第9号(2007.03.15)

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中国地域知的財産戦略本部メールマガジン
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第9号(2007.03.15)
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1.今回のコンテンツ ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
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【1】「小売等役務商標制度に関するよくある質問」について
中国経済産業局特許室及び(社)発明協会各県支部では小売等役務商標制
度特別相談窓口を3月1日に設置し、ご相談にお答えしています。
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【2】平成19年4月1日より施行される改正意匠法のお知らせ
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【3】特許電子図書館(IPDL)等のURL変更のお知らせ
変更は、平成19年3月26日(月)からです
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【4】「特許検索ガイドブック」について
現在、42技術分野の「特許検索ガイドブック」が公表されています
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【5】編集余話
※※※ 広島県の特許第一号 ※※※
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2.内 容 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
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【1】「小売等役務商標制度に関するよくある質問」について
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平成19年4月1日から、小売・卸売業者がその小売又は卸売に伴って提供
するサービスを役務商標として保護する「小売等役務商標制度」の運用が開
始されます。同制度の円滑な運用に万全を期すため、中国経済産業局特許室
及び(社)発明協会各県支部では 特別相談窓口 を3月1日に設置してい
ます。
最寄りの 特別相談窓口 は、こちらです。
・中国経済産業局特許室
電話 082‑224‑5625
・(社)発明協会鳥取県支部 電話 0857‑52‑6728
・(社)発明協会島根県支部 電話 0852‑60‑5146
・(社)発明協会岡山県支部 電話 086‑286‑9656
・(社)発明協会広島県支部 電話 082‑241‑3940
・(社)発明協会山口県支部 電話 083‑922‑9927
これまで、小売業者・卸売業者の方々からのお問い合わせをいただいた、よ
くある質問をご紹介します。
なお、質問に対するお答えについては、特許庁のホームページ「小売等役務
商標制度に関するよくあるQ&A」をご覧ください。
http://www.jpo.go.jp/torikumi/t̲torikumi/t̲kouri̲q.htm
また、Q&Aに関連したご質問や新たなご質問などは、
・特許庁審査業務部商標課
小売等役務商標制度相談窓口 または上記
最寄りの 特別相談窓口 へどうぞ
電話 03‑3581‑1101 内線2806・2807 E‑mail: [email protected]
Q1:小売等役務商標制度とはどのようなものですか。
Q2:小売等役務商標制度のメリットは何でしょうか。
Q3:小売等役務商標制度は、どのような業種を対象としているのですか。
Q4:小売等役務商標とは、どのように使われるものをいうのですか。
Q5:自分が使用している小売等役務商標が他人によって登録された場合、
その商標は使えなくなるのですか。
Q6:店名が多くの事業者により使用されているものであっても、店名に
図形を付ければ登録となりますか。
Q7:小売業を営んでおり、商品商標の登録をもっていますが、小売等役
務商標の権利も取得しなければならないでしょうか。
Q8:商標権は所有していませんが、今後、商品商標か小売等役務商標の
権利のいずれを取得すべきでしょうか。
Q9:小売等役務商標の出願は、早い者勝ちで登録されるのですか。
Q10:自分が使用している小売等役務商標を他人が登録した場合、その
商標登録に対してどのような対応が可能ですか。
Q11:小売等役務商標に関する手数料はいくらですか。
Q12:同じ小売等役務商標の出願があった場合に、関係者で協議して登
録できる者を決めるといいますが、同じ店名の出願が多数ある場
合はどうなるのでしょうか。
Q13:小売等役務商標の権利を取るためには、どのようにすればよいで
すか。
Q14:改正法の施行後に古くなった看板を掛け替える際に、商店名を見
映えのあるものに変えたいのですが問題ありますか。
Q15:多くの事業者が使っているような商店名なのですが、同じ名前で
全国展開して有名になっている企業があります。このような企業
は、小売等役務商標を取得できてしまうのでしょうか。仮に、こ
の企業が小売等役務商標を取得した場合、私はこれまで通り営業
を続けることはできるのでしょうか。
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【2】平成19年4月1日より施行される改正意匠法のお知らせ
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平成19年4月1日から施行される意匠法等の一部を改正する法律(平成1
8年法律第55号)の主たる項目及びその概要です。
(1)【意匠権の存続期間の延長】
意匠権の存続期間について現行の15年から20年に延長し、第16年から
第20年までの登録料を設定する。 (意匠法第21条、第42条)
(2)【画面デザインの保護の拡充】
物品がその本来的な機能を発揮できる状態にする際に必要とされる操作に使
用される画面デザインについて、物品の部分の形状、模様若しくは色彩又は
これらの結合に含まれるものとして保護するものとする。
(意匠法第2条第2項)
(3)【意匠の類似の範囲の明確化】
意匠の類似について、最高裁判例などにおいて説示されている取引者、需要
者からみた意匠の美感の類否であることを明確に規定する。
(意匠法第24条)
(4)【部分意匠等の保護の拡充】
部品・部分意匠の出願に係る時期的制限を緩和する。(意匠法第3条の2)
(5)【関連意匠の保護の拡充】
関連意匠の出願に係る時期的制限を緩和する。(意匠法第10条)
(6)【秘密意匠の保護の見直し】
出願と同時とされていた秘密意匠の請求可能時期について、登録料の納付と
同時に請求することも可能とする。(意匠法第14条)
詳細は下記の、平成18年度改正意匠制度運用説明会(東京、大阪、愛知)テキス
トをご覧ください。
http://www.jpo.go.jp/torikumi/ibento/text/pdf/d̲text/text.pdf <PDF 1101KB>
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【3】特許電子図書館(IPDL)等のURL変更のお知らせ
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(独)工業所有権情報・研修館のホームページのURLが、平成19年3月
26日(月)から以下のように変わります。
情報・研修館トップページ
特許電子図書館トップページ
特許流通促進事業トップページ
IP・eラーニングトップページ
http://www.inpit.go.jp
http://www.ipdl.inpit.go.jp
http://www.ryutu.inpit.go.jp
http://www.ipe.inpit.go.jp
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【4】「特許検索ガイドブック」について
内容は、特許情報検索実務者向けの参考情報です
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「特許検索ガイドブック」は、特許庁内の検索環境を前提に各技術分野にお
いて、各種特許情報検索ツールを利用して特許文献等を検索する際に有益な
情報(各種検索キーの有効な組み合わせ方法、関連技術分野の範囲、キーワ
ードの類義語等)が体系的にまとめられています。
お使いになる特許情報検索システムによっては、「特許検索ガイドブック
」に示されている検索式や機能がお使いになれない場合もありますが、検索
方針の立て方や検索キーの組み合わせ方などの考え方は、出願人や研究者の
方々が特許情報の検索を行う際に十分参考にしていただけるものです。
重複した研究を避けるための他社研究開発動向の把握、特許出願や審査請
求の要否を判断するための先行技術調査等に是非ご活用下さい。
■公表年度別技術分野リスト■
■平成18年度公表分野
(1)半導体装置の試験
(3)自動焦点調節
(5)ユニットバス
(7)自動倉庫
(9)手術用機器及び手術用具
(11)タイヤ構造
(13)粉末治金
(15)医療用製剤
(不活性成分・形態)
(17)無線ICタグ
■平成17年度公表分野
(1)インクジェット記録方法
及びその記録媒体
(3)印刷物
(5)エアバッグ
(7)生体物質含有医薬
(9)製紙技術
(11)ケーブル・絶縁導体
(13)文書作成技術
■平成16年度公表分野
(1)レーザー一般
(3)電子ゲーム
(5)マニプレータ
(7)遺伝子工学
(9)燃料電池
(11)光学的記録担体
及びその製造
(2)機械部品の試験
(4)液晶素子
(6)筆記具
(8)自動取引装置
(10)補助動力付き自転車
(12)ポリアミド
(14)金属の精製・精錬
(16)ストレージ制御
(2)絶縁耐力、破壊電圧試験
(4)エレベータ
(6)金銭登録機・受付機
(POS・キャッシュレジスタ)
(8)無電解めっき
(10)オレフィン重合触媒
(12)カラー画像通信方式
(2)光学分析技術
(4)ハイブリッド自動車
(6)調理機器
(8)固体廃棄物の処理
(10)デジタル記録担体及び周辺機器
(12)電話機の回路等
「特許検索ガイドブック」は、こちらからご覧になれます。
http://www.jpo.go.jp/shiryou/s̲sonota/pat̲guidebook.htm
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【5】知財余話
※※※ 広島県の特許第一号 ※※※
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平成18年度も年度末となりましたが、中国経済産業局特許室では「中国
地域知的財産戦略本部メールマガジン」で知財に関するセミナーや模倣対策
等色々な情報をご案内しております。平成19年度も同様にメールマガジ
ンで情報を配信してまいりますので、引き続きご覧いただきますようお願い
します。
さて、前回の本項で「岡山県の特許第1号」を紹介しましたが、今回は「
広島県の特許第1号」を紹介します。
中国5県のトップ岡山県に遅れること約5ヶ月後の明治19年1月27日
に出願されていて、全国では247番目。発明者は当時の広島県佐伯郡大野
村670番邸に在所されていた「大島慎一郎」さんという方で、「食塩製造
機械」の発明です。特許となった技術は、飽和塩液の水分を蒸発させるのに
汽熱を用いるようにしたことにあったようです。
広島県から連想されるものは、牡蠣の養殖技術とか、お好み焼き機や紅葉
饅頭焼き機に関するものを想像してしまうのですが、食塩に関するものであ
ったとは。しかし、歴史をたどると瀬戸内沿岸は気候温暖、小雨といった自
然条件に恵まれていたが故に古くから塩田があちこちにあって、製塩業が栄
えていたと言い伝わっていることから、広島県の特許第1号につながったの
も知れません。
塩に関する話となれば、もっと古くは、時は元禄14年・・で始まる「赤
穂浪士」や「忠臣蔵」でおなじみの播州赤穂藩(兵庫県)と三河吉良藩(愛
知県)が有名です。騒動の発端は塩の製法の技術を巡るせめぎ合いにあった
ようで、赤穂藩は藻塩を焚く古代製塩法から入浜式の製塩法に変換して技術
革新を進めた結果、純白な良質の塩が取れるようになったとか。今日の特許
に値する技術だったのでしょう。吉良藩が喉から手がでるほどに欲したのは
、よ〜くわかります。当時、特許制度があったら尚のこと、弁理士さんとか
特許流通アドバイザーさんや特許情報活用アドバイザーさんがいたならば、
両者のトラブルを円満に解決させていただろうに。
余談ながら、播州赤穂藩は広島浅野藩の分家であったとか、どうりで、広
島県の特許第1号はよくよくエン(塩)にエン(縁)があったのではと、縁
戚ならぬ塩戚にたどり着いたのですが。
ところで、「赤穂浪士」や「忠臣蔵」の名称は、現代では商標登録されて
いて知的財産制度によって立派に保護されています。興味のある方は、特許
電子図書館(IPDL)等でご覧になれますので、広島県の特許第1号の特
許内容も含めて検索を試みられてはいかがでしょうか。
ちなみに、広島県の特許第1号を知るには「特許電子図書館(IPDL)」
→「特許・実用新案公報DB」→「文献種別はC、文献番号は247を入力
」して検索できます。旧漢字とカタカナの入り混じったしかも縦書きの特許
公報ですが、その分読み応えはあります。温故知新というではありませんか。
是非トライしてみて下さい。
それでは、次回は岡山、広島に続く中国3県の第1号を順次ご紹介します。
ご期待下さい
特許電子図書館(IPDL)の「特許・実用新案公報DB」の検索画面は、こち
らです。
http://www.ipdl.ncipi.go.jp/Tokujitu/tjsogodb.ipdl?N0000=101
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