OBC会話力テストの背景

国を越えて移動する子どもたち
優れた即戦力ー異文化適応、観察力、ソーシャルスキ
ル、複数の言語能力
根なし草ーRootlessness/Restlessness
Where are you from? Where is home?
OBC会話力テストの背景
人間関係ーMultiple Losses on Relationships
トロント大学名誉教授
中島 和子
ジグザグの成長過程ーPersonal identity, Uneven
maturity, Delayed adolescent rebellion
OBC実践ワークショップ(1)
三鷹ネットワーク大学推進機構
2009.11.21
⇩
母語補強教育・継承語教育・バイリンガル教育が必要
2009/11/24
母語を放置するとどうなるか
9/10歳以降に日本に移動した「1世児」の場合
母語の会話に日本語が混じる
スペイン語を書くときにひらがなが混じる(櫻井2007)
語彙不足、未習得の文法が目立つ(片岡ら2005)
2言語がフルに育たない
• 会話型バイリンガル(読み書き1言語)
• 聴解型バイリンガル(L1で聴いて、L2で答える)
• 現地語モノリンガル
• ダブルリミテッド(両言語低迷して学習困難に)
親子が話し合いたくても通じることばがない
情緒不安定、自信喪失、アイデンティティーがゆれる
© k.nakajima 2009
• 親の母語が自分自身の母語でもある
• 読み書きを中心とした母語補強支援が必要
9/10歳以前に来日した「1世児」と日本生まれの「2世
児」(特に親の日本語力が低い場合)
•
•
•
•
• 家庭言語、学校言語、すべて現地語
• 外国語として継承語を学ばなければならない
3
2009/11/24
© k.nakajima 2009
4
例1 カナダ中学2年男子 #1
「地震はどうして起こるか」
家庭言語
•
•
•
•
家族との会話では、簡単な1語文が多い
地方共通語(方言)使用が多い
読み書きの機会がほとんどない
会話のトピックが日常茶飯事
4技能がアンバランス(中島2001; 2003)
• 聞く力がもっとも発達
• 話す力は一見流暢であるが、一人話しが不得手
• 読解力と作文力は4年遅れ
• 漢字の読みは4年どまり、書きは2年どまり
• 敬語意識が育たない
• 段落構成の欠如
• 「です・ます体」と「だ体」の混用
「世界は、あの∼、地球はこう、ちつちゃいピースな
お皿とかに分かれていて、その、二つのお皿が、二
つともこすったり、両方重なったり、そうすると、その
辺、あたりは地震が起こる」
"a world is made out of like .... many little plates.
That is constantly moving, and when one of them
crushes each other or collapse, and... and the area
where is a collapse, earthquake occurs, because the
plates are either really shaking or….like, you know
dragging and stuff, so an earthquake can occur."
コードをミックスしたり、シフトしたりする
家庭言語環境が異なるため、個人差が激しい
© k.nakajima 2009
現地語が自分の言葉、親の言語は継承語になる
現地語は「強いことば」、継承語は「苦手なことば」
幼児期からしっかりとした継承語補強教育が必要
会話力を育てながら、読み書きの力も育てる
「3世児」ー日本生まれの2世児の子ども
継承語の特徴
2009/11/24
2
年齢と世代によって変わる母語支援の必要度
穴だらけの母語=継承語へ
2009/11/24
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5
2009/11/24
© k.nakajima 2009
6
例2 カナダ中学2年男子 #2
「小さい子にお話をしてください」
母語と継承語はどこが違うか
母語
「(狼が)「お一い、入れてくれ」と言ったら、子豚さん
が「だ一れだ」と言ったら、「狼だ」と言ったら、「うん、
出ていけ! 今掃除している」と言ったら、「そう言わ
ないで、めしくれ」って言ったら、「今ほんとにお願い
します。めしください」って言ったら、「うん、いや
だ」って言ったら、「それじゃ、家をぶっこわすぞ」と
言ったら…(以下5回「たら」を繰り返す)子豚を食べ
た。」
2009/11/24
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一番初めに覚えた言語
到達度
もっともよく理解できる言語
使用頻度
もっとも頻繁に使用する言語
アイデンティティ(内的)
アイデンティティが持てる言語
アイデンティティ(外的)
人にその言語の母語話者だと思われる言語
習得順序・時期
一番初めに覚えた言語
到達度
学校言語のプレシャーでフルに伸びない言語
使用頻度
家庭中心
継承語
アイデンティティ(内的) アイデンティティが揺れる
アイデンティティ(外的) 人にその言語の母語話者だと思われる言語
(できないと恥ずかしい思いをする)
7
2009/11/24
母語がどこまで伸びるかによって課題が異なる
言語形成期後半
母文化の修得
会話力の基礎
読解力・作文力
継承語は必需品!
マルチコンピテンス(1+1+α)
言語形成期前半
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9
マイノリティー言語児童生徒の現地語と継承語
現地語はProgressive Bilingualisam
• 基礎からだんだんに伸びていく
•
•
(Cummins, 2007; Cook,2005)
• L1⇔L2の転移だけでなく、複数言語接触によってダイナミックなメンタ
ルプロセスを獲得する可能性
• 2つの比較を通して3つ目を自分で考え出す
抽象的語彙・漢熟語
2009/11/24
8
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継承語とは
• マイノリティー言語の子どもが形成期に親から継承する言語と文化
• マジョリティー言語のプレシャーで十分に伸びない
継承語は必需品!
• 子どものパーソナリティーの一部
• 失うと自信喪失につながり、人間形成にマイナス
• 2世児の場合は、5歳ぐらいまでになくなる
親子の大事なコミュニケーションツール
• 情緒が安定し、学習に前向きに取り組むようになる
• 自信・誇り・自尊精神・アイデンティティーと深い関係がある
継承語は認知面の発達に寄与する
• 母語の力で現地語(L2)の伸びがある程度予想できる
• 読み書きの初歩を獲得する上で最適な言語
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 (歳)
読み書きの基礎
習得順序・時期
2009/11/24
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10
L2(現地語)は基礎言語面から対話・認知面へ
Progressive Bilingualism (PB)
基礎タスク⇒対話タスク⇒認知タスクが必要
滞在年数である程度予測ができる
継承語はRegressive Bilingualism
•
•
•
•
•
2009/11/24
接触量不足でだんだんに後退していく
現地語の混用がある
基礎タスクはなし、対話タスク⇒認知タスク
入国年齢である程度予測ができる
心理的ケアが必要
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2009/11/24
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12
L1(継承語)はL2のプレシャーのため後退
ACTFL-OPIとの関係
Regressive Bilingualism(RB)
超級
6
上級
4
5
3
基礎言語面
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2
初級
1
成人
(既習)
2009/11/24
中級
13
子ども
2009/11/24
5-6歳
10-12歳
7-8歳
12-15歳
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14
カミンズのBICS/CALP(1)
OBCとカミンズの言語能力の3面
会話の流暢度(CF, BICS) 【 対話面の会話力】
• よく慣れている場面で対話する力
• 母語の流暢度は4,5歳までに高度に発達
• 頻度数の高い語彙と簡単な文法構造
• 外国語人児童生徒1,2年で習得
弁別的言語能力(DLS) ) 【 基礎言語面の会話力】
• 学校言語の初期の文字を読んで理解する力
• 文字の習得
• 音韻意識(単語が音で構成されること)
• 外国語人児童生徒も母語話者とほぼ同じ、1,2年で習得
学習言語能力(ALP, CALP) 【認知面の会話力】
• 複雑な話し言葉と書き言葉を理解し、産出する力(5年以上)
• 低頻度の語彙と複雑な文型
• 教科学習では言語的にも概念的にも高度な文章の理解
低
認知力必要度
挨拶
ゲーム
メモ
地図の案内
言語力必要度
低
高
算数計算問題
理科の実験
算数文章問題
作文・読解
標準テスト
高
2009/11/24
© k.nakajima 2009
15
2009/11/24
OBCとカミンズの4面説(2)
© k.nakajima 2009
16
2言語間の関係があるか
対人関係における交流スタイル(意欲、ジェス
チャーなど)の転移(性格と関係がある)
交流ストラテジーの転移
認知面の転移
学齢期の途中で編入する子どもの対話力、
談話力によってL2の伸びが予測できる
現地生まれの子どものL1(継承語)によってL2
(日本語)の伸びが予測できる
2009/11/24
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17
2009/11/24
© k.nakajima 2009
18
どのように年齢と言語環境に合わせるか
対話・談話の型(読解力のテキストレベルに
相当するもの)
個人情報の重要性
•
•
•
•
年齢、入国年齢、滞在年数
家庭使用言語
個人の性格
親の日本語(L2)の力
• 親の母語に対する態度・姿勢・努力
2009/11/24
© k.nakajima 2009
19
Cook, V. (2001) The goals goals of ELT: Reproducing native-speakers or
promoting multi-competence among second language users? In J.
Cummins and C. Davidson (eds.), International Handbook of English
Language Teaching. Vol. 1. Norwell, MA: Springer. Pp. 237-248.
Cummins, J. (2007) Rethinking monolingual instructional strategies in
multilingual classrooms. Canadian Journal of Applied Linguistics.
10:2, 221-240.
片岡裕子・越山泰子・柴田節枝(2005){アメリカにおける補習校の児童・生徒の
日本語力と英語力の習得状況」『国際教育』 2. 1-19.
櫻井千穂(2009)「学校における外国人児童生徒支援のあり方– 言語指導の側面か
ら–」第3回「貧困と学力問題研究会」発表資料 (2009年7月22日)
中島和子(2001)『バイリンガル教育の方法−12歳までに親と教師ができること』増補
改訂版, 第8章「日系人子女とバイリンガル教育」 アルク
中島和子(2003)「JHLの枠組みと課題—JSL/JFLとどう違うか」『母語・継承語・
バイリンガル教育研究会』プレ創刊号 1-11.
www.notrdame.ac.jp/∼eyukawa/heritage/papers2003/Nakajima2003.html
2009/11/24
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どのように言語環境に合わせるか
期待できる対話・談話の型が以下の4つによって異
なる
キーは認知面の言語能力がどのぐらい伸びるか
• JFL=Japanese as a foreign language
「外国語としての日本語教育」
• JSL=Japanese as a second language (PB)
「第二言語としての日本語教育」
• JHL=Japanese as a heritage language (RB)
「継承語としての日本語教育」
• JNL=Japanese as a native language
「母語としての日本語教育」
2009/11/24
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20
OBC会話力テストの目的と概要
マニュアル第3章
トロント大学名誉教授
中島 和子
OBC実践ワークショップ(1)
三鷹ネットワーク大学推進機構
2009.11.21
21
OBC会話力テスト
ウォーミングアップ
緊張をほぐすため
連想語彙ゲーム(思いつくことばを言う)
「私が今ことばを言いますから、なんでも思いつくものを
言ってください。たとえば、ケーキと言ったら、『ろうそく』、
『ろうそく』と言ったら『誕生日』っていうように」(5つぐらい
で終わりにする)
ことばの家族(範疇語とその下位語彙)
「果物の名前を言いましょう」 と言って、テスタ—が「りん
ご….」とまず言って、子どもの発話を待つ。
「今見えるものは?」(部屋にある物の名前を言う)
「ここに何がありますか。いっしょに言いましょう」
2009/11/24
© k.nakajima 2009
23
2009/11/24
© k.nakajima 2009
24
語彙カードを使用
導入会話
語彙テスト
カード番号を忘れずにそえる
品詞によって指示を変える
名詞
動詞
初対面の自然な会話(初対面でない場合は?)
レベルチェックのため
• 「どうして、なぜ」という質問を入れる
ロールプレイに必要な情報を得る
「これは何ですか。1」
「何をしていますか。45」
• 友達の名前、兄弟の有無
「どうしますか。48」
形容詞 「どんな○○ですか。38」
(反対語の場合は)
「(鉛筆)は(長い)ですか。53」
2009/11/24
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家族関係、言語環境を子ども自身から聞き
出す
年齢によって質問を変える
25
2009/11/24
基礎タスク
• 答えを与えない、訂正しない、ほめない
• 3度まで同じ質問を繰り返す
© k.nakajima 2009
26
対話タスク
応答を通して文型の習得度を見る
単文が正確に作れるかどうかがキー
テスタ—主導であるため、質問に細心の注意
が必要(余計なことを言わない!)
2009/11/24
© k.nakajima 2009
テスタ—がロールプレイの一部を演じる
どう応答するかーやりとりの流暢度
必要に応じて会話を切り出せるか
• テスタ—の態度の切り替えがキー
• ロールプレイに馴れていない子どもも自然に対話
に巻き込む工夫
27
2009/11/24
認知タスク
© k.nakajima 2009
28
テストの終わり方
「一人話」ができるか
まとまりのある話ができるか
どんな子どもも労をねぎらい、ほめて終わる
• せかさずじっくり答えを待つ
• 質問された場合は、それに応える(正解を直接与え
ることは極力避ける)
2009/11/24
© k.nakajima 2009
29
2009/11/24
© k.nakajima 2009
30
パーフォーマンス・アセスメント(PA)
どんなテストか
直接個人面接テスト
パーフォーマンス・アセスメント
2言語の発達状況((強いところ、弱いところ、2言語の相対的
力関係) ⇒診断テスト、熟達度テスト
話すという領域(domain)を通して言語能力を推察する
(Predictive Validity)
• 現地語の伸びがある程度予測できる
• 教室談話に耐える力がある程度予測できる
初歩の基礎的な力をclosed-ended方式で診断、上級の談話
力、社会言語能力をopen-ended方式で診断
2009/11/24
© k.nakajima 2009
31
PAとは、ある特定の文脈のもとで、さまざまな知識
や技能を用いながら行われる個人の行動とその成
果を直接的に評価する方法
タスクを与えて解決・遂行させ、そのプロセスと成果
を「ルーブリック」(評価基準表)によって評価する
能力を一元的に並べて序列化するのではなく、多元
的な尺度で課題に対処するプロセスを評価し、学習
支援に役立てることが目的
タスクとは、知識や技能などを複合的に用いる課題
2009/11/24
標準化されていない(norm referenceではない)
Production Dataであることから来る問題
(学習者は苦手なものは使わないという傾向があるので、
production dataに現れなかったとしても、それが当人のチョイスで
あるか、力不足であるか判断しにくい)
ロールプレイに馴れていない子どもへの対処
2言語のテストをどんな順序で行うか(練習効果を避けるために)
個人面接テストであるため時間的にも人的にも負担が大きい
学校には静かな場所がない
タスクや絵カードの作成が困難(文化的特性との兼ね合い)
どうしたら採点・評価の信頼度を上げられるか
前もって子どもの個人情報が必要
© k.nakajima 2009
33
OBCはバイリンガルテストである
OBCは6-15歳の年少者のテストである
10-15分で終わるように努力
テスタ—の発話を一定にする
(ことば遣いに細心の注意が必要)
文字カードではなく、絵カード(説明なし)
3面に分けて評価する
2言語の力の変化をモニターするもの
外国語教育だけでなく、さまざまな言語環境の子ど
もに使用可能
2009/11/24
© k.nakajima 2009
OPIのProficiencyの定義
(鎌田1996)
「….proficiencyという用語は、ある言語を母語とする
ものが持つ能力を鏡とすると、それを外国語として
使用する者の能力は、その鏡のどれほどの面積を
カバーするものであるのかという見方で、外国語能
力の実力を描き出そうとするものである。別の言い
方をすると、日本語母語話者ならだれでもうまく実行
できる日本語による言語活動のうち、日本語学習者
はどれほどそれらが実行可能なのかを示すものと
言える。プロフィシェンシーというのは、そういう意味
合いの外国語能力のことである」(p.199)
2009/11/24
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32
OPIと違って….
どんな問題があるか
2009/11/24
© k.nakajima 2009
35
OBC会話テストの方法
マニュアル第4章
トロント大学名誉教授
中島 和子
OBC実践ワークショップ(2)
三鷹ネットワーク大学推進機構
2009.11.22
34
基礎タスク 「部屋」
対話・談話の型
「この部屋に何がありますか」
「○○はどこにありますか」
「ねこがいますか」
導入会話
基礎タスク
単文レベル
応答する力
対話タスク
場所に関する文型や語彙の定着度を見る
「あります/います」(動詞)
「に」(助詞)
「上、下、右、左」など(場所を表す語彙)
単文レベル
自から発話する力
認知タスク
複文・段落レベル
内容の豊富さとまとまり
2009/11/24
© knakajima 2009
うまく行かない場合は、「これは何ですか」のような
単語レベルの質問に切り替える
37
2009/11/24
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38
基礎タスク 「スポーツ」
「○○をしますか」
「○○が好きですか」
「○○が出来ますか」
習慣的動作
好き嫌いの表現の定着度を見る
可能表現の定着度を見る
年少児(5~7歳)でスポーツの直接体験がない場合は父親や
年上の兄弟姉妹のスポーツの話に切り替える
国によってスポーツの種類を入れ替える必要がある
2009/11/24
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2009/11/24
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40
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41
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42
基礎タスク 「日課」
「いつも何時に起きますか」
「朝起きて、何をしますか」
「家に帰ってから、何をしますか」
「今朝何時ごろ起きましたか」
「それから何をしましたか」
「昨日何時ごろ寝ましたか」
「いつも何時ごろ寝ますか」
動詞の「て形」を使って、習慣的動作や過去の出来事を時系
列に従った述べる力
2009/11/24
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48
基礎タスク 「職業」
「何になりたいですか」
「大きくなったら、何になりたいですか」
「∼たい」(希求表現)
「∼たら」(条件)
お医者さん、先生、パイロットなどの職業の名前が出ない場
合は、「お医者さんは(どうですか)?」というような誘導尋問
をする。
「どうしてですか」を加えると、認知タスクになる。
2009/11/24
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45
基礎タスク 「やりもらい」
「この女の子は何と言いますか」
子どものおじいさん、おばあさんの話、誕生
日にどんな贈り物をあげたか、どうしてその
奥井ものを選んだかなどに発展させてもよい。
2009/11/24
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47
対話タスク 「誘う」
「今週の土曜日は○○さん(当人の名前)のお誕生日です。
家でパーティをします。ケーキを食べて、そのあとで、新しい
ゲームをして遊びたいと思っています。○○さん(友達の名
前)を誘ってください。朝学校の門のところで会いました」
誘うというタスクができるかどうか
場所や時間の取り決めのやりとりができるかどうか
親しい友達との会話なので、「だ体」が期待される
親しい友達の名前を導入会話で聞いておくこと
会話が切り出しやすいように2人が出会う場所を決めておく
誘い合って出かける年齢の子どもには代用カードを使用
2009/11/24
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54
対話タスク―「伝言」
「○○さん(当人の名前)は家にいます。お母さんはいません。
電話がかかってきました。電話に出てください」
(場面が変わって、テスタ—が母親になる)
「ただいま、電話あった?」
知らない人からかかった電話で、まず(1)伝言を受け、その伝
言を(2)親に伝えるというタスク
(1)は、電話に出て受け答えをするだけなので、難易度は低
いが、(2)は得られた情報をまとめて伝えるというタスクで、難
易度は高い。
年長児の場合は、電話特有の丁寧表現の理解や使用が一
つのポイントになる
2009/11/24
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51
対話タスク 「ねだる」
会話をリードする力を見る
やりとりをする力、自分の都合のいい方に会話を運ぶ力
家庭内の「だ体」を使用した会話
ねだるモノは、子どもの年齢、男女差、生活環境によって選ぶ。例
えば、年少児の場合は、新しいゲーム、自転車など、年長児の場
合は、IT器具、お小遣いなど
「ねだる」対象が父親か母親か、文化によって異なる。
「どうしてお小遣いがもっと必要なの?」
「何に使うつもり?」
(会話のしめくくり)
「考えておきましょう」/「じゃ、お父さんに相談してみましょう」
2009/11/24
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53
対話タスク 「問い合わせ」
「○○さん(当人の名前)は土曜日に○○に行きたいです。で
も、(1)土曜日にあいているか、(2)何時からあくか、(3)いくら
かかるか、分かりません。電話をして聞いてください」
テスタ—があらかじめ指定した場所に電話をして指示された情報を聞き
出すタスク
子どもの年齢や生活環境に合わせて、公民プール、図書館など、問い合
わせ先を選ぶ
テスタ—が会話の流れをとめてしまわないように、予め開館時間や料金
など必要な情報を用意する必要がある
3つの質問が覚えられない可能性があるので、指を立てて3つということ
を明示したり、また採点の折に、2つだけの正解を容認するなど、記憶力
テストにならないようにする必要がある。
2009/11/24
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55
2009/11/24
対話タスク 「助けを求める」
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56
多目的タスク 「あやまる」
(1) 「今何と言っていますか」(男の子を指して)
(2) 「○○さん(子どもの名前)はこの子です。
私はこの女の人です。話してください」
「大変です。○○がありません。駅員さんに
聞いてみましょう」
(テスタ—が女性になってロールプレイ)
(3) 「この子は今どうして困っていますか」
(4) 「この女の人はどうして怒っていますか」
(1)は基礎タスク、(2)は対話タスク、(3)(4)は認知
タスク
2009/11/24
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2009/11/24
認知タスク 「公害」
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認知タスク 「お話」
「これは地球です。地球はどうして泣いている
と思いますか」
「どうすればいいと思いますか」
地球がどうして泣いているかの説明、公害、環境問題とその
対策について意見が言えるかどうかを見る
「小さい子(ども)が何かお話ししてと頼みまし
た。お話をしてあげてください」
知っているストーリーの再生が出来るかどう
かを見る
絵カードにあるお話に限らず、どんなお話で
もいいという指示を与える
2009/11/24
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60
認知タスク 「地震」
「地震にあったことがありますか」(1)
「その時のことを話してください」(2)
「地震のときはどうしますか」(3)
「地震はどうして起こりますか」(4)
• 地震体験のない子どもの場合は(1)(2)は省略
• (4)は学年相応の理科の教科書用語(地殻、変動など)を
使ってどのぐらい説明できるかを見る
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64
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66
認知タスク 「食物摂取」
「りんごを食べていますね。食べたりんごはど
うなりますか」
年齢相応の教科書用語を使って消化機能の
説明ができるかどうかを見る。
2009/11/24
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63
認知タスク 「蝶の一生」
「これは何ですか。そう蝶ですね。蝶の一生
について話してください」
•
•
理科の教材と密着させて認知面の会話力を調べる
卵、幼虫、さなぎ、成虫、卵からかえる,孵化する、蝶がさなぎから出るな
どの表現を使って説明できるかどうか
そのほか、「ひまわりの一生](1、2年生用), 「とんぼの一生」(2、3年生用),
「火山」(4年生以上)
2009/11/24
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65
注意事項
比較(カードなし)
座り方
カードの置き方
録音・録画・声量チェック
面前での採点はしない
テスタ—の発話のコントロール
「○○と○○はどう違いますか」
(1) 日本の食べ物と○○の食べ物(G1/2)
(2) 日本の家と○○の家(G3/4)
(3) 日本の町と○○の町(G3-6)
(4) 日本の学校と○○の学校(G3−9)
(5) 日本人の友達と○○人の友達(G4-9)
(6) 日本人とあなたの国の人(G5-9)
2009/11/24
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•
•
•
•
自然なスピードで話す
最小限に留め、余計なことは一切言わない
言語環境に応じた話体の選択
答えを与えたり、ヒントを与えたり、訂正したり、繰り返したりしない
突き上げは最小限に(子どもをよく観察すること)
違う言語で話し始めたら、2度まで注意
67
2009/11/24
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68
年少児(5/6歳)のためのOBC
カナダの6歳児(地域の日本語学校1年生)
• 集中力が短いので、テスト時間を短く(10分以内)
• 導入会話、ウォーミングアップ、基礎タスク
• ウォーミングアップは「語彙テスト(縮小版)」と「ことば
遊び」の両方を行う
分かったこと:
年齢と言語環境に合わせたOBC
テストの例
トロント大学名誉教授
中島 和子
英語と日本語の力が転換するとき
全員英語の方が強くなっていた
「2親が日本人」の子どもが強いとは限らない
むしろ「ことば遊び」の経験の方が会話力との相関が高い
「語彙テスト」の方が「ことば遊び」より効率がよい
OBC実践ワークショップ(3)
三鷹ネットワーク大学推進機構
2009.11.28
2009/11/24
JFLのためのOBC
• 毎日70~80分日本語授業(基礎会話の暗唱、ロールプ
レイ、劇遊びなど、ひらがな、かたかな、漢字の読み書
き指導)
• 日本語で算数と理科のプロジェクト
• 28名(6∼14歳)、1年(200学習時間)6名、2年(400
時間)3名、3年(570時間)11名
• 導入会話、語彙テスト(22枚)、基礎タスク、対話タス
ク(教師と生徒、生徒間に限定)、認知タスク(算数の
応用問題と劇化した「お話」の再生
• 算数の問題例:「あめが20こありました。7こ食べまし
た。のこりはいくつありますか」
© k.nakajima 2009
70
JSLのためのOBC
カナダの英・仏・日トライリンガルイマージョン
2009/11/24
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71
国立国語研究所の「外国人年少者の日本語習得・
母語保持の縦断的調査」
ブラジル系小学生220名、中学生22名
中国系小学生
93名、中学生19名
原型に沿いながら、一部補充する(「国語研OBCの
流れ」参照)
2009/11/24
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72
JHLのためのOBC
JNLのためのOBC
カナダのJHL中学生4名
補習校生徒のためのOBC
• 基礎タスクを除いてほぼ原型通り
• 導入会話につぎのような追加質問を入れる
「日本に親戚がいますか」
「将来日本で働きたいですか。どうしてですか」
「日本語と○○語とどっちが難しいですか。どんなとこ
ろが難しいですか」
「学校ではどんな科目が好きですか。どうしてですか」
2009/11/24
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73
2009/11/24
© k.nakajima 2009
74
OBCを使った研究例
リスト
櫻井さんの小・中規模調査
国立国語研究所の大規模調査
OBC会話力テストを使った
実践例・研究例
トロント大学名誉教授
中島 和子
OBC実践ワークショップ(5)
三鷹ネットワーク大学推進機構
2009.11.29
2009/11/24
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76
OBCを使った研究例
国立国語研究所の調査
(1997~2001)
対象:全国8県小学校29校、中学校4校
•
リスト
櫻井さんの小・中規模調査
国立国語研究所の大規模調査
ポルトガル語話者:242名
• 中国語話者:160名
• 滞日年数:3ヶ月∼12年, 3年4ヶ月(平均)
• 入国年齢:6歳2ヶ月(平均)
目的:
1) 滞在年数、入国年齢、年齢と会話力との関係
2) 2言語がどのような関係にあるか
3) どんなタイプの親の姿勢が、L1・L2会話力にプラスか
方法:
面接テスト(L1・L2会話力)
親の意思決定・言語環境アンケート調査(各31項目)
2009/11/24
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77
2009/11/24
© k.nakajima 2009
78
日本語会話力の伸び(5/6年)
語彙力・日本語
79
80
語彙力・母語
語彙力・母語
滞日年数と母語語彙
滞日年数と母語語彙
100
100
80
小学生(低)
60
正答率
正答率
80
小学生(高)
40
中学生
20
小学生(低)
60
小学生(高)
40
中学生
20
0
0
1
2
3
4
5
6以上
1
2
3
年数
4
5
6以上
年数
81
会話力習得にかかる時間 (中国語)
日本語会話力段階
会話力習得にかかる時間 (ポルトガル語)
82
6
5
4
3
2
1
0
12
24
36
48
滞在年数(月)
60
72
84
入国年齢とポルトガル語(会話力)
会話力と読解力、聴解力、語彙力との関係
日本語
相関係数
(128名)
語彙、読解力と三大要因との関係
言語
日本語
語彙
読解力
入国年齢
.272*
.083
中国語話者の誤用
読解
.520
入国年齢
滞在年数
年齢
.170*
.470*
.337*
.152** .428*
.318*
.216** .520*
.324*
中国語話者児童が選んだ物語
(滞在年数と日本語の獲得)
15~30ヶ月
合計
21
20
14
25
39 (27%)
形容詞・形容動詞
7
13
20 (13%)
話体
5
9
14 (10%)
動詞
.517
ポルトガル語 .457* .381*
.299*
対話面
. 432*
.329*
.337*
認知面
. 491*
.374*
.362*
_____________________
**P<.01
*P<.05
ポルトガル語
語彙
. 547*
-.507*
.269*
読解力
. 627*
.355*
.521*
_____________________
**P<.01
*P<.05
助詞
41 (29%)
聴解
言語
日本語
対話面
認知面
.362*
.453*
0~14ヶ月
.617
会話力と入国年齢、滞在年数、年齢との関係
滞在年数 年齢
.621*
.455*
語彙
絵話し(猫)
三匹の子豚
さるかに合戦
桃
8% ( 8)
な
7% ( 7)
太
37% (38名)
24% (25)
9% ( 9)
郎
し
保護者の4つのタイプと
L1会話力保持とL2会話力の習得
信頼度検定(小学生)
ポルトガル語話者(N=219)
ポルトガル語
日本語
• 結果:4つのタイプ
「一時滞在・母語重視型」
「低学年・現地校適応重視型」(母語会話力にプラス)
「外国人学校志向・現地文化切り捨て型」
「長期滞在・現地重視型」
中国語話者(N=85)
中国語
日本語
導入会話
.957
P=.000
.957
P=.000
.959
P=.000
基礎タスク
.978
P=.000
.987
P=.000
.987
P=.000
対話タスク
.942
P=.000
.968
P=.000
.974
P=.000
.987
P=.000
認知タスク
.915
P=.000
.957
P=.000
.955
P=.000
.910
P=.000
•
まとめ:
1. 両言語に対する前向きの姿勢が2言語の力を伸ばすのに必要
2. 日本語習得には、親の適度な期待が必要
3. 親の家での母語使用は、子どものL2習得にマイナスではない
4. 子どもの家の日本語使用は日本語習得にプラス、長期的には
マイナス
2009/11/24
91
保護者の4つのタイプと
L1会話力保持とL2会話力の習得
92
一時滞在・母国重視型
アンケート項目
番号
• 結果:4つのタイプ
「一時滞在・母語重視型」
「低学年・現地校適応重視型」(母語会話力にプラス)
「外国人学校志向・現地文化切り捨て型」
「長期滞在・現地重視型」
I-20
母語で書かれた童話や物語を読んで聞かせたり、子どもに読ませ
I15
出来るだけ母国のことを子どもに話して聞かせる
I-2
家庭ではなるべく母語で会話をするようにしている
•
I-16
子どもを日本にいる母国人と多くつき合わせるように心がけている
I-30
日本滞在中も学力や他の能力を伸ばすことをもっとも重視する
I-14
自分(父、母自身)は、日本の生活習慣に合わせるところは合わせ、母国の
生活習慣の大切なところは守るようにしている
I-10
子どもが母国人であることを忘れないように言って聞かせる
I-18
できるだけ何度も帰国し母国との接触を保つようにしている
I-29
日本滞在中は楽しく過ごし、楽しかった思い出をもって帰国できることを重視
94
する
まとめ:
1. 両言語に対する前向きの姿勢が2言語の力を伸ばすのに必要
2. 日本語習得には、親の適度な期待が必要
3. 親の家での母語使用は、子どものL2習得にマイナスではない
4. 子どもの家の日本語使用は日本語習得にプラス、長期的には
マイナス
2009/11/24
93
2009/11/24
一時滞在・母国重視型
外国人学校志向・日本文化切り捨て型
I-7
子どもに母国の文化を失わないことが第一、そのために日本文化に馴染めなく
てもやむを得ない
I-27
母語で学習できる学校があればそこに通わせたい。
I-19
母語で書かれた(母国の学校用の)教科書、参考書を使って勉強させている。
I-28
日本人といっしょに日本語で学習できる学校に通わせたい(=今通っている学
校)(回答はNO)
I-16
子どもを日本にいる母国人と多くつき合わせるように心がけている
I-26
一部の教科は母語で学習できるような学校があればそこに通わせたい。
I-22
できるだけ学校行事に父母自身が参加するようにしている。(回答はNO)
I-17
子どもにできるだけ日本人の友だちができるように心がけている。(回答はNO)
I-25
可能な場合には母語で書かれた(日本の学校用の)教科書を容易してほしい。
I-31
自分たちの子どもがクラスにいることは日本人の子どもにとって大変よい経験であ
る。(回答はNO)
I-23
子どもに日本の学校の習慣に合わせて生活するように言って聞かせる((回答は
NO)
2009/11/24
95
アンケート項目
番号
I-20
母語で書かれた童話や物語を読んで聞かせたり、子どもに読ませ
I15
出来るだけ母国のことを子どもに話して聞かせる
I-2
家庭ではなるべく母語で会話をするようにしている
I-16
子どもを日本にいる母国人と多くつき合わせるように心がけている
I-30
日本滞在中も学力や他の能力を伸ばすことをもっとも重視する
I-14
自分(父、母自身)は、日本の生活習慣に合わせるところは合わせ、母国の
生活習慣の大切なところは守るようにしている
I-10
子どもが母国人であることを忘れないように言って聞かせる
I-18
できるだけ何度も帰国し母国との接触を保つようにしている
I-29
日本滞在中は楽しく過ごし、楽しかった思い出をもって帰国できることを重視
96
する
2009/11/24
長期滞在・現地重視型
I-12
自分(父、母自身)は、母国(出身国)人であるというよりは日本人であると
思っている
I-11
子どもは自分のことを母国(出身国)人であるというよりは、日本人であると
思っている
I-13
自分(父、母自身)は、どちらかといえば母国の生活習慣を守るというよりは日
本の生活習慣に合わせるようにしている
I-28
日本人といっしょに日本語で学習できる学校に通わせたい(=今通っているタ
イプの学校がよい)
I-21
家庭で勉強をみてやるときは母語で話している
I-6
日本の社会で成功することが第一なので、十分な日本文化を身につけてほ
しい。そのために子どもが母国の文化を失うことがあってもやむを得ない
I-1
家庭でもできるだけ日本語で会話をするようにしている
I-172009/11/24
子どもにできるだけ日本人の友だちができるように心がけている
97
Au, T.K. (2008) Salvaging Heritage Languages. In Brinton et al. (Eds.) Heritage Language
Education: A New Field Emerging. New York: Routledge. 337-351.
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Kouritzin, S. (1999) Fac[e]ts of First Language Loss. Hillsdale, NJ: Lawrence Erlbaum Asoociates.
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Schecter, R. S. & Cummins, J. (2003) Multilingual Education in Practice: Using Diversity as a.
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力の習得状況」『国際教育』 2. 1-19.
櫻井千穂(2009)「学校における外国人児童生徒支援のあり方– 言語指導の側面から–」第3回
「貧困と学力問題研究会」発表資料 (2009年7月22日)
中島和子(2001)『バイリンガル教育の方法−12歳までに親と教師ができること』増補改訂版, 第
8章「日系人子女とバイリンガル教育」 アルク
中島和子(2003)「JHLの枠組みと課題—JSL/JFLとどう違うか」『母語・継承語・バイリンガル教育
研究会』プレ創刊号 1-11.
www.notrdame.ac.jp/∼eyukawa/heritage/papers2003/Nakajima2003.html
2009/11/24
© k.nakajima 2009
98