藤本昇特許事務所 久米 哲史◇弁理士 今年3月より、 インターネットでは「特許電子図書館」の後継として「特許情報プラットフォー ム」のサービスが開始されましたが、 「特許情報プラットフォーム」になってから使えるよ うになった新しい機能があれば教えてください。 (京都府 M.H) 1.はじめに の範囲にAを含む公報、または明細書 独立行政法人工業所有権情 中にBとCを両方含む公報」を検索する 報・研修館は、平成27年3月23日より、 これまでの「特許電子図書館(IPDL) 」 ための論理式は、以下のようになります。 [A/CL] + [B/TX*C/TX] 4.審査書類情報の照会 J-PlatPatでは、公報表示画面の右上 に、その公報に係る特許出願の審査書 類情報の照会画面へのリンクが表示さ に代わる新たな特許情報提供サービス 検索に使用可能な論理式の詳しい書 れます。これにより公報検索中に気に として「特許情報プラットフォーム 式は、特許・実用新案テキスト検索の なる特許公報を発見できるため、 審査書 ヘルプに記載されています。 類を確認したいときに 「審査書類情報照 (J-PlatPat) 」の提供を開始しました (https://www.j-platpat.inpit.go.jp/) 。 また、通常のキーワード検索で入力 会」 ページへ移動して、あらためて出願 J-PlatPatは、外観やインターフェー した検索条件を、論理式に展開する機 番号を入力する必要がなくなりました。 スは刷新されていますが、基本的なメ 能もあります。使用した検索条件を論 なお、従来と同様に、 「審査書類情 ニューや検索方法の基本的構成はIPDL 理式の形でテキスト保存しておけば、 報照会」のページから出願番号を入力 とほぼ同じであるため、これまでIPDL 後に同じ条件で検索するときに、その して、審査書類情報を確認することも を使用していた人であれば、J-PlatPat 論理式を検索ボックスに貼り付けて使 可能です。 も今までどおり利用できると思います。 用することにより、次からは入力の手 今回は、J-PlatPatを利用して特許 間を省くことができます。 検索する際に有用な、新たに追加され 5.中韓文献翻訳・検索システム 特許庁による中韓文献翻訳・検索シ 3.テキスト検索におけるFターム検索 ステム (http://www.ckgs.jpo.go.jp/) を用い 特許・実用新案テキスト検索では、新 て、 中国および韓国の公報に対し、 「公報 たな検索項目としてFタームが使用できる 番号索引照会」 および日本語での 「公報 ようになりました。これによりJ-PlatPat テキスト検索」 を行うことができます。 論理式による検索ができるようになり では、キーワードとFタームを組み合 このシステムはJ-PlatPat自体の機 ました。これにより、検索条件を設定 わせた検索が可能となっています。 た機能について説明します。 2.論理式による検索 特許・実用新案テキスト検索では、 能ではありませんが、J-PlatPatの特 する自由度が増し、複数の検索条件を Fタームとは、国際特許分類(IPC) 複雑に組み合わせた高度な検索が可能 を細分化した分類であるFIを、用途、 になりました。 効果、機能等に基づいてさらに細分化 もっとも、上記システムの公報デー 論理式とは、検索キーワードを数式 したものであり、審査官の審査資料検 タベースは機械翻訳を使用したもので のように演算子で組み合わせたもので 索のために開発された、日本の特許庁 あるため、利用の際には公報の誤訳等 す。例えば、J-PlatPatにて「特許請求 による独自の技術分類記号です。 に注意する必要があります。 70 The lnvention 2015 No.6 許・実用新案メニューより、該当する 検索画面に直接移動できます。
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