FOEの株式を取得しようとする外国投資家は、他の既存外国
投資家から出資拠出の一部を取得することにより、それを行なうことができ
る。新たな外国投資家は、既存のFOEの株式を保有しているオフショア会社の
一部又は全部の株式持分を取得することができ、若しくは、合弁企業の外国側
は、ベトナム側の資本拠出分を取得して、その合弁会社を100%FOE企業に変更
46 | ベトナム投資ガイドブック
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することができる。合弁企業のベトナム側も、外国側の株式を購入することに
より、その合弁企業を100%現地化させることが可能である。
株式持分の譲渡収益は、キャピタルゲインに係る所得税の課税対象とされる。
C-10. 紛争の解決
ベトナムにおいては、法的紛争は、交渉、裁判所又は国内外の仲裁によって解
決することができる。
司法
ベトナム裁判所は、以下の階層構造となっている。(i) 最高人民裁判所 (ii)
上級人民裁判所、及び(iii)県級人民裁判所。これらの裁判所により、以下の5
つの事件の裁判を行う。(i) 刑事、(ii)民事、(iii)行政、(iv)経済、(v)労働
習慣法(Commom Law)の国とは異なり、ベトナムにおいては、過去に裁判官によ
って決定された判決が、その後の事件に係る判断根拠となるわけではない。判
決は、法律及び法律の解釈の原則のみに基づいて行なわれる。
裁判所システムと並行する形で、人民検察院が、司法当局の運営を監査し、公
訴の権限を執行する。人民検察院は、判決に対して控訴し、その判決の見直し
を求める権限を有している。
仲裁及び紛争解決
ベトナムにおいては、裁判システムを補完するため、2003年の商業仲裁条例に
基づく独立した仲裁センターが設立されている。仲裁センター又は仲裁条例に
基づいて両者の合意に基づいて設置されたパネルによってなされた仲裁判断
は、事前認定の必要がなく、執行可能である。
外国投資家を当事者に含む紛争は、外国仲裁により解決することも可能であ
る。ベトナムは、1995 年に外国仲裁の裁定の発効及び認定に関する1958年ニ
ューヨーク条約の加盟国になっている。外国仲裁の裁定は、ベトナムの裁判所
の認定を受けた後に、執行可能となる。
従って、紛争が発生した場合には、BCC当事者間による場合、合弁契約の当事
者間の場合、又は外資系企業若しくはBCCの当事者とベトナム企業の場合に
は、まずは協議及び和解により解決されるべきである。協議が不調となった場
合には、紛争当事者は、解決のために以下のいずれかの方法を選ぶことができ
る
❖ ベトナム裁判
❖ ベトナム仲裁機構(ベトナム国際仲裁センター又は経済仲裁セン
ター)
❖ 国際仲裁機構
❖ 両者の合意に基づき選ばれた仲裁機構等
C-11. 撤退条項
FOE又はBCCの終了、清算又は解散は、以下の要因によって行なわれる。
❖ 投資ライセンスに記載された事業期間が満了した場合
ベトナム投資ガイドブック | 47
❖
❖
❖
❖
❖
JV契約、会社の定款等に基づく場合
投資家の決定に基づく場合
ライセンス当局が、FOE又はBCCの運営を終了することを決定した
場合
関連するFOE又はBBCが、BCCの資産を清算するために清算委員会
を設立する責任がある場合
清算プロセスが完了し、FOE又はBCCが、関連当局にライセンス清
算に関する報告をしなければならない場合
C-12. 知的財産
ここ数年、ベトナム政府は、知的所有権の法的保護を強化するための措置を講
じ、また、知的所有権を尊重する環境づくりに努めてきた。知的所有権は、民
法(1995年と2005年)、知的財産法(2005年)とその下位の法令により保護されて
いる。
ベトナムは、パリ条約、国際商標登録に関するマドリッド協定及び特許協力条
約(PCT)の長期間に亘る加盟国であり、1976年には、世界知的所有権機関のメ
ンバーとなった。1997年6月27日には、ベトナムは、米国との著作権に関する
協定を結んだ。ベトナム・米国二カ国間貿易協定に基づき、ベトナムは、ベル
ヌ条約についても、これを尊守する義務がある。
ベトナム国家知的財産権庁(NOIP)は、産業財産の登録と、紛争の解決に関して
責任を負う第一の機関である。工業所有権を登録する外国人企業と個人は、認
可当局に申請書類を提出しなければならず、当該認可当局は、申請書類をNOIP
へ転送する。商標ライセンス契約もNOIPに登録する必要がある。また、文化ス
ポーツ観光省の下に著作権保護の事務所も設立されており、著作権の保護を担
当している。作品は、文化スポーツ観光省に登録することができる。
現在、特許は、20年間保護されている。実用新案(ユーティリティ・ソリュー
ション)の所有は、10年間の期間で付与することができる。工業意匠は、5年間
の期間で付与され、5年ごとに更新することができる。しかし、その合計有効
期間は15年以下とされている。商標の所有は、10年間の期間で付与され、更新
回数は制限されない。著作権の一部である人格権は、無期限に保護されてお
り、その他の権利は、作品公表時点から50年間保護される。
C-13. 競争法
競争法は国会で2004年11月に可決された。この法律は、ベトナムで営業する外
国の企業、公益事業及び独占企業を含む個人事業及び組織並びに専門分野の協
会に適用される。競争法の規定と、他の法律との間に何らかの矛盾がある場合
には、最新の法律規定が優先的に適用される。競争法は、競争制限的な以下の
4種類の活動を禁止している。
(1) 実質的に競争を制限する協定
(2) 寡占又は独占的な地位の濫用
(3) 実質的に競争を制限するような経済力の集中
(4) 不公正な競争行為
市場において寡占的又は独占的地位にある事業者は、その市場における地位を
48 | ベトナム投資ガイドブック
維持し、又は強化することを目的として、以下の行為を行うことを禁じられて
いる。
(1) (直接的又は間接であれ)故意に価格をつり上げ、又は一時的に生
産コストを下回る価格で商品を提供すること
(2) 生産又は流通を抑制し、又は市場を制限し又は技術開発を妨害す
ること
(3) 差別的な取引条件の適用
(4) 商品の購入と販売を目的とする契約を強要し、又は他の業者に対
して、契約締結の際に当該取引とは直接関係のない義務を押し付
けること
(5) `新しい競争相手による市場参入を阻止すること
ベトナム投資ガイドブック | 49
税制
50 | ベトナム投資ガイドブック
D. 税制
D-1. 法人税(CIT)
法人税率
法人税は、外国法人及び内国法人に適用される。納税者は、法人税法で規定さ
れた税率で課税される。2009年1月1日より施行された標準税率は25%である。
石油・ガス会社及び貴重な鉱物の開拓に係る会社は、プロジェクトごとに、32
%から50%の範囲での税率が適用される。
法人税の優遇
優遇税率と税の免減措置が適用されるための基準は、法人税法規則に規定され
ている。本ガイドブック「ベトナム投資の法的ガイド」第I部6.投資優遇措置
の項目に説明あり。
法人税の計算
法人税は、以下の算式に基づいて計算される。
納税額
=
課税所得
=
総所得
=
課税所得 × 税率
総所得 – (非課税所得 + 税法上の繰越
欠損金)
[収入(益金) –費用( 損金)] + その他
の所得
課税所得の決定
企業の課税所得は、税制と会計規則の相違に基づく若干の調整を行って得られ
る所得である。 課税所得には、営業活動による所得に加え、その他の所得(不
動産及び株式譲渡益等及び臨時収入を含む)が含まれる。 損金の算入
一般的に、経費は、事業活動に関連して発生した費用であって、正規の領収書
その他の証憑により証明できるものであり、かつ法人税の計算上控除可能なも
のでなければ損金に算入することはできない。控除が認められない支出の例と
しては、以下のものがあげられる。
❖ 関連法規の規定に基づかない固定資産の減価償却費
❖ 際の支払がなされていない賃金、又は雇用契約書、集団労働協
約、金融規則及び報奨規則に記載されていない従業員の給与及び
賞与
❖ 従業員の生命保険料
❖ 経済組織又は金融機関以外からの借入金利で、ベトナム中央銀行
が定める利率の1.5倍を超える部分
ベトナム投資ガイドブック | 51
❖ 未払込資本金相当の借入金の利息
❖ 財務省の関連法規の規定に基づかない棚卸資産評価引当金、貸倒
引当金、投資損失引当金、製品保証引当金又は工事保証引当金
❖ 未払費用
❖ 広告宣伝費、販売促進費(一部例外あり)、会議・接客費用、手数
料及び仕入れ割引で、これらの費用を除く費用総額の10%を超え
る部分(企業創設後3年は15%が上限とされる)
❖ 教育、医療、災害復興もしくは貧困層のための保護施設の建設以
外の目的に使用される寄付
❖ 関連法規の規定に基づかずに外国企業の本社からベトナムの恒久
的施設へ配分される経営管理費用
❖ 行政上の過料・罰金
❖ 仕入控除可能な付加価値税(VAT)
❖ その他
保険会社、証券取引及び宝くじ等特定の事業については、財務省から法人税上
の損金算入に関する個別のガイドラインが提供されている。
ベトナムにおける企業は、税引前利益の10%を上限に、研究開発引当金を損金
算入することが可能である。
減価償却
税務上の減価償却は、財務省の規定に従って実施しなければならない。現行の
固定資産減価償却制度では3つの方法があり、その中では、定額法が最も一般
的である。
減価償却率は、財務省の規則に基づいて設定されなければならない。以下は、
許容される最大年間減価償却率の概略である。
項目
機械と設備
交通手段
恒久的家屋・建物
その他の家と建物
倉庫、コンテナ、橋、道路、駐車場
と、運転ヤード
その他建設工事
5 –
3.3
2 –
4 -
年間減価償却率(%)
50
- 16.6
4
16.6
5 – 20
10 – 20
割増減価償却は、一定の場合に認められる。割増減価償却率は、財務省の設定
した税率の2倍増となる。
損失の繰越
納税者は、税務上の欠損金を最大で5年間繰り越すことができる。欠損金の繰
戻還付は認められていない。欠損金は、全額、連続して次の年度に繰り越さな
ければならない。
税務管理
52 | ベトナム投資ガイドブック
暦年である会計年度に基づいて、課税年度が定められる。暦年と異なる課税年
度(会計年度)も認められる。この場合、納税者は、管轄の税務当局に通知する
必要がある。
四半期ごとの法人税の仮申告の提出は、その四半期に発生した実際の収益及び
費用、又は前年度の実績の見積り率に基づいて計算される収益に対する課税所
得を基礎に行わなければならない。仮申告は、翌四半期開始月の30日までに税
務当局に提出しなければならない。
法人税の確定申告は、年度で行われる。その年度の確定申告書の提出期限は、
課税年度末(会計年度)から90日以内とされている。確定申告により税額が発
生する場合には、法人税の確定申告書の提出と同時に支払わなければならな
い。
法人税額は、その企業の本社及び従属する製造支店を基礎に査定し、支払わな
ければならない。(その支店が本社の所在地の所轄当局以外の省又は市に所在
する場合)
企業の従属支店の所在する省への納税額は、当該時期の法人税の納税額に会社
の総支出に対する従属支店の支出の割合を乗じる金額である。
企業は、その本社が所在する地方の税務当局に、毎年確定申告書を提出しなけ
ればならない。 税額が確定した後の未払法人税額は、確定した税額から本社
及びその従属支店の四半期ごとに支払った税額を差し引いた金額である。税額
確定後の未払税額又は還付税額は、本社及びその従属支店が所在する地方と同
じ割合で分配される。
利益の送金
外国投資家は、ベトナムでの課税義務を履行した後、毎年会計年度末に、又は
ベトナムでの投資の終了にあたり、利益を送金することが認められる。ただ
し、企業に累積欠損金がある場合には、利益の送金は認められない。
外国投資家又は企業は、利益の送金にあたり、送金予定日の少なくとも7営業
日前までに、利益送金の計画を税務当局に通知しなければならない。
キャピタルゲイン及び株式譲渡に係る所得税
資本譲渡による利益(資本譲渡益)又は有価証券の販売(株式、債券、ファン
ド証明書及びその他公定の株式)は、25%の税率で法人税の課税対象となる。
課税対象収益は、売上高から購入価格及び譲渡経費を差し引いた余剰分であ
る。
譲渡者が国内営業者である場合、他の所得と同様に、法人税の申告において、
資本持分と株式譲渡による収益を申告することが義務付けられている。
譲渡人がベトナムにおける法的実態を有していない外国企業の場合は、ベトナ
ムの譲受人は、譲渡人への支払から税金を源泉徴収して管轄の税務当局に納税
しなければならない。譲受人がともに外国企業の場合、持分が譲渡されるベト
ナムの会社が資本譲渡税の申告及び納税の義務を負う。売却の承認日から十日
以内に申告及び納税しなければならない。
ベトナム投資ガイドブック | 53
ベトナムにおける法的実態を有していない外国投資ファンド又は外国組織有価
証券(公開又は非公開株式会社の株式等)を譲渡する場合、売却価格の0.1%
をみなし税として法人税が課せられる。
債権に関して課される0.1%の法人税は、債権の額面価格にその債権の利息が受
領される時点での利子を加えた金額で算定する。
不動産譲渡に係る所得税
不動産の譲渡に伴う所得としては、インフラ及び建築物の有無に関わらず、土
地使用権の移転、借地権、不動産業者の土地のサブ・リースに伴う所得が含ま
れる。
不動産の譲渡に伴う所得の計算は、売上高から取得原価及び移転費用を控除
し、(ある場合には、更に)前年の移転による損失を控除することにより行なわ
れる。法人税の税率は、25%である。
不動産の譲渡を常に行うわけではない会社にあっては,このような取引による
所得が見込まれる場合には、それぞれの取引に当たって、暫定的な申告を行わ
なければならない。その収入は、年末の法人税の確定申告に含めなければなら
ない。
D-2. 付加価値税 (VAT)
全般
通常の付加価値税制度においては、売上税額は売上額に付加価値税の適用税率
を乗じることにより得られる。事業者は、その商品及びサービスの購入に際し
て、供給者に対して仕入税額を支払っており、売上税額から仕入税額を差し引
いた後の金額を納税することとなる。実際には、最終的な消費者又は商品・サ
ービスの使用者である企業が、税金を負担することとなる。
付加価値税の適用範囲
付加価値税は、ベトナムにおいて消費された商品とサービスに適用される。付
加価値税は、海外から商品を輸入する段階でも適用される。輸入にかかる付加
価値税は、輸入関税と共に管轄の税関に支払わなければならない。
付加価値税の免除
付加価値税が非課税とされる26項目の商品とサービスがある。これらには、例
えば以下の物品及びサービスがある。
❖ 土地使用権(LURs)の譲渡
❖ クレジットサービス
❖ 金融派生サービス
❖ 特定の保健サービス(生計保健と非商用保健を含む)
❖ 医療サービス
❖ ベトナムで生産できない掘削装置、航空機と船舶のクロスボーダ
ー・リース
❖ 石油・ガスの探鉱及び開発に使用される設備機器、スペアパー
ツ、特殊運搬手段、必要原材料(ただし、ベトナムで生産されて
54 | ベトナム投資ガイドブック
❖
❖
いないもの)
ベトナム領土を経由する輸送、若しくはトランジット輸送される商
品、一時的に輸入され再輸出される商品又は一時的に輸出され再
輸入される商品、又は外国との輸出生産・加工契約に基づいて輸
出用商品を生産・加工するために輸入された原材料
人道救助又は無償援助を目的として、関連機関及び個人に提供され
るために輸入された商品又はサービス(制限あり)
付加価値税率
付加価値税の標準税率は10% である。0%税率は、一定の条件を満たす輸出品
とサービスに適用される。5%税率は、水、肥料、教育助成、児童用書籍、食料
品、医薬品及び医療機器、畜産物、農業用の特別な機器、農産品、農業サービ
ス、科学技術サービス、ラテックス、砂糖及びその副産物など必需品・必需サ
ービスに適用される。
売上税額の計算
売上税額は、課税対象品の価格に適用税率を乗じて計算される。
仕入税額の控除申告
仕入税額(源泉徴収制度に基づいて外国契約者から源泉徴収された仕入税額を
含む)控除は、領収書発効日から6ヶ月以内に申告しなければならない。この
期間を超えた仕入税額控除の申告は否認される。
決済額(すなわち、付加価値税を加えた販売価格)が2千万ドン以上である場
合、仕入税額控除をするためには、銀行送金により支払い、銀行決済の証憑を
証拠として保存する必要がある。
付加価値税の計算方法
付加価値税制では、2種類の付加価値税の計算方法が利用可能とされている。
❖ 控除法
この方法においては、付加価値税の納税額は、顧客から徴収した売上税額か
ら、商品とサービスを購入した際に支払われた控除可能な仕入税額を差し引い
た金額である。この方法を採用するためには、適切な会計帳簿とインボイスが
必要となる。
❖ 直接法
この方法で付加価値税の納税額を計算するためには、最初に、期間内の付加価
値額を計算しなければならない。適用される付加価値税率に、当該付加価値額
を乗じて付加価値税の納税額が算定される。
適切な会計帳簿及びインボイス並びに一定のみなし商品及びサービス(例えば
金及び外貨の売買活動)に関する要件を満たすことができなかった企業は、こ
の方法を採用しなければならないとされている。
付加価値税の管理
❖ 付加価値税番号の登録
ベトナム投資ガイドブック | 55
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全ての企業(外国契約者、支店、一定の外国組織の駐在事務所を含む)は、投
資ライセンス又は営業登録証明書が発行された日から10営業日以内に、地方税
務局に付加価値税番号を登録しなければならない。
❖ 付加価値税の申告と納税
付加価値税の申告は、毎月分を、その翌月の20日までに行わなければならな
い。また納税も同じ期日に行わなければならない。
❖ 付加価値税の 還付
特定の場合には、仕入税額の還付が認められる。(例えば、仕入税額控除
が、3ヶ月連続で売上税額を上回る場合)。還付申請は、納税者の状況によっ
て毎月、3ヶ月毎、又は毎年行なうことができる。
D-3. 外国契約者税(FCT)
外国契約者税(FCT)は、ベトナム側契約者から、ベトナムで投資許可を受けて
いないがプロジェクトを実施する、又はベトナムに法人を設立していないがベ
トナム顧客向けにサービスを提供する外国側当事者に対する支払いに対して課
される。この外国契約者税は、通常、ベトナムの国境税関における純枠な物品
供給、ベトナム国外で実行され消費されるサービス、完全にベトナム国外で実
行されるその他のサービス(例えば交通手段、機械設備の修理、広告と販売促
進サービス、仲買業サービス、トレーニング等)を除き、ベトナム側から実行
される支払に対して適用される。
外国契約者(FC)は、外国個人又は法人であって、外国の者との契約、合意又は
請負に基づいてベトナムで事業を行い、又はベトナムで発生する所得がある者
を含むものと定義される。
外国契約者税は付加価値税部分と法人税部分で構成される。その税率は支払形
態によって異なっている。
外国契約者税の納税方法
外国契約者は以下の納税方法のいずれかを選択することができる。
⓵ 原則法(VAS法)
この方法の場合、外国契約者は、付加価値税法に基づいて付加価値税を申告
し、法人税法に基づいて実際の純益に対する法人税率で法人税を申告する。外
国契約者は地元の下請け契約者からの仕入税額を取り戻すことができる。外国
契約者が以下の全ての要件を満たす場合、この方法を採用することができる。
(1) ベトナムに恒久的施設(PE)を有している、又はベトナムの税務上
の居住者である。
(2) ベトナムのプロジェクトの期間が182日超である。
(3) 外国契約者がベトナム会計制度(VAS)を採用している。
⓶ 簡便法(みなし法)
上記の条件のいずれかを満たすことのできない外国契約者は、簡便(みなし
法)法を採用する。この方法を採用する場合には、外国契約者への支払の際、
ベトナム側契約者が付加価値税及び法人税を源泉徴収する。付加価値税と法人
56 | ベトナム投資ガイドブック
税は、契約金額に対するみなし税率を適用して計算される。みなし税率は、提
供されるサービスの性質と提供される商品の種類によって異なる。源泉徴収さ
れた付加価値税は、その提供された商品・サービスが付加価値税の課税対象で
ある場合、ベトナム側契約者の付加価値税の申告において、仕入税額として控
除が認められる。
付加価値税部分と法人税部分の税率の概要は以下の通り
業種
実行VAT率
みなし
CIT率
商業:ベトナムにおける商品、材料、機械及び
設備の配達と提供
免税
1%
サービス一般
5%
5%
商品提供に付随するサービス
3%
2%
資材・機械設備の供給を伴わない建設、据付
5%
2%
資材・機械設備の供給を伴う建設、据付
3%
2%
機械設備の賃貸
5%
5%
航空機、船舶の賃貸(コンポーネントを含む)
指定されない
2%
交通
3%
2%
利子
免税
10%
ロイヤリティ
免税
10%
再保険
免税
2%
証券譲渡
免税
0.1%
製造、その他経営活動
3%
2%
⓷ 折衷法(ハイブリッド法)
この方法による場合、外国契約者は、完全なベトナム会計制度の代わりに簡易
化されたベトナム会計制度を採用することが認められ、付加価値税については
原則法に基づく納税が可能となるが、法人税については、簡便法(みなし法)
に基づいて納税することが必要となる。
外国税額控除
ベトナムは多くの国と租税条約を締結しており、二重課税を回避することがで
きる。
D-4. 輸出入関税
I.輸出
標準的な通関書類
商業目的の商品の通関に関する通関手続においては、一般的には、申告書に加
ベトナム投資ガイドブック | 57
え、以下の書類が必要とされる。
❖ 販売契約
❖ 商業送り状 ❖ 原産地証明書(ある場合)
❖ 梱包リスト
❖ 船荷証券、航空貨物運送状、その他の運送書類
❖ 品物や梱包に様々な種類がある場合には、輸入品の詳細なリスト
❖ 価格申告(必要な場合)
❖ 税関によって要求される輸入許可証、輸出の証拠(例えば税関
出申告のコピー)、検査証明書、品質証明書(例えば、メーカー発
行の)保険省の他の証明書/輸入許可証、衛生証明書や、これ等に
限定されないが、地方の関税局の要求による他のドキュメント。
申告書に加え、輸出する積荷に付随する商業文書の準備としては、以下の書類
が含まれる。
❖ 販売契約
❖ 輸出のための送り状
❖ 品物や梱包に様々な種類がある場合には、輸入品の詳細なリスト
❖ 梱包リスト
❖ 船荷証券
❖ 荷主の積荷目録
❖ 輸出通関手続書類:輸出許可書(要求がある場合)、義務検査用付
属書類(ある場合)、地方の関税局によって要求された他のもの
輸出関税
輸出関税は、鉱石および鉱物、植物、香水や医薬品に使用される植物の一部、
スクラップ金属など、基本的に天然資源である数品目にのみ課税される。これ
らの税率は、0%から40%までである。輸出税の計算ベースは、FOB価格(本船渡
条件価格)又はDAF価格(国境持込渡価格)であり、契約書に記載されている運
搬費及び保険料を除いた輸出港での商品の販売価格である。
II.輸入
輸入関税表
輸入関税の評価は、一般的には、従価(価格)ベースで行なわれる。財務省
(MOF)は、輸入関税表の策定など関税政策を所管する政府機関である。実際に
は、輸入税率に関する政策決定プロセスは、関連省庁(例えば、商工省、工業
協会、国営企業)の関与により複雑である。
輸入関税表は、基準税率、優遇税率、及び特別優遇税率の、次の3つのカテゴ
リに分類されている。
❖ 標準税率は、優遇又は特別優遇の関税扱いのない、全て国々から
の商品に適用される。基準税率は、最恵国(MFN)税率の150%であ
る。
❖ 優遇税率は、ベトナムと貿易関係において最恵国待遇取引を行っ
58 | ベトナム投資ガイドブック
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ている約164か国からの商品に適用される(ベトナムは現在WTOの
メンバーであり、他の加盟国に対して、加盟時から優遇税率を適
用している)。
❖ 特別優遇税率は、財務省の特別の関税表の中で規定されているも
ので、通常、ベトナムと自由貿易協定を結んだ国々原産の商品
に適用される。例えば、ASEANの商品貿易に関する協定(ATIGA)
、ASEAN-中国自由貿易地域協定(ACFTA)、ASEAN-韓国自由貿易地
域合意(AKFTA)、ASEAN-オーストラリアおよびニュージーランド
自由貿易地域協定(AANZFTA)、ASEAN-インド自由貿易地域協定
(AIFTA)、また日本とAseanとの間の包括的な経済パートナーシッ
プ(AJCEP)についての合意書などを含む。
特別優遇税率を受けるためには、輸入品は、特別の原産地証明書(C/O)を添付
しなければならない。 C / Oが無い場合又は商品が非優遇扱いの国の原産の場
合、優遇(MFN)税率又は基準税率が課せられる。
輸入関税計算
普通、輸入関税の計算のための輸入品の課税価格は、一部修正された1994年
WTO評価協定に従っている。一般に、輸入品の課税価格は、実際に支払われ
た、又はベトナムの輸入の最初のチェック・ポイントへの輸入品に対して払わ
れるべき価格であり、調整要素を考慮に入れた取引額として決定される。取引
額を定義することができない、或いは決定が満足されない場合には、代替方法
が以下の順に適用される。
❖ 輸入された同じ商品の取引
❖ 輸入された類似商品の取引
❖ 演繹的な値
❖ 計算された値
❖ フォールバック方式
輸入関税免除
輸入税免除は、以下の場合に、特に与えられる。
❖ 展示目的のために、一時的に輸入され、その後、再輸出される品
物であって、必要条件を満たす場合
❖ ベトナムで生産することができない機械及び設備(交通手段、原
料およびM&E予備部品、建設資材など、プロジェクトを促進する
ものも含め、プロジェクトの固定資産を形成する輸入品)
❖ 石油·ガス事業のために輸入された特定の商品
❖ ODA事業を実施するために一時的に輸入され(その後、再輸出さ
れ)た品物
❖ 外国の当事者等との輸出加工契約を遂行するために輸入された商
品(例えば、材料、半製品)
D-5. 特別消費税 (SST)
ベトナム投資ガイドブック | 59
特別消費税(SST)は、物品税に類似する、国内での消費が奨励されない又は贅
沢とみなされる特定の物品の、生産又は輸入及び特定のサービスの提供に適用
される。
特別消費税制に基づく特別消費税の対象には、以下の物品及びサービスを含
む。
❖ 物品:タバコ、ビール、スピリッツ、自動車、シリンダ容量125
㎤以上のオートバイ(9)、航空機及びとヨット、燃料、90,000BTU以
下のエアコン、トランプ、奉納用擬似紙製品
❖ サービス:カジノ、賭事を伴う娯楽(例:競馬及び自動車レース)
、ディスコ、マッサージ、カラオケ、ジャックポットゲーム、ス
ロットゲーム(10)、ゴルフクラブ及び宝くじ
課税価格
❖ 国内生産品に対しては、課税価格は、特別消費税と付加価値税を
除く販売価格であり、以下により決定される。
特別消費税の
課税価格
=
付加価値税を除く販売価格
1 + 特別消費税率
❖ 輸入品:課税価格は、輸入関税の課税価格(すなわちCIF価格)プ
ラス輸入関税
❖ 特別消費税規則に記載された一定の商品(すなわち、缶ビール
等)又は特別消費税規則が適用される特定のケースの課税価格
特別消費税の税率は10%から70%(11) までで以下の通り。(12)
商品/サービス
税率(%)
シガー/タバコ
65
スピリッツ/ワイン
20 - 65
25 - 50
自動車
10 - 60
シリンダ容量125㎤以上のオートバイ
20
航空機とヨット
30
燃料
10
エアコン(90,000BTU以下)
10
トランプ
40
奉納用擬似紙製品
70
ディスコ
40
マッサージサロン、カラオケ
30
(13)
9 自動車、航空機及びヨットは、特別消費税に関する法律No.27/2008/QH11に基づき新たに追加さ
れた
10 スロットマシーンは、特別消費税に関する法律No.27/2008/QH11に基づき新たに追加された
11 特別消費税に関する法律No.27/2008/QH11
12 申請は2009年12月31日まで
13 新しい特別消費税率は、2010年1月1日から適用される
60 | ベトナム投資ガイドブック
カジノ、ジャックポットゲーム、賭事
30
ゴルフクラブ
20
宝くじ
15
D-6.事業免許税
納税者は、毎年(暦年の開始時)、以下の税率の事業免許税を支払わなければな
らない。
登記資本金
年間事業免許税
事業免許税のレベル
(10億ベトナムドン)
(ベトナムドン)
レベル 1
10以上
3,000,000
レベル2
5~10
2,000,000
レベル3
2~5
1,500,000
レベル4
2以下
1,000,000
D-7. 環境保護税
環境保護税法は、2012年1月1日に発効した。環境保護税は間接税であり、石油
製品など特定の商品の生産及び輸入に適用される。本税は、商品の量に対して
計算される。
D-8. 天然資源税
石油、鉱物、林産物、海産物及び天然水などのベトナム国内の天然資源の採
掘・開発について、天然資源税を支払う必要がある
税率は利用される天然資源によって変わり、単位当たりの指定された税額で生
産量に対し適用される。
D-9. 個人所得税(PIT)
納税者
個人所得税は、居住状態に基づいて課税される。非居住者については、ベトナ
ムから発生する所得のみが課税の対象となるのに対して、居住者は、全世界の
所得に対して課税される。居住者と非居住者、また所得の種類により、異なる
税率がある。
居住者は、以下の者をいう。
❖ 最初の到着日から、連続した12ヶ月か、暦年の1年間で合計183
日以上ベトナムに滞在した場合、又は
❖ ベトナムに決まった居住場所を持っている(ベトナムに永住して
いる、居住登録を行っている、又は住宅リースで税年度内に90日
以上の期間でリース契約している場合を含む)
2010年9月8日に税務総局が発行した公文第3473/TCT-TNCN号に基づいて、ベト
ベトナム投資ガイドブック | 61
ナムに1暦年又は連続する12カ月間に、90日以上183日以下滞在する個人(賃
貸契約の有無にかかわらず)は、ベトナム以外の国に居住している事を証明で
きる場合には、ベトナムの個人所得税上、非居住者とみなされる。この場合、
税務当局が発行する居住証明書の原本をベトナム税務当局に提出する必要があ
る。
居住者は、収入が支払われている場所に関係なく、その全世界所得に対して累
進税率で個人所得税が課税される。非居住者とは、1暦年又は連続する12ヶ月
間に、90日未満か又は90日以上183日未満ベトナムに住んでおり、他国の居住
者である者である。非居住者に対しては、ベトナムで行われた仕事の関係での
給与所得に対しては一律20%の税率で、非給与所得に対しては様々な税率で、
個人所得税が課税される。場合によっては、該当する租税条約の規定に基づい
て、いくつかの税の減免が適用される。
課税所得
課税所得には、給与所得、非給与所得、事業所得が含まれる。
給与所得とは、雇用者から従業員が受領した現金又は現物の全てが含まれ、そ
れ等には、例えば以下のものが含まれる。
❖ 給与、賃金、報酬、賞与、手当及び補助金
❖ 専門的又は事業のための団体、会社の取締役会、経営会議等に参
加したことにより受け取った所得
❖ 雇用者によって現物支給される福利厚生給付、例えば、以下に限
定されないが、住宅貸与、電気、水道、その他のユーティリテ
ィ、非強制の保険料、何らかの会費(条件が適用される)、およ
び該当する法律に従って提供されるその他の給付など
以前は非課税だった所得のいくつかは、新しい個人所得税(PIT)制度の下で
は課税対象とされている。例えば、資本投資、資本譲渡、不動産譲渡からの収
入、賞金収入、使用料、商業フランチャイズ、相続および贈与などの非給与所
得等である。
これに加え、法人税法(CIT)によって課税と事業所得は、現在個人所得税(PIT)
の課税対象に含まれている。
非課税所得
非課税所得として以下のものがあげられる。
❖ 銀行、信用機関(ベトナム)、生命保険証券の預金金利、 ❖ ベトナム労働法が定めている通常の勤務時間を超える夜勤や残業
の手当
❖ 生命保険と非生命保険からの保険金の支払い
❖ 社会保険法に基づく個人への年金給付 ❖ 夫と妻、親と子の間に財産譲渡による収入
❖ 夫と妻、親と子の間の相続/贈与からの収入
❖ ベトナムへの移転手当
❖ 海外駐在員の1年に1回の帰国航空券
❖ ベトナムにおける小学校から高等学校までの海外駐在員の子供❖
62 | ベトナム投資ガイドブック
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ための授業料
❖ 研修費用
❖ 職場において提供される昼食(上限あり)
❖ 日当(上限あり)
ユニフォーム/電話/文房具の支払い(上限あり)
❖ 税控除や減税
一定の控除や軽減が、事業所得及び給与所得に対して与えられる
❖ 1か月に400万ドン、或いは年間4800万ドン/年の所得控除が設け
られている。
❖ 被扶養者がいる場合、一人当たり1か月に160万ドン、或いは年間
1920万ドンの所得控除が設けられている。扶養者控除には一定の
条件が必要であり、納税者に対して自動的には付与されない。扶
養者控除を申請するには、税務当局へ登録を行った申請書及び補
足資料が必要となる。
❖ 法律の規定に基づく強制的な法定拠出
❖ 特定の慈善的、人道的、教育振興の基金への寄付
税率
居住外国人、ベトナム市民の事業所得及び給与所得のための累進税率は、次の
とおりである。
レベル
課税所得/月(百万
ドン)
課税所得/年(百万ドン)
税率(%)
1
60以下
5以下
5
2
60~120
5 ~10
10
3
120~216
10~18
15
4
216~384
18 ~32
20
5
384~624
32~52
25
6
624~960
52~80
30
7
960以上
80以上
35
他の課税所得および適用関連税率は次のとおりである。
Items
税率(%)
1.
資金投資(出資)による収入
5
2.
フランチャイズ、使用料による収入(*)
5
3.
賞金、相続及び贈与による収入 (*)
10
ベトナム投資ガイドブック | 63
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4a. 資本譲渡による収入
20
4b. 株式譲渡による収入
0.1
5a. 不動産譲渡による収入
20
5b. 価格を確定出来ない不動産譲渡による収入
2
非居住者は、ベトナムにおける仕事に関係する給与所得に対し20%の税率で課
税される。次の表は、他の種類の課税所得と適用税率を表している。
項 目
給料、賃金による所得
税率 (%)
20
2. 事業活動による所得
商品に係る事業活動
1
サービスに係る事業活動
5
生産、建設、輸送、その他の活動に係る事業活動
2
3. 資本投資による収入
5
4. フランチャイズ、使用料による収入 (*)
5
5. 賞金、相続及び贈与による収入 (*)
10
6. 資本譲渡による収入
0.1
7. 不動産譲渡による収入
2
備考: (*) 1000万ドンを超える所得部分のみに課税される。
受け取った収入がネットベースである場合、個人所得税の計算にあたって、税
額を計算する必要上、グロスベースに換算する必要がある。そのための計算式
は、通達第84/2008/TT-BTC号の下で提供されている。 管理
納税者番号の登録
税務申告は、個人所得税の対象となる所得の支払機関及び所得のある個人に対
して義務づけられている。申告書を提出する場所は、所得の支払い機関あるい
は個人を直接に管理している税務署となる。
海外駐在員は、ベトナムへの派遣開始日から10日以内に、納税者番号を取得す
る必要がある。
税務申告と納付
個人所得税(PIT)は、翌月の20日までに毎月支払う必要がある。雇用者は、従
64 | ベトナム投資ガイドブック
業員の所得から税金を源泉徴収して、申告し納税する必要がある。毎月の個人
所得税の支払いについては、各暦年の終わりに調整される。
給与所得が海外の組織又は個人によって支払われた場合には、個人は、税務当
局に税金を直接納税する必要がある。同様に、非給与所得については、それぞ
れ課税所得の種類毎及び適用される税率毎に分けて、申告する必要がある。
ベトナムでの雇用契約を終了する外国人は、ベトナムを出国する前に、確定申
告書を提出する必要がある。
D-10. 二重課税防止と租税条約
ベトナムは、世界の60カ国以上と租税条約を締結している。いくつかの条約
は、まだ法的強制力のあるものになっていない。
ベトナム投資ガイドブック | 65
財務報告と監査
66 | ベトナム投資ガイドブック
E. 財務報告と監査
E-1. 法定要件
新しく設立された会社は、初年度内に、会計法の下で定められた資格を満たす
会計主任を任命する必要がある。この期間中、外国投資企業(FIE)によって
任命された公認会計士は、すべての会計活動に対する責任を負わなければなら
ない。
ベトナムで活動しているすべての外資系企業は、法定財務報告の枠組みとし
て、ベトナム会計基準及びシステム(VAS)を適用して、関連する法的要件を
遵守しなければならない。
VASを修正せずに適用している場合、財務省へのVASの使用の登録は必要がな
い。
E-2. 会計原則及び会計慣行
情報ソース
VASは、財務省(MOF)の会計及び監査政策局によって発行された、ベトナム会
計基準、企業会計システム及び関連するガイダンスにより構成されている。
VASの公式英訳も財務省によって公表され、広く普及している。
適用範囲
VASは、ベトナムの国営企業及び民間企業のみならず、外資系企業にも適用さ
れる。
VASは、取引に係る特定の会計コードやアカウント名の使用を含め、会計処理
の方法を詳細に規定している。VASは、収支計算書の標準チャート、内部会計
文書の形式、使用される全ての取引形態に関する記帳の仕訳、及び財務諸表と
開示のテンプレートについても規定している。すべての会計記録は、ベトナム
語かベトナム語・外国語の両方で維持される必要がある。財務省発行の2009年
12月31日付の通達第244/2009/TT-BTC号で述べている様に、必要な会計上の通
貨は、ベトナム·ドン(VND)であり、一定の基準(例えば、主要な売買取引が選
択された会計上の通貨で行われる)を満たす場合のみ、法人は会計上の通貨と
してベトナムドン以外の通貨を選択することが許されている。ドン以外の通貨
で財務諸表を作成する場合、VNDインターバンク為替レートに変換することが
求められ、独立監査人の認定を受けなければならない。
いかなるVASからの逸脱も、財務省の事前承認が必要である。
VASと国際財務報告基準
国際財務報告基準(IFRS、元国際会計基準(IAS))とVASとをハーモナイズさせ
る必要性に鑑み、財務省は以下の26のベトナム会計基準を発行した。
ベトナム投資ガイドブック | 67
VAS 1
枠組み
VAS 2
在庫
VAS 3
有形固定資産
VAS 4
無形固定資産
VAS 5
投資財産
VAS 6
リース
VAS 7
関連会社に対する投資の会計処理
VAS 8
ジョイント·ベンチャーに対する利益の財務報告
VAS 10
外国為替レート変動による影響
VAS 11
企業合併
VAS 14
収益及びその他の収入
VAS 15
建設契約書
VAS 16
借入費用
VAS 17
所得税
VAS 18
引当金、偶発的負債及び偶発的資産
VAS 19
保険契約書
VAS 21
財務諸表のプレゼンテーション
VAS 22
銀行や類似金融機関の財務諸表における開示
VAS 23
貸借対照表の作成日以降のイベント
VAS 24
キャッシュ·フロー計算書
VAS 25
子会社に対する投資の連結財務諸表および会計
VAS 26
関連当事者の開示
VAS 27
中間財務報告
VAS 28
セグメント報告
VAS 29
会計方針、会計上の見積りの変更及びエラー
現在、保険会社、証券取引企業、金融機関向けの、VASを補完する業界固有の
会計ガイドラインがある。
銀行、リース機関、金融機関の会計および報告体制については、ベトナム国家
銀行が公表した規則に従い管理されている。
E-3. 開示、報告及び​​申告要件
レポート形式及び開示要件
VASに基づいて作成された財務諸表の基本セットは、以下のもので構成されている。
68 | ベトナム投資ガイドブック
❖
❖
❖
❖
貸借対照表(別表により貸借対照表からオフ・バランスされた項
目を含む)
所得諸表
キャッシュ·フロー諸表
財務諸表への注記
VASによる財務諸表の作成の際の柔軟性については、報告書様式および開示要
件が財務省によって規定に基づいて制限されている。財務諸表の注記として開
示することが求められる情報には、以下の持分変動の開示、課税所得の計算、
契約債務及び偶発的債務及び関連当事者との取引が含まれる。
報告及び申告
財務諸表は、毎年作成され、監査されし、以下へ申告されなければならない。
❖ 都市や地方の税務署
❖ 外資系企業の場合には、MPI又は関連する投資ライセンス当局
❖ 統計総局 (GSO)
輸出加工区(EPZ)や工業特区(IZ)内の企業については、求められた場合、財務
諸表を、EPZ又はIZ管理委員会に提出することが必要となる。
BCCsに関わる全ての外国投資企業及び当事者は、年次監査済み財務諸表を提出
しなければならない。企業は、登録された財務期間の終了後90日以内に、監査
済み財務諸表を提出しなければならない。
企業の会計年度は、一般的には暦年である。会計年度の変更があった場合に
は、正式な通知が地方税務当局に提出されなければならない。
新しく設立された会社に関しては、設立日から最も近い報告日までの期間が90
日未満の場合は、当該期間は、次の報告年度で集計される。
企業の法的形式、合併、企業結合及び分割に変更がある場合、変更の日付け毎
に別々の報告が必要で、要求される。最寄りの報告日から変更日までの期間が
90日未満である場合、その期間は、前回の報告年度で集計される。
文書および他の会計記録の保持
以下の一般的なガイドラインが、文書及びその他の会計記録の保存に関して適
用される。
❖ 少なくとも5年間保管されるべき文書としては、企業の管理や運
用のために使用されてきたものが含まれる
❖ 少なくとも10年間保管されるべき文書としては、会計データ、会
計帳簿、財務諸表及び独立監査機関の報告書が含まれる
❖ 永久に保持されるべき文書としては、経済、国家安全保障と国防
の観点から重要であるものが含まれる
設立費用及び操業前費用の会計処理
設立費用は、外資系企業の設立以前に発生したものであり、投資証明書の日付
より前を意味し、他方、操業前費用は、設立日からビジネスが商業運用に入る
ベトナム投資ガイドブック | 69
日までに発生したものである。
VASでは、以下の通り、設立費用と操業前費用(トレーニングや広告費を含む)
に対する会計処理について、以下の2つの代替的なアプローチを規定してい
る。(a)発生時に費用として損益計算書に計算 (b) 3年を超えない期間内に繰
延資産償却として資産計上
E-4. 監査要件
現在の規制の下では、外資系企業、上場企業、BCCs、保険会社、金融機関及び
国営企業の年次財務書類は、正式にライセンスを取得した独立の監査法人の監
査を受けなければならない。
監査契約は、2012年1月1日から有効となる独立監査法および2004年3月30日付
の政令第105/2004/ND-CP号に従い、事業体の財務年度終了の遅くとも30日以上
前までに、独立の監査人との間で署名されなければならない。
70 | ベトナム投資ガイドブック
外国為替管理
ベトナム投資ガイドブック | 71
F. 外国為替管理
F-1. 外貨の使用に関する制限
ベトナムの領土内では、居住者と非居住者による全ての取引、決済、リスティ
ング、広告は、以下の場合を除き、外貨 でおこなわれてはならない。
❖ 外国為替サービスを提供することを許可された信用機関その他の
機関との取引
❖ 組織としての居住者は、外貨の電信送金によって内部資金を送金
することが許される(法的事業体と独立した会計機関の間(又は
その逆)など)
❖ 居住者は、ベトナムにおける外国投資プロジェクトを実行するた
めに、外貨建てで資金を拠出することを許される
❖ 居住者は、輸出入委託契約に従って、外国通貨の電信送金による
支払いを受けることが許される
❖ 国内の又は外国契約者(FCs)である住居者は、支払い処理を行う
ために、投資家や主契約者からの外貨の電信送金による支払いを
受けることが許される
❖ 保険事業のサービスを提供する機関である住居者は、オフショア
で再保険されなければならない全ての商品及びサービスに係る保
険の購入者から、外貨の電信送金を受け取ることが許される
❖ 免税品商売、国境ゲートで分離された国際的領域におけるサービ
ス、又は保税倉庫サービスを提供している機関である居住者は、
商品やサービス供給への支払いを、外貨及びベトナムドンで受け
ることが許される
❖ 国境ゲートの税関、公安及び保税倉庫である居住者は、入国/出
国ビザのための全て税金及び手数料、並びにサービスへの手数料
を、非居住者から、外貨により受け取ることが許される
❖ 外交オフィスおよび領事である非居住者は、入国/出国ビザの手
数料、その他の料金および課金を、外貨により徴収することが許
される
❖ 外国人である非居住者及び居住者は、組織である居住者及び非居
住者から、外貨で給料、ボーナス及び手当を受け取ることが許さ
れる
❖ 非居住者は、他の非居住者に対して、外貨による電信為替を送
り、又は居住者に商品及びサービス輸出の金額を支払うことが許
される
その他の必要な場合については、SBVの総裁の許可がある場合可能となる(14)
F-2. 個人による外貨現金の使用
❖
外貨現金を持っている個人の居住者と非居住者は、寄贈又は遺言
による譲渡、認可された金融機関への売却、適法な目的のサービ
スのための海外への送金、又はこの政令に基づいて外貨を徴収す
る資格がある機関への支払いのために、外貨現金を、個人的に蓄
14 外国為替管理実施のための規則に関する政令No.160/2006/ND-CP(「政令No.160」)第4章第 29条
に基づく
72 | ベトナム投資ガイドブック
❖
❖
❖
❖
❖
❖
え又は持ち運ぶことが許される
外貨現金を持っている個人の居住者は、外貨預金口座に関する法
律に従って(15)、認可された金融機関で、普通預金口座に預金し、
元金を引き出し、利子を受けることが許される
ベトナム国民である個人は、その外貨需要を満たすために、彼ら
が来た国の現地通貨である外貨を、現金で、認可された金融機関
で購入する権利を有する。ベトナムの国民が、かれらが来た国の
現地通貨を持っていない場合には、認可された金融機関は、他の
自由に交換出来る外国通貨2を販売をしなければならない(16)。
ベトナム国民の個人は、本通達の第2条第1項に定めている通り、
他国に10日間以内滞在する場合、彼らの外貨需要を満たすた
め、100ドル/1人・日又はこれに等価の他国外貨を、現金で、認
可された金融機関において購入することできる。上記の外貨制限
(17)
は両親3とパスポートを共有する子供にも適用される。
入国時に現金で外貨を持参した個人で、その外貨を認可金融機関
に開設されたその外貨口座に預金すること。
個人は、ベトナムに持参した外貨現金について、国境税関の確認
のある入出国申告書を、認可された金融機関に提示しなければな
らない顧客との取引を行なう場合、認可された金融機関は、外貨
口座への外貨預入金額の確認のため、入出国申告書の原本に印鑑
を押し、同時にこの申告書のコピーを1部保管しなければならな
い。
国境税関に確認された入出国申告書は、個人の外貨口座での外貨
預金に対し、申告書に記載された日付から60日以内の期間のみ有
効である。(18)
F-3. 非居住者によるベトナムドンの使用
組織や個人である非居住者は、以下の収入及び支出の取引を実施するために、
認可された金融機関で、ベトナムドン口座を開設し、使用することを許され
る。
❖ 認可金融機関に、外貨の売上代金を徴収する
❖ ベトナムにおける他の法的なソースからの収入を徴収する
❖ ベトナムで、現金支払いを行ったり、使うための現金を下ろした
りする
❖ 本法令に従い、資本取引に対する現在の取引の支払いに支出する
❖ 法律に従って、贈与の方法や相続の支払いに支出する
❖ 海外送金するため、認可された金融機関で外貨の購入の方法で支
出する
❖ 法律で認められた他の目的のために支出する(19)
15
16
17
18
19
政令No.160第32条に基づく
通達No.20/2011第4条に基づく
通達No.20/2011/TT-NHNN第5条に基づく
通達No.20/2011/TT-NHNN第4条に基づく
政令No.160第33条(非居住者によるベトナムドンの使用)に基づく
ベトナム投資ガイドブック | 73
F-4. ベトナムと国境を接する国の通貨の使用
商品及びサービスの輸出入によるベトナムと国境を接する国の通貨による合法
的な収入又はその他の合法的な収入のある組織又は個人である居住者は、以下
の収入及び支出の取引を行うため、認可された金融機関に、ベトナムドン口座
を開くことを許される。
❖ 商品やサービスの売上代金を徴収する
❖ 認可された金融機関で国境を接する国の通貨の購入により収益を
徴収する
❖ ベトナムにおける他の法的なソースからの収入を徴収する
❖ 商品又はサービスの輸入に対する支払いのための支出をする
❖ 認可金融機関又は両替局へ売却のため支出する
❖ 機関で働く外国人に給料、ボーナス手当を払う、又は国境を接す
る国で使うために現金を下ろす
❖ 法律によって許された他の目的のために支出する
国境地帯および国境ゲートの経済ゾーンで品物を購入するか売却するため、ベ
トナムと国境を接する国々の通貨を使用するためには、SBV6の規則に従わなけ
ればならない。(20)
F-5. 為替レート
外国為替相場は、前日のインターバンク取引からの平均レートで設定される。
このクローリング·ペッグシステムにより、VNDとUS$との交換が、一定の限ら
れた範囲内で取引できるようになった。但し、政府は数年以内に、より市場が
為替相場を決定する方向に向かうようにしたいと計画している。
毎日の現物為替相場は、インターバンク取引市場での前日の平均レートに基づ
いて、SBVによって発表される。2011年2月11日以降、他の銀行は、以前の公式
レート+/- 3%の代わりに、この公式レート+/- 1%以内で取引きしなければなら
ないとされている。
F-6. 外資系企業による銀行口座の開設
ビジネス協力契約のための外資及び外国パートナーを有する企業は、以下の収
入と支出の取引を実施するために、認可された金融機関で、直接投資資本外貨
口座を開かなければならない。
❖ 定款資本金の分担金の受領、直接投資の実施のための資金の受領及
び外国の中長期融資金の受領
❖ ビジネス協力契約のための外資又は外国パートナーを有する企業で
ある居住者の外貨預金口座からの外貨の受取
❖ 外国資本の企業である居住者の外貨預金口座へ送金された外貨の支
出
❖ 外国の中長期融資の元金、利息および手数料のベトナム外への支
出
❖ 外国人投資家の資本、利益、他の法的収入のベトナム外への支出
20 政令No.160第35条(ベトナムと国境を接する国の通貨の使用)に基づく
74 | ベトナム投資ガイドブック
❖ 直接の外国投資活動1に関連するその他の収入や支出の取引(21)
また、外資系企業 (FIEs)は、そのビジネス取引のため、ベトナムで認可され
た銀行で、外貨及びベトナムドンでの当座預金口座を開設することができる。
F-7. 海外借入の登録(22)
外国の資金源からの全ての中長期貸付金は、SBVに登録され、また定期的に報
告されなければならない。借り手は、ローンを返済するために金融機関から外
貨を購入する際、他のいくつかの要件に準拠することが要求される。例えば、
返済は返済スケジュールに沿ったものでなければならない。
完全かつ有効な書類を受け取ってから15営業日以内に、SBVは、海外借入又は
国有商業銀行による国際的な債券の発行プロジェクトについて、承認か拒絶を
公式文書で回答する。拒絶の場合、SBVは理由を明記した文書を提示しなけれ
ばならない。
国有商業銀行は、海外借入金について、月次及び年次によりSBVに直接に報告
することが求められている。提出の締め切りは、遅くとも、それぞれ、月次報
告が翌月10日まで、年次報告が翌年1月31日までとされている。
21 政令No.160第11条に基づく
22 通達18/2011/TT-NHNN
ベトナム投資ガイドブック | 75
土地使用に関する規制
76 | ベトナム投資ガイドブック
G. 土地使用に関する規制
ベトナム国家は、国民全てのために土地を所有・管理し、土地利用者は、土
地を使用する権利を有している(土地使用権、LUR)。土地の所有権及び使用権
は、主に2003年土地法、およびその改正と施行規則によって規定されている。
法律の最も広範なレベルでは、民法は土地や財産に関連する問題をカバーす
る。
G-1. 土地使用権及び土地使用権証明書
土地使用権証明書は、土地使用権の所有の証明書である。アパート所有者に関
する土地使用権証明書に関しては、アパートが建てられる土地の土地使用権
は、建物のユニット所有者によって共同で所有される。
まず、最初の土地使用権証明書は、開発者に発行される。その後、開発者が建
物のユニットを販売する場合、アパート所有者は、土地使用権は共同で所有さ
れ、開発者の土地使用権証明書が修正されて共同所有権を反映する旨の土地使
用権証明書を受け取る。一つ以上のアパートの建物で使用される共通の領域に
ついては、分割された土地使用権証明書が、開発者又は管理会社に発行される
ことができる。
ベトナムにおける外国人投資家は、(i)JVCへの現地パートナーによる土地使用
権の価値の形で出資する、又は、(ii)国家を含む特定の許可された貸手から直
接借地契約する、のいずれかの方法で土地使用権を取得することができる。
G-2. 借地
外国人投資家が、出資したJVCの現地パートナーからの持ち分という形でLURを
取得することを好まない場合、又は外国人投資家が100%外資系企業を設立し
たい場合、その投資家は、ベトナムで企業を設立した後、政府から直接土地を
リースすることを検討することができる。
外資系企業に対する土地の賃貸を許可された地主
ベトナムにおける外資系企業は、政府、或いはインフラストラクチャの開発者
から、土地を賃借することができる。また、現在の土地法に基づいて、外国人
投資家によって設立されたベトナムにおける外資系企業が、以下のように土地
をリースすることができる。
❖ 国営企業、民間の株式会社や有限会社を含むベトナムの経済団体
❖ 海外に住んでいるベトナム人(越僑)
❖ 既存の外資系企業が 借地全期間の土地賃貸料を支払った場合には、
政府から土地を賃借し、その土地にインフラ整備を開発する。
土地法に基づいて、「割当」という制度で土地を取得した地主は、外資系企業
に土地をリースすることができる。
「リース」方式の下で、地主の土地が外資系企業に転貸されることができるこ
とについての唯一の例外は、地主が新しい土地法の施行日の前(すなわち2004
年7月1日)に土地をリースし、当該土地の全賃貸期間の賃貸料が前払いされ、
又はほとんどの期間について前払いされ、残族期間が5年未満となっている場
合である。
ベトナム投資ガイドブック | 77
賃貸期間
リース期間は、50年(又は何らかの特別な事情により70年)を超えないことを
条件として、承認されたプロジェクトの期間と一致している必要がある。借人
が土地の使用を継続したい場合には、リース期間の延長が、期間が満了した時
点で、政府により許可される場合がある。
借地に係る外資系企業の権利
外資系企業のLURは、土地賃貸料の支払い協定によって違ってくる。土地が政
府からリースされる場合、土地法は、土地賃貸料のための以下の2つの支払い
方法を意図している。
❖ 年間土地賃貸料支払い (年払い)
❖ 全リース期間の土地賃貸料の一括払い (一括払い).
年払いの土地賃貸の場合、外資系企業は、土地を使用するができるが、LURの
譲渡・転貸・担保することは許されない。
一括払いしている外資系企業は、土地使用権及び土地付き資産を譲渡すること
(年払いの外資系企業は土地付き資産を譲渡することのみができる)、土地及び
土地付き資産を転貸すること、土地使用権及び土地付き資産をジョイント·ベ
ンチャーへの資本として出資すること、及び期間中に土地使用権及び資産を担
保・保証として用いることができる。
住宅開発者に対する追加的な権利としては、住宅の基礎が建設された時点で、
プロジェクトサイトにある住宅をLURと共に販売し、又はリースすることがあ
げられる。購入者は、ベトナム人家庭、個人、或いは組織である。ベトナムで
働いている外国人、又は外資系企業は、法律に基づく条件の下で、商業用住宅
区域において、駐在員のための1つ又は複数のアパートを購入することができ
る。
さらに、プロジェクトサイトは、プロジェクトの継続のために、企業に譲渡さ
れることができる。(すなわちプロジェクトの譲渡)
地価
地価は、以下の3つの方法により決定される。
❖ 該当人民委員会によって
❖ 競売によって
❖ 土地使用権の譲渡/賃貸、転貸又は資本形態による土地使用権に
基づく土地の 使用者によって 国は、通常の状況における土地の実勢価格に基づいて、地価を決定する。
省人民委員会は、毎年、様々な種類の土地のための公式な土地価格を公表する
ことができる。この公式な土地価格は、法律で定められた地価の枠組の、最大
価格より20%以上高く、又は最低価格より20%以上低くしてはならない。
国は、以下の目的のために、地価を決定する。
❖ 土地使用税、土地使用権譲渡に伴う所得税、土地使用登録料、国
が土地使用権を停止する際の補償、国家に損害を及ぼす土地法違
78 | ベトナム投資ガイドブック
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❖
❖
反者すに対する罰金、及び土地賃貸料等を評価するため
入札以外の方法で土地を調達することを含むプロジェクトを実施
するため
土地が土地使用料なしで割り当てられる際のLURの値を算出する
ため
商業用不動産のリース
土地の一部を賃借する代わりに、サービス会社又はソフトウェア会社は、商業
ビルのオフィスを賃借することが可能である。
別の選択肢としては、IZやEPZ内にある別の会社のオフィスや工場を賃借する
ことができる。
土地契約書の公証
土地法に基づき、土地取引に関連する全ての契約書は、経営者又は地主が不動
産事業を行うために許可された財産を譲渡又はリースする場合を除き、公証人
役場で公証されなければならない。
ランド・クリアランス(土地収用)
土地法に基づき、ベトナムに投資している外国の組織、個人及び越僑は、住民
の再定住のための補償や支援を支払う必要はない。但し、これらが事前に支払
われている場合には、関連する賃貸料から相当額が差し引かれることとなる。
外国の組織、個人及び越僑による使用のために土地を収用する場合には、国
が、サイト・クリアランス及び土地使用者への補償の責任を負う。外国人投資
家は、サイト・クリアランス及び補償について、現在の土地使用者との直接の
交渉に入ることができる。
G-3. 外国人所有のアパート
どの住宅が売買の対象となるか?
外国の組織及び個人が購入し、所有することを許可されている住宅は、商業用
住宅の開発のためのプロジェクトの下で建設され、外国人の居住や旅行が制限
又は禁止されている地域に立地していないアパートである。
誰にベトナムにおける住宅を購入する資格があるのか?
以下の外国の組織及び個人は、ベトナムで住宅を購入し、所有することが許可
されている。
(1) 投資法に基づいて、ベトナムへの直接投資を行う外国人、又は、
企業法に基づいて、ベトナムで事業を行う国内及び外資を含む企
業において、管理職として働くために雇われた外国人
(2) ベトナムに貢献し、ベトナム社会主義共和国大統領によって勲章
又はメダルを授与された外国人、又は、ベトナムに対して特別な
貢献をした者として、首相により決定された外国人
(3) 社会経済的な分野で働いており、大学又はそれ以上
(4) の学歴を有している者、又は、ベトナムが必要とする分野の専門
ベトナム投資ガイドブック | 79
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家ベトナム国民と結婚している外国人
(5) 投資法に基づく外資系企業であって不動産事業に投資していない
者が、その従業員のために住宅を購入を望む場合
対象者はどんな条件を満たす必要があるか?
上記(1)、(2)、(3)及び(4)に規定される対象者は、ベトナムに居住している必
要があり、少なくとも1年間ベトナムに駐在することを然るべき国家機関によ
り許可された者で、ベトナムの法律に基づく外交官又は領事官特権及び免責の
対象外となる者である。これらの対象者は、商業用住宅開発プロジェクトのア
パート1区画のみを所有できる。これらの者が別の住宅を寄贈され又は相続し
た場合にはこれらの者は、寄贈・相続された住宅の価値を享受しつつそのアパ
ートを所有することのみ選択できる。
(5)に係る外資系企業は、投資法に基づく投資証明証、又はそのその投資形態
が適切なものであることについて所管するベトナム当局が発行した書面による
証明書を所持しなければない。これらの外資系企業は、その従業員のための
商業用住宅開発プロジェクトの1つ又は複数のアパートを所有することができ
る。これらの企業が他の住宅(商業用住宅開発プロジェクトではない)を寄贈さ
れ又は承継した場合には、住宅の価値を享受しつつそのアパートを所有するこ
とのみが可能である。
非ベトナム人がアパートを永久的に所有することはできるか?
有資格の個人は、住宅所有権証明書に記載された住宅所有権証明書の交付日か
ら最大50年間アパートを所有することができる。ベトナムでの住宅所有期間の
失効後12ヶ月以内に、これらの者は、そのアパートを販売するか、贈与しなけ
ればならない。
有資格の外資系企業は、延長期間中も含め、投資証明書に記載された期間、ア
パートを所有することができる。この期間は、その証明書に記載されている通
り、企業の住宅の所有権の証明書が交付された日から起算される。認可投資期
間が終了した時、又は企業の解散又は破産の場合には、当該アパートは、ベト
ナムの法律の規定に従って処理される。
アパートの所有者の権利とは何であるか?
アパートの所有者は、所有権証明書が当該者に交付された日から12ヶ月経過し
た後に、そのアパートを販売又は贈与することができる。所有者が、既にベト
ナムに居住していない場合には、当該所有者は、上記で指定された期限より前
に、そのアパートを販売したり、贈与することができる。
このような所有者は、居住用に限ってアパートを使用する権利を有しており、
賃貸、業務、オフィスその他の目的のためにアパートを使用してはならない。
所有者は、ベトナムにおける信用取引認可を取得している金融機関に対して、
アパートを担保にすることができる。
80 | ベトナム投資ガイドブック
環境
ベトナム投資ガイドブック | 81
H. 環境 ベトナムは、1993年に最初の環境保護法を制定した。環境問題への意識の高ま
りに関する国際的な動向に沿って、新たな、より包括的な法律が、2005年に導
入された。近年、ベトナムでは、環境への意識と懸念が、さらに高まりを見せ
ている。
一般的に、ベトナムの環境法は、投資家に以下を求めている。
❖ 環境影響評価報告書又は環境保全の取組み(後述)に記載された方
法で環境保全措置を講ずること
❖ 廃棄物の適切な最小化と管理を含め、事業活動による環境への悪
影響を防止し、また制限すること
❖ 適用される環境基準(土壌、水、大気、騒音、光や放射線の品質
に関する技術基準を含む)を遵守すること
❖ 事業活動によって生じた全ての環境汚染の是正及び環境税及び保
護費用を支払うこと
H-1. 国家管理
天然資源環境省(MONRE)は、環境問題について、第一次的な責任を負う国家機
関である。MONREは、以下のようなタスクを実施する。
❖ 戦略的環境アセスメント·レポートを評価すること
❖ 環境基準達成証明書を発行すること
❖ 監督・検査及び環境法令違反の取り締まり
これに加え、他の省庁や国家機関も、環境保護と管理の特定の面について責任
を委託されている。例えば、天然資源環境省検査官が、コンプライアンスのた
めの製造活動・サービスを監督・検査する一方で、全てのレベルの人民委員会
は、環境影響評価報告書の評価·承認を行う。ほとんどの鉱山プロジェクトや
工業団地を含む大規模プロジェクトは、承認された環境影響評価報告書を必要
とする。
H-2. 環境影響評価
環境影響評価報告書(EIARs )
特定の種類のプロジェクトでは、EIARを準備する必要がある。対象となるプロ
ジェクトのリストには、国家の重要(大規模)なプロジェクト、通信建設プロ
ジェクト、工業地帯、多くの軽・重工業施設、ほとんどの鉱山プロジェクト、
大規模観光、エンターテイメントなどのプロジェクトが含まれる。
❖ EIARsは、プロジェクト・サイトの環境状況と潜在的な環境影響
を評価し、プロジェクトの環境への悪影響を最小限に抑えるため
の具体的な施策や事業を設定し、環境を保護するための適切な措
置を講じるものである。EIARsには、プロジェクトの環境面に関
する異議や提案された環境保護対策に対する見解の相違など如何
なるものであれ、地元当局や地域の代表者の意見が含まれていな
ければならない。
❖ EIARsは、これらのプロジェクトの実現可能性調査(FS)と並行し
82 | ベトナム投資ガイドブック
て作成される。
❖ プロジェクトオーナーは、自らEIARsを準備するか、又は認証さ
れたコンサルタント会社を雇用して準備させる。
❖ EIARsは、認可を受けるために、プロジェクトの種類に応じて、
プロジェクトを認可する権限を有するMONRE、関係省庁又は省の
人民委員会に提出される。
❖ EIARsが義務づけられている場合には、EIARsが承認された後で投
資証明書、建設許可書あるいは運転許可証が発行される。
環境保全保証(EPUs)
EIARを準備する必要のない、製造、ビジネス、サービス等の企業は、EPUsを作
成し、地区の地方人民委員会に登録する必要がある。EPUsには、設立の場所、
形態及び規模だけでなく、使用されるエネルギーや発生される廃棄物の種類も
含める。EPUsには、廃棄物を最小限に抑え処理すること、及び、環境法の遵守
についても含めることが必要である。製造業やその他のビジネス活動を開始す
る前に、EPUsの登録の証明書が要求される。
ベトナム投資ガイドブック | 83
技術移転
84 | ベトナム投資ガイドブック
I. 技術移転
ベトナムにおける技術移転は、次のもので規制されている。
❖ 2007年7月1日に施行された技術移転法(LTT) ❖ 技 術 移 転 法 の 施 行 を 指 導 す る 2 0 0 8 / 1 2 / 3 1 日 付 け の 政 令 第
133/2008/ND-CP号
技術移転法は、7章61条項を含み、技術移転のための適切な対象、移転のため
の奨励措置、​​技術移転の制限及び禁止、技術移転契約、技術移転サービス(技
術移転の仲介、鑑定、評価、審査、促進を含む)、技術移転を促進し、強化す
るための施策、技術移転の承認と登録、技術移転の紛争・請求・弾劾・違反の
処理などの内容を含む。
I-1. 一般的な原則
LTTは、技術を、「資源を製品に転換するために用いられる解決策、プロセ
ス、及びノウハウ。道具及び方法に関係するものもあれば、そうでないものも
ある」と定義している。
LTTは、技術を、移転することが奨励される技術(奨励技術)、移転することが
制限される技術(制限技術)、及び移転することが禁止される技術(禁止技術)に
分類している。政令133では、奨励技術、制限技術及び禁止技術のリストを提
供している。
「技術移転」という用語は、個人又は法人のいずれかについて、自らの技術の
権利を移転すること、又は技術を使用する権利をライセンス/サブライセンス
すること、のいずれかを指す。
技術移転の対象が、既に工業所有権の対象として保護されている場合には、こ
のような技術の所有権の移転は、知的財産に関する法律の定めるところによ
り、工業所有権の所有権の移転とともに実施されなければならない。この場合
の実際の技術移転は、知的財産権に係る法令に基づいて行なわれ、技術移転規
制の範囲外に属することとなる。
技術移転は、独立した技術移転契約、又は投資プロジェクト、フランチャイズ
契約、工業所有権譲渡契約、機械・機器の購入・売買契約などのプロジェクト
若しくは契約の一部である技術移転条項という形で実施することができる。
I-2. 技術移転契約
技術移転契約は、技術移転に法的根拠を与え、支払及び紛争の解決方法を設定
する実行のための基盤となる。技術移転契約(TTCs)は、書面による契約の他
に、電報、テレックス、ファックス、データメッセージなど、法律に基づいて
認められたその他の同等な方法により合意することができる。
技術移転契約書(TTC)の当事者は、以下の項目に従い合意に達することが出来
る。
❖ TTCの名前、明記された移転される技術の名前
❖ 移転される技術の対象及びその技術により生産される商品
❖ 技術の所有権及び/又は使用権の譲渡
ベトナム投資ガイドブック | 85
❖
❖
❖
❖
❖
❖
❖
❖
❖
❖
❖
❖
技術移転の方法
当事者の権利と義務
価格と支払方法
TTCの発効日及び有効期間
TTCで使用される定義及び概念(ある場合)
技術移転の計画及びスケジュール、技術移転を実行する場所
技術移転のための保証を提供する責任
TTCの違反に対する罰則
TTCの違反に対する責任
紛争解決に適用する法律
紛争解決のための裁判所
ベトナムの法律に反しない条件を満たす、その他の合意
I-3. 準拠法
当事者は、ベトナムの法律の規定に反しない他の条件とともに、外国の法律に
同意することを許可されている。
2005年民法の第776条項に基づき、外国パートナーとの技術移転(すなわち、ベ
トナムの事業者及び外国の事業者が、外国からベトナムへ、又はベトナムから
外国への間で、技術移転を行う)にあたっては、以下の法律に準拠しなければ
ならないとされている。(i)技術移転に関する民法2005年及びベトナムの他の
法的文書の規定、(ii)ベトナムが契約当事者である国際条約、又は(iii)外国
法(当該外国法の適用あるいはその適用の結果が、ベトナムの法律の基本原理
と矛盾しない場合)
LTTは、外国の当事者との間でTTCに関して発生する紛争は、国内又は国際的に
認められた仲裁人、又は当事者がベトナムの法律の基本原則と矛盾しない範囲
で選んだ裁判所のいずれかによって解決されることができると定めている。
I-4. 登録
LTTは、「当事者が、本法およびその他の関連法律で指定された優遇措置を享
受できるようにするための基盤を設定する」ため、「無制限」TTCsについて、
当事者の任意に基づいて登録するための権利を提供している。すなわち、各当
事者は、LTT及びその他の関連法律に従った優遇措置を受けることができるよ
うに、TTCsを登録することが示唆されている。
LTTは、制限技術の移転は、TTCが当事者によって実施される前に、管理当局(
「技術当局」)による認可が必要であり、TTCの実行後に許可が発行されるとし
ている。
I-5. 価格設定
当事者は、自由にTTCによる技術移転用の支払価格に合意することができる。
その支払いは、次の1つ又は組み合わせた方法で行なうことができる。
❖ 現金或いは商品で、一括払い又は分割で払う
❖ 投資プロジェクトや法律で定められた企業の資本への出資などで
86 | ベトナム投資ガイドブック
❖
の技術の価値の移転
当事者が合意した他の支払い方法
I-6. 守秘義務
技術移転許可証及びTTCsの登録証明書の発行を所管する当局は、技術移転の許
可証の発行及び技術移転契約の登記にあたっては、申請書ファイル内の技術及
び企業の秘密を守ることが義務付けられている。
ベトナム投資ガイドブック | 87
付録
88 | ベトナム投資ガイドブック
付録
付録1-ベトナムにおける外国人投資家の事業活動に関連す
る主要な法的文書のリスト
番号
法的文書
制定機関
内容
1
2005年11月29日付法律第
59/2005/QH11号
国会
投資手続、投資優遇策、投資家の権利
及び義務を定めた投資に関する法律
2
2005年11月29日付法律第
60/2005/QH11号
国会
企業の形態、設立手続、組織及び運営
について定めた企業に関する法律
3
2010年4月15日付政令第
43/2010/ND-CP号
政府
事業登録に関する政令
4
2006年9月22日付政令第
108/2006/ND-CP 号
政府
投資法を施行するためのガイドライン
に関する政令
5
2010 年10月1日付政令第
102/2010/ND-CP号
政府
企業法を施行するためのガイドライン
に関する政令
2006年10月19日付決定第
1088/2006/QD-BKH号
計画投資省
ベトナムの投資手続における規定書式
の公布に関する決定
2010年6月4日付通達第
14/2010/TT-BKHDT 号
計画投資省
政令第43/2010/ND-CP号を施行するた
めのガイドラインに関する通達
外国投資
6
7
外国為替管理
8
2005年12月13日付法令第
28/2005/PL-UBTVQH 11号
国会の常務委
員会
外国為替管理に関する布告
9
2006年12月28日付政令第
160/2006/ND-CP号
政府
外国為替管理に関する布告を施行する
ためのガイドラインに関する政令
10
2005年11月1日付政令第
134/2005/ND-CP 号
政府
企業の外国為替借入及び返済に関する
政令
国会
労働法
国会
1994年6月23日付労働法を改正・補足
するための法律
政府
ベトナムで働く外国人の募集及び管理
に関する政令
政府
政令第34/2008/ND-CP号を改正・補足
するための政令
国会
土地法
政府
土地法を施行するためのガイドライン
に関する政令
労働
11
1994年6月23日付労働法
2002年4月2日付法律第
35/2002/QH10号
12
13
14
2006年11月29日付法律第
74/2006/QH11 号
2008年3月25日付政令第
34/2008/ND-CP号
2011年7月17日付政令第
46/2011/ND-CP号
土地
15
16
2003年11月26日付法律第
13/2003/QH11号
2004年10月29日付政令第
181/ND-CP号
17
政令第17/2006/ND-CP号
18
政令第84/2007/ND-CP号
19
政令第41/2009/ND-CP号
2004年10月29日付政令181/ND-CP号を
改正・補足するための政令
ベトナム投資ガイドブック | 89
番号
法的文書
制定機関
内容
20
2004年10月29日付政令第
182/ND-CP号
政府
土地に係る行政手続違反に対する制裁
に関する政令
21
2005年11月14日付政令第
142/2005/ND-CP 号
政府
土地賃貸に関する政令
22
2010年12月30日付政令第
121/2010/ND-CP 号
政府
2005年11月14日付政令第142/2005/
ND-CPを改正・補足するための政令
23
2005年11月29日付法律第
50/2005/ QH11号
国会
知的財産法
24
2006年11月29日付法律第
80/2006/QH11号
政府
技術移転法
25
法第36/2009/QH12
国会
知的財産法を改正・補足するための法
律
26
2006年9月22日付政令第
103/2006/ND-CP 号
政府
知的財産法を施行するためのガイドラ
インに関する政令
27
2010年12月31日付政令第
122/2010/ND-CP 号
政府
2006年9月22日政令第 103/2006/ND-CP
号を改正・補足するための政令
知的財産
輸入- 輸出
28
2005年6月27日付法律第
45/2005/QH11号
国会
輸出入法
29
2001年6月29日付法律第
29/2001/QH10号
及び
2005年6月14日付法律第
42/2005/QH11号
国会
関税法
30
2010年8月13日付政令第
87/2010/ND-CP号
政府
関税法を施行するための政令
各種の税金
31
2006年11月29日付法律第
78/2006/QH11号
国会
税務管理法
32
2008年6月12日付法律第
14/2008/QH12号
国会
法人税法
33
政令第124/2008/ND-CP号
11/12/2008
政府
法人税法の施行のためのガイドライン
に関する政令
34
2011年12月27日付政令第
122/2011/ND-CP号
政府
法人税法の施行のためのガイドライ
ンに関する2008年12月11日付政令第
124/2008/ND-CP号の修正・補足のため
の政令
35
2012年7月27日付通達第
123/2012/TT-BTC号
財務省
法人税法に関する政令第124号を施行
するための通達
36
2008年6月12日付法律第
13/2008/QH12号
国会
付加価値税法(VAT)
37
2008年12月8日付政令第
No.123/2008/ND-CP号
政府
付加価値税法(VAT)を施行するため
の政令
38
2008年12月26日付通達第
129/2008/TT-BTC号
財務省
付加価値税法(VAT)に係る政令第123
号のガイドラインに関する通達
39
2008年11月28日付法律第
27/2008/QH12号
国会
特別消費税法
40
2009年3月16日付政令第
26/2009/ND-CP号
政府
特別消費税法を施行するためのガイド
ラインに関する政令
90 | ベトナム投資ガイドブック
番号
法的文書
制定機関
内容
41
2009年3月27日付通達第
64/2009/TT-BTC号
財務省
特別消費税法に係る政令第26号のガイ
ドラインに関する通達
42
2007年12月5日付個人
所得税に関する法律第
04/2007/号
国会の常務委
員会
個人所得税法
43
2008年9月8日付政令第
100/2008/ND-CP号
政府
個人所得税法の施行のための政令
44
2012年10月28日付政令第
106/2010/ND-CP号
政府
租税管理係る政令第85/2007/ND-CP
号及び個人所得税法に係る政令第
100/2008/ND-CP号を改正・補足するた
めの政令
45
30/09/2008年9月30日付通
達第 84/2008/TT-BTC号及
び2009年3月27日付通達第
62/2009/TT-BTC号
財務省
個人所得税法に係る政令第100号を施
行するためのガイドラインに関する通
達
条件付き投資分野について投資家に対して適用される法令のリスト
不動産事業
2006年6月29日付法律第
63/2006/QH11号
2007年10月15日付政令
第153/2007/ND-CP 号
2005年11月29日付法律第
56/2005/QH11号
2010年6月23日付政令第
71/2010/ND-CP号
46
47
48
49
国会
不動産事業法
政府
不動産事業法を施行するための政令
国会
住宅法
政府
住宅法を施行するための政令
国会
教育法
政府
職業訓練及び教育に関する外国投資家
との協力及び投資に関する政令
教育
2005年6月14日付法律第
38/2005/QH11号
2012年9月26日付政令第
73/2012/ND-CP号
50
51
情報通信
郵便法
52
法第49/2010/QH12号
国会
53
2011年6月17日付政令第
47/2011/ND-CP号
政府
郵便法を施行するための政令
54
法第41/2009/QH12号
国会
通信法
55
2011年4月6日付政令第
25/2011/ND-CP号
政府
通信法を施行するための政令
国会
鉄道法
国会
民間航空法
国会
海事法
政府
海運サービス事業の条件に関する政令
交通/運送
56
57
58
59
2005年6月14日付法律第
35/2005/QH11号
2006年6月29日付法律第
66/2006/QH11号
2005年6月14日付法律第
40/2005/QH11号
2001年3月19日付政令第
10/2001/ND-CP号
60
2009年10月19日付政令第
87/2009/ND-CP号
政府
マルチモーダル輸送に関する2009年10
月19日付政令第87/2009/ND-CP号を改
正・補足するための政令
61
2009年10月21日付政令第
91/2009/ND-CP号
政府
道路運送業の条件に関する政令
ベトナム投資ガイドブック | 91
付録2 - 投資優遇措置の対象分野のリスト
(投資法を施行するためのガイドラインを定めた2006年9月22日付政令第
108/2006/ND-CP号において制定)
特別な投資優遇が与えられる分野のリスト
a.新材料・新エネルギー、ハイテク製品、バイオテクノロジー製
品、IT製品の生産、製造機械の生産
1. 複合材料、軽量構造材料、希少で貴重な材料の生産
2. 高品質の鋼鉄、合金、特殊金属、多孔性金属、鋼ビレットの製造
3. 新エネルギー(太陽エネルギー、風力エネルギー、バイオガス、
地熱エネルギー、潮力)を利用するプラントの建設
4. 医療分野における分析・抽出技術を用いた医療機器、整形外科器
具、車椅子、障害者用特殊器具の生産
5. 高度な技術、バイオテクノロジーを適用した国際GMP基準を満た
す医薬品生産プロジェクト、医薬用抗生物質の生産
6. コンピュータの製造、情報、通信、インターネット機器、重要な
情報技術製品
7. 半導体やハイテク電子部品の生産、ソフトウェア製品、ウェブ・
アプリケーションの生産、ソフトウェア・サービスの提供、情報
技術に関する研究、IT分野での人材育成、
8. 精密機器、工業生産の過程で用いられる安全検査・制御用の設
備・機械、産業用ロボットの生産及び製造
b.農林水産物の栽培・加工、塩の生産、品種改良、新種の種苗及び動
物の育成
1. 植林及び森林管理
2. 未耕作地及び未開発水域における農林水産物の栽培
3. 沖合漁業
4. 新種株の生産、高い経済性を持つ動植物の種子・品種の増殖や交
配
5. 塩の生産、開拓と精製
c.ハイテク・新技術の活用、生態環境の保護、ハイテクの研究、開発
及び育成
1. ハイテク技術の応用、ベトナムで適用されていない新技術の採
用、バイオテクノロジーの応用
2. 汚染処理・環境保護、環境測定・分析機器、環境汚染処理用機器
の製造
3. 液体廃棄物、気体廃棄物及び固形廃棄物の収集・処理、廃棄物の
リサイクル・再利用
4. ハイテク研究、開発及び育成
d.多数の従業員の雇用
常時5,000人以上の従業員を採用するプロジェクト
92 | ベトナム投資ガイドブック
e.インフラや重要なプロジェクトの建設と開発
工業区、輸出加工区、ハイテク区及び経済特区のインフラ施設の建設・運営並
びに首相の決定に基づく重要プロジェクト
f.
1.
2.
3.
4.
教育、訓練、医療、体育及びスポーツの分野における施設の整備
薬物中毒センター及びタバコ中毒センターの建設
伝染病防止のための衛生サービス提供施設の設立
高齢者センター、障害者及び孤児のための救援センターの設置
ハイレベルの選手を訓練・指導するためのスポーツ・センターの
建設、障害者用のスポーツ・センター、国際的なスポーツ・イベ
ントの基準を満たす練習・競技用の機器・設備を備えたスポー
ツ・センター
g.
1.
2.
3.
生産·サービスの他の分野
売上高の25%以上の研究開発(R&D)への投資
海難救助サービス
工業区、輸出加工区、ハイテクゾーン、経済特区で働く従業員の
ためのアパートの建設、大学生のための寮の建設、社会福祉を受
ける権利を有する人々のための住宅建設
B. 投資優遇が与えられる分野のリスト
a.
新材料、新エネルギー、ハイテク製品、バイオテクノロジー製
品、IT製品の生産、製造機械の生産
1. 遮音材、電気絶縁材、高断熱材、木材代替合成材料、耐火材料、
建設プラスチック、グラスファイバー、特殊セメントの生産、
2. 非鉄金属の生産、鋳鉄製錬
3. 金属及び非金属製品の金型の製造
4. 新発電所の建設、送配電ネットワークの構築
5. 医療機器の製造、自然災害・重大事故・伝染病予防のための医薬
品の備蓄倉庫建設
6. 食品中の有害物質の試験用機器の生産
7. 石油化学産業の開発
8. コークス、活性炭の生産
9. 作物保護用薬剤、殺虫剤、動物用の予防・治療薬及び水生生物、
家畜用医薬品の生産
10. 医薬品用原材料、社会的な疾患の予防・治療薬の生産、ワクチ
ン、医療用バイオ製品、医薬品原材料から作られた医薬品、漢方
薬
11. 薬効を評価するための生物学的試験施設の建設、薬剤の生産、保
存及び試験のための生産基準を満たす施設の建設、医薬品原料の
栽培、収穫及び加工
12. 医薬品原料の資源開発、医薬品原料を用いた医薬品の生産、漢方
薬処方の科学的根拠の調査・証明及び漢方処方試験基準を策定す
ベトナム投資ガイドブック | 93
13.
14.
15.
16.
17.
18.
19.
るためのプロジェクト、医薬品の製造に使用される医薬品原料に
関する調査・統計整理、漢方処方の収集・継承・適用、新たな医
薬品原料の探究・開発・応用
電子製品の生産
石油、鉱業、エネルギーの利用の分野における機械、機器及びシ
ステムの生産、大型昇降機器の製造、金属加工用工作機械、冶金
設備の製造
高電圧・中電圧機器、大型発電機の製造
ディーゼルエンジンの生産、船の生産、建造、修理、貨物船や漁
船用の機材やスペアパーツの生産、動力機械、油圧機械や部品、
圧縮機の製造
建設用の機器、車両、機械の製造、運送業界のための技術的な機
器の製造、機関車と客車の製造
農業·林業生産用機械器具、機械、機器、スペアパーツの生産、
食品加工機、灌漑用の機器
繊維·衣服産業用の機械・機器の製造、皮革産業用の機械の製造
b. 農林水産物の栽培・加工、塩の生産、品種改良、新種の種苗及び動
物の育成
1. 薬用植物の栽培
2. 収穫後の農産物保管、農水物及び食品の保管
3. 瓶詰、缶詰の果物飲料の生産
4. 牛、家禽、水生生物用の飼料の生産・精製
5. 工業用及び林業用植物の栽培、畜産、水産養殖、植物及び家畜の
保存に関する技術サービス
6. 動植物の種子・品種の生産、繁殖および交配
c. ハイテク、新技術の活用、生態環境の保護、ハイテクの研究、開発
及び育成
1. 石油のオーバーフロー制御設備の製造
2. 廃棄物処理用機器の製造
3. 技術的な施設や設備の建設、新しい生産技術の研究室・実験所、
研究所の設立
d. 多くの社員の雇用
常時500人から5,000人の従業員を雇用するプロジェクト
e. インフラ施設の建設と開発
1. 農村部における生産施設、共同事業及び地域生活に係るインフラ
施設の建設
2. 農村部における生産及び商業活動のための複合インフラ施設の運
用プロジェクト
3. 生活用水及び工業用水用の給水システム・プラントの建設、排水
システムの建設
4. 橋、道路、空港、港湾、鉄道駅、バスターミナル、駐車場の建設
94 | ベトナム投資ガイドブック
5.
及び改修、鉄道網の拡大
付録3の人口密集地域における技術インフラの建設
f. 教育、訓練、医療、体育、スポーツ、国の文化分野における施設の
整備
1. 教育・訓練施設の建設、幼稚園、小中高校、職業教育学校、短期
大学及び大学全てのレベルにおける私立学校及び教育訓練施設の
設立
2. 私立病院及び民間病院の設立
3. 体育・スポーツセンター、運動クラブ、体育・スポーツクラブの
建設、体育やスポーツの練習に使用する機器や機材の生産・製
造・修理の確立
4. 民族音楽及び舞踊の国家文化館、歌手及び舞踏家グループの設
立、劇場、映画スタジオ、フィルム印刷及び開発施設、映画館、
民族楽器の生産·製造・修理、博物館、国家文化館、文化・芸術
学校の改築・保存
国立観光地域及びエコツーリズム地域の建設、スポーツ・エリア及びエ
ンターテイメント・エリアを含む文化公園の建設
g. 伝統工芸の育成
美術品及び工芸品の生産に関連する伝統工芸品の育成・開発、農産物・食品の
加工、文化的製品の生産
h. 他の生産又はサービスの分野
1. インターネット接続、アクセス及びアプリケーション・サービス
の提供、並びに付録3の地域における電話ブースの設置
2. 公共交通手段の開発、船舶、飛行機、鉄道、その他陸上交通手
段、24席以上の旅客輸送用自動車の開発、河川旅客用の近代的・
高速船、コンテナ船、外航船舶
3. 市街地からの工場移転プロジェクト
4. 第1級市場と展示会場の建設
5. 子供用おもちゃの生産
6. 人民信用基金による資金調達・貸付プロジェクト
7. 法務コンサルティング、知的財産及び技術移転に関するコンサル
ティング
8. 農薬用原料の生産
9. 基礎化学品、精製化学品、特殊化学品、染料の生産
10. 洗剤用原料及び化学産業のための添加物の生産
11. 農林産品原料の紙、段ボール、厚板の生産、紙パルプの製造
12. 織物、織物製品、シルク及びその他繊維製品の生産、製革及び皮
革の半加工
13. 首相決定に基づく工業区への投資プロジェクト
ベトナム投資ガイドブック | 95
付録3-投資優遇措置の対象地域のリスト
(投資法を施行するためのガイドラインを定めた2006年9月22日付政令第
108/2006/ND-CP号において制定)
番号
省
特別に困難な社会経済
的条件を持つ地域
1
バック・カン
全ての県及び市
2
カオ・バン
全ての県及び市
3
ハー・ザン
全ての県及び市
4
ライ・チャウ
全ての県及び市
5
ソン・ラ
全ての県及び市
6
デイン・ビエン
すべての県とディエンビエ
ン市
7
ラオ・カイ
すべての県
ラオ・カイ市
8
トウイエン・ク
アン
ナ・ハン及びチエム・ホア
区
ハム·イェン、ソンドゥオン及
びイェンソンの各県、トゥエン
クアン市
9
バック・ザン
ソン・ドン県
リュックガン、リュックナム、
イェンテイ、及びヒェップホア
の各県
ホアビン
ダ·バク及びマイ・チャウの
各県
キム・ボイ、キー・ソン、ルオ
ン·ソン、ラック・トウイ、タ
ンラック、カオ・フォン、ラッ
ク・ソン及びイエン・トウイの
各県
ランソン
ビン・​ジ ア、ディン・ラッ
プ、カオ・ロック・ロッ
ク・ビン、トランディン、
ヴァン・ラング及びヴァン
クアンの各県
バック・ソン、チ・ラン、フ
ウ・ルンの各県
12
フー・トウ
タイン・ソン及びイエン・
ラップの各県
ドアン・フン、 ハホア、プーニ
ン、ソン・タオ、 タイン・バ、
タム・ノン、及びタイン・トウ
イの各県
13
タイ・グエン
ボ・ナイ及びデイン・ホア
の各県
ダイ・ツ、フートウ、フールオ
ン、フー・ビン及びドン・ヒー
の各県
14
イエン・バイ
ルック・イエン、ムー・カ
ン・チャイ及びチャム・タ
ウの各県
チャン・イエン、バンチャン、
ヴァン・イエン及びイエン・ビ
ンの各県、及びギア・ロ市
15
クアン・ニン
バ・チェ、ビン・リエウの
各県、コ・ト島県、及び他
の島
カム・ファ県
16
ハイフォン
ビャク・ロン・ヴィ島県、
及びカット・ハイ島県
17
ハー・ナム
リ・ニャン及びタイン・リエム
の各県
18
ナム・デイン
ジャオ・トウイ、スアン·チュ
オン、ハイ・ハウ、ギア・フン
の各県
10
11
96 | ベトナム投資ガイドブック
困難な社会経済的条件を
持つ地域
番号
省
19
タイ・ビン
20
ニン・ビン
特別に困難な社会経済
的条件を持つ地域
困難な社会経済的条件を
持つ地域
タイ・トウイ及びテイン・ハイ
の各県
ノ・クアン、ジャ・ヴィエン、
キム・ソン、タム・デイップ、
イエン・モの各県
タイン・ホア
ムオン・ラット、クアン・
ホア、バ・トウック、ラ
ン・チャン、トウン・スア
ン、カム・トウイ、ゴッ
ク・ラック、ヌ・タイン、
ヌ・スアンの各県
ゲー・アン
キー・ソン、トウオン・ズ
オン、コン・クオン、ク
エ・フォン、クイー・ホッ
プ、クー・チャウ及びアイ
ン・ソンの各県
23
ハーテイン
フォン・ケー、フォン・ソ
ン、ヴー・クアンの各県
ドック・トー、キー・アイン、
ギー・スアン、タック・ハー、
カム・スエン及びカン・ロック
の各県
24
クアン・ビン
トウエン・ホア、ミン・ホ
ア、ボ・チャックの各県
トウエン・ホア、ミン・ホア、
ボ・チャックの各県を除き、残
りの各県
25
クアン・チー
フォン・ホア、ダック・ク
ロンの各県
フォン・ホア、ダック・クロン
の各県を除き、残りの各県
26
トゥア・ティエ
ン ・フエ
ア・ルオイ県
フォン・ディエン、ナム・ド
ン、クアン·ディーン、フォ
ン・チャー、フー・ロック、フ
ー・ヴィエンの各県
27
ダー・ナン
ホアン・サ島県
クアン・ナム
ドン・ザン、テイ・ザン、
ナム·ザン、フォック・ソ
ン、バク・チャ・ミ、ナ
ム・チャ・ミ、ヒェップ・
ドク、ティエン。フォッ
ク、ヌイ・タインの各県、
およびクー・ラオ・チャム
島県
ダイ・ロック、ズイ・スエンの
各県
クアン・ガイ
バ・ト、チャ・ボン、ソ
ン・タイ、ソン・ハー、ミ
ン・ロン、ビン・ソン及び
タイ・チャーの各県及び
リ・ソン島県
ギア・ハイン及びソン・テイン
の各県
30
ビン・ディン
アン・ラオ、ヴィン・タイ
ン、ヴァン・キャン、フ
ー・カット及びタイ・ソン
の各県
ホアイ・アン及びフーミーの各
県
31
フー・イェン
ソン・ヒン、ドン・スア
ン、ソン・ホア、フーホア
の各県
ソン・カウ、ツイ・ホア、及び
ツイ・アンの各県
32
カイン・ホア
カイン・ヴィン、カイン・
ソン県、チョン・ソン島
県、及び他の島県
ヴァン・ニン、ジエン・カイ
ン、ニン・ホアの各県、及びカ
ム・リャン市
21
22
28
29
タック・タイン及びノン・コン
の各県
タン・キー、ギア・ダン、タイ
ン・ツオンの各県
ベトナム投資ガイドブック | 97
番号
省
特別に困難な社会経済
的条件を持つ地域
困難な社会経済的条件を
持つ地域
33
ニン・トゥアン
全ての県
34
ビン・トゥアン
フー・クイ島県
35
ダック・ラック
全ての県
36
ギャ・ライ
全ての県及び市
37
コン・トウム
全ての県及び市
38
ダック・ノン
全ての県
39
ラム・ドン
全ての県
バオロック市
40
バリア・ブンタ
ウ
コンダオ島県
タン·タン県
41
タイニン
タン・ビエン、タン・チャ
ウ、チャウ・タン及びベ
ン・カウの各県
タン・ビエン、タン・チャウ、
チャウ・タン及びベン・カウの
各県を除き、残りの県
42
ビン・​​フォック
ロック・ニン、ブー・ダ
ン、及びブー・ドップの各
県
ドン・フー、ビン・ロン、フォ
ック・ロン及びチョン・タイン
の各県
バクビン、トゥイハイフォン、
ドクリン、タインリン、ハムト
ゥアンバック及びハムトゥアン
ナムの各県
ドック・フエ、モック・ホア、
タン・タイン、ドック・ホア、
ヴィン・フン及びタン・フンの
各県
43
ロング・アン
44
ティエン・ザン
タン・フォック県
45
ベン・チェ
タイン・フー、バ・チー、
及びビン・ダイの各県
46
チャ・ビン
47
ドン・タップ
48
ヴィン・ロン
49
ソック・チャン
全ての県
ソック・チャン市
50
ハウ・ザン
全ての県
51
アン・ザン
アン・フー、チー・トン、
トアイ・ソン、タン・チャ
ウ及びチン・ビエンの各県
52
バク・リュウ
全ての県
ヴィ・タイン市
アン・フー、チー・トン、トア
イ・ソン、タン・チャウ及びチ
ン・ビエンの各県を除き、残り
の県
バク・リュウ市
53
カ・マウ
全ての県
カ・マウ市
54
キエン・ザン
全ての県, 及び各島県
ハー・テイン市、ラック・ザー
市
55
その他の地域
首相の決定に基づいて設立
された優遇措置を受ける権
利を有するハイテク区及び
経済特区
首相の決定に基づいて設立され
た工業区及び輸出加工区
チャウ・タイン及びチャ
ー・クーの各県
ホン・グー、タン・ホン、
タム・ノン、及びタップ・
ムオイの各県
ゴ・コン・ドン及びゴ・コン・
タイの各県
タイン・フー、バ・チー、及び
ビン・ダイの各県を除き、残り
の県
カウ・ガン、カウ・ケ及びテイ
エウ・カウの各県
ホン・グー、タン・ホン、タ
ム・ノン、及びタップ・ムオイ
の各県を除き、残りの県
チャ・オン県
98 | ベトナム投資ガイドブック
付録4 - 外国人投資家に対する条件付投資分野
のリスト
(投資法を施行するためのガイドラインを定めた2006年9月22日付政令第
108/2006/ND-CP号において制定)
1. ラジオ放送、テレビ放送
2. 文化的作品の制作、出版、配布
3. 鉱物探査及び採掘
4. 通信ネットワーク、放送及び送信ネットワークのインフラの整
備、通信及びインターネットサービスの提供
5. 公共郵便ネットワークの建設、郵便及び宅配便サービスの提供
6. 河川港、港湾及び空港の建設及び運営
7. 鉄道、航空、陸上、海上、内陸水路による貨物及び旅客の輸送
8. 水産物捕獲
9. タバコ生産
10. 不動産取引
11. 輸出入及び流通業
12. 教育及び訓練の分野への投資
13. 病院及び診療所
14. ベトナムが加盟する国際条約で、外人投資家への参入規制のある
その他の投資分野
この付録における外国人投資家による投資に対する条件については、ベトナム
が加盟する国際条約の規定に適合していなければならない。
ベトナム投資ガイドブック | 99
付録5–役に立つアドレスと連絡先
海外から電話をかける場合は、国際電話の国コード(ベトナム84)を使用して下
さい。
▶ 省庁や他の国家政府機関
入国管理局
89 Tran Hung Dao Street, Hanoi
Telephone: 4 3822 0579
254 Nguyen Trai Street, District 1, Ho Chi Minh City
Telephone: 8 3920 1701/3824 4074
Facsimile: 8 3825 6829
農業農村開発省_http://www.mard.gov.vn
2 Ngoc Ha Street, Ba Dinh District, Hanoi
Telephone: 4 3846 8161/3843 6171
Facsimile: 4 3845 4319/3737 0752
135 Pasteur Street, Ward 6, District 3
Ho Chi Minh City
Telephone: 8 3822 8471/3822 4106
Facsimile: 8 3822 4776/3823 8241
建設省_http://www.moc.gov.vn
37 Le Dai Hanh Street, Hai Ba Trung District, Hanoi
Telephone: 4 3976 0271
Facsimile: 4 3976 2153/3974 1709
14 Ky Dong Street, Ward 9, District 3, Ho Chi Minh City
Telephone: 8 3843 8635/3846 8407
Facsimile: 8 3931 7152
情報通信省_http://www.mic.gov.vn
18 Nguyen Du Street, Hanoi, Vietnam
Telephone: 4 3943 5602 Facsimile: 4 3826 3477
27 Nguyen Binh Khiem Street, Da Kao Ward, District 1, Ho Chi Minh City
Telephone: 8 3823 5404
Facsimile: 8 3822 2988
国防省
1A Hoang Dieu Street, Ba Dinh District, Hanoi
Telephone: 69 388 2041/4 353 2090
教育訓練省_http://www.edu.net.vn
49 Dai Co Viet Street
Hai Ba Trung District, Hanoi
Telephone: 4 3869 2394/3869 4904/3869 4794
Facsimile: 4 3869 4085
3 Quoc Te Square, District 3, HCMC
Telephone: 8 3823 9022/3829 0396/3829 5501
Facsimile: 8 3823 9021
100 | ベトナム投資ガイドブック
財務省_http://www.mof.gov.vn
28 Tran Hung Dao Street, Hoan Kiem District
Hanoi
Telephone: 4 3220 2828
Facsimile: 4 3220 8091
138 Nguyen Thi Minh Khai Street, District 3
Ho Chi Minh City
Telephone: 8 3930 3375/3930 5030/3930 3685
Facsimile: 8 3930 3375
外務省_http://www.mofa.gov.vn
1 Ton That Dam Street, Ba Dinh District, Hanoi
Telephone: 4 3199 2000/3199 3000
Facsimile: 4 3823 1872
保健省_http://www.moh.gov.vn
138A Giang Vo Street, Ba Dinh District, Hanoi
Telephone: 4 3844 3463/3846 4416/3846 4051
Facsimile: 4 3846 0196/3846 2195
51 Pham Ngoc Thach Street, District 3
Ho Chi Minh City
Telephone: 8 3829 0433/3822 1382
Facsimile: 8 3822 3500
商工省_http://www.moit.gov.vn
54 Hai Ba Trung Street, Hanoi
Telephone: 4 3220 2222
Facsimile: 4 3220 2525
45 Tran Cao Van Street, District 3
Ho Chi Minh City
Telephone: 8 3829 4631
Facsimile: 8 3824 3273
司法省_http://www.moj.gov.vn
56-58-60 Tran Phu Street, Ba Dinh District, Hanoi
Telephone: 43733 6213/3733 8068
Facsimile: 4 3843 1431
30 Tran Cao Van Street, District 3
Ho Chi Minh City
Telephone: 8 3823 9046
Facsimile: 8 3829 9277
労働傷病兵社会省
http://www.molisa.gov.vn
12 Ngo Quyen Street, Hoan Kiem District, Hanoi
Telephone: 4 3826 4222/3826 9557
Facsimile: 4 3824 8036
45 Pham Ngoc Thach Street, District 3
Ho Chi Minh City
Telephone: 8 3823 0853
Facsimile: 8 3822 4115
ベトナム投資ガイドブック | 101
水産省_http://www.mofi.gov.vn
10 Nguyen Cong Hoan Street, Ba Dinh, District, Hanoi
Telephone: 4 377 18817/3771 6269
Facsimile: 4 3771 6702
30 Ham Nghi Street, District 1
Ho Chi Minh City
Telephone: 8 3829 4864
Facsimile: 8 3829 0067
計画投資省_http://www.mpi.gov.vn
2 Hoang Van Thu Street, Ba Dinh District, Hanoi
Telephone: 4 3845 5298
Facsimile: 4 3823 4453
289 Dien Bien Phu Street, District 3
Ho Chi Minh City
Telephone: 8 3930 7083/3930 7850
Facsimile: 8 3930 7460
公安省_http://www.moha.gov.vn
44 Yet Kieu Street, Hoan Kiem District, Hanoi
Telephone: 4 3694 2545
Facsimile: 4 3942 0223
258 Nguyen Trai Street, District 1
Ho Chi Minh City
Telephone: 8 3837 5134
Facsimile: 8 3920 2065/3920 0961
科学技術省_http://www.most.gov.vn
39 Tran Hung Dao Street, Hanoi
Telephone: 4 3943 9731/3943 9734
Facsimile: 4 3943 9733
天然資源環境省_http://www.monre.gov.vn
83 Nguyen Chi Thanh Street, Dong Da District, Hanoi
Telephone: 4 3834 3911/3835 6419
Facsimile: 4 3835 9211/3835 2191
42 Mac Dinh Chi Street, District 1, Ho Chi Minh City
Telephone: 8 3827 4987
Facsimile: 8 3825 8365
交通運輸省_http://www.mt.gov.vn
80 Tran Hung Dao Street, Hoan Kiem District, Hanoi
Telephone: 4 3942 4015
Facsimile: 4 3942 3291
92 Nam Ky Khoi Nghia Street, District 1
Ho Chi Minh City
Telephone: 8 3829 5939/3821 8383
Facsimile: 8 3822 4120
102 | ベトナム投資ガイドブック
文化スポーツ観光省_http://www.cinet.gov.vn
51 Ngo Quyen Street, Hanoi
Telephone: 43943 6488/3943 8101
Facsimile: 4 3945 4330
170 Nguyen Dinh Chieu Street, District 1
Ho Chi Minh City
Telephone: 8 3930 6486/3930 3369
Facsimile: 8 3930 5237
首相府
1 Hoang Hoa Tham Street, Ba Dinh District, Hanoi
Telephone: 4 0804 3700
Facsimile: 4 0804 4130
7 Le Duan Street, District 1, Ho Chi Minh City
Telephone: 8 3825 1763
ベトナム国家銀行_http://www.sbv.gov.vn
49 Ly Thai To Street, Hoan Kiem District, Hanoi
Telephone: 4 3824 1534
17 Ben Chuong Duong Street, District 1
Ho Chi Minh City
Telephone: 8 3829 2157/3829 2158
在外ベトナム人中央委員会
32 Ba Trieu Street, Hanoi
Telephone: 4 38240401
Facsimile: 4 3824 0403
147 Nguyen Dinh Chieu Street, District 3,
Ho Chi Minh City
Telephone: 8 3930 3063
Facsimile: 8 3930 6737
ベトナム商工会議所_http://www.vcci.com.vn
9 Dao Duy Anh Street, Dong Da District, Hanoi
Telephone: 4 3574 2022
Facsimile: 4 3574 2020/3574 2017
171 Vo Thi Sau Street, District 3, Ho Chi Minh City
Telephone: 8 3932 5143/3932 5171
Facsimile: 8 3932 5143/3932 5281
256 Tran Phu Street, Da Nang
Telephone: 511 356 2538
Facsimile: 511 382 2930
10 Dinh Tien Hoang Street, Hai Phong
Telephone: 31 384 2894
Facsimile: 31 384 2243
44 Nguyen Thi Minh Khai Street, Khanh Hoa
Telephone: 58 352 1571
ベトナム投資ガイドブック | 103
747 Ba Trieu Street, Truong Thi, Nghe An
Telephone: 38 375 4640
155 Nguyen Thai Hoc Street, Vung Tau
Telephone: 64 357 0266
Facsimile: 64 385 9651
ベトナム民間航空局_http://www.vietnamair.com.vn
200 Nguyen Son Street, Long Bien District, Hanoi
Telephone: 4 3873 2732
Facsimile: 4 3270 0222
Tan Son Nhat Airport
49 Truong Son Street, Tan Binh District
Ho Chi Minh City
Telephone: 8 3844 6667
税関総局_http://www.customs.gov.vn
162 Nguyen Van Cu Street, Long Bien District Hanoi
Telephone: 4 3872 7033
Facsimile: 4 3872 5949
15B Thi Sach Street, District 1, Ho Chi Minh City
Telephone: 8 3823 3536
土地管理総局
Lang Trung Street, Hanoi
Telephone: 4 3834 3309/3834 3914
Facsimile: 4 3835 2191
基準・品質総局_http://www.tcvn.gov.vn
8 Hoang Quoc Viet Street, Cau Giay District, Hanoi
Telephone: 4 3756 2608
Facsimile: 4 3836 1556
49 Pasteur Street, District 1, Ho Chi Minh City
Telephone: 8 3822 2872
Facsimile: 8 3829 3012
統計総局_http://www.gso.gov.vn
2 Hoang Van Thu Street, Ba Dinh District, Hanoi
Telephone: 4 3843 2772
Facsimile: 4 3733 3846
29 Han Thuyen Street, District 1, Ho Chi Minh City
Telephone: 8 3829 9847
Facsimile: 8 3824 4734
ホーチミン市投資及び外国貿易開発協会
92-96 Nguyen Hue Street, District 1
Ho Chi Minh City
Telephone: 8 3823 1530
Facsimile: 8 3823 0993
104 | ベトナム投資ガイドブック
ベトナム国家証券委員会_http://www.ssc.gov.vn
164 Tran Quang Khai Street, Hanoi
Telephone: 4 3934 0750
Facsimile: 4 3934 0739
1 Nam Ky Khoi Nghia Street, District 1
Ho Chi Minh City
Telephone: 8 3821 1412
Facsimile: 8 3821 4623
国家監査事務所_http://www.kiemtoannn.gov.vn
111 Tran Duy Hung Street, Cau Giay District, Hanoi
Telephone: 4 3556 6211/3556 5786
Facsimile: 4 3556 6029
37 Phan Dang Luu Street, Phu Nhuan District
Ho Chi Minh City
Telephone: 8 3803 0662
Facsimile: 8 3803 0659
ベトナム・ニュース・エージェンシー_http://www.vnanet.vn
5 Ly Thuong Kiet Street, Hanoi
Telephone: 4 3825 5433/3825 2931
Facsimile: 4 3825 2984
120 Nguyen Thi Minh Khai Street, District 3
Ho Chi Minh City
Telephone: 8 3930 3921/3933 0757
Facsimile: 8 3933 0086
ベトナム石油ガス公社 (ペトロベトナム)_http://www.petrovietnam.com.vn
22 Ngo Quyen Street, Hoan Kiem District, Hanoi
Telephone: 4 3824 9130/3825 2526
Facsimile: 4 3826 5942
ベトナム社会保険
7 Trang Thi Street, Hanoi
Telephone: 4 3934 4165/3936 1749
7 Le Duan Street, District 1, Ho Chi Minh City
Telephone: 8 3824 4164
ベトナム・テレビ_http://www.vtv.org.vn
43 Nguyen Chi Thanh Street, Hanoi
Telephone: 4 3822 4403/3822 3422
Facsimile: 4 3934 4169
ベトナム投資ガイドブック | 105
ベトナム貿易情報センター
45 Ngo Quyen Street, Hoan Kiem District, Hanoi
Telephone: 4 9341911
Facsimile: 4 9348177
173 Hai Ba Trung Street, District 3
Ho Chi Minh City
Telephone: 8 3823 7217/3823 7316
Facsimile: 8 3822 8756
ボイス・オブ・ベトナム_http://www.vov.org.vn
58 Quan Su Street, Hanoi
Telephone: 4 3934 4231
E-mail: [email protected]
106 | ベトナム投資ガイドブック
▶ 人民委員会
ハノイ市
12 Le Lai Street, Hoan Kiem District, Hanoi
Telephone: 4 3825 3536
Facsimile: 4 3824 3126
ホーチミン市
86 Le Thanh Ton Street, District 1
Ho Chi Minh City
Telephone: 8 3822 6191/3825 0028
Facsimile: 8 3829 6116/3827 5564
バリア・ブンタウ省
26 Thong Nhat Street, Vung Tau
Telephone: 64 3851737
Facsimile: 64 3852324
ビンズオン省
1 Quang Trung Street, Thu Dau Mot
Telephone: 650 385 8221
Facsimile: 650 382 2174
カントー省
2 Hoa Binh Street, Ninh Kieu District, Can Tho
Telephone: 71 383 6800
ダナン市
42 Bach Dang Street, Da Nang
Telephone: 511 382 1339/382 2527
Facsimile: 511 382 1286
ドンナイ省
2 Nguyen Van Tri Street, Bien Hoa
Telephone: 61 394 2566
Facsimile: 61 382 3854
ハイフォン市
18 Hoang Dieu Street, Hai Phong
Telephone: 31 382 1055
Facsimile: 31 374 7352
クアンナム省
62 Hung Vuong Street, Tam Ky town
Quang Nam
Telephone: 510 381 1910/385 2744
Facsimile: 510 385 2748
ティエンザン省
23 30 Thang 4 Street, My Tho
Telephone: 73 3885130/3873153
Facsimile: 73 3873680
http://www.hanoi.gov.vn
http://www.hochiminhcity.gov.vn
http://www.baria-vungtau.gov.vn
http://www.binhduong.gov.vn
http://www.cantho.gov.vn
http://www.danang.gov.vn
http://www.dongnai.gov.vn
http://www.haiphong.gov.vn
http://www.quangnam.gov.vn
http://www.tiengiang.gov.vn
ベトナム投資ガイドブック | 107
▶ 計画投資局(DPI)
アンザン DPI
No. 8/18 Ly Thuong Kiet Street, Long Xuyen town, An Giang Province
Tel: 76 385 2913
Fax: 76 385 3380
バリア・ブンタウ DPI
No. 01 Nguyen Chi Thanh Street, Ward 2
Vung Tau City
Tel: 64 385 2401/385 2320/385 8286/
385 1381/385 2502
バックカン DPI
Group 4, Duc Xuan Ward, Bac Kan town
Bac Kan Province
Tel: 281 387 1287
Fax: 281 387 1287
バクザン DPI
Nguyen Gia Thieu Street, Bac Giang town
Bac Giang Province
Tel: 240 385 4317/385 9606
Fax: 240 385 4923
バクリュウ DPI
No.23 Hai Ba Trung Street, Ward 3, Bac Lieu Town, Bac Lieu Province
Tel: 781 382 7616
Fax: 781 382 3874
バクニン DPI
No 6 Ly Thai To Street, Suoi Hoa Ward
Bac Ninh Town, Bac Ninh Province
Tel: 241 382 2569/382 4902
Fax: 241 382 5777
ベンチェ DPI
No. 6 Cach Mang Thang Tam Street, Ward 3 Ben Tre town,
Ben Tre Province
Tel: 75 382 1280/381 7358
Fax: 75 382 5543
ビンディン DPI
No 35 Le Loi Street, Quy Nhon City
Binh Dinh Province
Tel: 56 381 8888/381 8889
Fax: 56 382 4509/3818887
ビンズオン DPI
No 188, Binh Duong Street, Phu Hoa Ward Thu Dau Mot town,
Binh Duong Province
Tel: 650 382 2926/382 7954
Fax: 650 382 5194
http://sokehoachdt.angiang.gov.vn/
http://www.sokhdt.baria-vungtau.gov.vn
http://www.backan.gov.vn/
http://www.bacgiangdpi.gov.vn
http://www.baclieu.gov.vn
www.bacninhdpi.gov.vn
www.dpi-bentre.gov.vn
www.sokhdt.binhdinh.gov.vn
http://skhdt.binhduong.gov.vn
108 | ベトナム投資ガイドブック
ビンフック DPI
The 14th National Highway, Dong Xoi town Binh Phuoc Province
Tel: 651 387 9253/387 0772
Fax: 651 388 7088
ビントゥアン DPI
No 290 Tran Hung Dao Street, Binh Hung Ward, Phan Thiet City ,
Binh Thuan Province
Tel: 62 382 1128/382 7170/383 1890
Fax: 62 382 8656
カマウ DPI
No. 93 Ly Thuong Kiet Street, Ward 5
Ca Mau City
Tel: 780 383 1332/780 382 5972
Fax: 780 383 0773
カントー DPI
61/21 Ly Tu Trong Street, An Phu Ward
Can Tho City , Can Tho Province
Tel: 71 383 0235/373 0259/383 0630
Fax: 71 383 0570
カオバン DPI
Xuan Truong Street, Hop Giang
Cao Bang Town, Cao Bang Province
Tel: 26 385 8743/385 2535
Fax: 26 385 3335
ディエンビエン DPI
No. 9 - Muong Thanh Ward, Dien Bien City Dien Bien Province
Tel: 23 382 5409/382 5896
Fax: 23 382 5944
ドンナイ DPI
No 2 Nguyen Van Tri Street, Thanh Binh
Bien Hoa City, Dong Nai Province
Tel: 61 382 4283/382 7116
Fax: 61 394 1718
ドンタップ DPI
No. 11, Vo Truong Toan Street, Ward 1
Cao Lanh town, Dong Thap Province
Tel: 67 385 1101/385 1101/385 1960
Fax: 67 385 2955
ザライ DPI
No 02 Hoang Hoa Tham Street
Pleiku City , Gia Lai Province
Tel: 59 382 2204/382 3717
Fax: 59 382 3808
http://www.binhphuoc.gov.vn
http://www.binhthuan.gov.vn/songanh/Sokh_dt/
http://www.camau.gov.vn
http://www.cantho.gov.vn/wps/portal/sokhdt
http://www.caobang.gov.vn
http://www.dienbiendpi.gov.vn/
www.dpidongnai.gov.vn
http://www.dongthap.gov.vn/wps/portal/sokhdt
http://www.kehoachdautugialai.gov.vn
ベトナム投資ガイドブック | 109
ハザン DPI
156 Tran Hung Dao Street, Ha Giang town
Ha Giang Province
Tel: 19 3866 256/3867051
Fax: 19 3867 623
ハーナム DPI
15 Tran Phu Street, Phu Ly
Ha Nam Province.
Tel: 351 3852701/351 3854317
Fax: 3513852701
ハタイ DPI
No 2 Phung Hung Street -Ha Dong City
Ha Tay Province
Tel: 34 382 4184/382 8064
Fax: 34 382 4608
ハティン DPI
Phan Dinh Phung Street, Ha Tinh town
Ha Tinh Province
Tel: 39 385 6750/388 1267
Fax: 39 385 5576
ハイズオン DPI
58 Quang Trung Street, Hai Duong City
Hai Duong Province
Tel: 320 3853 574/320 3855762
Fax: 320 3850 814
ハイフォン DPI
No. 1 Dinh Tien Hoang Street, Hong Bang
Hai Phong
Tel: 31 384 2614/384 2119
Fax: 31 384 2021
ハノイ DPI
17 Tran Nguyen Han Street - Hoan Kiem Hanoi
Tel: 4 3825 6637/4 3826 0257
Fax: 4 3825 1733
ハウザン DPI
No. 2 Le Hong Phong Street, Vi Thanh town
Hau Giang Province
Tel: 71 387 8872/387 0210
Fax: 71 387 8871
ホーチミン市 DPI
No. 32 Le Thanh Ton Street, District 1
Ho Chi Minh City
Tel: 8 3829 7834/3827 2192/3829 3174
Fax: 8 3829 5008
http://www.hagiang.gov.vn
http://www.hanam.gov.vn
http://www.hatay.gov.vn/coquanhanhchinh.asp?catid=KHDT
www.dpihatinh.gov.vn
http://www.haiduong.gov.vn
www.haiphongdpi.gov.vn
www.hapi.gov.vn
www.skhdt.haugiang.gov.vn
www.dpi.hochiminhcity .gov.vn
110 | ベトナム投資ガイドブック
ホアビン DPI
No. 3 Tran Hung Dao Street, Hoa Binh town Hoa Binh Province
Tel: 18 385 1457
Fax: 18 385 3152
フンイェン DPI
No 8 Chua Chuong Street, Hien Nam, Hung Yen, Hung Yen Province
Tel: 321 386 5127
Fax: 321 355 0834
カインホア DPI
No 01 Tran Phu Street, Nha Trang City Khanh Hoa Province.
Tel: 58 382 4243
Fax: 58 381 2943/382 4243
キエンザン DPI
No. 29 Bach Dang Street, Rach gia town Kien Giang Province
Tel: 77 386 2037
Fax: 77 386 2037
コントゥム DPI
123B Tran Phu Street , KonTum town, Kon Tum Province
Tel: 60 386 4277 – 386 3676
Fax: 60 386 4253
ライチャウ DPI
Tan Phong Ward, Lai Chau hamlet
Lai Chau Province
Tel: 23 387 6438/387 6501
Fax: 23 387 6437
ラムドン DPI
No 02 Tran Hung Dao Street
Da Lat City, Lam Dong Province
Tel: 63 382 2311/383 0306
Fax: 63 383 4806
ランソン DPI
No 2 Hoang Van Thu Street, Chi Lang
Lang Son town, Lang Son Province
Tel: 25 381 2122/381 2561
Fax: 25 381 3067
ラオカイ DPI
266 Hoang Lien Street, Kim Tan
Lao Cai town, Lao Cai Province
Tel: 20 384 0810
Fax: 20 384 2411
http://www.hoabinh.gov.vn
http://www.hungyen.gov.vn
http://www.khanhhoainvest.gov.vn
http://kehoach.kiengiang.gov.vn
http://www.kontum.gov.vn
http://www.dalat.gov.vn/xuctiendautu
www.langson.vn/khdt
http://laocai.gov.vn
ベトナム投資ガイドブック | 111
ロンアン DPI
No. 61 Truong Cong Dinh Street, Ward 1
Tan An town, Long An Province
Tel: 72 382 3461/328 6199
Fax: 72 382 5044
ナムディン DPI
172 Han Thuyen Street, Nam Dinh City
Nam Dinh Province.
Tel: 350 364 8482/364 5227
Fax: 350 364 7120
ゲアン DPI
Truong Thi Ward, Vinh City,
Nghe An Province
Tel: 38 384 4636/384 3102
Fax: 38 359 2246
ニンビン DPI
15 Le Hong Phong Street, Ninh Binh town
Ninh Binh Province
Tel: 30 387 1156/387 4913
Fax: 30 387 3381
ニントゥアン DPI
The 16th April Street, Phan Rang town
Thap Cham, Ninh Thuan Province
Tel: 68 382 2694/382 5880
Fax: 68 382 5488
フートー DPI
Tran Phu Street, Tan Dan, Viet Tri City
Phu Tho Province
Tel: 210 384 7778
Fax: 210 384 0955/384 7419
フーイェン DPI
No 2A Dien Bien Phu Street, Tuy Hoa town
Phu Yen Province
Tel: 57 384 1112
クアンビン DPI
No 9 Quang Trung Street, Dong Hoi
Quang Binh.
Tel: 52 382 4611/382 4635
Fax: 52 382 1520
クアンナム DPI
No 02 Tran Phu Street, Tam Ky town
Quang Nam Province
Tel: 510 381 0394 /381 0866
Fax: 510 381 0396
http://www.longan.gov.vn
http://www.namdinh.gov.vn
www. khdtnghean.vn
www.ninhbinh.gov.vn
www.ninhthuan.gov.vn/sokhdt
http://www.dpi.phutho.gov.vn
http://www.phuyen.gov.vn
http://www.quangbinhbusiness.gov.vn
http://www.dpiqnam.gov.vn
112 | ベトナム投資ガイドブック
クアンガイ DPI
No. 96 Nguyen Nghiem Street
Quang Ngai City, Quang Ngai Province
Tel: 55 382 2868/382 6266
クアンニン DPI
Hong Ha Ward, Ha Long City
Quang Ninh Province
Tel: 33 383 5687/33 383 5693
Fax: 33 383 8072
クアンチー DPI
34 Hung Vuong Street, Dong Ha town
Quang Tri Province
Tel: 53 355 0167
Fax: 53 385 1760
ソクチャン DPI
No.21B Tran Hung Dao Street
Soc Trang town, Soc Trang Province
Tel: 79 382 2333
Fax: 79 382 2333
ソンラ DPI
Khau Ca Street, Son La town
Son La Province
Tel : 22 385 9866
Fax: 22 385 2032
タイニン DPI
300 Cach Mang Thang Tam Street, Ward 2
Tay Ninh town, Tay Ninh Province
Tel: 66 382 2166/066 382 7638
Fax: 66 382 7947
タイビン DPI
233 Hai Ba Trung Street, Thai Binh City
Thai Binh Province
Tel: 36 383 1774/ 036 383 0437
Fax: 36 383 0326
タイグエン DPI
No. 17 Doi Can Street, Thai Nguyen City
Thai Nguyen Province
Tel: 280 385 5688/385 4211/375 9605
Fax: 280 385 1363
タインホア DPI
45B Le Loi Street, Lam Son Ward
Thanh Hoa City, Thanh Hoa Province
Tel: 37 385 2366/375 6149
Fax: 37 385 1451
http://www.quangngai.gov.vn/quangngai/tiengviet/
chuyennganh/sokhdt
www.quangninhdpi.gov.vn
http://dpiquangtri.gov.vn
http://www.sonla.gov.vn
http://www.tayninh.gov.vn
http://www.thaibinh.gov.vn/
http://www.thainguyen.gov.vn
http://www.thanhhoa.gov.vn
ベトナム投資ガイドブック | 113
トゥアティエンフエ DPI
Ton Duc Thang Street, Hue City
Tel: 54 382 2538 /382 4680
Fax: 54 382 1264
ティエンザン DPI
No.38 Nam Ky Khoi Nghia Street
My Tho City Tien Giang Province
Tel: 73 387 3381/387 1961
Fax: 73 387 5487
チャビン DPI
No.19A Nam Ky Khoi Nghia Street
Tra Vinh town
Tel: 74 386 2289/386 6300
Fax: 74 386 4348
トゥエンクアン DPI
Tran Hung Dao Street, Minh Xuan
Tuyen Quang town, Tuyen Quang Province
Tel: 27 382 2814/382 1366
Fax: 27 382 3160
ヴィンロン DPI
No. 1 Trung Nu Vuong Street, Ward 1
Vinh Long town, Vinh Long Province
Tel: 70 382 3319/383 4031
Fax: 70 382 8033
ヴィンフック DPI
No 40, Nguyen Trai Street, Vinh Yen town
Vinh Phuc Province
Tel: 211 386 2480/384 2743
Fax: 211 386 2480
イェンバイ DPI
Yen Ninh Street, Dong Tam, Yen Bai City
Yen Bai Province
Tel: 29 385 2409/385 3052
Fax: 29 385 1626
www.skhdt.hue.gov.vn
http://www.tiengiang.gov.vn
http://xuctientravinh.com.vn
www.tuyenquang.gov.vn
www.skhdt.vinhlong.gov.vn
http://www.vinhphuc.gov.vn/sokhdt
114 | ベトナム投資ガイドブック
▶ 工業区(IZ)/輸出加工区(EPZ)/経済特区(EZ)/ハイテク区(HTZ)の
管理委員会(MB)
Hanoi IZs/EPZs MB
D8A, D8B Giang Vo, Ba Dinh, Ha Noi
Tel: 04.37721156
Fax: 04.37721152
Hoa Lac HTZ MB
First floor, Building 17T7, Trung Hoa - Nhan Chinh
New City Town, Hoang Dao Thuy str, Thanh Xuan, Hanoi
Tel: 04.32511478
Fax: 04.32511529
Hai Phong IZs MB
No. 24 Cu Chinh Lan, Hong Bang, Hai Phong city
Tel: 031.3823206
Fax: 031.3842426
Quang Ninh IZs MB
Nguyen Van Cu, Ha Long city, Quang Ninh province
Tel: 033.3836573
Fax: 033.3838022
Thai Nguyen IZs MB
Tan Quang commune, Song Cong town, Thai Nguyen
Tel: 0280.3845435
Fax: 0280.3845434
Phu Tho IZs MB
Tan Dan ward, Viet Tri city, Phu Tho province
Tel: 0210.3843021
Fax: 0210.3844997
Vinh Phuc IZs MB
Third floor, Vinh Phuc Provincial People’s Committee,
Nguyen Trai str, Vinh Yen town, Vinh Phuc province
Tel: 0211.3843403
Fax: 0211.3843407
Bac Giang IZs MB
No 48 Ngo Gia Tu str, Bac Giang city, Bac Giang province
Tel: 0240.3554133
Fax: 0240.3554133
Bac Ninh IZs MB
No. 10 Phu Dong Thien Vuong str, Bac Ninh town,
Bac Ninh province
Tel: 0241.3825232
Fax: 0241.3825236
Ha Tay IZs MB
No. 2 Phung Hung - Ha Dong town - Ha Tay province
Tel: 034.3501388
Fax:
Hung Yen IZs MB
Pho Noi, My Hao district, Hung Yen province
Tel: 0321.3942862
Fax: 0321.3942927
Ha Nam IZs MB
Ho Chau Giang, Quang Trung ward, Phu Ly town,
Ha Nam province
Tel: 0351.3850569
Fax: 0351.3850569
Hai Duong IZs MB
No. 57 Quang Trung str, Hai Duong city
Tel: 0320.3844723
Fax: 0320.3844723
Thai Binh IZs MB
No. 81, Bo Xuyen str, Thai Binh city, Thai Binh province
Tel: 036.3740872
Fax: 036.3740872
Nam Dinh IZs MB
Km105,NationalHighwayNo.10,LocVuongward,NamDinhcity
Tel: 0350.3680806
Fax: 0350.3680335
Ninh Binh IZs MB
No. 2 Vo Thi Sau str, Dong Thanh ward, Ninh Binh town,
Ninh Binh province
Tel: 030.3876129
Fax: 030.3873302
Thanh Hoa IZs MB
No. 15A Hac Thanh str, Lam Son ward, Thanh Hoa city
Tel: 037.3850107
Fax: 037.3850105
Nghe An IZs MB
Highway 3/2 Hung Phuc ward, Vinh city, Nghe An province
Tel: 038.3835146/038.3520354
Fax: 038.3832657
Ha Tinh IZs MB
No. 75 Nguyen Chi Thanh str, Ha Tinh town, Ha Tinh province
Tel: 039.3881237
Fax: 039.3881237/ 039.3882992
Thua Thien Hue IZs MB
Unit 8 Phu Bai town, Huong Thuy district,
Thua Thien Hue province
Tel: 054.3861765
Fax: 054.3861805
ベトナム投資ガイドブック | 115
Da Nang IZs/EPZs MB
No. 58 Nguyen Chi Thanh, Da Nang city
Tel: 0511.3810653
Fax: 0511.3830015
Quang Nam IZs MB
No. 30 Hung Vuong str, Tam Ky town, Quang Nam province
Tel: 0510.3811589
Fax: 0510.3859869
Quang Ngai IZs MB
25HungVuongHighway,QuangNgaicity,QuangNgaiprovince
Tel: 055.3828514
Fax: 055.3828514
Dung Quat IZs MB
No. 39 Hai Ba Trung str, Quang Ngai city, Hai Ba Trung str,
Quang Ngai city, Quang Ngai province
Tel: 055.3711788
Fax: 055.3825828
Binh Dinh IZs MB
No. 65 Tay Son, Quy Nhon city, Binh Dinh province
Tel: 056.3646257
Fax: 056.3846616
Phu Yen IZs MB
No. 353 Tran Hung Dao, Tuy Hoa town, Phu Yen province
Tel: 057.3828250
Fax: 057.3828949
Khanh Hoa IZs MB
No. 13B Hoang Hoa Tham, Nha Trang city, Khanh Hoa province
Tel: 058.3527872
Fax: 058.3527873
Binh Thuan IZs MB
No. 119 Tran Hung Dao str, Phan Thiet city,
Binh Thuan province
Tel: 062.3821243
Fax: 062.3821243
Dak Nong IZs MB
No. 1 Le Lai, Gia Nghia town, Dak Nong province
Tel: 050.3544592
Fax: 050.3544591
Ho Chi Minh City IZs/EPZs MB
No. 35 Nguyen Binh Khiem, Dakao ward, Distric 1,
Ho Chi Minh city
Tel: 08.38290405/08.38290414
Fax: 08.38294271
Ba Ria - Vung Tau IZs MB
No.124 Vo Thi Sau str, Thang Tam ward, Vung Tau city,
Ba Ria - Vung Tau province
Tel: 064.3816640
Fax: 064.3858531
Can Tho IZs/EPZs MB
No. 105 Tran Hung Dao, Ninh Kieu district, Can Tho city,
Can Tho province
Tel: 071.3830238
Fax: 071.3830773
Dong Nai IZs MB
No. 26 2A road, Bien Hoa 2 Industrial Zone, Dong Nai province
Tel: 061.3892378
Fax: 061.3892379
Tay Ninh IZs MB
Km 32, An Binh, An Tinh commune, Trang Bang,
Tay Ninh province
Tel: 066.3882300
Fax: 066.3882300
Binh Duong IZs MB
No. 5 Quang Trung, Thu Dau Mot town, Binh Duong province
Tel: 0650.3831215
Fax: 0650.3823984
Vietnam - Singapore IZs MB
No. 8 Huy Nghi highway, Thuan An, Binh Duong
Tel: 0650.3743901/0650.3743902/0650.3743904
Fax: 0650.3743903
Binh Phuoc IZs MB
Highway 14, Tan Phu district, Dong Xoai town,
Binh Phuong province
Tel: 0651.3887524
Fax: 0651.3887523
Long An IZs MB
65B Bao Dinh str, District 2, Tan An town, Long An province
Tel: 072.3825449
Fax: 072.3825442
Tien Giang IZs MB
No. 27 Nam Ky Khoi Nghia, district 4, My Tho city,
Tien Giang province
Tel: 073.3871808
Fax: 073.3871808
Vinh Long IZs MB
No.85 Trung Nu Vuong, district 1, Vinh Long town, \
Vinh Long province
Tel: 070.3820972
Fax: 070.3820972
Dong Thap IZs MB
No. 466 Nguyen Sinh Sac, district 1, Sa Dec town, Dong Thap
Tel: 067.3865471
Fax: 067.3865471
Quang Binh IZs MB
No. 317 Ly Thuong Kiet str, Dong Hoi city, Quang Binh province
Tel: 052.3828513
Fax: 052.3828516
116 | ベトナム投資ガイドブック
Chu Lai Open Economic Zone MB
No. 1 Tran Phu, Tam Ky town, Quang Nam province
Tel: 0510.3812847
Fax: 0510.3812842
Kon Tum IZs MB
No. 145 Ure str, Kon Tum town, Kon Tum province
Tel: 060.3910606
Fax: 060.3910606
Nhon Hoi Economic Zone MB
No. 83 Le Hong Phong, Quy Nhon city, Binh Dinh province
Tel: 056.3820957/056.3820958(ext.105)
Fax: 056.3820965
Soc Trang IZs MB
No. 146 Hai Ba Trung, district 1, Soc Trang town,
Soc Trang province
Tel: 079.3611936
Fax: 079.3611187
Ben Tre IZs MB
No. 20 3/2 Str, District 2, Ben Tre town, Ben Tre province
Tel: 075.3817718
Fax: 075.3817718
Dak Lak IZs MB
No. 01A, Ba Trieu, Buon Ma Thuot city, Dak Lak province
Tel: 050.3856339
Fax: 050.3856339
▶ 外国大使館
Algeria, 13 Phan Chu Trinh, Hanoi
Tel: (84-4)38253865
Fax: (84-4)38260830
Italy, 9 Le Phung Hieu, Hanoi
Tel: (84-4)38256256
Fax:(84-4)38267602
Argentina, 8th F, Daeha Business Centre,
Japan, 27 Lieu Giai, Hanoi
360 Kim Ma, Hanoi
Tel: (84-4)8463000
Tel:(84-4)38315578/38315262/38315263Fax:(84-4)38315577 Fax: (84-4)8463043
Austria, 8th F, Prime Centre,
53 Quang Trung, Hanoi
Tel: (84-4)39433050/39433501
Fax: (84-4)39433055
Australia, 8 Dao Tan St., Hanoi
Tel. (84-4)38317755
Fax: (84-4)38317711
Bangladesh, 7thF, Daeha Centre,
360 Kim Ma, Hanoi
Tel: (84-4)37716625
Fax: (84-4)37716628
Belarus, 52 Tay Ho, Hanoi
Tel: (84-4)37197126
Fax: (84-4)3719 7125
Belgium, 9thF, 49 Hai Ba Trung, Hanoi
Tel: (84-4)39346179-81
Fax:(84-4)39346183
Brazil, 14 Thuy Khue, Hanoi
Tel: (84-4)38432544
Fax: (84-4)38432542
Brunei, 27 Quang Trung, Hanoi
Tel: (84-4)9435249/50/51
Fax: (84-4)9435201
Bulgaria, 5 Van Phuc Quater,
Kim Ma, Hanoi
Tel: (84-4)38252908
Fax: (84-4)38460856
Korea (Democratic People’s Republic of), 25 Cao Ba Quat, Hanoi
Tel: (84-4)38453008
Fax: (84-4)38231221
Laos, 22 Tran Binh Trong, Hanoi
Tel: (84-4)39424576
Fax:(84-4)38228414
Lybia, A3 Van Phuc Quarter,
Kim Ma, Hanoi
Tel: (84-4) 38453379
Fax: (84-4) 38454977
Malaysia, 43-45 Dien Bien Phu, Hanoi
Tel: (84-4)37343836
Fax: (84-4)37343829
Mexico, T11, 14 Thuy Khue, Hanoi
Tel: (84-4)38470947/ 48
Fax: (84-4)38470949
Mongolia, V5, Van Phuc Quarter, Hanoi
Tel: (84-4)38453009
Fax: (84-4)38454954
Myanmar, A3 Van Phuc Quater,
Kim Ma, Hanoi
Tel: (84-4)38453369
fax: (84-4)38452404
Netherlands, 6th F, Daeha Business Centre, 360 Kim Ma, Hanoi
Tel: (84-4)38315650
Fax: (84-4)38315655
ベトナム投資ガイドブック | 117
Cambodia, 71A Tran Hung Dao, Hanoi
Tel: (84-4)39424788
Fax: (84-4)38265225
New Zealand, 5th Floor, 63 Ly Thai To, Hanoi
Tel: (84-4)38241481
Fax: (84-4)38241480
Canada, 31 Hung Vuong, Hanoi
Tel: (84-4)37345000
Fax: (84-4)37345049
Norway, 56 Ly Thai To, Hanoi
Tel: (84-4) 38262111
Fax:(84-4)38260222
Chile, Suite 1201-1203, 12F, Tung Shing Square,
2 Ngo Quyen, Hanoi
Tel: (84-4)39351147/48
Fax: (84-4)39351150
Palestine, E4B Trung Tu Diplomatic
Quarter, Hanoi
Tel: (84-4)38524013
China, 46 Hoang Dieu St., Hanoi
Tel. (84-4) 38453736,
Fax: (84-4) 38232826
Cuba, 65 Ly Thuong Kiet, Hanoi
Tel: (84-4)39424775
Fax: (84-4)39422426
Czech Republic, 13 Chu Van An, Hanoi
Tel: (84-4)38454131
Fax: (84-4)38233996
Denmark, 19 Dien Bien Phu, Hanoi
Tel: (84-4) 38231888
Fax: (84-4)38231999
Egypt, 63 To Ngoc Van, Hanoi
Tel: (84-4)38294999
Fax: (84-4)38294997
European Union (EU), 56 Ly Thai To, Hanoi
Tel: (84-4)39341300
Fax: (84-4)39341361
Finland, 31 Hai Ba Trung, Hanoi
Tel: (84-4)8266788
Fax: (84-4)8266766
France, 57 Tran Hung Dao St., Hanoi
Tel. (84-4)39437719
Fax: (84-4)38437236
Germany, 29 Tran Phu St., Hanoi
Tel: (84-4)38430245
Fax: (84-4)38453838
Panama,HanoiCentralOfficeBuilding,44BLyThuongKiet,Hanoi
Tel: (84-4)39365213
Fax: (84-4)39365214
Philippines, 27B Tran Hung Dao, Hanoi
Tel: (84-4)39437948
Fax: (84-4)38265760
Poland, 3 Chua Mot Cot St., Hanoi
Tel: (84-4)38452027
Fax:(84-4)38236914
Romania, 5 Le Hong Phong, Hanoi
Tel: (84-4)38452014
Fax: (84-4)38430922
Russian, 191 La Thanh, Hanoi
Tel: (84-4)38336991/2
Fax: (84-4)38336995
Singapore, 41-43 Tran Phu St. Hanoi
Tel: (84-4)8233966,
Fax: (84-4)7337627
South Africa, 3F, 31 Hai Ba Trung, Hanoi
Tel: (84-4)39362000
Fax:(84-4)39361991
South Korea, Deaha Business
Tel: (84-4)38315111- 6
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Center, 360 Kim Ma, Hanoi
Spain, Deaha Business Center,
360 Kim Ma, Hanoi
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Hungary, 12thF, Daeha Business Centre,
360 Kim Ma, Hanoi
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Sweden, 2 Nui Truc, Hanoi
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India, 58-60 Tran Hung Dao, Hanoi
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Switzerland, 15thF, G.P.O. Box 42,
44B Ly Thuong Kiet, Hanoi
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Indonesia, 50 Ngo Quyen St., Hanoi
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Turkey, 4 Da Tuong, Hanoi
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