2007年 - 旭化成ファーマ株式会社

RC報告書 2007
人びとの
健康で豊かな生活の
実現に貢献します
社長メッセージ
人びとの「いのち」と「くらし」に貢献します
日本は本格的な高齢化社会を迎え、健康やクオリティ・オブ・ライフへの関心はますます高まり、医薬・医
療に対する期待も膨らんできています。私たち旭化成ファーマグループは、みなさまのご期待に応えるべ
く、次の事業理念のもと、「いのち」と「くらし」に貢献していきたいと考えております。
● 私たちは、たゆまぬ研究により、優れた医薬品・医療機器およびこれに関連した製品をお届け
し、人びとの健康で豊かな生活の実現に貢献いたします。
● 私たちは、いのちにかかわる事業に携わる者として、常に誠実に日々の仕事に従事し、患者
さまや健康を願う人びとに対する思いやりを忘れません。
● 私たちは、私たちの製品には高い安全性が求められていることを充分認識し、最大限の注意
と努力を怠りません。
RC活動は事業活動の基盤です
企業は、社会の要請に基づきその存在を認められるものであり、その意味では個人以上に社会的存在
です。社会に受け入れられない企業の脆さは、相次ぐ不祥事とその顛末を引用するまでもなく明らかです。
さらに私たちは、人びとの健康で豊かな生活の実現に貢献するための基盤となる活動もRC活動であると
認識しています。
旭化成ファーマグループは、これらのことをあらためて深く肝に銘じ、利潤追求を目指す事業体としての
立場に加えて、地域社会の一員として、また広くは全地球的観点から、当社をとりまく人びととのコミュニ
ケーションを図りつつ、最適なレベルのRC活動を実施し、企業としての社会的責任を果たします。
また、RC活動は関与する人の意欲の差により、得られる結果が著しく異なりますので、私を含め経営幹
部は率先してその活動に取り組みます。
今後の課題
持株会社(旭化成株式会社)から受けた2006年度のRC監査において、ファーマグループのRC管理・R
C活動状況は昨年度と比較して更に改善されたとの評価を受けました。しかし、毎年、大事には至っており
ませんが、営業車両運転中の労働災害が断続的に発生するなど、まだまだ満足できる水準ではありませ
ん。
私たちは旭化成グループの一員として、人びとの「いのち」と「くらし」に貢献する企業であることを強く意
識し、RC活動と社会貢献活動を実践し、併せて社会に対する説明責任を果たしてまいります。社員の皆
様のご尽力に感謝するとともに今後のさらなる活動の継続に期待します。
2007年9月
2007年9月
旭化成ファーマ株式会社
代表取締役社長
-1-
目
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
次
社長メッセージ
目次
企業概要
主な製品の紹介
RCマネジメントシステム
RCマネジメントシステムの推進体制
2006年度RC目標と達成状況
RCコンプライアンスの徹底
設備投資概況
環境保全活動
活動概況
地球温暖化防止への取り組み
循環型社会形成へ向けての取り組み
化学物質管理
保安防災活動
保安防災活動への取り組み
労働安全衛生活動
労働災害防止への取り組み
健康管理活動
製品安全活動
社会とのコミュニケーション
ページ
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2
3
5
8
9
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24
26
28
編集方針
このレスポンシブル・ケア(RC)報告書は、環境保全・保安防災・
労働安全衛生・健康・製品安全の全てのRC活動項目に関して記
載しています。 また、コミュニケーションツールとしての価値を高め
るために、より多くの部場・全ての地区の話題を盛り込んで作成し
ています。
* 対象期間
掲載しているデータは、2006年度(2006年4月〜2007年3月)の
旭化成ファーマグループの実績を記載しています。
* 対象範囲
旭化成ファーマグループのRC活動を実施している組織を、対
象範囲としています。 ファーマグループが主体で実施してい
る活動を紹介していますので、雇用問題や人材育成、リスク
マネジメントなど旭化成グループとして一体化した活動は紹介
していません。
-2-
企業概要
旭化成ファーマ株式会社
本社所在地
代 表 者
資 本 金
総 資 産
従業員数
株
主
:
:
:
:
:
:
東京都千代田区神田美土代町9-1(MD神田ビル)
代表取締役社長 大江 啓
30億円(ファーマ単体)
1,187億円(連結ベース)
3,688人(連結ベース)
旭化成株式会社 100%(ファーマ単体)
当期の営業概況
売上高の推移
医薬事業は、カルシトニン製剤「エルシトニン
」が競争激化の影響を受けましたが、排尿
障害治療薬「フリバスTM」、抗うつ薬「トレドミン
TM
」が売り上げを伸ばし、業績は昨年を上回り
ました。
医療事業は、ポリスルホン膜人工腎臓「AP
STM 」の生産設備を増強したことなどから、販
売量が国内・海外共に拡大しましたが、設備
増強による償却負担の増加などにより、業績
は前期を下回りました。
TM
120,000
連 100,000
結
売 80,000
上
60,000
高
40,000
M
¥ 20,000
0
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
年度
当期のハイライト
新薬の製造販売承認を申請
2006年8月29日に当社が開発中の抗血液凝固剤ART-123[一般名:トロンボモデュリン アルファ(遺
伝子組換え)]の製造販売承認申請を行いました。 剤型は注射剤で、適応症はDIC(基礎疾患が造
血器悪性腫瘍あるいは感染症の患者に限る)です。
ライセンス契約の締結
①ファスジル経口剤及び吸入剤のライセンス契約を締結(2007年6月29日)
当社が開発した「ファスジル」について、米国のコセリックス社 (CoTherix, Inc.)と経口剤および吸
入剤に関するライセンス契約を締結しました。 対象疾患と剤形は、狭心症(経口剤)および肺高血
圧症(経口剤、吸入剤)です。
②血管拡張剤「エリル」の韓国におけるライセンス契約を締結(2007年3月23日)
当社とエーザイ株式会社の韓国医薬品販売子会社エーザイ・コリア・インクは、当社の血管拡張剤
「エリル」(注射剤、一般名:塩酸ファスジル水和物)に関して、韓国におけるライセンス契約を締結し
ました。 今回の契約締結により、エーザイ・コリア・インクは、当社より韓国における「エリル」に関す
る開発、販売の権利を取得することになります。今後、エーザイ・コリア・インクは韓国において「エリ
ル」の新薬承認申請に向けて開発を進めます。
他社との連携を積極推進
①透析事業および血液浄化事業の統合について
旭化成メディカル株式会社・クラレメディカル株式会社は、両社の透析事業と血液浄化事業を統合
することについて基本合意しました。 今後、公正取引委員会の事前相談を経て、詳細検討を進めま
す。 両社は2006年6月、医療用中空糸膜の製造・開発技術の融合、発展を目指し、EVOH (商標:
エバール)中空糸膜を 共同生産するA・Kメンブレン製造株式会社を設立しており、今後の技術向上
と製品競争力の強化を図るために、今回の事業統合に関する基本合意に至りました。
②ART-123の海外展開について
当社が開発しているART-123[一般名:トロンボモデュリン アルファ(遺伝子組換え)]の海外の権
利をベンチャー・キャピタルの出資を得て米国に新たに設立したアルチザン・ファーマ社にライセンス
し、今後アルチザン・ファーマ社がART-123の海外での開発を行うことになりました。 ART-123は新
しい作用機序をもつ抗血液凝固剤で、当社が世界に先駆け開発している薬剤です。
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日本各地に位置する旭化成ファーマの工場と研究所
白老地区
富士地区
大分地区
東京本社
横浜地区
大仁地区
名古屋地区
延岡地区
白老地区
旭化成N&P㈱白老工場
大仁地区
大仁医薬工場
神島医薬工場
大仁診断薬工場
研究センター
特薬研究部
診断薬製品部
ヘルスケア製品部
旭化成ファーマサポート㈱大仁事業所
東京本社
旭化成ファーマ㈱本社
旭化成メディカル㈱本社
旭化成N&P㈱本社
横浜地区
旭化成アイミー㈱本社
大分地区
旭化成メディカル㈱大分生産センター
富士地区
研究センター
バイオ生産技術部
旭化成メディカル㈱ME機器センター
延岡地区
延岡医薬工場
旭化成メディカル㈱プラノバ工場
旭化成メディカル㈱恒富工場
旭化成メディカル㈱岡富工場
旭化成ファーマサポート㈱延岡事業所
旭化成アイミー㈱延岡製造部
名古屋地区
名古屋医薬工場
2007年3月31日現在
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主な製品の紹介
旭化成ファーマの製品
エルシトニン注20S
骨粗鬆症治療剤
骨粗鬆症の患者さんの疼痛を改善する注射剤です。
骨粗鬆症薬のなかで最も売れています。
ブレディニン錠
免疫抑制剤
免疫を抑制することにより、腎移植、関節リウマチ、
ネフローゼ等に効果がある錠剤です。
トレドミン錠
抗うつ薬
うつ病・うつ状態の治療に使用される錠剤です。
第4世代の抗うつ薬と言われています。
フリバス錠
前立腺肥大症治療剤
前立腺肥大症にともなう排尿障害の治療に使用さ
れます。 1日1回服用する錠剤です。
エリル注S
くも膜下出血後の脳血管攣縮改善
くも膜下出血後の脳血管攣縮と脳虚血症状を改善
します。 点滴で用いる注射剤です。
グリコアルブミン測定キット
『ルシカGA−L』で測定されるグリコアルブミン
(GA)は、過去約2週間の血糖状態の変化を正確
に把握できることから、糖尿病の患者さんの血糖
管理指標として広く使用されています。
濃厚流動食 『Lシリーズ』(全6製品12規格)
たんぱく質、脂質、糖質など、高栄養に設計された、飲むだけ
で充分に栄養が摂れる濃厚流動食です。
食物繊維や微量元素などに配慮しておりますので、一日の栄養
をバランスよくお摂りいただけます。
Lシリーズ→
←笑顔倶楽部
ハイカロリー栄養飲料 『笑顔倶楽部』 (全7種)
流動食の「味への不満」を解消した、口当たりのよい栄養飲料です。
少量でハイカロリーの栄養を摂取できるので、手術後や高齢の方にお薦
めします。
甘夏、バナナ、コーヒー、いちご、マンゴー、紅茶、ココアの7つの風味を
取り揃えております。
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旭化成メディカルの製品
1974年、世界初のベンベルグ(キュプラアンモニウムレーヨン)中空糸を透析膜とした人工腎臓の開発に成
功し、以来、トップメーカの地位を確立してきました。 また、膜分離技術、吸着技術を用いた商品を開発し、
様々な免疫疾患や難病の治療に貢献しています。 さらに、輸血時の副作用を防ぐ白血球除去フィルター(セパ
セル)を全世界に供給しています。
人工腎臓
APSシリーズ
APSシリーズ
低分子量タンパクの除去にすぐれたこれからの人工腎臓のスタンダードにな
る製品で、旭化成グループの総合力を結集したポリスルホン膜人工腎臓です。
AMシリーズ
導入期から安定維持透析までのニーズに応える、セルロース膜人工腎臓で
す。
白血球除去フィルター(輸血時) セパセル
白血球は発熱や悪寒といった輸血時に起こる副作用の原因の一つです。
旭化成メディカルは、他社に先駆けて超微細繊維を使用した白血球除去フィ
ルターを開発し、全世界に供給しています。
セパセル
血液浄化装置 プラソートiQ21
アフェレーシスからCRRTまで、あらゆる血液浄化療法に対応できる多目
的装置です。
プラソートiQ21 →
白血球除去フィルター セルソーバ
一方の肘または大腿などの静脈から血液を体外に取り出し、フィル
ターで活性化した白血球(リンパ球・単球・顆粒球)を除去し、浄化さ
れた血液を反対側の静脈へ戻す血液浄化治療に用いるフィルターで
す。
セルソーバ
ウィルス除去フィルター「プラノバ」
用途は血液製剤の一種の血漿分画製剤(*1)やバイオ医薬品(*2)の
製造工程において、有害なウィルスを除去するために使われるフィル
ターです。
*1 血液から血球を除いた血漿を原料として製造される医薬品で、
血友病や免疫不全症の治療薬などがある。
*2 細胞培養や遺伝子組替えによって製造される医薬品で、インター
フェロンなどがある。
-6-
旭化成N&P、旭化成ファーマの製品
コエンザイムQ10
25年以上にわたり、発酵法による天然型コエンザ
イムQ10を医薬品の製造基準に基づいて製造し、世
界中に供給しています。 製品は日本薬局方・米国
薬局方(USP)・欧州薬局方(EP)全ての規格をクリア
し、さらに、遺伝子組換え菌を使用しない、動物原料
を使用しない、特定アレルギー物質を使用しない
等、安心・安全のための製品作りを徹底していま
す。 最近は抗酸化力が注目され、健康食品として
多く利用されています。
旭化成アイミーの製品
コンタクトレンズを通して快適なアイライフをサポート!
遠近両用ハードコンタクトレンズ
「アイミークリアライフ」
独自の光学設計で遠近ともにクリアな視界を確保。瞳にたっぷり
酸素を通す高酸素透過性素材。さらに、1.066の比重がかろやかな
装用感を実現します。UVカット機能付き。
1ヶ月定期交換ソフトコンタクト
「アイミーアビュー」
パソコン・携帯電話など、目を酷使する現代人のライフ
スタイルに対応した、累進屈折力新レンズデザイン。乾燥
しづらく目が乾きにくいレンズ素材を採用。清潔、安心の
1ヶ月交換タイプ。
「レンズコート」
新うるおい・洗浄成分「リピジュア」配合。うる
おいの膜でレンズをコートし、細菌類や汚れか
らレンズを守る新発想のソフトコンタクトケア。
(ソフトコンタクト用洗浄・すすぎ・消毒・保存
液)
「ワンオーケア」
優れた酵素パワーで高い洗浄
効果が持続。抗菌成分を配合し、
レンズやケースを清潔に保ちま
す。うるおい成分PVP配合。
(ハードコンタクトレンズ用酵素入
り洗浄保存液)
-7-
RCマネジメントシステム
旭化成ファーマでは、RC活動の方向付けをするために『RC方針』を定めています。
旭化成ファーマ RC方針
旭化成ファーマは医薬品・医療機器およびこれに関連した製品の提供を通じて、人びとの健康で豊かな生活
の実現に貢献する企業である。 環境保全、製品安全、保安防災および労働安全衛生・健康は、経営の最重要
課題のひとつと認識し、開発から廃棄に至る製品ライフサイクルすべてにわたり、あらゆる事業活動においてこ
れらに配慮する。
・ 基礎研究および製品開発の初期段階から環境に配慮するとともに、事業活動に伴う環境負荷を低減
し、環境保全に取り組む。
・ 我々の製品は人々の健康的な生活に深く関わるものであり、製品の安全性を充分に評価し、安全情報
を提供することで、製品安全を確保するとともに、より良質な製品の供給により人々の生活の改善に寄
与する。
・ 設備の点検と保全に留意し、安定操業を実施する。 また、保安防災技術の向上に努め、発生の可能
性が有る事故災害に対して防災体制を確立し、従業員と地域社会の安全を確保する。
・ 作業環境の改善と設備の本質安全化対策に取り組み、安全作業の遵守や教育を通じた安全意識の向
上により、労働災害・交通事故災害の防止を図る。
・ 適正でゆとりのある職場環境の形成に努め、従業員自身および家族のために、健康維持・増進を積極
的に支援する。また、メンタルヘルスケアを推進し、心の健康にも留意する。
法令遵守はもとより、率先してRC活動に取り組み、自ら設定した目標を達成することでRC活動の質の継続的
な改善を図る。 また、積極的に情報を公開し、コミュニケーションを重ねることにより、社会の理解と信頼を得
る。
旭化成ファーマグループ
のRC活動
環境保全
保安防災
製品安全
社会との
コミュニケーション
健康管理
労働安全衛生
レスポンシブル・ケア(RC)活動
レスポンシブル・ケア活動とは、化学物質を扱うそれぞれの企業が化学物質の開発から製造、物流、使用、最終
消費を経て廃棄に至るまで、自主的に「環境・安全・健康」を確保し、活動の成果を公表し社会との対話・コミュニ
ケーションを行う活動です。
RC活動は1985年にカナダで誕生し、日本では1995年に日本レスポンシブル・ケア協会(JRCC)が設立され、組
織的な活動がスタートしました。 旭化成グループは、JRCC設立に参画し、当初よりRC活動を積極的に推進して
い ま す 。 最 近 で は 、 社 会 貢 献 や コ ン プ ラ イ ア ン ス を 含 め た 企 業 の 社 会 的 責 任 (CSR : Corporate Social
Responsibility)の根幹部分として認識されています。
-8-
RCマネジメントシステムの推進体制
RC活動の推進体制
旭化成グループはRC活動を効率的に推進するため、グループ全体のRC活動を規定する「RC管
理規程」を定め、マネジメントシステムを構築しています。 旭化成ファーマは、これを受けてファーマ
版「RC管理規程」を定めることにより、地球環境を保全し、人の安全・健康及び財産を守るため、事業
活動を見直し、改善を行っていくことを明言し、以下に示す管理体制でRC活動を推進しています。
推進体制の概念図
持株会社社長
ファーマ社長
事業部長
持株会社RC担当役員
ファーマ社長補佐(支社長)
工場長
RC方針
ファーマ社長は、RC実施統括者としてファーマ
の方針・目標を決定し、活動を牽引します。
Plan:計画
マネジメント
レビューの実施
Act:是正
継続的改善
スパイラルアップ
Check:RC監査
Do:実施
各工場・事業部にて
RC活動を展開
各工場・事業部でのRC活動は、PDCA(Plan-Do-Check-Act)サイクルを回して継続的な改善を図っていま
す。 このサイクルを効率的に運用するため、マネジメントシステムを導入しています。 製品安全については
品質マネジメントシステム(ISO9001)及び医薬品の製造管理・品質管理に関する基準(GMP)、環境保全につい
ては環境マネジメントシステム(ISO14001)、労働安全衛生・健康については労働安全衛生マネジメントシステ
ム(OHSMS)を導入してシステム構築し、活動を展開しています。
RC委員会
RC推進会議
社長が委員長となり、事業部長・社長補佐(支社長)・
関連会社社長が出席します。 年1回のRCマネジメン
ト・レビューの場であり、RC活動に関する重要事項の
審議・決定を行います。
各事業部のPL推進責任者、環境安全推進担当者、
環境安全部長が出席します。 年2回の開催で、RC
活動の推進を図っています。
RC大会
RC監査
各地区で年1回開催しており、各部場からRC活動の
成果発表を行ったり、安全表彰を執り行うなど、コミュ
ニケーションの場として利用します。
社長・支社長・事業部長などによる監査を実施して
います。 社長監査では、役員も監査者として参加し、
被監査部場からは最高責任者である事業部長の出席
が義務付けられています。
-9-
旭化成ファーマのRC活動の2006年度RC目標と達成状況
★★★達成、★★ほぼ達成、★:更に取り組みが必要
項目
RC全般
環境保全
2006年度のRC目標
2006年度の実施結果
2007年度目標
RC管理コンプライアンスの充実
全部場にて法令要求事項の一覧表を
一覧表の見直しと継続的な
作成し、カレンダー形式にスケジュール ★★★
遵法調査の実施
化しました。
RC管理の強化
①対象とする全ての組織にてISO14001
の認証取得を行いました。
②OHSMS未導入部場は残り1工場で
す。
コミュニケーションの促進
①RC報告書を発行しました。
RC報告書の継続発行、地域
②各地区にて活発な地域対話を実施し ★★★
対話の継続開催
ました。
環境汚染事故災害撲滅
環境汚染事故災害の発生はありません
環境汚染事故災害ゼロの継
★★★
でした。
続
産業廃棄物の最終処分量を2000 産業廃棄物の埋立処分量は基準年度
年度の55%以上削減
と比較して25%増加しました。
保安防災
達成度
評価
★★
★
システムの効率的運用とパ
フォーマンス改善
産業廃棄物の最終処分量が
196t/y以下(基準年度比65%
以上削減)
有害大気汚染物質を基準年度
(1995年度)比90%以上削減
優先取り組み物質の大気排出量は基
★★★ 更なる削減計画の立案
準年度比91%削減されました。
PRTR物質、VOC物質排出の削減
対象物質の排出量を2000年
EMS活動を利用して対象物質の削減活
★★★ 度比30%以上削減(2010年
動を実施しました。
度目標)
温室効果ガスの排出量の削減
フロンの代替化計画が順調に検討され
温室効果ガス排出量17.6万t
★★★
ています。
/y以下(2010年度目標)
産業事故災害の撲滅
産業事故災害の発生はありませんでし
★★★ 産業事故災害ゼロの継続
た。
老朽化・劣化・未点検危険個
老朽化・未点検危険個所の継続 見直しを実施し、計画的に対策を講じま
★★★
所の継続的見直しの実施
的見直しの実施と対策
した。
引火・爆発、漏洩危険個所の継
続的見直しの実施と対策
引火・爆発、漏洩事故防止に
見直しを実施し、計画的に対策を講じま
★★★ 向けて、継続的な見直しの実
した。
施
防災体制の整備、機能維持
防災体制の整備、機能維持と向 防災体制を組織し、訓練を実施しまし
★★★
上
た。
と向上
労働安全
衛生
労働事故災害の撲滅(休業度数 休業災害が4件発生しました。しかし、
率0.1以下、休業強度率0.005以 休業強度率は0.002と目標を達成しまし
た。
下)
現業(工場・研究所)における安
全作業基準遵守の徹底
全部場で遵守評価を実施しました。しか
し、遵守率は100%ではありませんでし
た。
基本安全行動基準は作成しましたが、
事務所地区における基本安全行
一部の部場にて遵守評価がなされてい
動基準の遵守活動の推進
るのみでした。
健康
製品安全
★
労働事故災害の撲滅(休業
災害ゼロ、災害度数率0.7以
下)
★★
安全作業基準の100%遵守
★
基本安全行動の定期的な遵
守評価の実施
★★
メンタル疾患長期休業者の
低減
メンタルヘルスケアの推進
メンタルヘルス4ケアを実施しました。
製品安全事故の撲滅
製品安全事故の発生はありませんでし
製品苦情削減対策の強力な
★★★
た。
推進
化学物質の法令遵守
①安衛法改正(GHS導入)に対応したラ
ベルを提供しました。
★★★ 化学物質の法令遵守
②変更管理基準に化審法・安衛法確認
を盛り込みました。
- 10 -
RCコンプライアンスの徹底
旭化成ファーマでは、法令などの社会的規範・社内規程等を順守することにより、地球環境・地域社
会と調和した企業活動を行っています。
①順守すべき国内法規、85法令を特定しています。
②特定した法令が改正された場合、速やかに対応が取れる体制を採っています。
③許認可・届出、検査・測定等の抜けが無いように99のチェックリストを作成しました。
④各職場において、設備毎・作業毎に確認すべき法令を一覧表化しています。
⑤スケジュール化されたチェックリストに従い、毎年繰り返し順守確認を行っています。
⑥原材料や設備・運転条件等が変更された時には、 「変更管理基準」に従い、順法評価を実施して
います。
⑦各職場において実施された確認をRCスタッフが監査によりチェックする体制を構築しています。
「サプリメントアドバイザー」を取得しました
特薬営業部
私たち特薬営業部では、自社で製造したコエンザイムQ10
を25年以上販売しています。
特薬営業部はずっと医薬品原料を扱ってきましたが、2001
年、コエンザイムQ10が医薬品から、海外と同様に食品とし
て使用も認められたことで、健康食品・サプリメントという異
業種への国内販売が始まりました。そこで、国内販売担当
者は全員が「サプリメントアドバイザー」の資格を昨年取得し
ました。
その目的は①健康食品に関する法的規制、②健康食品の
種類・機能に関する基礎知識、の習得です。健康食品に
は、薬事法だけでなく、食品衛生法、健康増進法、景品表示
法等で注意すべきポイントが多数あります。また、医薬品と
異なり各種の効果を期待する他の原料と一緒に混合される
ため、サプリメントアドバイザー講習で教わる栄養学、公衆
衛生学、臨床栄養学、各種素材の機能と表示、生理学、生
化学などは基礎知識として非常に重要です。さらに、コエン
ザイムQ10自体も、細胞のエネルギー産生や重要な抗酸化
活性により、アンチエイジングやメタボリックシンドローム等、
様々な方面で有用な報告があり、それらを顧客にいかに伝
えるかという時に、「サプリメントアドバイザー」の基礎知識
が大いに役立っています。
(写真左から、樺沢さん、森さん、川崎さん、大坪さん
首から下げているのがライセンスカードです)
*コンプライアンスの留意点
販売上、最も注意すべきは、薬事法と健康増
進法・景品表示法です。まずは、薬事法ですが、
疾病の予防・治療や体の構造・機能に影響を及
ぼす目的のものは医薬品とされており,健康食品
等(「トクホ」を除く)の末端商品販売に関係してこ
れらの効果を表示・宣伝した場合、未承認医薬
品とみなされて罰されています。また、健康増進
法・景品表示法では、虚偽や誇大な広告、不当
表示(合理的根拠を提出できない表示など)は規
制されています。
機器毎に法令要求事項を一覧表・カレンダー化しました
旭化成メディカル 大分生産センター
高圧ガス保安法関係「定期自主検査」リスト
高圧ガス保安法
冷凍則
一般則
1
2
3
4
5
6
7
8
9
#1冷凍機(第一種)
#3冷凍機(第一種)
#2冷凍機(第二種)
#4冷凍機(第二種)
#5冷凍機(第二種)
#6冷凍機(第二種)認定指定設備
#7冷凍機(第二種)認定指定設備
#8冷凍機(第二種)認定指定設備
#9冷凍機(第二種)認定指定設備
1 CE設備(第二種)
★:保安検査実施済
●:定期自主検査実施済
保安検査
定期自主検査
法第35条
高圧ガス保安
協会施設検査
法第35条の2
冷凍則44条
対象外
−
法第35条の2
一般則83条
- 11 -
保安責任者
(管理責任者)
池田 秀信
池田 秀信
(池田 秀信)
(池田 秀信)
(池田 秀信)
(池田 秀信)
(池田 秀信)
(池田 秀信)
(池田 秀信)
管理部場
用役課
用役課
用役課
用役課
用役課
用役課
用役課
用役課
用役課
江藤酸素
(池田 秀信)
・用役課
性能検査及び定期自主検査計
4月 5月 6月 7月
● ● ★● ●
● ● ★● ●
● ● ★● ●
● ● ★● ●
● ● ★● ●
● ● ● ●
● ● ● ●
● ● ● ●
● ●
8月
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
RCコンプライアンスの徹底2
「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(通称:カルタヘ
ナ法)」を順守しています
大仁診断薬工場
本法は、遺伝子組換え生物の環境への導入を適切に管理し、生物の多様性を確保することを目的として国際
的に制定されたもので、国際会議の開かれた地名をとってカルタヘナ法と呼ばれています。日本では、2004年2
月に法律が施行されています。
大仁診断薬工場では、体外診断用医薬品に用いる各種酵素の生産に、遺伝子組換え微生物を使用していま
すが、その使用(培養)にあたっては環境への拡散を防止しながら行う必要があり(第二種使用等に該当)、あら
かじめ国の確認を受けていなければなりません。現在、同法を順守するために我々が実施している拡散防止措
置の原則は次の3点です。
①取扱い場所の限定、②作業者の教育、③遺伝子組換え微生物の滅菌処理を行い、環境への拡散を最小限
に抑える。
以上の措置により、法令を順守し、生態系のバランスを保つべく業務を遂行しています。
大仁診断薬工場では、遺伝子組換え微生物より酵素を抽
出し、精製する工程を行っています。カルタヘナ法を順守し、
組換え体が、施設外の環境に拡散しないように日々心がけ
て作業にあたっています。現在取り扱っている微生物は
GILSP(優良工業製造規範)遺伝子微生物に分類されます。
また、大仁地区では、環境安全管理規則「遺伝子組み換え
微生物利用製造の実施規則」を定め、組織管理体制を明確
にし、安全な操業を実施しています。
(写真とコメントは大仁診断薬工場 高橋さん)
遺伝子組換え微生物利用製造管理組織
事業所長
環境安全部長
製造安全委員会
製造管理者:工場長
製造安全主任者:製造課長
製造従事者
「動物の愛護及び管理に関する法律」を順守しています
研究センター
医薬品の研究開発において、有効性や安全性の確認のために動物実験は不可欠であります。一方、動物実
験を実施する際には、実験動物を生命あるものとして尊重し、適正に飼育管理すること及び動物実験における
倫理への配慮が必要であります。そのために、旭化成ファーマでは、コンプライアンススタンダードに「私たちは、
動物を用いた実験を行うときは、必要最小限の動物を使用し、できるだけ苦痛を与えることがないように努力しま
す。」と掲げ、さらに、「動物実験基本指針」及び関連規程を定め、動物愛護に配慮しつつ、科学的観点に基づく
動物実験等を適正に実施するよう管理・指導しております。
- 12 -
設備投資概況
経営資源の投入(環境・安全投資)
環境安全関連の設備投資額
旭化成ファーマは、生産の維持・拡大のた
めの投資に加えて、「環境保全」「保安防災」
「労働安全衛生・健康」のために必要な経営
資源の投入を行っています。
安全の確保を自ら保証するために、環境・
安全に関する設備投資を積極的に行ってい
ます。 結果として右図のように環境安全関
連の設備投資は継続して行われ、金額では
年平均4億強の投資を実施しています。 今
後も『安全確保のために必要な設備投資は
行う』と云う方針に変わりは有りません。
生産能力を1.5倍に増強!
環境
安全
累計
500
3,500
3,000
投 400
資
額 300
累
2,500 計
2,000 額
1,500
M
1,000
¥
500
200
M
¥ 100
0
0
2000
2001
2002
2003
年度
2004
2005
2006
(旭化成メディカル岡富工場)
旭化成メディカルは、人工腎臓用ポリスルホン中空糸膜
の生産能力を増強するため、2006年に生産を開始した岡
富工場に於ける現有設備(2系列)の改造工事を行いまし
た。 紡口改良による増錘と包装機の増設、巻き取り工程
以降の全自動化および紡糸速度アップに対応した設備改
良を行って、昨年までの生産能力の約1.5倍の中空糸膜
生産が可能な設備投資を実施しました。 この工事により、
約1,500万束/年の中空糸膜の生産が可能となりました。
また、来年度は新系列を立ち上げ、更なる増産を計画して
います。
旭化成メディカル岡富工場(延岡)
原液製造工程を自製化!
(旭化成メディカルプラノバ工場)
2007年4月より、プラノバ原液自製化設備の試運転を始
めました。 これまで、旭化成メディカル恒富工場より供給
されていた中空糸製造用の銅アンモニアセルロース原液
を、自製化するための設備です。
プラノバ事業は、2007年度以降もウイルス除去フィルター
として血漿分画製剤、バイオ医薬品分野での成長が期待さ
れており、販売量増に対応するために、本設備の建設をは
じめ、成型工場増設等の計画を積極的に進めています。
本設備は、2004年4月コットンリンター、ベンチ設備の検討
に始まり、溶解試験、紡糸試験、本設備の仕様検討を経
て、2007年4月に完成しました。 原液製造工程は、溶解、
エージング、抽気の3工程から成り、紡糸工場のMAX生産
能力に対応出来る設備となっています(原液製造能力:
124m3/年、 設備投資額:6.5億円)。
本設備の稼働により、原液供給の安定化、更には紡糸品
質の安定化が期待できます。
- 13 -
プラノバ工場
原液製造棟(2007.04完
プラノバ工場原液製造棟(延岡)
成)
設備投資概況2
製剤工場を統合しました
(旭化成ファーマ名古屋医薬工場)
旭化成ファーマは、法規制対応強化やコスト競争力強化
を図るため、製剤化工程を名古屋医薬工場に集約させる
決定を行い、注射剤専用工場であった既存建屋内の一部
設備を撤去、改造すると共に、増築して内服固形剤製造設
備とし、アンプル液剤及び錠剤の専用工場としました。 こ
の、神島医薬工場を名古屋医薬工場に統合するための工
事が、2007年2月に竣工しました。 設備投資額は約12億
円で、本格的商業生産は2008年6月の予定です。 名古屋
医薬工場を、コスト競争力のある工場として今後他社から
の受託製造も視野にいれた医薬製剤製造の中核拠点とし
て位置付けています。
なお、現在内服剤専用工場である神島医薬工場は2008
年9月に廃止する予定です。
旭化成ファーマ名古屋医薬工場
旭化成メディカル、中国工場を増設
国内最大の人工腎臓メーカーである旭化成メディカルは、
2005年末より稼働した人工腎臓組立工場である中国工場
の製品が、品質・性能及び安全性の面から日本組立品と同
等の水準を確保でき、かつ高い生産性の発揮が確認できた
ことから、その第二期増設工事を2006年4月に決定しまし
た。 第二期工事の建設は順調に進み、2007年6月より稼
動致しました。
これによって中国工場の生産能力は従来の2倍の700万
本強/年となり、日本国内工場と合わせて、ポリスルホン膜
人工腎臓の年産 2,000万本体制が整いました。 このことに
より、国内市場への安定供給能力も大幅に向上しました。
中国組立工場の戦略的意義は、第一に不測の災害時に
も透析医療施設への供給継続を可能にするための複数生
産拠点の確保、第二に中国・アジア・中近東等のグローバ
ルな成長市場への最適供給拠点の確保にあります。
旭化成メディカル中国工場
第二期工事(完成予想図)
今後とも透析医療活動に取り組む方々からの信頼と満足を獲得できる「優れた製品・情報・サービス」を提供
し、世界最高水準にある日本透析医療の技術向上、患者様のQOL(Quality of Life)向上に貢献し続けることを
目指してまいります。
印刷業務を開始しました
(旭化成ファーマ大仁地区)
大仁地区における新規事業の創出を検討してきた結果、
設備投資額42.5百万円を投じて、2007年7月からオンデマ
ンド印刷事業がスタートしました。 旭化成ファーマサポート
の6名が業務を担当しています。 旭化成ファーマの学術資
材(パンフレット、カタログ)の増刷案件、関係会社や他の分
社の印刷案件をも取り込んでいき、印刷資材の外注費用
の内部留保を目指している他、社外からの注文(アルバ
ム、各種の冊子、パンフレット等)にも対応していく計画で
す。
オンデマンド印刷は、オフセット印刷に比べて、製作リード
タイムが短く、版下さえあれば必要な時に必要な数を製作
することができ、在庫・廃棄コストの削減も図ることができる
長所があります。 数年後には、事業の付加価値性を高め
て収益性を向上させるため、デザイン能力を磨き新規案件
の獲得につなげていくことを目指しています。
- 14 -
仕上げ裁断の様子(大仁地区)
環境保全活動
旭化成ファーマの主な環境負荷(2006年度実績)
INPUT
OUTPUT
大気放出 SOx
N Ox
ばいじん
水
83百万m
3
原材料
PRT R対象物質取扱量
3921トン
9t
有害大気汚染物質
温室効果ガス
20.1万t
( 二酸化炭素換算)
旭
化
成
フ
ァー
エ ネルギ ー
1.8x10 1 5 J
マ
の
生
産
活
動
P RTR対象物質
排出量 大気
水域
土壌
移動量
排水
排水量
CO D
産業廃棄物
ISO14001認証取得活動
旭化成ファーマでは、環境保全活動を継続的に改良するた
めに『ISO14001認証取得活動』を推進しています。 対象は、
生産部場と研究部場の全部場であり、1998年の大仁地区の
認証取得に始まり、現在では全ての部場にて認証取得をして
います。 今後はシステムを利用した継続的改善により、環境
負荷の低減に努めます。
このシステムの導入により、各部場が環境方針に従って継
続的に環境パフォーマンスの向上や法令順守等を約束してい
ます。
ISO14001 :環境影響や環境リスクを低減し、汚染の発生を予防する
ための要求事項を規定した国際規格であります。 この環境マネジ
メントシステムは、現在は2004年度版が使用されています。
中国工場でもISO14001の認証を取得しました
旭化成メディカル中国工場
旭化成メディカルの100%子会社であり、中国杭州に工場の
ある「旭化成医療機器(杭州)有限公司」(以下AMCと称す)は、
2005年に工場が本格稼動しました。 工場の安定稼動を確認し
た後、2006年には、環境ISO(ISO14001)の取得を目指し、活動
を開始しました。 AMC全社をあげての教育・訓練の実施、著し
い環境側面の特定、各種文書類の整備などの活動を着実に展
開してきました。 その結果、 CCIC中国検験認証集団品質認
証有限公司 (中国の認証機関の一つ)の審査に合格し、2007
年1月24日認証を得ることができました。
審査登録機関名は、中国検験認証集団品質認証有限公司
です。 今後は環境の持続的な改善に励むと共に、近い将来に
は、親会社であり、ISO14001運用の先輩である旭化成メディカ
ル大分生産センター、恒富工場、岡富工場、プラノバ工場と交
流を深めていきます。
- 15 -
89t
101t
12t
排出量
最終処分量
ISO14001
対象部場名
延岡医薬工場
旭化成メディカルプラノバ工場
旭化成メディカル恒富工場
旭化成メディカル岡富工場
旭化成アイミー延岡製造部
旭化成メディカル大分生産センター
研究センター(富士)
バイオ生産技術部
研究センター(大仁)
大仁医薬工場
神島医薬工場
大仁診断薬工場
特薬研究部
診断薬製品部
ヘルスケア製品部
旭化成ファーマサポート大仁事業所
工務部
名古屋医薬工場
旭化成N&P白老工場
85t
21t
0t
121t
83百万m
3
411t
7,089t
703t
認証状況
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
●
○:認証取得済み
●:新たに取得
現在システム運用を行っている
大爺総経理 (前列) と(後列左より)
環境安全課 鐘さん、朱さん、顧さん、石さん
地球温暖化防止への取り組み
旭化成ファーマでは、事業の持続性確保のため、次の二つの面から地球温暖化防止に取り組んで
います。
(1) エネルギー起源の二酸化炭素(CO 2)排出量の削減
(2) 生産プロセスから排出される温室効果ガス排出量の削減
(1)のエネルギー起源の二酸化炭素の削減については、生産工程の改良やコジェネレーション設備の導入、廃
熱利用などのISO14001システムを用いた省エネ活動により削減を実施しています。 今後も省エネ活動により、
エネルギー原単位を改善して目標達成を目指します。
(2)の生産プロセスから排出される温室効果ガスの削減については、フロンを使用しない工程の開発や温暖化
係数の低いフロンへの代替を検討しており、2010年度目標を達成できる目処が立ちました。
排出量の推移と削減目標
地球温暖化物質の大気排出量
CO2
HFC,PFC
25
排
出 20
量
15
20
00
20
01
20
02
20
03
20
04
20
05
2
20
10 006
(目
標
)
万 10
t
/ 5
y
0
基
準
年
度
排出量削減の目標値は、17.6万トン/年で
あり、2010年度の達成目標値です。
基準はCO2が1990年度、HFC及びPFCのフ
ロン類が1995年度となっており、それぞれCO2
が基準年度以下、フロン類が基準年度比6%
削減を目標に掲げて活動をしています。
排出量の推移は右図に示す通りで、現状で
は目標値を越えた排出量がありますが、目標
達成に向けて活動推進しています。
年度
チーム・マイナス6%に参加
当社グループは、環境省が主催している「チーム・マイナス6%」に
2006年8月に参加し、温室効果ガスの削減に様々な形で取り組んでい
ます。 各工場や事務所でもクールビスやブラックイルミネーション等を
行いました。 下記に活動の様子をご紹介いたします。
ノーネクタイ運動を実施しています
本社ビル
本社のあるMD神田ビルでは、6月1日より9月30日までの間、
「ノーネクタイ運動」を実施しました。 この運動は、会社を上げて
取組んでいる省エネルギー活動の一環として、数年前より実施
しているものです。 ネクタイを外し、涼しい服装にすることにより
エアコンでの冷やし過ぎを抑え、ひいては電力の消費をより少
なくするという効果を狙っています。 リラックスもできることから
好評で、今ではすっかり定着しております。
『涼しい服装で、仕事がはかどります。』 →
今年もブラックイルミネーションを行いました
営業車両の低公害化が完了しています
旭化成アイミー株式会社
旭化成アイミーでは、環境省の呼びかけで始まった「CO2
削減/ライトダウンキャンペーン」に賛同し、旭化成アイ
ミー横浜相談室にて6月24日の夜間消灯を実施しました。
消灯することにより地球温暖化防止に寄与できるという事
を身をもって体験でき、社員一同の省エネ意識が向上する
非常に有効な活動であり、今後も継続します。
医薬営業本部
旭化成ファーマ医薬営業本部では、リース契約し
ている営業車両339台全ての低公害車化を2004年
度に完了しています。 低公害車分類につきまして
は、昨年より8ポイント上昇して99%が超-低排出ガ
ス車両(三ツ星以上)と分類される車両を用いてい
ます。 製造部門だけでなく、営業部門も地球温暖
化対策を実践中です。
- 16 -
循環型社会形成へ向けての取り組み
産業廃棄物の管理に関して、産業廃棄物の発生の抑制、リサイクル、最終処分量の削減に取り組んでいます。
また、社外への産業廃棄物処理を委託する場合には、確実に処理がなされるように産業廃棄物管理票(マニフェ
スト)制度に基づき、マニフェストの交付および定期的に最終処分地の現地視察を実施しています。 旭化成
ファーマでは、2010年度に産業廃棄物の最終処分量を2000年度比10%以下に削減するゼロエミッションに取り
組んでいます。
廃棄物のゼロエミッション
廃棄物のゼロエミッションとは、廃棄物の発生量を抑制すると共に、発生した廃棄物は、他の産業の原
材料として再利用、再資源化し、最終埋立処分する廃棄物をゼロにする活動です。
廃棄物の処理処分概要(2006年度実績) 単位:トン
内部処理
外部処理
再資源化量
減量化量
再資源化量
減量化量
21(0.3%)
668(8.6%)
6,031(77.5%)
355(4.6%)
廃棄物発生量
排出廃棄物量
7,779(100%)
7,089(91.1%)
埋立処分量
最終処分量
0(0%)
703(9.0%)
2010年度目標: 56トン
廃棄物発生量
25000
20000
最
終
処
分
量
800
700
t
/
y
300
15000
10000
5000
600
500
400
200
100
20
06
20
10
目
標
年度
年度
20
05
20
04
20
03
20
02
2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006
20
01
0
0
20
00
排出量(t/y)
最終処分量の推移
900
30000
廃棄物の3R活動に取り組んでいます
廃棄物の3R活動
3Rとは、環境と経済が両立した循環型社会を形成していくためのキーワードです。
①Reduce(リデュース) :廃棄物の発生抑制
②Reuse(リユース) :再使用
③Recycle(リサイクル) :再資源化
の頭文字をとった「3R」であり、ゴミの焼却や埋立処分による環境への悪影響を減らし、資源を有効
に利用する『循環型社会形成を目指す活動』です。
活動例
①廃棄物の発生抑制:A.従来は廃棄物としていた煤塵を土壌改良剤原料(有価物)として販売した。B.埋立
処分していた廃発酵菌体を有機肥料として販売した。C.簡易包装の原料を使用して製造した。D.低濃度水
溶性有機溶剤を濃縮減量した。
②再使用:A.焼却処分していた使用済み有機溶剤を精製し再使用した。B.原料や製品の容器をリターナブ
ル化した。
③再資源化:A.廃プラスチックや有機溶剤を焼却処分する際に発生する熱を回収利用した。B.紙類をダン
ボール紙等の原料として再資源化した。
上図に示す通り、廃棄物発生量は順調に削減され、最終処分量も目標達成の目処が立っています。
- 17 -
化学物質管理
PRTRへの取り組み
旭化成グループでは、1995年よりレスポンシブル・ケア活動の一環として自主的に独自のPRTR(環境汚染
物質排出・移動量登録)を実施し、結果を報告し、削減に努めてきました。 2001年4月にPRTR法(特定化学
物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律)が施行されました。 旭化成ファーマ
の取り扱う化学物質のうち、下記7物質がPRTR法に該当します。
2006年度 PRTR法対象物質の排出量及び移動量
物 質 名 称
大気
15.6
5.2
3.2
0.3
0.0
0.0
0.0
取扱量(t/y)
移動量
0.6
0.7
0.0
15.2
0.0
2.9
1.2
1200
取扱量
移動量
8000
合計
15.6
5.2
3.2
0.3
0.2
0.0
0.0
PRTR:Pollutant Release and Transfer Register
PRTR物質の移動量と取扱量
10000
800
6000
600
4000
400
2000
200
0
有害性のある化学物質を取り扱う工場や事業所が、化学
物質ごとに環境への排出量や廃棄物としての移動量を把
握・報告(登録)し、その結果を行政が公表する制度です。
1000
移動量(t/y)
ジクロロペンタフルオロプロパン
ジクロロメタン
エチレンオキサイド
1,2-ジクロロエタン
エチレングリコール
エピクロルヒドリン
クロロホルム
単位: t/ y
排出量
水域
土壌
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.2
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
各工場では、溶媒回収設備の増強・導入や設備の
密閉化、代替溶媒の検討などを実施しました。 そ
の活動により、左図に示す通りPRTR物質の取扱量
も移動量も削減されています。
0
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
大気汚染防止への取り組み
旭化成ファーマでは、自主管理計画に基づき、優先取組22物質に該当する3物質について、回収設備の能力
増強や工程変更により大気排出量の削減を検討してきました。 特に排出量が多いジクロロメタン排出対策とし
て、大仁医薬工場と神島医薬工場にて回収設備増強投資を行い、グラフに示すとおり、削減に成功しました。
削減目標は、2010年度に1995年度対比90%以上削減の10.2t/y以下の排出ですが、既に2005年度に目標を達
成しました。
有害大気汚染物質の排出量
優先取り組み物質
300
120
排
出
量
t
/
y
エチレンオキサイド
1,2-ジクロロエタン
ジクロロメタン
100
80
60
排 250
出 200
量
合計
優先物質合計
150
40
20 10目標10.2t
↓
20
t
/ 100
y
50
0
0
1995 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006
年度
1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006
年度
有害大気汚染物質とは
大気汚染防止法による「有害大気汚染物質対策の推進」において、継続的に摂取される場合には人の健康を損なう恐れ
のある物質で大気汚染の原因となるものとして「有害大気汚染物質」が定められています。 中央環境審議会において、
「234物質リスト」を作成し、その中から、健康リスクがある程度高いと考えられるものを「優先取組物質(22物質)」として選
定しました。 このなかで、旭化成ファーマが大気中に排出している物質は、ジクロロメタン・1,2-ジクロロエタン・エチレンオ
キサイドの3物質です。
- 18 -
保安防災活動
保安防災活動への取り組み
旭化成ファーマでは、大規模地震発生や火災・爆発等の産業事故発生等の緊急事態を想定して、防災体制を
確立しています。 従業員と近隣住民の安全を確保する事を第一とし、更には地域環境に対する影響を最小限
に留める為の体制を整えています。 また、各地区・工場ごとに立案した計画を元にして、緊急事態想定訓練を
実施し緊急事態発生に備えています。 主な訓練内容は以下の通りです。
・初期消火 ・避難及び人員の安否確認 ・けが人の救出及び応急手当 ・緊急通報
・地域住民や報道関係への情報提供 ・危険物、有害物の漏洩拡大防止
火災対応訓練を実施しました
大仁地区
旭化成ファーマ大仁地区では、火災対応訓練を2007年3月14日に従業員約150名参加のもと田方中消防署と
連携して実施しました。 大仁医薬工場から出火、有機溶剤へ延焼するとの想定で、避難・通報・初期消火・緊急
連絡・けが人救護・AED処置・有害物漏洩処置の実地訓練を行い、またファーマ本社、持株・環境安全部、警
察・消防・自治体等への通報連絡訓練を実施しました。 訓練の質を向上させるために、大仁地区内にある9つ
の防災団から数名ずつ訓練観察者を選出して要所に設置、今後の活動に役立てるべく、訓練の状況を客観的
に観察し自己評価しました。 今回の訓練は、基本的事項のみ設定し、詳細なシナリオは作成せず、できるだけ
有事に近い形での訓練を目指しました。 初めての経験のため、戸惑いや混乱もありましたが、有事に皆が、迅
速かつ正確に行動ができるための貴重な訓練となりました。
公設・田方中消防署
NBC訓練出動
救護班による応急手当処置訓練
防火避難訓練を実施しました
神田本社
2006 年11月17日、神田本社(MD神田ビル)において防火避難訓練が実施され、約500名の旭化成ファーマ
および旭化成メディカルの社員が参加しました。 ビル4階の電話交換機室から出火したとの想定で、自衛消
防隊消火班による初期消火が行われる一方、隊員の適切な避難誘導に従い、社員が2箇所の非常階段を使っ
て館外へ出、避難先である神田児童公園へ集合するという訓練でした。 避難の途上、信号機のない交差点
では、自動車やオートバイ等の往来に注意し、ひとりのけが人も出すことなく、無事訓練を終了することができ
ました。
呼び出し訓練を実施しました
特薬事業部
特薬事業部では、緊急時の連絡方法を電話から携帯メールに変更しました。 これは、大規模災害時には電
話よりもメールの方が繋がり易いことを考慮しての対策です。 昨年、『抜き打ち訓練』として、直ちに返信する
ようにメールを発信し、返信までの時間を測定しました。 対象とした11名中7名はほぼ30分以内に返信しまし
たが、1名は携帯電話をカバンに入れたまま翌日まで気が付きませんでした。 また、電波が弱い地域に住む
人もいました。 返信が30分を超える場合は携帯や自宅へ電話した方が良いとの反省をしました。 更に訓練
を積み重ね、有事に備えます。
- 19 -
保安防災活動2
自衛防災競技会に出場しました
大仁地区
旭化成ファーマ大仁地区では、田方地区消防組合が主催する「自衛防災競技会」に毎年参加しています。 1
チーム3名(内1名は女性)編成で、本年は、近隣企業・自治体などから26チームの参加がありました。 大仁地
区は毎年2チーム送り込んでおり、2006年度は神島医薬工場と防災本部の2チームが参加しました。
競技は、煙体験ハウス、通報訓練、応急手当・簡易担架作成・搬送訓練、消火訓練などで構成され、その速さ
と正確さを競うものです。 参加した2チームは、12位、15位とまずまずの成績でした。 地域とのコミュニケーショ
ンに加え、保安防災面の強化も図ることができるこの自衛防災競技会に、これからも毎年参加して行こうと考え
ています。 目標は優勝です。
←左
煙体験ハウスへ突入
右→
負傷者搬送
ホットラインを用いた火災通報訓練を行いました
旭化成アイミー延岡製造部
旭化成アイミー延岡製造部では、年一回、火災を想定した全員参加での防災訓練を実施しており、昨年度は
2007年2月22日に実施しました。 延岡地区では、すべての工場に、消防署と直通のホットラインを設置してお
り、今回の訓練でも、 このホットラインを使っての通報訓練も行いました。 通報班長が火災通報ボタンを押す
と、「会社名」「住所」「電話番号」が自動通報され、 即座に消防本部からコールバックがありました。 緊急時に
慌てないように、落ち着いて的確な通報をするために、定期的に通報訓練を実施しています。
訓練でのやり取りの様子
消防: 火災の状況を教えてください!
通報者: 建屋西側1階の集塵機から出火。 けが人はなし。
消防: 水だけで消せますか?危険物はありますか?
通報者: 水だけで消せると思います。危険物については現場で説明します。
消防: 進入経路を教えて下さい。
通報者: 祝子川沿いのアイミーとマイクロの通用門から進入して下さい。
消防: すぐ行きますので人を立させて誘導して下さい。
通報者: 了解しました。
工場正門のセキュリティを強化しました
旭化成N&P 白老工場
旭化成N&P白老工場の正門は、勤務時間中は常に開放しており外部からの進入に対して無防備であるとの
問題点が指摘されていました。 悪意のある侵入者を全て排除することは非常に難しいことですが、工場正門の
人や車の出入りを夜間を含めてチェックすることが出来ないか、検討を実施しました。 その結果、ネットワークカ
メラを用いて監視し、定期的に画像を記録として保存し、更に侵入者には『カメラ作動中』を知らせるパトライトを
併設して警告する仕組みを設置しました。
右の写真は工場正門の様子で、入口付近にカメラ(黄矢
印)とパトライト(赤矢印)が設置してあります。 工場内の
LAN上のパソコンであればどこからでも現在の正門画像
が監視でき、更に過去に正門を出入りした車両・人物の
写真が即座に検索できるようになりました。 まだまだ完
全ではありませんが、工場の安定操業をいろいろな形で
保証していきます。
- 20 -
労働安全衛生活動
労働災害防止への取り組み
旭化成ファーマは、会社の財産である従業員
18
の安全の確保があらゆる事業活動の基本であ
るとの認識のもとに、様々な施策を実行してい
16
ます。
14
危険因子を見つけたら、まず危険因子との接
12
触を行わない『本質安全化』を図ります。 代表 件 10
例として、作業工程の変更や自動化が挙げら 数 8
れます。 次にインターロック導入等の『ハード
6
対策』を検討し、最後にルール作りやマニュア
4
ル作成といった『ソフト対策』を実施します。 こ
2
れらにより、社員の安全感性が高まっています
0
が、不幸にして災害が発生した場合は、事例を
共有化して一層のレベル向上を目指した安全
対策を実行しています。
労働災害発生件数
休業
不休
応急
1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006
年度
安全活動の定量評価をするために、数値目標を定めています。 休業度数率 0.1 以下、休業強度率 0.005 以
下が目標でありますが、下記グラフに示すように、過去11年間での目標達成は休業強度率が8回、休業度数率
は僅かに1回のみの達成に留まっています。 そこで、労働安全衛生マネジメントシステム(OHSMS)を導入し、目
標達成のため、更なるレベルアップを図っています。 昨年度発生の労働災害は、過半数が営業車両運転中の
災害であり、交通災害の撲滅が今後取り組むべき課題となっています。
労働災害の発生状況
0.6
0.14
休業度数率
0.5
0.12
労働災害の発生率を表す安全指標の一つで、以
下の式で算出されます。
休業度数率=休業災害被災者数÷延労働時間
(100万時間単位)
0.10
0.4
度
数 0.3
率
0.2
0.08 強
度
0.06 率
0.04
0.1
0.02
0.005
0.00
0.0
1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006
年度
休業度数率
休業強度率
休業強度率
労働災害の軽重を表す安全指標の一つで、以下
の式で算出されます。
休業強度率=労働損失日数÷延労働時間
(1千時間単位)
労働安全衛生マネジメントシステム(OHSMS)の導入状況
顕在化している危険や職場内の潜在的な危険を全て
洗い出し、危険性を評価して、優先順位を付けて計画
的・継続的に職場の危険な作業や設備を改善し、より
安全な職場を構築するために、旭化成ファーマ内全て
の製造・研究部場にてOHSMS導入を進めています。
2007年度の活動で全対象部場がシステム導入完了の
予定です。
導入開始当初は、評価すべき危険を見落としたり、適
用範囲が不明確であったり等の問題が発生しました
が、PDCAサイクルを回す事により、継続的に改善し、
レベル向上しています。 当面は、全部場での導入と
活動内容の充実が課題となりますが、将来的には、産
業事故防止や設備損傷の抑制といった保安防災活動
への応用も視野に入れています。
労働安全衛生マネジメントシステム
OHSMS
対象部場名
延岡医薬工場
旭化成メディカルプラノバ工場
旭化成メディカル恒富工場
旭化成メディカル岡富工場
旭化成アイミー延岡製造部
旭化成メディカル大分生産センター
研究センター(富士)
バイオ生産技術部
研究センター(大仁)
大仁医薬工場
神島医薬工場
大仁診断薬工場
特薬研究部
診断薬製品部
ヘルスケア製品部
旭化成ファーマサポート大仁事業所
工務部
名古屋医薬工場
旭化成N&P白老工場
導入状況
○
○
○
○
○
●
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
△
○●△
: : :
導新今
入た年
済 に度
み導導
部入入
場 予
定
(Occupational Health and Safety Management Systems)
労働安全衛生の災害リスクを最小化し、将来の発生リスクを回避する活動継続的に改善しているかどうかをチェックする規格です。
- 21 -
労働安全衛生活動2
OHSMS活動によるリスク低減
旭化成メディカル 恒富工場
旭化成メディカル 恒富工場では、2004年4月より活動を開始しました。 工場内を8グループに分割し、各グ
ループより委員を選出していただき、先ず、自職場には作業手順書が何件あるか、手順書のない作業はない
かということから調査を始めました。 その結果、2000件を超える手順書が確認されました。
1回/月の委員会の中で進捗状況の確認、並びに悩んでいることはないか、各グループ共有することはない
か等、検討を進め、3年計画でようやく手順書からのリスクアセスメントを完了することができました。 そのリスク
アセスメントを進める中で リスクの高いものはその都度、改善対策を実施していきました。(下記例) 現在、災
害事例研究の中から、自部場に参考になる、また、現在まで実施してきたリスクアセスメントの中で抜けている
ことはなかったか継続して検討を進めており、労働災害のない、安全、安心、快適に作業できる職場つくりに邁
進しているところであります。
【リスクアセスメントで抽出された高いリスクに対するリスク低減対策(例)】
<改善前>
<改善後>
アンローダー保全ユニット部トラバーサ点検
作業を脚立に乗って実施するため、転落す
る危険がありました。
一人作業の安全を確保しています
作業デッキ(取外し式:作業時に取り付け)
を設置し、安全帯を着用するように改善しま
した。
大仁医薬工場
大仁医薬工場は、三交代勤務で医薬原体の製造を行
なっており、製造エリアは3箇所に分散しています。 各
エリア毎で一人作業を実施する為に、ポケットコールシ
ステムを導入しました。
ポケットコールシステムは、腰に装着した送信機とそ
の送信を受ける受信機で構成されています。 このシス
テムは、一人作業時に異常が発生した事を知らせる連
絡を送信機から受信機を通して守衛所に自動通報しま
す。 そして、それを受けた守衛が、通報エリアに状況
確認に行き、初期対応をする事となっています。 通報
の方法は、2通りあり、自分で送信機の緊急ボタンを押
す事による手動通報と、倒れセンサーの作動により緊
急時を連絡する自動通報があります。
特に自動通報は、作業者が前後左右どの方向でも70°以上の角度に傾けた状態を30秒間保持すると、送
信機から警告音が20秒間鳴った後、異常を示す連絡が自動通報され、その後10秒おきに通報を繰り返しま
す。
このポケットコールシステム導入によって、一人作業時の体調異常等の緊急事態に対応が取れるようになり
ました。
- 22 -
労働安全衛生活動3
運転操作検査器(CRT)による交通安全教育を実施しました
旭化成ファーマサポート
旭化成ファーマサポートでは、昨年度に車両運転中に ヒヤッとした 事例が2件発生しました。 通勤時だけで
なく、業務中も車両を運転する人が多く、交通知識だけでなく、実際の安全運転訓練の必要性を感じていまし
た。 そこで、警察の協力を得て、移動型バスの運転適正診断車を借り訓練を行いました。 シミュレーターが3
台あるので、3名同時に訓練を実施することができ、所要時間は1人あたり約10分間ほどで、23名が参加しまし
た。
訓練内容は直線コースを利用した単一の刺激に対する反応時間を測定する訓練と波状のコースを利用した複
数の刺激に対する反応時間を測定する訓練の2通りを受けました。 年齢・性別等の条件を記入すると結果がプ
リントアウトされます。 5段階評価で判定され、同世代との比較評価と結果解説及びアドバイスが記入されてい
ます。 データがアウトプットされ本人に手渡されるため、運転技能が客観的に判断できます。 この訓練により
社員の更なる安全運転の自覚が促せたと考えております。
今後は紙ベースの教育実習も取り入れ、複合的に安全教育を展開していきたいと考えています。
シミュレーターを用いた模擬運転の様子
このバスを利用しました
交通安全活動を展開しています
大仁地区
旭化成ファーマ大仁地区では年
4回、全国交通安全週間等の時
期に合わせて『交通安全キャン
ペーン』と称して交通安全啓蒙活
動を実施しています。
毎回数十名の従業員が参加
し、会社正門や付近の交差点、
従業員が利用する駐車場で入り
口を中心に、幟旗などで朝7:15か
ら始業の8:00まで、交通安全のP
R活動を行なっています。
正門付近は、通勤・通学経路に
なっており、自社従業員のみなら
ず、通勤・通学者(中学生、小学
生)への良い交通安全啓蒙活動
にもなっていると考えています。
幟旗を掲げて交通安全をPRしています
- 23 -
大仁地区での健康支援活動
現在大仁地区では、健康管理支援活動として、各種健康診断及び二次健康診断の確実な実施、有
所見者個別指導、過重労働者の健康管理並びに指導、メンタルヘルス対策(全従業員を対象としたセ
ルフケア1日研修・外部カウンセラーによるカウンセリング・日本メンタルヘルス研究所による「心の健
康診断」・産業医、看護師、部場長の3者によるメンタルヘルス巡視など)、作業環境管理とその改善
を目的とした職場巡視などを行っています。
要管理者の推移(大仁地区)
60
46
50
45
40
44
血圧
中性脂肪
(TG)
30
43
20
42
10
41
年齢(歳)
血糖値
率(%)
大仁地区従業員の平均年齢は、男性
45.9歳、女性41.3歳、平均44.4歳と高く、そ
れに伴い定期健康診断の有所見者率、特
に血圧高値者・BMI*25以上の社員の占め
る割合は上昇傾向にあります。
肥満の要因として、①事業所立地の特色
から従業員の7割が自家用車通勤である
事、②交代勤務による不規則な食生活、
③長時間労働・長時間通勤による夕食摂
取時間の遅延、④慢性的な運動不足など
があります。大仁地区従業員の運動習慣
を調査した結果、約半数は運動習慣がな
く、そのうち2割はBMIが25以上であり、肥
満に起因する疾患(高血圧・高脂血症・糖
尿病など)を併発している事がわかりまし
た。
γ-GTP
尿酸(UA)
BMI
全体
平均年齢
40
0
2003年 2004年 2005年 2006年 2007年
そこで、運動不足による肥満の予防対策(運動習慣の定着を狙った健康作り)に取り組んでいます。
肥満は万病の元とは分かっていても、何から始めれば良いのか分からない、なかなか継続できない、
関心がないなど、人によって意見は様々であり、運動習慣のない従業員に「運動を始めましょう!」と
言っても各人の関心がなければ継続実施に至りません。一方的に押し付ける健康作り活動ではなく、
本人の意思を尊重した、実践可能で現実的な健康指導メニュー(毎朝のラジオ体操・サークル活動・
現在の歩数+1000歩を目標として1ヶ月歩くなど)を各自で立案する事により継続的な活動を目指して
います。
管理栄養士による運動指導の様子
*BMI :Body Mass Index の略で信頼性の高い肥満の判定基準
である。BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)で算出し、基準値は
18.5-24.9、25.0以上が肥満の判定となる。
講義形式により運動の必要性を勉強した
後、効果的なウォーキング方法などの実
技指導を行いました。
腰には勉強会で配布された歩
数計を装着しています。
毎日、+1000歩を目標にウォー
キングに取り組んでいます。
- 24 -
大分地区での健康増進活動
旭化成メディカル 大分生産センター
〜トレーニングルーム内の機器が充実しています 〜
旭化成メディカル大分生産センターでは、1999年に安全無災害継続時間が990万時間に達成し、翌年、第二
種無災害表彰を社内外から受賞しました。 その記念に2001年にトレーニングルームを設置したことがきっかけ
で現在に至っています。
設置以来、朝、仕事が始まる前・お昼休み・定時後など多くの方が利用しています。 有酸素運動で一汗かいた
後、ベルトマッサージャーで体をほぐして終了など人それぞれのプランで健康づくりをしています。 利用者の意
見としては、「雨の日でもウォーキングができていいわあ!」といった様子です。 管理の面で言えば、専門のス
ポーツトレーナー等はいないので、重量物のあるハードな器具は設置していません。 あくまでも自分の責任で
気軽に有酸素できるようなものに留めています。 こういったトレーニングルームを利用することで、ストレス解
消、また生活習慣病の予防・改善に少しでもお役に立てることを目指しています。
毎日の積み重ねが重要です
充実したトレーニング機器
〜大好評です『ヨガレッスン』 〜
旭化成メディカル大分生産センターでは、2007年1月より、心と体をときほぐす 『ヨガ』 レッスンを毎週 月・木
の2回、約80名でスタートし、継続しています。 現在は、ほとんどが女性ですが、内男性3名で増員中・・・?!
みどり先生は、男性も大歓迎!! 男女を問わず、皆で心も体もきれいになりましょう・・・と呼びかけています。
レッスン時間は、癒しの香りと、音楽につつまれた約1時間・・・。 講師の明るいトークで、笑いも耐えません。
実際の声を聞いてみますと。
「寝つきがよくなりました・・・」とヨガをする事で、リンパの流れをよくし、手足の冷えも解消。 お風呂で温まると
眠くなるのも同じ原理です。 末梢循環がよくなれば、脳や深部に行く血流が減少するため、深部体温が下がっ
て眠くなるのです。 要は、新陳代謝が高まるのです! 皆さんも、痛・気持ちい時間を過ごしてみませんか?
笑顔の素敵な
渡辺 みどり先生
ぎこちなさも取れ始めた?受講生
- 25 -
医薬品の製品安全活動
総括製造販売責任者(信頼性保証部長) 市川 裕
2005年4月には薬事法の改正により、製造販売注1)業制度がスタートし、GVP(Good Vigilance Practice), GQP
(Good Quality Practice)省令が施行され、当社では「医療用医薬品(体外診断用医薬品を除く)」と「体外診断用
医薬品」が対象となり、既に2年以上が経過しました。 この間、2006年8月には製造販売業許可権者である東京
都の調査が実施され、当社の組織体制・手順書等に対して指導を受けました。
来年10月には、製造販売業許可の5年ごとの更新が控えており、更新に向けて組織・体制並びに手順書等の充
実策を検討しています。 今回の法改正は、製造販売業者に市販後の安全管理を強化させるとともに、製造アウト
ソーシングの自由化を踏まえ、あらゆる段階での品質保証を求めてきたものであります。 当社では社長直属の総
括製造販売責任者のもと、安全性管理室(安全管理責任者)、品質保証室(品質保証責任者)からなる信頼性保
証部が組織され(図−1)ており、当信頼性保証部は医療関係者に製品を安全に使用していただくために日夜活
動を行っています。 両省令では、三役間の相互尊重、連携の重要性が強調されており、当社では毎月定期的に
連絡会を開催しています(写真:GQP−GVP連絡会)。
製造販売業者
旭化成フ ァー マ 社長
配慮・意見尊重
安全確保措置報告
総括製造販売責任者
GVP
信頼性保証部長
報告
GQP
報告
意見尊重・監督
連携
意見尊重・監督
安全管理責任者
品質保証責任者
品質保証室長
安全性管理室長
図−1
製造 販売業者 と三 役
GQP−GVP連絡会
当社では、「医療用医薬品製造販売業規程」、「GVP規程[医療用医薬品(体外診断用医薬品を除く)]」、「GV
P規程(体外診断用医薬品)」、「GQP規程(医薬品製剤、体外診断用医薬品)」の4文書を基幹文書として規定
し、この下に多数の手順書を設けています(図−2)。 これらの規程・手順書は、信頼性保証部のHPで公開して
います。
GVP:医療関係者からの安全性情報の収集並び
に安全性情報の提供には、安全管理責任者の下
に安全管理実施責任者が必須であり、この責任者
は医薬営業本部の12支店長にお願いし、最前線
注2)
の方に日頃協力して
のMR(医薬情報担当者)
いただいています。
GQP:生産部門の一体化に伴った委託製造の増
加に対応して品質管理体制の充実策を強力に進
めています。
企業は、自社で販売している製品に責任と誇りを持
つ必要があり、この製品を通じて社会に貢献してい
くことが求められています。 信頼性保証部は、製品
安全を通して当社の発展に寄与していく所存であり
ますので、今後とも皆様のご理解とご支援を切にお
願い申し上げます。
注1) 製造販売:製造等をし、又は輸入した医薬品
を、それぞれ販売し、賃貸し、又は授与することを
いう。
注2) MR(医薬情報担当者):医薬品の適正な使
用に資するために、医療関係者を訪問すること等
により安全管理情報を収集し、提供することを主な
業務として行う。<GVP省令第2条より>
医療用医薬品製造販売業規程
GVP規程〔医療用医薬品(体外診断用医薬品を除く)〕
1)安全管理情報の収集
2)安全管理情報の検討及び安全確保措置の立案
3)安全確保措置の実施
手
4)安全管理責任者から総括製造販売責任者への報告
順
5)安全管理実施責任者から安全管理責任者への報告
書
6)市販直後調査 7)自己点検 8)教育訓練 9)記録の保存
10)品質保証責任者その他責任者との連携
11)感染症定期報告 12)業務委託
GVP規程(体外診断用医薬品)
1)安全管理情報の収集
手 2)安全管理情報の検討及び安全確保措置の立案
順 3)安全確保措置の実施
書 4)安全管理責任者から総括製造販売責任者への報告
5)市販直後調査 6)自己点検 7)教育訓練 8)記録の保存
9)品質保証責任者その他責任者との連携 10)業務委託
GQP規程(医薬品製剤、体外診断用医薬品)
1)市場への出荷の判定 2)品質情報・品質不良処理
3)回収処理 4)安全管理部門その他部門との連携
手
5)品質標準書作成 6)品質標準書(○○注、○○錠)
順
7)文書管理 8)GMP監査実施 9)変更管理
書
10)異常・逸脱処理 11)自己点検 12)教育訓練
13)社内製造所との取決め 14)社外製造所との取決め
図−2 旭化成ファーマのGVP、GQP文書体系
- 26 -
診断薬の製品安全活動
診断薬製品部
RC推進委員 生田 茂
診断薬製品部では、2002年にISO9001の認証を取得し、以来、この運用システムを用いた製品安全
管理を行っています。 診断薬製品部の製品には、体外診断用医薬品(キット)と、原料として供給する
酵素バルクの2種類があり、どちらも同じシステムで管理しています。 基本となる今年度の品質方針
は、以下を掲げています。
*診断薬製品部は医薬・医療のフィールドにおいて、生命・健康に関わりの深い事業であります。
*顧客のニーズを捉え、最新の技術の開発と共に、より精度の高い且つ安定した品質にて顧客の
信頼を得る体外診断用医薬品関連製品を提供することにより、 顧客の満足を得ることを従業員
全員で継続的に実施します。
本システムの特徴は、単なる品質管理だけではなく、研究開発から営業までを含む業務管理シ
ステムです。それぞれの関連は以下の通りです。
【品質マネジメント・プロセス関連図】
顧客
要求事項
営業プロセス
(酵素G,GA-G)
研究開発プロセス
購買プロセス
測定・分析・改善
診断薬工場プロセス
製品
【内部監査・外部審査】
顧客満足度
顧客
ところで、2005年4月に行われた薬事法改正に伴い、体外診断用医薬品を取巻く環境は大きく変わり
ました。つまり、従来は適用されていなかったGMP、GQP、GVPなどの規制が、新たに遵守すべき事項
として課せられたわけです。これに伴い、診断薬製品部における管理方法も変更を行っています。例
えば、営業グループで顧客から受ける問合せの処理は、内容に応じて以下の様に分類し、対処してい
ます。
顧客等からの問合せ
営業グループ担当責任者
品質に係わる
苦情
GQPの手順
品質に係わらない
安全性に係わる
クレーム
安全管理情報
ISO9001の手順
GVPの手順
当然の事ながら、以上の様な製品安全活動は診断薬製品部だけで行えるものではなく、信頼性
保証部(安全性管理室、品質保証室)との密接な連携をとりながら実施しています。
- 27 -
社会とのコミュニケーション
社員の家族工場見学会を開催しました
旭化成アイミー
2006年8月19日に社員の家族を対象に工
場見学会を開催しました。 当日は、本来は
社休日だったのですが、できるだけ多くの家
族を招待したいということで、出勤日の振り
替え調整を行い、夏休みの時期に合わせて
実施することにしました。 26世帯、55名の
方に参加頂き、下は1歳から上は祖父母の
方まで幅広い年齢層となったのですが、そ
の中の約8割がお子さんで、お父さん、お母
さんが毎日どのような所で働いているか、興
味があったようでした。
当日のスケジュールは、午前中が工場見
学、昼食休憩とビンゴケーム大会の後、午
後からはコンタクトレンズ勉強会及び新商
品説明会を行いました。 直径15mm、厚さ
5mmの円形のプラスチックのボタンが切削
され、厚さ30ミクロンのコンタクトレンズに仕
上がる様は、子供達も目をまるくして、食い
入るように見ていました。
コンタクトレンズ勉強会は子供達に聞いてもらえるか心配でしたが、横浜本社よりお呼びした営業課長さんが、
大きな声で言葉たくみに説明され、子供達も夏休みの自由研究にとメモを取り、有意義な時間だったようです。
社内販売促進品と日用雑貨を景品にビンゴゲームで大いに盛り上がり、社員の皆さんと家族の皆さんが一体と
なり、楽しいひとときを過ごすことができ、最後に工場玄関前で記念写真を撮り解散となりました。
延岡中学校への出前授業を行っています
カルピスウォーターを使った濾過実験
旭化成メディカル プラノバ工場
プラノバ工場では、2000年度より中学生を対象とした出前授業
を始めました。 実験や工場見学を通して、科学のおもしろさや、
楽しさを、子供たちに味わってもらい、理科離れを防ぐとともに、
地域とのコミュニケーションを図ることがねらいです。
2006年度は、延岡中学の生徒27名をプラノバに招待し、「ウイ
ルスバスターズ プラノバ 見て、触れて、使ってみよう!」と題
し、プラノバの説明、組み立てラインの見学、プラノバのフィル
ターを使ったろ過実験等、ナノテクノロジーの世界を五感を通し
て体験してもらいました。
中でも、カルピスウォーターの濾過実験では、乳白色の液が
濾過によって無色透明の液に変わった瞬間に1度目の歓声が、
さらに透明になったにも関わらず、臭いも味も変わらないことに2
度目の歓声があがりました。 プラノバ工場では、今後も出前授
業を継続し、地域とのコミュニケーションを図って行く予定です。
職業調べ・職業体験学習への協力を継続しています
旭化成N&P 白老工場
地元の白老町立白老中学校では1999年度より、中学1,2年生を対
象に白老町内の事業所にて職場体験を行ない報告書を纏め・発表す
る総合学習を実施しており、旭化成N&P白老工場も2000年度より毎
年、生徒を受入れて来ています。
2006年度は職業調べで男女計5名の生徒が工場を訪問し、質問を
し、納得し、そして工場を体験して感動を手にして帰って行きました。
工場側は工場長・製造課長・品質管理課長・総務課長と幹部全員が
分担し説明を行ないました。 後日届いた生徒からの礼状には、微生
物や発酵を間近に感じ、機械や設備を見ての新鮮な驚きが散りばめ
られていました。
写真は顕微鏡を覗く中学生
- 28 -
社会とのコミュニケーション 2
中学生が工場を訪問しました
旭化成メディカル 岡富工場
2007年2月20日、野口顕彰会主催 校外授業、「会社はどんなところ!!」が、岡富工場において行われまし
た。 当日は、延岡市黒岩中学校生徒18名と教諭4名の人たちが工場を訪れ、また、引率として顕彰会幹事長
の生田さんが来場されました。 また、授業の途中からは新聞記者の取材、ワイワイテレビの撮影とにぎやか
な授業となりました。
授業は、横山工場長の「工場概要説明」から始まり、中空糸による実験・実演を、工場長付・山名先生、QC・
佐藤先生を中心に進めていきました。 生徒達は興味深い眼差しで実験の様子を見守った後、自らの手で実験
を行い、中空糸のしくみを理解した様子でした。
続いて、現場見学に移り、案内を務
める製造課の若手代表4名(貫先生、
宮原先生、増田朋先生、増田友先生)
で、4班に分かれ、初めて着るクリーン
ルーム服に身を固めた生徒達を案内
しました。
見学後は、若干の質問のあと野口
顕彰会の生田さんからお礼のあいさ
つがあり、続いて生徒代表2名が、緊
張しつつも感謝の言葉を述べ無事終
了しました。
大仁の工場にも中学生が訪れました
大仁地区
2006年9月28日、函南東中学2年生の生徒5名が社会科学習の
一環として少し緊張した面持ちで当社を訪れました 。 旭化成
ファーマの製品紹介、環境安全対策の説明の後、リサイクルセン
ターと狩野川排水処理場を実際に見学しました。
生徒さんたちには少し難しい話になりましたが、時々メモを取っ
たりしながら一生懸命理解しようと努めていました。 見学後、「こ
れからは自分もリサイクルを心がけようと思った」、「これからの自
分たちの水の使い方について考えた」等の感想があり当社の環
境保全への取り組みを少しでも理解してもらえたと思います。
写真は、リサイクルセンターの稲葉さんから10年前と現在のゴミの
量の比較やリサイクル率の推移について説明を受ける生徒さん
九州保健福祉大学薬学部生への研修を実施しました
延岡医薬工場では、地域貢献の一環として九州保健福祉大学
の薬学部の1年生延べ30名を受け入れ、研修活動を行いまし
た。 この研修は、「早い段階から学生に社会を体験させたい」と
いう同学の意向と、「地域貢献進め地元に役立ちたい」という延
岡支社及び延岡医薬工場の意向が共鳴し、実現されたもので
す。
研修は1回につきおよそ10名ずつ行われ、工場スタッフが講師
となって座学を行うとともに医薬品製造プラントの見学を実施し
ました。 座学では、医薬品製造業の使命、役割や新薬が生まれ
るまでの研究開発につき紹介しました。 また、「薬の品質や作業
者の安全、更には地域の環境を守るために、現場ではどのよう
な工夫を行っているか」という課題を予め与えてから、プラントの
見学を行いました。 見学後は座学とプラント見学で体得した内
容について5名ずつのグループで議論し、まとめを発表してもら
いました。 この研修は同学の卒業単位に認定されており、延岡
地区の数少ない医薬品製造の現場と薬学教育のニーズがマッ
チした試みとして地元新聞にも掲載され、市民にも高い評価を受
けています。
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医薬生産センター 延岡医薬工場
模造紙でグループ発表後、「自分をアピールで
きるプレゼンテーション技術を磨くように」と森川
工場長より激励の言葉
社会とのコミュニケーション 3
消防庁長官表彰を受賞しました
旭化成メディカル 大分生産センター
2006年度危険物安全大会が6月5日、東京にて開催さ
れ、旭化成メディカル大分生産センターが「優良危険物
関係事業所」として、消防庁長官表彰を受賞しました。
この賞は、危険物関係事業所等において危険物の取
扱に関する安全技術の向上、施設の改善、安全管理の
推進に努め、消防行政に協力し、国民生活の安全確保
に功績のあった団体に授与されます。 今後も、保安防災
活動に務め、地域の一員として、その責任を果たしてま
いります。
写真:左端が当時の環境安全課長の河西俊二郎さん
大分県警察本部長から表彰を受けました
旭化成メディカル 大分生産センター
安全運転管理対策を行い、交通事故防止に多大な成果を上げたことで、2006年9月8日に大分県警察本部
長及び大分県安全運転管理者協議会会長より、表彰を受けました。
経済産業省原子力安全・保安院長表彰を受けました
旭化成メディカル 大分生産センター
2006年11月17日、第37回九州地区高圧ガス大会が開催さ
れ、「優良事業所」として経済産業省原子力安全・保安院長表
彰を受賞しました。
この賞は、永年にわたり、高圧ガスによる災害防止に不断の
努力を重ね、著しい成果を収めた団体に授与されます。
今回の受賞を機に、よりいっそうの安全確保に力を入れてい
きます。
写真:
左側が冷凍保安責任者の池田秀信さん
右側が環境安全課の末竹豊さん
高圧ガス「優良CE保安監督者」会長表彰を受賞しました
医薬生産センター バイオ生産技術部
当部場は細胞培養による原薬製造を行っており、培養液の溶存酸素、p
H調整に必要な酸素、炭酸ガスを供給する「高圧ガス製造設備」を設置し
ています。
製造課の青木高明さんは、1997年10月より10年間にわたり当該設備の
保安監督者として安全確保に努め、この間無事故で管理してきました。こ
の度その功績が認められ、2006年10月24日、静岡市のブケ東海静岡で
開催された「2006年度静岡県高圧ガス大会」において、(社)静岡県高圧
ガス保安協会より「優良CE保安監督者」として会長表彰を受けました。
尚、「CE」とは、Cold Evaporatorの略で、液化ガスを気化させて高圧ガス
を製造する設備を意味します。
表彰式に出席した 青木高明さん
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ご意見・ご感想をお願いします
このRC報告書は、旭化成ファーマの事業活動における
レスポンシブル・ケア(RC)活動への取り組みの実状をまとめたものです。
環境保全、製品安全、保安防災、労働安全衛生・健康の現状について、
少しでも皆様にご理解を深めていただけるように
具体的な数値や事例をまじえて作成しました。
内容的には、まだ不十分であり、改善すべき点も多々あると考えていますが、
この報告書をお読みいただいた皆様から
率直なご意見・ご感想をいただければ幸いです。
皆様からいただいたご意見・ご感想は、
RC活動への取り組みを、更に強化するために役立てさせていただきます。
誠に恐縮ですが、添付FAX用紙の質問事項にご記入いただいて、
弊社「RC推進室」宛にFAXしていただきますようお願い申しあげます。
旭化成ファーマ株式会社
RC推進室「RC報告書」事務局
FAX : 0558 (76) 7134
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旭化成ファーマ株式会社
RC推進室
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発行日 2007年 9月
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