防炎製品認定申請手続き等の解説 平成 28 年 3 月 公益財団法人 日本防炎協会 防炎製品認定申請手続き等の解説(目次) はじめに ------------------------------------ 1 1.防炎製品とは ------------------------------- 1 2.防炎製品認定申請等の手続きの流れ --------------------- 3 Ⅰ 防炎製品の認定申請 ----------------------------- 1.防炎製品の認定申請に先立って受けておくことが必要な試験 ---------- 2.毒性審査と毒性審査コードの付与 ---------------------- 3.防炎性能試験 ------------------------------- 4.認定申請に必要な書類 --------------------------- 5 5 6 6 7 Ⅱ 単純縫製事業者の認定申請 -------------------------- 8 1.単純縫製事業者とは ---------------------------- 8 2.単純縫製事業者の認定申請 ------------------------- 9 Ⅲ 標準処理期間 -------------------------------- 9 Ⅳ 製品番号等 --------------------------------- 9 Ⅴ 認定取得後に必要となる手続き ------------------------ 10 1.認定を取得した防炎製品 -------------------------- 10 2.認定を取得した単純縫製事業者 ----------------------- 10 Ⅵ 手数料 ----------------------------------- 10 Ⅶ 防炎製品製造開始後の留意事項等 ----------------------- 1.品質管理 --------------------------------- 2.防炎製品ラベル ------------------------------ 3.協会が行う調査 ------------------------------ 10 10 11 11 Ⅷ その他 ----------------------------------- 1.屋外用の区別 ------------------------------- 2.布張家具等の取扱い等 --------------------------- 3.英文証明書の請求 ----------------------------- 4.防炎製品に照明用の電球等を内蔵して施工する場合の施工基準 --------- 5.防炎協会のホームページの使い方 ---------------------- 11 11 11 12 12 12 【別添】 品質管理の説明書作成手引き -------------------------- 14 防炎製品認定申請手続き等の解説 はじめに 1.防炎製品とは 防炎製品とは、原則として、①防炎性能を有すること、②毒性を有しないこと、③品質管理が適 正であることの3つの基本的要件に適合しているものとして協会が認定した、次の製品又はその材 料をいい、現在25種類のものがあります。 (1)寝具類 寝具類は、①側地類、②ふとん類、③毛布類の3つに細区分されています。 このうち、側地類とは、ふとん側地、マットレス側地、敷布、ふとんカバー、毛布カバー、枕カ バー等をいい、ふとん類の材料として用いられるものや敷布、ふとんカバー等の商品としてその まま販売されるものがあります。 ふとん類とは、ふとん、座ぶとん、ベッドパット、枕(陶製のもの及び籐製のものを除く) 、マ ットレス等をいいます。 さらに、毛布類とは、毛布、ベッドスプレッド、タオルケット等をいいます。 (2)テント類 テント類とは、軒出しテント、装飾用テント、キャンプ用テント等をいいます。 (3)シート類 シート類とは、工事用シートを除くシート、カバー等をいいます。シート類には、換気扇のフ ィルターのように、短期間の使用により防炎性能の低下が予想されるものは含みません。また、 網目寸法が12mm以下の工事用以外のネットについては、シート類として取り扱われます。 (4)幕類 幕類とは、カーテン等を除く窓や壁に沿って又は間仕切りのために上から鉛直に下げられたも のや、のぼり旗のような広告幕をいいます。 (5)非常持出袋 非常持出袋とは、地震等災害時の非常持出し用の袋をいいます。 (6)防災頭巾等 防災頭巾等は、頭部の頭巾やフード等に衝撃吸収性を有していることが必要です。上方から頭 頂部への落下物の危険を想定しているため、防炎性とともに、落下物の衝撃吸収性能を備えてい ることが要求されます。 (7)防災頭巾等側地 防災頭巾等側地とは、防災頭巾等用の側地をいいます。 (8)防災頭巾等詰物類 防災頭巾等詰物類とは、防災頭巾等用の中わた、プラスチック発泡体等をいいます。 (9)衣服類 衣服類とは、衣服等の身にまとうもの、身につけるものをいいます。手袋・帽子等も含まれま すが、熱と炎による危険度が高い環境において使用される特殊作業服等や消防隊用の服装は除か れます。 (10)布張家具等 布張家具等とは、布張家具及び布張家具に類似した構造により防炎性能を確保するものをいい ます。 -1- (11)布張家具等側地 布張家具等側地とは、布張家具等用の側地、張替用布張家具等側地、カーシートカバー等の 布張家具用カバー等をいいます。布張家具等側地を詰物等と組み合わせて布張家具等(完成品) を製造するためには、布張家具等(完成品)の試験に適合しなければなりません。 張替用布張家具等側地は、既存の一般のソファー・椅子の側地を張り替えることにより、防 炎のソファー・椅子として認定するための防炎性能を有する側地で、標準発泡詰物(ウレタン フォーム)を試験用側地で覆った試験体を完成品試験で評価します。 脱着式の布張家具等側地とは、取り外して洗たくすることが想定されるものをいい、耐洗た く性能を有することが必要となります。 (12)自動車・オートバイ等のボディカバー 自動車・オートバイ等のボディカバーとは、自動車・オートバイ・スクーター・自転車等 の車両を覆うものをいいます。 (13)ローパーティションパネル ローパーティションパネルとは、間仕切りや目隠し用のパネル等であって、天井に達する高 さを有しないものをいいます。材料として、樹脂、木材、金属等の板及びそれらの表面に、布、 紙、樹脂製シートやフィルム、板を組み合わせたもの等が含まれます。用途としては、分煙・ 遮光用等のために屋内に設置する間仕切り等として使われていますが、災害時に用いるための 間仕切りは除かれます。 (14)襖紙・障子紙等 襖紙・障子紙等とは、素材は紙製に限りませんが、襖・障子のように枠や桟に貼る材料をい います。 (15)展示用パネル 展示用パネルとは、展示会場を構築する間仕切り、棚、展示物等の材料及びその他装飾のた めの材料や装飾物等をいいます。材料として、樹脂、合板を含む木材、金属等の板及びそれら の表面に、布、紙、樹脂製シートやフィルム、板を組み合わせたもの等が含まれますが、展示 用や舞台大道具用の合板は含みません。 (16)祭壇 祭壇とは、冠婚葬祭時に設置される壇をいいます。 (17)祭壇用白布 祭壇用白布とは、冠婚葬祭等で設置される祭壇等を覆うための白布又は染色布をいいます。 (18)マット類 マット類とは、カーマット、キッチンマット、バスマット、洗面マット、トイレ足元マット、 祭壇マット、灰皿マット等をいい、このうちキッチンマット、バスマット、洗面マット及びト イレ足元マットにあっては、通常水洗い洗たくが繰り返し行われるものであることから、水洗 い洗たく処理後に防炎性能試験を行います。 (19)防護用ネット 防護用ネットとは、網目寸法が12mmを超えるネット状のものをいいます。工事用シート (網目寸法が12mm以下のメッシュシートを含む。 )やカーテン等は除きます。ネットで、工 事用、工事用以外を問わず、人体や物品の落下を防止する、あるいは人体や物品を落下物や飛 来物から防護する目的のために用いられるものは、すべて対象となります。 網目寸法が12mm超と大きいので、引揃えて網目を閉じた状態で試験体を作成し、引き揃え た状態での目付により、使用するバーナーの種類を定めて試験を行います。 (20)防火服 防火服とは、消防職団員が着装する防護服をいい、火災現場において、主として後方支援活 -2- 動に従事する者が用いるものと、主として消火活動を行う者が用いるものとがあります。 (21)防火服表地 防火服表地とは、防火服に用いる表地(最外層の生地)をいいます。 (22)木製等ブラインド 木製等ブラインドとは、木製、樹脂製等布製以外の素材からなるブラインドをいいます。 (23)活動服 活動服とは、消防職団員が防火服の中に着装する等活動用に用いる服をいいます。 (24)災害用間仕切り等 災害用間仕切り等とは、避難場所においてプライバシー確保等の目的で用いられる組立て式 の間仕切り、更衣室等をいいます。 (25)作業服 作業服とは、激しくない又は発生確率の低い火災に対し、身体の一部を防護する一般作業服 をいい、熱と炎による危険度が高い環境において使用される特殊作業服等や消防隊員用の服装 は除かれます。 2.防炎製品認定申請等の手続きの流れ 防炎製品には、製品又はその材料について3つの基本的要件に適合するものとして協会が認定 したもののほか、品質管理を適正に行うことができる単純縫製事業者として協会の認定を受けた 者が、防炎製品である一の材料のみを縫製し、又は組み立てることにより製造した寝具類(側地 類、毛布類)、テント類、シート類等の製品も含まれることとなっています。これは、限定され た単純縫製の工程においては、防炎性能及び毒性に影響を生じさせることはないと判断されるこ とから、防炎製品である材料を用いれば、3つの基本的要件のうち品質管理体制の確保のみによ り、防炎製品の製造が行い得るとの考え方によっています。 したがって、防炎製品の製造を行おうとする場合には、防炎製品の認定又は単純縫製事業者の認 定のいずれか(製造・処理事業者が材料を購入して単純縫製も行う場合などにあっては、その両 方)の認定手続きを行う必要があります。 (1)防炎製品の認定 防炎製品の認定手続きの流れは、別図に示したとおりです。 事前段階 : ① 防炎製品認定委員会から毒性審査コードが付与されていること ② 協会が行う性能試験を受けていること(理事長が認める他機関で実 施した性能試験を含む) 認定申請段階: 上記の毒性及び防炎性能の2つ要件と品質管理要件とを併せて認定審査 を受けるため、協会に認定申請書を提出すること なお、事前段階で、新たに毒性審査コードの付与を受けるためには、毒性審査機関からの毒 性試験成績書を取得しておく必要があります。また、防炎製品認定委員会から毒性審査コード の付与を受ける場合には、協会に毒性審査申請書を提出して、申請を行う必要があります。 (2)単純縫製事業者の認定 単純縫製事業者の認定手続きの流れは、別図に示したとおりです。 提出される品質管理の説明書により、単純縫製事業者としての品質管理体制の適否について審 査が行われます。なお、協会の認定を受けた単純縫製事業者が製造することができるものは、 寝具類(側地類(敷布、ふとんカバー、毛布カバー及び枕カバーに限る。)及び毛布類)、テ ント類、シート類、幕類、非常持出袋、布張家具等(張替用布張家具等側地使用に限る)、布 張家具等側地(カバーに限る。)、自動車・オートバイ等のボディカバー、祭壇用白布、マッ ト類、防護用ネット及び木製等ブラインドに限定されています。 -3- 別図 防炎製品の製品番号の取得と防炎製品ラベルの交付 【認定申請の3要素】 ・毒性審査 ・防炎性能 ・品質管理 製造事業者 単純縫製事業者 (種類別) ・寝具類のうち側地類(シーツ・ ふとんカバー等)・毛布類 ・テント類、シート類、幕類 ・非常持出袋 ・布張家具等(張替用布張家具 等側地使用に限る) ・布張家具等側地(カバー) ・自動車等のボディカバー ・祭壇用白布 ・マット類 ・防護用ネット ・木製等ブラインド ・毒性試験(所定機関等) →毒性審査、毒性審査コード付与 (防炎協会・防炎製品認定委員会) ・防炎性能試験(防炎協会) 品質管理の指導 防炎製品認定申請 (品質管理の説明書添付) 【事業所番号】 ○-○○○○ 会員 :M 非会員 :N 特定団体:□団体の番号 単純縫製事業者認定申請 認定 ・製品番号 通知 ・事業所番号通知 生 産 開 認定 ・事業所番号通知 原 縫 始 【防炎製品番号】 ○○ ○○ ○○○ 種類 年 一連番号 A AA CC DD E F G HH HA HB J K L P PH R S T U V W X Y Z ZA ZK ZS 寝 具 類 側 地 類 寝具類側地類のうち敷布・カバー 寝 具 類 ふ と ん 類 寝 具 類 毛 布 類 木 製 等 ブ ラ イ ン ド テント類、シート類、 幕類 非 常 持 出 袋 防 災 頭 巾 等 防 災 頭 巾 等 側 地 防 災 頭 巾 等 詰 物 類 災 害 用 間 仕 切 り 等 衣 服 類 布 張 家 具 等 布 張 家 具 等 側 地 張 替 用 布 張 家 具 等 側 地 自動 車 等の ボデ ィカ バー ローパーティションパ ネル 襖 紙 ・ 障 子 紙 等 展 示 用 パ ネ ル 祭 壇 祭 壇 用 白 布 マ ッ ト 類 防 護 用 ネ ッ ト 防 火 服 防 火 服 表 地 活 動 服 作 業 服 品質管理のための 防炎性能試験 自社装置ない場合 日本防炎協会等の試 験機関に依頼 反 製 購 開 入 始 性能試験報告 報告:1回/年 防炎製品ラベル 交付申請書 報告:1回/月 (原反) 防炎製品ラベル 表示 ラベル使用報告書 抜取 出 荷 試買 市場商品試験 (防炎協会) 不適合時、市場より回収指示 -4- Ⅰ 防炎製品の認定申請 1.防炎製品の認定申請に先立って受けておくことが必要な試験 必要な試験等 性能試験 毒性試験 防炎製品の区分 毒性審査コードが付与 材 料 未認定の材料※ ○ されていない物質を含 む場合 ○ 毒性審査コードが付与 完成品 未認定の材料から製造し ○ たもの (注1) ○: (注2) ※: されていない物質を含 む場合 ○ 該当する試験等を示す。 認定済の材料と仕様が異なる(素材及び防炎薬剤は認定済の材料のものと同一であるが、 織物の組織、目付等が異なる)場合は未認定となるが、毒性試験は不要である。 (1)防炎製品認定委員会から新たに毒性審査コードの付与を受ける場合、委員会は自ら毒性試験 を行う機関ではないことから、防炎製品の認定申請に先立って、毒性試験成績書を取得してお く必要があります。 (2)毒性試験の実施機関については、特に指定はなく、毒性試験成績書に試験機関の所在地(外 国を含む)、試験方法、試験データ、判定者等の必要事項の記載があればよいこととしていま す。 (3)性能試験として、防災頭巾等については、防炎性能試験に加えて衝撃吸収性試験が、防火服、 防火服表地、活動服及び作業服については、防炎性試験に加えて耐熱性試験、引張強さ試験等 の各種試験が、それぞれ実施されます。 (4)防炎製品を製造するために申請手続きが必要となるものについては、一般に毒性及び防炎性 能が既知であるか否かにより、次の3つの場合が考えられます。 ① 毒性、防炎性能のいずれも不明 ② 防炎性能のみ不明 ③ 用いる材料について、毒性、防炎性能のいずれも既知 ①の事例は、毒性審査コードが付与されていない未認定の防炎繊維素材を使用した場合、防 炎加工に毒性審査コードが付与されていない防炎薬剤を使用した場合などが該当します。す なわち、毒性審査コードが付与されていない防炎繊維素材あるいは防炎薬剤は、毒性も防炎 性能も不明であり、これらを使用したものについては、毒性及び防炎性能のデータが明らか となっていなければ認定申請ができません。 ②の事例は、防炎繊維素材又は防炎薬剤の種類は認定済のものと同一で、布地の組織、目付 等の仕様、防炎薬剤の添加量等が異なる場合が該当し、性能試験を受けた後に認定申請を行 う必要があります。 ③の事例は、単純縫製事業者として認定を受けた者が、敷布の材料として防炎製品である反 物を購入して単純に裁断、縫製を行い、敷布を製造する場合などが該当し、この場合には毒 -5- 性及び防炎性能に影響がないと考えられることから、そもそも防炎製品の認定申請が必要と なりませんが、単純縫製事業者が製造できる製品が定められている点に注意する必要があり ます。 2.毒性審査と毒性審査コードの付与 (1)毒性審査コード 防炎製品を構成する高分子素材、防炎薬剤等の化学物質の毒性審査に関しては、必要とされ る人体への安全性の度合いに応じて防炎製品の種類等が1群~5群に区分され、さらに群ごと に必要な毒性審査項目が定められており(防炎製品毒性審査申請規程別表参照)、この毒性審 査項目に対応して提出していただく毒性審査資料及び毒性試験成績書に基づき、防炎製品認定 委員会で審査がされ、適合とされたものに対し毒性審査コードが付与されることとなっていま す。 これまでに付与された毒性審査コードについては公表されており(防炎製品毒性審査基準別 表第1~第5参照)、新たに毒性審査コードが付与されるごとに別表に追加されることとなっ ています。したがって、毒性審査コードが既に付与されている素材等を使用する場合には、あ らためて毒性試験を受ける必要はありませんが、毒性審査コードが付与されていない化学物質 を防炎製品の素材等として使用しようとする場合又は付与されている毒性審査コードが認定申 請しようとする防炎製品の種類等として適用可能な群区分に該当していない場合には、適用群 区分を明らかにして素材等ごとに毒性審査申請を行い、毒性審査コードの付与を受ける必要が あります。なお、5群に該当する防炎製品(衣服類、寝具類、布張家具等側地、活動服、作業 服、防災頭巾等側地及び襖紙・障子紙等以外のもの。)の高分子素材には毒性審査要件が定め られておらず、毒性審査コードの付与は要しません。 (2)防炎薬剤の毒性審査 協会では、防炎製品に使用される防炎薬剤そのものの製品毒性認定はしてはいませんが、素 材等としての化学物質(防炎薬剤の成分を含む)ごとに毒性を審査することで、防炎製品とし ての基本的要件の1つである人体健康面での安全性を確保しています。防炎薬剤の成分につい てチェックする理由の1つは、 薬剤が未反応で製品中に残留する場合を考慮しているためです。 (3)2群の毒性審査コードを有する化学物質の1群適用審査の取扱い 既に2群の毒性審査コードを有する化学物質について、1群の毒性審査コードを取得したい 場合は、1群としての毒性審査申請をする必要があります。この場合、毒性試験成績書として は、アレルギー性接触皮膚障害に関する試験成績書(写)のみを添付することでよいこととな ります。 3.防炎性能試験 協会が行う性能試験を受けようとする場合には、防炎製品性能試験依頼書に製品等の説明書及び 試料を添えて、協会に申請を行っていただきます。 防炎製品の種類ごとに提出していただく試料の大きさが異なります(防炎製品性能試験規程別紙 参照) 。ただし、認定申請を行う防炎製品が、性能試験基準に定める防炎性能試験用の試験体より小 さい場合や試料として不適当な形状の場合には、裁断等の加工を行う前の材料を試料とすることが できます。 なお、毛布、ベッドスプレッド、防災頭巾等用中わた(防炎処理加工されたもの) 、防災頭巾等(完 成品) 、衣服類、布張家具等側地(脱着式のもの及びカバー)については、洗たく処理として水洗い 洗たく及びドライクリーニングを行うこととされていますが、水洗い洗たく又はドライクリーニン グのいずれかについて適用できない旨の表示を製品に行うこととしているものについては、当該適 -6- 用できないものとする処理について、防炎性能試験に係る洗たく処理を実施しないこととすること ができます。 4.認定申請に必要な書類 (1)防炎製品認定申請書(別記様式第1) ① 申請者の氏名は、法人の場合は名称(会社名等)及び代表者氏名を記載します。 ② 事業所番号は、防炎製品の認定実績がある事業所に係る防炎製品の認定申請の場合に記載 します。 ③ 防炎製品の種類については、テント類、シート類及び幕類のいずれの材料としても用いら れる予定のものにあっては、「テント類、シート類、幕類」と記載することができます。 ④ 主たる製造工場及び所在地は、申請に係る防炎製品を製造する主たる工場の名称と所在地 を記載します。また、下請け事業者を利用している場合は、その主たる事業所の名称及び所 在地を記載します。 (2)製品等の説明書(別記様式第2~第2-13) 素材・混用率・表面加工、組織、番手・密度及び質量(g/㎡)は、防炎製品を区別するた めに必要な仕様項目です。 ① 素材:防炎製品毒性審査基準の別表に掲げた化合物名に準じて記載します。 (注)素材名は、原則として、繊維製品品質表示規程に規定する「指定用語」を使用しま すが、輸入品にあっては、国際規格 ISO 2076 に規定する「一般名称」を使用すること も出来ます(例えば、アラミド、ノボロイド、モダクリル等)。 ② 混用率:混紡又は交織などの布地については、例えば、ポリエステル50%、綿50%などと 記載します。 ③ 表面加工:テント類、シート類、非常持出袋、防災頭巾等、自動車等のボディーカバー、 マット類、衣服類のうちレザー(合皮)製ジャンパー、布張家具等の椅子張地等の布地で、 基布の表面(表・裏)にコーティング加工がされている場合は、表面加工の仕様について記 載します。 ④ 組織:例えば平織、トリコット編、不織布などの種類をJISの用語に準じて記載します。 ⑤ 番手:織、編に使用した糸の太さを番手(英式綿番手或いはメートル番手)、デシテック ス、テックスなどで記載します。 ⑥ 密度:布地の場合は緯糸及び経糸の打込み本数を記載し、プラスチック発泡体の場合は見 掛け比重又は発泡倍率を記載します。 ⑦ 質量:単位面積当たりの質量を(g/㎡)などの単位で記載します。 ⑧ 衣服類(完成品)については、布地、縫い目(縫い糸)、へり、飾り及び綿入れの詰物に ついて記載します。 ⑨ これまでに付与された毒性審査コードについては、防炎製品毒性審査基準の別表に掲げら れています。 ⑩ 繊維及びプラスチックの製造・加工工程で、(ア)防炎薬剤を練り込む場合、(イ)後加工する 場合及び (ウ)表面加工の材料に防炎薬剤を混合する場合には、「防炎加工」欄にその仕様を 記載します。ただし、材料等に製品番号が付与されている場合には、省略することができま す。 (3)防炎薬剤成分表(別記様式第3) 主成分とその他の成分に分けて記載します。 (4)性能試験結果通知書 ① 協会が通知した防炎製品性能試験結果通知書(理事長が認めた他機関で実施した性能試験 -7- 結果を含む。)(写)を添付します。ただし、通知日から3年以内のものに限ります。 ② 防炎製品の材料等の認定申請において、既に当該材料等に適用される防炎製品性能試験基 準と同一の防炎性能の基準を適用した防炎物品の防炎性能試験結果通知書による通知を受け ている場合又は別の種類の防炎製品の材料等として防炎製品性能試験結果通知書による通知 を受けている場合にあっては、当該防炎性能試験結果通知書(写)又は防炎製品性能試験結 果通知書(写)を添付することができます。 (5)品質管理の説明書(別添「品質管理の説明書作成手引き」参照) 防炎製品についての認定実績のある事業者において、これと同一の品質管理条件により製品 等を製造しようとする場合にあっては、品質管理の説明書の提出を省略することができます。 Ⅱ 単純縫製事業者の認定申請 1.単純縫製事業者とは 単純縫製事業者とは、防炎製品の材料ラベルが付された反物又は長尺物又は部品を購入し、こ れらの一の材料のみを用いて、毒性と防炎性能に影響を与えないと考えられる単純な裁断・縫製・ 組立て等の加工のみを行うことによって寝具類の一部、テント類、シート類等の製品を製造する 事業者であって、適正な品質管理条件を確保できる者として協会の認定を受けた者をいい、次に 掲げるような事業者が該当します。なお、衣服類は、布地部分のほか、縫い目、へり、飾り部分 についての防炎性能の確認が必要であることから、単純縫製事業者が製造できる製品とはされて いません。 ① 材料ラベルが付された敷布、ふとんカバー、毛布類等の反物を購入し、裁断・縫製を行う事 業者 ② 材料ラベルが付されたテント類、シート類、幕類(消防法で規定する防炎対象物品を除く。) 用の反物を購入し、裁断・縫製によって、それぞれキャンピングテント、装飾テント、広告幕 等を製造する事業者 ③ 材料ラベルが付された非常持出袋用の反物を購入し、裁断・縫製によって非常持出袋を製造 する事業者 ④ 材料ラベルが付された自動車・オ-トバイ等のボディカバ-用の反物を購入し、裁断・縫製 によって自動車・オ-トバイ等のボディカバ-を製造する事業者 ⑤ 材料ラベルが付された祭壇用白布用の反物を購入し、裁断・縫製によって、祭壇用白布を製 造する事業者 ⑥ 材料ラベルが付されたマット用の敷物材料等を購入し、裁断、縫製によって、マット類を製造 する事業者 ⑦ 材料ラベルが付された防護用ネット用の材料を購入し、裁断・縫製によって防護用ネットを 製造する事業者 ⑧ 材料ラベルが付された張替用布張家具等側地を購入し、裁断・縫製・張替えによって布張家 具等完成品(ソファー・椅子など)を加工する事業者 ⑨ 布張家具等側地の材料ラベルが付されたシートカバー用の反物を購入し、裁断・縫製によっ てカーシートカバー等を製造する事業者 ⑩ 材料ラベルが付された木製等ブラインド用のスラットを購入し、組み立てによって木製等ブ ラインドを製造する事業者 防炎製品として認定されたものには製品番号が付与され、その材料には「材料ラベル」が付さ れます。この材料から製造された完成品には「完成品ラベル」が付されることとなります。単純 -8- 縫製事業者が、この材料を仕入れて単純に裁断・縫製・組立てすることによって完成品を製造し た場合には、「完成品ラベル」を付すことができます。ただし、この材料に防炎性能に影響する 加工(例えば、プリントあるいはコーティング等)を施すことはできません。 例えば、広告幕等は幕類に含まれますが、白地・無地のままで使用されることはほとんどなく、 反物に宣伝のための文字あるいは図柄等がプリントあるいはコーティング等で加工されています。 一般に幕類は無地・単色の反物として量産されますが、一方、広告幕等は注文主ごとに異なる文 字あるいは図柄のプリント等の加工が行われ、いわゆる少量多品種の製造となっています。多く の場合、製造事業所(プリント会社等)で普通の反物あるいは材料ラベルが付された反物にプリ ント等の加工が行われます。こうしたプリント等の加工が行われると、繊維素材の種類と染料、 顔料及びプリント方法によって燃焼挙動が変わる可能性があります。このため製造事業者はプリ ント加工品について、協会に防炎性能試験を依頼した後に認定を受けて製品番号を取得し、この 反物に「材料ラベル」を付することとなります。 (注)防炎物品のカーテン類の色柄違いは同一の仕様として扱っています。これは普通の布地を 染料で染色した場合には、染料の添加量が少ないため、防炎性能には影響しないという試験 実績に基づいています。 2.単純縫製事業者の認定申請 単純縫製事業者は、防炎製品である一の材料を用いて、防炎性能及び毒性に影響を与えない縫 製等の工程のみにより、新たな防炎製品を製造しようとする事業者であることから、適正な品質 管理を確実に行い得る能力が重要となります。そのため、単純縫製事業者の認定申請には、単純 縫製事業者認定申請書(別記様式第9)に品質管理の説明書(別添「品質管理の説明書作成手引 き」参照)を添えて提出することが必要となります。 Ⅲ 標準処理期間 協会では各種業務に関し、申請を受理してからの標準処理期間を設定し、公表しています。認 定業務に関しては、標準処理期間を次のように設定しています。 ① 製造事業者の品質管理審査及び現地審査を含む認定業務・・・3週間 ② 単純縫製事業者の品質管理審査を含む認定業務・・・・・・・2週間 ③ 品質管理審査なしの認定業務 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 2日 また、防炎性能試験業務に関しても標準処理期間を設定して業務処理を行っています。防炎製品 に関しては5~30日としていますが、防炎製品ごとに異なりますので協会ホームページ「標準処 理期間」でご確認ください。 Ⅳ 製品番号等 認定申請された防炎製品についての審査の結果認定が行われると、製品番号と事業所番号が付与 され、防炎製品認定書に記載されて通知されることとなります。この場合、防炎製品の認定実績の ある事業者の方には、これまでと同じ事業所番号が記載されます。また、防炎製品の認定更新にお いては、従前と同一の製品番号、事業所番号が認定更新書に記載されます。 一方、単純縫製事業者の認定にあたっては、事業所番号が付与され、単純縫製事業者認定書に記 載されて通知されることとなります。 協会が交付する防炎製品ラベルには、すべて事業所番号が記載され、防炎製品ラベルが付された 防炎製品を製造した事業者を識別できることとなっています。 -9- また、防炎製品の材料として用いられるものについては、事業所番号と併せて製品番号が記載さ れます。 Ⅴ 認定取得後に必要となる手続き 1.認定を取得した防炎製品 防炎製品の認定を受けた後、当該認定を受けた事業者が別の防炎製品を製造しようとする場合に は当然新たな認定申請が必要となりますが、当該認定を受けた防炎製品について、組織、目付等の 仕様を変更する場合にも原則として新たな認定申請が必要となります。これらの場合において、同 一の品質管理条件で製造を行おうとする場合には、品質管理に関する説明書の提出は要さないこと となっています。 一方、認定を受けた防炎製品の製造に関し、品質管理体制等基本的要件に関する事項の一部を変 更しようとする場合には、軽微な変更である場合を除き、防炎製品認定変更申請書に変更内容に関 する書類を添えて、協会に申請する必要があります。なお、認定を受けた2以上の防炎製品につい て、共通する事項のみを変更しようとする場合には、一括申請ができることとなっています。 また、認定を受けた防炎製品の登録名義を変更しようとする場合及び認定を受けた者の氏名等を 変更しようとする場合には、それぞれ協会にその旨の届出を行う必要があります。 なお、防炎製品の認定有効期間は5年間とされており、同一の品質管理体制のもと引続き製造等 を行おうとする場合には、認定期間満了日の3箇月前から満了日までの間に、防炎製品認定更新申 請書を協会に提出することが必要となります。 2.認定を取得した単純縫製事業者 単純縫製事業者としての認定を受けた事業者が品質管理体制を変更しようとする場合には、軽微 な変更である場合を除き、単純縫製事業者認定変更申請書に変更内容に関する書類を添えて、協会 に申請する必要があります。 単純縫製事業者が品質管理に関する事項を変更することなく製造する防炎製品の種類を追加、変 更しようとする場合には、協会に防炎製品の種類の追加・変更届出書を提出することが必要です。 また、単純縫製事業者が氏名等を変更しようとする場合には、協会にその旨の届出を行う必要が あります。 Ⅵ 手数料 防炎製品の認定・認定変更・認定更新、単純縫製事業者の認定・認定変更等の業務に関しては、 協会からの請求書に従って、銀行振込または現金により、必要な手数料を収めていただきます。な お、 受領したこれら手数料については、 審査に着手した後には返還ができないこととなっています。 試験手数料の振込先は、次のとおりです。 振込銀行:みずほ銀行日本橋支店 預金種目及び口座番号:普通 № 2058399 振込先:(公財)日本防炎協会 住 所:〒103-0022 東京都中央区日本橋室町4-1-5共同ビル (注)手数料納入に要する費用は申請者の負担となります。 Ⅶ 防炎製品製造開始後の留意事項等 - 10 - 1.品質管理 認定を受け、防炎製品の製造を開始した後に重要なポイントは、何といっても品質管理です。認 定申請時に提出された品質管理の説明書に従った、適切な品質確保に努めてください。認定を受け た防炎製品の製造にあたっては、品質管理の一環としての定期的な防炎性能試験の実施が不可欠で あり、その結果について、1年に1回協会に報告していただく必要があります。 2.防炎製品ラベル 防炎製品に付す防炎製品ラベルの交付を受けようとするときは、防炎製品ラベル交付申請書を協 会に提出していただきます。交付を受けた防炎製品ラベルは、定められた管理者が受払い等の管理 を行って管理状況を記録し、使用状況を毎月協会に報告していただく必要があります。 3.協会が行う調査 協会では、品質管理の状況について、定期又は随時の調査を実施しています。また、抜取又は試 買により防炎製品を入手し、その防炎性能についてチェックを行っています。これら調査の結果不 適合が見つかった場合には、迅速な改善等の処置をとっていただき、協会としても必要に応じ防炎 製品ラベルの交付停止等の措置をとることとなります。 Ⅷ その他 1.屋外用の区別 テント類、シート類及び幕類は屋外で使用するものを区分して防炎性能試験を行っており、防 炎製品ラベルも屋外仕様のものを作製しています。すなわち、屋外用は、雨ざらしの状態での使 用に耐えるかどうかの確認が必要なため、防炎性能試験に先立ち試験体を50℃の温水に30分 間浸漬する処理を行っています。したがって、屋外用として防炎性能試験が行われていないもの が屋外で使用されることのないよう、使用者に防炎性能試験の内容等を十分知らせていただくこ とをお願いします。なお、屋外用として防炎性能試験が行われているものは屋内、屋外のいずれ でも使用が可能です。 2.布張家具等の取扱い等 (1)座部と背部との間又は座部と肘掛部との間に接合部を有さないものの取扱い 座部と背部との間又は座部と肘掛部との間に接合部(クレビス)がないものについても、布 張家具等の防炎性能試験(クレビスたばこ法及びクレビスバーナー法)を適用します。 (2)背部を有さないものの取扱い 背部を有さない布張家具等にあっては、座部等の試験体を水平状態にして防炎性能試験(ク レビスたばこ法及びクレビスバーナー法)を適用します。 (3)布張家具等側地の防炎性能試験 脱着式のもの及びカバーにあっては、水洗い洗たく及びドライクリーニング(水洗い洗たく 又はドライクリーニングのいずれかについて、適用できない旨の表示を行うこととするものに あっては、当該適用できないものとする洗たく方法を除きます。)を行った後に防炎性能試験 を実施します。 (4)連結椅子への防炎製品ラベルの貼付 連結椅子の場合、防炎製品ラベルは見易い箇所に貼付すれば、連結されている個々の椅子全 部に貼付する必要はありません。 - 11 - 3.英文証明書の請求 輸出業務用及び海外での展示会出品用に英文証明書を最終製品の取扱い事業者から請求される 場合があります。この場合は英文証明書を発行しています。 4.防炎製品に照明用の電球等を内蔵して施工する場合の施工基準 防炎製品に照明用の電球等を内蔵して施工する場合の施工基準が次のように定められていますの で、施工業者の方々に情報提供いただくようお願いいたします。 (1)防炎製品と電球等とは、防炎製品の温度が120℃以上にならないように、防炎製品と電球等 との間に1cm以上の距離を保持するための適切な保護装置を設けること。また、熱により、変 形、変色、収縮、硬化などの影響を受けやすい素材の防炎製品にあっては、その影響を受けない 距離を保持すること。 (2)電球等を複数個使用する場合は、防炎製品と電球等あるいは電球等と電球等との間隔は、防炎 製品の温度が120℃以上にならない距離を保持することとし、熱により、変形、変色、収縮、 硬化などの影響を受けやすい素材の防炎製品にあっては、その影響を受けない距離を保持するこ と。 (3)電球等による熱の蓄積を減ずる対策をとるとともに、熱を集積する機器を設けてはならないこ と。 (4)電球等の 1 個の出力は200W以下とすること。 (5)電球等を内蔵する用途に防炎製品を販売する際には、施工業者に対して上記(1)~(4)の 施工基準を明記して周知すること。 5.防炎協会のホームページの使い方 防炎製品の認定関係の規程、基準類は、日本防炎協会のホームページでご覧いただけます。又、 防炎製品認定手続きに必要な各種の申請書様式もダウンロードできますのでご利用ください。 その他、防炎製品に係わる多くの情報もご覧になれます。 (別図参照) - 12 - 別図 ホームページの使い方 試験・認定書類 規程・基準 毒性審査コード表 - 13 - 別添 品質管理の説明書作成手引き 平成22年9月1日 この手引きは、防炎製品の認定申請及び単純縫製事業者の認定申請において提出書類とされている「品 質管理の説明書」を作成する際の参考に供するため、防炎製品品質管理基準に則して作成したものです。 「品質管理の説明書」作成にあたっては、以下の記載内容に留意のうえ、防炎製品の品質管理の徹底が 図られるよう、事業者の製造・管理実態に合った説明書を作成して下さい。 1 品質管理責任者・品質管理組織 品質管理組織とは、品質管理に関して権限及び責任を有し、かつ、防炎製品の製造に関して実質的に 一定の機能を有する機構をいい、当該組織の責任者が品質管理責任者となる。品質管理組織の説明には、 資本金、従業員数のほか、原則として次に示すような品質管理を行う部門の説明を含める。 [品質管理を行う部門の説明] 会社組織図によって図示する。この場合において、大企業等で、関連する事業部の数が多く、組織 図だけでは品質管理の責任を持つ部門がわかりにくい場合は、総括責任者を明示するとともに当該部 門を枠で囲み、その旨注記するか、あるいは、品質管理部門を要約した組織図を作成する。 品質管理部門を特に定めていない企業であって、会社組織図の図示による説明が困難な場合には、 品質管理に関する責任者の職名及び氏名を記載する。 (注)品質管理部門は、通常、生産管理部(事業部)、製造部(工場)、研究開発部(研究所)、 技 術部(品質保証部)、営業部(営業企画部)などである場合が多い。 2 試験設備 試験設備とは、品質管理の目的で、製造する防炎製品の防炎性能を確認するための防炎性能測定機器 等をいう。 保有する試験設備の種類とその保守・点検管理の基本的な方法、管理記録の方法、記録の保存方法に ついて説明する。 品質管理のための防炎性能試験の実施を外部に委託することとしている場合には、委託先の試験機関 名を記載する。 3 製造・処理設備 製造・処理設備とは、防炎製品の製造又は防炎処理のための設備、鑑別・調合器具等をいう。保有す る製造・処理設備の仕様とその保守・点検管理の基本的な方法、管理記録の方法、記録の保存方法につ いて説明する。 4 品質管理計画 品質管理の目標レベルとこれを達成するための製造・処理条件の設定の基本的な考え方について説明 のうえ、次の事項について記載する。 - 14 - (1)検査基準等 検査基準とは、防炎性能試験基準(毒性試験を要する製品にあっては、毒性の管理基準を含む。 以下同じ。) 及びこれらに関連のある品質検査基準で、資材の受入検査基準、防炎製品(必要により、 製造・加工工程の原材料・半製品を含む。) の検査基準及びこれらの検査結果の記録及び保存に関す る方法(以下「防炎製品の検査基準等」という。)をいう。防炎製品の検査基準等には、原則として次 に示す事項を含める。 ① 資材の受入検査基準 資材の受入検査基準とは、防炎製品に関連のある資材(原材料及び副資材等をいう。以下同じ。) を他社又は他部門より受入れる際の品質検査方法の基準をいう。 資材の受入検査は、受入ロット毎に行うものとし、資材供給メ-カ-(他社)又は、他部門の検 査成績書又は他の試験機関の試験成績書を利用するか又は自社で受入検査を行うこと。 なお、単純縫製事業者にあっては、材料の製品番号等の確認方法を含むこと。 ② 防炎製品の検査基準 防炎製品の検査基準とは、製造・処理工程における運転条件の確認の基準、防炎製品の最終製品 及び工程上必要な場合における製造・加工工程での原材料及び半製品の品質検査の基準をいう。 防炎製品の検査基準には、最終製品の防炎性能を確保するために、少なくとも次に示す事項を定 めること。 (イ)検査用試料の抜取基準 (ロ)試験方法及び社内の合格基準値 これらは生産工程での品質のバラツキ予測をもとに定め、統計的に合理的といえるものでなく てはならない。バラツキが大きい場合は合格基準を安全側にするか抜取数を多くすること。 合格基準値は、少なくとも性能基準値に対し10パーセント以上の余裕を持たせること。 (備 考) 1)検査基準等を別添とする場合は、その旨付記し、詳細な説明は省略することができること。防炎 性能に影響を与えるおそれのある品質項目については、これら品質項目を変更する場合の検査基準 の見直しの考え方について記載すること。 2)抜取基準は、製造・処理の方法や頻度などにより差異があるので、抜取の際のロットの大きさ(長 尺ものの場合はm数、製品の場合は個数など)及び抜取個数を明示すること。 「付記」に参考数値を示す。なお、年間の製造・処理数量が参考数値に達しない場合であっても、 少なくとも1年に1回は防炎性能試験を実施する必要があること。 3)防炎性能試験基準は、当該防炎製品の種類に応じた基準によること。例えば、「防炎製品性能試験 基準(寝具類)による」とすること。 (2)品質管理の方法 標準化された製造条件、製造方法、検査方法により一定水準以上の品質の商品を生産しなければ ならない。一定水準以上の品質を確保するため、原則として次の記載内容を含める。 ① 受入検査、製造・加工工程での検査、最終製品の検査の各実施責任部門を製造工程図等を用いて明 らかにし、当該部門にこれら検査を実施するための適切な職員を配置する。 ② 製造・加工の一部を外注している場合も、品質管理及び外注管理の方法を定めて品質を確保する。 ③ 不適合が生じたときの責任の所在及び不適合品の処理の方法を明確にする。例えば、(イ)再加工して 適合品とする、(ロ)防炎製品でない一般品として販売する、(ハ) (イ)(ロ)とも不可能な場合は、自家 - 15 - 消費又は廃棄処分にする等を明らかにする。 また、不適合品を事業所外に出荷させないための対応 の考え方を説明し、万一不適合品と同一のロット等が出荷されてしまった場合の回収体制を明らか にする。さらに、不適合が生じた場合の改善方法の考え方について明らかにする。 ④ 品質管理全般に関する記録保存の方法、ラベル管理の方法及び協会に対する報告の方法等を定める。 ⑤ 製造・処理方法の変更手続き、品質管理体制等の状況の定期的な確認の方法について定める。 5 防炎製品ラベルの管理 管理責任者、受払記録とその保存、製品の納入記録、協会への報告について説明する。 - 16 - 付記 抜 取 数 量 の 標 準(例) 1 長尺もの (イ) 側地類、衣服類等の材料 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥1,000m毎に1組 (ロ) テント類、シート類、自動車・オートバイ等のボディカバー等の材料 ‥‥‥‥ 3,000m毎に1組 2 完成品 (イ) ふとん、ベッドパッド、マットレス ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 500枚毎に1組 (ロ) 毛布、ベッドスプレッド、敷布、ふとんカバー等 ‥‥‥‥‥‥‥‥2,000枚毎に1組 (ハ) ウレタンフォーム ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 3,000kg毎に1組 (ニ) 非常持出袋 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 7,000枚毎に1組 (ホ) 防災頭巾等 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 7,000枚毎に1組 (ヘ) 衣服類 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 2,000枚毎に1組 (ト) 布張家具等 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 2,000脚毎に1組 (注1) ロットサイズが上記より小さい場合にあっては、ロット毎に試料を採取する。 (注2) 測定値のバラツキが大きく、生産が安定してないと考えられる場合は、抜取頻度を増やす。 - 17 - 記 載 例 (製造事業者用) 注)下線部分及び部署名(○○)、その他管理体制等は、自社の実態に合わせて記載する。 黒字は記載例を示す。 品 質 管 理 の 説 明 書 平成 年 月 日 〇〇〇〇株式会社 印 1 防炎製品の種類 注)防炎製品の種類及びその具体的用例を明記すること。 防炎製品を製造・販売している場合は、・・・の製造と販売 と記載する。 非常持出袋の製造と販売 2 品質管理組織 注)会社組織図によって図示する。(会社名、資本金、従業員数及び品質管理責任者とその代行者を職名で明 記する。)大企業等で、関連する事業部の数が多い場合は、当該部門を枠で囲み、その旨注記する。又は、 品質管理部門を要約した組織図を別紙にて作成する。 品質管理部門を特に定めていない企業や、会社組織図の図示による説明が困難な場合は、品質管理に関す る責任者の職名を記載する。 別表「組織図」に示す。 品質管理責任者:生産管理部長 品質管理責任者不在時の代行者:○○工場管理センター長 品質管理責任者は品質管理のための体制、組織、運営管理が適正に維持されていることを 少なくとも年 1 回確認する。 3 検査基準等 注)資材及び製品の検査基準について記載する。又、検査結果の記録及び保存方法も明記する。 (1) 資材の受入検査基準 注)資材の受入検査基準とは、防炎製品に関連する資材(原材料及び副資材等をいう)を資材供給メーカー等 の他社より受入れる際の品質検査方法の基準をいう。又、資材の受入検査は、受入ロット毎に行うものとす る。 受入れる際には、検査成績書又は他の試験機関の試験成績書を利用するか自社で受入検査を行うこと。自 社で受入検査をする場合は、所定の材質・織り・目付等を確認し受入れる方法等を明記する。 受入検査の記録は、10 年間保管すること。 原反へのポリ塩化ビニル(以下「PVC」)樹脂加工工程で、PVC樹脂に防炎剤として 三酸化アンチモン(以下「Sb2O3」)を添加して防炎性能を付与する方法を用いるので、 それぞれの受入検査基準を次のとおり定める。受入基準に適合していない場合の処置は、 返品とする。 ① 原反 発注書と納品書を照合、所定の材質・織り・目付等であるかを確認し受入れる。 ② PVC樹脂 - 18 - 受入ロット毎にPVC樹脂製造会社の試験成績書を入手し、純度 99%以上の合格 ロットのみを受入れる。 ③ 防炎薬剤 受入ロット毎に防炎薬剤Sb2O3 の製造会社の試験成績書を入手し、純度 99%以 上の合格ロットのみを受入れる。 以上の検査の記録を 10 年間保管する。 防炎製品の検査基準等 (2) 注)防炎製品の検査基準とは、生産する防炎製品の品質を一定に保って生産するための品質検査方法の基準を いう。防炎製品の検査基準には、最終製品の防炎性能を確保するために、少なくとも次に示す事項を定める こと。 ① 試験方法及び社内の合格基準 社内での、合格基準の数値を記載する。 ② 検査用試料の抜取基準 生産工程でバラツキが大きい場合は、合格基準を安全値側に設定する方法や抜取数の頻度を多くする 方法等がある。 又、長尺ものはメートル、防災頭巾等詰物の中わたのように重さでロットを表示する場合はキログラ ム、布張家具等は脚のように、ロットの単位は種類に合わせて記載する。 ① 試験方法及び社内の合格基準 試験方法は、「防炎製品性能試験基準」により行い、合格基準は当該製品のバラツ キを十分に考慮して設定し、同基準値の○○%以内とする。 ② 検査用試料の抜取基準 抜取基準のロットの大きさ及び抜取数量は、○○m毎に1組とし、生産(輸入)実 績があった場合は、生産量が○○m以下の時も1ロットとして1組を採取し、自社 で防炎性能試験を行う。又は、(公財)日本防炎協会に依頼する。 他試験機関でも可:例(一財)カケンテストセンター その試験結果は 1 年に 1 回以上(公財)日本防炎協会が定める所定の様式にて報 告する。 ③ 検査結果の記録及び保存 防炎性能試験の記録は、管理センター(防炎性能検査部門)で管理し、10 年間保管 する。 4 品質管理の方法 注)一定水準以上の品質が確保された防炎製品を生産する為に、標準化した製造条件・製造方法・検査方法・ 管理方法が必要である。 資材の受入検査から出荷販売(最終検査)までの流れを製造工程図等で明記する。 外注工場に、製造工程・ラベル管理を委託している場合も明記する。又、その場合は、自社の責任部署を 明記すること。 - 19 - (1) 工程と品質管理実施責任部門 工程と品質管理実施責任部門は次のとおりである。 品質管理実施 生産管理部 繊維資材事業部 生産管理部 繊維資材事業部 責任部門 ○○工場 ○○工場 ○○工場 生活資材 資材課 工 程 シート製造課 管理センター 販売管理部 資材の受入 受入検査 基布 樹脂・ ・試験成績書 入手 ↓ 薬剤 ↓ 工程管理 ヒート 防炎剤 ・Sb2O3 セット 添加 ↓ 樹脂加工 ↓ 外注工場* 添加量管理 ・樹脂付着量 管理 ・加工条件管理 (○○○法) 防炎性能試験 防炎性能試験 ・サンプリング ・合否判定 製品の 識別と保管 ・合否の識別 ・識別後の 一時保管 縫製 ラベル表示 縫 製 ラベル表示 出 販 外注の場合 ・外注管理 販売管理 ラベル管理 荷 売 * 外注工場:株式会社○○ 縫製 ラベル表示 ○○県○○市○○1-1-1 TEL○○○―○○○―○○○○ 注)外注工場(下請工場・縫製工場)がある場合は、会社名・住所・電話番号を明記すること。 品質管理組織(品質管理の運営に関する各部門の役割)については、別表「組織図」 の下欄に示すが、総合管理責任は生産管理部が行う。 (2) 管理センターは防炎性能試験の合否判定結果をシート製造課(製造部門)へ連絡し、シ ート製造課は合格、不合格を明示し生活資材販売管理部(販売部門)へ送付する。また不 合格品が生じた場合、シート製造課はその発生原因調査及び改善対策を実施する。 (3) 不合格品の処理方法 注)不合格が生じたときの責任の所在及び不合格品の処理方法、又、改善方法を明記する。又、不合格品と同 一ロット品を出荷した場合の対応策も記載すること。例えば、①再加工して、防炎品にする。②非防炎品の 為、一般品として販売する。③廃棄処分する。などと明確に記載する。 生活資材販売管理部は、不合格品は防炎製品でない一般製品として販売する。また万 - 20 - 一、不合格品又は不合格品と同一ロット品が防炎製品として出荷されていることが判明 した場合は、直ちに回収等の処置をとる。 (4) 記録の保存、ラベル管理及び(公財)日本防炎協会に対する報告等 注)品質管理全般に関する記録の方法及び責任部署を明記する。ラベル管理の方法及び協会に対する報告・受 払実績の責任部署を明記する。又、外注工場にラベルの縫製・表示を委託する場合も記載すること。 ① 記録の保存 品質管理全般に関する記録の保存は管理センターが担当し、また製造に関する記録 の保存はシート製造課が担当し、必要な記録を10年間保管する。 ② ラベル管理及び防炎協会に対する報告 ラベル管理は生活資材販売管理部が担当する。縫製・ラベル表示を外注工場に委託 する場合も生活資材販売管理部が外注管理を行う。 ラベルの受払実績について生活資材販売管理部が、(公財)日本防炎協会に対する 報告を毎月1回行い、報告書の控及び出荷明細等の記録は10年間保管する。 (5) 外注管理の方法 注)外注管理をする方法や責任部署を明記する。 生活資材販売管理部は、外注工場と契約書の締結及び品質管理会議を開催し、外注工 場の指導と管理を行う。 縫製・ラベル縫付を外注する場合は、ラベル管理の基準を、外注工場との契約書に明 記することとする。 5 設備・機器類の保有と管理の方法 (1) 試験設備 注)品質管理のために適正な試験設備が保有され、保守・点検管理の計画・方法のマニュアルが作成されてい ること。又、定期的に保守・点検の内容を明記する。保守・点検記録は、10年以上保存すること。 自社に試験設備がある場合は、試験装置の種類や名称、設置場所を記載する。 区 分 性能試験設備 (2) 名称(型式)等 設置場所 備考 防炎性能試験装置一式 ○○工場 (○○○製) ① 日常点検の方法:自社の設備管理手順書に基づき試験実施前に正常に測定できる ことを確認する。異常が認められるときは直ちに修理等を実施し、正確な測定値が 求められる状態になるまで試験を行わない。 ② 定期点検・保守は2年毎に実施する。 ③ 点検の記録は10年間保管する。 製造・処理設備 注)製造・処理設備が定期的に保守・点検が行われ管理されていることを明記する。 管理記録等は、10年以上保存すること。 区分 樹脂混練装置 樹脂塗付装置 プレス機 縫製用ミシン 名称(型式) 、能力、寸法等 原材料計量機、攪拌機、混練 機一式 コーティング機、乾燥機一式 設置場所 備考 他に重量計、比重計、 温度計等を含む ○○工場 ○○工場 1台 2台 外注工場 2台 ① 日常点検の方法:自社の設備管理手順書に基づき生産の都度、各設備が正常に稼 動することを確認する。 - 21 - ② 毎年、定期点検を実施する。 ③ 各設備につき管理台帳を作成し、点検実施結果等を記録する。点検の記録は10 年間保管する。 以 上 - 22 - 別表 「組 織 図」 社 長 会 資 従 社 本 業 員 名 :○○○○株式会社 金 :5億円 数 :500人 社 長 室 常 務 会 品 質 管 理 責 任 者 :生産管理部長 品質管理責任者不在時の代行者:○ ○工 場管 理セ ンタ ー長 経 営 会 議 生産販売担当 繊 維 資 材 事 業 部 △ △ 事 業 部 生 活 資 材 販 売 管 理 部 生産管理部長 ○○工場資材課 ○○工場管理センター 生活資材販売管理部○○販売担当 ○○工場シート製造課 ④ 外 注 工 場 △ △ 工 場 ① ○ 管○ 理工 セ場 ン タ ③ △ △ 工 場 資 材 課 ○ ○ 工 場 資 材 課 × 技× 術工 セ場 ン タ △ 技△ 術工 セ場 ン タ ○ 技○ 術工 セ場 ン タ Q C 担 当 人 事 担 当 ー 品質管理組織 ① ② ③ ④ ⑤ ○ ○ 販 売 担 当 財 務 部 門 商 品 開 発 部 生 産 管 理 部 ー ⑤ イ ン テ リ ア 販 売 部 企 画 管 理 部 門 開 発 部 門 ー △ △ 販 売 担 当 ○ ○ 事 業 部 ー ○ ビ○ ニ工 場 ル 製 造 課 ー △ ビ△ ニ工 場 ル 製 造 課 ー ー ○ シ○ 工 ト場 製 造 課 企画管理担当 ② 全社の品質管理計画の策定と推進(別紙)、各部門に対する指導調整 - 23 資材の受入検査 工場の品質管理計画の策定と推進、工場内への指導調整、防炎性能試験、試験設備管理、製品検査(合否判定) ラベル表示、販売管理、ラベル管理、外注管理、不合格品の処理 工程管理、製造設備管理 ○ ○ 工 場 組織図の記載例② 注)会社の組織図は、下記の会社のように簡略して記載してもかまわない。 ただし、品質管理実施責任部門は記載すること。 別表 「組 織 図」 会 社 名:◯◯◯◯株式会社 資 本 金:20,000千円 従 業 員 数:40人 品質管理責任者:管理部長 品質管理責任者不在時の代行者:管理部課長 社 縫製部 ② ③ ① 管理部 ② 販売部 出力部 管理部 ① 長 ④ 全社の品質管理及び同教育の計画作成と進捗管理(別紙)、 資材の受入検査、防炎性能試験依頼、不合格品の処理 出力部 工程管理、製造設備管理 ③ 縫製部 縫製工程管理、ラベル表示 ④ 販売部 販売管理、ラベル管理、外注管理 24 外 注 工 場 記 載 例 (単純縫製事業者用) 品 質 管 理 の 説 明 書 平成 年 月 日 ○○○○株式会社 印 ○○○○(事業)部 1 防炎製品の種類 寝具類 敷布、カバー類(ふとんカバー、座ぶとんカバー、毛布カバー、ピロケース)の縫製 2 品質管理組織 別表「組織図」に示す。 品質管理責任者 製造部長 品質管理代行者 製造課長 3 検査規格等 ① 防炎製品認定品を材料とし、受入れロット毎に防炎製品材料ラベル及び記載されている製品番号の 確認を行う。 ② 受入れロット毎に原反メーカーより防炎性能検査書を受領する。 ③ 製造工程検査は、製造日ごとに実施する。 4 品質管理の方法 ① 縫製工程等と品質管理実施責任部門 縫製工程等と品質管理実施責任部門は次のとおりである。 品質管理組織(品質管理の運営に関する各部門の役割)については別表「組織図」の下欄に示す。 品質管理実施 責任部門 工 製 造 部 資 材 課 営 業 部 縫 製 課 程 発 注 検 査 ・原反発注 ・縫製指図書 ・防炎製品材料ラベル の製品番号を確認 ・工程管理 縫 管 理 課 製 ・縫製工程管理 ・外注の場合: 外注管理 ・種類別生産数管理 ・防炎製品完成品ラベル 縫付数管理 ・販売管理 出 荷 販 売 ・ラベル管理 - 25 - ② 不合格品の処理方法 不合格品が生じた場合は、廃棄処分とする。 ③ 外注管理の方法 縫製の一部又は全部を外注する場合は、契約書の締結及び外注工場と品質管理会議を開催し、外注 管理を行い、月1回以上品質管理の実施状況について現地確認を行う。 ラベル縫付を外注する場合は、ラベル管理についての覚書を交換し、納入されたラベル縫付状況を 全品確認する。 ④ 記録の保存、ラベル管理及び(公財)日本防炎協会に対する報告等 (1) 記録の保存 品質管理に関する記録の保存は製造部縫製課が行い、必要な記録を10年間保管する。 (2) ラベル管理及び(公財)日本防炎協会に対する報告 ラベル管理及び報告は営業部管理課が行い、ラベル受払実績については(公財)日本防炎協会に 対する報告を毎月1回行い、報告書の控及び出荷明細等の記録は10年間保管する。 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - 別 表 組 織 図 会 社 名:◯◯◯◯株式会社 資 本 金:20,000千円 従 業 員 数:80人 品質管理責任者:製造部長 品質管理代行者:製造課長 社 長 総務部 営業部 経 総 管 理 務 理 課 課 課 ③ 外 注 工 場 製造部 資 縫 材 製 課 課 ① ② ① 製造部資材課 検査(防炎製品材料ラベルの製品番号を確認) ② 製造部縫製課 工程管理、縫製工程管理、種類別生産数管理、防炎製品完成品ラベル縫付数管理 ③ 営業部管理課 販売管理、ラベル管理、外注管理 以 上 - 26 -
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