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今回の改正では派遣就業は臨時的・一時的なものであることを原則とする考え方が明確化されましたが、同時に派遣労働者に
対しては、その雇用の安定化が推進されるよう、派遣元事業主に対して雇用安定措置の実施が義務付けられました。
「派遣先の同一の組織単位で1年以上継続して労働に従事する見込みがあるもので、契約終了後も継続して就業することを
希望する者として新たに「特定有期雇用派遣労働者」が定義されました。
雇用安定措置は、派遣先の同一の組織単位で3年継続して勤務をした場合(=個人単位の期間制限の上限)に派遣元に義
務付けられますが、3年未満であっても1年以上継続して勤務が見込まれた時点で、努力義務が課せらせることになりました。
具体的には、以下の4つのうち、いずれかの措置をとることが求められています。
雇用安定措置の内容
留意点
① 派遣先への直接雇用の依頼
派遣先に対しても一定の条件において、労働者募集の周知等が求
められています。(NO.8でお伝えします。)
② 新たな就業機会(派遣先)の提供
(※能力、経験等に照らして合理的なものに限る。)
就業条件の合理性は、能力、経験等に照らして合理的であればよく、
派遣労働者のすべての希望を満たすことが必須ではありません。
③ 派遣労働者以外の無期雇用労働者としての
雇用機会の確保とその機会の提供
派遣元の既存の正社員とは就業規則等の異なる、無期雇用社員
の制度を別途設けることは可能です。
④ 教育訓練その他雇用の安定を図るために
必要な措置(紹介予定派遣等)
教育訓練は、その結果取得できる資格等が就職活動に直結するよ
うなレベルのものに限られ、有給となります。
これまでも派遣法では派遣元に対して安定雇用を求めていましたが、今回の法改正によりその色合いが一層濃くなりました。労働契約
法の無期雇用転換は5年ですが、派遣元が上記の③を選択する場合はそれよりも早いタイミングで無期雇用を検討することとなります。
派遣会社にとって有期雇用と、無期雇用をどのようなバランスで運営をしていくのかが重要になります。
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NO.7では派遣元の雇用安定化措置についてご説明しましたが、今回の改正法では、派遣先に対しても雇用安定化措置が
義務付けられました。ここでも、NO.7でお伝えした特定有期雇用派遣労働者の定義が要件に盛り込まれています。
労働者派遣の状況
対象者
募集の条件
該当期間
場所
内容
必要な対応
義務の
レベル
同一の組織単位の業務について同
一の特定有期雇派遣労働者を受け
入れ、派遣元から直接雇用の申し入
れがあった場合
3年間の
見込
当該事業所そ
の他派遣就業
の場所に
労働者の
募集を行うとき
当該派遣労働者(継続就業を
希望する場合に限る)に募集に
係る事項を周知
義務
同一の事業所その他派遣就業の場
所に同一の派遣労働者を受け入れ
1年以上
の期間
当該事業所そ
の他派遣就業
の場所に
通常の労働者
(※)の募集を
行うとき
当該派遣労働者に募集に係る
事項を周知
義務
組織単位ごとの同一の業務に同一
の特定有期雇派遣労働者を受け入
れ、派遣元から直接雇用の申し入れ
があった場合
1年以上
当該同一の業
務に
労働者を
雇用しようと
するとき
当該特定有期派遣労働者(継
続就業を希望する場合に限る)
の雇入れ
努力
義務
※通常の労働者とは、派遣先における「いわゆる」正社員です。
派遣先に様々な条件で直接雇用の募集情報の公開が義務付けられますが、これは雇入れの努力義務とは異なりますので、他の一
般の応募者と同様に選考を行うことができます。派遣労働者が多く勤務している派遣先企業では、常に社員の募集情報をオープンに
しておくことで、煩雑さを回避できるかもしれません。また、この場合派遣先にとっては一般の採用と考えられますが、これまで人材(人
財)を提供してくれた派遣元(派遣会社)に対してどのようなビジネス上の調整を行うのか?このあたりの動向もキニナリます。
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