近畿地方整備局 配布 日時 資 料 配 布 件 名 平成21年4月28日 14時00分 平成19年度「河川水辺の国勢調査(基本調査)」の結果 について ∼揖保川水系でチワラスボ(魚類:絶滅危惧 IB 類) を初めて確認しました∼ ∼北川水系でアライグマ(両生類・爬虫類・哺乳類: 特定外来生物)を初めて確認しました∼ 概 要 近畿地方整備局では、1級水系のうち近畿地方整備局所管の河川とダ ム湖で、生物調査等(魚類調査等の8調査)について平成2年度から調 査を行っています。今回は、平成19年度に実施した調査結果について 公表します。 取り扱い 配布場所 近畿建設記者クラブ,大手前記者クラブ,滋賀県政記者室, 大津市政記者クラブ,京都府政記者室,福知山市政記者クラブ, 綾部新聞記者クラブ,舞鶴市政記者クラブ,日刊記者クラブ(宇治市), 地方記者クラブ(宇治市),宮津市政記者クラブ,兵庫県政記者クラブ, 姫路市政記者クラブ,兵庫県但馬県民局県政記者クラブ,豊岡市政記者クラブ, 奈良県政記者クラブ,五條市政記者クラブ, 和歌山県政記者クラブ,和歌山県地方新聞記者クラブ, 和歌山県政放送記者クラブ,新宮記者クラブ,新宮中央記者会, 福井県政記者クラブ,三重県政記者クラブ,名張市政記者クラブ, 伊賀記者会,熊野市記者クラブ 神戸海運記者クラブ、神戸民放記者クラブ、みなと記者クラブ所属で資料が必要 しらべ な方は、「近畿地方整備局記者クラブ」 調 (06-6942-1141 内線 2811)に問い合わ せ願います。 [河川に関すること] 近畿地方整備局 河川部 河川環境課 TEL06-6942-1141 TEL06-6942-0608 (18:00∼) の ぐ ち 問合せ先 たかし 内線 3651 河川環境課長 野口 隆 [ダム湖に関すること] 近畿地方整備局 河川部 河川管理課 TEL06-6942-1141 TEL06-6941-7343 (18:00∼) わ さ き へ い 河川管理課長 和佐 喜平 内線 3751 独立行政法人水資源機構 関西支社 施設管理課 TEL06-6763-5182 施設管理課長 いのうえ 井上 さとし 聡 内線 381 近畿地方整備局管内版 平成19年度「河川水辺の国勢調査」結果について ■河川水辺の国勢調査(基本調査)について 近年、河川環境に対する関心が高まるなか 、保全や利用に至るまでその要 請も多様化しているところです。こ のような情勢を踏まえて、従来より各河 川で様々な調査や、環境に配慮した 施策が推進されているところですが、よ り安全でうるおいのある豊かな河川 を保全、再生、創造していくための観点 から近畿地方整備局においても、平 成2年度より河川に関する系統的な基礎 情報の収集整備を図ることを目的と して、近畿管内の1級水系のうち近畿地 方整備局所管の河川とダム湖について、8項目【①魚類、②底生動物、 ③植物、④鳥類、⑤両生類・爬虫類 ・哺乳類、⑥陸上昆虫類等、⑦環境基図 作成、⑧動植物プランクトン(ダム湖のみ)、】の調査を行う「河川水辺の国勢調 査」を実施しています。 本調査は、各河川、ダム湖において同一年 度に同一の調査項目を一斉に実 施するのではなく、水系毎に魚類、底生動物、動植物プランクトン(ダム湖のみ)、 環境基図作成調査については5ケ年 のうちに1回、それ以外の調査について は、10ケ年のうちに1回の頻度で実施しております。 (平成17年度までは、8項目の調査について5ケ年のうちに1回実施。) 今回は、平成19年度に実施した生物調査 等の結果について公表します。 ・全体の概要 ・水系(河川・ダム湖)毎の概要 1 (P (P 2∼P 6) 7∼P24) 平成19年度 河川水辺の国勢調査結果の概要 ■今回取りまとめた調査(○印が該当) 調査名 底生 動物 調査 両生 類・爬 陸上昆 環境 動植物プ 鳥類 虫類・ 虫類等 基図 ランクト 調査 哺乳類 調査 調査 ン調査 調査 植物 魚類 水系名 調査 調査 (河川・ ダム名) ○ 新宮川 熊野川 水系 猿谷ダム ○ 紀の川水系 ○ 大和川水系 淀川 ○ 木津川 ○ 野洲川 ○ 瀬田川 ○ 草津川 ○ 猪名川 ○ 天ヶ瀬ダム ○ 淀川水系 日吉ダム ○ 比奈知ダム ○ 高山ダム ○ 青蓮寺ダム ○ 室生ダム ○ 布目ダム ○ 一庫ダム ○ 加古川水系 ○ 揖保川水系 ○ 由良川水系 北川水系 ○ 九頭竜川 ○ 九頭竜 九頭竜ダム ○ 川水系 真名川ダム ○ ※ 淀川については、一部、木津川を含む。 ※ 円山川水系については、今回調査を行っていない。 2 事務所名等 紀南河川国道事務所 ○ ○ 紀の川ダム統合管理事務所 和歌山河川国道事務所 大和川河川事務所 淀川河川事務所 木津川上流河川事務所 琵琶湖河川事務所 猪名川河川事務所 淀川ダム統合管理事務所 独立行政法人 水資源機構関西支社 姫路河川国道事務所 ○ 福知山河川国道事務所 福井河川国道事務所 九頭竜川ダム統合管理事務所 ■河川・ダム湖における特徴 <河川> 水系名 (河川・ ダム名) 熊野川 新宮川 水系 猿谷ダム 特徴 調査名 底 前回調査で確認された絶滅危惧Ⅱ類キイロヤマトンボ は確認できなかったが、準絶滅危惧ヒラマキガイモド キを今回調査で初めて確認する等、環境は現状維持。 今回の調査における確認種が過去の調査に比べ50種 程度増加。 底・プ 外来種であるハブタエモノアラガイを初めてダム下流 河川で確認。 事務所名 紀南河川国道事務所 紀の川ダム統合管理事務所 紀の川水系 植 絶滅危惧Ⅱ類のウラギク、準絶滅危惧のコイヌガラ シ、カワヂシャ、タコノアシ、フジバカマが前回調査 (H14)に引き続き確認された。 外来種は分布拡大に注意。 大和川水系 基 60種の植物が確認された。 特定外来生物のアレチウリが増加。 大和川河川事務所 淀川 魚 琵琶湖・淀川水系の固有な種のゲンゴロウブナ、シロ ヒレタビラが確認された。 淀川大堰上流地点でブルーギル、オオクチバスが増加 傾向。 淀川河川事務所 木津川 魚 絶滅危惧Ⅱ類のアカザ、メダカが確認された。 木津川上流河川事務所 野洲川 魚 準絶滅危惧のビワマスを除く絶滅危惧ⅠB類のゲンゴ ロウブナ、ニゴロブナ、絶滅危惧Ⅱ類のハス、準絶滅 危惧のスゴモロコが前回調査(H13)に引き続き確 認された。 瀬田川 魚 絶滅危惧ⅠB類のワタカが今回調査で初めて確認され た。 草津川 魚 絶滅危惧ⅠB類のゲンゴロウブナが今回調査で初めて 確認された。 上流部では環境の多様さにより確認種が増加。 猪名川 魚 絶滅危惧ⅠB類のゲンゴロウブナ、絶滅危惧Ⅱ類のス ジシマドジョウ中型種、メダカ、準絶滅危惧のカワヒ ガイが前回調査(H17)に引き続き確認された。 猪名川河川事務所 魚 絶滅危惧ⅠB類のスジシマドジョウ大型種及び特定外 来生物のブルーギル、オオクチバスを過去の調査から 継続して確認。 確認種数は前回調査の35種から今回調査では27種 と若干減少した。 淀川ダム統合管理事務所 淀川水系 天ヶ瀬ダム 3 和歌山河川国道事務所 琵琶湖河川事務所 日吉ダム 比奈知ダム 高山ダム 淀川水系 青蓮寺ダム 魚 確認種数が30種と全国で2番目に多い。 今回の調査で、過去の調査と比べて初めて確認された 種はなかった。 特定外来生物のブルーギル、オオクチバスを過去の調 査から継続して確認。 絶滅危惧Ⅱ類のスナヤツメ、アカザを過去の調査から 継続して確認。 準絶滅危惧のカワヒガイを過去の調査から継続して確 認。 魚 比奈知ダムは今回が初調査であり、確認種数は21 種。 絶滅危惧Ⅱ類のアジメドジョウ、カジカを確認。 特定外来生物のブルーギル、オオクチバスを確認。 魚 前回調査とほぼ同程度の28種を確認。 本来は琵琶湖・淀川水系固有種であり、絶滅危惧種Ⅰ A類に指定されているホンモロコを前回調査に引き続 き確認。 特定外来生物のブルーギル、オオクチバスを過去の調 査から継続して確認。 魚 前回調査とほぼ同程度の26種を確認。 絶滅危惧Ⅱ類のアジメドジョウ、アカザを確認。 特定外来生物のブルーギル、オオクチバスを過去の調 査から継続して確認。 室生ダム 魚 布目ダム 魚 一庫ダム 加古川水系 揖保川水系 前回調査より3種増えて、過去最大の28種を確認。 本来は琵琶湖・淀川水系固有種であり、絶滅危惧種Ⅰ A類に指定されているホンモロコを前回調査に引き続 き確認。 特定外来生物のブルーギル、オオクチバスを過去の調 査から継続して確認。 前回調査より2種増えて、過去最大の26種を確認。 特定外来生物であるチャネルキャットフィッシュを今 回の調査で初めて確認。全国のダム湖で2番目の確 認。 特定外来生物のブルーギル、オオクチバスを過去の調 査から継続して確認。 魚 前回調査より10種増えて過去最大の29種を確認。 絶滅危惧種ⅠA類に指定されているホンモロコを今回 の調査で初めて確認。 絶滅危惧Ⅱ類のメダカを今回の調査で初めて確認。 特定外来生物のブルーギル、オオクチバスを過去の調 査から継続して確認。 魚 絶滅危惧ⅠB類のクボハゼ、絶滅危惧Ⅱ類のシロウ オ、エドハゼ、チクゼンハゼ、マサゴハゼ、スジシマ ドジョウ中型種、アカザ、メダカが前回調査(H1 4)に引き続き確認される等、大きな魚類相の変化な し。 河口干潟がハゼ科魚類の重要な生息環境となってい る。 確認種数は96種と全国で最多。 魚 前回調査で確認された絶滅危惧IA類のキセルハゼは 今回確認されなかったが、絶滅危惧ⅠB類のチワラス ボ、準絶滅危惧のカジカが今回調査で初めて確認され る等、大きな魚類相の変化なし。 河口干潟がハゼ科魚類の重要な生息環境となってい る。 4 独立行政法人 水資源機構関西支社 独立行政法人 水資源機構関西支社 姫路河川国道事務所 由良川水系 北川水系 基 準絶滅危惧のホソバイヌタデが今回調査で初めて確認 される等、植生は現状維持。 動 準絶滅危惧のイモリが前回調査(H14)に引き続き 確認される等、確認種の違いも大きくなく自然環境維 持。 特定外来生物に指定されているアライグマが初めて確 認され、今後注意する必要有り。 魚 準絶滅危惧のクルメサヨリが今回調査で初めて確認さ れた。 絶滅危惧ⅠB類のカジカ中卵型、絶滅危惧Ⅱ類のアジ メドジョウ、メダカ、カマキリが前回調査(H15) に引き続き確認される等、環境は大きな変化なし。 魚 前回の調査より確認種が2種増えて、過去最大の29 種を確認。 特定外来生物に指定されているコクチバスを調査開始 以来初めて確認。 魚 今回の調査でも過去の調査に引き続き、外来種が確認 されなかった。 琵琶湖・淀川水系の固有種であるニゴロブナ、スズモ ロコを今回の調査で初めて確認。 福知山河川国道事務所 福井河川国道事務所 九頭竜川 九頭竜 川水系 九頭竜ダム 真名川ダム ※1 ※2 ※3 ※4 ※5 魚: 魚類調査 底: 底生動物調査 植: 植物調査 鳥: 鳥類調査 動: 両生類・爬虫類・哺乳類調査 昆: 陸上昆虫類等調査 基: 河川・ダム湖環境基図作成調査 プ: 動植物プランクトン調査 調査水系毎の概要については、P7∼P22を参照。 絶滅危惧類等の分類についてはP24を参照。 淀川については、一部、木津川を含む。 円山川水系については、今回調査を行っていない。 5 九頭竜川ダム統合管理事務所 平成19年度 河川水辺の国勢調査地点位置図<近畿> 九頭竜川 福 井 県 円 山 川 真名川ダム 若 狭 湾 九頭竜ダム 由 良 川 北川 岐 阜 県 琵 兵 庫 県 琶 湖 京 都 府 日吉ダム 野洲川 一庫ダム 揖 保 川 猪 名 川 加 古 川 瀬 田 川 桂 川 草津川 滋 賀 県 天ヶ瀬ダム 高山ダム 木津川 淀川 布目ダム 伊 湾 比奈知ダム 大和川 播 磨 灘 勢 大 阪 湾 室生ダム 青蓮寺ダム 大 阪 府 三 重 県 紀の川 猿谷ダム 紀 伊 水 道 熊 和 歌 山 県 野 熊 野 川 灘 調査名 記号 魚類 底生動物 植物(基図含む、記号の周辺含む) 鳥類 両生類・爬虫類・哺乳類 陸上昆虫類等 ※淀川水系については、魚類を実施 動植物プランクトン 6 ■調査水系(河川・ダム湖)毎の概要 【●淀川水系 魚類調査】 魚類調査】 【淀川】 淀川】 ●絶滅危惧Ⅰ 絶滅危惧ⅠB類のゲンゴロウブナ、 ゲンゴロウブナ、シロヒレタビラ、 シロヒレタビラ、ウツセミカジ カ(回遊型) 回遊型)が確認されました 確認されました。 されました。 絶滅危惧ⅠB類(ⅠA類ほどではないが、近い将来における絶滅の危険性が高い種) のゲンゴロウブナ、シロヒレタビラ、ウツセミカジカ(回遊型)が確認されました。 ゲンゴロウブナは、琵琶湖・淀川水系の固有な種として知られており、前回調査 (H16)に引き続き確認されました。 シロヒレタビラは琵琶湖・淀川水系や濃尾平野などで見られますが、平成11年度 調査以来の確認となりました。 確認種は経年的に大きな変化はみられないことから、環境についても大きな変化は 無いと推測されますが、淀川大堰より上流の淡水域の調査地点では、ブルーギルやオ オクチバスが徐々に増加傾向にあることから、今後の動態に注意していく必要があり ます。 ウツセミカジカ(回遊型)は、下流域から中流域に生息し、下流域で産卵し、孵化 した仔魚は海へ下り遊泳生活後、川を遡上します。また、階段式魚道や低い堰でも遡 上を阻害されることが知られております。 ゲンゴロウブナ シロヒレタビラ ウツセミカジカ 【木津川】 木津川】 ●絶滅危惧Ⅱ 絶滅危惧Ⅱ類のアカザ、 アカザ、メダカが メダカが確認されました 確認されました。 されました。 絶滅危惧Ⅱ類(絶滅の危険が増大している種)のアカザが平成11年度の調査以来 の確認、メダカについては、前回調査(H16)に引き続き確認されました。 木津川では従前の調査より確認種も大きく変わっておらず、環境についても大きな 変化が無いと推測されます。 メダカについては、平成11年に環境省(庁)が公表したレッドリストの中に掲載 され話題を呼んだ魚で、今回調査を実施した全国43河川のうち東北地方以南の全国 34河川で、以前の調査から比べると確認された河川数の割合は増加しており、木津 川でも前回調査(H16)に引き続いての確認となりました。 7 アカザは、日本固有種で、宮城県・秋田県以南の本州・四国・九州に分布、水の比 較的きれいな中流から上流部の礫のある地域に生息し、夜間に活動することが多く主 に水生昆虫を食べます。 メダカ アカザ 【野洲川】 野洲川】 ●絶滅危惧Ⅰ 絶滅危惧ⅠB類のゲンゴロウブナ、 ゲンゴロウブナ、ニゴロブナ、 ニゴロブナ、絶滅危惧Ⅱ 絶滅危惧Ⅱ類のハ ス、準絶滅危惧の 準絶滅危惧のスゴモロコが スゴモロコが確認されました 確認されました。 されました。 琵琶湖・淀川水系の固有な種として知られている絶滅危惧ⅠB類(ⅠA類ほどでは ないが、近い将来における絶滅の危険性が高い種)のゲンゴロウブナ、ニゴロブナ、 絶滅危惧Ⅱ類(絶滅の危険が増大している種)のハス、準絶滅危惧のスゴモロコが前 回調査(H13)に引き続き確認されました。しかしながら、前回調査(H13)に 確認された準絶滅危惧のビワマスについては、今回確認されませんでした。 確認種が減少しているのは、上流域の工事等による影響により河川形態が一部変化 したものと推測されます。また、中流域にある落差工の上下流で回遊性魚類数に相違 があることから移動の妨げになっており、連続性回復のため落差工の魚道改築工事を 実施しています。今後モニタリングを継続していきます。 ニゴロブナは、琵琶湖の底層を主な生息の場とし、冬は深いところ、春から夏、特 に産卵期は岸辺へ接近する。4 月~ 6 月の雨で増水した時に水草等に産卵します。 ニゴロブナ ハス スゴモロコ 【瀬田川】 瀬田川】 ●絶滅危惧Ⅰ 絶滅危惧ⅠB類のワタカが ワタカが今回調査で 今回調査で初めて確認 めて確認されました 確認されました。 されました。 琵琶湖・淀川水系の固有な種として知られている絶滅危惧ⅠB類(ⅠA類ほどでは ないが、近い将来における絶滅の危険性が高い種)のワタカが、草津川や野洲川では 8 2巡目・3巡目に確認されていましたが今回調査で確認されませんでした。 一方、瀬田川においては今回調査で初めて確認されました。 ワタカは、ヨシ場を主な生息場所とし、琵琶湖では湖南・湖東部の沿岸や内湖に生 息し、河川では下流域のワンドや流れのほとんどない水路に多く生息しています。 ワタカ 【草津川】 草津川】 ●絶滅危惧Ⅰ 絶滅危惧ⅠB類のゲンゴロウブナが ゲンゴロウブナが今回調査で 今回調査で初めて確認 めて確認されまし 確認されまし た。また、 また、絶滅危惧Ⅱ 絶滅危惧Ⅱ類のハス、 ハス、ツチフキ、 ツチフキ、準絶滅危惧の 準絶滅危惧のスゴモロ コが確認されました 確認されました。 されました。 琵琶湖・淀川水系の固有な種として知られている絶滅危惧ⅠB類(ⅠA類ほどでは ないが、近い将来における絶滅の危険性が高い種)のゲンゴロウブナが、草津川では 今回調査で初めて確認されました。絶滅危惧Ⅱ類(絶滅の危険が増大している種)の ハス、ツチフキ、準絶滅危惧のスゴモロコが前回調査(H16)に引き続き確認され ました。 草津川の上流部では確認種が増加しており、草津川放水路整備が完工し環境の多様 さを備えてきたことに起因するものと考えられます。 ツチフキは、濃尾平野、近畿地方、山陽地方、九州北西部に分布し、平野部の湖や 池や流れのほとんどない灌漑用水路に生息しています。 ゲンゴロウブナ ツチフキ 9 【猪名川】 猪名川】 ●絶滅危惧Ⅰ 絶滅危惧ⅠB類のゲンゴロウブナ、 ゲンゴロウブナ、絶滅危惧Ⅱ 絶滅危惧Ⅱ類のスジシマドジョ ウ中型種、 中型種、メダカ、 メダカ、準絶滅危惧の 準絶滅危惧のヤリタナゴ、 ヤリタナゴ、カワヒガイが カワヒガイが確認さ 確認さ れました。 れました。 絶滅危惧ⅠB類(ⅠA類ほどではないが、近い将来における絶滅の危険性が高い種) のゲンゴロウブナ、絶滅危惧Ⅱ類(絶滅の危険が増大している種)のスジシマドジョ ウ中型種、メダカ、準絶滅危惧のカワヒガイが前回調査(H17)に引き続き確認さ れました。 全体的に過年度調査に比べて確認種数が増えています。これは、今回調査から調査 地点の見直しにより、汽水域で実施したことで確認種数が増加したものと考えられま す。 スジシマドジョウ中型種は、本州、四国(瀬戸内海側)に分布し、流程50km以上の 河川本流の中流域から下流域の砂底に生息しています。 スジシマドジョウ中型種 【淀川水系河川全般: 淀川水系河川全般:外来種】 外来種】 ●外来種である 外来種であるタイリクバラタナゴ であるタイリクバラタナゴ、 タイリクバラタナゴ、ブルーギル、 ブルーギル、オオクチバス、 オオクチバス、カ ダヤシ等 ダヤシ等が確認されました 確認されました。 されました。 特定外来生物に指定されており、在来の魚類群集への影響が懸念されているブルー ギル、オオクチバス、カダヤシが、今回調査対象河川において、前回調査同様に確認 されました。 淀川水系では、流れの緩やかな淡水域地点で、ブルーギルやオオクチバスが多く生息 していると考えられます。 これら外来生物については、モニタリング等を行いながら動態に注意していく必要 があります。 カダヤシは、北米大陸原産でメダカ等に対して攻撃性が高いことが知られており、 平成18年2月に特定外来生物に指定された種です。 10 ブルーギル オオクチバス カダヤシ 【ダム湖 ダム湖】 調査対象:天ヶ瀬ダム、日吉ダム、布目ダム、比奈知ダム、 高山ダム、青蓮寺ダム、室生ダム、一庫ダム ●絶滅危惧Ⅰ 絶滅危惧ⅠB類のスジシマドジョウ大型種 スジシマドジョウ大型種を 大型種を天ヶ瀬ダムで ダムで確認しま 確認しま した。 した。 絶滅危惧IB類(ⅠA類ほどではないが、近い将来における絶滅の危険性が高い種) のスジシマドジョウ大型種が、天 天ヶ瀬ダムで過去の調査に引き続き確認されました。 ダム また、絶滅危惧IA類(ごく近い将来における絶滅の危険性が極めて高い種)のホ ンモロコについて、高山 高山ダム 高山ダム、 ダム、室生ダム 室生ダム、 ダム、一庫ダム 一庫ダムで確認されましたが、本来の自然 ダム 分布域ではないため、重要種として計数していません。 スジシマドショウ大型種 ホンモロコ ●琵琶湖・ 琵琶湖・淀川水系の 淀川水系の固有魚類を 固有魚類を、本来の 本来の自然分布域ではない 自然分布域ではない水系 ではない水系の 水系の 複数の 複数のダムで ダムで確認しました 確認しました。 しました。 本来は、琵琶湖・淀川固有魚類であるゲンゴロウブナ、ニゴロブナ、ワタカ、ハス、 ホンモロコ、スゴモロコについて、自然分布域外の複数のダムで確認されました。 ※今回の調査では、木津川、桂川を本来の生息域から除いて計数しています。 ●特定外来生物である 特定外来生物であるチャネルキャットフィッシュ であるチャネルキャットフィッシュを チャネルキャットフィッシュを布目ダム 布目ダムで ダムで初め て確認しました 確認しました。 しました。 11 特定外来生物に指定されており、在来の魚類群集への影響が懸念されているチャネ ルキャットフィッシュ、ブルーギル、オオクチバスが確認されました。 このうち、チャネルキャットフィッシュを布目 布目ダム 布目ダムで今回初めて確認しました。 ダム 特にチャネルキャットフィッシュは、全国のダム湖で2番目の確認となっています。 また、全てのダムでブルーギル、オオクチバスが確認されました。今回調査対象に 追加した比奈知ダムを除くダムでは、調査開始から引き続き確認されており、本種の 侵入後の定着力の強さが伺えます。これらの外来種は、在来の生態系に深刻な影響を もたらす懸念もあり、今後も継続的にモニタリングを行っていく必要があります。 【●加古川水系: 加古川水系:魚類調査】 魚類調査】 ●絶滅危惧Ⅰ 絶滅危惧ⅠB類のクボハゼ、 クボハゼ、絶滅危惧Ⅱ 絶滅危惧Ⅱ類のシロウオ、 シロウオ、エドハゼ、 エドハゼ、 チクゼンハゼ、 チクゼンハゼ、マサゴハゼ、 マサゴハゼ、スジシマドジョウ中型種 スジシマドジョウ中型種、 中型種、アカザ、 アカザ、メ ダカが ダカが確認されました 確認されました。 されました。 絶滅危惧ⅠB類(ⅠA類ほどではないが、近い将来における絶滅の危険性が高い種) のクボハゼ、絶滅危惧Ⅱ類(絶滅の危険が増大している種)のシロウオ、エドハゼ、 チクゼンハゼ、マサゴハゼ、スジシマドジョウ中型種、アカザ、メダカの全てにおい て前回調査(H14)に引き続き確認されました。 加古川河口には干潟が存在し、重要種のクボハゼ、チクゼンハゼ等のハゼ科魚類の 重要な生息場所となっています。 また、加古川水系全体として確認種数は前回調査と比較して増加(今回調査を実施し た全国43河川のうち96種と最多)しましたが、特に大きな魚類相の変化はありま せんでした。 クボハゼは、西日本の河口域や汽水域にのみ生息しています。 エドハゼ、チクゼンハゼは東日本から九州までの広い範囲に分布し、河口域や汽水 域に生息しています。 クボハゼ エドハゼ シロウオ 12 チクゼンハゼ ●外来種である 外来種であるタイリクバラタナゴ であるタイリクバラタナゴ、 タイリクバラタナゴ、ニジマス、 ニジマス、ブルーギル、 ブルーギル、オオク チバス、 チバス、タイワンドジョウ、 タイワンドジョウ、カムルチーが カムルチーが確認されました 確認されました。 されました。 特定外来生物に指定されており、在来の魚類群集への影響が懸念されているブルー ギル、オオクチバスが、前回調査(H14)に引き続き確認されました。 オオクチバス、ブルーギルが河口部の地点を除く全地点で確認されており、生態系 に影響を与える可能性が考えられるため、 今後の動態に注意していく必要があります。 ブルーギル オオクチバス 【●揖保川水系: 揖保川水系:魚類調査】 魚類調査】 ●絶滅危惧Ⅰ 絶滅危惧ⅠB類のチワラスボ、 チワラスボ、準絶滅危惧の 準絶滅危惧のカジカが カジカが今回調査で 今回調査で初 めて確認 めて確認されました 確認されました。 されました。 絶滅危惧ⅠB類(ⅠA類ほどではないが、近い将来における絶滅の危険性が高い種) のチワラスボ、及び準絶滅危惧のカジカが今回調査で初めて確認されました。また、 絶滅危惧ⅠB類のクボハゼ、絶滅危惧Ⅱ類(絶滅の危険が増大している種)のシロウ オ、エドハゼ、チクゼンハゼ、マサゴハゼ、スナヤツメ、スジシマドジョウ中型種、 アカザ、メダカ、オニヤラミは前回調査(H14)に引き続き確認されました。 揖保川水系全体として確認種数は前回調査と比較して増加しましたが、特に大きな 魚類相の変化はありませんでした。 なお、重要種の確認種数は、今回調査を実施した全国43河川のうち17種と、筑後 川の28種に次ぐ2番目に多い河川でした。 前回調査(H14)に確認された絶滅危惧ⅠA類のキセルハゼついては、今回確認 されませんでしたが、揖保川河口には干潟が存在し、重要種のチワラスボ、クボハゼ、 チクゼンハゼ等のハゼ科魚類の重要な生息場所となっていることが伺えます。 チワラスボは、静岡から九州の内湾や河口域のやわらかい泥の中にもぐって生活し ていると言われています。 13 チワラスボ カジカ ●外来種である 外来種であるタイリクバラタナゴ であるタイリクバラタナゴ、 タイリクバラタナゴ、ブルーギル、 ブルーギル、オオクチバス、 オオクチバス、カ ムルチーが ムルチーが確認されました 確認されました。 されました。 特定外来生物に指定されており、在来の魚類群集への影響が懸念されているブルー ギル、オオクチバスが、前回調査(H14)に引き続き確認されました。 オオクチバス、ブルーギルは個体数は少ないものの確認されている地点もあり、生 態系に影響を与える可能性が考えられるため、 今後の動態に注意する必要があります。 ブルーギル オオクチバス 【●九頭竜川水系: 九頭竜川水系:魚類調査】 魚類調査】 ●準絶滅危惧の 準絶滅危惧のクルメサヨリが クルメサヨリが今回調査で 今回調査で初めて確認 めて確認されました 確認されました。 されました。ま た、絶滅危惧Ⅰ 絶滅危惧ⅠB類のカジカ中卵型 カジカ中卵型が 中卵型が確認されました 確認されました。 されました。 準絶滅危惧のクルメサヨリが今回調査で初めて確認されました。また、絶滅危惧Ⅰ B類(ⅠA類ほどではないが、近い将来における絶滅の危険性が高い種)のカジカ中 卵型、絶滅危惧Ⅱ類(絶滅の危険が増大している種)のアジメドジョウ、メダカ、カ マキリが前回調査(H15)に引き続き確認されました。 中流部では環境の多様性が保全され、下流部も含めて水辺は自然性が保たれている 箇所が多いことから、魚類にとって多様な生息環境が維持されています。 このため、確認種や魚類相は大きな変化が無く、環境も大きく変化していないと推測 されます。 クルメサヨリは、本州、九州に分布し、大きな河川の汽水域から淡水域に生息して います。 カジカ中卵型は、下流域から中流域に生息し、下流域で産卵し、孵化した仔魚は海 14 へ下り遊泳生活後、川を遡上します。また、階段式魚道や低い堰でも遡上を阻害され ることが知られております。 クルメサヨリ カジカ中卵型 ●外来種である 外来種であるタイリクバラタナゴ であるタイリクバラタナゴ、 タイリクバラタナゴ、ニジマス、 ニジマス、ブルーギル、 ブルーギル、オオク チバス、 チバス、カムルチーが カムルチーが確認されました 確認されました。 されました。 特定外来生物に指定されているブルーギル、オオクチバスが、前回調査(H15) に引き続き確認されました。 この種は在来の魚類群集等、生態系に影響を与える可能性が考えられるため、今後の 動態に注意する必要があります。 ブルーギル オオクチバス 【ダム湖 ダム湖】 調査対象:九頭竜ダム、真名川ダム ●絶滅危惧Ⅱ 絶滅危惧Ⅱ類のアジメドジョウを アジメドジョウを九頭竜ダム 九頭竜ダム、 ダム、真名川ダム 真名川ダムで ダムで、アカ ザを九頭竜ダム 九頭竜ダムで ダムで確認しました 確認しました。 しました。 絶滅危惧Ⅱ類(絶滅の危険が増大している種)のアジメドジョウが、九頭竜 九頭竜ダム 九頭竜ダム、 ダム、 真名川ダム 真名川ダム 真名川ダムで、アカザが真名川 ダム 真名川ダムで前回の調査に引き続き確認されました。 ダム また、絶滅危惧IA類(ごく近い将来における絶滅の危険性が極めて高い種)のホ ンモロコについて、九頭竜ダム 本来の自然分布域ではないため、 九頭竜ダムで確認されましたが、 ダム 重要種として計数していません。 15 アジメドショウ ホンモロコ ●特定外来生物である 特定外来生物であるコクチバス であるコクチバスを コクチバスを九頭竜ダム 九頭竜ダムで ダムで初めて確認 めて確認しました 確認しました。 しました。 特定外来生物に指定されており、在来の魚類群集への影響が懸念されているブルー ギル、オオクチバス、コクチバスが九頭竜 九頭竜ダム 九頭竜ダムで確認されました。 ダム このうち、コクチバスは九頭竜 九頭竜ダム 九頭竜ダムで今回初めて確認しました。 ダム なお、真名川 真名川ダム 真名川ダムでは国外外来種が確認されませんでした。 ダム ブルーギル コクチバス ●琵琶湖・ 琵琶湖・淀川水系の 淀川水系の固有魚類を 固有魚類を、九頭竜ダム 九頭竜ダム、 ダム、真名川ダム 真名川ダムで ダムで確認し 確認し ました。 ました。 本来は、琵琶湖・淀川固有魚類であるゲンゴロウブナ、ニゴロブナ、ハス、ホンモ ロコ、スゴモロコについて、自然分布域外の九頭竜 九頭竜ダム 九頭竜ダム、 ダム、真名川ダム 真名川ダムで確認されまし ダム た。 また、各ダムで過去に確認された魚種について、今回の調査でもほぼ確認されると ともに、真名川 真名川ダム 真名川ダムにおいて、ニゴロブナ、スゴモロコを今回の調査で初めて確認 ダム するなど、その分布域が拡大していることが推測されます。 琵琶湖・淀川固有魚類が、本来の生息分布域でない河川に生息することで、在来の 生態系に何らかの影響を与えることも懸念される為、今後も継続的にモニタリングを 行っていく必要があります。 16 【●新宮川水系: 新宮川水系:底生動物調査】 底生動物調査】 ●準絶滅危惧の 準絶滅危惧のヒラマキガイモドキが ヒラマキガイモドキが今回調査で 今回調査で初めて確認 めて確認されまし 確認されまし た。また、 また、絶滅危惧Ⅱ 絶滅危惧Ⅱ類のタケノコカワニナが タケノコカワニナが確認されました 確認されました。 されました。 準絶滅危惧(現時点では絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては「絶滅 危惧」に移行する可能性のある種)のヒラマキガイモドキが今回調査で初めて確認さ れました。また、絶滅危惧Ⅱ類(絶滅の危険が増大している種)のタケノコカワニナ 等については、前回調査(H13)に引き続き確認されました。 前回調査(H13)で確認された絶滅危惧Ⅱ類のキイロヤマトンボについては、今 回確認されませんでしたが、確認種数については、前回から大きな変化はみられなか ったため、特に環境の変化はなく、現状を維持しているものと考えられます。 ヒラマキガイモドキは、本州から九州、沖縄に分布し、池沼や水田、その周辺の水 路などの水草に付着して生息している。 ヒラマキガイモドキ タケノコカワニナ ●外来生物の 外来生物のスクミリンゴガイが スクミリンゴガイが今回調査で 今回調査で初めて確認 めて確認されました 確認されました。 されました。 また、 また、アメリカザリガニが アメリカザリガニが確認されました 確認されました。 されました。 今回の調査で特定外来生物は確認されなかったが、要注意外来生物が2種(スクミ リンゴガイ、アメリカザリガニ)確認されました。今回確認された個体数は多くない ものの、今後の動向に引き続き着目していく必要があると考えられます。 スクミリンゴガイは、生態系や在来種に大きな影響があるとして、外来種ハンドブ ックで侵略的外来種ワースト100に指定され、また、外来生物法の要注意外来生物 に指定されています。 アメリカザリガニは、アメリカ合衆国南東部の原産で、食用ウシガエルの餌として 持ち込まれ、外来生物法の要注意外来生物に指定されています。 スクミリンゴガイ 17 【ダム湖 ダム湖】 調査対象:猿谷ダム ●猿谷ダム 猿谷ダムにおいて ダムにおいて、 において、底生動物相に 底生動物相に大きな変化 きな変化がないことを 変化がないことを確認 がないことを確認。 確認。 猿谷ダム 猿谷ダムでは、今回調査において、流入河川、ダム湖、下流河川における底生動物 ダム 相に過去の調査結果と大きな変化はみられませんでしたが、確認個体数についてみる と、ダムの下流河川では、過去の調査で上流域に生息する種が優占していましたが、 今回の調査では、河川下流から上流域の広い範囲に生息する種が優占しています。 また、外来種として特定外来生物ではありませんが、ハブタエモノアラガイが下流 河川の水際の植生帯で1個体確認されました。 ハブタエモノアラガイ 【動植物プランクトン 動植物プランクトン調査 プランクトン調査: 調査:ダム湖 ダム湖】 調査対象:猿谷ダム ●猿谷ダム 猿谷ダム湖内 ダム湖内において 湖内において夏期 において夏期に 夏期に植物プランクトン 植物プランクトンの プランクトンのクリプト藻綱 クリプト藻綱や 藻綱や珪 藻綱の 藻綱の大増殖を 大増殖を確認。 確認。 猿谷ダムにおける植物プランクトン調査において、今回調査で夏期にクリプト藻綱 や珪藻綱の大増殖を確認しました。一般的にクリプト藻綱の中には富栄養化の過渡期 にあるような水域でしばしば大増殖することがあり、猿谷ダムでは今後も継続的にモ ニタリングをおこなっていく必要があります。 動物プランクトン調査においては、採水法による調査で優占していたのは、ワムシ 類の Polyarthratrigla vulgaris や繊毛虫類 Tintinnopsis cratera の小型の種群でした。また ネット法ではミジンコ類 Bosmina longirostris が優占していました。 また、猿谷ダムの優占種からみた栄養型は、中栄養型と評価されましたが、全般的 に種数や出現数が少ないことから、中栄養のなかでも貧栄養に近いと考えられます。 【●紀の川水系: 川水系:植物調査】 植物調査】 ●絶滅危惧Ⅱ 絶滅危惧Ⅱ類のウラギクが ウラギクが確認されました 確認されました。 されました。準絶滅危惧の 準絶滅危惧のコイヌガ ラシ、 ラシ、カワヂシャ、 カワヂシャ、タコノアシ、 タコノアシ、フジバカマが フジバカマが確認されました 確認されました。 されました。 絶滅危惧Ⅱ類(絶滅の危険が増大している種)のウラギク、また、準絶滅危惧(現 時点では絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては「絶滅危惧」に移行する 18 可能性のある種)のコイヌガラシ、カワヂシャ、タコノアシ、フジバカマが前回調査 (H14)に引き続き確認されました。 準絶滅危惧のアサザが今回調査で初めて確認されましたが、本来の自生環境でない ことから逸出個体の可能性と考えられます。 ウラギク アサザ ●特定外来生物に 特定外来生物に指定された 指定された植物 された植物12 植物12種 12種のうち、 のうち、アレチウリ、 アレチウリ、オオカ ワヂシャ、 ワヂシャ、オオキンケイギク、 オオキンケイギク、ナルトサワギクが ナルトサワギクが確認されました 確認されました。 されました。 特定外来生物に指定されたアレチウリ・オオカワヂシャ・オオキンケイギク・ナル トサワギクが前回調査(H14)に引き続き確認されました。 これらの種は、今後の分布の拡大に注意し、必要に応じて抑制・防除等の対策を検 討する必要があります。 オオキンケイギク ナルトサワギク 【●大和川水系: 】 大和川水系:植物( 植物(環境基図作成調査) 環境基図作成調査) ●60種 60種の植物が 植物が確認されました 確認されました。 されました。 環境基図作成調査で植物60種が確認されました。そのなかのジャヤナギ、スズメ ウリは今回調査で初めて確認された種です。 ●特定外来生物に 特定外来生物に指定された 指定された植物 された植物12 植物12種 12種のうち、 のうち、アレチウリ、 アレチウリ、オオカ ワヂシャが ワヂシャが確認されました 確認されました。 されました。 特定外来生物に指定されたアレチウリ・オオカワヂシャが確認されました。 曽我川、石川においては新たにアレチウリ群落が確認され、大和川、佐保川では前 回に比べて増加しています。 19 アレチウリが群生している場所では在来植物がほとんど生育しないことから、河川敷 に生育する植物の多様性が低下することが危惧されるため、今後の分布の拡大に注意 し、必要に応じて対策を検討する必要があります。 アレチウリ オオカワヂシャ 【●由良川水系: 】 由良川水系:植物( 植物(環境基図作成調査) 環境基図作成調査) ●準絶滅危惧の 準絶滅危惧のホソバイヌタデが ホソバイヌタデが今回調査で 今回調査で初めて確認 めて確認されました 確認されました。 されました。 準絶滅危惧(現時点では絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては「絶滅 危惧」に移行する可能性のある種)のホソバイヌタデが今回調査で初めて確認されま した。また、同準絶滅危惧のタコノアシが前回調査(H14)に引き続き確認されま した。 高木の増加によりムクノキ-エノキ群落の拡大が確認されましたが、由良川全体の 植物群落の構成は大きく変化しておらず現状を維持していると考えられます。 ホソバイヌタデ ●特定外来生物に 特定外来生物に指定された 指定された植物 された植物12 植物12種 12種のうち、 のうち、アレチウリ、 アレチウリ、オオフ サモが サモが確認されました 確認されました。 されました。 特定外来生物に指定されたアレチウリ・オオフサモが確認されました。 特にアレチウリの群落は、由良川の各地点で確認されており、今後の分布の拡大に 注意し、必要に応じて対策を検討する必要があります。 20 アレチウリ オオフサモ 【●北川水系: 北川水系:両生類・ 両生類・爬虫類・ 爬虫類・哺乳類調査】 哺乳類調査】 ●準絶滅危惧の 準絶滅危惧のイモリが イモリが確認されました 確認されました。 されました。確認種数は 確認種数は、哺乳類は 哺乳類は17 種で、今回調査を 今回調査を実施した 実施した全国 した全国8 全国8河川中、 河川中、第1位。 準絶滅危惧(現時点では絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては「絶滅 危惧」に移行する可能性のある種)のイモリが前回調査(H14)に引き続き確認さ れました。 調査対象地点における確認種の違いはほとんどありませんでした。 特に、カジカガエルやホンドジカが生息するなど、河川~耕作地~山地にかけての連 続的な自然環境が維持されています。 しかしながら、特定外来生物のアライグマが全地区で確認されており、生態系に影 響を与えている可能性もあるため、今後とも注意深く見守っていく必要があります。 イモリは、本州・四国・九州に分布している日本固有種で、水田や池、小川などに 生息しています。 イモリ ●特定外来生物に 特定外来生物に指定された 指定されたアライグマ されたアライグマが アライグマが今回調査で 今回調査で初めて確認 めて確認され 確認され ました。 ました。 特定外来生物に指定されている、ヌートリア、アライグマが確認されました。 アライグマは今回調査で初めて確認されましたが、全地区で確認されており、生態 系に影響を与えている可能性もあるため、今後とも注意深く見守っていく必要があり ます。 21 アライグマは、北アメリカ原産でペットが野生化し、農作物被害や、雑食性で鳥類 の卵や雛等を捕食することから、生態系の影響も懸念されます。 アライグマ 22 平成19年度 生物調査結果概要表(河川・ダム湖) 今回調査 生物調査名 水系名(河川・ダム名) 1. 魚 類 確認種数 前回調査(参考) 調査地区数 年度 確認種数 淀川 58 ( 10 ) 10 H16 56( 2) 木津川 32 ( 4 ) 4 H16 24( 1) 野洲川 28 ( 7 ) 5 H13 38( 3) 瀬田川 22 ( 2 ) 4 H14 27( 0) 草津川 24 ( 4 ) 3 H16 22( 1) 猪名川 46 ( 6 ) 5 H17 33( 1) 天ヶ瀬ダム 29 ( 3 ) 10 H13 35( 4) 日吉ダム 30 ( 4 ) 5 H13 29( 2) 布目ダム 26 ( 2 ) 5 H13 24( 0) 比奈知ダム 21 ( 4 ) 4 − 高山ダム 28 ( 1 ) 6 H13 29( 0) 青蓮寺ダム 26 ( 3 ) 7 H13 25( 1) 室生ダム 28 ( 2 ) 9 H13 25( 0) 一庫ダム 29 ( 2 ) 7 H17 27( 0) 加古川水系 96 ( 14 ) 7 H14 89( 6) 揖保川水系 83 ( 17 ) 7 H14 75(10) 70 ( 11 ) 8 H15 65( 6) 九頭竜川水系 九頭竜ダム 29 ( 5 ) 7 H13 27( 1) 真名川ダム 19 ( 3 ) 4 H13 18( 1) 229 ( 6 ) 4 H13 200( 3) 166 ( 1 ) 6 H16 138( 0) 85 ( - ) 1 H16 77( -) 紀の川水系 625 ( 6 ) 5 H14 740( 7) 大和川水系 60 ( 0 ) 7 H18 − 由良川水系 89 ( 2 ) 3 H14 − 北川水系 30 ( 2 ) 3 H14 27( 0) 備 考 淀川水系 九頭竜川 2. 底生動物 熊野川 新宮川水系 − 初調査 猿谷ダム 3. 動植物プランクトン 4. 植 物(基図含む) 5. 両生類・爬虫類・哺乳類 ※今回調査における確認種数の( )は重要種で内数です。(詳細はP24参照) ※ダム湖における魚類の確認種数は、ダム湖及び流入河川、下流河川を含んでいます。 ※淀川については、一部、木津川を含む。 23 重要種一覧表(河川・ダム湖) レッドリスト 生物調査名 魚類調査 目 名 科 名 種 名 文化財保護法 種の保存法 新宮 紀 大 川水 の 和 淀 川 水 系 系 川 川 熊 猿 水 水 淀 木 野 瀬 草 猪 天 日 比 高 野 谷 系 系 津 洲 田 津 名 ケ 吉 奈 山 川 ダ 川 川 川 川 川 川 瀬 ダ 知 ダ ム ダ ム ダ ム ム ム ヤツメウナギ目 ヤツメウナギ科 スナヤツメ 絶滅危惧Ⅱ類 ウナギ目 ウナギ科 ウナギ 情報不足 ● コイ目 コイ科 ゲンゴロウブナ 絶滅危惧ⅠB類 ● ○ ● ニゴロブナ 絶滅危惧ⅠB類 ● ヤリタナゴ 準絶滅危惧 ● アブラボテ 準絶滅危惧 ● イチモンジタナゴ 絶滅危惧ⅠA類 シロヒレタビラ 絶滅危惧ⅠB類 ワタカ 絶滅危惧ⅠB類 ハス 絶滅危惧Ⅱ類 カワヒガイ 準絶滅危惧 ドジョウ科 室 生 ダ ム ● ● ● ● ● ● ● ○ ○ 揖 保 川 水 系 由 良 川 水 系 北 九頭竜 川 川水系 水 系 九 九 真 頭 頭 名 竜 竜 川 川 ダ ダ ム ム ● ● ● ● ● ● ● ○ ○ ○ ○ ○ ○ ● ● ● ● ● ● ○ ● ● ● ● ○ ● ● ○ ○ ○ ○ ○ ● ツチフキ 絶滅危惧Ⅱ類 ホンモロコ 絶滅危惧ⅠA類 スゴモロコ 準絶滅危惧 ● アジメドジョウ 絶滅危惧Ⅱ類 ● スジシマドジョウ大型種 絶滅危惧ⅠB類 スジシマドジョウ中型種 絶滅危惧Ⅱ類 ● ● ● ● ○ ○ ● ○ ○ ● ● ○ ● ○ ● ● ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ● ● ● ● ● ○ ● ● ● アカザ科 アカザ 絶滅危惧Ⅱ類 サケ目 サケ科 ニッコウイワナ 情報不足 サクラマス 準絶滅危惧 ● ヤマメ 準絶滅危惧 ● ● ● サツキマス 準絶滅危惧 アマゴ 準絶滅危惧 メダカ 絶滅危惧Ⅱ類 ダツ目 メダカ科 サヨリ科 クルメサヨリ 準絶滅危惧 タウナギ目 タウナギ科 タウナギ 絶滅危惧ⅠB類 カサゴ目 カジカ科 カマキリ 絶滅危惧Ⅱ類 カジカ 準絶滅危惧 カジカ中卵型 絶滅危惧ⅠB類 スズキ科 ハゼ科 ウツセミカジカ(琵琶湖型) 絶滅危惧ⅠB類 ウツセミカジカ(回遊型) 絶滅危惧ⅠB類 オヤニラミ 絶滅危惧Ⅱ類 スズキ 地域個体群 トビハゼ 準絶滅危惧 チワラスボ 絶滅危惧ⅠB類 シロウオ 絶滅危惧Ⅱ類 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ○ ○ ○ ○ ○ ● ● ● ● ● ● ● ● ○ ○ ○ ● ○ ○ ○ ● ● ● ● ● 準絶滅危惧 クボハゼ 絶滅危惧ⅠB類 エドハゼ 絶滅危惧Ⅱ類 ● ● チクゼンハゼ 絶滅危惧Ⅱ類 ● ● マサゴハゼ 絶滅危惧Ⅱ類 ● ● ○ ○ ○ ● ● ● ● 10 ヒラマキガイ科 ○ ○ ● ● ● ● ● 地域個体群 基眼目 ● ○ ○ ○ ● スミウキゴリ トウガタカワニナ科 タケノコカワニナ ● ● ● ● 合計 絶滅危惧Ⅱ類 ● ヒラマキミズマイマイ 情報不足 ● ● ヒラマキガイモドキ 準絶滅危惧 ● マルスダレガイ目 シジミ科 ヤマトシジミ 準絶滅危惧 ● マシジミ 準絶滅危惧 ● エビ目 スナガニ科 カワスナガニ 準絶滅危惧 ● ダデ科 ホソバイヌタデ 準絶滅危惧 アブラナ科 コイヌガラシ 準絶滅危惧 4 7 2 4 6 3 4 4 1 3 2 2 2 14 17 11 5 3 6 1 合計 植物調査 ● ヒモハゼ 盤足目 備 考 ○ ナマズ目 スズキ目 底生動物調査 青 蓮 寺 ダ ム 加 古 川 布 一 水 目 庫 系 ダ ダ ム ム ● ● ユキノシタ科 タコノアシ 準絶滅危惧 ● ミツガシワ科 アサザ 準絶滅危惧 ● ゴマノハグサ科 カワヂシャ 準絶滅危惧 ● キク科 ウラギク 絶滅危惧Ⅱ類 ● フジバカマ 準絶滅危惧 ● 6 0 合計 ● 2 両生類・爬虫類・ サンショウウオ目 イモリ科 イモリ 準絶滅危惧 ● 哺乳類調査 カメ目 イシガメ科 イシガメ 情報不足 ● サル目 オナガザル科 ニホンザル 地域個体群 ○ ネコ目 イタチ科 チョウセンイタチ 準絶滅危惧 ○ 2 合計 ※表中の●印は確認種を示す。 ※表中の○印はレッドリスト該当地域外、または自然分布域外を示し、計数しない。 凡例) ※ は、今回調査対象河川・ダム湖を示す。 文化財保護法 ※ サクラマスとヤマメが同一のダムで確認されている場合は、両種合わせて1種と計数する。 国指定特別天然記念物、天然記念物 種の保存法 「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」国内希少野生動植物種および緊急指定種 レッドリスト 環境省 編「レッドデータブックに揚げるべき日本の絶滅のおそれのある野生生物の種のリスト」掲載種 (2006: 鳥類、両生類、爬虫類、その他無脊椎動物) (2007: 汽水・淡水魚類、貝類、維管束植物、哺乳類、昆虫類) 絶滅:我が国ではすでに絶滅したと考えられる種 野生絶滅:飼育・栽培下でのみ存続している種 絶滅危惧ⅠA類:ごく近い将来における絶滅の危険性が極めて高い種 絶滅危惧ⅠB類:ⅠA類ほどではないが、近い将来における絶滅の危険性が高い種 (注:貝類、底生動物、陸上昆虫類等ではⅠA類とⅠB類を併せて「絶滅危惧Ⅰ類:絶滅の危機に瀕している種」としている。) 絶滅危惧Ⅱ類:絶滅の危険が増大している種 準絶滅危惧:現時点では絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては「絶滅危惧」に移行する可能性のある種 情報不足:評価するだけの情報が不足している種 地域個体群:地域的に孤立しており、地域レベルでの絶滅のおそれが高い個体群 24
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