学部・研究科等の現況調査表 教 育 平成20年6月 岩手大学

学部・研究科等の現況調査表
教
育
平成20年6月
岩手大学
目
次
1.人文社会科学部
11
2.人文社会科学研究科
21
3.教育学部
31
4.教育学研究科
41
5.工学部
51
6.工学研究科
61
7.農学部
71
8.農学研究科
81
9.連合農学研究科
91
岩手大学人文社会科学部
1.人文社会科学部
Ⅰ
人文社会科学部の教育目的と特徴
Ⅱ
分析項目ごとの水準の判断
Ⅲ
・・・・・1−2
・・・・・・・・1−4
分析項目Ⅰ
教育の実施体制
分析項目Ⅱ
教育内容
・・・・・・・・・・1−5
分析項目Ⅲ
教育方法
・・・・・・・・・・1−9
分析項目Ⅳ
学業の成果
分析項目Ⅴ
進路・就職の状況
質の向上度の判断
・・・・・・・1−4
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 − 11
・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 − 12
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 − 14
11-
岩手大学人文社会科学部
Ⅰ
人文社会科学部の教育目的と特徴
1 教育目的
本 学 部 の 教 育 目 的( 理 念 )は 、昭 和 52 年 度( 1977 年 度 )の 創 設 時 に お い て 、「 自 然 科 学
の発展と密接な関連を持ちながら、人文・社会の諸科学を総合的に教育研究すること」と
定められ、総合化と専門深化を両立・調和させることを課題とした。法人化後の現在は、
4 課 程 8 コ ー ス 編 成 の 下 、当 初 か ら の 目 的 を 基 本 的 に 堅 持 す る と と も に 、
「総合化を踏まえ
た 課 程 ご と の 専 門 深 化 」、す な わ ち そ れ ぞ れ の 課 程 ご と に 総 合 化 、学 際 化 を 踏 ま え た 新 し い
専門教育をさらに深化させるという方針を確認し、
「 総 合 的 知 見・思 考・判 断 力 と 広 い 国 際
的視野をもって地域社会・国際社会に貢献し得る人材の育成」に努めている。なお、これ
らの教育目的は岩手大学の中期目標・計画で定められた全体的な人材育成方針(下表)と
適合している。
岩手大学中期目標・中期計画(抄)
1.教育目標
岩手大学は、教養教育と専門教育の調和を基本として、次のような資質を兼ね備
えた人材の育成を目指す。
(1 )幅 広 く 深 い 教 養 と 総 合 的 な 判 断 力 を 合 わ せ 持 つ 豊 か な 人 間 性
(2 )基 礎 的 な 学 問 的 素 養 に 裏 打 ち さ れ た 専 門 的 能 力
(3 )環 境 問 題 を は じ め と す る 複 合 的 な 人 類 的 諸 課 題 に 対 す る 基 礎 的 な 理 解 力
(4 )地 域 に 対 す る 理 解 と グ ロ ー バ ル 化 に 見 合 う 国 際 理 解 力
(5 )柔 軟 な 課 題 探 求 能 力 と 高 い 倫 理 性
2 教育の特徴
こうした教育目的を達成するため、とりわけ以下の工夫を行っている。
1)人文社会科学部の課程・コース編成は既存の人文・社会科学の枠組みにとらわれない
融 合 的 な 分 野 を 含 ん で い る ( 後 述 の 観 点 1 − 1 、 参 照 )。
2)学部の専門教育と全学共通教育とは、相互に連関して一貫した学士課程教育が受けら
れるように編成されている。
3)カリキュラムについては、課程を越えた共通的・基礎的な素養を養う科目や、各課程
の教育目的の基礎をなすコース横断的な科目を設け、課程・コース担当教員の協同的
な担当体制で実施している。
4 ) 加 え て 、 平 成 17 年 度 か ら は 主 副 専 攻 制 を 導 入 し 、 学 生 自 身 が 複 眼 的 な 思 考 を 身 に つ
け、知の総合化に取り組むことを制度化している。
5)なお、授業は主として少人数クラスで編成され、教員と学生との相互コミュニケーシ
ョ ン を 重 視 し 、 教 室 外 学 習 に お い て も 「 ア イ ア シ ス タ ン ト 」( 学 習 支 援 機 能 を 備 え た
「 全 学 統 一 拡 張 Web シ ラ バ ス 」シ ス テ ム )を 用 い て 適 切 な 指 導 と 学 習 状 況 の 把 握 に 努
めている。
3 学生
それぞれの課程には学部及び課程の教育目的を十分理解した学生が入学し、その数は入
学定員から見て適正な範囲におさまっている。入学生の選抜にあたっては、多様な入試形
態( AO 入 試 、推 薦 入 試 、前 期 入 試 、後 期 入 試 、編 入 入 試 )を 採 用 し 、人 材 養 成 目 的 に 適 合
した人材を集めるよう工夫している。なお、入学生の出身地は岩手県を含む北東北を中心
としつつも全国に分散し、留学生を含め多様である。
12-
岩手大学人文社会科学部
[想 定 す る 関 係 者 と そ の 期 待 ]
人文社会科学部は、学生とその保護者(父母等)を最大の関係者として想定するととも
に、卒業生の雇用者である企業、官公庁、さらに卒業生が活躍する地域社会、国際社会等
社会全体をも関係者として想定している。これら関係者は、本学部が上記の教育目的に沿
って総合的知見・思考・判断力を有する社会に貢献できる有為な人材を養成すべく有効な
教育を実践することを期待していると想定される。
13-
岩手大学人文社会科学部 分析項目Ⅰ
Ⅱ
分析項目ごとの水準の判断
分析項目Ⅰ 教育の実施体制
(1 )観 点 ご と の 分 析
観点 基本的組織の編成
(観 点 に 係 る 状 況 )
「総合化を踏まえた専門深化」を目指し、人間科学課程、国際文化課程、法学・経済課
程、環境科学課程の4課程を設け、さらに特色あるまとまったカリキュラムの実施のため
各 課 程 に 教 育 コ ー ス を 設 け て い る 。( 下 表 の と お り )
人間科学課程
国際文化課程
法学・経済課程
環境科学課程
人間情報科学コース
行動科学コース
文化システムコース
アジア文化コース
欧米言語文化コース
法学コース
経済コース
環境科学コース
各コースは、文理融合を具現化した人間情報科学コース及び環境科学コース、人文科学
と社会科学の融合的な教育を目指す行動科学コース、新たな生成的文化研究を志向する文
化システムコース、広域的な地域(文化圏)を諸分野統合の基礎に据えるアジア文化コー
ス及び欧米言語文化コース、相互の科目乗り入れを大幅に取り入れた法学コース及び経済
コースなど、それぞれに総合化・学際化に沿った特色を有している。
入学定員は課程
人文社会科学部 学生定員・現員表
毎に定め、コースへ
平成19年4月1日現在
の配属は2年次(国
入 学 年 度
定
員
現
員
(
入
学
年
度
毎
)
際文化課程、法学・
課
程
入学 編入 収容 19
18
17
16
15
14
13
12 合計
経済課程)または3
人間科学課程
40
160
45
44
46
50
2
3
1
1 192
年 次( 人 間 科 学 課 程 )
国際文化課程
75
300
77
78
85
90
19
5
4
358
10
に決定している(環
法学・経済課程
70
280
71
74
85
74
5
2
2 313
境科学課程は1課程
環境科学課程
30
120
35
31
31
37
8
1
1 144
1コースで例外であ
合
計
215
10 880 228 227 247 251
34
11
5
4 1007
る 。)。 各 課 程 の 入 学
定員と学生現員は下記表の通りであり、入学定員に比して過不足のない現員状況を維持し
ている。
教 員 組 織 は 、平 成 19 年 度 よ り 教 員 が 各 学 系 に 所 属 す る こ と に な っ た が 、各 課 程・コ ー ス
の 担 当 は 平 成 12 年 度 の 改 組 よ り 定 ま っ て お り 、学 生 と 密 着 し た 場 で 教 育 研 究 活 動 が で き る
体 制 を 堅 持 し て い る 。各 課 程・コ ー ス の 主 要 科 目 は 本 学 部 の 専 任 担 当 教 員 が 担 当 し て お り 、
兼 任 教 員 、非 常 勤 講 師 が 担 当 す る 科 目 の 割 合 は 低 い 。教 員 の 数・構 成 は 資 料 の 通 り で あ り 、
専門、年齢によるバランスは概ね適正である。なお、女性教員の比率を高める方向で、現
在 努 力 し て い る 。【 別 添 資 料 1 : 教 員 構 成 表 ( 課 程 ・ コ ー ス 別 )】
観点
教育内容、教育方法の改善に向けて取り組む体制
(観 点 に 係 る 状 況 )
14-
岩手大学人文社会科学部 分析項目Ⅰ.Ⅱ
本学大学教育総合センターには「教育評価・改善部門」があり、全学共通教育科目の学
生 に よ る「 授 業 ア ン ケ ー ト 」の ほ か 、FD 合 宿 研 修 会 、教 育 技 術 面 に 関 わ る 実 践 的 講 習 会 が
行 わ れ 、そ れ ら の FD 活 動 に 人 文 社 会 科 学 部 の 教 員 も 積 極 的 に 参 加 し て い る 。ま た 、学 部 に
は 組 織 的 な 研 究・研 修 を 推 進 す る 総 合 的 FD 委 員 会 が あ り 、現 在 2 つ の 部 門( 総 合 的 教 育 シ
ステム強化部門、
「 総 合 化 」研 究 部 門 )
を設けて活発に活動し、卒業年次学
生 ア ン ケ ー ト も 実 施 し て い る 。ま た 、
学部に点検・評価委員会があり、全
学 の 点 検・評 価 活 動 に 対 応 す る ほ か 、
学部レベルの点検活動も行い、平成
18 年 度 に は 専 門 教 育 科 目 に つ い て
の学生による「授業評価アンケート」
を 実 施 し 、評 価 報 告 書 を 作 成 し た 。な お 、こ の 調 査 は 19 年 度 以 降 も 改 善 を 加 え て 継 続 し て
い る 。【 別 添 資 料 2 : 平 成 18 年 度 専 門 教 育 科 目 授 業 評 価 報 告 書 ( 抄 )】
岩 手 大 学 で は 教 員 個 人 評 価 が 平 成 18 年 度 に 実 施 さ れ 、人 文 社 会 科 学 部 に お い て は 、評 価
の対象となる教育活動状況の項目を詳細に定めて、教員全員が自己申告を行ったが、これ
が教育活動の現状に対する認識を深めることとなった。なお、各課程においては研究会が
随時行われ、教育内容や方法に関する検討が進んでいる(例:国際文化学研究会、環境科
学 研 究 会 )。
(2 )分 析 項 目 の 水 準 及 び そ の 判 断 理 由
(水 準 ) 期 待 さ れ る 水 準 を 上 回 る 。
(判 断 理 由 )
教育の実施体制については期待される水準を上回る。このことは、課程ごとの入学人数
も過不足なく、学生が各コースを適切に選択し、卒業年次学部学生アンケートにおいても
総 合 的 な 満 足 度 が 高 い こ と か ら も 判 断 さ れ る 。 ま た 、 大 学 教 育 総 合 セ ン タ ー 、 総 合 的 FD
委員会、点検・評価委員会、各課程の研究会が整備され、それぞれの活動が活発で、教員
個人評価も教育を重視し、教育改善へのインセンティブとなるよう設計されていることな
どもその証左である。
分析項目Ⅱ 教育内容
(1 )観 点 ご と の 分 析
観点 教育課程の編成
(観 点 に 係 る 状 況 )
本学部の教育課程は、基礎的な知識の習得から各教育コースの発展的な内容へと段階的
に学習できることを目指して、以下の図表に示した諸科目を履修年次に配慮しつつ配置し
ている。
専 門 教 育 と 教 養 教 育 の 割 合 は 、 卒 業 認 定 単 位 の 約 35%が 全 学 共 通 教 育 科 目 で 、 専 門 と 教
養はおよそ2:1の比率になっている。必修科目は、転換教育科目、環境教育科目、学部
共通科目、課程導入科目、コース基礎科目及び特別研究(但し、法学・経済課程は除く)
で あ る 。 そ の 他 の 科 目 は 、 概 ね 選 択 必 修 と な っ て い る ( 但 し 、 課 程 に よ り 例 外 が あ る )。
15-
岩手大学人文社会科学部 分析項目Ⅱ
教育科目表
教 養 科 目
高年次課題科目
総合科目
人間と自然
人間と社会
人間と文化
環境教育科目
コース科目
特別研究
関連他課程科目
自由選択科目
コース展開科目
コース基礎科目
共通基礎科目
情報科目
健康・スポーツ科目
外国語科目
課程共通科目
課程共通科目
課程導入科目
転換教育科目
基礎ゼミナール
学部共通科目
総合科学論II
総合科学論I
全学共通科目
各
全学共通教育科目
転換教育科目
共通基礎科目
教養科目
教養科目における
環境教育科目
教養科目における
高年次課題科目
専門教育科目のう
ち、学部共通科目
専門科目の課程科
目
コース科目(各課程
の教育コースごと
に 置 か れ る 。)
科
目
専門教育科目
の
趣
旨
及
び
特
色
人 間 と し て の 基 礎 的 知 識 及 び 総 合 的 判 断 能 力 の 涵 養 を 目 標 と し 、全 学 部
の学生が共通に履修する広義の教養教育科目であり、転換教育科目、共
通基礎科目、教養科目で構成される。
大学での学びへの導入を目標とし、少人数の基礎ゼミナールで行われ
る 。( 平 成 19 年 度 開 始 )
学業及び社会生活に必要な基本的技能と知識の習得を目標とする。
幅広く深い教養と総合的な判断力の養成を目標とする。
本学が重視する環境教育の出発点として位置づけられる科目である。
専 門 性 を 身 に つ け つ つ あ る 3 年 次 以 上 の 学 生 を 対 象 に 、社 会 の 具 体 的 問
題の解決に様々な専門分野がどう協働すればよいのかという実践的な
課 題 を 学 ぶ こ と を 目 標 と し た 科 目 で あ り 、共 通 教 育 と 専 門 教 育 の 総 合 を
目 指 し た 科 目 で あ る ( 平 成 19 年 度 導 入 )。
自 然 科 学 と 人 文 社 会 諸 科 学 の 総 合 化 及 び 学 際 化 を 目 標 と す る 科 目 で 、総
論 的 な 総 合 科 学 論 I と 各 論 的 な 総 合 科 学 論 II か ら 成 り 立 っ て い る 。 こ
の科目は、全課程学生が共通に履修する科目である。
課程ごとに課程への導入を目標とする基礎的な課程導入科目と課程に
共通する課程共通科目で構成されている。
コ ー ス 基 礎 科 目 、コ ー ス 展 開 科 目 、 関 連 他 課 程 科 目 、 自 由 選 択 科 目 及 び
特別研究で構成されている。
本学部の教育課程編成の特色は、専門深化と総合化にある。コース科目は主として専門
深化を目指して編成さ
れているが、全学共通
教育科目における総合
科目や高年次課題科目、
専門教育科目における
総合科学論及び関連他
課程科目は、教養と専
門及び異なる専門間の
総合を目指す科目と位
置 づ け ら れ る 。平 成 17
16-
岩手大学人文社会科学部 分析項目Ⅱ
年度からは、特定の科目による総合の限界を克服し、人間として偏らない知識と能力の獲
得を可能とするために他のコースを副専攻として学ぶ主副専攻制度を開始した。
【別添資料
3 : 主 副 専 攻 制 度 ( し お り ( 新 入 生 配 布 ))】
な お 、平 成 18 年 度 の 現 代 GP に 採 択 さ れ た「 持 続 可 能 な 社 会 の た め の 教 養 教 育 の 再 構 築:
学 び の 銀 河 プ ロ ジ ェ ク ト 」 に よ り 、 ESD の 精 神 を 岩 手 大 学 の 教 育 科 目 に 織 り 込 む こ と で 、
教育課程の有機的編成が実質化されている。
(「 学 び の 銀 河 」 パ ン フ レ ッ ト か ら )
17-
岩手大学人文社会科学部 分析項目Ⅱ
観点
学生や社会からの要請への対応
(観 点 に 係 る 状 況 )
学生の多様な授業ニーズに応えるために、以下の措置を講じている。
1) 北東北3大学、岩手5大学及び放送大学と単位互換協定を締結している。本学他学
部 開 講 科 目 の 単 位 認 定 も 制 度 化 さ れ て い る 。【 別 添 資 料 4 : 他 大 学 等 単 位 認 定 利 用 実
績】
○他大学・他学部履修における単位認定(人文社会科学部)
区
分
全学共通
卒業単位 教 育 科 目
上 限 専 門 教 育
科
目
他 学 部
他
北 東 北 3 大 学
い
大
わ て
5
大
学
学
(岩手大学、秋田大学、 (岩手大学、岩手県立大学、岩手 放 送 大 学
弘前大学)
医科大学、富士大学、盛岡大学)
4単位
10単位
10単位
あわせて
30単位
2 ) 国 際 交 流 の ニ ー ズ に 応 え る た め 、以 下 の こ と を 行 っ て い る 。
【 別 添 資 料 5:国 際 交 流
関係単位互換等利用実績】
協定校:サンクト・ペテルブルグ国立文化芸術
単位互換
国際交流協定校への交 大学(ロシア)、テキサス大学オースティン校、
アーラム大学(米)、明知大学校(韓国)、ボル
換留学
ドー第3大学(フランス)、寧波大学(中国)
単位認定
語学検定等資格試験
TOEFL、TOEIC、ドイツ語技能検定、フラン
ス語技能検定、ロシア語能力検定
単位認定
外国語研修
モナシュ大学、ブリティッシュ・コロンビア大学
単位認定
国連大学グローバルセミ
ナー修了
単位認定
留学生向けに外国語で
一般学生が自由選択科目として履修でき
行われる国際交流科目
る
を解放
3) 編入学生への配慮としては既修得単位の認定制度、進路変更を希望する学生には転
学科、転課程及び転学部制度、成績優秀者へは早期卒業制度や3年次修了者の本学
大学院への入学制度、及び長期履修学生制度が設けられている。
○転学科、転課程、転学部の実績(人文社会科学部)
(転課程制度開始)
平成17年4月1日
転課程 なし
(転学部制度開始)
課程・コース
志願者
転学部
法学経済課程経済コース 1名
平成18年4月1日
転課程先
志願者
人間科学課程
1名
転課程
人間科学課程
2名
法学経済課程
1名
転学部 なし
転課程等先
平成19年4月1日
志願者
転課程 転課程等先
国際文化課程
1名
18-
合格者
旧学部学科等
1名 教育学部 生涯教育課程
合格者 旧課程名
国際文化課程
1名 環境科学課程
国際文化課程
合格者 旧課程名
1名 人間科学課程
岩手大学人文社会科学部 分析項目Ⅱ.Ⅲ
4) 教員志望学生及び学芸員志望学生に向けては教職教育科目・課外科目及び博物館に
関 す る 科 目 を 開 い て お り 、 学 生 の 社 会 と の 交 流 ニ ー ズ に 応 え て 、 平 成 19 年 度 か ら ボ
ランティア活動の単位化(但し、卒業単位外)とインターンシップ制度が実施され
て い る 。【 別 添 資 料 6 : ボ ラ ン テ ィ ア 活 動 及 び イ ン タ ー ン シ ッ プ ( 制 度 ( 履 修 の 手 引
き ) 及 び 実 績 )】
社会からの授業に関連したニーズには、以下の措置を講じている。
1) 依 頼 を 受 け て 特 定 テ ー マ
○年度別出張講義・公開講座公開件数・公開授業講座件数
に つ き 講 義 す る 出 張 講 義 や 、 (人文社会科学部)表
スポーツや文化に関して学
2004
2005
2006
2007
出張講義(※1)
13件
12件
24件
19件
部がテーマを定めて開く公
公開講座(※2)
6件
8件
8件
6件
開講座が行われてきた。
公開授業講座(※1)
8件
35件
45件
2 ) 平 成 17 年 度 か ら は 、 正 規
※1 人社教員による ※2 人社企画による
の授業を一般人が学生と
ともに受講する公開授業講座が行われている。
3 ) 保 護 者 か ら の 授 業 参 観 の 要 望 を 受 け 、 平 成 17 年 度 後 期 か ら 共 通 教 育 の 授 業 公 開 が
実 施 さ れ 、 18 年 度 か ら は 一 般 に も 公 開 さ れ て い る 。
4) 高校生に対しては、大学の授業科目の公開や公開講座「ウインターセッション」な
ど「高大連携推進事業」を行っている。
5) その他特定のテーマに関する社会からのニーズとして、裁判所及び岩手弁護士会か
ら の 要 請 に よ る 裁 判 員 制 度 の 説 明 会 や 模 擬 裁 判 等 の 実 施 。 平 成 17 年 度 現 代 GP に 採
択された「各学部の特性
を活かした全学的知的財
産教育」に基づく本学主
催の知財教育プログラム
を実施し、関連授業科目
を開設した。公正取引委
員による改正独占禁止法
に 関 す る 講 演 会 の 開 催 ( 平 成 18 年 度 ) な ど が 行 わ れ た 。
(2 )分 析 項 目 の 水 準 及 び そ の 判 断 理 由
(水 準 ) 期 待 さ れ る 水 準 を 上 回 る 。
(判 断 理 由 )
教育内容については本学部がもっとも力を入れて改善に努めてきた項目であり、期待さ
れる水準を上回る。このことは、次のことから判断される。学部創設以来、総合化と専門
深化を目指してカリキュラムの改善と充実をはかり、法人化以降も教育課程編成に関する
諸改革をすすめてきたことで、教育内容の充実や制度諸改革については、卒業年次学部学
生アンケートで高い満足度を表す結果が出ている。また、地域社会に対しては、出張講義
や公開講座などで多様な住民の要請に応えてきたばかりでなく、公開授業講座により通常
の講義を地域に提供し学術的にも貢献して関係者からの期待に応えている。さらに、司法
制度改革や知的財産戦略大綱など政府の政策の具体化のための地域の拠点として積極的に
貢献し、これらは講演会や授業科目の開設として教育内容に反映されている。
分析項目Ⅲ 教育方法
(1 )観 点 ご と の 分 析
観点 授業形態の組合せと学習指導法の工夫
(観 点 に 係 る 状 況 )
講義、演習、実習、実験等が各課程の教育目的に応じて適切に組み合わせられており、
かつ、学年進行に応じた知識の段階的積み上げにも十分な配慮がなされている。
シ ラ バ ス に つ い て は 、 平 成 19 年 度 か ら ア イ ア シ ス タ ン ト ( 全 学 統 一 拡 張 Web シ ラ バ ス )
が 本 格 稼 働 し 、組 織 的 授 業 改 善 と 教 室 外 学 習 支 援 の 強 化 に 向 け た 取 り 組 み が な さ れ て い る 。
19-
岩手大学人文社会科学部 分析項目Ⅲ
具体的な学習指導法については、以下のとおりの工夫がなされている。
*一部の全学共通教育科目を除く少人数教育の徹底
* LL 教 室 の 活 用 、 AV 教 材 の 利 活 用 ( ほ と ん ど 全 て の 教 室 で 使 用 可 能 )
*e ラーニングの導入、コールシステムを備えた教室の設置
*ティーチング・アシスタントの積極的活用
*アイアシスタントの教員と学生との双方向的コミュニケーション機能の活用等
また、課程の枠を越えた教員の相互協力と自助努力により主要授業科目の大半は専任教
員が担当する態勢を維持している。
観点
主体的な学習を促す取組
(観 点 に 係 る 状 況 )
1)入学時から、コース決定を経て、特別研究指導に至るまで、繰り返しガイダンスやオ
リ エ ン テ ー シ ョ ン を 行 い 、さ ら に は 就 労・ 進 学 支 援 プ ロ ジ ェ ク ト を 組 織 的 に 実 施 し て い
る。
2)シラバスの「教室外学習」欄は入力必須項目であり、授業担当教員が教室外の学習を
行 う た め の 具 体 的 な 指 針 を 周 知 徹 底 し て い る と 同 時 に 、ア イ ア シ ス タ ン ト の 双 方 向 コ ミ
ュ ニ ケ ー シ ョ ン 機 能 、オ フ ィ ス ア ワ ー 、少 人 数 ゼ ミ を 利 用 す る 等 、日 常 的 に 学 生 と の 連
絡を密にして主体的学習を促している。
3 ) 国 際 的 視 野 の 涵 養 に 特 に 重 要 な 留 学 へ の イ ン セ ン テ ィ ブ の 促 進 を 図 る た め 、 平 成 19
年 度 に は 、学 部 国 際 化 プ ロ グ ラ ム を 実 施 し 、国 際 交 流 協 定 締 結 校( 下 表 )に 留 学 を 希 望
す る 学 生 に 対 し て 経 費 の 補 助 を 行 っ て い る 。【 別 添 資 料 7 : 国 際 交 流 協 定 締 結 校 へ の 派
遣学生募集要項】
国 際 交 流 協 定 締 結 校
国
名
サ ン ク ト・ペ テ ル ブ ル グ 国 立 文 化 芸 術 大 学
テキサス大学オースティン校
ロシア
アメリカ合衆国
アーラム大学
セント・メアリーズ大学
明知大学校
ボルドー第3大学
寧波大学
アメリカ合衆国
カナダ
大韓民国
フランス共和国
中華人民共和国
交 流 実 績 ( 2004∼
2007)
受入れ
派遣
4
6
2
6
2
1
3
2
3
4)留学プログラムとは別に複数の語学研修プログラム(モナシュ大学等)もあり、参加
学 生 に は 経 費 の 一 部 を 補 助 し て い る 。【 別 添 資 料 8 : 海 外 派 遣 留 学 プ ロ グ ラ ム ( 本 学 部
学 生 向 け )(「 平 成 19 年 度 オ ー プ ン キ ャ ン パ ス の し お り 」 か ら )】
5)教室外学習を促進するため学生研究室を課程・コースごとに設置するなど、学生の学
習環境の整備に努めている。
6 ) LL ラ イ ブ ラ リ ー 室 を 設 置 し て 主 に 外 国 語 に 関 す る AV 教 材 を 配 架 し 、 授 業 時 間 外 の 学
習に供しているほか、コールシステム教室も授業時間以外は学生に開放している。
7)単位の実質化を図るため、履修科目登録単位の上限(成績優秀者と編入学生を除く)
を 各 学 期 24 単 位 ( 平 成 18 年 度 以 前 は 22 単 位 ) と 定 め て い る 。
110-
岩手大学人文社会科学部 分析項目Ⅲ.Ⅳ
8 )成 績 優 秀 者( 卒 業 要 件 科 目 の 総 修 得 単 位 数 の 内 、秀 お よ び 優 の 評 語 を 9 割 以 上 得 た 者 )
を公表するとともに、その認定者が一定の条件を満たせば、学部3年次修了者の本学大
学 院 へ の 入 学 や 早 期 卒 業 を 認 め て い る ( 平 成 13 年 度 入 学 生 よ り 適 用 )。
(2 )分 析 項 目 の 水 準 及 び そ の 判 断 理 由
(水 準 ) 期 待 さ れ る 水 準 に あ る 。
(判 断 理 由 )
教 育 方 法 に つ い て は 期 待 さ れ る 水 準 に あ る 。 こ の こ と は 、 平 成 18 年 度 専 門 教 育 科 目 授
業 評 価 に お い て 、「 総 合 評 価 」 は 5 段 階 評 価 の 4.19 で あ り 、 学 部 全 体 と し て 見 た 授 業 は 、
学生から高い評価を受けていること、また、全学共通教育科目においても、毎学期、多く
の学部担当教員の授業が優秀授業に選ばれ、学習指導法のレベルの高さを示していること
か ら も 判 断 さ れ る 。【 別 添 資 料 2 : 平 成 18 年 度 専 門 教 育 科 目 授 業 評 価 報 告 書 ( 抄 )】
一方、少人数クラスを基本とする本学部の学生に対する教育的配慮や修学上の支援体制
は、主体的学習促進の面でも十分なものである。
分析項目Ⅳ 学業の成果
(1 )観 点 ご と の 分 析
観点 学生が身に付けた学力や資質・能力
(観 点 に 係 る 状 況 )
1)単位取得状況
「 不 可 ・ 放 棄 」 率 は H 16 が 9.6% 、 H 17 が 13.5% と な っ て お り 、 単 位 取 得 率 は 約 90%
となっている。
2)進級・卒業・修了状況
学 年 ご と の 進 級 制 に な っ て い な い の で 最 終 学 年( 4 年 次 末 )に お け る「 学 位 取 得 」率( 4
年 前 の 入 学 者 に 対 す る 卒 業 者 の 割 合 ) で 見 る と 、 平 成 17 年 度 は 82.3% 、 平 成 18 年 度 は
86.5% 、 平 成 19 年 度 は 86.1% で 、 高 い 水 準 を 維 持 し て い る 。
3)学生の資格等取得状況
免 許 ・ 資 格 の 取 得 状 況 は 、「 社 会 調 査 士 」 資 格 ( 東 北 地 方 の 大 学 で 最 初 の 資 格 認 定 対 象
大 学 )を 初 年 度( 平 成 15 年 )以 降 毎 年 4 ∼ 6 名 が 資 格 取 得 し て い る 。ま た「 学 芸 員 」は 平
成 14∼ 17 の 取 得 者 数 が 22 名 ∼ 45 名( 10∼ 20% の 取 得 率 )で 、教 員 免 許 も 毎 年 1 割 の 学 生
が 取 得 し て い る 。( 平 成 16 の 教 員 免 許 取 得 者 率 は 12.3% )
ま た 5 年 前 か ら TOEFL 受 験 を 入 学 時 と 1 年 次 修 了 後 に 受 験 を 義 務 づ け て い る が 、こ こ 数
年 は 毎 年 平 均 点 で 10∼ 15 点 向 上 す る よ う に な り 、 英 語 教 育 の 効 果 が 現 れ て い る 。
「法学検定」に合格した学生は以下の通りで、合格率は全国平均を上回っている。
年度
平成17年度
平成18年度
区分
4級
合格者数
31 名
合格率
86.1
(全国平均)
( 61.2)
3級
4級
18 名
22 名
66.7
88.0
( 48.9)
( 59.8)
3級
31 名
70.5
( 53.7)
人文系、社会系、法学系に渡る上記資格取得状況は、本学部の幅広い「総合的知見・思
考・判断力と広い国際的視野」を持った人材育成目的の成果といえよう。
観点
学業の成果に関する学生の評価
(観 点 に 係 る 状 況 )
1)学業の成果の到達度や満足度を示す調査結果
111-
岩手大学人文社会科学部 分析項目Ⅳ.Ⅴ
学 業 の 到 達 度 を 示 す 「 成 績 評 価 」 で は 、「 優 」 6 割 、「 良 」 2 割 、「 可 」 1 割 ( 不 可 ・ 放
棄1割)となっていて到達度は高いといえる。
他方、毎年実施している卒業年次学生の学部教育アンケート結果をみると、課程・コ
ース間のばらもつきもあるが、下表のとおり「課程・コースへの講義内容」についての全
体 と し て の 満 足 度 は 高 く 、総 合 学 部 と し て の 人 文 社 会 科 学 部 の 在 り 方 に 肯 定 的 で あ る(「 総
合 的 視 野 が 身 に 付 く 」 が 7 割 )。
「課程・コースへの講義内容への満足度」
「満足」+「やや満足」
45.0% ( H 16) ∼ 64.9% ( H 18)
「やや不満」+「不満」
20.0% ( H 16) ∼ 9.1% ( H 18)
「( 学 部 の カ リ キ ュ ラ ム で ) 総 合 的 視 野 が 身 に 付 く 」
「そう思う」
65.5% ( H 15) ∼ 71.9% ( H 18)
(2 )分 析 項 目 の 水 準 及 び そ の 判 断 理 由
(水 準 ) 期 待 さ れ る 水 準 を 上 回 る 。
(判 断 理 由 )
学 業 の 成 果 に つ い て は 期 待 さ れ る 水 準 を 上 回 る 。 こ の こ と は 、 TOFEL 受 験 に 英 語 教 育 の
成果が見られること、全国的な水準比較が可能な「法学検定」において全国平均を大幅に
上回る成績を上げていること、卒業時学生のアンケート結果にみる学生の満足度が高いこ
となどから判断できる。
分析項目Ⅴ 進路・就職の状況
(1 )観 点 ご と の 分 析
観 点 卒 業 (修 了 )後 の 進 路 の 状 況
(観 点 に 係 る 状 況 )
本学部の人材養成像に呼応し、卒業後の学生の進路は以下のように多様である。
1 ) 大 学 院 へ の 進 学 率 は 平 均 9.5% ( 平 成 16 年 度 8.5% 、 17 年 度 12.4% 、 18 年 度 6.8% 、
19 年 度 10.3% ) で , 岩 手 大 学 の 大 学 院 以 外 に も 東 北 大 学 大 学 院 や 法 科 大 学 院 な ど の 他
大学大学院に進学する卒業生が毎年複数名いる。
2 ) 就 職 希 望 者 に 対 す る 就 職 率 は 平 成 16 年 度 85.2% 、 17 年 度 89.2% 、 18 年 度 93.9% 、
19 年 度 94.1% で 、平 成 13 年 度 を 底 と し て 年 を 追 う ご と に 増 加 し て い る 。こ れ は 低 学 年
か ら 始 ま る 就 職 ガ イ ダ ン ス( 一 般 企 業 関 係 ,公 務 員 関 係 )や 学 内 企 業 合 同 説 明 会 の 実 施 、
「就職しおり」の作成など、就職支援活動が反映された成果といえる。
3)その就職者の産業別内訳では、公務員の割合が高く、多彩な判断力を要求されるサー
ビ ス 業 、 卸 売 ・ 小 売 業 、 金 融 ・ 保 険・ 不 動 産 業 な ど の 接 客 業 も 多 い 。 こ れ ら の 割 合 は 年
度 に よ り 異 な る が 、 サ ー ビ ス 業 と 金 融・ 保 険・ 不 動 産 業 は 増 加 の 傾 向 に あ る 。 一 方 、 製
造業はきわめて少なく、本学部の特徴といえる。
4 ) な お , 就 職 先 を 岩 手 県 内 と 県 外 に 分 け た 場 合 、 そ の 割 合 は 平 成 16 年 度 で 64 人 と 73
人 、17 年 度 で 45 人 と 102 人 、18 年 度 で 57 人 と 123 人 、19 年 度 で 52 人 と 123 人 と な り 、
県 外 に 就 職 す る 割 合 が 高 い 。 進 路 未 定 で 卒 業 す る 学 生 の 割 合 ( 平 成 16 年 度 33.1% 、 17
年 度 26.1% 、 18 年 度 20.5% 、 19 年 度 12.5% ) は 減 少 傾 向 に あ る 。
観点
関係者からの評価
(観 点 に 係 る 状 況 )
本 学 部 卒 業 生 が 所 属 す る 一 般 企 業 63 社 か ら 得 た ア ン ケ ー ト 回 答 結 果( 下 記 表 )か ら 、本
学部卒業生の優れた点として、
「 意 欲 が あ る 」、
「 責 任 感 が あ る 」、
「 ね ば り 強 さ が あ る 」、
「コ
ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 能 力 が あ る 」、「 き ち ん と し た 文 章 が 書 け る 」、「 情 報 収 集 ・ 活 用 能 力 が あ
る」などが上位に挙げられており、本学部生の特色といえる。
112-
岩手大学人文社会科学部 分析項目Ⅴ
企業合同説明会参加63社による人文社会科学部卒
優
業生に対する評価(平成19年2月実施)
人 比率
・意欲がある
41 65%
・柔軟性がある
23 37%
・社会性がある
27 43%
・責任感がある
37 59%
・ねばり強さがある
35 56%
・仕事に必要なことを自ら主体的に学ぶことができる
27 43%
・主体的に仕事を進めることができる
25 40%
・企画立案能力がある
10 16%
・リーダーシップがある
17 27%
・コミュニケーション能力がある
25 40%
・きちんとした文章が書ける
24 38%
・外国語運用能力がある
6 10%
・情報収集・活用能力がある
15 24%
・歴史,文化,社会,自然などに対する幅広い知識がある13 21%
・環境問題や社会問題などに関する幅広い知識がある 12 19%
・知的財産に関する幅広い知識がある
5 8%
・専門分野に関する幅広い知識がある
7 11%
普通
劣
人 比率 人 比率
21 33% 1 2%
35 55% 5 8%
35 55% 1 2%
26 41% 0 0%
27 43% 1 2%
36 57% 0 0%
37 58% 1 2%
52 82% 1 2%
42 67% 4 6%
35 55% 3 5%
39 62% 0 0%
53 84% 4 6%
47 74% 1 2%
49 77% 1 2%
50 79% 1 2%
57 90% 1 2%
56 89% 0 0%
な お 、16 年 度 以 降 の 卒 業 生 や 企 業 等 の 採 用 担 当 者 を 対 象 に 郵 送 や 企 業 訪 問 に よ る 大 掛 か
り な ア ン ケ ー ト 調 査 が 平 成 19 年 度 に 行 わ れ 、「 ね ば り 強 さ 」、「 責 任 感 」、「 意 欲 」 で 特 に 高
い 評 価 を 受 け て お り 、全 般 に「 劣 る 」と い う 評 価 を 受 け た 項 目 は ほ と ん ど な い 。
【別添資料
9:卒業生・採用担当者アンケート結果】
(2 )分 析 項 目 の 水 準 及 び そ の 判 断 理 由
(水 準 ) 期 待 さ れ る 水 準 に あ る 。
(判 断 理 由 )
進 路・就 職 に つ い て は 学 生 や 保 護 者 な ど の 要 請 に 応 え て 改 善 に 努 め て お り 期 待 さ れ る 水
準 に あ る 。 こ の こ と は 以 下 の こ と か ら 判 断 で き る 。 就 職 率 は 年 々 上 昇 し て お り 、 平 成 18
年 度 は 93.9% 、 平 成 19 年 度 は 94.1% と 高 い 水 準 と な っ て い る 。 同 時 に 進 路 未 定 で 卒 業 す
る学生の割合は年々減少しており、卒業後の進路状況は大幅に改善している。課程ごとの
卒業生の進学・就職状況には特色があり、総じて学部教育研究システムの特徴となってい
る専門性と総合性の調和的発展という観点から、それに沿うように就職先の業種や職種は
多様である。また、現代社会の諸問題や地域の課題に的確に応じ得る人材を養成する観点
から、公務員やサービス業、情報処理技術者などが含まれ、一定の成果が得られている。
113-
岩手大学人文社会科学部
Ⅲ
質の向上度の判断
① 事 例 1 「 女 性 教 員 の 増 加 」 (分 析 項 目 Ⅰ )
本 学 部 は 従 来 女 性 教 員 の 比 率 が 低 か っ た が 、 平 成 17 年 度 3 名 、 19 年 度 1 名 の 女 性 教 員
を 採 用 し て 、 女 性 教 員 の 比 率 は 法 人 化 前 の 15 年 度 8.2% か ら 19 年 度 に は 13.8% に な り 、
着実に比率を高めてきた。
② 事 例 2 「 専 門 教 育 科 目 授 業 評 価 ア ン ケ ー ト の 実 施 」 (分 析 項 目 Ⅰ )
平 成 18 年 度 に 試 行 を 行 い 、 報 告 書 を 作 成 し て 学 部 と し て 全 体 水 準 を 把 握 し 、 問 題 を 検
討 す る と と も に 、教 員 個 人 へ 結 果 を 通 知 し 教 育 改 善 の 資 料 と し た 。平 成 19 年 度 以 降 も 、さ
らに改善を加えて実施している。
③ 事 例 3 「 教 育 活 動 を 重 視 し た 教 員 個 人 評 価 の 実 施 」 (分 析 項 目 Ⅰ )
平 成 18 年 度 に 実 施 し 、 教 育 活 動 の 現 状 に つ い て 認 識 を 深 め 、 教 育 改 善 へ の 大 き な イ ン
センティブとなり、全学共通教育に関する学生の授業アンケートにもとづく優秀授業の選
定 で は 、常 に 本 学 部 担 当 教 員 が 選 出 さ れ 、平 成 19 年 度 に 全 学 共 通 教 育 を 対 象 と し た 学 長 裁
量 経 費 に よ る 教 育 賞 受 賞 者 10 名 中 6 名 が 本 学 部 の 担 当 教 員 で あ っ た 。
④ 事 例 4 「 副 専 攻 制 度 の 実 施 」 (分 析 項 目 Ⅱ )
主 副 専 攻 制 度 を 試 行 的 に 実 施 し た 平 成 17 年 度 か ら 相 当 程 度 の 学 生 が 積 極 的 に 利 用 し て
おり、多角的な視点を養うことができた、視野が広がったことにより、専攻の研究テーマ
についてより深く探求できるようになったなど、学生にも好評で、期待した成果が上がっ
ていると判断できる。
⑤ 事 例 5 「 全 学 共 通 教 育 に お け る 新 科 目 の 開 設 」 (分 析 項 目 Ⅱ )
平 成 19 年 度 か ら 、 転 換 教 育 科 目 「 基 礎 ゼ ミ ナ ー ル 」 及 び 高 年 次 課 題 科 目 を 実 施 し 、 好
評であった。なお、基礎ゼミナールは、本学部では学部授業への導入科目として以前から
実施されており、少人数演習形式の授業は、学生達に極めて好評で、学生の勉学意欲を高
めてきたと判断できる。
⑥ 事 例 6 「 国 際 交 流 制 度 の 拡 充 」 (分 析 項 目 Ⅱ )
国際交流協定締結大学の拡大をはかり、学生の交換留学希望に応えている。留学生の体
験が在校生への刺激となり、授業に良い影響を与えている。
年
度
協 定 校 数
派 遣 学 生
平成16年度
4
3
平成19年度
7
7
⑦ 事 例 7 「 ボ ラ ン テ ィ ア 活 動 と イ ン タ ー ン シ ッ プ の 単 位 化 」 (分 析 項 目 Ⅱ )
平 成 19 年 度 か ら ボ ラ ン テ ィ ア 活 動 の 単 位 化 ( 手 引 き 8 頁 ) と イ ン タ ー ン シ ッ プ の 単 位
化を実施した。単位化される以前から両制度は実施されており、インターンシップは受け
入れ先開拓が間に合わないほど学生に好評で、キャリア教育として成果があったと判断で
きる。
【 別 添 資 料 6:ボ ラ ン テ ィ ア 活 動 及 び イ ン タ ー ン シ ッ プ( 制 度( 履 修 の 手 引 き )及 び
実 績 )】
⑧ 事 例 8 「 出 張 講 義 及 び 公 開 授 業 講 座 の 実 施 、 授 業 公 開 の 開 始 」 (分 析 項 目 Ⅱ )
出 張 講 義 及 び 公 開 授 業 講 座 を 実 施 し 、 平 成 17 年 度 か ら 授 業 公 開 を 開 始 し た 。 こ れ ら を
通じて、高校生や地域の人々に本学部の活動内容の理解を広め、授業内容を活用してもら
う こ と が で き た と 判 断 で き る 。( p.1-9 出 張 講 義 等 実 績 表 参 照 )
114-
岩手大学人文社会科学部
⑨ 事 例 9 「 司 法 改 革 関 連 諸 事 業 へ の 協 力 」 (分 析 項 目 Ⅱ )
裁判所や岩手弁護士会からの要請を受け裁判員制度を含む一連の司法改革に関する諸
事業を地域連携推進センターと共同して行った。この事業協力を通じて、社会に貢献でき
たばかりでなく、本学部学生、特に法学コースの学生に専門授業への強い関心が生じたと
判断できる。
法科大学院への進学者数
16年度卒業生
17年度卒業生
0
2
18年度卒業生
3
19年度卒業生
3
⑩ 事 例 10「 知 財 教 育 へ の 協 力 」 (分 析 項 目 Ⅱ )
平 成 17 年 度 採 択 現 代 GP「 各 学 部 の 特 性 を 生 か し た 全 学 的 知 的 財 産 教 育 」 に 積 極 的 に 対
応 し 、関 連 授 業 科 目 を 開 設 す る と と も に 講 演 会 を 開 催 し 、好 評 で あ っ た 。
( p.1-9 知 財 教 育
関連授業科目表参照)
⑪ 事 例 11「 留 学 希 望 学 生 ( 大 学 院 生 を 含 む ) を 対 象 と し た 経 費 の 補 助 」 (分 析 項 目 Ⅲ )
平 成 19 年 度 に は 、学 部 国 際 化 プ ロ ジ ェ ク ト に 基 づ き 、国 際 交 流 協 定 締 結 校 に 留 学 を 希 望
する学生(大学院生を含む)を対象に経費の補助を行い、留学へのインセンティブの促進
と学部の国際化の推進を図った。募集は年度内に2回実施、7月の第1次募集における該
当者は6名、12月の第2次募集では1名であった。
⑫ 事 例 12「 大 学 院 進 学 者 ・ 進 学 率 の 増 加 」 (分 析 項 目 Ⅴ )
法学コースの大学院進学窓口の設置や国際文化課程の大学院説明会の開催などの努力に
よ り 、大 学 院 へ の 進 学 率 は 平 成 16 年 度 8.5% 、17 年 度 12.4% 、18 年 度 6.8% 、19 年 度 10.3%
と一定の水準を保ち岩手大学の大学院以外にも東北大学大学院や法科大学院などの他大学
大学院に進学する卒業生が多数いる。
⑬ 事 例 13「 就 職 支 援 活 動 の 成 果 」 (分 析 項 目 Ⅴ )
就 職 希 望 者 に 対 す る 就 職 率 は 平 成 16 年 度 85.2% 、 17 年 度 89.2% 、 18 年 度 93.9% で 、
19 年 度 94.1% で 毎 年 増 加 し て い る 。こ れ は 低 学 年 か ら 始 ま る 就 職 ガ イ ダ ン ス( 一 般 企 業 関
係 、公 務 員 関 係 )や 学 内 企 業 合 同 説 明 会 の 実 施 、
「 就 職 し お り 」の 作 成 な ど の 就 職 支 援 活 動
の成果といえる。
115-
岩手大学人文社会科学部
添
付
資
(1.人文社会科学部)
平成20年6月
岩手大学
料
資料1
人文社会科学部教員構成表
課 程 コース
人
間
科
学
人
間
情
報
科
学
行
動
科
学
文
化
シ
ス
テ
ム
ア
ジ
ア
文
化
国
際
文
化
欧
米
言
語
文
化
法
氏 名
中 村 文 郎
遠 藤 教 昭
白 倉 孝 行
北 村 一 親
小 林 睦
五 味 壮 平
横 井 修 一
堀 毛 一 也
高 橋 宏 一
山 口 浩
松 岡 和 生
竹 村 祥 子
浅 沼 道 成
佐 藤 正 恵
織 田 信 男
小 林 英 信
杉 浦 直
池 田 成 一
山 本 昭 彦
後 藤 尚 人
海 妻 径 子
砂 山 稔
川 本 榮三郎
家 井 美千子
樋 口 知 志
中 村 安 宏
小 島 聡 子
岡 田 仁
笹 尾 道 子
海老澤 君 夫
能 登 惠 一
佐 藤 芳 彦
長 野 俊 一
山 口 春 樹
齋 藤 博 次
松 林 城 弘
大 友 展 也
BOUGON PATRICE
横 井 雅 明
齋 藤 伸 治
橋 本 学
小 林 葉 子
中 里 まき子
秋 田 淳 子
砂 山 克 彦
高 野 修
松 岡 勝 実
丸 山 仁
内 田 浩
CLEARY WILLIAM BERNARD
法
学
・
経
済
学
経
済
環
環
境
科
学
境
科
学
吉 田 夏 彦
宮 本 ともみ
西 牧 正 義
江 原 勝 行
井 上 博 夫
菊 池 孝 美
田 口 典 男
横 山 英 信
杭 田 俊 之
齊 藤 彰 一
藤 原 千 沙
井 上 隆 義
石 川 洋一郎
高 塚 龍 之
牧 陽 之 助
河 田 裕 樹
三 浦 康 秀
吉 村 泰 樹
北 爪 英 一
西 崎 滋
開 龍 美
竹 原 明 秀
花 見 仁 史
尾 臺 喜 孝
大 西 良 博
古 川 務
飯 田 雅 人
山 内 茂 雄
塚 本 善 弘
笹 尾 俊 明
現職種 年 齢 性 別
教 授
教 授
教 授
准教授
准教授
准教授
教 授
教 授
教 授
教 授
教 授
教 授
准教授
准教授
准教授
教 授
教 授
教 授
教 授
准教授
准教授
教 授
教 授
教 授
教 授
准教授
准教授
教 授
教 授
教 授
教 授
教 授
教 授
教 授
教 授
教 授
教 授
准教授
准教授
准教授
准教授
准教授
准教授
講 師
教 授
教 授
教 授
教 授
教 授
准教授
准教授
准教授
准教授
准教授
教 授
教 授
教 授
教 授
准教授
准教授
准教授
教 授
教 授
教 授
教 授
教 授
教 授
教 授
教 授
教 授
教 授
教 授
教 授
准教授
准教授
准教授
准教授
准教授
准教授
准教授
60
49
49
48
44
39
64
54
52
52
49
48
48
46
43
62
61
53
50
48
39
60
59
50
47
45
38
64
64
60
60
59
57
54
52
48
46
50
46
45
45
37
32
41
63
60
44
43
45
53
49
46
40
36
56
55
55
44
41
37
36
64
63
63
59
58
58
58
56
52
52
48
48
48
45
43
42
42
38
33
男
男
男
男
男
男
男
男
男
男
男
女
男
女
男
男
男
男
男
男
女
男
男
女
男
男
女
男
女
男
男
男
男
男
男
男
男
男
男
男
男
女
女
女
男
男
男
男
男
男
男
女
男
男
男
男
男
男
男
男
女
男
男
男
男
男
男
男
男
男
男
男
男
男
男
男
男
男
男
男
専
門
平成19年4月1日
領
域
哲学・倫理学
人間情報科学
数理物理・物性基礎
言語学・音声学・文献学
哲学・倫理学
情報学、数理物理・物性基礎、統計科学
農村の地域福祉,社会調査
社会心理学、人格心理学
人文地理学
実験心理学、臨床心理学
認知心理学
家族理論研究、家族に直接関与する地域集団等に関する実証的研究
身体教育学
発達・臨床心理学、発達・臨床心理学
臨床心理学、人格心理学
独文学
文化・社会地理学
思想史、哲学・倫理学
各国文学・文学論、各国文学・文学論、美学・美術史
文学テクストの読解理論研究、1960年代研究、メディア記号論研究
ジェンダー研究
中国哲学
中国語学・文学
日本文学
日本古代史
日本思想史
日本語学
20世紀イギリス文学、W.B.イェイツ
ロシアのアニメ文化、ロシア語教授法、言語政策
ドイツ文学
各国文学・文学論
西洋史、経済史
革命的民主主義者の文学・美学理論と実践の研究
中世低地ドイツ語学、中世高地ドイツ語学
英語学、教育学
心理言語学、応用言語学
ドイツ語学・ドイツ学・ドイツにおける新聞発達史
ジャン・ジュネ研究
フランス語学
英語学
英語学、言語学、知能情報学
異文化理解、第二言語コミュニケーション学、応用言語学
20世紀フランス小説
アメリカ小説研究
労働法
行政法
民事法学、水法
政治学
刑事法
日米刑事訴訟手続の比較
会社の開示規定と企業秘密保護に関する研究
民事法学
民事法学
集団の人権論、比較違憲審査制度
財政学
現代フランス経済史
イギリス労使関係
農業経済学、経済政策
進化経済学
理論経済学
経済政策
19世紀後半の熱力学史,非可逆過程の熱力学史
微分位相幾何学
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
微生物生態学、陸水環境科学
光化学
大域解析学、基礎解析学
錯体化学
分析化学
原子核物理
環境哲学、環境倫理学、哲学的人間学
生態・環境、環境動態解析、環境技術・環境材料
宇宙の構造形成、高エネルギー宇宙物理学、パターン認識の数理、乱流
整数論
Abel 函数論, 虚数乗法論, 代数的整数論 代数曲線論
環境法
微分方程式論、生物数学
X線天文学
社会学(環境,地域,社会運動)、環境影響評価・環境政策、ジェンダー
環境経済学、環境影響評価・環境政策、経済政策
岩手大学人文社会科学部
-1-
資料2
平成 18 年度専門教育科目授業評価報告書(抄)
岩手大学人文社会科学部
- 2 -
資料2
岩手大学人文社会科学部
- 3 -
主副専攻制度(しおり)
資料3
人文社会科学部には主副専攻制度が導入されています!!
◆主副専攻制度とは?
人文社会科学部に入学すると、8つのコースのうち、どこか1つのコースに所属するこ
とになります。主副専攻制度は、所属コース(主専攻)とは異なるコースの専門科目を、
まとまった形で勉強しやすくしようとするものです。
◆なぜ「主副専攻」制度?
人文社会科学部における教育・研究のキーワード、それは「総合化」です。
現在、知の世界は、多くの分野や領域に細分化される傾向にあります。でも、個々の分
野が独立して存在しているわけでは決してありません。多くの分野は互いに影響を与えあ
っており、知の世界は、全体として豊かな広がりと深みを持つ世界となっているのです。
専門的な勉強・研究を行いながらも、分野の中に閉じこもらず、ちょっとだけ勇気をも
って他の世界に足を踏み入れてみましょう。きっと新鮮な発見をすることができるはずで
す。それは、専門分野での研究や学習に意外な進展を与えてくれるかもしれません。
人文社会科学部にどんなコースがあるか、もう一度「大学案内」やこの「しおり」で確
かめてみましょう。この学部の教員がカバーしている分野は、本当に多岐にわたっていま
すね。ここで述べたような体験をするには、まさに最適な環境だと言えるでしょう。
主副専攻制度は、このメリットを活かして、みなさんが豊かな判断力や理解力、コミュ
ニケーション能力などを身につけるように導入されました。
◆特徴は「副専攻基礎」
・
「副専攻」の 2 段階方式
岩手大学人文社会科学部の主副専攻制度では、2 段階方式を採用しています。つまり「副
専攻基礎」と、より上位の「副専攻」という2つのステップが設けられています。(※注)
「副専攻基礎」の認定を受けることを目指して学ぶうちに、その分野への興味が深まり、
さらに勉強したくなるということもあるでしょう。そんなときには「副専攻」にチャレン
ジできるようになっているわけです。
「副専攻基礎」は学部学生全員が必ず履修しなければなりません。一方、
「副専攻」の履
修は、希望者のみとなります。
※副専攻基礎は 10 単位分、副専攻は 20 単位分の科目の履修により認定されます。授業科目の
多くは半期 2 単位の科目です(2 単位以外の科目もあります)ので、これらを 5 科目履修する
と 10 単位になります。ちなみに卒業に必要な全単位数は 125 単位です。
岩手大学人文社会科学部
- 4 -
資料4
他大学等単位認定利用実績
1.他学部科目取得者(人文社会科学部)
学生数
2004
25
2005
33
2006
51
2007
32
2.北東北3大学単位互換単位取得実績(人文社会科学部)
年度
H16
H16
H16
H16
授業科目名
文化のなかの音楽Ⅱ
男女共生論
紛争と平和を考える(B)
数学の基礎1(A)
担当教員
人社
谷 慶郎
30
澤井セイ子
76
齋藤利男
37
伊藤成治
23
H16計
166
H17 世界の地域・国・民族(F)
秋葉まり子
57
H17 創造する人間
児玉 忠
19
H17 秋田の農B
寺井 謙次
23
H17 日本語の諸相
日高 水穂
17
H17計
116
H18 秋田の自然と文化Ⅰ−食生活の科学(秋田の食)−
長沼 誠子
41
H18 表現と人間Ⅰ−対人・対話・対応−
佐々木久長
70
H18 研究・教育から見た世界と日本(D)
土持ゲーリー法一
15
H18 人間の知(B)
祐川 幸一
32
H18計
158
H19 障害と共生ⅠA−福祉と人権−
内海 淳
31
H19 ライフサイエンスⅡ−生命の連続性−
石井照久
16
H19 国際交流を考える(E)
諏訪淳一郎
28
H19 生物学の基礎Ⅱ(D)
三浦富智
18
H19計
93
3.いわて5大学 単位互換利用者一覧(人文社会科学部)
年度・前後期 H16前 H16後 H17前 H17後 H18前 H18後 H19前 H19後
人 数
0
1
0
1
0
0
0
0
単 位 数
0
2
0
2
0
0
0
0
4.放送大学 単位互換利用者一覧(人文社会科学部)
年 度 ・ 前 後 期 H16前 H16後 H17前 H17後 H18前 H18後 H19前 H19後
人
数
1
0
1
0
0
0
1
0
単 位 数
4
0
2
0
0
0
4
0
※単位数は岩手大学振替後の単位数
岩手大学人文社会科学部
- 5 -
資料5
国際交流関係単位互換等利用実績
1.交換留学による単位互換の利用実績
協定大学
年度
2004
2005
サンクトペテルブルグ
国立文化芸術大学
(ロシア)
明知大学校
(大韓民国)
テキサス大学オースティン校
(アメリカ合衆国)
2006.2∼2007.3
8単位認定
(2007.5認定)
2006.9∼2007.5
6単位認定
(2007.7認定)
なし
2005.3∼2005.9
16単位認定
(2005.10認定)
2005.2∼2006.2
26単位認定
(2006.3認定)
2005.9∼2006.4
12単位認定
(2006.7認定)
2005.9∼2006.3
8単位認定
(2007.2認定)
2006
2007
セント・メアリーズ大学
(カナダ)
2006.9∼2007.2
24単位認定
(2007.5認定)
2007.9∼2008.2
12単位認定
(2008.5認定)
2.資格試験等単位認定実績
年度
資格試験等認定
TOEFL
TOEIC
ドイツ語
2004
1
2005
13
2006
1
1
2007
3
4
研修認定
フランス語 モナシュ大学 ブリティッシュ・コロンビア大学
6
1
1
5
2
1
2
5
3.国連大学グローバルセミナー単位認定実績
年度
単位認定科目
2006
農業・生命と環境
計
人文社会科学部
1
1
岩手大学人文社会科学部
- 6 -
資料6
ボランティア活動及びインターンシップ(制度(履修の手引き)及び実績)
ボランティア活動、インターンシップの単位化
Ⅰ 科目履修に当たって学生の知っておくべきこと
※平成19年度ボランティア活動単位取得者数(人文社会科学部)
合計2名(ピアサポート(1単位)1名、図書館サポーターズ(1単位)
)1 名)
Ⅲ 専門教育について
人文社会科学部
インターンシップ
教職教育・課外科目表(抄)
※平成19年度インターンシップ単位取得者数
合計33名(1単位 30名、2単位 3名)
岩手大学人文社会科学部
- 7 -
資料7
国際交流協定締結校への派遣学生募集要項
岩手大学人文社会科学部国際化プロジェクトに基づく
国際交流協定締結校への派遣学生募集要項
1 目的
岩手大学人文社会科学部国際化プロジェクトに基づき,国際交流協定締結校に留学を希望す
る人文社会科学部の学生を対象に経費の補助を行い,留学へのインセンティブの促進と学部の
今後の国際化の推進に寄与することを目的とする。
2 派遣対象時期
平成19年8月から平成20年3月31日の間に国際交流協定締結校に留学する者を対象と
する。
3 派遣先
国際交流締結校:
サンクト・ペテルブルグ国立文化芸術大学(ロシア)
テキサス大学オースティン校,アーラム大学(アメリカ合衆国)
セント・メアリーズ大学(カナダ)
明知大学校(大韓民国)
ボルドー第3大学(フランス共和国)
寧波大学(中華人民共和国)
4 派遣対象者
人文社会科学部日本人学生(大学院生を含む。)
5 派遣予定人員
7人程度
6 経費補助
1人につき7万円を限度とする。
7 選考
申請書に基づき,面談の上決定する。
※ 面談は,7月30日(月)16:30からミーティングルーム(1号館1階)で行いま
す。詳しい時間は,申し込み時にお知らせします。
第2回募集の面談は,改めてお知らせします。
8 締め切り
第1回:平成19年 7月27日(金)
第2回:平成19年12月14日(金)
9 申込先
人文社会科学部事務室
10
問い合わせ先
人文社会科学部国際文化課程
齋藤博次教授(1号館417号室)
電話 621−6742
岩手大学人文社会科学部
- 8 -
資料8
海外派遣留学プログラム(本学部学生向け)(「平成 19 年度オープンキャンパスのしおり」から)
岩手大学 海外派遣・留学プログラム(人文社会科学部学生向け)
プログラム
留学先(大学名な
の種類
ど)
交換留学
サンクト・ペテル
交換留学
交換留学
国 名
対 象
協定
学 生
ロシア
学部
あり
単位
留学開始
認定
時期
可能
交換留学
∼1年
約 70 万円
術大学
生・院生
9月
オースティン校
合衆国
セント・メアリ
カナダ
あり
可能
明知大学校
寧波大学
8月
∼80 万円
1年間
中旬
全学
あり
可能
ーズ大学
交換留学
1 年間で
または
全学
その他
3ヶ月
2∼4 年
アメリカ
8月
中 国
全学
全学
あり
あり
可能
可能
3月
9月頃
実費
生活費
1年間
中旬
韓 国
個人負担
4月
ブルグ国立文化芸
テキサス大学
留学期間
実費
生活費
6ヶ月
実費
∼1年
生活費
1年間
実費
生活費
交換留学
アーラム大学
アメリカ
全学
あり
可能
合衆国
交換留学
ボルドー第3大
フランス
学
8月
1年間
中旬
学部
あり
可能
9月頃
2∼4 年
生活費
5ヶ月
1 年間で
∼1年
約 80 万円
生・院生
モナシュ大学英
オースト
語研修センター
ラリア
夏季
明知大学校
韓 国
韓国語研修
関東大学校
英語研修
ブリティッシュ・
英語研修
全学
全学
∼90 万円
あり
あり
可能
可能
3月
4週間
8月頃
∼5 週間
8月
3週間
初め
カナダ
全学
実費
なし
可能
3月
45 万円くらい
15 万円くらい
(交通費除く)
28 日間
45 万円くらい
1ヶ月
20 万円くらい
8月頃
コロンビア大学
英語研修センター
短期中国語
清華大学
中 国
全学
あり
なし
8月頃
研修
(上記の他、中国の吉林農業大学への留学も可能です。
)
協定がある「交換留学」プログラムは、それぞれの協定校との交換プログラム(互いに学生を留学させる)
なので、岩手大学で授業料を払えば、派遣先での授業料は免除となります。
この場合に必要なのは、現地までの交通費と生活費などです。岩手大学での単位取得を工夫すれば、留学し
ても4年間で卒業することが可能です。 また、奨学金の可能性もあります。
留学先の大学で受講した科目の単位を、岩手大学での卒業に必要な単位に換えることができます。
これを「単位認定」といいます。
(但し、留学先で取得したすべての単位が認定されるとは限りません。
)
岩手大学人文社会科学部
- 9 -
資料9
卒業生・採用担当者アンケート結果
卒業生・採用担当者(企業等)アンケート(全学)
○卒業生・採用担当者アンケート
・卒業生が社会に出て役に立ったと思うもの
・卒業生が社会に出て大学が強化すべきと思うもの
・採用担当者が、大学に対して強化すべきと思うこと
卒業生が役に立ったもの
卒業生が強化すべきと思うもの
160
採用担当者が強化すべきと思うもの
153
143
140
132
120
106
100
89
89
94
94
83
82
80
60
60
55
54
50
48
40
33
37
20
育
教
換
転
育
教
語
国
外
29
21
22
18
48
38
35
33
19
20
90
79
26
33
32
24
0
育
教
報
情
育
教
養
教
的
際
学
育
教
な
育
教
境
環
目
目
育
育
科
科
教
教
礎
礎
的
的
基
基
本
用
門
門
基
応
専
専
の
の
野
野
系
系
分
分
理
文
門
門
専
専
究
研
業
卒
○採用担当者からみた人文社会科学部卒業生の印象
人文社会科学部0B・OGの印象
優
普
劣
37%
リーダーシップ
企画立案能力
主体的に仕事推進
自ら主体的に学ぶ
優
6 0%
22%
47%
49%
意欲
5 3%
0%
50%
1%
36%
67%
責任感
柔軟性
1%
64%
ねばり強さ
社会性
3%
77%
52%
33%
4 7%
45%
0%
1%
52%
67%
0%
3%
33%
普
劣
24%
専門分野
知的財産
文章
コミュニケーション能力
1%
70%
35%
情報収集・活用能力
3%
75%
29%
歴史・文化・社会・自然
1.0%
84%
24%
環境問題・社会問題
外国語運用能力
75%
13%
1%
64%
10%
1%
76%
53%
50%
14%
43%
49%
0%
岩手大学人文社会科学部
- 10 -
4%
1%
岩手大学人文社会科学研究科
2.人文社会科学研究科
Ⅰ
人文社会科学研究科の教育目的と特徴
Ⅱ
分析項目ごとの水準の判断
Ⅲ
・・・・2−2
・・・・・・・・・2−4
分析項目Ⅰ
教育の実施体制
分析項目Ⅱ
教育内容
・・・・・・・・・・・2−5
分析項目Ⅲ
教育方法
・・・・・・・・・・・2−6
分析項目Ⅳ
学業の成果
分析項目Ⅴ
進路・就職の状況
質の向上度の判断
・・・・・・・・2−4
・・・・・・・・・・2−7
・・・・・・・2−8
・・・・・・・・・・・・・2−9
21-
岩手大学人文社会科学研究科
Ⅰ
人文社会科学研究科の教育目的と特徴
1 教育目的
本 研 究 科 の 教 育 目 的 ( 理 念 ) は 、「 人 間 ・ 文 化 ・ 社 会 に つ い て の 深 い 理 解 と 自 然 を も 含
めた広い視野からの考察力を備え、現代社会の諸問題に的確に対応できる能力を修得させ
ることにより、高度で知的な素養をもって地域社会又は国際社会において知識基盤社会を
多 様 に 支 え る 人 材 、及 び 高 度 専 門 職 業 人 と し て 活 躍 す る 人 材 を 養 成 す る こ と 」
(岩手大学大
学院人文社会科学研究科規則第2条)である。これらの目的は岩手大学の中期目標・中期
計画に謳われた教育目標、研究目標に適合している。
2 教育の特徴
こうした教育目的を達成するため、とりわけ以下の工夫を行っている。
1)学部教育と接合した幅広い科目を各専攻に置き、コースワークを基本とするカリキュ
ラムを編成している。
2)自己の研究教育領域の科目のほか、他の専攻、研究教育領域の科目を幅広く履修させ
ている。
3)広い視野の修得を目指し、学生の指導は正及び副(2名)計3名であたっている。
4)夜間開講や1年制コースの設置な ど 、 社 会 人の た め の 大 学 院 教 育 に 力 を 入れ て い る 。
岩手大学大学院人文社会科学研究科(修士課程)履修要項(抄)
(履修科目・単位)
3 . 学 生 は , 人 文 社 会 科 学 研 究 科 ( 以 下 「 研 究 科 」 と い う 。) が 開 設 す る 授 業 科 目 (「 人 文 社 会
科 学 研 究 科 規 則 」 別 表 ) の 中 か ら 30 単 位 以 上 を 修 得 し な け れ ば な ら な い 。
上記の単位には,自己の所属する研究教育領域の特論4単位,演習4単位を含まなければ
ならない。
また,人間科学専攻の学生は専攻必修科目として「人間科学総合演習」2単位,国際文化
学専攻の学生は専攻必修科目として「国際文化学演習」2単位,社会・環境システム専攻の
学 生 は , 専 攻 必 修 科 目 と し て 「 社 会 ・ 環 境 総 合 演 習 」( 但 し 1 年 制 コ ー ス は 除 く 。) 2 単 位 を
修得すること。
さらに,人間科学専攻反び国際文化学専攻は,自己の所属する専攻の他の研究教育領域の
科目のうち2単位を含まなければならない。
なお,各専攻とも単位の修得にあたっては同一科目を重ねて履修できるが,その上限は4
単位とする。
4.学生は,研究上必要があるときは指導教員の指示に基づき,研究科教授会の承認を得て,
他研究科又は人文社会科学部の授業科目を履修することができる。これにより修得した単位
は8単位まで本研究科において修得したものとみなすことができる。
5.学生は,研究上特にその必要があるときは研究科教授会の承認を得て,他大学院の授業科
目 を 履 修 す る こ と が で き る 。こ れ に よ り 修 得 し た 単 位 は 10 単 位 ま で 本 研 究 科 に お い て 修 得 し
たものとみなすことができる。
3 学生
入学者は北東北出身者を中心に留学生や社会人を含んで多様な構成を有しており、少人
数制授業の下、きめ細かい教育を受けている。なお、入試に際しては、社会人選抜や1年
制コース選抜を設け、多様な学生の需要に応えている。
22-
岩手大学人文社会科学研究科
[想 定 す る 関 係 者 と そ の 期 待 ]
人 文 社 会 科 学 研 究 科 は 、社 会 人 を 含 ん で 多 様 な 年 齢 層 に ま た が る 学 生 を 最 大 の 関 係 者 と し
て 想 定 す る と と も に 、修 了 生 の 雇 用 者 で あ る 企 業 、官 公 庁 、さ ら に 卒 業 生 が 活 躍 す る 地 域 社
会 、国 際 社 会 等 社 会 全 体 を も 関 係 者 と し て 想 定 し て い る 。こ れ ら 関 係 者 は 、本 研 究 科 が 上 記
の 教 育 目 的 に 沿 っ て 、高 度 な 素 養 を も っ て 知 識 基 盤 社 会 を 多 様 に 支 え る 人 材 及 び 高 度 専 門 職
業人として活躍できる人材を養成すべく有効な教育を実践することを期待していると想定
される。
23-
岩手大学人文社会科学研究科 分析項目Ⅰ
Ⅱ
分析項目ごとの水準の判断
分析項目Ⅰ 教育の実施体制
(1 )観 点 ご と の 分 析
観点 基本的組織の編成
(観 点 に 係 る 状 況 )
法 人 化 後 の 平 成 16 年 度 か ら 、 3 専 攻 制 の 下 に 研 究 教 育 領 域 を 設 け る 教 育 組 織 体 制 と な
っている。
○教育組織体制表
専
攻
研
究
教
育
領
域
人
間
科
学
臨床心理学、行動科学、人間情報科学
国 際 文 化 学
文化システム論、東アジア文化論、欧米言語文化
社会・環境システム
法学・経済システム、環境科学、1 年制コース
それぞれの研究教育領域は閉じたシステムをとらず、専攻の必修共通科目や他専攻の科
目の履修を義務づけるなど、他の領域との連携を踏まえている点が特色である。
各 専 攻 の 入 学 定 員 は そ れ ぞ れ 2 名 で 、 計 6 名 と 低 く 抑 え ら れ て い る が 、 平 成 16 年 度 か
ら 平 成 19 年 度 の 入 学 者 は 入 学 志 願 者 の 多 さ に 対 応 し て 16∼ 25 名 の 間 で 推 移 し て お り 、 入
学 定 員 の 志 願 者 数 に 見 合 っ た 増 員 を 求 め る 平 成 21 年 度 概 算 要 求 を 行 う 予 定 で あ る 。
人文社会科学研究科 学生定員・現員表
平成19年4月1日現在
入
学
年
度
課
人
定 員
程
11
9
3
攻
2
4
1
8
3
社 会・ 環 境 シ ス テ ム 専攻
2
4
3
6
2
化
学
専
17
4
文
学
18
2
際
科
入学 収容 19
攻
国
間
現員(入学年度毎)
専
社会・環境システム専攻(1年制)
合計
16
合計
23
1
13
11
1
6
12
16
1
23
8
1
48
教員組織は、学部と共通で、各学系に所属する教員が各専攻・研究教育領域に専任の担
当として配置されている。主要な科目はこれら専任の教員が担当しており、兼任教員・非
常勤講師が担当する科目は例外的である。教員の構成は資料の通り、専門、年齢によるバ
ラ ン ス は 適 正 で あ る と 判 断 さ れ る 。【 別 添 資 料 1 : 教 員 構 成 表 ( 専 攻 ・ 研 究 教 育 領 域 別 )】
観点
教育内容、教育方法の改善に向けて取り組む体制
(観 点 に 係 る 状 況 )
大 学 教 育 総 合 セ ン タ ー 教 育 評 価 ・ 改 善 部 門 に よ る 定 期 的 な FD合 宿 研 究 会 の 教 育 技 術 面 に
関わる実践的講習会は、大学院研究科の授業改善にも資している。また、研究科には研究
科専門委員会があり、研究科に関わる諸問題を処理し、カリキュラムの改善にも取り組ん
で い る 。 社 会 ・ 環 境 シ ス テ ム 専 攻 に 平 成 19年 度 よ り 導 入 さ れ た 1 年 制 コ ー ス 用 カ リ キ ュ ラ
ム や 、 平 成 19年 度 よ り 定 め ら れ た 専 攻 の 必 修 共 通 科 目 ( 人 間 科 学 総 合 演 習 、 国 際 文 化 学 演
習 、社 会・環 境 総 合 演 習 )
( 以 下「 総 合 演 習 」と 呼 ぶ )の 開 設 な ど は 、改 善 の 顕 著 な 例 で あ
る 。 平 成 19年 度 に は 、 点 検 評 価 委 員 会 で 大 学 院 教 育 評 価 ア ン ケ ー ト の 方 法 を 検 討 し 、 年 度
末に実施した。大学の教員個人評価では、大学院教育改善へのインセンティブとなるよう
大学院の教育も評価対象としている。
(2 )分 析 項 目 の 水 準 及 び そ の 判 断 理 由
(水準)期待される水準にある。
24-
岩手大学人文社会科学研究科 分析項目Ⅰ.Ⅱ
(判 断 理 由 )
教育の実施体制については期待される水準にある。このことは、専攻や研究教育領域が
学部の教育組織と適合的に編成され、各専攻及び各研究教育領域の目標も明確にされてお
り 、教 員 数 が 学 生 数 に 比 し て 十 分 に 多 く 、そ の 担 当 体 制 は 十 全 で あ る こ と か ら 判 断 さ れ る 。
ま た 、平 成 19年 度 末 の 大 学 院 教 育 ア ン ケ ー ト に お い て 、回 答 者 の 100パ ー セ ン ト が 教 員 の 教
育姿勢や専攻の教育体制に「満足」あるいは「ある程度満足」と回答していることもその
証左である。
しかし、入学定員が志願者数に比して少ないという問題を抱えており、この点の解決が
望 ま れ る 。 研 究 科 に は FDに 特 化 し た 委 員 会 が な い も の の 、 研 究 科 専 門 委 員 会 が 実 質 的 に カ
リ キ ュ ラ ム 改 善 や FD活 動 を 担 っ て お り 、 教 員 個 人 評 価 も 研 究 科 の 教 育 改 善 に 貢 献 し て い る
と判断される。
分析項目Ⅱ 教育内容
(1 )観 点 ご と の 分 析
観点 教育課程の編成
(観 点 に 係 る 状 況 )
分析項目 I 記載の教育目的を達成するために、教育課程として人間科学専攻、国際文化
学専攻及び社会・環境システム専攻の3専攻が置かれ、学生は、自己の所属する専攻が定
める研究教育領域の一つを選択し、指導教員(正1名副2名)の指導の下で当該領域を中
心 に 履 修 研 究 を 行 う 。( p.2-4 教 育 組 織 体 制 表 参 照 )
修 了 に 必 要 な 30 単 位 に は 、 自 己 の 所 属 す る 研 究 教 育 領 域 の 特 論 4 単 位 及 び 演 習 4 単 位
を含まなければならず、さらに人間科学専攻と国際文化学専攻では、自己の所属する専攻
の他の研究領域の科目のうち2単位を含まなければならない。他方、学際的・総合的見地
を 育 成 す る 目 的 で 、平 成 19 年 度 か ら 各 専 攻 に 当 該 専 攻 内 の 研 究 教 育 領 域 全 般 に 専 攻 必 修 科
目 「 人 間 科 学 総 合 演 習 」、「 国 際 文 化 学 演 習 」 及 び 「 社 会 ・ 環 境 総 合 演 習 」 が 置 か れ た 。 ま
た、同様の趣旨で、他専攻、他研究科、他大学院の授業科目を履修すれば、一定の範囲内
で 卒 業 に 必 要 な 30 単 位 に 算 定 で き る よ う に な っ て い る 。な お 、授 業 科 目 の 具 体 的 内 容 が 科
目名から明らかとなるように、科目名称の変更、及び、学期ごとに授業内容(科目)を完
結 さ せ る 2 単 位 化 の 徹 底 が 平 成 18 年 度 に 行 わ れ た 。
本 研 究 科 の 特 色 あ る 教 育 課 程 編 成 と し て 、平 成 19 年 度 か ら 開 設 さ れ た 社 会 人 1 年 制 コ ー
スが挙げられる。1年制コースには学位論文に相当する特定課題研究と履修期間の短さを
補うための特別の期間に行う研究指導がある。また、社会人学生のために、夜間の授業時
間 帯 が 設 け ら れ て い る 。【 別 添 資 料 2 : 1 年 生 コ ー ス 設 立 の 趣 旨 ・ 履 修 モ デ ル (「 設 立 の ご
案 内 」 か ら )】
観点
学生や社会からの要請への対応
(観 点 に 係 る 状 況 )
学生の多様な授業ニーズに応えるために、学部、他研究科、他大学院の授業科目を履修
して単位認定する制度及び外国の大学への留学制度が設けられている。
社会からのニーズとして、本研究科の臨床心理学実習施設も兼ねる学部附属施設「ここ
ろ の 相 談 セ ン タ ー 」で 心 理 相 談 に 応 じ て い る 。平 成 18 年 度 に は 、岩 手 行 政 書 士 会 の 要 請 を
受 け 協 定 を 締 結 し 、行 政 書 士 研 修 講 座 を 開 講 し た 。平 成 19 年 度 か ら は 、社 会 に 研 究 し て 欲
しいテーマを広く求め、それが学生の希望する研究内容と適合する場合、そのテーマを研
究し学位論文として発表する制度が発足した。
○行政書士研修講座受講者数表
平 成 18 年 度
14 名
行政書士講座受講生
平 成 19 年 度
27 名
25-
岩手大学人文社会科学研究科 分析項目Ⅱ.Ⅲ
(2 )分 析 項 目 の 水 準 及 び そ の 判 断 理 由
(水 準 ) 期 待 さ れ る 水 準 を 上 回 る 。
(判 断 理 由 )
教育内容については期待される水準を上回る。このことは、次のことから判断される。
専攻必修科目の設置、所属する研究教育領域から一定の単位を修得する制度、3名の教員
による複数指導体制が確立され、各専攻の核というべき「総合演習」における集団指導体
制など、学生に対するきめ細かい学習指導が行われていること、また、シラバスの整備、
専攻別に系統だった履修が可能となるカリキュラムの編成が行われ、時間割に従った「コ
ースワーク」が行われるようになっていること、さらに、学生数に見合った院生研究室が
整 備 さ れ 、全 室 に パ ソ コ ン を 配 備 す る な ど 、学 位 論 文 に 向 け た 学 習 支 援 体 制 が 整 っ て い て 、
学生の満足度も高いことなどである。
以 上 の こ と は 、平 成 19年 度 末 に 実 施 し た「 大 学 院 教 育 に つ い て の ア ン ケ ー ト 」 に 見 る 次
のような結果からも明らかである。
1)院生数が適切である(約9割)
2)教員との接触が多く、関係が親密である(約7割)
3)必修・選択必修の割合が適切である(約6割)
4)教員の教育に対する姿勢に満足している(10割)
5)研究科の教育に全体として満足している(10割)
※( )内は当該項目を選んだ院生の割合。
分析項目Ⅲ 教育方法
(1 )観 点 ご と の 分 析
観点 授業形態の組合せと学習指導法の工夫
(観 点 に 係 る 状 況 )
資 料 ( H19 年 度 大 学 院 学 生 便 覧 、 pp.59-63) に 見 る よ う に 、 特 論 、 演 習 ( 特 別 演 習 を 含
む )、実 習 等 が 各 専 攻 の 教 育 目 的 に 応 じ て 適 切 に 組 み 合 わ さ れ て い る 。そ の 全 体 に 占 め る 割
合 は 、特 論 49% 、演 習 49% 、実 習 2 % で あ り 、学 部 に 比 べ て 演 習 の 比 率 が 高 く な っ て い る
のは、演習における個別指導が重要な役割を担う大学院教育の性格による。なかでも、専
攻ごとに開設されている「総合演習」では、複数の教員が常時出席する集団指導体制を採
用し、当該専攻で必要とされる総合的知見の涵養に努めている。
ま た 、シ ラ バ ス に つ い て も 、平 成 19 年 度 か ら 記 載 方 法・内 容 を 改 善 し 、成 績 評 価 の 方 法
と基準を明示することにした。
研究指導に対する取り組みに関しては、本研究科では、一人の学生に対し、正指導教員
1名、副指導教員2名がつき、3名による指導が行われている。また、多くの院生をティ
ーチングアシスタントとして採用し、教育・指導能力の育成を図っている。
修 士 論 文 に 係 る 指 導 の 一 環 と し て 、 平 成 16 年 度 よ り 「 修 士 論 文 公 開 発 表 会 」 を 実 施 し 、
学生の研究成果を広く学内外に公開している。
【 別 添 資 料 3:修 士 論 文 公 開 発 表 会 プ ロ グ ラ
ム 等 ( チ ラ シ )】
観点
主体的な学習を促す取組
(観 点 に 係 る 状 況 )
諸規則で成績評価基準や修了認定基準を規定し、大学院学生便覧を通じて学生に周知し
ているほか、アイアシスタントのシラバスにおいても成績評価基準の記述が義務づけられ
ている。
各専攻の共通必修科目「総合演習」では、討論形式の授業形態を導入することによって
学生の能動的参加を促し、また学生相互の研究交流を深めながら、主体的に学ぶ姿勢を養
っている。
院生の主体的学習を促進するため、全室にコンピュータを備えた院生研究室を設置して
26-
岩手大学人文社会科学研究科 分析項目Ⅲ.Ⅳ
い る 他 、 LL ラ イ ブ ラ リ ー や CALL 教 室 を 大 学 院 生 に も 開 放 し て い る 。
学会に参加・発表する学生に対し参加経費の一部を補助しているほか、学部学生と同様
に、国際交流協定締結校への留学及び語学研修を希望する学生に対して経費の補助(その
使 途 に つ い て は 、事 前 準 備 に 用 い る こ と も 渡 航 費 や 滞 在 費 に 充 て る こ と も 可 と す る 。)を 行
っている。
(2 )分 析 項 目 の 水 準 及 び そ の 判 断 理 由
(水 準 ) 期 待 さ れ る 水 準 に あ る 。
(判 断 理 由 )
教育方法については期待される水準にある。このことは、3名の教員による複数指導体
制が確立され、各専攻の核とも言うべき「総合演習」における集団指導体制によって、学
生に対するきめ細かい学習指導が行われていること、また、学生の数に見合った院生研究
室が整備され、学位論文作成に向けた学習支援体制がよく整備されており、学生の満足度
も高いことからも判断される。
分析項目Ⅳ 学業の成果
(1 )観 点 ご と の 分 析
観点 学生が身に付けた学力や資質・能力
(観 点 に 係 る 状 況 )
卒 業・修 了 状 況 で は 、修 了 者 が 平 成 16 年 度 15 名 (退 学 者 2 名 )、平 成 17 年 度 17 名 (退 学
者 2 名 )、平 成 18 年 度 17 名 (退 学 者 2 名 )、平 成 19 年 度 23 名 (退 学 者 2 名 )と 、い ず れ の
年 度 も 退 学 者 が 修 了 者 に 対 し て 少 な く 、 就 職 率 も 90% ( 平 成 18 年 度 ) を 超 え て い る 。 本
研究科(修士課程)を修了後、他大学等の博士課程へ進学する修了生は、現役の合格者だ
け で 平 成 16 年 度 5 名( 33.3% )、平 成 17 年 度 2 名( 11.8% )、平 成 18 年 1 名( 5.9% )、
平 成 19 年 2 名 ( 8.7% ) で あ る 。
な お 、教 育 後 援 会 か ら の 補 助 制 度 も あ っ て 、大 学 院 生 の 学 会 発 表 も 多 く 、平 成 16 年 度 は
9 名 、 平 成 17 年 度 は 14 名 、 平 成 18 年 度 は 5 名 、 平 成 19 年 度 は 7 名 が 発 表 し て い る 。
研究科で資格取得に直結している専攻は臨床心理コースで、修了後1年の実務経験を経
なければ臨床心理士認定試験を受けることができないが、臨床心理専攻の修了生は2∼3
年 後 の 受 験 で ほ ぼ 100% 資 格 認 定 を 受 け て い る 。
観点
学業の成果に関する学生の評価
(観 点 に 係 る 状 況 )
少人数なため、指導教員等によって学生の要望等はきめ細かく把握されている。
平 成 19 年 度 末 に 実 施 し た 「 大 学 院 教 育 に つ い て の ア ン ケ ー ト 」 結 果 で は 、 以 下 の 表 の
通り学生は本研究科の教育とそれによる成果に高い評価を下している。
1 ) 専 攻・領 域 の カ リ キ ュ ラ ム に よ っ て 専 門 的 な 知 識・学 力 が 身 に 付 く 。( 約 8 割 )
2 ) 授 業 に よ っ て 専 攻 す る 分 野 の 学 問 の 方 法 が 身 に 付 く 。( 9 割 以 上 )
3 ) 修 士 論 文 の 作 成 を 通 し て 学 問 を 深 め る こ と が で き た 。( 1 0 割 )
4 ) 大 学 院 修 了 後 、 自 分 の 専 門 を 生 か せ る 。( 約 6 割 )
(2 )分 析 項 目 の 水 準 及 び そ の 判 断 理 由
(水 準 ) 期 待 さ れ る 水 準 に あ る 。
(判 断 理 由 )
学業の成果に関する学生の評価は期待される水準にある。そのことは、中退・留年が少
なく修了状況がよいこと、学生(院生)の学会発表が多いこと、臨床心理コース修了生の
「臨床心理士」合格率が高いこと、および大学院学生へのアンケートによる高い評価結果
から判断される。
27-
岩手大学人文社会科学研究科 分析項目Ⅴ
分析項目Ⅴ 進路・就職の状況
(1 )観 点 ご と の 分 析
観 点 卒 業 (修 了 )後 の 進 路 の 状 況
(観 点 に 係 る 状 況 )
本 研 究 科 の 修 了 生 は 少 数 ( 平 成 16 年 度 15 名 、 17 年 度 17 名 、 18 年 度 17 名 、 19 年 度 23
名)であるため、進学・就職状況は年度によって大きく変動する。その状況は,大学院へ
の 進 学 率 が 平 成 16 年 度 33.3% 、 17 年 度 11.8% 、 18 年 度 5.9% 、 19 年 度 8.7% で あ る が 、
平 成 15 年 度 以 前 に は 進 学
者がいなかったことから、
過去5年間の修了者の進路
社会人
大学院博士課程後期に進学
不明
3%
3%
進学
就職希望なし
することも選択肢の一つと
19%
5%
就職活動中
して定着しているといえる。
進学
3%
印刷関連
一方、就職希望者に対する
精密機械
印刷関連
小売業
3%
就 職 率 は 平 成 16 年 度
宿泊業
地方公務員
精密機械
医療・保健
14%
2%
57.1% 、17 年 度 83.3% 、18
学校教育
学習支援業
小売業
年 度 91.7% 、 19 年 度 89.5
他サービス
7%
国家公務員
で高い水準にある。その就
地方公務員
国家公務員
宿泊業
就職活動中
5%
2%
職者の産業別内訳は、公務
就職希望なし
不明
他サービス
員、サービス業、教育・学
社会人
7%
医療・保健
12%
学習支援業
習支援業、出版・印刷業な
3%
学校教育
12%
ど で 、 平 成 17 年 度 ・ 18 年
度は公務員(国家公務員・
地方公務員)が最も多い。職種はいずれも高度専門職が多く、事務的職業がそれに続く。
観点
関係者からの評価
(観 点 に 係 る 状 況 )
平 成 19 年 度 発 行 の「 岩 手 大 学 人 文 社 会 科 学 部 創 設 30 周 年 記 念 誌 − 30 年 の 歩 み と こ れ か
らの人社−」への修了生の投稿によれば、さまざまな専門分野の研究をしている学生と知
り合い幅広い学問に触れることによって、自分の研究や人生観にも影響を受けたことが、
現在(進学)の研究生活・内容の基礎となっているという意見や、今は、残念ながら大学
院で勉強したことを直接生かせる部署にはいないが、将来は大学院教育を生かせる部署で
働きたいという希望が表明された。
(2 )分 析 項 目 の 水 準 及 び そ の 判 断 理 由
(水 準 ) 期 待 さ れ る 水 準 に あ る 。
(判 断 理 由 )
進路・就職については期待される水準にある。そのことは、就職率が上昇する傾向にあ
ること,専門性の高い職業に就職する割合が高まっていることから判断される。
28-
岩手大学人文社会科学研究科
Ⅲ
質の向上度の判断
① 事 例 1 「 専 攻 、 研 究 教 育 領 域 の 整 備 」 (分 析 項 目 Ⅰ )
平 成 16 年 度 か ら 学 部 の 改 組 に 接 合 す る よ う 整 備 さ れ 、各 専 攻 、研 究 教 育 領 域 の 目 標 も 明
確化されている。また、それら相互の連携も図られている。
② 事 例 2 「 女 性 教 員 の 増 加 (分 析 項 目 Ⅰ )」
中期目標・中期計画に応じて、研究科を担当する専任女性教員の数は、法人化前の平成
15 年 度 5 人 か ら 平 成 19 年 度 10 人 に 増 加 し て お り 、女 性 教 員 の 比 率 は 着 実 に 高 ま っ て い る 。
③ 事 例 3 「 研 究 科 専 門 委 員 会 に お け る カ リ キ ュ ラ ム 改 善 」 (分 析 項 目 Ⅰ )
研 究 科 専 門 委 員 会 は 研 究 科 の 諸 実 務 を こ な し て き た が 、そ の 成 果 と し て 平 成 18 年 度 に は
科 目 内 容 の 明 確 化 と 半 期 2 単 位 化 を 徹 底 し 、平 成 19 年 度 に は 、社 会・環 境 シ ス テ ム 専 攻 に
1 年 制 カ リ キ ュ ラ ム が 導 入 さ れ 、ま た 各 専 攻 に 専 攻 共 通 の 必 修 科 目(「 人 間 科 学 総 合 演 習 」、
「 国 際 文 化 学 演 習 」及 び「 社 会・環 境 総 合 演 習 」)を 設 け る な ど 、カ リ キ ュ ラ ム 改 善 に も 顕
著な機能を果たすようになった。
④ 事 例 4 「 地 域 社 会 へ の 貢 献 」 (分 析 項 目 Ⅱ )
「こころの相談センター」による心理相談を行い、多くの相談事項を処理してきた。
○年度別相談件数
平 成 16 年 度
平 成 17 年 度
平 成 18 年 度
平 成 19 年 度
239
248
348
280
⑤ 事 例 5 「 地 域 社 会 へ の 貢 献 」 (分 析 項 目 Ⅱ )
平 成 18 年 度 か ら 行 政 書 士 研 修 講 座 を 開 講 し 、多 数 の 学 生 が 受 講 し 、地 域 に お け る 行 政 書
士 の 能 力 向 上 に 貢 献 し た 。( p.2-5 行 政 書 士 研 修 講 座 受 講 者 数 表 参 照 )
⑥ 事 例 6 「 留 学 者 へ の 経 費 補 助 」( 分 析 項 目 Ⅲ −1 、 Ⅲ −2 )
学部国際化プロジェクトに基づき、国際交流協定締結校に留学を希望する学生を対象に
経 費 の 補 助 を 行 い 、留 学 へ の イ ン セ ン テ ィ ブ の 促 進 と 学 部 の 国 際 化 の 推 進 を 図 っ た 。
【別添
資料4:国際交流協定締結校への派遣留学生募集要項】
⑦ 事 例 7 「 就 職 率 の 増 加 」( 分 析 項 目 Ⅴ -1)
就 職 希 望 者 に 対 す る 就 職 率 は 平 成 16 年 度 57.1% , 17 年 度 83.3% , 18 年 度 91.7% で ,
19 年 度 は 89.5% で 平 成 16 年 に 比 べ 平 成 17 年 以 降 は 高 い 水 準 を 維 持 し て お り 、明 ら か に 向
上している。
⑧ 事 例 8 「 高 度 専 門 職 へ の 就 職 者 数 の 増 加 」( 分 析 項 目 Ⅴ -1)
平 成 17 年 度 か ら 臨 床 心 理 士 資 格 を 持 っ た 修 了 生 に よ る 臨 床 心 理 士 ,心 理 相 談 員 な ど の 保
健医療従事者(専門性の高い職種)が増加し、この分野への就職が定着している。
○年度別心理職就職者数(実務経験1年必要※)
平 成 16 年 度
平 成 17 年 度
平 成 18 年 度
平 成 19 年 度
1
3
3
29-
1 ※
岩手大学人文社会科学研究科
添
付
資
料
(2.人文社会科学研究科)
平成20年6月
岩手大学
資料1
人文社会科学研究科教員構成表
研究
専攻 教育 職 名
領域
臨
准教授
床
氏
名
男
教授
山 口 浩
52
男
准教授
佐 藤 正 恵
46
女
教授
松 岡 和 生
49
男
心的イメージの認知心理学的研究
教授
堀 毛 一 也
54
男
社会的スキル,親密な人間関係,社会的認知の個人差,状況の心理学的
研究等を中心とする社会心理・性格心理学的研究
動
教授
竹 村 祥 子
48
女
家族理論研究,家族に直接関与する地域集団等に関する実証的研究
科
教授
横 井 修 一
64
男
農村の地域福祉,社会調査
准教授
浅 沼 道 成
48
男
総合型地域スポーツクラブに関する研究,スポーツ支援システムに関す
る研究
教授
高 橋 宏 一
52
男
小売業及び卸売業からみた都市システム,南部曲家研究
人
教授
中 村 文 郎
60
男
デカルト研究,心身問題研究,現象学研究
間
准教授
小 林 睦
44
男
情
准教授
北 村 一 親
48
男
報
教授
白 倉 孝 行
49
男
科
教授
遠 藤 教 昭
49
男
情報システム学,WWWとデータベース
准教授
五 味 壮 平
39
男
生体から発せられる様々な情報(データ)の特性解析,“生命体システ
ム”のシミュレーション,情報デザイン
文
准教授
後 藤 尚 人
48
男
文学テクストの読解理論研究,1960年代研究,メディア記号論研究
化
教授
小 林 英 信
62
男
教授
山 本 昭 彦
50
男
教授
池 田 成 一
53
男
ム
教授
杉 浦 直
61
男
論
准教授
海 妻 径 子
38
女
東
教授
砂 山 稔
60
男
ア
教授
川 本 榮三郎
59
男
現代普通話(漢語)の成立過程,魯迅の文体,中国文章論
准教授
小 島 聡 子
38
女
日本語(特に中古・中世の文法)の変遷に関する研究
教授
家 井 美千子
50
女
平安時代仮名散文の研究,和歌文学の研究
化
教授
樋 口 知 志
47
男
日本古代社会経済史の研究,古代出土文字資料の研究,東北辺境古代・
中世史の研究
論
准教授
中 村 安 宏
45
男
日本の儒学思想史,近世における政治と思想・文化との関係
教授
佐 藤 芳 彦
59
男
「近代国家」の財政史的・国制史的研究,イギリス・アイルランド間関
係史研究,イギリス「権限委譲」の史的研究
教授
岡 田 仁
64
男
20世紀イギリス文学,W.B.イェイツ
教授
齋 藤 博 次
52
男
ソール・ベロー研究,アメリカ60年代の「ニュー・ライターズ」の研究
教授
松 林 城 弘
48
男
第2言語習得論,英語教育論,機能的統語論
准教授
橋 本 学
45
男
生成文法形態論・統語論,認知言語学,言語習得理論
准教授
齋 藤 伸 治
45
男
変形生成文法理論,言語習得理論
准教授
小 林 葉 子
36
女
異文化理解,第ニ言語コミュニケーション学,応用言語学
教授
海老澤 君 夫
60
男
主として18・19世紀のドイツ文化,シラー及びヘルダーリンの作品
教授
能 登 惠 一
60
男
テクスト言語学,ドイツ語教授法
教授
山 口 春 樹
54
男
中世低地ドイツ言語学,中世北ドイツ・ハンザ史
教授
大 友 展 也
46
男
インタフェレンツ現象の総合的な研究,「インタフェレンツ言語学」の
確立
准教授
横 井 雅 明
46
男
現代フランス語のテンス・アスペクト,ギョーム派言語学
准教授
ブゴン・パトリス
50
男
ジャン・ジュネ研究
准教授
中 里 まき子
31
女
20世紀フランス小説
教授
笹 尾 道 子
64
女
ロシアのアニメ文化,ロシア語教授法,言語政策
教授
長 野 俊 一
57
男
革命的民主主義者の文学・美学理論と実践の研究,物語テクストにおけ
る(作者像の転換)の方法,ユートピア思想の研究
学
人
行
間
学
科
学
シ
ス
テ
国
臨床心理学における非言語的及び言語的行動の効果研究,向社会的行動
の規定因研究
PIL(人生の目的)テストのロゴセラピーへの応用,心身機能のセルフコ
ントロール,心理的ストレスの研究
発達障害児に対する心理療法ならびに母親に対する集団カウンセリング
の効果に関する研究
43
理
学
主な研究事
項
年齢 性別
織 田 信 男
心
ジ
平成19年4月1日
応用倫理学(生命倫理学,環境倫理学,情報倫理学)研究,現象学研
究,心の哲学研究
ロマンス諸言語の文献学的比較研究,諸言語の実験音声学的研究,言語
境界における言語接触の研究,キルト研究,キリシタン研究
スピングラスの相転移と動的応答,ニューラルネットワークのシミュ
レーション,シミュレーションの高速化技法の開発
トーマス・マンの研究,グリム童話研究,異文化間の文学批評,ファシ
ズム研究
ボードレールと19世紀の芸術批評,永井荷風,宮沢賢治,ユートピアの表
象
ヘーゲルの思想形成過程の研究,ヘーゲルに影響を与えた18世紀英仏思
想研究,ハーバーマスを中心とした現代欧米思想の研究
空間的過程としてのエスニシティ変容,社会空間組織と領域性に関する
社会地理学的研究,農村家屋形態の比較文化地理学的研究
近代日本における父性論の歴史的展開,男性性研究の理論と方法,ジェ
ンダーをめぐっての現代日本の諸課題
隋唐宋元道教思想史研究,唐宋八大家と道教との関係についての研究,
道教における女性観の研究
ア
際
文
文
欧
米
化
言
語
学
文
化
論
-1-
岩手大学人文社会科学研究科
資料1
人文社会科学研究科教員構成表
研究
専攻 教育 職 名
領域
社
主な研究事
項
年齢 性別
杭 田 俊 之
41
男
進化経済学,日本経済システム,企業と経済システムの進化理論
准教授
齊 藤 彰 一
37
男
リカードウからマルクスヘの経済学説の発展の性質の研究,特に剰余価
値論及び労賃論における発展の性質に関する研究
教授
菊 池 孝 美
55
男
フランスの対外経済関係,欧州統合,現代世界経済
教授
横 山 英 信
44
男
日本食糧政策論,地域農業論
准教授
藤 原 千 沙
36
女
社会保障論,労働経済学,社会政策学,福祉国家論
教授
丸 山 仁
43
男
縁の党と新しい社会運動,環境政治,現代ドイツ政治
教授
井 上 博 夫
56
男
政府間財政関係に関する研究,地域経済と財政,環境政策
経
教授
高 野 修
60
男
行政活動の違法性について,行政組織法研究
済
教授
田 口 典 男
55
男
経営管理,団体交渉,最低賃金と雇用
シ
教授
砂 山 克 彦
63
男
労働協約の研究,派遣労働の研究,福祉労働の研究
教授
松 岡 勝 実
44
男
財産法の諸問題,水法の研究
准教授
西 牧 正 義
40
男
担保物権法の研究
准教授
宮 本 ともみ
46
女
婚姻法の研究,日独婚姻法の比較
准教授
吉 田 夏 彦
49
男
会社の開示規定と企業秘密保護に関する研究
教授
内 田 浩
法
・
ス
・
名
准教授
学
会
氏
平成19年4月1日
テ
ム
環
45
男
結果的加重犯の研究,囚果関係論
クリアリー, ウイリ
准教授
アム バーナード
53
男
日米刑事訴訟手続の比較
准教授
江 原 勝 行
35
男
集団の人権諭,比較違憲審査制論
准教授
古 川 務
43
男
生態系管理法制の研究
准教授
笹 尾 俊 明
33
男
廃葉物・リサイクルの経済分析
准教授
塚 本 善 弘
38
男
教授
開 龍 美
52
男
教授
井 上 隆 義
64
男
教授
三 浦 康 秀
58
男
関数解析学における作用素環論,作用素論
教授
石 川 洋一郎
63
男
低次元微分可能多様体(結び目理論を含む),微分可能多様体上のリー
群の作用
准教授
大 西 良 博
45
男
代数的整数論,アーベル函数論,虚数乗法論
准教授
飯 田 雅 人
42
男
微分方程式論,生物数学
准教授
尾 薹 喜 孝
48
男
整数論,主に代数的側面からのアブローチ
教授
高 塚 龍 之
63
男
教授
西 崎 滋
52
男
教授
花 見 仁 史
48
男
准教授
山 内 茂 雄
42
男
X線天文衛星を利用した高エネルギー天体現象の観測
教授
吉 村 泰 樹
58
男
深度による土壌中アルミニウムの化学種変化及びアルミニウムの細胞膜
通過メカニズムの検討
教授
河 田 裕 樹
58
男
光化学反応における初期過程の研究,光触媒を用いた環境浄化の研究
教授
北 爪 英 一
56
男
教授
牧 陽之助
59
男
教授
竹 原 明 秀
48
男
境
環
シ
ス
境
テ
科
ム
学
地域社会における「公共性(公共圈)」論に関する研究,環境運動の資
源動員構造と参加者のアイデンティティ変容に関する研究
ディープ・エコロジーを中心とする環境思想,「居住」に関わる哲学的
人間学
19世紀後半の熱力学史,非可逆過程の熱力学史,科学研究の認識論的・
社会科学的諸問題
超新星物質の状態方程式と熱力学特性,中性子星コアの超流動,高温高
密度ハドロン物質の諸性質
微視的模型による原子核構造の研究,核構造と量子カオス,高密度核物
質の諸性質
宇宙における構造形成の物理過程の研究,形態形成とバターン認識,高
エネルギー天体現象の解明
高速向流クロマトグラフィー及びプラズマ発光分光分析法による微量分
析法の研究
微生物被膜の形成と維持機構,陸水生物群集の分布と動態に関する生理
生態学的研究
生態系における自然撹乱と主要構成植物の生活史諸特性との関連,湿原
植生,天然記念物の保存に関する基礎的研究
-2-
岩手大学人文社会科学研究科
資料2
1年制コース設立の趣旨・履修モデル(1年制コース(社会人対象)のご案内(抄))
岩手大学人文社会科学研究科社会・環境システム専攻
1年制コース(社会人対象)新設のご案内
岩手大学大学院人文社会科学研究科では、従来の2年制に加えて、社会人としての勤
務経験を有する人を対象とした1年制コースを平成19年度から開設します。
勤務経験には、ボランティア活動等の報酬を得ない活動経験も含みます。ふるってご
応募ください。
1.1年制コース開設の趣旨
(1)時間的に制約のある社会人にも大学院での研究機会を提供するため、1年間で修
士の学位が得られるようにします。
(2)次のような教育研究の機会を提供し、より高度な専門的能力を身につけることが
できるようにします。
①行政機関、企業等に勤務している方の研修・リカレント教育
②これから専門職業人をめざす方への専門的教育
③高度な生涯教育の機会の提供
(3)社会人としての経験をもとに、入学希望者の状況に応じて、入学前教育指導の体
制を整備する(入学前科目等履修)ことにより、2年制コースと同等の教育研究水準を
維持します。
2.履修モデルの例
1年制コースではどのような研究ができるかを例示するため、
「履修モデル」の例を
以下に紹介します。
これらは、あくまでも例示です。1年制コースの大学院生も、人文社会科学研究科で
開設しているすべての授業科目を履修することができます。各自の研究目的にあわせて、
指導教員と相談しながら履修計画を立ててください。
【公共政策モデル】 地域分析分野、家族政策分野、環境政策分野を例示しますが、こ
れは一例です。
地域分析分野、家族政策分野(省略)
岩手大学人文社会科学研究科
-3 -
資料2
1年制コース設立の趣旨・履修モデル(1年制コース(社会人対象)のご案内(抄))
環境政策分野
特定の政策分野(環境、福祉、農業)に関する専門知識、また広く政策マインドを身
につけたい社会人(例えば自治体職員、NPO関係者)のリフレッシュ教育に対応して
います。ここでは環境政策、中でも環境評価の手法を中心に学ぶことを想定して、履修
科目の一例を示してあります。テーマに直結する環境法政策論を中心に、環境政策に関
連する科目群を学びます。同時に、公共政策を体系的に理解する上で基礎となる知的素
養を身につけるために、法学・政治学系科目、経済学系科目の中から必要な科目を学ぶ
ことができます。
公共政策モデル(環境政策分野)
期間等
履修する授業科目等(授業科目は一例)
合 格 発 表 主・副指導教員の決定
後
入学前指導の開始→入学前レポートの作成指導など
4月
研究計画書の作成
入学前レポートの提出
週1コマ開講科目の履修
政治学A特論(2単位)
行政法A特論(2単位)
財政学特論Ⅰ(2単位)
景観植生論特論(2単位)
水環境生態論特論(2単位)
環境法政策特別演習演習Ⅰ(2単
位)
9 月 下 研究中間報告
旬
10月
学位論文の題目提出
この間、密度の濃い研究指導
2月
週1コマ開講科目の履修
政治学B特論(2単位)
行政法B特論(2単位)
財政学特論Ⅱ(2単位)
環境経済論特論(2単位)
環境法政策特別演習Ⅱ(2単位)
学位論文または特定研究課題の提出
(特別研究指導 8単位)
合計30単位
1.30 単位の履修には、本研究科の「科目等履修生」としての履修単位を含めること
ができる。
2.
本学の他研究科又は他大学院の履修科目で、本研究科が認定したものは、それ
ぞれ 8 単位、10 単位まで本研究科で履修したものとみなすことができる。
【知的財産法専修モデル】
(省略)
岩手大学人文社会科学研究科
-4 -
資料3
修士論文公開発表会プログラム等 (チラシ)
平成19年度 人文社会科学研究科
修士論文公開発表会
2 20
□日 時
平成20年
□場
月
日(水)9時∼17時30分
所
G1大講義室(岩手大学学生センター棟1階) どなたでもご参加頂けます。
学部学生の皆さんも是非ご参加下さい。
□プログラム
この発表会は、修士論文作成者が、自身の
研究内容を専門外の方に平易に説明し、研究
成果を広く社会に公開するとともに、発表・
意見交換を通じて研究の一層の深化とプレゼ
ンテーション能力を磨く場と位置づけられて
おります。
【研究科長挨拶:9時∼ 】
人文社会科学研究科長 砂 山 克 彦
【 午前の部:9時10分∼12時20分】
石
垣 まりこ[人間科学(臨床心理学)]
大学生の精神的健康と自己愛との関連―質問紙調査と事例研究をとおして―
小 川 香 織[人間科学(臨床心理学)]
絵本の読み聞かせの心理療法的効果の検討―小児科の診療待ち時間における読書療法的アプローチ―
角 田 しのぶ[人間科学(臨床心理学)]
ソーシャル・サポートによる非行抑止効果の検討―事例と統計的手法を用いて―
菊 地 文 子[人間科学(臨床心理学)]
大学生の心身の健康と空想との関連について―QOSLと空想内容を中心に―
(休憩:10時30分∼10時40分)
小田桐 明 香[人間科学(臨床心理学)]
支援的関わりによる別室登校生徒の成長に関する一考察―対人恐怖的心性に着目して―
新 田 静 技[人間科学(行動科学)]
制御焦点および自己の可変性と精神的健康との関連について
林
あずさ[人間科学(行動科学)]
ストレス・コーピングの柔軟性と精神的健康の関連について
杉 浦 幸 恵[国際文化学(文化システム論)]
安部公房『箱男』における語りの重層性
シャルル マルタ デウイ スシロ[国際文化学(文化システム論)]
村上春樹の初期作品について―背景も視野に入れながら―
【 午後の部:13時20分∼17時30分 】
エフセエワ エカテリーナ[国際文化学(文化システム論)]
ロシアから見た宮沢賢治童話の動物
下 家 美 里[国際文化学(文化システム論)]
「銀河鉄道の夜」の「父」と子
山 崎
俊[国際文化学(文化システム論)]
明治・大正時代の服飾についての一考察―過渡期の共通点―
李
玉 燕[国際文化学(東アジア文化論)]
近代知識人の天皇観 ―福沢諭吉と植木枝盛を中心に
佐 藤 貴 子[国際文化学(欧米言語文化論)]
イギリス封建王政と聖職者身分―叙任権問題と聖職者課税問題を中心として―
岡 崎 まりえ[国際文化学(欧米言語文化論)]
統一ドイツと『心の壁』―そのメカニズムの考察―
(休憩:15時20分∼15時30分)
北
川 あず美[国際文化学(欧米言語文化論)]
An Experimental Study of Language Learning Strategies : Particular Focus on the Patterns of Strategy Use by Japanese University
Learners of English
殷
佩 瑜[社会・環境システム(法学・経済システム)]
中山間地域農業振興における畜産物産直の意義と課題―岩手県久慈市山形町と「大地を守る会」との日本短角牛産直を事例として―
大 川 希 恵[社会・環境システム(法学・経済システム)]
南アフリカの対アフリカ直接投資
張
雅 青[社会・環境システム(法学・経済システム)]
中国の通貨制度の変遷と人民元の切り上げについて
藤 澤 康 子[人間科学(行動科学)]
精神障害者の自助活動に関する調査研究
熊 谷 智 義[社会・環境システム(環境科学(1年制))]
高齢者による環境活動と地域形成―岩手県内老人クラブ活動の事例研究―
□懇親会
時間 : 18時00分∼20時00分
場所 : インシーズン
参加費 : 学生 無料、 教職員等 1,000円
岩手大学人文社会科学研究科
-5 -
資料4
国際交流協定締結校への派遣留学生募集要項
岩手大学人文社会科学部国際化プロジェクトに基づく
国際交流協定締結校への派遣学生募集要項
1 目的
岩手大学人文社会科学部国際化プロジェクトに基づき,国際交流協定締結校に留学を希望す
る人文社会科学部の学生を対象に経費の補助を行い,留学へのインセンティブの促進と学部の
今後の国際化の推進に寄与することを目的とする。
2 派遣対象時期
平成19年8月から平成20年3月31日の間に国際交流協定締結校に留学する者を対象と
する。
3 派遣先
国際交流締結校:
サンクト・ペテルブルグ国立文化芸術大学(ロシア)
テキサス大学オースティン校,アーラム大学(アメリカ合衆国)
セント・メアリーズ大学(カナダ)
明知大学校(大韓民国)
ボルドー第3大学(フランス共和国)
寧波大学(中華人民共和国)
4 派遣対象者
人文社会科学部日本人学生(大学院生を含む。)
5 派遣予定人員
7人程度
6 経費補助
1人につき7万円を限度とする。
7 選考
申請書に基づき,面談の上決定する。
※ 面談は,7月30日(月)16:30からミーティングルーム(1号館1階)で行いま
す。詳しい時間は,申し込み時にお知らせします。
第2回募集の面談は,改めてお知らせします。
8 締め切り
第1回:平成19年 7月27日(金)
第2回:平成19年12月14日(金)
9 申込先
人文社会科学部事務室
10
問い合わせ先
人文社会科学部国際文化課程
齋藤博次教授(1号館417号室)
電話 621−6742
岩手大学人文社会科学研究科
-6 -
岩手大学教育学部
3.教育学部
Ⅰ
教 育学 部の 教育 目的と 特徴
・ ・・・ ・・ ・・ ・3 −2
Ⅱ
分 析項 目ご との 水準の 判断
・ ・・・ ・・ ・・ ・3 −4
Ⅲ
分 析項 目Ⅰ
教育 の実 施体 制
分 析項 目Ⅱ
教育 内容
・ ・・・ ・・ ・・ ・・ ・3− 7
分 析項 目Ⅲ
教育 方法
・ ・・・ ・・ ・・ ・・ ・3−10
分 析項 目Ⅳ
学業 の成 果
分 析項 目Ⅴ
進路 ・就 職の 状況
質 の向 上度 の判 断
・ ・・ ・・ ・・ ・3− 4
・・・ ・・ ・・ ・・ ・3−11
・・ ・・ ・・ ・3−12
・ ・・ ・・ ・・・ ・・ ・・ ・3 −15
31-
岩手大学教育学部
Ⅰ
教育学部の教育目的と 特徴
1
教育 目 的
教 育 学部 で は 、広 い 教 養 と 豊 か な人 間 性 を 基 盤 と し た、幅 広 い視 野 と 専 門 的 な 能力 を 持
つ 学 校教 員 、地 域 社 会 に おけ る 生 涯 教 育 の 指導 者 及 び芸 術 文 化 活 動 の 指導 者 の 養 成 を 目 的
と し てい る 。そ のた め に 総 合 的 知識 と 実 践 力 及 び 豊 かな 表 現 力 を 修 得 させ 、地 域の 学 校 や
社 会 に貢 献 で き る 人 材 を育 成 す る こ と を 教育 目 的 とし て い る 。
2
組織 編 成 の 特 徴
教 育 学部 は 、3 課 程 7 コ ー ス に編 成 さ れ て お り 、と く に 小 学 校 教育 コ ー ス に 所 属 する 学
生 は 、全 教 科 の 知 識 技 能の 習 得 に 加 え 、 得意 分 野 の形 成 を 図 っ て い る。
教 員 は 、全学 一 元 化 教 員 組 織で あ る「 学 系 」に 所 属 し 、教員 の 研 究 組 織 と 学部 教 育 体 制
を 分 離す る と と も に 、 学部 の 枠 を 越 え て 協力 し 合 う教 育 体 制 と し た 。
3
入学 者
ア ド ミッ シ ョ ン ポ リ シ ーを 設 定 し、こ れ に 応 じ た 複 数の 入 学 試 験 を 実 施し 、受 験生 に 配
慮 し てい る 。ま た、オ ー プ ン キャ ン パ ス や 入 試 説 明 会、高 校 生 の 大学 見 学 等 で 積 極 的に 志
願 者 に情 報 を 与 え て い る 。入 学者 状 況 は 、過 去 4 年 間の 平 均 実 入 学 者 数が 約 1.1 倍 で あ り、
入 学 定員 と 実 入 学 者 数 の比 率 は 適 正 な 範 囲に あ る 。
4
FD 活 動と 授 業 改 善
全 学 教員 を 対 象 と し た FD 活 動 の ほか 、アイ ア シ ス タン ト( 全学 統 一 拡 張 Web シラ バ ス )
の 運 用に よ る 日 常 型 FD 活 動 を 行 って い る 。教 育 学 部独 自 の FD 的 活 動 と し て、岩 手 県 教 育
研 究 ネ ッ ト ワ ー ク (IEN)と の 連 携 に よ る 講 演 会 ・ シ ン ポ ジ ウ ム 等 を 実 施 し 、 さ ら に 学 生 に
よ る 授業 評 価 ア ン ケ ー トを 実 施 し て い る 。
5
教員 養 成 の 充 実
平 成 18 年 度 に「 実 践的 指 導 力 の 育 成 を目 指 す 教 員 養成 改 革 プ ロ ジ ェ クト 」を 立 ち 上 げ 、
模 擬 授業 や 授 業 検 討 カ ンフ ァ レ ン ス を 導 入し て 、学 校現 場 の 課 題 に 密 着し た 授 業 を 展 開 し
た。
6
地域 の 教 育 関 係 者 との 連 携
小 規 模学 校 や 複 式 学 級 を多 く も つ 地 域 の 教育 委 員 会の 要 請 に 応 え て 、平 成 15 年 度 か ら
継 続 して い た 地 域 教 育 実習 を 、 平 成 19 年 度に 新 た な授 業 科 目 「 小 規 模学 校 教 育 論 」 と し
て 開 設し た 。ま た、県 教 委 や 市町 村 教 委 の 要 請 を 受 けて 、学 生 派 遣に よ る イ ン タ ー ンシ ッ
プ を 実施 し た 。
な お 、 岩 手 県 教 育 研 究 ネ ッ ト ワ ー ク ( IEN) と 連 携 し て 公 開 講 座 ・ 公 開 授 業 ・ シ ン ポ ジ
ウ ム ・出 前 講 座 等 に 取 り組 ん だ 。
7
主体 的 な 学 習 の 促 進
ア イ アシ ス タ ン ト の 学 習支 援 機 能 に よ っ て、教 室 外 学習 を 効 果 的 な も のに し 、さら に オ
フ ィ スア ワ ー を 登 録 し 、教 員 と学 生 と の 双 方 向 的 学 習を 成 立 さ せ 、主 体 的 な 学習 を 促 し た。
平 成 16 年 度 ∼平 成 19 年 度 に 学 生 に よ る授 業 評 価ア ン ケ ー ト を 実 施し て お り 、授 業 満 足
度 は 年度 を 追 う 毎 に 評 価点 が 上 昇 し て い る。
32-
岩手大学教育学部
8 現代 G P の 採 択
平 成 17 年 度 に 現 代 GP とし て「 各 学 部の 特 性 を 生 か した 全 学 的 知 的 財 産教 育 」が 採 択さ
れ て おり 、専 門 教 育 科 目 でも「 知 的 財 産 教 育 」に つ いて 取 り 上 げ た 。平 成 18 年 度 から は 、
現 代 GP に 採 択 さ れ た 「 持続 可 能 な 社 会 の ため の 教 養教 育 の 再 構 築 : 『学 び の 銀 河 』 プ ロ
ジェクト」が全学共通教育科目と専門教育科目において導入され、環境教育を重視した
ESD( Education for Sustainable Development) を 推 進 し て いる 。
[想 定 す る 関 係 者と そ の 期 待]
教 育 学部 が 想 定 す る 関 係者 と は 、受 験 生、在 学 生 、教 員 や 教 育 委 員 会等 の 地 域 の 教 育 関
係 者 及び 企 業 で あ る 。こ れ ら の関 係 者 か ら 、総 合 的 知識 と 実 践 力 及 び 豊か な 表 現 力 を 備 え、
地 域 の学 校 や 社 会 に 貢 献で き る 人 材 の 育 成を 期 待 され て い る 。
33-
岩手大学教育学部 分析項目Ⅰ
Ⅱ
分析項目ごとの水準の 判断
分析項目Ⅰ 教育の実施体 制
(1)観点毎の分析
観点1 基本的組織の編成
(観 点 に 係 る 状 況)
教 育学 部 で は 、学校 教 育 教 員 養 成 課程・生 涯 教 育 課程・芸 術 文 化課 程 の 3 課 程 7 コー ス
を 編 成し て 、 地 域 の 学 校や 社 会 に 貢 献 で きる 人 材 を育 成 し て い る ( 表1 ) 。
表1 : 学 部 の教 育 課 程・コ ー ス( サ ブ コー ス )
学部
定員
課
程
課程定員
教
学校教育教員養成課
育
程
学
250
160
50
芸術文化課程
40
部
生涯教育課程
コース
コース定員
小学校教育コース
110
中学校教育コース
40
特別支援教育コース
10
生涯教育コース
30
スポーツ教育コース
20
造形コース
30
音楽コース
10
備
小学校教育コースのサブコース
考
国 語 、書 道 、社 会 、数 学 、理 科 、音 楽 、美 術 、保 健 体 育 、技 術 、家 政 、英 語 、特 別 支 援 教 育 、
職業指導、教育学、心理学、教育実践学
( 出典 : DATA of Iwate University 2006, 平 成 20 年 度 入 学者 選 抜 要 項, 岩 手 大学 平 成 20
年 度大 学 案 内 )
な お、小 学 校 教育 コ ー ス は サ ブ コー ス を 設 け、地 域 の小 学 校 教 員 と し ての 教 育 研 究 活 動
で 力 量を 発 揮 で き る よ うに 、 得 意 分 野 の 形成 を 図 って い る 。
入 学 者受 け 入 れ に 当 た って は 、 ア ド ミ ッ ショ ン ポ リシ ー を 設 定 し 、 これ に 応 じ た 複 数
の 入 学試 験( 一 般 選 抜 、推 薦入 試 、社 会 人 特 別 選 抜 )を実 施 し 、受 験 生 に 配慮 し て い る 。
ま た 、オ ー プ ン キ ャ ン パス ( 公 開 説 明 会 )や 入 試 説明 会 、 高 校 生 の 大学 見 学 等 、 積 極 的
に 志 願者 に 情 報 を 提 供 して い る 。
入 学者 状 況 (表2 )は、過 去 4 年間 の 平 均 実 入 学 者 数が 約 1.1 倍 で あ り、入 学 定員 と 実 入
学 者 数の 比 率 は 適 正 な 範囲 に あ る 。 平 成 17 年 度 か ら、 学 校 教 育 教 員 養成 課 程 中 学 校 教 育
コ ー スで は 科 毎 の 募 集 を廃 止 し 、「 言 語・社 会 系 」「 理 数・生 活・技術 系 」「 実 技 系 」に
分 か れた 系 別 入 試 を 実 施し た 。
表2 : 過 去 4年 間 の 入 学者 状 況
年度
募 集人 員 志 願者 数 ( 倍 率) 受 験者 数 合 格者 数 入 学者 数
平成
平成
平成
平成
16
17
18
19
年度
年度
年度
年度
250
250
250
250
名
名
名
名
1120
920
1161
951
名 (4.5)
名 (3.7)
名 (4.6)
名 (3.8)
853
735
897
693
名
名
名
名
( 出典 : 教 授 会資 料 )
教 育 学部 専 任 教 員 の 現 員配 置 は 表 3 の と おり で あ る。
表 3: 教 育 学 部現 員 配 置一 覧 表 ( 平成 19 年 4 月 現 在)
34-
298
302
290
292
名
名
名
名
280
296
275
277
名
名
名
名
岩手大学教育学部 分析項目Ⅰ
科
人員
教授
准 教授
講師
科
人員
教授
准 教授
講師
国語教育科
6
4
1
1
保健体育科
9
6
3
0
社会教育科
9
5
4
0
技術教育科
5
3
2
0
数学教育科
6
3
2
1
家政教育科
6
3
3
0
理科教育科
9
7
2
0
特別支援教育科
4
3
1
0
英語教育科
6
3
3
0
学校教育科
7
4
3
0
音楽教育科
6
2
4
0
実践総合センター
3
2
1
0
美術教育科
9
6
3
0
計
85
51
32
2
( 出典 : 教 育 学部 教 員 配置 数 ・ 現 員表 )
平 成 19 年 度 に学 校 現 場 を 熟 知 した 実 務 家 教 員 の 採用 を 決 め 、 さ ら にも う 1 名 を 公 募 中
で あ る。
学 部 収容 学 生 数 に 対 す る教 員 1 人 当 た り の学 生 数 は 13.7 名 とな っ て お り 、 少 人数 教 育
な ど きめ 細 か い 教 育 を 展開 し て い る 。
専 任 教員 は 公 募 に よ っ て採 用 し て い る。年 齢 層 は 偏 って お ら ず 、性 別 で も 女 性 が 12.9%
で あ る( 表 4 ) 。
表4 : 教 育 学部 教 員 の 年齢 ・ 性 別別 分 布 ( 平 成 19 年 4 月 現 在 )
年 齢・ 性 別 ∼24 25∼34 35∼44 45∼54 55∼64 男
女
計
人数
0
2
14
31
38
74
11
85
( 出典 : 大 学 情報 デ ー タベ ー ス )
岩 手 大学 で は 平 成19年 度よ り 、教 員 組 織 を 全 学 一 元 化す る「 学 系 」制 度 を 導 入 し 、教員
の 研 究組 織 と 教 育 体 制 を分 離 す る と と も に 、学 部 の 枠を 越 え て 協 力 し 合う 教 育 体 制 に し た。
こ の こと に よ り 、 学 生 が幅 広 い 視 野 と 専 門的 な 能 力を 修 得 で き る よ うに し た 。
平 成 18 年 度 に は 、 全 学的 な 教 員 養 成 実 施体 制 と して 、 「 岩 手 大 学 教員 養 成 機 構 」 を 設
置 し た。 平 成 20 年 度 か ら 専 任 教 員1 名 を 採 用 し て 、免 許 更 新 講 習 の 実施 体 制 を 整 え た 。
観点2
教育内容、教育方 法の改善に向 けて取り組む体制
(観 点 に 係 る 状 況)
大 学 教育 総 合 セ ン タ ー が、 全 学 教 員 を 対 象と し た 多様 な FD 活 動 を 実施 し て お り 、 教 育
学 部 から も 参 加 し て い る( 表 5 ) 。
表 5 全 学 FD 合 宿研 修 会 : 教育 学 部 の 参加 者 数
平成 16 年度
平成 17 年度
平成 18 年度
平成 19 年度
10 名
10 名
8名
5名
( 出典 : 大 学 教育 総 合 セン タ ー 年 次報 告 及 び 合 宿 研修 会 の 栞 より 集 計 )
ま た 、ア イ ア シ ス タ ン ト( 全 学 統 一 拡張 Web シ ラ バス ) の 平 成 19 年 度 から の 運 用 に よ
っ て、授 業 計 画 と実 施 内 容 と の 比較・検 討 を可 能 に し、日 常 型 FD 活 動 の体 制 を 確 立 し た 。
さ ら に教 育 学 部 ・ 教 育 学研 究 科 で は FD 活動 の 一 環 とし て 、 岩 手 県 教 育研 究 ネ ッ ト ワ ー
ク (IEN) と 連 携 し 、 講 演 会 ・ シ ン ポ ジ ウ ム 等 を 実 施 し た ( 表 6 ) 。 【 別 添 資 料 1 : 題 目
一 覧 表】
35-
岩手大学教育学部 分析項目Ⅰ
表6
教 育 学部 FD 的 活 動 の 実施 回 数
平成 16 年 平成 17 年度
平成 18 年度
平成 19 年度
度
講 演会
3回
1回
3回
2回
シ ンポ ジ ウ ム
1回
1回
セ ミナ ー
1回
2回
教 員研 修 会
2回
カ ンフ ァ レ ン ス研 究 会
1回
1回
( 出典 : 大 学 情報 デ ー タベ ー ス 及 び教 育 学 部 地 域 貢献 事 業 報 告書 か ら 集計 )
半 期 毎に 全 教 員 の 専 門 教育 の 1 授 業 科 目 につ い て 、学 生 に よる 授 業 評 価 ア ン ケー ト を 実
施 し、そ の 結 果 を 周知 し て い る ほ か、「 学 生 と 学 部 長と の 懇 談 会 」を 年 2 回 実 施 し て学 生
の 学 習環 境 改 善 の 要 望 を把 握 し 、 こ れ ら の要 望 を 全教 員 に フ ィ ー ド バッ ク し て い る 。
こ れ ら学 生 の 声 に 応 え、各 教 員 は 授 業改 善 に 取 り 組 み、改 善 結 果 を Web サ イ ト に 公 開し
て い る。
教 員養 成 の 専 門 学 部 とし て 、中期 目 標 に あ る「教 員 養 成 系 学 生に 対 し て の 教 育の レ ベ ル
ア ッ プを 図 る 」 こ と に 取り 組 み 、 平 成 18 年度 に 「 実践 的 指 導 力 の 育 成を 目 指 す 教 員 養 成
改 革 プロ ジ ェ ク ト 」 を 立ち 上 げ た (表 7)。 平 成 18 年 度 には 、 教 育 実 習 に おけ る 研 究 授 業
で 授 業検 討 カ ン フ ァ レ ンス を 実 施 し 、 さ らに 平 成 18 年 12 月 と 平成 19 年 2 月 に 学 習 会 を
開 催 、平 成 19 年 3 月 に 第 1 回 カ ン ファ レ ン ス 研 究 会を 開 催 し た 。 平成 19 年 度 の 活 動 は、
別 添 資料 を 参 照【 別 添 資 料 2:実 践 的指 導 力 の 育 成 を目 指 す 教 員 養 成 改革 プ ロ ジ ェ ク ト( 平
成 19 年 度 の 取 組状 況 ) 】 。
表 7 「 実 践 的指 導 力 の育 成 を 目 指す 教 員 養 成 改 革プ ロ ジ ェ クト 」 の 事業 内 容
1.プロジェクト運営協議会の設置及びプロジェクト推進委員会の設置
2.模擬授業室の設置及び模擬授業の導入
3.授業検討カンファレンス*の実施
4.カリキュラム改革の推進
*授業検討カンファレンスとは、模擬授業、学校現場での教育体験、研究授業等の教育実践事例を
取り上げ、学級経営・教科指導・生徒指導等の観点別カンファレンスと、それらを統合する総合的
なカンファレンスの両面から、多重的に協同検討を行う。参加者の授業観や子ども観等に基づく科
学的・多面的な意見交流を通して、体験を理論知に高める。
(出 典 : 「岩 手 大 学教 育 学 部 カン フ ァ レ ンス 研 究 」No.1)
岩 手 県 教 育 委 員 会 等 と 連 携 し て 取 り 組 む 「 教 員 養 成 改 革 プ ロ ジ ェ ク ト 運 営 協 議 会 」 (表
8)で は 、 プ ロ ジェ ク ト の 企 画 、 立案 、 評 価 等 を 行 い( 平 成 19 年 3 月 26 日 第 1 回 、 平 成
20 年 3 月6 日 第 2 回 ) 、模 擬 授 業 と 授 業 検討 カ ン ファ レ ン ス を 含 め 、学 校 現 場 の 課 題 に
密 着 した 教 育 活 動 の 展 開を 促 進 し た 。
表 8 「 実 践 的指 導 力 の育 成 を 目 指す 教 員 養 成 改 革プ ロ ジ ェ クト 運 営 協議 会 」 委 員の 構 成
会長
加藤義男
教 育 学 部 学 部 長 特 別 補 佐 (教 育 学 部 教 授 )
副会長
菊池敏広
越 秀敏
教育学部附属中学校副校長
岩手県教育委員会学校教育室義務教育担当課長
夏井敬雄
岩手県総合教育センター教科領域教育室長
吉村泰樹
岩 手 大 学 教 員 養 成 機 構 委 員 (人 文 社 会 科 学 部 教 授 )
押切源一
教 育 学 部 学 務 委 員 長 (教 育 学 部 教 授 )
塚野弘明
教 員 養 成 改 革 プ ロ ジ ェ ク ト 推 進 委 員 会 委 員 長 (教 育 学 部 准 教 授 )
八重樫勝
教育学部客員教授
(出 典 : 「岩 手 大 学教 育 学 部 カン フ ァ レ ンス 研 究 」No.1)
(2)分析項目の水準及び その判断理由
( 水 準) 期 待 さ れ る 水準 に あ る 。
( 判 断理 由 )
小 学 校教 育 コ ー ス に サ ブコ ー ス を 設 け 、学 校現 場 に おい て 実 践 的 指 導 力が 発 揮 で き る
36-
岩手大学教育学部 分析項目Ⅰ.Ⅱ
得 意 分野 の 形 成 を 図 る 教育 実 施 体 制 を 採 用し 、力 量 のあ る 教 員 を 望 ん でい る 地 域 の 教 育 関
係 者 の期 待 に 応 え て い る。
志願者や高等学校の要望に応え、学部教育と入学試験に関する情報を積極的に提供し、
複 数 の入 学 試 験 も 実 施 して い る 。
教 育 内容 ・ 方 法 の 改 善 体制 に つ い て は 、 全学 教 員 を対 象 と し た FD 活 動 や 、IEN と 連 携
し た 学部 の FD 活 動 を 実 施し て お り 、 ま た 、学 生 に よる 授 業 評 価 ア ン ケー ト 結 果 を 踏 ま え
て 授 業改 善 に 反 映 し、そ の 成 果 も公 開 す る な ど 、学 生 の 期 待 に 応え た 教 育 の た めの 改 善 が
進 ん でい る 。
ま た、学 生 及 び地 域 の 教 育 関 係 者の 期 待 に 応 え 、学 校 現 場 の 課題 に 密 着 し た 教 育実 施 体
制 と して 、 平 成 18 年 度 に「 実 践 的 指 導 力 の育 成 を 目指 す 教 員 養 成 改 革プ ロ ジ ェ ク ト 」 を
岩 手 県教 育 委 員 会 等 と 連携 し て 立 ち 上 げ た。
分析項目Ⅱ 教育内容
(1)観点ごとの分析
観点 教育課程の編成
(観 点 に 係 る 状 況)
本 学の 履 修 科 目 は 、「 全 学 共 通教 育 科 目 」「 専 門 教育 科 目 」「 教 職 教 育 科目 」「 国 際 交
流 科 目」 に 分 か れ て い る( 表 9 ) 。
表 9 全 学 共 通教 育 科 目の 科 目 区 分
全学共通教育科目
転換教育科目
「基礎ゼミナール」
教養科目
「人間と文化」「人間と社会」「人間と自然」の科目群,
総合科目,高年次課題科目,環境教育科目
共通基礎科目
外国語科目,健康・スポーツ科目,情報科目
( 出典 : 平成 19 年度 履 修 の 手引 き )
教 育 学部 で は 、全学 共 通 教 育 科 目 を卒 業 認 定 単 位 の 約 25%を 配 置 し て い る。平 成 18 年
度 か ら、 現 代 GP に 採 択 され た 「 持 続 可 能 な社 会 の ため の 教 養 教 育 の 再構 築 : 『 学 び の 銀
河』プ ロ ジ ェ ク ト」が 全 学 共 通教 育 科 目 と 専 門 教 育 科目 に 導 入 さ れ、環 境 教 育 を 重 視し た
ESD を 推 進 し て い る。こ う し た 教育 内 容 に よ り 、広い 教 養 と 豊 か な人 間 性 を 培 い、総 合 的
知 識 を修 得 さ せ て い る 。
学 校教 育 教 員 養 成 課 程で は 、小 学 校 一 種 、中 学 校 一種 、高 校 一 種 、幼 稚 園 、特 別支 援 学
校 一 種の 教 員 免 許 を 複 数取 得 で き る 教 育 課程 を 備 えて い る 。生涯 教 育 課 程、芸 術 文 化 課 程
で は 、そ れ ぞれ の コ ー ス・選 修 で定 め ら れ た 中 高 教 員免 許 の ほ か 、社 会 教 育主 事 、博 物 館
学 芸 員、 公 認 ス ポ ー ツ 指導 者 等 の 資 格 取 得が 可 能 な教 育 課 程 を 備 え てい る 。
教 育 学部 の 専 門 教 育 科 目の 必 修 科 目 や 卒 業要 件 は、各 課 程・コ ー ス によ り 異 な っ て い る
が、教 育 目 標 と 授業 内 容 の 一 貫 性を 持 っ た カ リ キ ュ ラム を 構 築 し て、実 践 力 及 び豊 か な 表
現 力 を修 得 さ せ て い る ( 表 10) 。
37-
岩手大学教育学部 分析項目Ⅱ
表 10
1 年次
2年次
3年次
4年次
教 育学 部 の カ リキ ュ ラ ム
学校教育教員養成課程
基礎ゼミナール
■教職専門科目
観察実習
■課程共通科目
教育概論
ボランティア論
コ ー ス 分 け( サ ブ コ ー ス / 1 年 次
末)
■所属専門科目
所属するサブコースの教科専
門科目を学ぶ
特 別 支 援 教 育 概 説( 特 別 支 援 サ
ブコース)など
■教職専門科目
(各教科)教育法など
■教職専門科目
教育実習研究
教育実習
■卒業研究(卒業論文)
生涯教育課程
芸術文化課程
初期教育科目・1 年次前期
学部共通科目・1 年次前期
※生涯教育課程・芸術文化課程は選択科目
■課程共通科目
芸術へのいざない
芸術表現の歴史
■コース基礎科目
生涯学習概論
地域生活論
生涯スポーツ指導
論など
■コース共通科目
造形表現入門
音楽表現入門
■コース発展科目
所属する研究室の造
形 実 習 、音 楽 実 習 な ど
を学ぶ
学部共通科目・3年次
※生涯教育課程・芸術文化課程は選択科目
■コース発展科目
共生の倫理学(地
域文化専修)
社会生活と日本語
(日本語文化専
修)
生活と環境(生活
システム専修)
スポーツ学特別演
習(スポーツ教育
専修)
■卒業研究(卒業論
文)
■卒業研究
(卒業論文)
(卒業制作)
(卒業演奏)
(卒業作品)
( 出 典 : 岩 手 大 学 平 成 20 年 度 大 学 案 内 )
ま た 、平 成 18 年 度 か ら、 全 学 的 支 援 の 下に リ ベ ラ ルア ー ツ 分 野 の 強 化を 図 り 、 他 学 部
教 員 の担 当 に よ る 専 門 教育 科 目 9 科 目 を 指定 し た 。
3 年 次に 必 修 科 目 と し て「 総合 演 習 」を 履 修 さ せ 、提 示 され た テ ー マ に つ い て 、議 論 ・
調 査・レ ポ ー ト 作 成・発 表 に 取り 組 ま せ 、表現 力 を 高め る と と も に 専 門教 育 へ の 転 換 教 育
機 能 を持 た せ 、教 員と し て 必 要 な 幅 広い 見 識 の 形 成 をめ ざ し て い る。ま た 、本学 で は 平 成
17 年 度 に、現 代 GP と し て「 各学 部 の 特 性 を 生 か し た全 学 的 知 的 財 産 教育 」が 採 択 され て
お り 、「 総 合 演 習 」 の 中で も 「 知 的 財 産 教育 」 に つい て 取 り 上 げ た 。
卒 業 研究 の 着 手 条 件 と して 、全 学共 通 教 育 28 単 位 以上 、専 門科 目 65 単位 以 上 を 設 定 し
て い る。 教 育 実 習 ・ 教 育実 習 研 究 の 受 講 資格 と し ては 、 全 学 共 通 教 育 24 単 位 以 上 、 専 門
科 目 30 単 位 以 上を 必 要 と し 、 学 業へ の 真 摯 な 取 り 組み を 促 し て い る 。
教 育 実習 に つ い て は、1 年 次 に 観 察実 習 、3 年 次 に 教育 実 習 研 究 及 び 主免 実 習 、4年 次
に 副 免実 習 を 実 施 し て いる 。平 成 21 年 度 より 2 年 次に お い て「学 校 体 験 実 習」を 新 設 し 、
4 年 一貫 教 育 実 習 シ ス テム を 完 成 さ せ る こと を 、 平 成 19 年 度に 決 定 し た 。
平 成 15 年 度 よ り 、 町 村の 教 育 委 員 会 よ り要 請 を 受け 、 小 規 模 学 校 での 実 地 教 育 と な る
38-
岩手大学教育学部 分析項目Ⅱ
地 域 教 育 実 習 と し て の 学 生 派 遣 を 始 め 、 現 在 ま で 継 続 し て 実 施 し て い る (表 11)。 こ の 地
域 教 育実 習 を 、 平 成 19 年度 よ り 新 た な 授 業科 目 「 小規 模 学 校 教 育 論 」と し て 開 設 し た 。
ま た 、学 校 教 育 教 員 養 成課 程 の 必 修 科 目 とし て 「 特別 支 援 教 育 」 を 新設 し た 。
表 11 地 域教 育 実 習 の活 動 実 績
年度
実 習地 域
参 加学 生
参 加教 員
数
数
平 成 16 年 葛 巻町 : 星 野 小学 校 , 葛巻 中 学 校
80 名
15 名
度
沢 内村 : 貝 沢 小学 校 , 沢内 中 学 校
大 東町 : 中 川 小学 校 , 猿沢 中 学 校
平 成 17 年 住 田町 : 上 有 住小 学 校 ,遠 野 市 : 青笹 中 学 校
53 名
19 名
度
葛 巻町 : 馬 淵 小学 校 , 葛巻 中 学 校
普 代 村: 鳥 茂 渡 小 学校 ・ 黒 崎 小 学校 ・ 普 代 小 学 校 ,
普 代中 学 校 ,
沢 内 村: 川 舟 小 学 校, 沢 内 中 学 校, 新 町 保 育 所 , 栴
檀 保育 所 , 川 舟保 育 所
平 成 18 年 葛 巻町 : 江 刈 小学 校 , 葛巻 中 学 校
46 名
11 名
度
普 代村 : 堀 内 小学 校 , 普代 小 学 校 ,普 代 中 学 校
西 和 賀町 : 川 舟 小 学校 , 沢 内 中 学校 , 新 町 保 育 所 ,
栴 檀保 育 所 , 川舟 保 育 所
平 成 19 年 葛 巻町 : 江 刈 小学 校 , 江刈 中 学 校
46 名
11 名
度
西 和賀 町 : 川 舟小 学 校 ,沢 内 中 学 校
普 代村 : 普 代 小学 校 , 普代 中 学 校
( 出典 : 教 育 学部 地 域 貢献 事 業 報 告書 か ら 集 計 )
な お 、 平 成 19 年 度 に 、 よ り 実 践 的 な 内 容 の 教 員 養 成 カ リ キ ュ ラ ム へ の 改 革 を 平 成 21
年 度 より 実 施 す る こ と を決 定 し た 。
観点
学生や社会からの要 請への対応
(観 点 に 係 る 状 況)
北 東 北国 立 3 大 学( 弘 前・秋 田 )、岩 手 5 大学( 岩 手 県 立 大学・岩 手 医 科 大 学・富 士 大
学・盛 岡 大学 )、放 送 大 学 と の 単 位互 換 の 協 定 を 結 び 、単位 認 定 を し て い る 。科目 等 履 修
生 制 度も 整 備 し て い る 。
外 国 語科 目 に つ い て、TOEFL 等の 資 格 試 験 や、外 国 の大 学 で の 語 学 研 修に て 合 格 点 取 得
者 に 単位 認 定 し て い る。海 外 の 大学 と も 単 位 互 換 の 制度 が あ る 。外 国 人 留 学 生 への 支 援 制
度、本 学 学 生 の 留学 希 望 者 へ の 支援 制 度 も あ る 。特 別 聴 講 生 及 び特 別 研 究 学 生 の入 学 時 期
は 、 学期 の 途 中 で も 入 学が で き る 。
学 生 の進 路 変 更 等 の 多 様な 要 請 に 対 応 す るた め 、成績 優 秀 者 の 4 年 未満 で の 早 期 卒 業 制
度 及 び本 学 大 学 院 受 験 制度 、 職 業 を 持 つ 学生 に 対 する 長 期 履 修 制 度 を整 備 し 、 平 成 16 年
度 入 学生 か ら 転 学 科 及 び転 課 程 、 平 成 17 年 度 入 学 生か ら 転 学 部 を 可 能に す る 規 則 を 整 備
し た 。平 成 19 年度 に は 中 学 校 コ ース の 科 と 生 涯 教 育コ ー ス 間 の 選 修 変更 の 規 則 を 整 備 し
た。
小 学校 教 育 コ ー ス の 学生 は 、2年 次 か ら サ ブ コ ー スに 所 属 し て い る。こ れ に より 小 学 校
教 員 とし て 全 教 科 の 知 識技 能 の 習 得 に 加 え、得 意 分 野の 形 成 を 図 っ て いる 。サ ブコ ー ス 所
属 選 択に つ い て は 、 学 生の 進 路 希 望 に 配 慮し た 所 属決 定 を し て い る 。
中 学 校教 育 コ ー ス に つ いて は 、1 年 次 後 期か ら 学 生 の希 望 に よ り 所 属 科を 決 定 し て い る。
平成 19 年度 卒 業 生 249 名 に 対 す る 卒 業 時の ア ン ケー ト 調 査 ( 5 点 満点 ) で は 、 「 教 育
内 容 」に つ い て の 満 足 度 は 3.81 点で あ り 、 高 い 評 価を 得 て い る ( 表 12) 。
39-
岩手大学教育学部 分析項目Ⅱ.Ⅲ
表 12
平成 19 年度 卒 業 生 の卒 業 時 にお け る ア ン ケ ート 結 果 ( 5点 満 点 )
教 育内 容
教 育方 法
学 業成 果
進 路状 況
進 路支 援
平 均点
3.81
3.64
3.63
3.92
3.30
( 出典 : 平成 19 年度 卒 業 時 アン ケ ー ト 集計 結 果 )
岩 手県 教 育 委 員 会 の 要請 を 受 け 、 希 望 する 学 生 を学 校 現 場 に 派 遣 する イ ン タ ー ン シ ップ
( 学 生派 遣 に よ る 実 地 教育 ) を 実 施 し て いる 。 平 成17年 度 よ り 県 教 委と 共 催 で 、 希 望 者を
県 内16校 に「 ス ク ー ル・ト ライ ア ル 」と し て( 平 成19年 度 ま で に )延 べ329名 の 学 生を 派 遣
し た 。ほ か に 教 員 採 用 試験 合 格 者 を 対 象 に、 「 ス クー ル ・ ト レ イ ニ ー」 と し て 56名 の 学生
を 派 遣し た 。
ま た、市 町 村 教 育 委員 会 の 要 請 を 受 け、平 成16年 度 から 学 力 向 上 支 援 事業 と し て 盛 岡 市、
大 迫 町に 学 生 を 派 遣 し 、平 成 17年 度 か ら は紫 波 町 、北 上 市 も 加 わ り 、平 成 19年 度 ま で に延
べ69名の 学 生 を 派 遣 し た。
さ ら に滝 沢 村 ( ラ ー ニ ング ・ サ ポ ー タ ー ・プ ロ ジ ェク ト ) 、 雫 石 町 (学 習 支 援 ボ ラ ン テ
ィ ア 事業 ) 、 紫 波 町 ( ワン ・ バ イ ・ ワ ン ・サ ポ ー ト事 業 ) 、 矢 巾 町 (ラ ー ン ニ ン グ ・ サポ
ー ト 事業 )か ら の 要 請に よ り 、ボ ラ ンテ ィ ア・チ ュ ータ ー と し て 延 べ145名 の 学 生を 派 遣 し
た。
い ずれ も 学 校 現 場 を 体験 す る こ と か ら 、実 地 教 育の 成 果 が 見 ら れ た。 【 別 添 資 料 3 :平
成19年度 ス ク ー ル ト ラ イア ル 事 業 実 施 要 項( 1 頁 目) 】
な お 、IENと 連 携 し て 公開 講 座 ・ 公 開 授 業・ シ ン ポ ジウ ム ・ 出 前 講 座 等の 地 域 貢 献 活 動
に 取 り組 ん で い る 。 さ らに 、 地 域 の 公 的 機関 ( 行 政・ 教 育 機 関 ) に 多数 の 審 議 員 や 委 員と
し て 参加 し て い る 。
(2)分析項目の水準及びそ の判断理由
(水 準 ) 期 待 さ れ る 水 準に あ る 。
(判 断 理 由)
平 成 19 年 度 卒 業 生 に 対す る ア ン ケ ー ト 調査 を 実 施し 、 「 教 育 内 容 」に つ い て の 満 足 度
は 3.81 点 で あ り、 高 い 評 価 を 得 てい る 。
特 徴 ある 取 り 組 み と し て、地 域 の教 育 委 員 会 の 要 請 を受 け て ス タ ー ト した 、地 域教 育 実
習 を 継続 し て 実 施 し て おり 、平 成 19 年 度 より こ れ を新 た な 授 業 科 目「 小 規 模 学校 教 育 論 」
と し て開 設 し た 。また 、県 や 市町 村 の 教 育 委 員 会 の 要請 を 受 け 、学生 派 遣 事 業 と し てイ ン
タ ー ンシ ッ プ を 実 施 し てお り 、 地 域 の 教 育関 係 者 の期 待 に 応 え 、 学 生の 満 足 度 も 高 い 。
分析項目Ⅲ 教育方法
(1)観点ごとの分析
観点 授業形態の組合せと 学習指導法の 工夫
(観 点 に 関 わ る 状況 )
学 部 学生 数 は 、教 員 1 人 当 た り 13.7 名 で あ る 。授 業 形 態は 、講 義 70% 、演 習 16% 、実
験 3% 、実 習 11%と い う 比 率 で ある が 、ど の授 業 で も学 生 と 教 員 の 双 方向 的 コ ミ ュ ニ ケ ー
シ ョ ンを 重 視 し て い る。教 職 教 育科 目 の 授 業 で は、授 業 参 観 の 実施 や 現 場 の 教 員に よ る 担
当 授 業を 組 み 込 み 、実 習 的 な 授 業 検 討カ ン フ ァ レ ン スを 導 入 し て い る。さ ら に、チ ュ ー ト
リ ア ル教 育 を も 取 り 入 れ、 TA の 活 用 、 対 話 ・ 討 論 型授 業 、 フ ィ ー ル ド型 授 業 ( 実 習 、 模
擬 授 業) 、 多 様 な メ デ ィア の 利 用 、 情 報 機器 の 活 用な ど 工 夫 を 凝 ら して い る 。
ア イ アシ ス タ ン ト の 学 習支 援 機 能( 学 生 授 業 記 録、 学 習 記 録、 i カー ド 、 課題 ・ レ ポー
ト 等 の項 目 へ の 書 き 込 み )によ っ て 、教 室 外 学 習 を 効果 的 な も の に し てい る 。ま た 、成 績
評 価 基準 の 公 表 を し て いる 。
310-
岩手大学教育学部 分析項目Ⅲ.Ⅳ
希 望す る 学 生 を 学 校 現場 に 派 遣 す る イ ンタ ー ン シッ プ を 実 施 し て いる 。岩 手 県 教 育 委 員
会 の 要請 を 受 け 、 県 教 委と 共 催 し て 実 施 して い る のは 、 ス ク ー ル ・ トラ イ ア ル ( 希 望 者 )
と ス クー ル・ト レ イ ニ ー( 採 用 試験 合 格 者 対 象 )で あ る 。市 町 村教 育 委 員 会 の 要請 を 受 け
た 学 生派 遣 事 業 に は 、文 部 科学 省 定 時 制・通 信 制 ス テッ プ・ア ッ プ 事 業( 杜 陵 高等 学 校 学
習 支 援) 、 文 部 科 学 省 学習 支 援 事 業 ( 大 迫町 ) 、 放課 後 チ ュ ー タ ー 派遣 事 業 ( 大 迫 町 ) 、
学 力 向上 支 援 事 業( 盛 岡 市 、紫 波 町 )、英 語 講 座( 北 上 市 )、ボ ラ ンテ ィ ア・チュ ー タ ー
( 滝 沢村 、雫 石 町 、紫 波 町 、矢 巾 町と の 共 同 研 究 )が あ り 、いず れ も 学 校 の 実 態に 触 れ る
体 験 によ る 実 践 的 指 導 力の 向 上 に 効 果 が あっ た ( 表 13)。
表 13 イ ンタ ー ン シ ップ 参 加 学 生数
岩 手県 教 育 委 員会
市 町村 教 育 委 員会
平成 16 年度
−
36
平成 17 年度
125
38
平成 18 年度
206
83
平成 19 年度
54
57
( 出典 : 教 育 学部 地 域 貢献 事 業 報 告書 よ り 集 計 )
平 成 19 年 度 の 卒業 生 か ら は 、「 教 育方 法 」に つ い て 、3.64 点(5 点 満 点)と 中 以 上の 評
価 を 得て い る ( 表 12) 。
観点
主体的な学習を促す 取り組み
( 観 点に 係 わ る 状 況 )
ア イア シ ス タ ン ト に シラ バ ス や オ フ ィ スア ワ ー を登 録 し て 、時 間 外 対応 を 可 能 に し な が
ら 教 室外 学 習 に 取 り 組 ませ 、学 生 の 主体 的 な 学 習 を 促し て い る 。また 、年 2 回の 担 任 と の
懇 談 会や 科 所 属 ガ イ ダ ンス で も 、 主 体 的 な学 習 を 促し て い る 。
必 修 科目「 総 合 演 習 」に お い て 、提示 さ れ た テ ー マ につ い て の 議 論・調 査・レポ ー ト 作
成 ・ 発表 の 体 験 に よ り 、表 現 力 を 高 め る とと も に 主体 的 な 学 習 を 促 して い る 。
学 生 の自 主 的 な 学 習 環 境を 整 備 す る た め に、授 業 の ない 教 室 を 開 放 し、学 生 が 自 由 に使
え る コン ピ ュ ー タ が 配 置(117 台 )さ れ た サイ バ ー スタ ジ オ 101( 教 室 )も 用 意 し て い る 。
教 室で の 授 業 の ほ か に、教 室 外の 学 習 時 間 を 確 保 する た め 、履修 単 位 の 上 限 設定 を し て
い る (22 単 位 ま で とし て い た の を 、 平成 19 年 度 より 24 単 位 (編 入 学 生 及 び 成績 優 秀 者
は 28 単 位 ) ま で) 。
(2)分析項目の水準及びそ の判断理由
(水 準 ) 期 待 さ れ る 水 準に あ る 。
(判 断 理 由)
学 生 が期 待 す る 教 員 と の双 方 向 的 コ ミ ュ ニケ ー シ ョン を 重 視 し 、少 人 数 授 業 やア イ ア シ
ス タ ント の 活 用 な ど 学 習指 導 法 に 多 様 な 工夫 を 取 り入 れ 、さ ら に 学 生 の主 体 的 な 学 習 も 促
し て いる 。地 域 の 教 育 委 員会 か ら の 要 請 を 受け て 実 施し て い る 学 校 現 場へ の 学 生 派 遣 イ ン
タ ー ンシ ッ プ の 取 り 組 みも 、 学 生 の 実 践 的指 導 力 や指 導 意 欲 形 成 に 寄与 し て い る 。
な お 、平 成 19 年 度 卒 業 生 に 対し て ア ン ケ ー ト 調 査 を実 施 し 、 「 教 育 方法 」 に つ い て の
満 足 度 は 3.64 点(5 点 満 点 )とい う 中 以 上 の 評 価 を 得て い る (表 12)。
分析項目Ⅳ 学業の成果
(1)観点ごとの分析
311-
岩手大学教育学部 分析項目Ⅳ.Ⅴ
観点
学生が身に付けた学 力や資質・能 力
(観 点 に 係 る 状 況)
学生の学力や資質・能力等については、単位取得状況、取得資格や発表活動等により、
達 成 状況 を 検 証 し て い る。卒 業 に 必要 な 単 位 に 対 す る卒 業 時 の 単 位 取 得率 は 、約 120% で
あ る 。 新 課 程 を 含 め た 学 部 生 全 体 の 教 員 免 許 状 取 得 率 は 約 86% で あ り 、 多 様 な 領 域 の 教
員 免 許取 得 者 を 輩 出 し てい る 。
アイアシスタントに成績評価基準を明記し、優、良、可、不可の4段階で評価(平成
19 年 度 か らは 優 の 上 に 秀 を 設け 5 段 階 評 価)し て いる 。平 成 16∼18 年 度卒 業 者 の 成 績 評
価 の 状況 は 、 「 優 」 の 取得 割 合 は 65% と 良 好 な 状 態で あ る 。
博 物 館学 芸 員 資 格 、社 会 教育 主 事・公 認 ス ポ ー ツ 指 導者 の 資 格 科 目 の 取得 、日 本 語 教 育
副 専 攻証 明 書 の 取 得 状 況及 び 受 賞 状 況・学 会 発 表 数 等を 把 握 し て お り、学 力 や 資 質・能 力
を 身 に付 け て い る 。
観点
学業の成果に関する 学生の評価
(観 点 に 係 る 状 況)
各 期 に実 施 し て い る 学 生に よ る 授 業 評 価 アン ケ ー トに お い て 、 授 業 満足 度 ( 4 点 満 点 )
を 集 計し て お り 、 評 価 点が 上 昇 し て い る ( 表 14) 。
表 14 「 授業 の 満 足 度」 ( 4 点 満点 )
前 期平 均 点
後 期平 均 点
平成 16 年度
−
3.38
平成 17 年度
3.33
3.31
平成 18 年度
3.45
3.45
平成 19 年度
3.48
3.48
( 出典 : 授 業 評価 ア ン ケー ト 結 果 より 集 計 )
平 成 19 年 度 の 卒業 生 は「 学 業 の 成 果 」に つ い て 、3.63 点(5 点 満点 )と いう 中 以 上 の 評
価 を して い る ( 表 12) 。
(2)分析項目の水準及びそ の判断理由
(水 準 ) 期 待 さ れ る 水 準に あ る 。
(判 断 理 由)
平 成 16∼18 年 度卒 業 者 の 成 績 評 価の 状 況 は 、平 均 で「 優 」の取 得 割 合 が 62% と 良 好な
状 態 で あ る 。 学 部 生 全 体 の 教 員 免 許 状 取 得 率 は約 86% で あ り 、 多 様 な 領 域 の 教 員 免 許 取
得 者 を輩 出 し 、教 員免 許 を 取 得 し た い学 生 の 期 待 に 応え て い る 。また 、各 種 の資 格 科 目 の
取 得 状況 及 び 受 賞 状 況 等か ら 、 学 力 や 資 質・ 能 力 は十 分 で あ る 。
学 生 によ る 授 業 評 価 ア ンケ ー ト に よ れ ば、「 満 足 度」は 年 度 を追 う 毎 に 評 価 点 が上 昇 し
て お り、 授 業 か ら 得 る 学業 成 果 に つ い て 、学 生 の 期待 に 応 え て い る 。
分析項目Ⅴ 進路・就職の 状況
(1)観点ごとの分析
観点 卒業(修了)後の進 路の状況
(観 点 に 係 る 状 況)
就職支援の全学的な取り組みである企業合同説明会や就職説明会の周知に努めている
ほか、教員採用試験受験者に対する「教員採用セミナー」(教職教養科目、小論文指導、
体 育 実 技 、 ピ ア ノ 実 技 、 個 別 ・ 集 団 討 論 の 面 接 指 導 等 ) を 実 施 し て い る ( 表 15) 【 別 添
資 料 4: 教 員 採 用 セ ミ ナー プ ロ グ ラ ム 一 覧】 。
312-
岩手大学教育学部 分析項目Ⅴ
表 15 教 員採 用 セ ミ ナー 参 加 者 数
年度
人数
平成 16 年度
69
平成 17 年度
75
平成 18 年度
60
平成 19 年度
57
( 出典 : 教 員 採用 セ ミ ナー 申 込 受 付一 覧 よ り 集 計 )
関 東 地区 か ら 教 育 委 員 会担 当 者 を 招 聘 し て教 員 採 用試 験 の 説 明 会 を 開催 し 、 平 成 19 年
度 か らは 関 東 地 区 受 験 者の た め の 無 料 バ ス運 行 を 開始 し 、い ず れ も 学 生か ら 好 評 を 得 て い
る。
教 育 学部 卒 業 生 の 就 職 率は 、 表 16 の と お り で あ り 、徐 々 に 回 復 傾 向 にあ る 。
表 16 教 育学 部 卒 業 生就 職 状 況 (就 職 率 )
年度
卒 業生
大 学院 進
就 職希 望
就 職者 (教
全 体就 職
希 望者 就
数
学
者
職)
率
職率
平 成 16 年 度
239
29
199
174(83)
72.8%
87.4%
平 成 17 年 度
239
33
200
140(66)
58.6%
70.0%
平 成 18 年 度
251
22
181
165(67)
65.7%
91.2%
平 成 19 年 度
270
30
218
203(74)
75.2%
93.1%
( 出典 : 学 校 基本 調 査 及び 予 備 資 料)
公 立・私 立 学 校 教 員の 就 職 者 に 占 める 割 合 は 、平 成 16 年 度 47.6%、平 成 17 年 度 47.1%、
平 成 18 年 度 40.6%、 平 成 19 年 度 36.5% であ る 。
観点
関係者からの評価
(観 点 に 係 る 状 況)
教 育 学 部 は 、 岩 手 県 教 育 委 員 会 及 び 岩 手 県 立 総 合 教 育 セ ン タ ー と 協 議 す る 場 ( H16-1
回,H17-4 回 ,H18-3 回,H19-5 回 ) を 設 け て お り 、 教 職 に 進 ん だ 卒 業 生 に つ い て の 評 価 を
聴 取 して い る 。 平 成 19 年度 に は 、 岩 手 県 教育 委 員 会教 育 長 の 学 内 講 演会 と 教 育 委 員 会 ・
現 職 中堅 教 員・新 任 教 員 によ る シ ン ポ ジ ウム に お い て評 価 を 聴 取 し た【 別添 資 料 5:講 演・
シ ン ポジ ウ ム 要 項 】 。
平 成 19 年 度 に、盛 岡 市 内 小・中 学 校 校 長に 対 す る アン ケ ー ト 調 査 を 実施 し て お り 、教 育
学 部 卒業 生 及 び 教 育 学 研究 科 修 了 生 に 対 する 全 体 的印 象 を 「 優 ・ 普 ・劣 」 の 3 段 階 に 分け
て 回 答を 得 た 。「 普 通」が 最 も 多 い 項 目 は 12 項 目( 全 17 項目 )で あ る 。「優 」が「 普 通」
を 上 回っ た 項 目 に は 、 「意 欲 」 、 「 使 命 感」 「 責 任感 」 「 ね ば り 強 さ」 「 主 体 的 に 仕 事に
推 進 」で あ る 。
ま た、定 期 的 に 就 職ガ イ ダ ン ス や 企 業合 同 説 明 会 を 実施 し て お り 、就 職 委 員 が 地 域 の官
公 庁 や民 間 企 業 に 訪 問 して お り 、こ れ ら の 機 会 に 既 卒者 及 び 人 事 担 当 者か ら 、教育 学 部 卒
業 生( 教 員・民 間企 業 就 職 者 )に対 す る 評 価 を 収 集 して お り( 表 17)、好 評 を 得 てい る 。
表 17 OB・企 業 よ り 、教 育 学 部 卒業 生 に 対す る 評 価
ラ ンク
内容
優
意 欲・ 柔 軟 性 ・社 会 性 ・責 任 感 ・ ねば り 強 さ ・ 自 ら主 体 的 に 学ぶ ・ 文 章
普通
主体的に仕事推進・企画立案能力・リーダーシップ・外国語運用能力・情報収
集 活用 ・ 能 力 ・歴 史 文 化社 会 自 然 ・環 境 問 題 社 会 問題 ・ 知 的 財産 ・ 専 門分 野
( 出典 : 【 別 添資 料 6 :評 価 内 容 一覧 】 )
平成 19 年 度 卒業 生 自 身 の 「 進 路状 況 」 に つ い て の 満足 度 は 、 3.92 点 (5 点 満 点)と い う
313-
岩手大学教育学部 分析項目Ⅴ
高 い 評価 を 得 て い る ( 表 12)。
(2)分析項目の水準及びそ の判断理由
(水 準 ) 期 待 さ れ る 水 準に あ る 。
(判 断 理 由)
「 教 員採 用 セ ミ ナ ー 」等 の き め 細 か い 就職 支 援 活 動 は、学 生 か ら 好 評を 得 て い る 。こ の
こ と も反 映 し て 、就 職 希 望 者 に 対す る 就 職 率 は 、厳 し い 雇 用 状 況に あ り な が ら も徐 々 に 回
復 傾 向に あ る 。平 成 19 年度 卒 業 生 に 対 す る卒 業 時 アン ケ ー ト 調 査 に よれ ば 、「進 路 状 況 」
に つ いて の 満 足 度 は 3.92 点 と い う高 い 評 価 を 得 て いる 。
ま た、教 育 学 部卒 業 生 に 対 す る 評価 に つ い て、地 域 の教 育 行 政 関 係 者 と協 議 す る 場 を 持
ち 、さ ら に 教育 学 部 卒 業 生 や 民間 企 業 か ら も 意 見 収 集し て お り 、い ず れ も 好 評を 得 て い る。
314-
岩手大学教育学部
Ⅲ
質の向上度の判断
① 事 例1 「 教 員 組 織 の 全学 一 元 化 」(分 析 項 目 Ⅰ)
教 員組 織 を 従 前 の 講 座所 属 制 か ら 、 平 成 19 年 度 より 「 学 系 」 制 に 改め 、 教 育 研 究 組 織
の 全 学一 元 化 を 果 た し、教 員 の 研究 組 織 と 学 部 教 育 体制 を 分 離 す る と とも に 、学部 の 枠 を
越 え て協 力 し 合 う 教 育 体制 と し た 。
② 事 例2 「 新 し い FD 活 動 の 取 り 組み 」 (分析 項 目 Ⅰ)
平成 19 年 4月 に ア イ ア シ スタ ン ト ( 全学 Web シ ラ バス ) を 導 入 し 、 従来 の 「 履 修 の 手
引 き 」( 冊 子 )によ る 履 修 指 導 から 、ア イ ア シ ス タ ント の 学 習 支 援 機 能に よ っ て 、教 室 外
学 習、成 績 評 価 基 準の 公 表 、オフ ィ ス ア ワ ー 登 録 等 によ り 、双 方 向的 教 育 を 実 現 す る日 常
型 FD 活 動 の 成 果を あ げ 、 授 業 改 善結 果 も 公 表 し て いる 。
③ 事 例3 「 現 代 GP の 採 択 」 ( 分 析項 目 Ⅱ )
平 成 17 年 度 に「 各 学部 の 特 性 を 生 か した 全 学 的 知 的財 産 教 育 」、平 成 18 年 度 に「 持 続
可 能 な社 会 の た め の 教 養教 育 の 再 構 築:『 学 び の 銀 河 』プ ロジ ェ ク ト 」と い う 2つ の 現 代
GP が 採 択 さ れ 、 「 総 合 演 習 」 の 授 業 で 知 的 財 産 教 育 に 取 り 組 み 、 ま た 全 学 共 通 教 育 科 目
と 専 門教 育 科 目 で ESD 教育 に 取 り 組 み 、 総合 的 知 識の 深 化 に 寄 与 し た。
④ 事 例4 「 教 員 養 成 カ リキ ュ ラ ム の 充 実 」( 分 析 項目 Ⅱ )
平 成 19 年 度 か ら 、 「 小規 模 学 校 教 育 論 」「 特 別 支 援教 育 」 の 2 科 目 を増 設 し 、 イ ン タ
ー ン シッ プ も 実 施 し 、地 域の 実 態 に 根 ざ し た授 業 及 び学 校 教 育 の 現 場 での 課 題 に リ ン ク し
た 授 業に よ り 、 教 員 養 成教 育 の 体 制 が 充 実し た 。
⑤ 事 例5 「 学 校 現 場 の 課題 に 密 着 し た 教 育方 法 の 取り 組 み 」 (分 析 項 目 Ⅲ)
地 域 の教 育 委 員 会 の 要 請を 受 け 、学 校 現 場に 学 生 を 派遣 す る イ ン タ ー ンシ ッ プ を 実 施 し
て お り、参 加 学 生数 も 平 成 16 年 度 36 名 か ら、平 成 19 年 度 111 名 に 増 加 し て い る。ま た 、
平 成 18 年 度 に 「 実 践 的 指導 力 の 育 成 を 目 指す 教 員 養成 改 革 プ ロ ジ ェ クト 」 を 立 ち 上 げ 、
平 成 19 年 度 に 附 属 学 校 や地 域 の 学 校 と 連 携し て 、 模擬 授 業 、 授 業 検 討カ ン フ ァ レ ン ス を
実 施 し、 い ず れ も 実 践 的指 導 力 の 形 成 に 効果 が あ った 。
⑥ 事 例6 「 学 生 に よ る 授業 評 価 ア ン ケ ー ト」 ( 分 析項 目 Ⅳ )
平 成 16 年 度 後 期 よ り 、毎 学 期 に 教 育 学 部全 教 員 の 授業 に つ い て 、 学 生に よ る 授 業 評 価
ア ン ケー ト を 継 続 し て おり 、平 成 16 年 度 後期 修 了 後、授 業 満 足度 の 得 点 3.38(4 点 満 点)
が、平 成 19 年 度 後 期 期 修 了後 、授 業 満足 度 の 得 点 3.48( 4 点 満 点)と 上 昇 し てお り 、各
教 員 の取 り 組 み に よ り 改善 の 成 果 が 上 が った 。
315-
岩手大学教育学部
添
付
資
(3.教育学部)
平成20年6月
岩手大学
料
資料1
題目一覧表
名称
講演会「思春期からのADHDの理解と支援∼小
参加
実施回
人数
数
開始年月日
終了年月日
総開催時
間数
120
1
2004.06.27
2004.06.27
2.5
308
1
2004.09.25
2004.09.25
3
310
1
2005.02.05
2005.02.05
2
80
1
2005.02.19
2005.02.19
2.5
セミナー「第2回軽度発達障害セミナー」
33
1
2005.03.05
2005.03.05
2.5
講演会「軽度発達障害児・者への支援」
97
1
2005.06.12
2005.06.12
2.5
20
1
2005.07.29
2005.07.29
5
250
1
2005.11.05
2005.11.05
3
101
1
2006.02.04
2006.02.04
3
講演会「「人間力」を備えた教師をめざして」
80
1
2006.07.15
2006.07.15
3
講演会「学力を育てる学校づくり」
87
1
2006.11.25
2006.11.25
2.5
講演会「算数・数学の学力向上の具体策について」
74
1
2007.02.17
2007.02.17
3.5
講演会「教員養成・教員研修に望むこと」
100
1
2007.10.20
2007.10.20
1
講演会「学力・学習力を育む授業と評価を考える」
127
1
2007.11.03
2007.11.03
2
学校高学年から青年まで∼」
講演会「高機能自閉症・アスペルガー症候群の理
解と支援」
講演会「脳と学習のかかわり」
シンポジウム「こころの傷をうけやすい子どもた
ち:その理解と支援」
セミナー「特別支援教育コーディネーター研修セ
ミナー」
セミナー「特別支援教育教え方教室授業実践セミ
ナーin 岩手」
シンポジウム「軽度発達障害を持つ子どもたちへ
の支援の充実をめざして」
岩手大学教育学部
-1 -
資料2
カンファレンス推進委員会資料
実践的指導力の育成を目指す教員養成改革プロジェクト(平成19年度の取組状況)
1.カンファレンス等の取組状況
(1)附属小学校における大学院生の長期インターンシップ
附属小学校への大学院生の長期派遣に基づく授業研究およびカンファレンスの実施
院生5名が各々のテーマを持って各クラスにはいる。週1日(水or 木)
6月5日全校朝会にて紹介。6月6日から開始。
(2)教育実習における研究授業に基づくカンファレンス
①附属特別支援学校教育実習に基づくカンファレンス
6月18日(月)16:30∼18時 場所 教育実践総合センター
参加者 中学部クラフト班実習生、附属特別支援学校教員、学部教員、実務家教員
②附属小学校教育実習「6年社会科」に基づくカンファレンス
12月10日(月)14:45∼16:15 場所 教育実践総合センター
参加者 6年配属実習生、附属小学校教員、学部教員、実務家教員
参観者 認知心理学受講生30名
③附属幼稚園教育実習に基づくカンファレンス
20年1月28日(月) 14:45∼16:15 場所 教育実践総合センター
参加者 第2班年中組配属学生、附属幼稚園教員、学部教員、実務家教員
参観者 認知心理学受講生30名
(3)学部・大学院の演習、講義における模擬授業、カンファレンスの実施
①認知心理学特論
②授業研究
③音楽科教育
※4月9日に教科教育担当教員有志とミーティングを持ち理解と協力を求めた。
(4)地域教育実習における、小規模・複式学級授業実践に基づくカンファレンス
参加者49名、8月2日事前指導、9月末2泊3日で実施(葛巻コース、普代コース、西和賀コース)
事後指導におけるカンファレンスの実施 11月14日(水)16:30∼18:00
(5)特別支援教育に係るカンファレンス
①附属特別支援学校との共催による夏季セミナー(模擬授業・ロールプレイ、カンファレンス)
②学生派遣事業に係るケースカンファレンスの実施 7月31日(火)16:00∼18:00
③なずな教室(LD)の実践に基づくカンファレンス 20年3月8日(土)13:30∼
2.カンファレンス研究会、学習会の開催
(1)第3回カンファレンス学習会
教員養成機構講演会(東京学芸大学 山崎準二先生)に併せての開催
(2)第2回カンファレンス研究会
日程 20年2月29日に開催
内容 附属小学校インターンシップ事業報告、カンファレンスプロジェクト総括(成果と課題、今後の展望)
(3)模擬授業室の設置 203室の改装、AV・録画装置等物品取り付け、教科書購入
3.
『カンファレンス研究』第2号の発行
岩手大学教育学部
-2 -
教員採用セミナープログラム一覧
資料4
教員採用セミナー001版*2006/11/13学生配布用
オリエンテーション★合格体験者報告
2006/11/13*
09・10校時16:3018:00
1号館R230
10期セミナーオリエンテーション(合格体験報告を含む)*担当大河原清
11・12校時18:10◆19:50
11・12校時18:10◆19:50
教育基本法*前文から5条
教育基本法*6条から11条
教育法規1
2006/11/20*
2006/11/27*
教育原理
大河原清
大河原清
G1大講義室*学生センター
G1大講義室*学生センター
テキスト『2008年度版 教職教養の重点研究』時事通信社1785円
2006/12/04*
2006/12/11*
2006/12/18*
2007/01/23*■火
2007/01/29*
2007/02/13*■火
2007/02/19*
2007/03/01*■木
2007/03/05*
2007/03/15*■木
11・12校時18:1019:40
11・12校時18:1019:40
11・12校時18:1019:40
11・12校時18:1019:40
11・12校時18:1019:40
11・12校時18:1019:40
11・12校時18:1019:40
11・12校時18:1019:40
11・12校時18:1019:40
11・12校時18:1019:40
1章*教育の意義と目的
2章*「教授」の理論
3章*学習指導
4章*教育課程
5章*学習指導要領
6章*生徒指導
7章*道徳教育
8章*人権・同和教育
9章*学校と学級の経営
10章*生涯学習の展開
田代高章
田代高章
田代高章
田代高章
田代高章
田代高章
田代高章
田代高章
田代高章
新妻ニ男
2007/12/25*月
11・12校時18:1019:40
大河原清
2006/12/26*■火
11・12校時18:1019:40
1/470B.C.399B.C.*ソクラテス
2/15921670*コメニウス
3/17121778*ルソー
4/17461827*ペスタロッチーほか
5/17761841*ヘルバルト
6/18591953*デューイ
7/19041990*スキナー/プログラム学習
8/1913*ブルーム/完全学習ほか
11・12校時18:1019:40
11・12校時18:1019:40
11・12校時18:1019:40
11・12校時18:1019:40
11・12校時18:1019:40
11・12校時18:1019:40
11・12校時18:1019:40
11・12校時18:1019:40
11・12校時18:1019:40
11・12校時18:1019:40
11・12校時18:1019:40
11・12校時18:1019:40
1章*発達の基礎理論
2章*諸機能の発達
3章*学習理論
4章*学級集団
8章*障害児教育
知能と知能テスト
5章*教育評価
個人差と動機づけ
6章*人格と適応
7章*心理療法
♥演習1*クレペリン検査
♥演習2*SPI検査
塚野弘明
塚野弘明
塚野弘明
名古屋恒彦
名古屋恒彦
阿久津洋巳
阿久津洋巳
阿久津洋巳
菅原正和
菅原正和
菅原正和
菅原正和
2007/04/09*
11・12校時18:1019:40
1 教育法規(障害児教育関連法規を中心に)
宮崎眞
2007/04/16*
11・12校時18:1019:40
2 学校教育法・教育制度他(その1)
千葉昌弘
2007/04/23*
2007/04/25*■水
2007/05/07*
2007/05/17*■木
11・12校時18:1019:40
11・12校時18:1019:40
11・12校時18:1019:40
11・12校時18:1019:40
3 学校教育法・教育制度他(その2)
4 憲法
5 特別支援教育法制度を中心に
6 教育法規(体罰禁止・服務規程)
千葉昌弘
上村都
名古屋恒彦
大河原清
西洋教育史等
大河原清
教育心理
2007/03/19*
2007/03/20*■火
2007/03/26*
2007/03/27*■火
2007/03/28*■水
2007/03/29*■木
2007/03/30*■金
2007/04/02*
2007/04/03*■火
2007/04/04*■水
2007/04/05*■木
2007/04/06*■金
教育法規2
実践特別講座(出題経験者による)
2007/05/01火*
2007/05/08火*
2007/05/15火*
2007/05/22火*
2007/05/29火*
2007/06/05火*
11・12校時18:1019:40
11・12校時18:1019:40
11・12校時18:1019:40
11・12校時18:1019:40
11・12校時18:1019:40
11・12校時18:1019:40
1*絶対「先生」になる!(教師論)
2*教育法規1
3*いい「学級」はこうしてつくる(学校経営論)
4*教育法規2
5*こうすれば「学力」が伸びる(学力向上論)
6*岩手県の教育目標と求める人材・まとめ
八重樫勝
八重樫勝
八重樫勝
八重樫勝
八重樫勝
八重樫勝
日本教育史
担当責任者☆千葉昌弘
11・12校時18:1019:40
11・12校時18:1019:40
11・12校時18:1019:40
11・12校時18:1019:40
古代・中世の教育*近世の教育
近代の教育(1)明治前期*(2)明治後期
近代の教育(3)大正期*(4)昭和前期
現代の教育(1)昭和中期*(2)昭和後期・平成
千葉昌弘
千葉昌弘
千葉昌弘
千葉昌弘
2007/05/21*
2007/05/24*■木
2007/05/28*
2007/05/31*■木
-4 -
岩手大学教育学部
教員採用セミナープログラム一覧
面接特訓講座(個別・集団・模擬授業)
資料4
担当責任者*♥藤井知弘
学内外講師
学内外講師
学内外講師
学内外講師
学内外講師
学内外講師
2007/06/09*■土
2007/06/14*■木
2007/06/23*■土
2007/06/26*■火
2007/08/30*■木
2007/09/01*■土
小・中学校教科の重点研究*
2006/12月初旬∼2007年06月末
11・12校時18:1019:40
2006/12月初旬∼2007年06月末
11・12校時18:1019:40
2006/12月初旬∼2007年06月末
11・12校時18:1019:40
2006/12月初旬∼2007年06月末
11・12校時18:1019:40
2006/12月初旬∼2007年06月末
11・12校時18:1019:40
2006/12月初旬∼2007年06月末
11・12校時18:1019:40
2006/12月初旬∼2007年06月末
11・12校時18:1019:40
2006/12月初旬∼2007年06月末
11・12校時18:1019:40
2006/12月初旬∼2007年06月末
11・12校時18:1019:40
2006/12月初旬∼2007年06月末
11・12校時18:1019:40
2006/12月初旬∼2007年06月末
11・12校時18:1019:40
2006/12月初旬∼2007年06月末
11・12校時18:1019:40
総則
国語
社会
算数
理科
生活
音楽
図画工作・美術
家庭
技術
体育
英語
千葉昌弘
菊地悟
土屋直人
小宮山晴夫
八木一正
田代高章
島崎篤子・白石文子
煤孫康二
渡瀬典子・天木桂子
横尾恒隆
清水茂幸
山崎友子
試験に出る重要教育答申**以下の♥小論文と兼ねて指導します
小論文講座*統括責任者*藤井知弘
2006/10/20*■金
2006/10/27*■金
2006/11/10*■金
2006/11/17*■金
2006/11/24*■金
2006/12/01*■金
2006/12/08*■金
2006/12/15*■金
2006/12/22*■金
2007/01/19*■金
2007/01/26*■金
2007/02/02*■金
2007/02/09*■金
2007/02/16*■金
2007/02/23*■金
2007/03/02*■金
2007/03/09*■金
2007/03/16*■金
2007/04/13*■金
2007/04/20*■金
2007/04/27*■金
2007/05/11*■金
2007/05/18*■金
2007/05/25*■金
2007/06/01*■金
2007/06/08*■金
2007/06/15*■金
2007/06/22*■金
11・12校時18:1019:40
11・12校時18:1019:40
11・12校時18:1019:40
11・12校時18:1019:40
11・12校時18:1019:40
11・12校時18:1019:40
11・12校時18:1019:40
11・12校時18:1019:40
11・12校時18:1019:40
11・12校時18:1019:40
11・12校時18:1019:40
11・12校時18:1019:40
11・12校時18:1019:40
11・12校時18:1019:40
11・12校時18:1019:40
11・12校時18:1019:40
11・12校時18:1019:40
11・12校時18:1019:40
11・12校時18:1019:40
11・12校時18:1019:40
11・12校時18:1019:40
11・12校時18:1019:40
11・12校時18:1019:40
11・12校時18:1019:40
11・12校時18:1019:40
11・12校時18:1019:40
11・12校時18:1019:40
11・12校時18:1019:40
ピアノ弾き歌い実技特訓
ガイダンス
小論文書き方講座
小論文書き方講座
小論文書き方講座
小論文書き方講座
論題別対策
論題別対策
論題別対策
論題別対策
論題別対策
論題別対策
論題別対策
論題別対策
論題別対策
論題別対策
論題別対策
論題別対策
論題別対策
論題別対策
論題別対策
論題別対策
論題別対策
論題別対策
論題別対策
論題別対策
論題別対策
論題別対策
論題別対策
藤井知弘
藤井知弘
藤井知弘
藤井知弘
藤井知弘
藤井知弘
藤井知弘
藤井知弘
藤井知弘
藤井知弘
藤井知弘
藤井知弘
藤井知弘
藤井知弘
藤井知弘
藤井知弘
藤井知弘
藤井知弘
藤井知弘
藤井知弘
藤井知弘
藤井知弘
藤井知弘
藤井知弘
藤井知弘
藤井知弘
藤井知弘
藤井知弘
必須教科:音楽B
ピアノ弾き歌い1
ピアノ弾き歌い2
ピアノ弾き歌い3
ピアノ弾き歌い4
ピアノ弾き歌い5
ピアノ弾き歌い6
担当責任者☆重野和彦
白石文子
重野和彦
山本裕之
日程担当*重野和彦
日程担当*重野和彦
日程担当*重野和彦
2006/12/20*■水
2007/01/24*■水
2007/02/21*■水
2007/05/09*■水
2007/05/16*■水
2007/05/23*■水
11・12校時18:1019:40
11・12校時18:1019:40
11・12校時18:1019:40
11・12校時18:1019:40
11・12校時18:1019:40
11・12校時18:1019:40
体育実技講座
日時内容は4月下旬と6月中旬に決定
14:4516:15
体育実技 5月は体操・球技・陸上運動他
14:4516:15
体育実技 7月は上記+水泳
14:4516:15
体育実技
14:4516:15
体育実技
14:4516:15
体育実技
14:4516:15
体育実技
14:4516:15
体育実技
14:4516:15
体育実技
2007年5月中旬∼7月中旬*
2007年5月中旬∼7月中旬*
2007年5月中旬∼7月中旬*
2007年5月中旬∼7月中旬*
2007年5月中旬∼7月中旬*
2007年5月中旬∼7月中旬*
2007年5月中旬∼7月中旬*
2007年5月中旬∼7月中旬*
創作ダンス特訓講座
2007/06/28*■木
2007/06/29*■金
16:3018:00 ★第2体育館
16:3018:00 ★第2体育館
創作ダンス基礎編
創作ダンス応用編
-5 -
担当責任者☆上濱龍也
山下
黒川
黒川
小笠原
小笠原
鎌田
鎌田
栗林
栗林
清水
清水
澤村
澤村
上濱
上濱
山下
担当責任者☆上濱龍也
外部エアロビクス・インストラクター
外部エアロビクス・インストラクター
岩手大学教育学部
資料5
講演とシンポジウム
岩手の教員に望まれる資質
教員の資質能力が問われない時代はありません。教育に期待し続けるからこそ、人
類に未来があるのです。よりよい未来にふさわしい「教員の資質能力」は、時代の、
地域の、「今」を見つめ、「未来」を見据え、語り、磨き、確かめ、育む営みによっ
てこそ、初めて確かなものとなるでしょう。
教員養成・教員研修の在り方に関するフォーラムは3回目を迎えます。第1回目
(平成17年10月)は教職大学院について、第2回目(平成18年9月)は教員養
成・教員研修のカリキュラムについてのシンポジウムを開催しました。
今回は、講演とシンポジウムを通して、教員養成・教員研修に望むことについて検
討し合う機会にしたいと考えています。
多くの皆様にご参会いただき、ご意見をいただければ幸いです。
1 日時
2 場所
3 主催
平成19年10月20日(土)13時∼16時
岩手大学附属図書館
岩手大学教育学部 岩手県教育研究ネットワーク
岩手の教育と岩手大学教育学部との関わりを考える会
岩手県教育委員会 岩手県市町村教育委員会協議会
4 後援
5 次第
第1部 講演(13時10分∼14時)
「教員養成・教員研修に望むこと」(仮)
岩手県教育委員会教育長 相澤
徹 氏
第2部 シンポジウム(14時10分∼16時)
「岩手大学教育学部における教員養成に期待すること」
基調報告…岩手大学教育学部
パネラー
小岩 和彦氏(県教委学校教育室義務教育担当課長)
加藤 孔子氏(盛岡市立北厨川小学校教頭)
中村 正成氏(紫波町立紫波第二中学校教論)
菊池
梢氏(盛岡市立松園小学校教諭)
コーディネーター 新妻 二男(着手大学教育学部)
岩手大学教育学部
-6 -
資料6
評価内容一覧
教職管理職者対象アンケート
教育学部(教育学研究科を含む)OB・OG の印象
自ら
ねば
主体
使命 社会 責任
り強
意欲
感
性
感
的に
さ
学ぶ
区分
教育学部計
歴
コミ
情報 史・
主体
リー ュニ
外国
学習
収
文
的に
ダー ケー
語運
指導
文章
集・ 化・
仕事
シッ ショ
用能
力
活用 社
推進
プ
ン能
力
能力 会・
力
自然
環境
問
知的 専門
題・
財産 分野
社会
問題
優
9
11
7
10
9
4
10
6
5
7
3
0
1
0
0
0
2
普
7
5
9
6
7
12
6
10
11
9
13
12
12
13
14
11
13
劣
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
2
2
1
1
2
0
企業採用担当者対象アンケート
②教育学部(教育学研究科を含む)OB・OG の印象
自ら
ねば
主体
柔軟 社会 責任
り強
意欲
性
性
感
的に
さ
学ぶ
区分
教育学部計
コミ
情報
主体
リー ュニ
外国
企画
収
的に
ダー ケー
語運
立案
文章
集・
仕事
シッ ショ
用能
能力
活用
推進
プ ン能
力
能力
力
歴
史・ 環境
文
問
知的 専門
化・ 題・
財産 分野
社 社会
会・ 問題
自然
優
30
22
24
34
24
27
19
11
14
23
21
3
13
12
11
3
11
普
17
20
20
12
19
17
24
30
23
23
20
29
26
25
26
31
26
劣
1
2
2
2
2
0
1
0
3
1
1
3
0
0
0
2
1
岩手大学教育学部
-7 -
岩手大学教育学研究科
4.教育学研究科
Ⅰ
教育学研究科の教育目的と特徴・・・・・・・・4−2
Ⅱ
分析項目ごとの水準の判断
Ⅲ
・・・・・・・・・4−3
分析項目Ⅰ
教育の実施体制
分析項目Ⅱ
教育内容
・・・・・・・・・・・4−6
分析項目Ⅲ
教育方法
・・・・・・・・・・・4−8
分析項目Ⅳ
学業の成果
分析項目Ⅴ
進路・就職の状況
質の向上度の判断
・・・・・・・・4−3
・・・・・・・・・・4−9
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 4 − 10
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 4 − 13
-4 -1 -
岩手大学教育学研究科
Ⅰ
教育学研究科の教育目的と特徴
1
教育目的
教育学研究科は、学校教育の高度化と多様化の進展に対応して、教育科学・教科教育学
及びその基礎にある学問・芸術の各専門分野の研究・教育を行うことにより、高度な能力
と 識 見 並 び に 実 践 力 を 修 得 さ せ る こ と を 教 育 目 的 と し 、地 域 の 教 育 力 向 上 に 寄 与 で き る 専
門的な知識を備え、国際的な視野を持った学校教員等の高度専門職業人の養成を目的とす
る。
2
「学系」制度
平 成 19 年 度 よ り 教 員 組 織 を 講 座 所 属 制 か ら「 学 系 」制 に 改 め 、教 育 研 究 組 織 の 全 学 一 元
化を果たし、専門分野を同じくする教員集団を構成し、他研究科・専攻の教員との教育研
究の交流も行われ、本学の教育研究資源を有効に活用する体制を整えた。
3
FD 活 動
全 学 の FD 合 宿 研 修 会 に 継 続 し て 参 加 す る ほ か 、 教 育 学 研 究 科 独 自 の FD 的 活 動 と し て 、
岩 手 県 教 育 研 究 ネ ッ ト ワ ー ク( IEN)と 連 携 し 、教 育 問 題 や 教 員 養 成 の 課 題 に つ い て 講 演 会・
シンポジウム等を実施している。アイアシスタント(全学統一拡張Webシラバス)の平
成 19 年 度 か ら の 運 用 に よ っ て 、 研 究 科 の 授 業 計 画 と 実 施 内 容 と の 比 較 ・ 検 討 を 可 能 に し 、
日 常 型 FD 活 動 を 確 立 し た 。
4 教育内容の特色
① 「 ス ク ー ル ・ イ ン タ ー ン シ ッ プ ・ プ ロ グ ラ ム Ⅰ ・ Ⅱ 」 ( GSIP) は 、 英 語 教 育 専 修 に お け
る 地 域 の 学 校 で 実 施 す る 国 際 交 流 活 動 を 含 ん だ 選 択 科 目 と し て 、平 成 17 年 度 よ り 単 位 認 定
して実施している。
② 平 成 18 年 度 か ら 、特 別 演 習 科 目 に お い て 、現 職 教 員 の 抱 え る 教 授 場 面 の 課 題 に つ い て 検
討する、「授業検討カンファレンス」を実施している。
③ 平 成 19 年 度 か ら 、附 属 学 校 へ 学 生 を 長 期 に わ た り 定 期 的 に 派 遣 す る イ ン タ ー ン シ ッ プ を
実施している。
5
履修方法の特徴
平 成 19 年 度 か ら 、ア イ ア シ ス タ ン ト に よ る シ ラ バ ス 作 成 が 行 な わ れ 、成 績 基 準 、オ フ ィ
スアワー等も明記している。また、「現職教員等のための特例措置」を設け、社会人や家
事従事者等に「長期にわたる教育課程の履修」も可能である。
6
国際的視野を持った教員の養成
中 華 人 民 共 和 国 、 タ イ 、 イ タ リ ア 共 和 国 、 カ ナ ダ 等 の 11 大 学 と 大 学 間 協 定 や 部 局 間 協
定 を 結 び 、交 換 留 学 を 推 進 し 、異 文 化 に 触 れ る 機 会 を 増 や し て お り 、国 際 的 視 野 を 持 っ た
教員の養成に取り組んでいる。
[想 定 す る 関 係 者 と そ の 期 待 ]
教育学研究科が想定する関係者とは、学生、教員や教育委員会を含んだ地域の教育関係
者である。これらの関係者から、総合的知識と実践的能力及び豊かな表現力を備え、地域
の学校や社会に貢献できる指導的人材の育成を期待されている。
-4 -2 -
岩手大学教育学研究科 分析項目Ⅰ
Ⅱ
分析項目ごとの水準の判断
分析項目Ⅰ 教育の実施体制
(1 )観 点 ご と の 分 析
観点 基本的組織の編成
(観 点 に 係 る 状 況 )
教 育 学 研 究 科 は 、修 士 課 程 と し て 3 専 攻 10 専 修 の 編 成 で あ り( 図 1 )、修 了 者 は 修 士( 教
育 学 )の 学 位 を 授 与 さ れ 、教 育 職 員 専 修 免 許 状 の 取 得 が で き る 。な お 、平 成 19 年 度 よ り 障
害児教育専攻では、3種類(知的障害・肢体不自由・病弱)の特別支援学校教員専修免許
状の取得を可能にしている。
図1:教育学研究科の専攻・専修組織
国語教育専修(3 名)
教
育
学
研
究
科
学校教育専攻(6 名)
社会科教育専修(3 名)
数学教育専修(3 名)
理科教育専修(3 名)
障害児教育専攻(3 名)
音楽教育専修(3 名)
教科教育専攻(33 名)
美術教育専修(3 名)
保健体育専修(3 名)
技術教育専修(3 名)
家政教育専修(3 名)
英語教育専修(3 名)
*外国人留学生枠として学校教育専攻に1名、教科教育専攻に3名ある。
(出典:大学院教育学研究科学生募集要項)
教員配置は、「大学院に専攻ごとに置くものとする教員の数について定める件(大学院
設置基準)」に基づき、教員数を満たしている(表1)。
表1:教育学研究科教 員数( 2006.5 現 在 )
教員数
教 授 助教授 講 師
主任指導教員数
副指導教員数
95
53
35
7
53(うち教授50)
42
(出典:教育学研究科担当教員一覧より集計)
また、修士論文作成等に当たる主任指導教員と研究指導の補助を行いうる教員を表2の
ように配置している。
表 2 : 研 究 指 導 教 員 ・ 研 究 指 導 補 助 教 員 配 置 人 数 一 覧 ( 2006.5 現 在 )
学校 障害 国語 社会 数学 理科 音楽 美術 保体 技術 家政 英語
主任
5
3
5
6
4
6
4
6
4
3
4
3
補助
5
2
2
6
3
6
3
3
5
2
3
2
(出典:教育学研究科担当教員一覧より集計)
年 齢 層 は バ ラ ン ス の 取 れ た 構 成 に な っ て お り 、女 性 教 員 の 比 率 は 16.8% で あ る( 表 3 )。
表 3 : 年 齢 ・ 性 別 別 分 布 ( 2006.5 現 在 )
年齢・性別
∼ 24
人数
0
25∼ 34
3
35∼ 44
20
45∼ 54
55∼ 64
32
40
男性 女性
79
16
計
95
(出典:教育学研究科担当教員一覧より集計)
岩 手 大 学 で は 、平 成 19 年 度 よ り 教 員 組 織 を 講 座 所 属 制 か ら「 学 系 」制 に 改 め 、教 育 研 究
組織の全学一元化を果たし、専門分野を同じくする教員集団を構成し、他研究科・専攻の
教員との教育研究の交流も行われ、本学の教育研究資源を有効に活用する体制を整えた。
-4 -3 -
岩手大学教育学研究科 分析項目Ⅰ
入 学 者 の 受 け 入 れ に お い て 、教 育 学 研 究 科 で は ア ド ミ ッ シ ョ ン ポ リ シ ー を 設 定 し 、出 願 資
格 、 選 抜 方 法 等 と と も に 大 学 の Web サ イ ト に て 公 開 し 、 入 学 試 験 を 実 施 し て い る 。
募 集 人 員 に は 外 国 人 留 学 生 枠 や 現 職 教 員 受 け 入 れ 枠( 募 集 人 員 全 体 の 3 分 の 1 程 度 )を 設
定し、さらに社会人対象には一部の学力検査科目の代替措置をとっている。
過 去 4 年 間 に お け る 入 学 者 の 定 員 充 足 率 の 平 均 は 1.03 倍 で あ り 適 正 で あ る ( 表 4 ) 。
表4 過去の入学者数
43 名
現職教員数
(内数)
6名
留学生数
(内数)
5名
59 名
54 名
6名
6名
46 名
39 名
33 名
3名
3名
47 名
44 名
43 名
4名
6名
年度
募集人員
志願者数
受験者数
合格者数
入学者数
平 成 17 年 度
42 名
51 名
49 名
44 名
平 成 18 年 度
42 名
66 名
63 名
平 成 19 年 度
42 名
47 名
平 成 20 年 度
42 名
48 名
(出典:教授会資料)
観点
教 育 内 容 、教 育 方 法 の 改 善 に 向 け て 取 り 組 む 体 制
(観 点 に 係 る 状 況 )
岩 手 大 学 で は 、 全 学 的 FD 活 動 と し て 毎 年 「 岩 手 大 学 FD 合 宿 研 修 会 」 を 継 続 的 に 企 画 運
営しており、教育学部・教育学研究科からも毎年5名以上の参加者があり(表5)、平成
19 年 度 は 大 学 院 教 育 に つ い て の FD 合 宿 研 修 会 ( 表 6 ) に 参 加 し た 。
表 5 全 学 FD 合 宿 研 修 会 参 加 者 数
平 成 16 年 度 平 成 17 年 度 平 成 18 年 度 平 成 19 年 度
10 名
10 名
8名
5名
(出典:大学教育総合センター年次報告及び合宿研修会の栞より集計)
表 6 FD 合 宿 研 修 会 実 施 要 項 ( 抜 粋 )
1.テーマ:「大学院教育(修士課程)の実質化・国際的な通用性・信頼性の向上を考える」
プログラムⅠ 今、大学院に求められているものは?
プログラムⅡ 海外・他大学の状況と岩手大学の進む方向
プログラムⅢ 岩手大学大学院(修士課程)の特徴を考える
2.日 時・場 所
平 成 19 年 9 月 7 日 ( 木 ) ・ 8 日 ( 金 ) 1 泊 2 日 、 自 然 休 養 村 「 な か や ま 荘 」
(出典:合宿研修会実施要項)
さ ら に 教 育 学 部 ・ 教 育 学 研 究 科 独 自 の FD 的 活 動 と し て 、 岩 手 県 教 育 研 究 ネ ッ ト ワ ー ク
( IEN) と 連 携 し て 、 表 7 の よ う に 実 施 し て い る 。 【 別 添 資 料 1 : 題 目 一 覧 表 】
表 7 FD 的 活 動 の 実 施 回 数
平 成 16 年 度
平 成 17 年 度
平 成 18 年 度
平 成 19 年 度
講演会
3回
1回
3回
2回
シンポジウム
1回
1回
セミナー
1回
2回
教員研修会
2回
カンファレンス研究会
1回
1回
(出典:大学情報データベース及び教育学部地域貢献事業報告書から集計)
-4 -4 -
岩手大学教育学研究科 分析項目Ⅰ
ま た 、ア イ ア シ ス タ ン ト( 全 学 統 一 拡 張 Web シ ラ バ ス )の 平 成 19 年 度 か ら の 運 用 に よ っ
て 、研 究 科 の 授 業 計 画 と 実 施 内 容 と の 比 較・検 討 を 可 能 に し 、日 常 型 FD 活 動 の 役 割 を 果 た
し 、授 業 の 改 善 に つ な げ る こ と を 可 能 に し た 。平 成 18 年 度 に 岩 手 大 学 教 員 評 価 シ ス テ ム を
構築し、「教育活動」の区分において、授業改善の成果を公開した。
平 成 19 年 度 に 研 究 科 代 議 員 会 の 検 討 を 経 て 、授 業 評 価 ア ン ケ ー ト を 実 施 し 、学 生 よ り 好
感、満足を得た科目及び授業改善の要求内容を把握し、研究科教員全員に周知した。【別
添資料2:アンケート結果一覧表】
平 成 18 年 度 に「 実 践 的 指 導 力 の 育 成 を 目 指 す 教 員 養 成 改 革 プ ロ ジ ェ ク ト 」を 立 ち 上 げ た
(表 8 )。
「 教 員 養 成 改 革 プ ロ ジ ェ ク ト 」の 事 業 と し て 、平 成 18 年 度 は 、大 学 院 授 業 と し て 盛 岡 市
内公立小学校及び教育学部附属中学校の現職教員の授業について授業検討カンファレンス
を 実 施 し 、 さ ら に 平 成 18 年 12 月 と 平 成 19 年 2 月 に 学 習 会 を 開 催 、 平 成 19 年 3 月 に 第 1
回カンファレンス研究会を開催した。
平 成 19 年 度 の 活 動 は 、 附 属 小 学 校 に お け る 大 学 院 生 の 長 期 イ ン タ ー ン シ ッ プ を 実 施 し 、
大学院の授業における模擬授業、カンファレンスを実施した。さらに、第3回カンファレ
ンス学習会及び第2回カンファレンス研究会を開催した。そして、教室を改装して模擬授
業 室 ( 203 室 ) を 設 置 し 、 A V ・ 録 画 装 置 等 を 取 り 付 け た 。 『 カ ン フ ァ レ ン ス 研 究 』 第 2
号を発行した。
表8
「実践的指導力の育成を目指す教員養成改革プロジェクト」の事業内容
1.プロジェクト運営協議会の設置及びプロジェクト推進委員会の設置
2.模擬授業室の設置及び模擬授業の導入
3.授業検討カンファレンス*の実施
4.カリキュラム改革の推進
*授業検討カンファレンスとは、模擬授業、学校現場での教育体験、研究授業等の教育実践事例
を取り上げ、学級経営・教科指導・生徒指導等の観点別カンファレンスと、それらを統合する総
合的なカンファレンスの両面から、多重的に協同検討を行う。参加者の授業観や子ども観等に基
づく科学的・多面的な意見交流を通して、体験を理論知に高める。
(出 典 : 「 岩 手 大 学 教 育 学 部 カ ン フ ァ レ ン ス 研 究 」 No.1)
岩 手 県 教 育 委 員 会 等 (表 9 )と 連 携 し て 取 り 組 む 「 教 員 養 成 改 革 プ ロ ジ ェ ク ト 運 営 協 議
会 」で は 、プ ロ ジ ェ ク ト の 企 画 、立 案 、評 価 等 を 行 い( 平 成 19 年 3 月 26 日 第 1 回 、平 成
20 年 3 月 6 日 第 2 回 ) 、 模 擬 授 業 と 授 業 検 討 カ ン フ ァ レ ン ス を 導 入 し 、 学 校 現 場 の 課 題
に密着した課題を追求するようになった。
表9 「実践的指導力の育成を目指す教員養成改革プロジェクト運営協議会」委員の構成
会長
加藤義男
教育学部学部長特別補佐
副会長
菊池敏広
教育学部附属中学校副校長
越
岩手県教育委員会学校教育室義務教育担当課長
秀敏
夏井敬雄
岩手県総合教育センター教科領域教育室長
吉村泰樹
岩 手 大 学 教 員 養 成 機 構 委 員 (人 文 社 会 科 学 部 教 授 )
押切源一
教 育 学 部 学 務 委 員 長 (教 育 学 部 教 授 )
塚野弘明
教員養成改革プロジェクト推進委員会委員長
八重樫勝
教育学部客員教授
(出 典 : 「 岩 手 大 学 教 育 学 部 カ ン フ ァ レ ン ス 研 究 」 No.1)
(2 )分 析 項 目 の 水 準 及 び そ の 判 断 理 由
(水 準 ) 期 待 さ れ る 水 準 に あ る 。
(判 断 理 由 )
学 校 教 育 の 高 度 化 と 多 様 化 の 進 展 に 対 応 し た 3 専 攻 10 専 修 を 設 置 し 、学 校 教 員 等 の 高 度
-4 -5 -
岩手大学教育学研究科 分析項目Ⅰ.Ⅱ
専門職業人養成という学生や教育機関からの期待に応えている。
入学者の受け入れでは、外国人留学生枠や社会人枠もあり、現職教員も含む社会人には
一部の学力検査科目の代替措置を採用するなど、志願者からの要請に対応している。
教 育 内 容 ・ 方 法 の 改 善 体 制 と し て 、 全 学 的 FD 活 動 、 教 育 学 部 ・ 教 育 学 研 究 科 独 自 の FD
的 活 動 及 び ア イ ア シ ス タ ン ト に よ る 日 常 型 FD を 実 施 し て い る 。ま た 、授 業 評 価 ア ン ケ ー ト
の結果を授業改善に反映し、その成果も公開するなど、学生の期待に応えた授業のための
改善が進んでいる。
学校現場の課題に対応した教育実施体制として、長期インターンシップ制、模擬授業と
授業検討カンファレンス、なども導入している。
分析項目Ⅱ 教育内容
(1 )観 点 ご と の 分 析
観点 教育課程の編成
(観 点 に 係 る 状 況 )
教育課程は学校教育、障害児教育、教科教育の専攻毎に履修基準(最低取得単位)を定
め 、計 30 単 位 以 上 の 修 得 を 修 了 要 件 と し 、専 攻 分 野 に 関 す る 高 度 の 専 門 的 知 識 及 び 能 力 を
習 得 さ せ て い る ( 表 10・ 11) 。
表 10 教 育 学 研 究 科 履 修 基 準 ( 最 低 履 修 単 位 )
専攻
共通科目及び教科教育科目
専門科目
選択科目
特別研究
合計
学校教育専攻
6
10
8
6
30
障害児教育専攻
4
10
10
6
30
教科教育専攻
6
10
8
6
30
(出典:大学院教育学研究科履修案内)
表 11
教育学研究科の科目分類
科目の名称
共通科目
学校教育専攻で開講される科目
教 科 教 育 科 目 教 科 教 育 各 専 攻 で 開 講 さ れ る 教 科 教 育 分 野 の 科 目 ( 教職 に 関 わ る 科 目 )
選択科目
指 導 教 員 の 指 導 の も と 、研 究 目 的 に 応 じ 、所 属 す る 専攻・専 修 を 超 え て 選 択 で き る 科 目
特別研究
所 属 す る 専 攻 ・ 専 修 で の 、 指 導 教 員 の 指 導 の も と に 行う 修 了 研 究
(出典:大学院教育学研究科履修案内)
中期目標に対応した、教育学研究科の特色ある教育内容として、3つあげられる。
① 「 ス ク ー ル ・ イ ン タ ー ン シ ッ プ ・ プ ロ グ ラ ム Ⅰ ・ Ⅱ 」 ( GSIP) は 、 英 語 教 育 専 修 に お け
る地域の学校で実施する国際交流活動を含んだ選択科目であり、海外の留学生も加わって
お り 、国 際 的 視 野 を 広 げ る の に 成 果 を あ げ て い る 。平 成 17 年 度 よ り 単 位 と し て 認 定 し た( 表
12) 。
表 12 GSIP 参 加 者 数
平 成 16 年 度
15 名
平 成 17 年 度
14 名
平 成 18 年 度
10 名
平 成 19 年 度
16 名
(出典:教育学部地域連携事業報告書)
② 平 成 18 年 度 か ら 、特 別 演 習 科 目 に お い て 、現 職 教 員 の 抱 え る 教 授 場 面 の 課 題 に つ い て 検
討する「授業検討カンファレンス」を実施している。
③ 平 成 19 年 度 か ら 、附 属 学 校 へ 学 生 を 長 期 に わ た り 定 期 的 に 派 遣 す る イ ン タ ー ン シ ッ プ を
実施している。
-4 -6 -
岩手大学教育学研究科 分析項目Ⅱ
これらは6年一貫教育の試行策でもある。これらのことにより、高度な能力と識見並び
に実践力を修得した学校教員を育成している。
観点
学生や社会からの要請への対応
(観 点 に 係 る 状 況 )
平 成 19 年 度 か ら 全 て の 研 究 科 に お い て 、 ア イ ア シ ス タ ン ト に よ る シ ラ バ ス 作 成 が 行 な
わ れ て お り 、授 業 科 目 の 目 的 、到 達 目 標 、授 業 内 容 、成 績 基 準 、オ フ ィ ス ア ワ ー 等 を 明 記
しており、成績評価に異議がある場合の手続きについても周知させている。
また、社会人再教育(リカレント教育)の条件を整備するため、「現職教員等のための
特例措置」を設けており、2年次において在職校に勤務しながら履修できるように夜間、
長期休業中、土曜日等に授業を実施している。社会人や家事従事者、現職教員派遣学生等
に 「 長 期 に わ た る 教 育 課 程 の 履 修 (4 年 以 内 )」 も 可 能 に し て い る 。
研究の深化と学際性に富む課題への取り組みを可能にするため、他の専攻若しくは他の
研 究 科 の 専 攻 又 は 学 部 の 課 程 に よ る 授 業 科 目 を 、10 単 位 を 上 限 と し て 履 修 可 能 と し て お り 、
他 の 大 学 院 の 授 業 科 目 の 履 修 や 研 究 指 導 も 受 け ら れ る ( 10 単 位 以 内 ) 。
また、学生の要望により、編入学や転学、外国の大学院に留学・単位互換も可能にして
ある。さらに科目等履修生、研究生、特別聴講学生、特別研究学生の入学・受入れも可能
である。
平 成 19 年 度 修 了 生 44 名 に 対 す る 修 了 時 に ア ン ケ ー ト 調 査( 5 点 満 点 )を 実 施 し て お り 、
「 教 育 内 容 」に つ い て の 満 足 度 は 4.39 点 で あ り 、学 生 か ら 高 い 評 価 を 得 て い る( 表 13)。
表 13
修了時アンケート結果
教育内容
教育方法
学業成果
進路状況
4.39
4.43
4.00
3.98
平均点
( 出 典 : 平 成 19 年 度 修 了 時 ア ン ケ ー ト 集 計 結 果 )
ま た 、平 成 16 年 度 か ら 現 在 ま で 岩 手 県 教 育 委 員 会 が 主 催 す る「 現 職 教 員 10 年
研 修 」( 選 択 研 修 2 日 間 分 ) に つ い て 、 教 育 学 研 究 科 の 教 員 が 講 師 と な っ て 実 施
し て い る ( 表 14) 。
表 14
現 職 教 員 10 年 研 修 実 施 状 況
開設講座数
受講者数
平 成 16 年 度
60 講 座
293 名
平 成 17 年 度
78 講 座
375 名
平 成 18 年 度
74 講 座
351 名
平 成 19 年 度
63 講 座
310 名
(出典:教育学部地域連携事業報告書)
さらに、受講者から研修についての満足度を、アンケートによって把握している(表
15) 。
表 15
「 現 職 教 員 10 年 研 修 」 受 講 生 の 満 足 度
受講者数
回答者数
満足と回答者
比率
平 成 16 年 度
293
114
105
92.1%
平 成 17 年 度
365
95
87
91.6%
平 成 18 年 度
294
125
109
87.2%
平 成 19 年 度
309
260
229
88.1%
( 出 典 : 10 年 研 修 ア ン ケ ー ト 集 計 結 果 )
-4 -7 -
岩手大学教育学研究科 分析項目Ⅱ.Ⅲ
(2 )分 析 項 目 の 水 準 及 び そ の 判 断 理 由
(水 準 ) 期 待 さ れ る 水 準 に あ る 。
(判 断 理 由 )
特色ある教育内容として、①「スクール・インターンシップ・プログラムⅠ・Ⅱ」、②
授業検討カンファレンス、③インターンシップを実施しており、これによって学校現場の
実態に関わり、実践的指導力を形成するという点で学生及び地域の教育関係者の期待に応
えている。
学 生 の 要 望 に 応 え 、他 専 攻 、他 研 究 科 、学 士 課 程 、等 の 科 目 履 修 や 、他 大 学 院 の 科 目 履
修及び研究指導も受けられ、外国の大学院留学にも配慮している。
社 会 人 や 家 事 従 事 者 に は「 現 職 教 員 等 の た め の 特 例 措 置 」を 設 け て お り 、「 長 期 に わ た
る教育課程の履修」を可能にしている。
平 成 19 年 度 修 了 生 へ の ア ン ケ ー ト 調 査 で は 、 「 教 育 内 容 」 に つ い て の 満 足 度 は 4. 39
点(5点満点)であり、高い評価を得ている。
分析項目Ⅲ 教育方法
(1 )観 点 ご と の 分 析
観点 授業形態の組合せと学習指導法の工夫
(観 点 に 係 る 状 況 )
教 育 学 研 究 科 で は 、講 義 、演 習 の ほ か に 、実 践 的 指 導 力 を 育 成 す る た め に 、フ ィ ー ル ド
型 授 業 な ど の 教 育 現 場 に 密 着 し た 学 習 形 態 が あ り 、チ ュ ー ト リ ア ル 教 育 を も 取 り 入 れ 、い
ず れ も 対 話 ・ 討 論 型 で 進 め ら れ て い る 。 平 成 18 年 度 か ら 、 附 属 学 校 や 公 立 学 校 の 教 員 の
授業場面の課題について検討する、実践的な授業検討カンファレンスを導入した。
1 授 業 科 目 あ た り の 平 均 受 講 生 数 は 4.01 人 で あ り 、 少 人 数 授 業 が 成 立 し て い る 。 学
生 を テ ィ ー チ ン グ・ア シ ス タ ン ト( TA)と し て 採 用 し 、学 士 課 程 の 授 業 に 参 画 す る こ と で 、
コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 能 力 や 表 現 力 を 養 う と と も に 、教 員 と し て の 専 門 性 を 向 上 さ せ 、指 導
力の育成に資している。
平 成 19 年 度 か ら ア イ ア シ ス タ ン ト を 活 用 し 、学 習 支 援 機 能( 学 生 授 業 記 録 、学 習 記 録 、
i カード、課題・レポートの書き込み等)によって、教室外学習を効果的なものにし、教
員と学生との双方向的学習を成立させている。
研究指導に関しては、学生1名に対して必ず主任指導教員1名がついている。また、平
成 17 年 度 か ら 、学 生 の 研 究 成 果 を 公 開 し 、あ わ せ て 外 部 か ら の 検 証・評 価 を 受 け る 機 会 と
なる「修士論文発表会」を公開開催している。
ロシア、アメリカ合衆国等の大学間協定校との連携交流に加え、中華人民共和国、イン
ド 、 イ タ リ ア 共 和 国 、 カ ナ ダ の 7 大 学 と 部 局 間 協 定 を 結 び 、 海 外 の 14大 学 と 交 換 留 学 や 教
育研究の連携を強化し、異文化に触れる機会を増やしており、国際的視野を持った教員の
養 成 に 取 り 組 ん で い る 。ま た 、平 成 18年 度 に 、大 学 間 協 定 を 締 結 し て い た サ イ ア ム 大 学( タ
イ)と連携して、タイ国アユタヤ郡における中等学校の英語教育について、学生を派遣し
て交流した。
平 成 18年 度 に 研 究 科 学 生 を 対 象 に 、 附 属 教 育 実 践 総 合 セ ン タ ー 及 び 同 種 の 施 設 を 持 つ 大
学 間 に お い て 、SCSシ ス テ ム を 利 用 し た 大 学 間 遠 隔 共 同 講 義「 授 業 実 践 研 究・教 師 教 育 」( テ
-4 -8 -
岩手大学教育学研究科 分析項目Ⅲ.Ⅳ
ーマ:「教員のコミュニケーション」)を実施し、教員の表現力向上をめざした授業を実
施した。
こ れ ら の こ と に よ り 研 究 科 で は 、学 習 の 機 会 を 保 証 し て お り 、平 成 19年 度 修 了 生
44名 に 対 す る 修 了 時 に ア ン ケ ー ト 調 査 ( 5 点 満 点 ) を 実 施 し た と こ ろ 、 「 教 育 方 法 」 に つ
い て の 満 足 度 は 4. 43点 で あ り ( 表 15) 、 学 生 か ら 最 高 の 評 価 を 得 て い る 。
観点
主体的な学習を促す取組
(観 点 に 係 る 状 況 )
履修科目の選択については、大学院履修案内及びアイアシスタントによるガイダンスに
よって、学生が主体的に決定し、主任指導教員が確認してから履修科目名を研究科長に提
出することを義務付けている。このように入学時から修士号取得に向けて,主体的な学習
の方向付けを行っている。研究テーマは、学生と主任指導教員で合議し、学生の意思を尊
重して決定している。
学生の自主的な学習環境を整備するために、学生専用の自習室を設け、さらに専攻・専
修毎に院生室を設置している。院生室には学生数に応じた机・椅子・ロッカーをそなえ、
各自でインターネットが活用できるようにオンライン化している。
他専攻・専修開設の授業科目の受講も可能にしており、教職に関する幅広い知識の形成
を促す機会を設けている。
学会に参加・発表する学生に対しては、参加費の一部を補助している。
(2 )分 析 項 目 の 水 準 及 び そ の 判 断 理 由
(水 準 ) 期 待 さ れ る 水 準 に あ る 。
(判 断 理 由 )
教育学研究科の授業形態は、少人数、対話・討論型で行われ、実習的な授業検討カンフ
ァ レ ン ス も 含 め 、多 様 な 学 習 指 導 法 の 工 夫 を 取 り 入 れ て い る 。ま た 、TA の 体 験 に よ り 、教
員としての実践的指導力を培い、さらにアイアシスタントが装備する学習支援機能や、自
習室などの学習環境の整備によって主体的な学習も導いている。国際的視野を持った教員
の 育 成 と い う 社 会 か ら の 要 請 に 対 し て は 、海 外 の 14 大 学 と 大 学 間 協 定 や 部 局 間 協 定 を 結 び 、
国際交流にも取り組んでいる。
平 成 19 年 度 修 了 生 に 対 す る ア ン ケ ー ト 調 査 ( 5 点 満 点 ) で は 、 「 教 育 方 法 」 に つ い て
の 満 足 度 は 4.43 点 で あ り 、 こ の 分 析 項 目 が 最 高 点 を 得 て い る 。
分析項目Ⅳ 学業の成果
(1 )観 点 ご と の 分 析
観点 学生が身に付けた学力や資質・能力
(観 点 に 係 る 状 況 )
教育学研究科では、授業科目及び学位論文の作成等(研究指導)によって教育をしてい
る。修士の学位に係わる審査委員は、教育学研究科の主任指導教員のほか、2名の教員に
よって行われており、単位取得状況とともに、学位取得の可否を研究科教授会で判定して
いる。
平 成 16 年 度 入 学 者( 平 成 19 年 度 に 全 員 の 在 籍 期 間 が 修 了 )の 学 位 取 得 率 は 、41 人 / 41
人 の 100% で あ っ た 。平 成 17 年 度 か ら 外 部 の 検 証・評 価 を 受 け る 機 会 と な る「 修 士 論 文 発
-4 -9 -
岩手大学教育学研究科 分析項目Ⅳ.Ⅴ
表会」を公開して開催している。
本 研 究 科 で は 、 学 生 の 成 績 を 優 、 良 、 可 、 不 可 の 4 段 階 で 評 価 ( 平 成 19 年 度 生 か ら は
優 の 上 に 秀 を 置 く 5 段 階 評 価 ) し て い る 。 「 優 」 の 取 得 割 合 は 90% と 高 水 準 で あ る 。
教育の成果としての学生の学会発表・掲載論文等を把握しており、学力や資質・能力の
向上は十分である。【別添資料3:学会発表・掲載論文等一覧表】
観点
学業の成果に関する学生の評価
(観 点 に 係 る 状 況 )
平 成 19 年 度 に 実 施 し た 授 業 評 価 ア ン ケ ー ト で は 、 17 の 授 業 科 目 に つ い て 、 学 業 の 成 果
を 得 ら れ た と し て い た が 、平 成 19 年 度 修 了 時 の ア ン ケ ー ト 調 査( 5 点 満 点 )で は 、「 学 業
の 成 果 」 に つ い て の 満 足 度 は 4.00 点 で あ り 、 高 い 評 価 を 得 て い る ( 表 13) 。
また、教育学研究科ホームページに現役院生と修了生からのメッセージ欄を開設し、学
業 の 成 果 に 関 す る 学 生 の 評 価 を 反 映 さ せ て い る 。 平 成 19 年 度 版 に は 在 学 生 9 名 、 修 了 生
24 名 の 計 33 名 よ り 自 由 記 述 で の メ ッ セ ー ジ が 寄 せ ら れ 、 本 研 究 科 で の 学 業 に つ い て 満 足
で あ る と 記 述 し て い る 。 【 別 添 資 料 4 : HP の メ ッ セ ー ジ 】
(2 )分 析 項 目 の 水 準 及 び そ の 判 断 理 由
(水 準 ) 期 待 さ れ る 水 準 に あ る 。
(判 断 理 由 )
修 士 の 学 位 に 係 わ る 審 査 委 員 は 教 員 3 名 が あ た り 、 平 成 16 年 度 入 学 者 の 学 位 取 得 率 は
100% で あ っ た 。学 生 の 学 会 発 表・掲 載 論 文 等 を 把 握 し て お り 、学 力 や 資 質・能 力 は 十 分 で
ある。
平 成 19 年 度 修 了 生 に 対 す る ア ン ケ ー ト 調 査( 5 点 満 点 )に よ れ ば 、「 学 業 の 成 果 」に つ
い て は 4.00 点 と い う 高 い 評 価 を 得 て い る 。現 役 院 生 と 修 了 生 か ら の メ ッ セ ー ジ に も 、本 研
究科での学業について満足であると記述している。
分析項目Ⅴ 進路・就職の状況
(1 )観 点 ご と の 分 析
観 点 卒 業 (修 了 )後 の 進 路 の 状 況
(観 点 に 係 る 状 況 )
就職委員会は就職支援課と連携し、院生を対象にして、岩手県及び県外、首都圏の教員
採用説明会を毎年4月下旬から5月上旬にかけて実施した。また、学内で実施する各種就
職ガイダンス及び企業合同説明会について、積極的に担当委員が広報に努め、院生の参加
を促している。
さらに教育学部・教育学研究科独自の就職支援活動の取り組みとして、教員採用セミナ
ー を 実 施 し 、 参 加 す る 院 生 が 増 加 傾 向 に あ る ( 表 16) 。
表 16 教 員 採 用 セ ミ ナ ー 参 加 者 数
年度
人数
平 成 16 年 度
5
平 成 17 年 度
3
平 成 18 年 度
7
平 成 19 年 度
8
(出典:教員採用セミナー申込受付一覧より集計)
教 育 学 研 究 科 修 了 生 の 就 職 者 の 割 合 は 表 17 の と お り で あ り 、希 望 者 就 職 率 が 回 復 傾 向 に
ある。
-4 -10-
岩手大学教育学研究科 分析項目Ⅴ
表 17
教育学研究科修了生就職状況(就職率)
年度
修了生数
就職希望者
就職者
全体就職率
平 成 16 年 度
43
37
37
86.05%
希望者就職率
100
平 成 17 年 度
39
33
25
64.10%
75.76%
平 成 18 年 度
42
31
25
59.52%
80.65%
平 成 19 年 度
48
43
39
81.25%
90.70%
%
(出典:学校基本調査及び予備資料)
就職先は、学校教員のほかに、地方自治体、民間企業等幅広い職種に広がっている。平
成 19 年 度 修 了 生 の 39 名 の 就 職 者 の 内 、県 内 教 員 が 15 名 、県 外 教 員 が 9 名 、県 内 公 務 員 が
3 名 、県 内 民 間 企 業 が 4 名 、県 外 民 間 企 業 が 8 名 で あ り 、県 内 就 職 者 が 56.4% と 半 数 を 超
えている。
教 職 に 就 く 割 合 は 60% を 超 え て い る ( 表 18) 。
表 18 修 了 生 の 就 職 者 の 内 、 教 員 ・ 学 習 支 援 業 へ の 就 職 者 数
年度
就職者
教職(割合)
平 成 16 年 度
37
23( 62.2%)
平 成 17 年 度
25
17( 68.0%)
平 成 18 年 度
25
16( 64.0%)
平 成 19 年 度
39
24( 61.5%)
(出典:大学情報データベース)
観点
関係者からの評価
(観 点 に 係 る 状 況 )
平 成 19 年 度 修 了 生 44 名 に 対 す る 修 了 時 の ア ン ケ ー ト 調 査 ( 1 ∼ 5 点 ) に よ れ ば 、 「 修
了 後 の 自 分 の 進 路( 就 職 等 )」に つ い て の 満 足 度 は 3.98 点 と い う 評 価 を 得 て い る( 表 15)。
教育学部・教育学研究科では、岩手県教育委員会及び岩手県立総合教育センターと協議
す る 場( H16-1 回 ,H17-4 回 ,H18-3 回 ,H19-5 回 )を 設 け て お り 、そ の 機 会 を 活 用 し て 教 職
に進んだ修了生及び現職派遣修了生についての評価を聴取している。
平 成 19 年 度 に 、盛 岡 市 内 小・中 学 校 校 長 に 対 す る ア ン ケ ー ト 調 査 を 実 施 し て お り 、教 育
学部卒業生及び教育学研究科修了生に対する全体的印象を「優・普・劣」の3段階に分け
て 回 答 を 得 た 。「 普 通 」が 最 も 多 い 項 目 は 12 項 目( 全 17 項 目 )で あ る 。「 優 」が「 普 通 」
を上回った項目には、「意欲」、「使命感」「責任感」「ねばり強さ」「主体的に仕事を
推進」である。
また、企業合同説明会の機会を活用して、各企業の採用担当者に対し、教育学部卒業生
及び教育学研究科修了生に関するアンケート調査の集計では、「普通」が最も多い項目は
9 項 目 ( 全 17 項 目 ) で あ る 。 「 優 」 が 「 普 通 」 を 上 回 っ た 項 目 に は 、 「 意 欲 」 「 柔 軟 性 」
「社会性」「責任感」「ねばり強さ」「自ら主体的に学ぶ」「文章」である。
【別添資料5:評価内容一覧】
(2 )分 析 項 目 の 水 準 及 び そ の 判 断 理 由
(水 準 ) 期 待 さ れ る 水 準 に あ る 。
(判 断 理 由 )
教員採用枠や企業雇用の厳しい状況の中で、教育学研究科での教育成果に対する教育関
係機関等の高い評価もあって、就職希望者の就職率は向上回復傾向にある。また、学生の
要請に応え、教員採用試験をはじめとした就職支援も積極的に行っている。
修了者の県内就職者割合は高く、なかでも教職に就く修了生が多い。このことは、高度
-4 -11-
岩手大学教育学研究科 分析項目Ⅴ
な能力を持った教員を待ち受ける地域の教育関係者の期待に応えている。
平 成 19 年 度 修 了 生 に 対 す る ア ン ケ ー ト 調 査 で は 、「 修 了 後 の 自 分 の 進 路( 就 職 等 )」に
つ い て の 満 足 度 は 3.98 点 と い う 高 い 評 価 を 得 て い る 。
-4 -12-
岩手大学教育学研究科
Ⅲ
質の向上度の判断
① 事 例 1 「 教 員 組 織 の 全 学 一 元 化 」 (分 析 項 目 Ⅰ )
教 員 組 織 を 従 前 の 講 座 所 属 制 か ら 、 平 成 19 年 度 よ り 「 学 系 」 制 に 改 め 、 教 育 研 究 組 織
の 全 学 一 元 化 を 果 た し 、専 門 分 野 を 同 じ く す る 教 員 集 団 を 構 成 し 、他 研 究 科・専 攻 の 教 員
と協力し合う柔軟な教育体制とした。
② 事 例 2 「 新 し い FD 活 動 の 取 り 組 み 」 (分 析 項 目 Ⅱ )
平 成 18 年 度 ま で の「 履 修 の 手 引 き 」( 冊 子 )に よ る 履 修 指 導 か ら 、平 成 19 年 度 に ア イ
ア シ ス タ ン ト( 全 学 Web シ ラ バ ス )を 導 入 し 、双 方 向 的 教 育 を 実 現 す る 日 常 型 F D 活 動 を
作り上げた。
③事例3「専門性と実践力を備えた教員の育成」(分析項目Ⅱ)
平 成 17 年 度 よ り 、「 ス ク ー ル・イ ン タ ー ン シ ッ プ・プ ロ グ ラ ム Ⅰ・Ⅱ 」( GSIP)を 単 位
認 定 し 、平 成 18 年 度 か ら は 授 業 検 討 カ ン フ ァ レ ン ス を 実 施 し 、さ ら に 附 属 学 校 へ 長 期 派 遣
インターンシップを実施した。学校現場の実態に多く係わることにより、実践的指導力の
向上ができた。
④事例4「国際交流の促進」(分析項目Ⅲ)
平 成 16 年 度 に は 、 海 外 の 7 大 学 と 国 際 交 流 協 定 を 締 結 し て い た 。 そ の 後 、 平 成 19 年 度
ま で に 、あ ら た に 海 外 の 7 大 学 と 国 際 交 流 協 定 を 締 結 し 、留 学 生 数 は 平 成 16 年 度 5 名 か ら
平 成 19 年 度 6 名 と 微 増 で は あ る が 増 加 し て お り 、国 際 交 流 を 促 進 し 、国 際 的 視 野 を 持 っ た
教員の養成をしている。
-4 -13-
岩手大学教育学研究科
添
付
資
(4.教育学研究科)
平成20年6月
岩手大学
料
資料1
題目一覧表
名称
講演会「思春期からのADHDの理解と支援∼小
参加
実施回
人数
数
開始年月日
終了年月日
総開催時
間数
120
1
2004.06.27
2004.06.27
2.5
308
1
2004.09.25
2004.09.25
3
310
1
2005.02.05
2005.02.05
2
80
1
2005.02.19
2005.02.19
2.5
セミナー「第2回軽度発達障害セミナー」
33
1
2005.03.05
2005.03.05
2.5
講演会「軽度発達障害児・者への支援」
97
1
2005.06.12
2005.06.12
2.5
20
1
2005.07.29
2005.07.29
5
250
1
2005.11.05
2005.11.05
3
101
1
2006.02.04
2006.02.04
3
講演会「「人間力」を備えた教師をめざして」
80
1
2006.07.15
2006.07.15
3
講演会「学力を育てる学校づくり」
87
1
2006.11.25
2006.11.25
2.5
講演会「算数・数学の学力向上の具体策について」
74
1
2007.02.17
2007.02.17
3.5
講演会「教員養成・教員研修に望むこと」
100
1
2007.10.20
2007.10.20
1
講演会「学力・学習力を育む授業と評価を考える」
127
1
2007.11.03
2007.11.03
2
学校高学年から青年まで∼」
講演会「高機能自閉症・アスペルガー症候群の理
解と支援」
講演会「脳と学習のかかわり」
シンポジウム「こころの傷をうけやすい子どもた
ち:その理解と支援」
セミナー「特別支援教育コーディネーター研修セ
ミナー」
セミナー「特別支援教育教え方教室授業実践セミ
ナーin 岩手」
シンポジウム「軽度発達障害を持つ子どもたちへ
の支援の充実をめざして」
岩手大学教育学研究科
-1 -
資料2
アンケート結果一覧表
1.大学院教育学研究科での教育内容(特別研究=論文、授業科目、特例措置、他専攻科目履修、実践的
科目等)について、5段階でお答えください。特記することがありましたら、3 つ以内で記入してく
ださい。
1.大いに不満
2.ちょっと不満
3.どちらともいえない
4.ちょっと満足
5.大い
に満足
平均点:4.39
個別に書き込まれた記述
・授業実践や、外部との交流等、世界が広がるものがもっとあれば良い。
・指導教員の先生が、熱意を持って教育してもらえた。
・論文指導が充実していて満足している。音楽大学に劣らぬ実技指導が受けられることに満足している。
・論文の書き方についての指導をもう少ししていただきたいと思いました。論文の書式など形式を指定
していただけるとうれしかったです。
2.大学院教育学研究科での教育方法(授業形態、指導方法、授業時間外学習、学習環境、実習等)につ
いて、5段階でお答えください。特記することがありましたら、3 つ以内で記入してください。
平均点:4.43
個別に書き込まれた記述
・設備が十分とは言えない。
・授業で取り上げる話題が vision を見越してあり、非常に興味深く、感心が持てた。
・討議方式の授業がお互いにディスカッションができ、有意義であった。
3.大学院教育学研究科で身につけた自分の学業の成果(学力、資質・能力)について、5段階でお答え
ください。特記することがありましたら、3 つ以内で記入してください。
平均点:4.00
個別に書き込まれた記述
・社会に出て、実際に成果が出なければ評価はできないが、できることはやったつもり。
・自分の努力が足りない以外は満足です。
・自分の取り組み方に後悔しています。
4.大学院修了後の自分の進路(就職等)の状況について、5段階でお答えください。特記することがあ
りましたら、3 つ以内で記入してください。
平均点:3.98
個別に書き込まれた記述
ナシ
5.大学院修了後の自分の進路(就職等)が決まるまでの教育学研究科による支援について、5段階でお
答えください。特記することがありましたら、3 つ以内で記入してください。
平均点:3.70
個別に書き込まれた記述
・研究室の先生には相談したが、他は 1 人でやったから。(評点4)
・特に支援を受けていないので・・・・(評点3)
・先生方が気にかけてくださり、とても感謝しています。(評点5)
・メールなどで求人情報を送ってほしい。(評点2)
岩手大学教育学研究科
-2 -
資料3
学会発表・掲載論文一覧
《平成 16 年度》
畠山真也(梶原昌五)「マボヤ幼体の体壁筋および鰓を支配する神経の走行」社団法人日本動物学会東北支部大会(平
成 16 年 8 月)福島県立医科大学
小泉理恵(菊地洋一)「簡易水質分析へのデジタルカメラの応用」平成16年度東北地区化学教育研究協議会(盛岡)
(平成 16 年 9 月)
濱弘哉(菊地洋一)「温度応答性高分子を抽出媒体とした金属オキシン錯体の抽出平衡解析」平成16年度化学系9学
協会連合東北大会(盛岡)(平成 16 年 9 月)
菅原身奈・久坂哲也・渡邊瑛子・三上良太・平山訓之・稲波悠季(八木一正)「外部講師を招いての講演に関する考察
−米村でんじろうさんの講演を通して−」日本理科教育学会東北支部第 43 回大会.弘前大学(平成 16 年 11 月)
渡邊瑛子・坂本有希・久坂哲也・D.Anderson・S.Nashon(八木一正)「「磁気ボール」遊びとメタファー(Ⅱ)」日本
理科教育学会東北支部第 43 回大会、弘前大学(平成 16 年 11 月)
三上良太・久坂哲也・渡邊瑛子・平山訓之・八木一平(八木一正)「縦風洞実験装置の開発及び種子浮上実験(Ⅰ)」
日本理科教育学会東北支部第 43 回大会、弘前大学(平成 16 年 11 月)
平山訓之・久坂哲也・渡邊瑛子・三上良太・八木一平(八木一正)「「NSTA」ナショナル・コンベンションへの参加報
告(Ⅱ)」日本理科教育学会東北支部第 43 回大会、弘前大学(平成 16 年 11 月)
三上良太・久坂哲也・渡邊瑛子・平山訓之・八木一平(八木一正)「デモ実験で理科離れ・物理嫌いの解決へ―アメリ
カの高校でのデモ実験を通して―」日本物理教育学会東北支部第 20 回研究発表会、岩手大学(平成 16 年 11 月)
渡邊瑛子・久坂哲也、・D.Anderson・S.Nashon(八木一正)「メタファーとなりうる新教材「磁気ボール」の活用(Ⅰ)」
日本物理教育学会東北支部第 20 回研究発表会、岩手大学(平成 16 年 11 月)
渡邊瑛子・久坂哲也(八木一正)「物理実験セラピーの提唱(Ⅰ)」日本物理教育学会東北支部第 20 回研究発表会、岩
手大学(平成 16 年 11 月)
稲波悠季・久坂哲也・D.Anderson・S.Nashon・渡邊瑛子・三上良太・平山訓之・菅原身奈・八木一平(八木一正)「遊
園地が巨大な科学実験室に大変身!!−遊園地イベントのこれまでの経緯−」日本物理教育学会東北支部第 20 回研究発
表会、岩手大学(平成 16 年 11 月)
平山訓之・久坂哲也・渡邊瑛子・三上良太・八木一平(八木一正)「「空飛ぶみそラーメン」実験装置の開発(Ⅱ)」
日本物理教育学会東北支部第 20 回研究発表会、岩手大学(平成 16 年 11 月)
三上良太・久坂哲也・渡邊瑛子・平山訓之・八木一平(八木一正)「縦風洞実験装置による種子浮上実験(Ⅰ)」日本
物理教育学会東北支部第 20 回研究発表会、岩手大学(平成 16 年 11 月)
八木一平・佐々木修一・久坂哲也・渡邊瑛子(八木一正)「超電導ジェットコースターの教材開発(Ⅲ)」日本物理教
育学会東北支部第 20 回研究発表会、岩手大学(平成 16 年 11 月)
佐々木修一・八木一平・久坂哲也(八木一正)「鉄球浮上実験道具の開発と磁性体研究(Ⅰ)−160 年来の根本定理を
覆す意味を伝えるために−」日本物理教育学会東北支部第 20 回研究発表会、岩手大学(平成 16 年 11 月)
平山訓之・久坂哲也・渡邊瑛子・三上良太・八木一平(八木一正)「「NSTA」ナショナル・コンベンションへの参加報
告(Ⅰ)」日本物理教育学会東北支部第 20 回研究発表会、岩手大学(平成 16 年 11 月)
柳田祐子・伊藤道子(我妻則明)「セルフエスティーム測定尺度作成に関する予備研究」第42回日本特殊教育学会(早
稲田大学)(平成 16 年 9 月)
《平成 17 年度》
富田小夜(村上祐)「水の重要性を伝える教材開発 –中学校理科において」東北地区化学教育研究協議会における研究
発表(平成 17 年 9 月)東北大学
及川康(宮崎眞)
「病弱養護学校において授業参加行動に困難を示す生徒に対する支援−カリキュラム介入を通して(1)」
日本特殊教育学会第43回大会(平成17年9月)
稲葉悠季、菅原身奈、三上良太、平山訓之、久坂哲也(八木一正)「 遊園地が巨大な科学実験室に大変身!! (Ⅱ)―5
回目を迎えた遊園地イベントの概要と今後の展望―」日本物理教育学会東北支部第 21 回研究発表会、仙台第二高校(平
成17年 11 月)
三上良太、平山訓之、稲葉悠季、菅原身奈、久坂哲也(八木一正)「遊園地を活用した科学体験学習の開発」―メタ認
知能力の向上と素朴概念の修正の側面から(Ⅰ)―日本物理教育学会東北支部第 21 回研究発表会、仙台第二高校(平成
17年 11 月)
菅原身奈、稲葉悠季、三上良太、平山訓之(八木一正)「種子の落下運動を用いた教育実践 (Ⅰ)」日本物理教育学会東
岩手大学教育学研究科
-3 -
資料3
北支部第 21 回研究発表会、仙台第二高校(平成17年 11 月)
八木一平、三上良太、平山訓之(八木一正)「超伝導ジェットコースターの教材開発 (Ⅳ)」日本物理教育学会東北支部
第 21 回研究発表会、仙台第二高校(平成17年 11 月)
平山訓之、三上良太、八木一平(八木一正)「スポーツ力学研究 (Ⅰ)― ジャイロの原理を使ったスポーツ動作 ―」日
本物理教育学会東北支部第 21 回研究発表会、仙台第二高校(平成17年 11 月)
平山訓之、三上良太、菅原身奈、稲葉悠季(八木一正)「風の視覚化に関する教材研究 (Ⅰ)」日本物理教育学会東北支
部第 21 回研究発表会、仙台第二高校(平成17年 11 月)
稲葉悠季、菅原身奈、平山訓之、三上良太(八木一正)「 身近なものから感じる科学の不思議・本質 (Ⅰ)
―空気を
テーマにした実践から―」日本物理教育学会東北支部第 21 回研究発表会、仙台第二高校(平成17年 11 月)
菅原身奈、稲葉悠季、菅原身奈、平山訓之、三上良太(八木一正)「外部講師を招いての講演に関する考察 (Ⅱ) 」日
本物理教育学会東北支部第 21 回研究発表会、仙台第二高校(平成17年 11 月)
三上良太、平山訓之、稲葉悠季、菅原身奈(八木一正)「ペットボトルロケットの教材としての効果と可能性に関する
考察 (Ⅰ)」日本物理教育学会東北支部第 21 回研究発表会、仙台第二高校(平成17年 11 月)
菅原身奈、稲葉悠季、平山訓之、三上良太(八木一正)「教員養成の実態・理科の履修状況の分析 (Ⅰ)」日本物理教育
学会東北支部第 21 回研究発表会、仙台第二高校(平成17年 11 月)
八木一平、平山訓之、三上良太(八木一正)「水滴の終端速度の様子を見る装置の開発
(Ⅰ)」日本物理教育学会東北
支部第 21 回研究発表会、仙台第二高校(平成17年 11 月)
稲葉悠季、菅原身奈、三上良太、平山訓之、久坂哲也(八木一正)「 遊園地が巨大な科学実験室に大変身!! (Ⅲ)
―
5回目を迎えた遊園地イベントの概要と今後の展望―」日本理科教育学会東北支部第 44 回大会、山形大学地域教育文化
部
(平成17年 8 月)
三上良太、平山訓之、稲葉悠季、菅原身奈、久坂哲也(八木一正)「遊園地を活用した科学体験学習の開発(Ⅱ)―メ
タ認知能力の向上と素朴概念の修正の側面から―」日本理科教育学会東北支部第 44 回大会、山形大学地域教育文化部(平
成17年 8 月)
菅原身奈、稲葉悠季、三上良太、平山訓之(八木一正)「種子の落下運動を用いた教育実践 (Ⅱ)」日本理科教育学会東
北支部第 44 回大会、山形大学地域教育文化部(平成17年 8 月)
八木一平、三上良太、平山訓之(八木一正)「超伝導ジェットコースターの教材開発 (Ⅳ)」日本理科教育学会東北支部
第 44 回大会、山形大学地域教育文化部(平成17年 8 月)
平山訓之、三上良太、八木一平(八木一正)「スポーツ力学研究 (Ⅱ)
― ジャイロの原理を使ったスポーツ動作 ―」
日本理科教育学会東北支部第 44 回大会、山形大学地域教育文化部(平成17年 8 月)
平山訓之、三上良太、菅原身奈、稲葉悠季(八木一正)「風の視覚化に関する教材研究 (Ⅱ)」日本理科教育学会東北支
部第 44 回大会、山形大学地域教育文化部(平成17年 8 月)
稲葉悠季、菅原身奈、平山訓之、三上良太(八木一正)「 身近なものから感じる科学の不思議・本質 (Ⅱ)―空気をテ
ーマにした実践から―」日本理科教育学会東北支部第 44 回大会、山形大学地域教育文化部(平成17年 8 月)
菅原身奈、稲葉悠季、菅原身奈、平山訓之、三上良太(八木一正)「外部講師を招いての講演に関する考察 (Ⅲ) 」日
本理科教育学会東北支部第 44 回大会、山形大学地域教育文化部(平成17年 8 月)
三上良太、平山訓之、菅原身奈、稲葉悠季、菅原身奈(八木一正)「ペットボトルロケットの教材としての効果と可能
性に関する考察 (Ⅱ)」日本理科教育学会東北支部第 44 回大会、山形大学地域教育文化部(平成17年 8 月)
菅原身奈、稲葉悠季、平山訓之、三上良太(八木一正)「教員養成の実態・理科の履修状況の分析 (Ⅱ) ―小学校教員
を目指す学生の理科的素養はこれで良いのか?―」日本理科教育学会東北支部第 44 回大会、山形大学地域教育文化部(平
成17年 8 月)
畠山育王(内山三郎)「細胞性粘菌における胞子発芽過程のプテリジン蛍光小胞」第 19 回日本プテリジン研究会、東京
(日本大学会館)(平成 17 年 10 月)
畠山育王(内山三郎)「粘菌胞子発芽後の蛍光小胞」第8回細胞性粘菌研究会、石巻(石巻専修大学)(平成 17 年 11
月)
畠山育王(内山三郎)「細胞性粘菌の発芽及び栄養条件における自家蛍光」日本植物学会第 69 回大会、富山(富山大学)
(平成 17 年 11 月)
伊藤大(遠藤匡俊)「東北地方における”凍みもち”食慣行について」東北地理学会春季学術大会、仙台(平成 17 年 5
月)
駒木野智寛(遠藤匡俊)「縄文時代の岩手県における住居祉の出入り口の方向について」東北地理学会秋季学術大会,
福島、(平成 17 年 10 月)
伊藤道子(我妻則明)「セフルエスティーム測定尺度作成に関する予備的研究ー注意欠陥多動性障害児に対する測定尺
度をめざしてー」第43回日本特殊教育学会(金沢大学「セフルエスティーム測定尺度作成に関する予備的研究ー注意
岩手大学教育学研究科
-4 -
資料3
欠陥多動性障害児に対する測定尺度をめざしてー」(平成 17 年 9 月)
《平成 18 年度》
富田小夜(村上祐)「中学校理科における水の発展的学習」東北地区化学教育研究協議会における研究発表(平成 18 年
9 月)秋田大学
戸来キイ子(鎌田文聰)「領域・教科を合わせた指導を大きく位置づける小学校特殊学級における教育課程編成の課題」
日本発達障害学会第41回研究大会(平成18年6月)北海道大学
臼井直(宮崎眞)「軽度発達障害児に対する漢字の読み指導−同時見本合わせ法と刺激内プロンプトを使用した教材開発
その1」日本LD学会第15回大会(平成18年10月)
臼井直(宮崎眞)「軽度発達障害児に対する漢字の読み指導−同時見本合わせ法と刺激内プロンプトを使用した教材開発
その1」日本産業技術教育学会第24回東北支部大会(平成18年11月)
菅原身奈、稲波悠季、押切志郎、木村真一(八木一正)「子ども科学館における理科ものづくり (Ⅱ) ―回転種子とス
トロー笛の工作―」日本理科教育学会東北支部第45回研究大会、宮城教育大学(平成18年11月)
押切志郎、木村真一、稲波悠季、菅原身奈、八木一平(八木一正)「物理が分るためには何が一番必要か (Ⅱ)―“ハリ
ハリボール”で密度概念形成の試み―」日本理科教育学会東北支部第45回研究大会、宮城教育大学(平成18年11
月)
木村真一、押切志郎、菅原身奈、稲波悠季(八木一正)「野鳥の巣箱の内部観察システムの開発(Ⅰ)」日本理科教育学
東北支部第45回大会、宮城教育大学(平成18年11月)
稲波悠季、菅原身奈、押切志郎、木村真(八木一正)「小学生はいつから理科が好きになるのか(Ⅲ)―米国での出前授
業の実践から―」日本理科教育学会東北支部第45回研究大会、宮城教育大学(平成18年11月)
押切志朗、稲波悠季、菅原身奈、木村真一(八木一正)縦風洞実験装置による種子浮上実験(Ⅱ)、日本物理教育学会第
23 回研究大会、仙台市戦災復興記念館(平成18年 8 月)
稲波悠季、菅原身奈、押切志郎、木村真一、八木一正、久坂哲也、遊園地が巨大な科学実験室に大変身(Ⅳ) ―6回目
を迎えた遊園地イベントの概要と今後の展望―、日本物理教育学会第 23 回研究大会、仙台市戦災復興記念館(平成18
年 8 月)
菅原身奈、稲波悠季、押切志朗、木村真一(八木一正)種子の落下運動を用いた教育実践 (Ⅲ)、日本物理教育学会第
23 回研究大会、仙台市戦災復興記念館(平成18年 8 月)
菅原身奈、稲波悠季、押切志朗、木村真一(八木一正)物理が分るためには何が一番必要か (Ⅰ)―論理的な枠組み形成
の手法―、日本物理教育学会第 23 回研究大会、仙台市戦災復興記念館(平成18年 8 月)
《平成 19 年度》
松田幸恵(宮崎眞)「高機能自閉症児における社会的スキル指導の検討1−集中指導の効果に対する検討」日本特殊教育
学会第45回大会(平成19年9月)
松田幸恵(宮崎眞)「ソーシャルスキル支援とスクリプト3−より豊かな社会的スキル発達支援のための,スクリプト指
導の可能性を探る」日本特殊教育学会第45回大会(平成19年9月)
氏家千恵美(宮崎眞)「自閉症児における先行子操作による自然な弁別の獲得−気になる行動の軽減−」日本行動分析学
会第45回大会(平成19年8月)
田中達也(菊地洋一)「温度応答性高分子を用いた金属ハロゲノ錯体の抽出」第 56 回日本分析化学会年会(徳島)(平
成 19 年 9 月)
谷村佳紀、グリバハル・マホムテ、押切志郎、木村真一、渡辺陽介、加藤由佳(八木一正)超能力にだまされない科学的
思考力の育成(Ⅲ)、日本理科教育学会東北支部第46回研究大会、岩手大学(平成19年 11 月)
加藤由佳、谷村佳紀、グリバハル・マホムテ、押切志郎、木村真一(重松公司、八木一正)野鳥の巣箱の内部監察システ
ムの開発(Ⅱ)、日本理科教育学会東北支部第46回研究大会、岩手大学(平成19年 10 月)
グリバハル・マホムテ、谷村佳紀、加藤由佳(八木一正)ブーメランの戻る原理とスポーツ力学(Ⅱ)、日本理科教育学
会東北支部第46回研究大会、岩手大学(平成19年 10 月)
木村真一、グリバハル・マホムテ、押切志郎、谷村佳紀、加藤由佳(八木一正)物理教育9歳の壁(Ⅲ)、日本理科教育
学会東北支部第46回研究大会、岩手大学(平成19年 10 月)
渡辺陽介、グリバハル・マホムテ、押切志郎、木村真一(八木一正)省エネ・室温成層化防止研究(Ⅱ)―ある小学校で
のエネルギー教育の実践から―、日本理科教育学会東北支部第46回研究大会、岩手大学(平成19年 10 月)
岩手大学教育学研究科
-5 -
資料3
木村真一、押切志郎、谷村佳紀、加藤由佳、グリバハル・マホムテ(八木一正)環境教育におけるジレンマワーク(Ⅰ)
―環境教育の実践―、日本理科教育学会東北支部第46回研究大会、岩手大学(平成19年 11 月)
押切志郎、グリバハル・マホムテ、八木一平、木村真一、谷村佳紀、加藤由佳(重松公司、八木一正)物理が分かるため
には何が一番必要か(Ⅲ)、日本理科教育学会東北支部第46回研究大会、岩手大学(平成19年 10 月)
加藤由佳、谷村佳紀、グリバハル・マホムテ、押切志郎、木村真一(重松公司、八木一正)遊園地での物理体験学習 7 年
目の挑戦(Ⅰ)、日本物理教育学会東北支部研究大会、山形大学(平成19年 10 月)
八木一平、グリバハル・マホムテ、谷村佳紀、加藤由佳(八木一正)ブーメランの戻る原理とスポーツ力学、日本物理教
育学会東北支部研究大会、山形大学(平成19年 10 月)
木村真一、グリバハル・マホムテ、押切志郎、谷村佳紀、加藤由佳(八木一正)物理教育9歳の壁(Ⅱ)、日本物理教育
学会東北支部研究大会、山形大学(平成19年 10 月)
谷村佳紀、グリバハル・マホムテ、押切志郎、木村真一、渡辺陽介、加藤由佳(八木一正)超能力にだまされない科学的
思考力の育成(Ⅱ)、
日本物理教育学会東北支部研究大会、山形大学(平成19年 10 月)
渡辺陽介、グリバハル・マホムテ、押切志郎、木村真一(八木一正)省エネ・室温成層化防止研究(Ⅰ)、日本物理教育
学会東北支部研究大会、山形大学(平成19年 10 月)
押切志郎、グリバハル・マホムテ、八木一平、木村真一、谷村佳紀、加藤由佳(重松公司、八木一正)物理が分かるため
には何が一番必要か(Ⅱ)、日本物理教育学会東北支部研究大会、山形大学(平成19年 10 月)
藤原崇(遠藤匡俊、土屋直人)「「北方地域」と「北方諸民族」の教材化—時間・空間・社会の総合的理解から—」日本
教材学会(第 19 回研究発表大会)東京学芸大学(平成 19 年 11 月)
川村英二(井上祥史)「GPS による簡易ミックスドリアリティシステムの試作」日本産業技術教育学会第 25 回東北支部
大会、仙台(平成 19 年 12 月)
金野佳子(武田京子)「現在求められている父親の役割について」日本家政学会東北・北海道支部第 52 回支部総会・研
究発表会(平成 19 年 9 月)
金野佳子(武田京子)「父親の親役割形成に関する研究(2)—父親の親役割への肯定感・否定感と、父性性・母性性と
の因果関係の検討—」日本保育学会第 60 回大会(平成 19 年 5 月)
金野佳子(武田京子・菅原正和)「親の父性性・母性性の形成要因—親自身が受けた養育経験からの考察—」東北心理学
会第 61 回大会(平成 19 年 9 月)
岩手大学教育学研究科
-6 -
資料4
ホームページのメッセージ
各専攻・専修 現役院生よりのメッセージ
【学校教育専攻】
佐藤 紘子(平成19年修了
釜田 史(平成17年修了)
【障害児教育専攻】
臼井 直(現職派遣) 戸来キイ子(現職派遣)佐々木 全(平成12年修了;現職派遣)
【国語教育専修】
笹 功(平成 19 年修了) 淵澤 聡(平成 18 年修了;現職派遣)
熊谷 知暁(平成10年修了)
【社会科教育専修】
伊藤 大(平成16年入学)
【数学教育専修】
松田 圭一 (平成18年入学)
宇部 敦史(平成19年修了)
金濱 千明(平成17年修了;現職派遣)
【理科教育専修】
畠山 育王(平成17年修了)
【音楽教育専修】
千田 愛(平成19年修了)
柿崎 倫史(平成18年入学)
磯貝(浅沼)友絵(平成14年修了)
【美術教育専修】
岩渕 毅弘(平成19年入学;現職派遣)
濱 千尋(平成19年入学)
高橋 克圭(平成18年修了)
山口 光(平成13年修了)
【保健体育専修】
吉田 哲(平成17年入学)
佐々木 大志(平成15年修了)
田中 結貴(平成14年3修了)
【技術教育専修】
山口 晋(平成15年修了;現職派遣)
永田 昌信(平成16年修了;現職派遣)
【家政教育専修】
角田 朋香(平成18年入学)
吉田 葉子(平成18年修了)
大畑 素子 (平成17年修了)
【英語教育専修】
加藤 みち子(平成19年入学)
熊倉 健介(平成18年入学)
主濱 祐二(平成18年修了)
沼田 弘二(平成17年修了)
畠山廣子(平成16年修了)
岩手大学教育学研究科
-7 -
資料5
評価内容一覧
教職管理職者対象アンケート
教育学部(教育学研究科を含む)OB・OG の印象
自ら
ねば
主体
使命 社会 責任
り強
意欲
感
性
感
的に
さ
学ぶ
区分
教育学部計
歴
コミ
情報 史・
主体
リー ュニ
外国
学習
収
文
的に
ダー ケー
語運
指導
文章
集・ 化・
仕事
シッ ショ
用能
力
活用 社
推進
プ
ン能
力
能力 会・
力
自然
環境
問
知的 専門
題・
財産 分野
社会
問題
優
9
11
7
10
9
4
10
6
5
7
3
0
1
0
0
0
2
普
7
5
9
6
7
12
6
10
11
9
13
12
12
13
14
11
13
劣
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
2
2
1
1
2
0
企業採用担当者対象アンケート
②教育学部(教育学研究科を含む)OB・OG の印象
自ら
ねば
主体
柔軟 社会 責任
り強
意欲
性
性
感
的に
さ
学ぶ
区分
教育学部計
コミ
情報
主体
リー ュニ
外国
企画
収
的に
ダー ケー
語運
立案
文章
集・
仕事
シッ ショ
用能
能力
活用
推進
プ ン能
力
能力
力
歴
史・ 環境
文
問
知的 専門
化・ 題・
財産 分野
社 社会
会・ 問題
自然
優
30
22
24
34
24
27
19
11
14
23
21
3
13
12
11
3
11
普
17
20
20
12
19
17
24
30
23
23
20
29
26
25
26
31
26
劣
1
2
2
2
2
0
1
0
3
1
1
3
0
0
0
2
1
岩手大学教育学研究科
-8 -
岩手大学工学部
5.工学部
Ⅰ
工学部の教育目的と特徴
Ⅱ
分析項目ごとの水準の判断
Ⅲ
・・・・・・・・・・5−2
・・・・・・・・・5−4
分析項目Ⅰ
教育の実施体制
分析項目Ⅱ
教育内容
・・・・・・・・・・・5−5
分析項目Ⅲ
教育方法
・・・・・・・・・・・5−9
分析項目Ⅳ
学業の成果
分析項目Ⅴ
進路・就職の状況
質の向上度の判断
・・・・・・・・5−4
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 5 − 10
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 5 − 12
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 5 − 14
51-
岩手大学工学部
Ⅰ
工学部の教育目的と特徴
1(工学部の理念と教育目標)
工 学 部 は 、工 学 分 野 及 び そ の 周 辺 の 専 門 知 識 を 有 し 国 際 的 に 活 躍 で き る 人 間 性 豊
か な 人 材 の 育 成 と 、科 学 技 術 分 野 に お け る 基 礎 研 究 と 応 用 研 究 を 積 極 的 に 推 進 す る
ことによって自然界の摂理の解明と技術革新の推進に貢献することを目的として
いる。
2(教育組織の特徴)
工学部では、現代社会が抱える諸問題を解決し、新しい科学技術の進化に貢献す
る た め に 、平 成 12 年 度 に 、そ れ ま で の 学 科 に 加 え て 新 た に 福 祉 シ ス テ ム 工 学 科 を 新
設し、現行の7学科に改組している。独立専攻フロンティア材料機能工学専攻の兼
担 を 含 め た 教 員 数 は 平 成 19 年 8 月 現 在 134 名 で 、全 学 一 元 化 教 員 組 織 で あ る 学 系 に
所属している。
3(教育内容の特徴)
1)全学共通教育では、幅広い教養と総合的な判断力を培い、豊かな人間性を育くむ
ことを目指している。学部専門教育では,専門分野における基礎的な学力を身につ
けるとともに、現実の課題に臨んだ際に問題を設定・解決し、他人に説明する能力
を修得させることにより学生の基礎的能力の保証に努めている。
2)全学共通教育及び専門教育とも全授業科目にわたってシラバスを作成し、ウェブ
ページ上で公開して学生の授業時間外学習を推進している。また、アイアシスタン
ト ( 拡 張 web シ ラ バ ス ) を 通 じ て 学 生 と 教 員 と の 双 方 向 的 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 機 能
の活用がなされている。オフィスアワーを設定し、授業時間外でも指導ができる体
制 を 構 築 し 、 TA を 積 極 的 に 活 用 し た き め 細 か い 学 習 支 援 も 行 っ て い る 。
3 )学 生 や 地 域 社 会 の 要 望 に 応 え て 、平 成 12 年 度 よ り 国 際 研 修 と 社 会 体 験 学 習 の 科 目
を開設し、単位認定することにより学外教育の推進を図っている。
4(教育改善)
平 成 17 年 度 か ら 学 生 に よ る 授 業 評 価 ア ン ケ ー ト 調 査 を 学 期 ご と に 実 施 し ( 平 成
19 年 度 か ら は 隔 年 実 施 )、 調 査 結 果 を 担 当 教 員 に 報 告 し て 授 業 改 善 に 反 映 さ せ て い
る 。ま た 、教 員 に よ る 授 業 実 施 報 告 を 学 期 ご と に 実 施 し( 平 成 19 年 度 か ら は 隔 年 実
施;授 業 ア ン ケ ー ト と 交 互 )、調 査 結 果 を 教 員 に 公 表 し 、同 じ く 授 業 改 善 に 反 映 さ せ
て い る 。平 成 19 年 度 に は 卒 業 生 に よ る 授 業 評 価 ア ン ケ ー ト 調 査 と 企 業 関 係 者 に よ る
アンケート調査を行い、教育改善に役立てている。
な お 、機 械 工 学 科 と 建 設 環 境 工 学 科 で は 、平 成 20 年 度 に 日 本 技 術 者 教 育 認 定 機 構
( JABEE) の 認 定 申 請 を 行 う 予 定 で 、 受 審 に 備 え て 準 備 を 進 め て い る 。
5(学生の進路)
就職説明会、企業合同セミナー、公務員や教員の採用試験関係ガイダンス等を実
施 し 、就 職 支 援 に 努 め て い る 。主 な 業 種 別 就 職 先 は 民 間 企 業 で 、ほ ぼ 100%の 就 職 率
を 挙 げ て お り 、養 成 し よ う と す る 人 材 像 に 応 じ て い る 。大 学 院 進 学 率 は 学 部 平 均 42%
と高く、他大学の大学院への進学者数も増えている。
[想 定 す る 関 係 者 と そ の 期 待 ]
工 学 部 が 想 定 す る 関 係 者 と は 、第 一 に 学 部 学 生 で あ り 、さ ら に 地 域 や 産 業 界 を 含
む 国 内 外 の 工 学 関 係 者 並 び に 一 般 市 民 で あ る 。こ れ ら の 関 係 者 か ら 、自 然 界 の 摂 理
の 解 明 と 技 術 革 新 の 推 進 に 貢 献 す る 教 育 研 究 活 動 を 通 じ 、科 学 技 術 分 野 に お け る 基
52-
岩手大学工学部
礎 学 力 と 、工 学 的 課 題 に 積 極 的 に 挑 戦 で き る 専 門 的 能 力 を 有 し 、地 域 社 会 と 国 際 社
会の発展に貢献できる技術者や研究者の育成を期待されていることを想定してい
る。
53-
岩手大学工学部 分析項目Ⅰ
Ⅱ
分析項目ごとの水準の判断
分析項目Ⅰ 教育の実施体制
(1 )観 点 ご と の 分 析
観点 基本的組織の編成
(観 点 に 係 る 状 況 )
工学部では、現代社会が抱える諸問題を解決し、新しい科学技術の進化に貢献するため
に 、平 成 12 年 度 に 、そ れ ま で の 学 科 に 加 え 福 祉 シ ス テ ム 工 学 科 を 新 設 し て 、現 行 の 7 学 科
に改組している。
過 去 4 年 間 の 平 均 実 入 学 者 数 は 、 入 学 定 員 の 約 1.11 倍 で あ り 、 工 学 部 の 入 学 定 員 と 実
入 学 数 と の 関 係 に つ い て は 適 正 化 が 図 ら れ て い る ( 表 1 )。 入 学 者 の 受 入 れ に あ た っ て は 、
工学部のアドミッションポリシーを設定し、これに応じて一般入試、推薦入学Ⅰ、外国人
特別入試など多様な入学試験を実施している。また、入試会場としては、岩手大学のほか
に 、平 成 18 年 度 に 東 京 会 場( 前 期 )、平 成 20 年 度 に 札 幌 会 場( 前・後 期 )を 新 設 し 、受 験
者数の確保に努めている。
入 学 者 の 内 訳 ( 平 成 19 年 度 ) に つ い て は 、 岩 手 県 内 出 身 者 218 名 ( 47%)、 内 女 子 25 名
( 岩 手 県 内 で 12%)、 外 国 人 5 名 ( 10 月 入 学 を 含 む )、 社 会 人 0 名 で あ る 。
表1 過去4年間の入学者状況
年 度
募集人員
志願者数
受験者数
合格者数
入学者数
平成16年度
440名
1,585名
1,165名
525名
493名
平成17年度
440名
1,279名
884名
515名
479名
平成18年度
430名
1,193名
898名
504名
469名
平成19年度
430名
1,094名
792名
506名
465名
平 成 19 年 度 か ら の 教 員 組 織 の 全 学 一 元 化 に よ り 教 員 は 各 学 系 に 所 属 す る こ と に な っ た 。
平 成 19 年 4 月 現 在 の 配 置 教 員 数 は 下 表 の と お り で あ り 、教 育 課 程 を 遂 行 す る た め に 必 要 な
教 員 は 確 保 さ れ て い る ( 表 2 )。
表2
工 学 部 現 員 配 置 一 覧 表 ( 平 成 19 年 4 月 現 在 )
科
現員
教授
准教授
講師
助教
応用化学科
15
7
4
0
4
材料物性工学科
15
6
7
0
2
電気電子工学科
14
6
4
1
3
機械工学科
22
9
7
0
6
建設環境工学科
18
8
6
0
4
情報システム工学科
21
6
7
2
6
福祉システム工学科
14
5
4
1
4
15
5
5
0
5
52 名
44 名
4 名
34 名
フロンティア材料機能工学専攻
計
134 名
※ 金属材料保全工学研究センターの教員3名は、材料物性工学科に含めた。
学 部 、 大 学 院 を 併 せ た 収 容 定 員 ベ ー ス で の 教 員 1 人 当 た り の 学 生 数 は 、 工 学 部 19.2 名
であり、学部教育課程を遂行するために必要な教員が確保されている。フロンティア材料
機能工学専攻に所属する教員も学部教育を兼担する体制をとっており、学士課程教育の充
実に努めている。
54-
岩手大学工学部 分析項目Ⅰ.Ⅱ
観点
教育内容、教育方法の改善に向けて取り組む体制
(観 点 に 係 る 状 況 )
大 学 教 育 総 合 セ ン タ ー が 企 画 ・ 実 施 し て い る 定 期 的 な FD 合 宿 研 修 会 に 工 学 部 の 教 員 も
積極的に参加している。また、定期的に工学部と岩手県教育委員会、高等学校教員等との
懇 談 会 並 び に 岩 手 県 工 業 会 と の 懇 談 会 を 実 施 し て 意 見 聴 取 し 、こ れ を 教 員 に 公 表 し て い る 。
さらに、学生による授業評価アンケート調査並びに教員による授業実施報告を交互に隔年
ごとに実施し、それぞれ報告書を作成している。報告書に示された授業評価の結果は良好
で ( 総 合 的 評 価 が 100 点 満 点 中 72 点 )、 教 育 改 善 の 成 果 が 挙 が っ て い る こ と が 窺 わ れ た 。
平 成 19 年 度 に は 、過 去 6 年 間 の 卒 業 生 に よ る 授 業 評 価 ア ン ケ ー ト 調 査 を 実 施 し 、結 果 を ま
とめて報告書を作成した。これら調査やアンケートの結果は、教員個々の授業やカリキュ
ラムの編成の改善に反映している。また、社会体験学習の科目を開設し、実施報告会を行
うとともに報告書を作成しており、受け入れ事業所からの意見・要望も積極的に反映させ
て い る ( イ ン タ ー ン シ ッ プ 実 施 報 告 書 )。
機 械 工 学 科 と 建 設 環 境 工 学 科 で は 平 成 20 年 度 に JABEE の 認 定 申 請 を 行 う 予 定 で 、 受 審
の準備に取り組んでいる。
(2 )分 析 項 目 の 水 準 及 び そ の 判 断 理 由
(水 準 ) 期 待 さ れ る 水 準 に あ る 。
(判 断 理 由 )
教育課程を遂行するために必要な専任教員が確保され、充実した教育体制が編成されて
い る 。学 生 及 び 卒 業 生 に よ る 授 業 評 価 ア ン ケ ー ト 調 査 か ら 、
「学生や卒業生からおおむね理
解 し や す い 授 業 で あ る 」、「 教 員 の 熱 意 が 感 じ ら れ る 」 等 の 評 価 を 受 け て い る こ と か ら 判 断
さ れ る 。ま た 、教 育・工 業 分 野 の 学 外 者 と の 懇 談 会 で も 、
「卒業生の技術者あるいは教育者
としての資質が備わって活躍している」との意見があることから、教育内容・方法も改善
されていると判断される。
さらに、授業等がシラバスに準拠して行われ、成績評価も適正であることは教員による
授業実施報告からも判断される。
分析項目Ⅱ 教育内容
(1 )観 点 ご と の 分 析
観点 教育課程の編成
(観 点 に 係 る 状 況 )
工 学 部 の 教 育 課 程 は 、 全 学 共 通 教 育 と 専 門 教 育 に よ っ て 構 成 さ れ て い る( 表 3 )。 全 学
共 通 教 育 科 目 で は 、平 成 19 年 度 に 基 礎 ゼ ミ ナ ー ル を 必 修 科 目 と し て 新 設 し 、こ こ で 転 換
教 育 を 実 施 し て い る 。 卒 業 認 定 単 位 に 占 め る 全 学 共 通 教 育 科 目 の 割 合 は 約 25% に な る よ
うに増やした。
専門教育科目は、基礎教育、専門教育、専門学部共通教育という有機的な繋がりをも
った段階的な教育科目から構成されており,全学共通教育を含めて学士課程としての一
貫 教 育 を 行 っ て い る( 表 3 と 表 4 )。 教 育 課 程 の 編 成 に あ た っ て は 、 学 生 や 産 業 界 か ら 期
待されている技術革新への対応も配慮している。現実の課題に臨んだ際に問題を設定・
解 決 し 、 他 人 に 説 明 さ せ る 能 力 の 養 成 は 主 に 専 門 科 目 で 行 わ れ 、 特 に 「 演 習 」、「 国 際 研
修 」、「 社 会 体 験 学 習 」、「 研 修 」、「 卒 業 研 究 」 で 行 わ れ て い る 。
55-
岩手大学工学部 分析項目Ⅱ
表3
各
全学共通教育科目
科
目
の
工学部の教育科目編成
趣
旨
及
び
特
色
人 間 と し て の 基 礎 的 知 識 及 び 総 合 的 判 断 能 力 の 涵 養 を 目 標 と し 、全
学 部 の 学 生 が 共 通 に 履 修 す る 広 義 の 教 養 教 育 科 目 で あ り 、転 換 教 育
科目、共通基礎科目、教養科目で構成される。
転換教育科目
大 学 で の 学 び へ の 導 入 を 目 標 と し 、少 人 数 の 基 礎 ゼ ミ ナ ー ル で 行 わ
れ る ( 平 成 19年 度 導 入 )。
共通基礎科目
学業及び社会生活に必要な基本的技能と知識の習得を目標とする。
教養科目
幅広く深い教養と総合的な判断力の養成を目標とする。
教養科目における
境教育科目
教養科目における
年次課題科目
環 本学が重視する環境教育の出発点として位置づけられる教養科目
である。
高 専 門 性 を 身 に つ け つ つ あ る 3 年 次 以 上 の 学 生 を 対 象 に 、社 会 の 具 体
的問題の解決に様々な専門分野がどう協働すればよいのかという
実 践 的 な 課 題 を 学 ぶ こ と を 目 標 と し た 科 目 で あ り 、共 通 教 育 と 専 門
教 育 の 総 合 を 目 指 し た 科 目 で あ る ( 平 成 19年 度 導 入 )。
専門教育科目のうち、 工学系の各専門分野 において基礎 となる科目 (数学、物理学、 物
専 門 基 礎 科 目 及 び 工 学 理 学 実 験 、化 学 、化 学 実 験 、 生 物 学 、 確 率 統 計 学 )で あ り 、 工 学
基礎科目
的基礎能力の養成を目標とする。
専門科目
学 科 ご と に 学 ぶ 専 門 科 目 で あ り 、国 際 的 基 準 を 満 た す 専 門 的 能 力 、
工学的課題を設定・解決する能力、他人に説明する能力等の養成
を目標とする。
専門科目のうち、学部 工学系の各専門分野 において共通 に履修する 専門科目であり、 地
共通科目
域社会や国際社会と交流するために必要な理解力や対応力の養成
を目標とする。理系科目の補強教育も含まれる。
専門科目のうち、学外 学部共通教育に含ま れる学外教育 科目であり 、社会体験学習( 事
教育科目
業所でのインターンシップ)と国際研修(短期留学)がある。
56-
岩手大学工学部 分析項目Ⅱ
表4 工学部の教育内容
学科
応
用
化
学
科
区分
展
開
化
学
分野名
基
礎
化
学
材
料
物
性
工
学
科
鋳
物 材
造
性 料
工
学 学
学
電
気
電
子
工
学
科
電
気
エ
ネ
ル
ギ
|
工
学
電
子
シ
ス
テ
ム
工
学
機
械
工
学
科
電
子
デ
バ
イ
ス
工
学
金
型
工
学
機
械
エ
ネ
ル
ギ
|
工
学
機
械
生
産
基
礎
工
学
情
報
シ
ス
テ
ム
工
学
科
建
設
環
境
工
学
科
機
械
シ
ス
テ
ム
工
学
建
設
工
学
環
境
工
学
メ
デ
ィ
ア
シ
ス
テ
ム
学
知
能
シ
ス
テ
ム
学
福
祉
シ
ス
テ
ム
工
学
科
計
算
機
シ
ス
テ
ム
学
福
祉
基
礎
工
学
福
祉
生
体
工
学
必修
69
60
66
74
86
57
49
選択
25
34
28
20
8
37
45
計
94
94
94
94
94
94
94
全学共通教育科目
31
31
31
31
31
31
31
卒業資格単位数
125
125
125
125
125
125
125
専門科目
本学では環境教育に全学的に取り組んでおり、
「各学部の特性を生かした全学的知的財
産 教 育 」 が 平 成 17 年 度 に 「 現 代 的 教 育 ニ ー ズ 支 援 プ ロ グ ラ ム 」( 現 代 GP) に 採 択 さ れ 、
全 学 の 教 育 課 程 に 組 み 込 ま れ て い る 。ま た 、現 代 GP に 関 連 し た 高 年 次 課 題 科 目 を 全 学 共
通 教 育 科 目 と し て 履 習 で き る よ う に し た 。専 門 教 育 科 目 の 一 部 に つ い て も 、平 成 18 年 度
の 現 代 GP に 採 択 さ れ た「 持 続 可 能 な 社 会 の た め の 教 養 教 育 の 再 構 築 : 学 び の 銀 河 プ ロ ジ
ェ ク ト 」 の 一 環 と し て ESD 関 連 科 目 と し て 開 設 し 、 そ の 趣 旨 と 考 え 方 を 教 授 し て い る 。
入学者の基礎学力不足に対応するため、工学入門数学・化学・物理の3科目を学部共
通 科 目 と し て 平 成 12 年 度 に 開 講 し 、 補 強 教 育 と し て 成 果 を あ げ て お り 、 単 位 認 定( 卒 業
要 件 に 入 ら ず ) し て い る ( い ず れ も 数 十 名 受 講 )。 ま た 、 学 外 科 目 と し て 社 会 体 験 学 習 と
国際研修を開設し、単位認定している。
な お 、 平 成 19 年 度 か ら 導 入 さ れ た 「 基 礎 ゼ ミ ナ ー ル 」 は 、 工 学 部 の 全 教 員 担 当 に よ る
少 人 数 ( 3 ∼ 10 名 ) 教 育 を 実 施 し て 、 大 学 に お け る 学 習 ス キ ル を 修 得 さ せ る な ど 、 高 校
教育(生活)から大学教育(生活)へのスムーズな転換という側面で効果があった。
観点
学生や社会からの要請への対応
(観 点 に 係 る 状 況 )
学 生 や 社 会 か ら の 要 請 に 対 応 し て 、 他 学 科 、 他 学 部 及 び 他 大 学 開 講 科 目 に つ い て は 10
単位(一部8単位)を上限に単位認定する制度が整備されている。また、北東北国立3大
学の間で相互に授業科目を提供して教養教育科目の多様化を実現しているほか、岩手5大
学の間でも単位互換を実施している。さらに、学生の要望に応じて放送大学の科目につい
57-
岩手大学工学部 分析項目Ⅱ
ても単位認定を実施している。
工学部の専門教育の特色を活かし、高校1種数学・理科・情報・工業の教員免許の取得
可能なカリキュラムも編成し、学生と岩手県教育委員会の要請に応えている.また、社会
的状況の中で強く求められる技術者としての倫理観と総合的知識を養うために、通常の専
門科目に加えて、工業倫理、工業経営、知的財産に関する授業を実施している。
編 入 学 ( 3 年 次 編 入 ) も 実 施 し て お り 、 編 入 学 生 の 単 位 を 50 単 位 程 度 認 定 し て 編 入 学
後 2 年 間 で 卒 業 で き る よ う に し て い る ( 表 5 )。
表5
学
科
平 成 16年 度
工学部編入学生数調べ
平 成 17年 度
平 成 18年 度
平 成 19年 度
計
応用化学科
1
0
2
3
6
材料物性工学科
1
1
2
3
7
電気電子工学科
16
10
8
13
47
機械工学科
11
6
15
3
35
建設環境工学科
9
9
5
4
27
情報システム工学科
4
1
5
5
15
福祉システム工学科
3
3
3
3
12
計
45
30
40
34
149
学生の要望に応えて、早期卒業制度や長期履修学生制度を設けている。また、転学科と
転学部ができるように学則を整備し、実績を出している。
インターンシップについては、単位認定を行っているほか、広範にわたる事業所で実施
している。最近は学生から海外企業での実施希望もあり、少人数ながら中国やタイ王国の
企業で実施した。
国 際 研 修 に つ い て は 、 学 生 の 語 学 研 修 の 要 望 に 応 え て 、 平 成 14 年 度 よ り オ ー ス ト ラ リ
ア の モ ナ シ ュ 大 学 で 行 っ て い る 。さ ら に 、平 成 19 年 度 に は カ ナ ダ の ブ リ テ ィ ッ シ ュ・コ ロ
ンビア大学の研修プログラムの調査を行った。
岩手県教育委員会からの要請に応えて、岩手県立黒沢尻工業高校専攻科生を受講生とし
て 受 入 れ 、 平 成 19 年 度 は 各 コ ー ス ( 機 械 コ ー ス 、 電 気 電 子 コ ー ス 合 計 12 名 ) 5 科 目 の 専
門科目の履習を行った。
学生や企業からの要望に応えて、各学科で専門英語教育を強化している。
建設環境工学科では、防災及び環境保全の教育・啓発活動を目的とした「地域を支える
エ コ リ ー ダ ー・防 災 リ ー ダ ー 育 成 プ ロ グ ラ ム 」が 平 成 19 年 度 に 文 部 科 学 省 の 社 会 人 の 学 び
直しニーズ対応教育推進事業として採択された。岩手県では、環境・防災に関する委員会
における住民代表委員の選出にあたり、本プログラム修了者に授与されるエコリーダー、
防災リーダーの認定証を有する者を優先するなど、本プログラムの社会通用性も保証され
ている。
(2 )分 析 項 目 の 水 準 及 び そ の 判 断 理 由
(水 準 ) 期 待 さ れ る 水 準 を 上 回 る 。
(判 断 理 由 )
学生の教育内容の要望に応えて、技術革新に応じた教育課程を編成し、学士課程一貫教
育を行っている。また、所属学科外の履修科目の単位認定、基礎学力不足対策として補強
教育の実施、専門語学教育として国際研修と専門英語教育の実施、学外教育として国際研
修と社会体験学習の実施、教職課程として教員免許(高校1種数学・理科・情報・工業)
取 得 の 教 育 課 程 設 置 ( 毎 年 12∼ 24 名 取 得 ) な ど 挙 げ ら れ る 。
生涯学習社会時代への対応あるいは最新科学や技術についてのわかりやすい解説者の
58-
岩手大学工学部 分析項目Ⅱ.Ⅲ
派 遣 な ど 地 域 教 育 機 関 や 行 政 機 関 の 要 望 に 応 え て 、出 前 授 業 や 公 開 講 座 な ど を 行 っ た 。
「地
域を支えるエコリーダー・防災リーダー育成プログラム」が文部科学省の社会人の学び直
しニーズ対応教育推進事業として採択された。また、岩手県教育委員会の要請に応えて、
工業高校専攻科の学生を受講生として受け入れ、地域の工学教育にも貢献している。さら
に は 、編 入 学( 3 年 次 編 入 )も 実 施 し て お り 、編 入 学 生 の 単 位 を 50 単 位 程 度 認 定 し て 編 入
学後2年間で卒業できるようにしている。
分析項目Ⅲ 教育方法
(1 )観 点 ご と の 分 析
観点 授業形態の組合せと学習指導法の工夫
(観 点 に 係 る 状 況 )
工学部では、授業内容にふさわしい授業形態を取り、講義、演習、実験、実習の授業形
態 の バ ラ ン ス に つ い て 十 分 考 慮 し て い る( 表 4 )。ま た 、専 門 科 目 の 卒 業 研 究 で は 、少 人 数
教 育 を 行 い 、現 実 の 課 題 に 臨 ん だ 際 の 解 決 能 力 と 他 人 に 説 明 す る 能 力 の 養 成 に 努 め て い る 。
外 国 語 教 育 に お い て は 入 学 時 に TOEFL 検 定 試 験 を 課 し 、 習 熟 度 別 の ク ラ ス 編 成 を 行 っ て
いるとともに、各種検定試験の結果を単位認定の対象にし、学生の積極的な自主学習を奨
励 し て い る 。編 入 学 者 へ の 配 慮 と し て は 、既 修 得 単 位 を 活 用 で き る よ う に し て い る 。ま た 、
学生の能力やニーズに応えるために早期卒業制度や長期履修学生制度を設けているほか、
転学科、転課程、転学部を可能にしている。
専 門 科 目 の 授 業 に あ た っ て は 、 ク ラ ス を 80 人 以 下 に し て 少 人 数 授 業 を 実 施 し 、 実 験 や
実 習 の あ る 科 目 で は 大 学 院 生 の TA を 活 用 し 、き め 細 か く 指 導 で き る 体 制 を 築 い て い る 。工
夫ある取り組みとして、フィールド型授業(建設環境工学科の地下計測学など)の実施、
基礎ゼミナール、工場見学の実施なども進めている。学部共通として,オーストラリアの
モナシュ大学での国際研修、国内外の事業所での社会体験学習を単位認定するなど、学外
での積極的な学習にも配慮している。
修士課程教育との連携に関しては、学部3年次修了で本学大学院の入学を可能にする制
度(飛び級制度)があり、積み上げ型の教育をするために学士課程と同名の専攻名をもつ
修士課程を設けている。
観点
主体的な学習を促す取組
(観 点 に 係 る 状 況 )
主体的学習を促す配慮としては、全学共通教育及び専門教育とも全授業科目にわたって
シラバスを作成し、ウェブページ上で公開して学生の授業時間外学習を促進している。ま
た、アイアシスタントが装備する学生と教員との双方向的コミュニケーション機能を活用
したきめ細かい指導や i カード及びドリルを利用して宿題を課すなど教室外学習も推進し
ている。
主体的な自主学習の促進のために、入学時にガイダンスで詳細な説明を行っている。ま
た 、オ フ ィ ス ア ワ ー を 設 定 し 、授 業 時 間 以 外 で も 指 導 が で き る 体 制 を 構 築 し 、TA を 積 極 的
に活用した教育支援を図っている。さらに、自習室を整備し、学生が自由にコンピュータ
を使えるようにしている。
これらの主体的学習の状況を把握する目的で、教員による授業実施報告と学生による授
業評価アンケート調査を交互に隔年で実施している。また、担任教員制度を活用し、成績
不振学生の指導も行っている。
単位の実質化に向けては,履修科目単位の上限を設け、教室外の学習が時間を十分確保
できるようにしている。これまで履修科目単位の上限拡大に関する要望があったので、平
成 19 年 度 よ り 上 限 を 半 期 22 単 位 か ら 24 単 位 に 増 や し た 。
技術者教育に対応した地域環境プログラム(フィールド型授業)では、授業の実施記録
を作成するとともに、学生の学習時間を保証する取り組みを先駆的に行っている。
59-
岩手大学工学部 分析項目Ⅲ.Ⅳ
成 績 優 秀 者 ( 卒 業 要 件 科 目 の 総 修 得 単 位 数 の う ち 、「 秀 」 及 び 「 優 」 の 評 語 を 9 割 以 上
得た者)を公表し、さらに一定の条件を満たせば,学部3年次終了者の早期卒業や本学大
学院への進学を認めている。さらに、優秀学生の学部表彰(卒業時)も実施し、学生の学
習意欲を高めている。
(2 )分 析 項 目 の 水 準 及 び そ の 判 断 理 由
(水 準 ) 期 待 さ れ る 水 準 に あ る 。
(判 断 理 由 )
授業形態が講義、演習、実験、実習のバランス良い組み合わせになっており、それぞれ
の 組 み 合 わ せ が 学 生 に よ る 授 業 評 価 ア ン ケ ー ト 調 査( 総 合 的 評 価 が 100 点 満 点 中 72 点 )並
び に 卒 業 生 に よ る 授 業 評 価 ア ン ケ ー ト 調 査 ( 自 分 で 手 を 動 か し て 学 ぶ こ と が で き た 68%)
で比較的良い評価を受けている。また、自主的な学習を促すために自由に使用できるコン
ピ ュ ー タ や 自 習 室 の 活 用 、及 び TA の 活 用 が 行 わ れ て い る 。教 室 外 教 育 に つ い て も 国 際 研 修
や社会体験学習の科目では学生の満足度が高いことが報告会での発表及び実施報告書に示
さ れ て い る ( 実 習 内 容 が 十 分 満 足 76%、 非 常 に 有 意 義 で あ っ た 94%)。
分析項目Ⅳ 学業の成果
(1 )観 点 ご と の 分 析
観点 学生が身に付けた学力や資質・能力
(観 点 に 係 る 状 況 )
学生が身に付けるべき学力や資力について、進学者数、就職者数、就職率、成績評価分
布などを集計しており、これをもとに教育の成果と効果について検証する取り組みを行っ
ている。
卒 業 者 数 は 平 成 16 年 度 の 474 名 に 対 し て 平 成 19 年 度 は 491 名 と 増 加 し て い る 。 ま た 、
大 学 院 の 進 学 に つ い て は 平 成 19 年 度 は 例 外 的 に 187 名 と 減 少 し た が 、こ こ 数 年 は 200 名 前
後と増加傾向にある。これらは学生が意欲的に学習に取り組んで資質・能力が向上してい
ることを示している。
成績評価は、概ねバランスがとれた分布となっており、適正な評価が行われていること
が わ か る ( 授 業 実 施 報 告 )。
卒 業 者 の う ち 毎 年 10∼ 20 数 名 の 学 生 が 高 校 1 種 の 教 員 免 許 を 取 得 し て お り ( 表 6 ), と
くに高校の理数学科や工業高校では専門に強い教員であるとの評価を岩手県教育委員会や
高校教員との懇談会において得ている。
表6
学
科
過去4年間の教員免許取得者(高校一種)
平 成 16年 度
平 成 17年 度
平 成 18年 度
平 成 19年 度
計
応用化学科
9
6
7
5
27
材料物性工学科
4
1
1
1
7
電気電子工学科
0
1
2
0
3
機械工学科
2
0
2
0
4
建設環境工学科
3
1
1
0
5
情報システム工学科
5
3
4
1
13
福祉システム工学科
1
4
2
5
12
計
24
16
19
12
71
資格については、表7に示す資格が可能であり、在学中あるいは社会に出て実務経験を
積んでから取得している。
510-
岩手大学工学部 分析項目Ⅳ
表7 各学科で取得できる資格等
技術士(共通科目試験免除)
火薬類保安責任者(試験一部免除)
危険物取扱者甲種
毒物劇物取扱責任者
応用化学科
作業環境測定士(労働衛生の実務経験1年で受験資格)
公害防止管理者(要実務経験)
廃棄物処理施設技術管理者(実務経験1年)
医薬部外品製造(輸入販売)業責任技術者
エックス線作業主任者
材料物性工学科
危険物取扱者甲種(要実務経験)
作業環境測定士(労働衛生の実務経験1年で受験資格)
電気主任技術者(一種・5年,二種・3年,三種・1年の実務経験)
電気通信主任技術者(試験一部免除)
電気電子工学科
消防設備士甲種(受験資格)
建築設備士(実務経験2年)
作業環境測定士(労働衛生の実務経験1年で受験資格)
ボイラー・タービン主任技術者(一種・6年,二種・3年以上の実務経験)
ボイラー技士二級(3ヶ月以上の実地修習)
自動車整備士三級(6ヶ月の実務経験で受験資格)
消防設備士甲種(受験資格)
機械工学科
冷凍空調技師一種(実務経験2年で受験資格)
建設機械施工技師(一級・3年,二級・1年の実務経験で受験資格)
建築設備士
作業環境測定士
建築士(一級・2年,二級・1年の実務経験で受験資格)
土木施工管理技師(一級・3年,二級・1年の実務経験で受験資格)
測量士補(測量関係科目を履修し国土地理院へ申請)
建設環境工学科
測量士(1年の実務経験で受験資格)
火薬類保安責任者(試験一部免除)
作業環境測定士(労働衛生の実務経験1年で受験資格)
情報処理技術者
情報システム工学科 画像情報技能検定CG部門1級・2級・3級
作業環境測定士(労働衛生の実務経験1年で受験資格)
観点
学業の成果に関する学生の評価
(観 点 に 係 る 状 況 )
学生による授業評価アンケート調査を定期的に実施して学生自身の勉学態度、講義内
容・方 法 、教 員 の 熱 意 、総 合 的 な 評 価 等 を 分 析 し て い る 。平 成 18 年 度 の 結 果 に よ れ ば 、学
生 に よ る 総 合 評 価 の 平 均 は 70 点 程 度( 100 点 満 点 )で あ り 、か な り 高 い 満 足 度 を も っ て い
ると考えられる。これらの調査結果は各担当教員に返却して授業の改善を促している。
成 績 評 価 に お い て 平 成 19 年 度 入 学 生 か ら 「 秀 」 の 評 語 の 制 度 化 を 実 施 し た 。 数 値 的 に
は明らかではないが、きめ細かい成績評価を行うことにより、学生の学習意欲に向上が認
め ら れ た 。 な お 、 工 学 部 で は グ レ ー ド ・ ポ イ ン ト ・ ア ベ レ ー ジ ( GPA) 制 の 導 入 を 検 討 し 、
平 成 20 年 度 か ら 他 学 部 に 先 駆 け て 実 施 す る こ と を 決 定 し て い る 。
JABEE 認 定 申 請 を 準 備 し て い る 機 械 工 学 科 と 建 設 環 境 工 学 科 で は 、 教 育 方 法 ・ 内 容 や 成
績評価がより明確になり、教員の休講が減った、学生の学習達成度の確認が可能となった
511-
岩手大学工学部 分析項目Ⅳ.Ⅴ
などの効果が認められた。
平 成 19 年 度 に は 卒 業 生 に よ る 授 業 評 価 ア ン ケ ー ト 調 査 を 実 施 し 、 大 学 で 学 ん だ 知 識 等
が 就 職 し て か ら 役 に 立 っ た と の 評 価 を 得 て い る ( 教 養 科 目 64%、 専 門 科 目 52%)。
(2 )分 析 項 目 の 水 準 及 び そ の 判 断 理 由
(水 準 ) 期 待 さ れ る 水 準 に あ る 。
(判 断 理 由 )
学生及び卒業生による授業評価アンケート調査で、学生が身につけた能力がある程度高
い評価を受けている。また、社会人・企業による授業評価アンケート調査で卒業生が良い
評 価 を 受 け て お り 、十 分 な 能 力 を 身 に つ け て い る と 判 断 さ れ る 。ま た 、岩 手 県 教 育 委 員 会 、
高校教員との懇談会並びに岩手県工業会との懇談会の意見交換では人材育成という点で社
会 の 期 待 に 十 分 応 え て い る と の 評 価 を 得 て い る ( 懇 談 会 記 録 )。
分析項目Ⅴ 進路・就職の状況
(1)観点ごとの分析
観点 卒業後の進路の状況
(観点に係る状況)
公務員あるいは地域に限定した就職を除けば、ここ数年は完全就職といえる状況である(表8、表9)
。
表8 過去4年間の進学、就職者数
年 度
卒業者数
進学者数
就職者数
その他
平成16年度
474名
191名
239名
44名
平成17年度
464名
224名
223名
17名
平成18年度
494名
207名
266名
21名
平成19年度
491名
187名
281名
23名
表9 過去4年間の就職率等
○就職率等
年 度
就職希望者
就職決定者
就 職 率
県内就職者
県内就職率
平成16年度
246
239
97.2%
41
17.2%
平成17年度
233
223
95.7%
55
24.7%
平成18年度
271
266
98.2%
54
20.3%
平成19年度
281
281
97.9%
44
15.7%
建 設 業
製 造 業
○産業別就職率
年 度
情報通信業
そ の 他
計
平成16年度
13.8%
37.8%
21.2%
27.2%
100%
平成17年度
9.4%
36.8%
18.8%
35.0%
100%
平成18年度
12.0%
44.0%
16.5%
27.5%
100%
平成19年度
9.6%
37.4%
23.1%
29.9%
100%
就職者の産業別内訳では、工業分野での技術者の割合が圧倒的に多く、それぞれの学科の理念や教育
目標に合った就職先となっている。就職率が各学科ともに高いことは、卒業生の実力が工業界あるいは
社会の求めている水準に十分達していることを示している。また、就職説明会、企業合同セミナー、公
務員や教員の採用試験関係ガイダンス等の全学的な就職支援体制の充実も支えとなっている。就職先を
512-
岩手大学工学部Ⅴ
岩手県内と県外に分けた場合、その割合は県外が高いが、県内の雇用に対しても十分に期待に応えてい
る。
大学院進学率は学部全体で最近4年間平均 42%であり、平成 19 年度は例外的に低下したものの、全
体的に高い数値となっている。また、最近は他大学の大学院への進学者が増加している。
観点 関係者からの評価
(観点に係る状況)
工学部の卒業生が就職している一般企業から得た平成 19 年度のアンケート調査では、卒業生の評価
が高い 55%、重視したところが専門知識 30%、社会性 30%、人柄 23%であった。一方では、修得して欲し
い内容として、専門知識、社会性のほかに一般教養と国際性も挙げられた。卒業生からの意見聴取は、
学部(学科)同窓会の場を通じて行い、就職先からの意見聴取は、企業側の大学訪問時などを通じて行
っているが、概ね「ねばり強い」
、
「責任感がある」との評価が多い。
また、平成 19 年度に行われた岩手県教育委員会や高校理科部会教員との懇談会において、岩手大学
卒業生の教員は理科ばかりでなく工業界の状況を理解した専門に強い教員である、化学グランプリを獲
得するなど興味を引く教育をしているとの評価を得ている。
(2)分析項目の水準及びその判断理由
(水準) 期待される水準を上回る。
(判断理由)
就職希望者の就職率はほぼ 100%であり、このことは、卒業生を受け入れる産業界や工業界から、工
学部の人材養成像「科学技術分野における基礎学力と、工学的課題に積極的に挑戦できる専門的能力を
有し、地域社会と国際社会の発展に貢献できる技術者や研究者」が達成されているとの評価であると判
断でき、関係者の期待に応えている。
卒業生からの意見聴取でも満足度が高く、企業アンケート調査、インターンシップ受入れ企業のコメ
ント、岩手県工業会との懇談会の意見からも社会の期待に十分応えているとの評価を得ている。
大学院進学率についても、地方大学としてかなり高いことは、学生の勉学意欲が高いことを示すもの
であり、さらに他大学大学院への進学が増えていることは、卒業生の学力が全国の高水準に達している
ことを表している。
513-
岩手大学工学部
Ⅲ 質の向上度の判断
①「学生の確保に向けた取り組み」 (分析項目Ⅰ)
オープンキャンパス、大学説明会、進路説明会、出前講義、高校訪問の充実を図った。入試会場を岩
手大学に加えて、東京都と札幌市にも設置した。これによって、少子化・工学離れの厳しい状況の中で
志願者数を維持し、適正な入学者を確保した。
②「教育内容・方法の改善に向けた取り組み」 (分析項目Ⅰ)
学生による授業評価アンケート調査を平成 17 年度∼18 年度実施し、報告書を作成して教育水準や問
題点を把握するとともに,公表して教員個人へ結果を通知し、教育改善の資料とした。
授業全体に対する学生の総合評価は徐々に向上し、高い水準を維持している(アンケート調査で 100
点満点中、平成 17 年度 62 点、平成 18 年度 66 点)
。また、授業内容・方法では、
「シラバスに沿って授
業が行われたか」
、
「授業の分量と進む速さは適切か」
、
「教員の熱意は感じられたか」の項目で高い評価
(同 70 点以上)を得ている。
③「教育課程編成にあたっての取り組み」 (分析項目Ⅱ)
「シラバスの活用」
,
「主体的な学習を促す取り組み」 (分析項目Ⅲ)
アイアシスタントによるシラバスを導入し、ウェブページ上で公開して教育課程における授業の位置
づけを学生が明確に把握できるようにした。アイアシスタントについては、講習会等での説明の他に、
「情報基礎」科目で実際的な教育を実施し、学生に利用の周知を図った。
シラバスで説明されている「授業の目的・意義」に対する学生の理解度、
「シラバス通りに授業が行
われたか」という質問に対する学生の評価は高い数値を維持していて(同平成 17 年度 72 点、平成 18
年度 68 点)
、シラバスの活用教育に効果が見られる。
④「多様なニーズに配慮した教育課程編成の取り組み」 (分析項目Ⅱ)
インターンシップの実施報告会の開催および実施報告書の公表を通じて次年度生への指導を行って
いる。その結果、希望者は毎年 200 名を超す希望者があった。受入れ事業所の都合により、希望者全員
は受講できなかったが、在学生の約 1/3 以上が受講し(平成 14 年度 90 名、平成 16 年度 130 名、平成
19 年度 141 名)
、海外(中国、タイ王国)の実施例もあった。学部レベルでこのような組織的なインタ
ーンシップの実施は、東北地区の国立大学では岩手大学工学部だけである(東北工学教育協会年次大会)
。
⑤「授業形態の組み合わせ」 (分析項目Ⅲ)
平成 19 年度から導入された「基礎ゼミナール」では、工学部の全教員担当による少人数(3∼10 名)
教育を実施して、高校教育(生活)から大学教育(生活)へのスムーズな転換という側面で効果があっ
た。これらのことは大学教育総合センターが行った平成 19 年度のアンケート調査の結果から明らかに
なっている。
⑥「学業の成果に関する学生の評価」 (分析項目Ⅳ)
「進路就職の状況」 (分析項目Ⅴ)
教員や公務員希望者を除く就職希望学生の就職率はほぼ 100%であり、従前からの好調さを維持して
いる。これは学部教育における人材育成の努力と就職支援の充実の成果である。また、大学院進学希望
者の比率は学部平均 42%と高く、他大学の大学院への進学者も増えた。
514-
岩手大学工学研究科
6.工学研究科
Ⅰ
工学研究科の教育目的と特徴
Ⅱ
分析項目ごとの水準の判断
Ⅲ
・・・・・・・・6−2
・・・・・・・・・6−3
分析項目Ⅰ
教育の実施体制
分析項目Ⅱ
教育内容
・・・・・・・・・・・6−5
分析項目Ⅲ
教育方法
・・・・・・・・・・・6−7
分析項目Ⅳ
学業の成果
分析項目Ⅴ
進路・就職の状況
質の向上度の判断
・・・・・・・・6−3
・・・・・・・・・・6−8
・・・・・・・6−9
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 6 − 11
61-
岩手大学工学研究科
Ⅰ
1
工学研究科の教育目的と特徴
工学研究科(博士前期課程・後期課程)は、学際領域・境界領域にも対応できる柔軟
で機能的な教育システムを構築し、教育目標に基づき、環境、エネルギー、材料の分野
を中心に、創造性豊かで、適応力ある高度専門技術者や研究者を育成している。また、
国際交流を通じて国際レベルの研究水準を保持し、世界の科学技術の中心として技術革
新や産業の活性化に寄与することを目指している。
2
博士前期課程では、科学技術分野において、広範な専門基礎学力と未知の課題を積極
的に解決できる専門的応用能力を有し、地域社会と国際社会の発展及び自然環境との共
生を重視する高度な専門技術者及び研究者を育成することを目標にしている。
3
博士後期課程では、専門領域において高度な研究能力と他分野の境界領域において深
い知見を持ち、自然環境を含めた生命の維持・発展の立場から、課題を自ら設定できる
研究展開能力を有し関連分野の科学技術を推進し、国際的視野で活躍できる高度な研究
者及び専門技術者を育成することを目標にしている。
4
金型鋳造工学専攻においては、社会人の積極的な受入を行う目的で、大学の即卒者だ
けでなく、工業高等専門学校や工業高校等の卒業者で、企業で相応の実績がある人も入
学可能としており、地域産業界の人づくりに貢献している。特に、伝統的地元産業であ
る鋳造分野をものづくりの主体として取り上げている。また、併設して学生の長期イン
ターンシップも実施している。
5
入学者の構成は、外国人留学生特別選抜や社会人特別選抜等による入学者への配慮に
よ り 、博 士 前 期 課 程 で は 外 国 人 が 5 % 、社 会 人 が 3 % 、博 士 後 期 課 程 で は 外 国 人 が 44% 、
社 会 人 が 28% と 、国 際 性 の 向 上 と 、産 業 界 へ の 貢 献 に 努 め て い る 。な お 、修 了 生 に 対 し
ては、地元産業界からの受け入れ要望が強い。
[想 定 す る 関 係 者 と そ の 期 待 ]
工 学 研 究 科 で は 、学 生( 社 会 人 学 生 も 含 む )、工 業 界 、地 域 の 産 業 界 等 を 想 定 す る 関 係 者
と し 、環 境 、エ ネ ル ギ ー 、材 料 の 分 野 を 中 心 に 、高 度 専 門 技 術 者 や 研 究 者 を 育 成・輩 出 し 、
世界の技術革新や産業の活性化に寄与することを期待されている。特に岩手県をはじめ地
元産業界への人的、技術的貢献を強く期待されている。
62-
岩手大学工学研究科 分析項目Ⅰ
Ⅱ
分析項目ごとの水準の判断
分析項目Ⅰ 教育の実施体制
(1 )観 点 ご と の 分 析
観点 基本的組織の編成
(観 点 に 係 る 状 況 )
工学研究科では,前期2年の課程及び後期3年の課程に区分する博士課程を設置してお
り、学際領域・境界領域にも対応できる柔軟で機能的な教育システムを構築し、創造性豊
かで、適応力ある高度専門技術者や研究者の育成を目指している。また、国際交流を通じ
て国際レベルの研究水準を保持し、世界の科学技術の中心として技術革新や産業の活性化
に寄与することを目指している。
博士前期課程は応用化学、材料物性工学、電気電子工学、機械工学、建設環境工学、情
報システム工学、福祉システム工学、金型・鋳造工学、フロンティア材料機能工学の9専
攻、博士後期課程は物質工学、生産開発工学、電子情報工学、フロンティア材料機能工学
の4専攻を設置している。法人化後の工学研究科では、表面界面工学分野及び材料制御分
野 の 重 点 化 を 図 り 、社 会 の 要 請 に 応 え る た め に 独 立 専 攻 フ ロ ン テ ィ ア 材 料 機 能 工 学 専 攻( 博
士 前 期 課 程 ・ 後 期 課 程 ) を 平 成 16 年 度 に 設 置 し た 。 ま た 、 平 成 18 年 度 に は 地 域 産 業 等 の
連携や社会人学生の受入に重点を置いた実践型の専攻として金型・鋳造工学専攻(博士前
期課程)を新設した。
なお、高度技術者育成を目的に、ものづくり人材岩手マイスター育成事業を、金型、鋳
造及びデバイス技術分野で実施している。
表1に過去4年間の博士前期課程の入学者の状況を示す。過去4年間の入学実績は入学
定 員 の 1.57∼ 1.75 倍 と な っ て い る 。こ れ は 、求 人 面 で の 工 学 部 に 対 す る 社 会 的 要 請 が 博 士
前期課程(修士)修了者にシフトしていることが背景にあり、本学においても学士課程か
ら の 進 学 率 が 工 学 部 全 体 で 40% を 上 回 っ て い る 状 況 に あ る 。し か し 、大 幅 な 定 員 超 過 は 大
学院教育の実質化の観点からすれば問題であり、工学研究科入学者選抜委員会において、
合格基準及び審査方法を検討し、改善を行った。併せてこの問題の抜本的な解決を図るた
め に 、平 成 21 年 度 に 大 学 院 改 組 を 計 画 し て お り 、入 学 定 員 を 現 在 の 129 名 か ら 165 名 に 増
員する予定である。
表1
入学年度
過去4年間の博士前期課程への入学状況
入学定員
志願者数 受験者数 合格者数 入学者数
平 成 16年 度
119
307
301
218
208
平 成 17年 度
119
268
262
191
189
平 成 18年 度
129
285
277
238
226
平 成 19年 度
129
300
294
220
203
表2に過去4年間の博士後期課程の入学者の状況を示す。過去4年間の入学実績は入
学 定 員 の 0.75∼ 1.13 倍 と な っ て い る 。最 近 3 年 間 で は 、定 員 の 確 保 が 難 し い 状 況 が 続 い
て い る 。博 士 課 程 へ の 進 学 率 向 上 の た め 、RA 経 費 を 拡 充 し 博 士 課 程 在 学 生 へ の 経 済 的 支
援 の 充 実 を 図 っ た 。ま た 、工 学 研 究 科 で は 進 学 者 確 保 に 向 け 、平 成 19 年 度 に 前 期 課 程 の
各 専 攻 の OB や 共 同 研 究 企 業 等 に 対 し て 募 集 活 動 を 行 っ た 。
表2
入学年度
過去4年間の博士後期課程への入学状況
募集人員
志願者数 受験者数 合格者数 入学者数
平 成 16年 度
24
27
27
27
27
平 成 17年 度
24
18
18
18
18
平 成 18年 度
24
23
23
23
22
63-
岩手大学工学研究科 分析項目Ⅰ
平 成 19年 度
24
18
18
18
18
入学者の受け入れにあたり、工学研究科のアドミッションポリシーを設定し、これに応
じ て 一 般 入 試 、推 薦 入 試 、社 会 人 特 別 選 抜 、10 月 入 学 、外 国 人 留 学 生 特 別 選 抜 、留 学 生 の
ための海外出願制度等の多様な入学試験を実施している。また、社会人の積極的な受け入
れのため、社会人特別選抜制度を設けている。入学者の構成は、博士前期課程では外国人
が 5 % 、社 会 人 が 3 % 、博 士 後 期 課 程 で は 外 国 人 が 44% 、社 会 人 が 28% と 、国 際 性 の 向 上
と、産業界への貢献に努めている。
平 成 19 年 度 か ら の 教 員 組 織 の 全 学 一 元 化 に よ り 、教 員 は 各 学 系 に 所 属 す る こ と に な っ た 。
工 学 研 究 科 の 担 当 教 員 は 、物 質 機 能・エ ネ ル ギ ー 科 学 系 、シ ス テ ム 理 工 学 系 、環 境 科 学 系 、
数理基礎科学系の学系のいずれかに所属しており、他の研究科・専攻の教員との研究交流
が活発に行われている。
表3、表4に博士前期課程・後期課程の教員配置数を示す。教員配置数については、い
ずれの専攻においても、大学院設置基準を十分に満たしている。
表3
工学研究科博士前期課程教員配置数
専
攻
教授
准教授
講師
助教
応用化学専攻
15
7
4
0
4
材料物性工学専攻
12
4
6
0
2
電気電子工学専攻
14
6
4
1
3
機械工学専攻
19
7
6
0
6
建設環境工学専攻
18
8
6
0
4
情報システム工学専攻
21
6
7
2
6
福祉システム工学専攻
14
5
4
1
4
6
4
フロンティア材料機能工学専攻
15
5
5
計
134名
52名
44名
金型・鋳造工学専攻
表4
2
0
0
0
4名
5
34名
工 学 研 究 科 博 士 後 期 課 程 教 員 配 置 数 ( 平 成 19 年 4 月 現 在 )
専
観点
現員
( 平 成 19 年 4 月 現 在 )
攻
現員
教授
准教授
講師
物性工学専攻
15
13
11
0
6
生産開発工学専攻
16
16
12
0
10
電子情報工学専攻
14
14
13
3
11
フロンティア材料機能工学専攻
16
6
6
0
5
計
126名
49名
42名
3名
助教
32名
教育内容、教育方法の改善に向けて取り組む体制
(観 点 に 係 る 状 況 )
大 学 院 教 育 の 改 善 を 検 討 す る 組 織 と し て 、 平 成 18 年 11 月 に 工 学 研 究 科 教 務 委 員 会 を 設
置 し た 。同 委 員 会 で は 、大 学 院 FD を 企 画・実 施 し 、ま た 、教 育 及 び 研 究 内 容 の 検 討 と 向 上
のための学生による授業評価のアンケートの実施とその分析、卒業生及び社会人へのアン
ケート調査や地元工業界との懇談会の開催なども行った。また、大学院教育のカリキュラ
ム の 改 善 や 向 上 を 図 る「 大 学 院 教 育 実 質 化 ワ ー キ ン グ グ ル ー プ( WG)」と 授 業 や 中 期 目 標 の
評 価 に 取 り 組 む 「 評 価 WG」 も 設 置 し 、 月 1 回 の 頻 度 で 委 員 会 を 開 催 し て い る 。
FD 活 動 に つ い て は 、 平 成 19 年 度 に 3 回 実 施 し 、 大 学 院 教 育 の 実 質 化 の 第 一 歩 を 踏 み 出
し た【 別 添 資 料 1:平 成 19 年 度 大 学 院 工 学 研 究 科 FD 実 施 状 況 】。本 学 の 大 学 教 育 総 合 セ ン
64-
岩手大学工学研究科 分析項目Ⅰ.Ⅱ
タ ー の 教 育 評 価・改 善 部 門 が 企 画・実 施 し て い る 定 期 的 な FD 合 宿 研 修 会 に 工 学 部 の 教 員 も
積極的に参加することにより、課題設定・研究計画・研究方法及び論文作成などの指導に
活かしている。また,定期的に工学部と岩手県教育委員会,高等学校の校長等との懇談会
並びに岩手県工業会との懇談会をそれぞれ実施して意見聴取し【別添資料2:県工業会と
の 懇 談 会 メ モ 】、こ れ ら に よ っ て 、教 員 組 織 や 教 員 配 置 、入 学 者 受 け 入 れ に つ い て の 改 善 の
参考としている。さらに,学生による授業評価アンケート調査並びに教員による授業実施
報 告 を 交 互 に 隔 年 ご と に 実 施 し て い る 。平 成 19 年 度 に 実 施 し た 授 業 評 価 ア ン ケ ー ト 集 計 結
果 【 別 添 資 料 3 : 平 成 19 年 度 工 学 研 究 科 授 業 評 価 ア ン ケ ー ト 】 に よ れ ば 、「 授 業 内 容 ・ 授
業 方 法 に つ い て 」で は 、ほ と ん ど の 項 目 に お い て 5 段 階 評 価 の 4 以 上 の 評 価 が 70% 以 上 を
占 め て お り 、「 授 業 の 全 体 的 な 印 象 に つ い て 」 で は 、 76% 以 上 が 4 以 上 の 評 価 を し て い る 。
授業評価の結果は良好であり、教育改善の成果が挙がっていることが窺われた。
(2 )分 析 項 目 の 水 準 及 び そ の 判 断 理 由
(水 準 ) 期 待 さ れ る 水 準 に あ る .
(判 断 理 由 )
工学研究科では、学際領域・境界領域にも対応できる柔軟で機能的な教育システムによ
る高度専門技術者や研究者の育成を目指している。これにあたっては、工業界や社会から
求められている新しい科学技術の進化に貢献できる人材の養成という期待に対応した専攻
編成を、時代のニーズに対応して構築している。また、授業内容や方法についても、学生
や工業界からの要望を把握し、これを改善に結びつける体制を組織している。これらによ
って編成された教育組織や教員配置、入学者受け入れについては、学生や卒業生からのア
ンケート調査、及び地域をはじめとする工業界からの聞き取り調査などにおいて十分な満
足度が示されており、関係者からの期待に応えている。
分析項目Ⅱ 教育内容
(1 )観 点 ご と の 分 析
観点 教育課程の編成
(観 点 に 係 る 状 況 )
教 育 課 程 の 編 成 に あ た っ て は 、博 士 前 期 課 程 で は 、各 専 攻 ご と の 専 門 授 業 科 目 に 加 え て 、
研究マネジメント論、ベンチャー企業論、知的財産権特論等の研究科共通科目を開講して
いる。学生は、修士号取得に向けてこれら授業科目群を体系的に履修し、さらに自己の所
属する専攻が定める研究教育領域において、指導教員の指導の下で研究を行う。修了に必
要 な 単 位 数 は 、 必 修 科 目 12 単 位 、 選 択 18 単 位 の 計 30 単 位 で あ る 。
博 士 後 期 課 程 の 修 了 に 必 要 な 単 位 数 は 、必 修 科 目 3 単 位 、選 択 科 目 8 単 位 の 計 11 単 位 で
あり、主任指導教員の下で博士論文作成に向けた研究を進めることとなっている。
特徴ある授業プログラムとして、金型・鋳造工学専攻では、①博士前期課程において実
習 科 目 を 導 入 し 、 企 業 の 技 術 者 が 直 接 指 導 、 ② 経 営 に 対 す る 理 解 を 深 め る た め MOT( 技 術
経営)関係科目を開講、③短期インターンシップ及び特別研究として長期インターンシッ
プ(6ヶ月)を行い、修士論文としてまとめるカリキュラムを準備している。
また、フロンティア材料機能工学専攻では、ナノマテリアル工学特論、ソフトエネルギ
ー パ ス 特 論 、環 境 安 全 科 学 特 論 等 の 必 修 科 目 を 設 定 し 、学 際 的 研 究 へ の 導 入 を 行 っ て い る 。
ま た 、必 修 科 目 で あ る フ ロ ン テ ィ ア 材 料 機 能 工 学 概 論 と リ ン ク さ せ る 形 で 、フ ロ ン テ ィ ア・
イ ン キ ュ ナ ブ ラ 講 演 会 を 行 い ( 表 5 )、 学 内 外 の 最 先 端 研 究 に 触 れ る 機 会 を 設 け て い る 。
博士前期、後期課程ともに授業内容はすべてシラバスに明記されており、教育課程の編
成 に 沿 っ た も の に な る よ う に 配 慮 さ れ て い る 【 別 添 資 料 4 : 博 士 前 期 課 程 講 義 要 目 例 】。
65-
岩手大学工学研究科 分析項目Ⅱ
表5
年
月
フロンティア・インキュナブラ講演会実施状況
日
講
演
題
目
平 成 19年 6月 8日
リチウム二次電池の状況と今後の展開
125名
平 成 19年 6月 22日
バクテリアを用いた環境浄化について
約 50名
平 成 19年 7月 13日
リチウムイオン電池用材料の研究開発
ナノ構造をもつ負極活物質を用いた
フォトセンシング薄膜二次電池
平 成 19年 10月 19日
南極における月および火星隕石の発見
ザゼンソウの発熱制御機構に関する研究
平 成 19年 11月 16日
平 成 19年 12月 21日
約 100名
約 50名
高性能有機薄膜トランジスタの開発
生体の電気現象と生体磁気計測−工学者が
なぜ生体の研究をするか?−
トライポロジー的機能性を満たす表面創成
超伝導バルク材の捕捉磁場向上と産業応用
観点
参加者数
約 80名
48名
学生や社会からの要請への対応
(観 点 に 係 る 状 況 )
学生の多様なニーズや社会からの要請等に対応した教育課程編成への配慮として、博士
前 期 課 程 で は 共 通 科 目 と し て 、研 究 マ ネ ジ メ ン ト 論 、ベ ン チ ャ ー 企 業 論 、知 的 財 産 権 特 論 、
工業倫理学特論、工業デザイン特論を開設し、高度専門技術者あるいは研究者として身に
付けておくべき、マネジメント能力や倫理観の育成に努めている。また、実践的教育に重
点 を 置 く 金 型 ・ 鋳 造 工 学 専 攻 で は 、 社 会 人 入 学 者 が 平 成 18 年 度 入 学 者 16 名 中 6 名 、 平 成
19 年 度 11 名 中 5 名 と 全 体 の 1/3∼ 1/2 を 占 め て お り 、も の づ く り 人 材 を 育 成 す る た め の 授
業科目である金型・鋳造工学特別研修Ⅰとして、1年次に短期インターンシップを、社会
人入学生を含めて全員に対して実施している。2年次には、長期インターンシップ(平成
19 年 8 月 か ら 実 施 )を 行 い ,6 ヶ 月 間 の 実 際 的 な 課 題 取 り 組 み の 体 験 を 修 士 論 文 の 作 成 に
生かせるようなカリキュラムとなっている【別添資料5:金型・鋳造工学専攻カリキュラ
ム 概 説 ( 特 別 研 究 ( 長 期 イ ン タ ー ン シ ッ プ ))】。
地域産業のニーズを受けて、高度技術者育成を目的に、ものづくり人材岩手マイスター
育成事業を、金型、鋳造及びデバイス技術分野で実施している。
また、社会人受入のための社会人特別選抜制度を設けている。大学卒業者以外の者へ門
戸を開くために、高等学校卒業者に対しては、卒業後8年以上の実務経験を有する者、短
期大学・高等専門学校卒業者に対しては、4年以上の実務経験を有する者を出願資格者と
している。
(2 )分 析 項 目 の 水 準 及 び そ の 判 断 理 由
(水 準 ) 期 待 さ れ る 水 準 を 上 回 る 。
(判 断 理 由 )
修了生や企業へのアンケートを実施しており、研究科の教育課程編成及び専門科目の内
容 は 、修 了 生 を 雇 用 す る 企 業 か ら 評 価 さ れ て い る 。ま た 、地 域 の 工 業 界 か ら の 要 請 に 応 え 、
先端的な材料工学に関する専攻を設置し、社会ニーズに対応したカリキュラムを編成して
い る 。こ れ ら の 取 り 組 み の 結 果 、各 専 攻 修 了 生 の 就 職 状 況 も 好 調 で あ り( 分 析 項 目 Ⅴ 参 照 )、
地域の人材養成ニーズに十分応えていると判断する。
66-
岩手大学工学研究科 分析項目Ⅲ
分析項目Ⅲ 教育方法
(1 )観 点 ご と の 分 析
観点 授業形態の組合せと学習指導法の工夫
(観 点 に 係 る 状 況 )
研究科の授業形態は、講義、演習、ゼミナール形式及びこれらを組み合わせた複合型で
構成され、さらに、対話・討論型授業、輪講、多様なメディアを高度に利用した方法等で
の学習指導が行われており、教育内容に応じた適切な学習指導法の工夫がなされている。
授 業 形 態 の バ ラ ン ス や 特 徴 あ る プ ロ グ ラ ム 等 に つ い て は 、 さ ら に 大 学 院 教 育 実 質 化 WG
で検討を進めている。その成果として、指導教員より課題設定・研究計画・研究方法及び
論文作成など研究に不可欠な手法を修得する指導が行われている。
研究指導は研究室単位で行われており、複数教員による指導体制を採っており、研究テ
ー マ 決 定 に 対 す る 適 切 な 指 導 が 行 わ れ て い る 。 TA・ RA も 積 極 的 に 活 用 ( 表 6 ) し て お り 、
大学院生の研究及び教育力向上に結びついている。
表6
RA採用状況
年
度
RA・TAの採用状況
(千円)
TA採用状況
採用時間数 支給金額
年
度
(千円)
採用時間数
支給金額
平成16年度
4,693
6,101
平成16年度
19,448
21,551
平成17年度
4,246
5,520
平成17年度
18,052
19,081
平成18年度
4,128
5,366
平成18年度
18,080
19,299
平成19年度
4,945
6,429
平成19年度
17,868
19,725
大学院博士前期課程・後期課程で開講されている全ての科目について、アイアシスタン
ト ( 全 学 統 一 拡 張 Web シ ラ バ ス ) の フ ァ ー マ ッ ト に 合 わ せ た シ ラ バ ス 【 別 添 資 料 4 : 博 士
前期課程講義要目例】が作成されており、入学時に全大学院生に配布されている。また、
ホームページにもシラバスを掲載している。
金 型 ・ 鋳 造 工 学 専 攻 で は 、 平 成 17 年 度 ∼ 平 成 19 年 度 に 「 自 己 革 新 型 も の づ く り 企 業 群
育成に必要な重層的産業人材育成事業」による支援を受けており、実践的教育に重点を置
く と い う 教 育 方 法 が 他 専 攻 と 異 な る た め 、 平 成 18 年 ・ 19 年 度 に シ ラ バ ス と 講 義 内 容 を ま
とめた冊子を入学生全員に別途配付している。
教育目的を達成するために有効な特色ある教育方法の工夫・導入として、専攻科内横断
的指導を実施している。また、工学研究科共通開講科目(知的財産権特論,研究マネジメ
ント論,ベンチャー企業論)を開講している。さらに、金型・鋳造工学専攻では長期及び
短期インターンシップの実施、実習科目を取り入れることにより、学生が設計から金型製
作,製作した金型を用いた製品の製造という一環した流れが体得できるカリキュラムを導
入している。
なお、少人数制授業がほぼすべての専攻で実施されている。
観点
主体的な学習を促す取組
(観 点 に 係 る 状 況 )
フ ロ ン テ ィ ア 材 料 機 能 工 学 専 攻 で は 、平 成 19 年 度 か ら 修 士 研 究 発 表 会 に お い て 、教 員 や
学生に加え外部の企業人にも審査を依頼し、優秀な発表にポスター賞を与えている。企業
か ら の 問 い 合 わ せ も あ り 、大 学 院 生 の 主 体 的 な 教 育 研 究 活 動 の 推 進 力 と な っ て い る 。ま た 、
レポートや実習などの主体的な学習を促す教育も実施されている。これらの主体的学習の
状況を把握する目的で、教員による授業実施報告書の提出と学生へのアンケートを実施し
ている。
単 位 の 実 質 化 を 図 る 意 味 で 、専 攻 に よ っ て は 半 期 の 履 修 科 目 数 の 上 限 が 設 定 さ れ て い る 。
67-
岩手大学工学研究科 分析項目Ⅲ.Ⅳ
(2 )分 析 項 目 の 水 準 及 び そ の 判 断 理 由
(水 準 ) 期 待 さ れ る 水 準 を 上 回 る 。
(判 断 理 由 )
アイアシスタントを大学院科目にも適用することにより、大学院学生の学習指導に役立
てている。工学研究科共通開講科目を開講し、高度専門技術者あるいは研究者として身に
付けておくべき、マネジメント能力や倫理観の育成に寄与している。また、実践的教育に
重点を置く金型・鋳造工学専攻では、長期及び短期インターンシップの実施、実習科目を
取り入れることにより、製造現場の流れが体得できるカリキュラムの工夫をしている。フ
ロンティア材料機能工学専攻では,修士研究発表会に教員や学生に加えて外部の企業人に
も審査を依頼し、優秀な発表にポスター賞を与えるなどにより、学生の主体的な学習を促
す工夫を行っている。
分析項目Ⅳ
学業の成果
(1 )観 点 ご と の 分 析
観点 学生が身に付けた学力や資質・能力
(観 点 に 係 る 状 況 )
工学研究科では、博士前期課程段階より、すべての専攻において学生には研究成果を学
会で口頭発表することを義務付け、これに十分耐える能力を付ける学習・研究指導を行っ
て い る 。こ れ は 広 範 な 専 門 基 礎 学 力 と 未 知 の 課 題 を 積 極 的 に 解 決 で き る 専 門 的 能 力 を 有 し 、
地域社会と国際社会の発展及び自然環境との共生を重視する高度な専門技術者・研究者を
育成することを目標とする研究科の目的を具体化するためである。
博士後期課程ではどの専攻も修了条件として一定水準以上の学術論文誌に最低1編以上
の査読付き論文が掲載されることを義務付けている。これは、専門領域において高度な研
究能力と他分野の境界領域において深い知見を持ち、関連分野の科学技術を推進し、国際
的視野で活躍できる高度な研究者及び開発技術者を育成することを目標とする研究科の目
的を具体化するためである。この4年間の大学院生の口頭発表や論文掲載はいずれの課程
でも学習水準が十分目標に到達していることを証明している。各種学会の学生賞(優秀発
表 賞 、 優 秀 ポ ス タ ー 賞 、 Poster Session First Place、 学 長 賞 、 独 創 研 究 学 生 賞 、 優 秀 発
表 奨 励 賞 、 優 秀 学 生 賞 、 優 秀 論 文 発 表 賞 、 Best Student Paper Prize 等 ) の 受 賞 状 況 も 良
好 で あ り 、 年 々 受 賞 数 も 増 加 し て い る 。( 表 7 )
表7
学生賞の受賞状況
平 成 16年 度 平 成 17年 度 平 成 18年 度 平 成 19年 度
7
21
22
29
学業の成果に関する学生の評価
(観 点 に 係 る 状 況 )
本研究科修了生及び雇用企業に対して実施したアンケートの結果【別添資料6:アンケ
ート集計結果、別添資料7:意見・要望】によれば、問題解決に意欲を有し、実行力・具
現化能力に優れた人材、広範な専門基礎学力を有し、新しい概念や方法を生むことに意欲
を持っている人材を求めていることが表れている。また、本研究科の修了生がそのような
要求を十分満たしていることを示している。アンケートにおいて求めている人材は本研究
科のアドミッションポリシーと正に合致している。さらに、前期課程修了生には、研究・
開発能力を培うに必要な専門基礎学力を有する者、後期課程修了生には研究課題の発見と
その解決に積極的に取り組む者を求めていることも現れている。また、アンケート結果は
本研究科がこのような人材養成の責務を十分果たしていることを示している。
68-
岩手大学工学研究科 分析項目Ⅳ.Ⅴ
(2 )分 析 項 目 の 水 準 及 び そ の 判 断 理 由
(水 準 ) 期 待 さ れ る 水 準 を 上 回 る 。
(判 断 理 由 )
平 成 16 年 度 か ら 平 成 19 年 度 ま で の 修 了 生 の ほ と ん ど が 標 準 修 業 年 限 で 修 了 し て お り 、
期限内に十分な学業成果が得られるように適切な教育が行われている。学業の成果は、学
会発表での受賞件数が年々増加している傾向からも伺える。また、授業に対する学生アン
ケートの結果も、非常に満足度の高いものとなっており、学生が意欲的に専門知識を修得
出来るように講義内容が吟味されている。これらのことから、本研究科の目的を達成する
ため期待される水準を上回る学業成果が得られていると判断される。
分析項目Ⅴ 進路・就職の状況
(1 )観 点 ご と の 分 析
観点 修了後の進路の状況
(観 点 に 係 る 状 況 )
博 士 前 期 課 程 で は 、就 職 希 望 者 の 就 職 率 は ほ ぼ 100% で あ る( 表 8 )。ま た 、就 職 先 は 上
場企業が多く、その他の企業も研究開発に熱心であり将来性に富む有望企業がほとんどを
占 め る 。 こ れ は 本 研 究 科 の 実 績 と し て 評 価 に 値 す る も の と い え る 。 専 攻 に よ っ て は 、 30∼
40 名 の 修 了 予 定 者 に 対 し て 200 社 を 超 え る 大 学 来 訪 企 業 が あ り 、本 研 究 科 の 教 育 と 修 了 者
の能力を高く評価しているものと判断できる。
後 期 課 程 に つ い て は 、 平 成 16∼ 19 年 度 の 修 了 生 は 76 名 で 、 内 訳 は 大 学 教 員 を 含 む 教 育
関 係 が 22 名 (29% )、 建 設 業 が 19 名 ( 25% )、 公 務 員 等 が 16 名 (21% )で 、 そ の 他 、 ポ ス ド
ク 等 が 18 名 (24% )で あ っ た ( 表 9 )。
工学研究科修了者の進路状況は、工学研究科の教育目標及び人材養成像である「科学技
術分野における基礎学力と、工学的課題に積極的に挑戦できる専門的能力を有し、地域社
会と国際社会の発展に貢献できる技術者や研究者」を達成しているものといえる。
表8
産業分類
鉱
博士前期課程修了生の進路状況
平 成 16年 度 平 成 17年 度 平 成 18年 度 平 成 19年 度
計
業
0
3
1
1
5
建設業
8
17
10
6
41
製造業
電気・ガス・熱供
給・水道業
情報通信業
89
109
110
122
430
3
7
7
16
33
25
35
31
30
121
運輸業
1
1
1
3
6
卸売・小売業
0
1
3
2
6
医療、福祉
0
1
0
0
1
教育、学習支援業
サービス業(他に
分類されないもの
)
公務員等(他に分
類されないもの)
進 学
3
4
1
3
11
13
4
9
11
37
9
0
2
4
15
11
7
7
9
34
その他
計
6
12
1
5
24
168
201
183
212
764
69-
表9
産業分類
観点
岩手大学工学研究科
博士後期課程修了者の進路状況
平 成 16年 度 平 成 17年 度 平 成 18年 度 平 成 19年 度
分析項目Ⅴ
計
建設業
4
1
8
6
19
教育、学習支援業
サービス業(他に
分類されないもの
)
公務員等(他に分
類されないもの)
その他
7
5
7
3
22
0
1
2
2
5
4
2
3
3
12
6
6
3
3
18
計
21
15
23
17
76
関係者からの評価
(観 点 に 係 る 状 況 )
本研究科修了生に対する地域社会や雇用者の評価は、ほとんど例外なく高い。それは就
職 に 際 し て 修 了 予 定 者 が 極 め て 速 や か に 企 業 を 決 定 で き る こ と 、 及 び 就 職 率 が ほ ぼ 100%
を保ってきている実績に現れている。
本学部卒業生・研究科修了生と雇用企業に対して実施したアンケート結果によれば、本
学 部 卒 業 生・修 了 生 の 企 業 内 で の 評 価 は 、全 回 答 数 79 件 の う ち 、評 価 が 高 い が 31 件( 39% )、
普 通 が 46 件 ( 58% )、 低 い が 2 件 ( 3 % ) で あ り 、 ほ と ん ど が 良 い 評 価 を 下 し て い る 。 ま
た 、評 価 で 重 視 し た 観 点 も 、専 門 知 識 、社 会 性 、人 柄 を 上 げ る 回 答 が 多 く 、本 学 部 卒 業 生 ・
研究科修了生は、専門知識があり、社会性や人柄でも優れていると評価されていることが
わかる。
(2 )分 析 項 目 の 水 準 及 び そ の 判 断 理 由
(水 準 ) 期 待 さ れ る 水 準 を 上 回 る 。
(判 断 理 由 )
研究科の実績を端的に表すものは修了者の就職実績である。本研究科修了者の就職状
況・内容は極めて良好であることは、研究科の教育内容と修了者の能力に対し、産業界か
ら高い評価を得ているものと判断できる。また、就職企業には、地元企業や地域に根ざす
将来成長が期待できる企業も含まれるなど、本研究科は地域の人材輩出要請に十分応えた
教育を行っているといえる。
610-
岩手大学工学研究科
Ⅲ
質の向上度の判断
① 事 例 1 「 特 徴 的 な 専 攻 の 設 置 」 (分 析 項 目 Ⅰ )
法人化後の4年間に、本学の中期目標に掲げている重点研究領域「機能材料」の教育研
究 体 制 の 強 化 や 、社 会 的 要 請 で あ る「 も の づ く り 人 材 の 育 成 」に 特 化 し た 専 攻 を 新 設 し た 。
す な わ ち 、平 成 16 年 4 月 に 、表 面 界 面 工 学 分 野 及 び 材 料 制 御 分 野 の 重 点 化 を 図 り 、社 会 の
要 請 に 応 え る た め に 独 立 専 攻「 フ ロ ン テ ィ ア 材 料 機 能 工 学 専 攻( 博 士 前 期 課 程・後 期 課 程 )」
を 設 置 し た 。ま た 、平 成 18 年 4 月 に は 、地 域 か ら の 強 い ニ ー ズ に 基 づ く「 金 型・鋳 造 工 学
専 攻( 博 士 前 期 課 程 )」を 設 置 し た 。こ れ ら の 特 徴 あ る 専 攻 に お い て 多 様 な 社 会 的 ニ ー ズ に
応えるため、知的財産権特論・ベンチャー企業論等の新しい科目を開設した。
② 事 例 2 「 工 学 研 究 科 教 務 委 員 会 の 設 置 と 大 学 院 FD の 実 施 」 (分 析 項 目 Ⅰ )
法人化前には行われていなかった大学院教育の実質化に取り組む体制を整備した。すな
わち、工学研究科「大学院教育実質化ワーキンググループ」の提案に基づき、大学院教育
の実質化を目指したカリキュラム等の教育編成を検討する機関として、工学研究科に「工
学 研 究 科 教 務 委 員 会 」 を 平 成 18 年 11 月 に 設 置 し た 【 別 添 資 料 8 : 岩 手 大 学 大 学 院 工 学 研
究 科 教 務 委 員 会 規 則 】。
大 学 院 FD を 平 成 19 年 度 に 3 回 実 施 し 、 大 学 院 教 育 の 実 質 化 の 第 一 歩 を 踏 み 出 し た 【 別
添 資 料 1 : 平 成 19 年 度 大 学 院 工 学 研 究 科 FD 実 施 状 況 】。
③ 事 例 3 「 博 士 前 期 課 程 の 合 格 基 準 及 び 審 査 方 法 の 検 討 」 (分 析 項 目 Ⅰ )
法人化以前から慢性化していた博士前期課程における大幅な定員超過問題の解消を目指
して、工学研究科入学者選抜委員会において合格基準及び審査方法について検討し、改善
を行った。その一環として、工学研究科入学試験問題作題体制の構築を行い、適正入試問
題 の 作 成 、問 題 チ ェ ッ ク 体 制 の 整 備 を 行 っ た 。ま た 、入 学 者 数 が 平 成 21 年 度 に 大 学 院 改 組
を 計 画 し て い る 入 学 定 員 の 1.1 倍 以 内 に な る よ う に 、 合 否 判 定 を 入 学 試 験 成 績 の 順 位 に よ
り行う競争型入学試験に徹底した。
④ 事 例 4 「 教 育 課 程 編 成 の 特 色 あ る 取 り 組 み 」 (分 析 項 目 Ⅱ )
平 成 18 年 度 に 開 設 さ れ た 金 型・鋳 造 工 学 専 攻 で は 、修 士 論 文 の 一 環 と し て 6 ヶ 月 以 上 の
「 長 期 イ ン タ ー ン シ ッ プ 」 を 実 施 し て い る 。 具 体 的 に は 、 博 士 前 期 課 程 の 2 年 生 全 員 16
名が長期インターンシップを受けており、6ヶ月間の実践的な課題取り組みの体験を修士
論文の作成に生かせるようなカリキュラムとなっている。
⑤ 事 例 5 「 学 生 の 受 賞 増 加 」 (分 析 項 目 Ⅳ )
各専攻において、各種の学生賞を受賞している。特に、国際会議での発表に対する表彰
が 目 立 つ 。年 次 別 に 見 る と 、平 成 16 年 度 7 件 、平 成 17 年 度 21 件 、平 成 18 年 度 22 件 、平
成 19 年 度 29 件 と 毎 年 増 加 の 傾 向 に あ る 。 こ の こ と か ら 、 大 学 院 学 生 に よ る 研 究 と そ の 発
表に関し、質の向上があったと判断できる。
611-
岩手大学工学研究科
添
付
資
(6.工学研究科)
平成20年6月
岩手大学
料
岩手大学農学部
7.農学部
Ⅰ
農学部の教育目的と特徴
Ⅱ
分析項目ごとの水準の判断
Ⅲ
・・・・・・・・・・7−2
・・・・・・・・・7−3
分析項目Ⅰ
教育の実施体制
分析項目Ⅱ
教育内容
・・・・・・・・・・・7−5
分析項目Ⅲ
教育方法
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 7 − 10
分析項目Ⅳ
学業の成果
分析項目Ⅴ
進路・就職の状況
質の向上度の判断
・・・・・・・・7−3
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 7 − 12
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 7 − 12
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 7 − 14
71-
岩手大学農学部
Ⅰ
農 学部の 教育目 的と 特徴
1(農学部の理念と教育目標)
農学部は、
「生命」
「環境」
「 獣 医 」の 分 野 で の 教 育 研 究 を 充 実 さ せ 、幅 広 い 教 養 と
基礎学力を養い、農学の深化とフィールド科学を推進し、地域と国際社会に貢献す
ることを理念としている。農業、生命、環境、動植物に関する現代的諸課題の解決
に向けて、高度な専門的知識とリーダーシップを持って行動できる技術者・研究者
の養成を教育目標としている。
2(教育組織の特徴)
農学部の特記事項に「東北地域の特色を生かした国際水準規模の獣医学教育の体制
を 整 備 す る 」、「 各 種 関 連 試 験 場 や 研 究 所 と の 連 携 を 通 し て 実 践 教 育 の 充 実 を 推 進 す る 」、
「寒冷地におけるフィールドを活用して、応用的・実践的研究に基づいた公開講座等
に よ り 地 域 貢 献 を 図 る 」 を 掲 げ て い る 。 こ れ に 応 じ て 、 平 成 19 年 度 、 農 学 生 命 課 程 、
応用生物化学課程、共生環境課程、動物科学課程、獣医学課程の5課程に改組し、獣
医学教育の充実、及び生命・環境分野の新しい枠組みと内容充実を盛り込んだ教育体
制 を 編 成 し た 。 平 成 19 年 度 の 専 任 教 員 は 113 名 で あ り 、 全 学 一 元 化 教 員 組 織 で あ る 学
系 に 所 属 し て い る 。教 員 数 の 充 足 率 は 163% で あ り 、必 要 な 専 任 教 員 が 確 保 さ れ て い る 。
3(附属施設を活用した実践的教育)
寒冷フィールドサイエンス教育研究センター、動物病院、寒冷バイオシステム研究
センター、動物医学食品安全教育研究センターの4附属施設が設置され、農学部学生
教育の実践教育の場として多方面から支援している。
4(授業の改善)
平 成 17 年 度 か ら 学 生 の 授 業 ア ン ケ ー ト を 毎 学 期 実 施 し 、 評 価 結 果 を 教 員 に 通 知 し 、
教 員 は 授 業 改 善 に 反 映 し て い る 。 地 域 環 境 工 学 コ ー ス は 、 平 成 17 年 度 に JABEE の 認 定
を受けた。認定に際し、学習・教育目標とその評価基準を独自に設定し、達成度を評
価しながら、継続的に授業改善している。
5(学生の進路)
年間を通じた就職説明会、企業合同セミナー、公務員採用試験ガイダンス等を実施
し、学生の就職支援に努めている。公務員、食品産業等が主な就職先であり、想定す
る養成人材像に応じている。進学先は、本学大学院農学研究科が最も多い。就職希望
者 に 対 す る 就 職 者 の 比 率 は 96%、 進 学 希 望 者 に 対 す る 進 学 者 の 比 率 は 99%と 高 い 水 準 に
ある。
6(入学者の受け入れ)
アドミッションポリシーに応じた多様な入学試験(一般入試、推薦入学Ⅰ、Ⅱ、外
国人入試)を実施し、入学者選抜にあたっては本学試験会場に加え、東京及び札幌試
験会場で実施している。
[想 定 す る 関 係 者 と そ の 期 待 ]
農学部は、東北地方に根ざした高度な専門的知識とリーダーシップを持って行動で
きる技術者・研究者を養成することを教育目標としている。これを達成するために広
範で充実した教育実施体制を編成し、従来から農学部の教育目標に応じた技術者・研
究者を輩出してきた。受験生、学生、保護者、地域住民、企業、自治体、農林業従事
者、獣医師等の関係者は、農学部が引き続き、質の高い教育を実施し、社会に貢献す
ることを期待している。
72-
岩手大学農学部 分析項目Ⅰ
Ⅱ
分 析項目 ごとの 水準 の判断
分析項 目Ⅰ 教育の 実施 体制
(1)観点ごと の分析
観点 基本的 組織の 編成
(観 点 に 係 る 状 況 )
生命誕生から地球環境まで捉えた新しい農学へのニーズを踏まえ、柔軟な教育が実践で
き る よ う 、平 成 12 年 度 に 農 業 生 命 科 学 科 、農 林 環 境 科 学 科 、獣 医 学 科 の 3 学 科 に 改 組 し た 。
さらに、各種分野で進行する国際化や地域貢献への社会要請の高まりを受け、国際水準を
満たす獣医学教育の充実、生命・環境分野の新しい枠組みとしての寒冷地農業、食品・バ
イオ系産業、自然と人間の共生社会づくりに貢献できる人材を養成する教育を行うため、
平 成 19 年 度 に 農 学 生 命 課 程 、応 用 生 物 化 学 課 程 、共 生 環 境 課 程 、動 物 科 学 課 程 、獣 医 学 課
程 の 5 課 程 に 改 組 し た ( 図 1 )。 そ の 結 果 、 農 学 部 で は 志 願 倍 率 が 17 年 度 入 試 の 3.2 倍 か
ら 20 年 度 入 試 の 4.0 倍 に 増 加 し た 。
入学定員に対する入学者数の比率、女子の割合は表1のとおりであり、バランスがとれ
ている。
平 成 19 年 度 の 専 任 教 員 は 113 名 で あ り ( 表 2 )、 獣 医 学 分 野 の 教 員 数 は 平 成 16 年 度 の
24 名 か ら 平 成 19 年 度 の 32 名 へ 増 加 し た 。こ の 結 果 、特 に 獣 医 臨 床 学 分 野 お よ び 公 衆 衛 生
学分野の教育研究が充実した。
平 成 18 年 度 ま で 教 員 が 講 座 に 所 属 す る 講 座 制 を 採 用 し 、3 学 科 11 講 座 を 編 成 し て き た 。
平 成 19 年 度 か ら 教 員 組 織 を 全 学 一 元 化 す る 学 系 制 度 が 導 入 さ れ 、教 員 の 研 究 組 織 と 教 育 体
制 を 分 離 し 、各 教 育 課 程 が 境 界 領 域 部 分 を 協 力 し 合 え る 、よ り 柔 軟 な 教 育 シ ス テ ム と し た 。
平 成 19 年 度 の 大 学 設 置 基 準 第 13 条 に 基 づ く 必 要 教 員 数 に 対 す る 充 足 率 は 163% で あ る 。
専 任 教 員 当 た り の 学 生 数 が 各 課 程 10 名 前 後 に な る よ う に 、 教 員 を 配 置 し て い る ( 表 3 )。
課程配置教員が中心となり、他課程、附属施設の教員が課程外担当として協力する体制で
学 生 の 教 育 を 実 施 し て い る 。平 成 19 年 度 の 教 員 の 年 齢 層 は 表 4 の と お り で あ り 、バ ラ ン ス
がとれている。
入学者の受け入れにあたり、農学部のアドミッションポリシーを設定し、これに応じて
一般入試、推薦入学Ⅰ・Ⅱ、外国人入試等多様な入学試験を実施している。入学者選抜に
あたっては本学試験会場に加え、東京及び札幌会場でも実施している。
観点
教育内 容、教 育方 法の改 善に向 け て取り 組む体 制
(観 点 に 係 る 状 況 )
自己点検・評価を担う農学部戦略企画・評価室が設置され、学部・研究科改組の企画、
予算配分、学生による授業評価等を実施している。
平 成 19 年 度 か ら 全 学 統 一 拡 張 web シ ラ バ ス( ア イ ア シ ス タ ン ト )を 導 入 し 、シ ラ バ ス に
加え、授業記録機能等を整備することで、シラバス上の授業計画と実際の授業との比較・
検 討 を 日 常 的 に 行 う FD 活 動 を シ ス テ ム 化 し た 。ア イ ア シ ス タ ン ト は 公 開 さ れ 、学 生 に 加 え
て 受 験 生 を 含 む 学 外 関 係 者 も シ ラ バ ス を 閲 覧 で き る【 別 添 資 料 1 :ア イ ア シ ス タ ン ト ガ イ ド
ブ ッ ク 】。
平 成 17 年 度 か ら 学 生 の 授 業 ア ン ケ ー ト を 毎 学 期 実 施 し 、教 員 の 授 業 改 善 、教 員 評 価 に 活
用 し て い る 。 JABEE 指 向 教 育 コ ー ス の 地 域 環 境 工 学 コ ー ス 、 森 林 科 学 コ ー ス で は 、 学 習 ・
教育目標とその評価基準を独自に設定し、学習・教育目標の達成度を毎年評価している。
本 学 で は 大 学 教 育 総 合 セ ン タ ー が 、大 学 の 理 念 や 教 育 目 標 に 即 し た 主 題 で 全 学 FD 研 修 会
を実施しており、農学部から毎年8名以上の教員が参加している。
学 外 関 係 者 に よ る 教 育 内 容 、教 育 方 法 へ の 要 望 も 把 握 し て い る 。平 成 13 年 度 か ら 学 生 の
保 護 者 を 対 象 に 教 育 懇 談 会 を 開 催 し て い る( 表 5 )。農 学 部 PR の た め 、平 成 17 年 度 か ら 北
海 道 、東 北 地 方 の 高 校 を 訪 問 し て い る( 表 6 )。JABEE 指 向 教 育 コ ー ス で は 企 業 、自 治 体 等
の 有 識 者 と 懇 談 会 を 開 催 し て い る ( 表 7 )。
73-
岩手大学農学部 分析項目Ⅰ
(2)分析項目 の水準 及び その判 断理由
(水 準) 期 待 さ れ る 水 準 を 上 回 る 。
(判 断 理 由 )
5課程制への改組、教員組織の一元化、必要な専任教員数の確保により、充実した教育
体制が編成されている。学生による授業評価を毎学期実施し、その結果を教育内容に反映
し て い る 。FD 研 修 会 、シ ラ バ ス の 全 学 統 一 化 と 公 開 、ア イ ア シ ス タ ン ト 導 入 に よ る 日 常 型
FD 活 動 の シ ス テ ム 化 等 、教 育 方 法 改 善 の 方 策 が 整 備 さ れ て い る 。農 学 部 の ア ド ミ ッ シ ョ ン
ポリシーに応じた多様な入学試験を実施し、本学以外にも試験会場を設置する等、入学者
受 け 入 れ 体 制 を 改 善 し て い る 。高 校 へ の PR、保 護 者 や 学 外 有 識 者 と の 懇 談 会 に よ り 教 育 内
容や教育方法への要望を把握し、改善している。以上のことから、農林業、生命、環境、
動植物に関する現代的諸課題の解決に向けた力量形成に対する受験生、学生、保護者の期
待を上回る水準であると判断する。
図1
表1
入学定員に対する入学者数の比率と入学者に占める女子の比率
入学者数/入学定員(%)
女子/入学者数(%)
表2
農学部の組織
平 成 16 年 度
平 成 17 年 度
平 成 18 年 度
平 成 19 年 度
113
43
110
45
113
47
109
53
平 成 20 年 3 月 に お け る 農 学 部 専 任 教 員 数
農学生命
課程
23
応用生物化学
課程
13
共生環境
課程
24
動物科学
課程
9
74-
獣医学
課程
31
附属施設
13
計
113
岩手大学農学部 分析項目Ⅰ.Ⅱ
表3
課程別の専任教員1名当たりの学生数
農学生命
課程
9.6
表4
応用生物化学
課程
12.3
共生環境課
程
9.2
動 物 科 学
課程
13.3
学部全体
9.1
専任教員の年齢層別割合(%)
30 代
40 代
50 代
60 代
21.1
26.3
37.9
14.7
表5 農学部教育懇談会へ参加した保護者の数
平 成 16 年 度
平 成 17 年 度
平 成 18 年 度
91
79
43
表6
獣医学課
程
5.8
平 成 19 年 度
24
農 学 部 PR で 訪 問 し た 高 校 の 数
平 成 17 年 度
平 成 18 年 度
平 成 19 年 度
31
43
49
表 7 JABEE 指 向 コ ー ス で 実 施 し た 学 外 有 識 者 と の 懇 談 会
コース名
日時
学外有識者の所属・役職
地域環境工学
平 成 16 年 10 月 28 日
岩手県農林水産部農村計画課・課長
コース
岩手県土地改良事業団体連合会・事業部長
地域環境工学
平 成 18 年 7 月 25 日
東北農政局北上土地改良調査管理事務所・所長
コース
東京ファブリック工業(株)盛岡営業所・支配人
森林科学
小岩井農牧・山林部長
平 成 18 年 12 月 25 日
岩手県農林水産部・林務担当技監
コース
森林総合研究所東北支所・所長
分析項 目Ⅱ 教育内 容
(1)観点ごと の分析
観点 教育課 程の編 成
(観 点 に 係 る 状 況 )
教育課程は全学共通教育科目、専門教育科目を中心に編成されている。全学共通教育科
目 に は 「 教 養 科 目 」、「 共 通 基 礎 科 目 」、 平 成 19 年 度 に 導 入 さ れ た 必 修 の 「 転 換 教 育 科 目 」
が あ る( 表 8 )。平 成 18 年 度 の 現 代 GP に 採 択 さ れ た「 持 続 可 能 な 社 会 の た め の 教 養 教 育 の
再 構 築:学 び の 銀 河 プ ロ ジ ェ ク ト 」が 主 に 全 学 共 通 教 育 科 目 に 導 入 さ れ 、ESD( 持 続 可 能 な
開発のための教育)を推進している。
「 東 北 地 域 の 特 色 を 生 か し た 国 際 水 準 規 模 の 獣 医 学 教 育 の 体 制 を 整 備 す る 」、「 各 種 関 連
試 験 場 や 研 究 所 と の 連 携 を 通 し て 実 践 教 育 の 充 実 を 推 進 す る 」、「 寒 冷 地 に お け る フ ィ ー ル
ドを活用して、応用的・実践的研究に基づいた公開講座等により地域貢献を図る」を中期
目 標 に 掲 げ て い る 。 こ れ に 応 じ て 、 平 成 19 年 度 に 5 課 程 に 改 組 し ( 図 1 )、 獣 医 学 教 育 の
充実、生命・環境分野の新しい枠組みと内容充実を盛り込んだ教育体制を編成し、学部の
専門性を生かした多様なコースカリキュラムを実施している。
専門教育では低年次に専門基礎科目を、中年次に専門的講義・実験・実習科目を、最終
年 次 に 卒 業 研 究 を 課 す 、段 階 的 な 履 修 編 成 で あ る( 表 8 )。専 門 基 礎 科 目 に は 学 部 必 修 の 総
75-
岩手大学農学部 分析項目Ⅱ
合フィールド科学及び同実習があり、これらにより農学教育の基礎を形成し、リーダーシ
ップやチームワークをもって行動する学習機会を提供している。各課程の専門教育科目に
占 め る 必 修 科 目 の 割 合 は 、 獣 医 師 を 養 成 す る 獣 医 学 課 程 を 除 き 、 60% 前 後 で あ る ( 表 9 )。
地 域 環 境 工 学 コ ー ス( 図 1 )は 平 成 17 年 度 に JABEE の 認 定 を 受 け た 。平 成 19 年 度 に JABEE
中間審査に合格し、コースの継続的改善の実績が評価された。また、動物科学課程と獣医
学課程の専任教員は教員組織「動物医科学系」に所属し、強力な協力体制の下に教育を行
っており、動物倫理学、動物栄養学Ⅱ、家畜生殖技術論などを新たに両課程に必修で課し
た。
寒冷フィールドサイエンス教育研究センター、動物病院、寒冷バイオシステム研究セン
タ ー に 加 え 、 平 成 18 年 度 に 動 物 医 学 食 品 安 全 教 育 研 究 セ ン タ ー が 設 置 さ れ た ( 図 1 )。 こ
れら4附属施設が農学部学生教育の実践の場として多方面から支援している。
平 成 18 年 度 か ら 、専 門 教 育 で 必 要 な 数 学・物 理・化 学 が 苦 手 な 学 生 の 基 礎 学 力 向 上 を 支
援する「理系基礎の学習支援講座」を実施している。
観点
学生や 社会か らの 要請へ の対応
(観 点 に 係 る 状 況 )
10 単 位 を 上 限 に 他 学 部・他 大 学 の 開 講 科 目 を 単 位 認 定 し て い る 。北 東 北 国 立 3 大 学 や 岩
手5大学の間で単位互換するとともに、放送大学や学生交流協定のある外国大学の科目も
単 位 認 定 で き る ( 表 10)。
外 国 語 教 育 で は TOEFL 等 の 各 種 検 定 試 験 を 単 位 認 定 の 対 象 に し て い る ( 表 11)。 編 入 学
生が既習得単位を活用できるよう学則を整備している。成績優秀者が4年未満で卒業でき
る 早 期 卒 業 制 度 や 長 期 履 修 、 転 籍 制 度 を 整 備 し て い る ( 表 12)。 環 境 教 育 と 知 的 財 産 教 育
を 接 合 さ せ る 試 み で あ る「 各 学 部 の 特 性 を 生 か し た 全 学 的 知 的 財 産 教 育 」が 平 成 18 年 度 の
現 代 GP に 採 択 さ れ 、全 学 の 教 育 課 程 に 組 み 込 ま れ て い る 。イ ン タ ー ン シ ッ プ 科 目 を 設 け て
い る ( 表 13)。 大 学 院 教 育 と 連 携 し 、 成 績 優 秀 者 が 本 学 大 学 院 農 学 研 究 科 に 入 学 を 希 望 す
る 場 合 、 3 年 修 了 時 に 大 学 院 へ 進 学 で き る ( 表 12)。
社 会 か ら の 要 請 に 対 応 し 、平 成 19 年 度 に 3 学 科 か ら 5 課 程 制 に 改 組 し 、獣 医 学 教 育 の 体
制強化とともに、4附属施設、各種関連試験場、研究所と連携して地域に密着した実践的
教育を推進している。地域貢献のため、応用的・実践的研究に基づいた公開講座等を実施
し 、 ほ ぼ す べ て の 参 加 者 か ら 「 勉 強 に な っ た 」、「 大 学 で 早 く 学 び た い 」 等 の 好 評 を 得 て い
る 。21 世 紀 の 意 欲 的 な 農 業 従 事 者 を 養 成 す る た め 、
「 平 成 19 年 度 社 会 人 の 学 び 直 し ニ ー ズ
対応教育推進プログラム」に採択され、産官学地域連携による「いわてアグリフロンティ
ア ス ク ー ル 」 を 設 立 し 、 募 集 人 員 の 2 倍 以 上 の 受 講 希 望 者 を 得 て い る ( 表 14)。 ま た 、 平
成 19 年 度 か ら 卒 業 研 究 テ ー マ を 公 募 し 、地 域 で 生 じ て い る 問 題 の 解 決 に 協 力 し て い る( 表
15)。
平 成 18 年 度 に 附 属 動 物 医 学 食 品 安 全 教 育 研 究 セ ン タ ー を 設 置 し 、獣 医 師 、畜 産 技 術 者 を
主 な 対 象 と し て 卒 後 教 育 の 一 環 と し て 研 修 会 を 継 続 し 実 施 し て い る ( 表 16)。 さ ら に 、 平
成 19 年 度 特 別 教 育 研 究 経 費 ( 教 育 改 革 ) に 採 択 さ れ た 「 HACCP(ハ サ ッ プ )シ ス テ ム で 食 の
安 全 を 担 う 専 門 職 業 人 の 養 成 —「 農 場 か ら 食 卓 ま で 」の 横 断 的 衛 生 管 理 教 育 プ ロ グ ラ ム の 開
発 」—は 動 物 医 学 食 品 安 全 教 育 研 究 セ ン タ ー が 中 心 と な っ て 教 育 プ ロ グ ラ ム( シ ラ バ ス )を
開 発 し た ( 表 17,18)。
(2)分析項目 の水準 及び その判 断理由
(水 準) 期 待 さ れ る 水 準 を 上 回 る 。
(判 断 理 由 )
学 生 の 学 習 意 欲 や 学 力 に 応 じ て 段 階 的 な 教 育 課 程 を 編 成 し て い る 。ESD、他 大 学 と の 単 位
互 換 、 資 格 試 験 の 単 位 認 定 、 附 属 施 設 と 学 外 機 関 と の 連 携 に よ る 実 践 的 教 育 、 JABEE 指 向
教育、学力不足学生への支援講座等多様な学習機会を与えている。柔軟な転籍・卒業・進
学の制度を整備している。以上により、体系的かつ多様な教育内容に対する学生の期待を
76-
岩手大学農学部 分析項目Ⅱ
上回る水準であると判断する。
獣医学教育体制の強化、動物医学食品安全教育研究センターの設置、さらには教育プロ
グラム開発により、獣医学や食の安全教育が充実し、学生及び地域の獣医師や畜産系企業
の期待を上回る水準であると判断する。
好評な公開講座の実施、卒業研究による地域の問題解決への協力により、大学の地域貢
献 に 対 す る 地 域 住 民 、地 元 企 業 、地 元 自 治 体 の 期 待 を 上 回 る 水 準 で あ る と 判 断 す る 。 「 い
わてアグリフロンティアスクール」を設立し、募集人数を大幅に上回る受講希望者を得て
いることから、意欲的な農業従事者の期待を上回る水準であると判断する。
表8
農学部のカリキュラム
科目区分
全 学 共 通 教 育 転換教育科目
科目
共通基礎科目
開設授業科目名等
教養科目
専門教育科目
農学部
教職専門科目
国際交流科目
健康・スポーツ科目
情報科目
人間と分科
人間と社会
人間と自然
総合科目
1年次
高年次課題科目
環境教育科目
専門基礎科目
3年次以上
1年
1、2年次
課程共通科目
(農学生命、共生環境)
課程科目(コース科目)
卒業研究
1∼3年次
教職免許取得に必要な科目
留学生を対象とした英語による授
業
1∼最終年次
1、2年次
1、2年次
1∼最終年次
最終年次
表9 各課程・コースの専門教育科目に占める必修科目の割合(%)
農学生命課程
応用生物
共生環境課程
化
学
課
程
生命資源
生物産業
共生環境
森林科学 地域環境工
科学コ
ース
68
表 10
科学コー
ス
60
履修年次
1年次
基礎ゼミナール
外国語科目
学コース
66
コース
学コース
76
75
34
各種大学との単位互換制度の利用人数(農学部学生の延べ人数)
16 年 度
17 年 度
18 年 度
19 年 度
弘前大学
秋田大学
岩手医科大学
81
80
2
65
91
0
91
121
0
88
46
0
岩手県立大学
0
2
0
0
放送大学
外国の大学
7
0
3
0
8
0
6
0
77-
動物科学
課程
59
獣医学
課程
90
岩手大学農学部 分析項目Ⅱ
表 11
検定試験等による単位認定科目数(農学部学生)
16 年 度
17 年 度
18 年 度
19 年 度
TOEFL
TOEIC
2
2
1
2
4
4
2
12
ドイツ語技能検定試験
実用フランス語技能検定試験
0
8
0
2
0
0
4
4
HSK( 漢 語 水 平 考 試 )
0
4
0
0
外 国 語 研 修( ブ リ テ ィ ッ シ ュ コ ロ ン ビ ア 大 学 )
外国語研修(モナシュ大学)
4
0
0
2
2
0
0
2
17 年 度
18 年 度
19 年 度
表 12
転籍・卒業・進学の制度利用者数(農学部学生)
16 年 度
早期卒業
3年次修了での大学院進学
1
0
0
0
1
0
0
0
長期履修
転学科(転課程)
0
0
0
0
0
1
0
1
転学部(他学部へ転出)
0
0
0
0
転学部(農学部へ転入)
0
0
0
1
表 13
インターンシップ科目の単位認定者数(農学部学生)
16 年 度
17 年 度
18 年 度
19 年 度
農業生命科学科
15
29
29
12
農林環境科学科
29
49
56
67
獣
27
71
36
114
32
117
34
113
医
合
表 14
学
科
計
平 成 19 年 度 い わ て ア グ リ フ ロ ン テ ィ ス ク ー ル の 募 集 人 数 と 受 講 者 ・ 修 了 者 数
コース
募集人数
受講者数
修了者数
キャリア
フロンティア
マーケティング
計(コース複数選択者
を1名として計算)
表 15
35
17
18
80
49
49
53
30
33
―
91
61
平 成 19 年 度 の 地 域 課 題 解 決 プ ロ グ ラ ム 名 ( 農 学 部 担 当 分 )
プログラム名
ツキノワグマの誘引につながるリンゴ摘果物・廃棄果実等(不要物)にかかる
有効活用法の検討・研究開発
「 甲 子 柿 ( 地 域 産 品 )」 の 魅 力 を 探 る
麹菌を用いた微生物変換法による雑穀の高機能化
表 16
附属動物医学食品安全教育研究センターの研修会
プログラム
「 食 の 安 全・安 心 」の
ための横断的衛生管
理
実施
参加者数
時期
健 康 な 家 畜 の 生 産 と 疾 病 予 防 を 基 本 と し た 、 安 畜 産 、 予 防 衛 生 、 臨 H18. 9.
30 名
全・安 心 な 動 物 性 食 品 を 提 供 す る た め の 動 物 の 生 床 及 び 公 衆 衛 生 分 野 5∼ 6
産 管 理 、健 康 管 理 お よ び 安 全 管 理 に 向 け て の 問 題 に 関 わ る 者 ( 特 に 専 H19. 1.
45 名
点を考え、相互理解を図る。
門 分 野 は 問 わ な い ) 17∼ 18
目的
主な対象者
78-
岩手大学農学部 分析項目Ⅱ
「動物性食品の横断
的 衛 生 管 理 」− 生 産 段
階における衛生管理
の重要性−
「動物性食品の横断
的 衛 生 管 理 」− 動 物 生
産から消費まで食の
安全確保−
〔部門別研修会〕
平 成 19 年 度 岩 手 大 学
農学部附属動物医学
食品安全教育研究セ
ン タ ー F AMS 診 療 技 術
セミナー
表 17
生産段階の衛生管理の必要性について講義、実 畜産、 予防 衛生 、 臨
習 、施 設 見 学 、演 習 を 行 い 、適 正 農 業 規 範( G AP) 床 及 び 公 衆 衛 生 分 野
お よ び 危 害 分 析 重 要 管 理 点 (H ACC P) シ ス テ ム を 構 に 関 わ る 者 ( 特 に 専
築するための手法を理解する。
門分野は問わない)
健康な家畜の生産と疾病予防を基本とした、安
動物(家禽)生産、
全・安 心 な 動 物 性 食 品 を 提 供 す る た め の 動 物 の 生
医療、予防、食品衛
産 管 理 、健 康 管 理 お よ び 安 全 管 理 に 向 け て 何 を す
生管理に関わる者
べきかを考え、相互共通理解を図る。
産業動物臨床獣医師として地域畜産振興のため
に 従 事 し て い る 中 堅 技 術 者 を 対 象 と し て 、地 域 の
東北6県農業共済組
動物産業における将来のリーダーとしての自覚
合連合会所属の中堅
を 付 与 す る と と も に 、最 新 の 獣 医 学 的 知 識 と 技 術
技術者
に基づく社会的貢献度の高い技術体系の修得を
目的とする。
3
危害発生の実際
4
10
食品安全と食品関連法規概説
食肉・牛乳および鶏卵の安全
性に関する主な法令
フードチェーンとリスクアナ
リ シ ス ( 1)
フードチェーンとリスクアナ
リ シ ス ( 2)
生産段階における衛生管理
飼料の生産および流通段階に
おける衛生管理
畜舎・施設と糞尿処理
11
抗菌剤と薬剤耐性菌
6
7
8
9
12
13
14
15
生産段階における衛生管理と
予 防 衛 生 ( 1) 乳 用 牛 ・ 肉 用 牛
生産段階における衛生管理と
予 防 衛 生 ( 2) 豚
生産段階における衛生管理と
予 防 衛 生 ( 3) 鶏 卵 ・ 鶏 肉
食品の加工および流通段階に
おける衛生管理
16
HACCP シ ス テ ム の 概 要 (1 )
17
HACCP シ ス テ ム の 概 要 (2 )
18
検証システムと危機管理
クライシスコミュニケーショ
ン
19
表 18
実習
1
2
31 名
H20.
1 .1 0
∼ 11
39 名
H19. 11
.6∼ 15
( 10 、
11 日 を
除く 8
日間)
15 名
FAMS 卒 後 ・ 大 学 院 教 育 プ ロ グ ラ ム − 講 義 −
講義
大項目
1
食と食品
2
食品衛生の概念と一般的原則
5
H19. 8.
7∼ 9
中項目
① 食 の 文 化 ② フ ー ド チ ェ ー ン ③ F arm to t able の 概 念
①食品の品質と安全性の基本的概念②食品の安全性に係る国際的枠組み
①食中毒の発生状況、発生要因および原因物質②家畜伝染病の発生状況③人
畜共通感染症
①食品安全基本法②食品衛生法③食品の表示に関する法令④法令遵守
①飼料安全法②薬事法③家畜伝染病予防法④と畜場法、食鳥処理法
①リスクアナリシスの基礎知識②リスクアセスメント③リスクマネージメン
ト
①フードチェーンにおけるリスクの発生と制御②リスクコミュニケーション
① GAP の 概 念 ② 動 物 の 育 種 、 飼 養 お よ び 衛 生 管 理 ③ 動 物 の 愛 護 ・ 福 祉
①家畜飼養と飼料給与法②飼料生産における衛生管理③飼料流通における衛
生管理
①畜舎・施設の構造と設計②糞尿処理
①抗菌薬と食の安全②薬剤耐性菌の出現とその機作③使用に関する国際的動
向
①乳牛における衛生管理と予防衛生②肉牛における衛生管理と予防衛生
①主要疾患②衛生管理・予防衛生③出荷管理
①鶏卵生産のための鶏の衛生管理と予防衛生②鶏肉生産のためのブロイラー
鶏の衛生管理と予防衛生
①食品衛生の一般原則②安全を保証するための方法論、一般的衛生管理プロ
グラム③流通段階での衛生管理
① HA CCP の 基 本 的 考 え 方 ② 7 原 則 の 捉 え 方 ③ 一 般 的 衛 生 管 理 プ ロ グ ラ ム の 考
え方
① 微 生 物 危 害 制 御 の 進 め 方 ② 異 物 ・ 化 学 的 危 害 制 御 の 進 め 方 ③ HAC CP プ ラ ン
の作成
①検証の重要性と検証システムの構築②トレーサビリティー③危機管理
①クライシスとは②平常時の対応③クライシス発生時の対応
FAMS 卒 後 ・ 大 学 院 教 育 プ ロ グ ラ ム − 実 習 −
大項目
動物生産における環境衛生学
(1)
動物生産における環境衛生学
(2)
3
飼料の成分分析法
4
正 常 な 動 物 の 形 態 と 機 能 ( 1)
5
正 常 な 動 物 の 形 態 と 機 能 ( 2)
6
正 常 な 動 物 の 形 態 と 機 能 ( 3)
7
疾 病 診 断 ( 1)
診断学Ⅰ
8
疾 病 診 断 ( 2)
診断学Ⅱ
9
疾 病 診 断 ( 3)
疫学
中項目
①畜舎の環境衛生学②空気・換気
① 大 腸 菌 群 と 大 腸 菌 ・残 留 塩 素 ② 化 学 的 酸 素 要 求 量( CO D )・ア ン モ ニ ウ ム ③
亜 硝 酸 性 窒 素 、 硝 酸 性 窒 素 ・ 透 視 度 ④ 汚 水 ・ 排 水 ( BOD )
①飼料の成分分析法②飼料の品質管理と保存法③飼料中かび毒アフラトキシ
ンの酵素免疫測定法による検出・定量④飼料中の微生物学的、化学的、物理
的危害物質の検査
①超音波画像診断装置による正常な臓器の形態観察②肢蹄の形態と機能の評
価
①正常な動物の形態学(解剖)②疾病動物の病理学的診断法
①時間分解蛍光免疫測定法による各種ホルモン濃度の測定②時間分解蛍光免
疫測定法による性ステロイドホルモン濃度の測定
①病原微生物の検出法:病原細菌の形態学的観察②家畜等の寄生虫検査
①乳汁検査と起因菌検索のための細菌培養法②白血球機能検査:乳房炎の早
期診断③白血球機能検査:化学発光による白血球貪食能・活性酸素と抗酸化
作用
① 微 分 方 程 式 お よ び 確 率 論 ( Ree d-F ros t ) モ デ ル を 用 い た 理 論 疫 学 演 習 ② 疫
79-
岩手大学農学部 分析項目Ⅱ.Ⅲ
10
11
12
13
14
15
16
17
食肉の検査法
食 品 衛 生 と 危 害 防 止 (1): 生 物
学的危害Ⅰ
食 品 衛 生 と 危 害 防 止 (2): 生 物
学的危害Ⅱ
食 品 衛 生 と 危 害 防 止 (3): 化 学
的危害
生産段階(農場)の衛生管理
と GAP
食肉処理の実際
HACCP 総 合 演 習 ( 1 )
HACCP 総 合 演 習 ( 2 )
学的解析のためのデータの取り方とデータ作成
①食肉の官能検査②食肉の畜種・品種鑑別試験
①衛生微生物の簡易・迅速検査法②食品中の病原菌数の定量(黄色ブドウ球
菌・リステリア菌)③薬剤感受性試験と耐性菌出現
① 衛 生 微 生 物 の 精 密 検 査 法 ② 生 体 染 色 と 蛍 光 i n s itu hy br idiz ati on に よ る
培養不能カンピロバクターの検出③トキシン・トキシカントのマウスでの致
死(急性)毒性試験
①食品(材料)中の残留抗生物質検査②食品(材料)中の残留農薬検査
① 生 産 段 階 に お け る 動 物 福 祉 と 生 産 管 理 に 関 す る 見 学 実 習 ② GAP 演 習
①食肉処理場見学実習
① Fa rm to ta ble を 念 頭 に 置 い た HA CCP 構 築 演 習
①発表会と総合討論
分析項 目Ⅲ 教育方 法
(1)観点ごと の分析
観点 授業形 態の組 合せ と学習 指導法 の 工夫
(観 点 に 係 る 状 況 )
授業形態の組合せとして、各課程の必修科目に占める演習・実験・実習科目単位数の割
合 は 、卒 業 研 究 を 除 き 14∼ 28% で あ り 、学 生 と 教 員 の 双 方 向 の 対 話 を 重 視 し た 授 業 を バ ラ
ンスよく配置している。卒業研究を必修とし、きめ細かに個別指導している。
専 門 基 礎 科 目 や 演 習・実 験・実 習 科 目 で は TA を 利 活 用 し 、授 業 の 実 効 を 高 め て い る 。特
色 あ る 指 導 法 と し て 、平 成 19 年 度 か ら 転 換 教 育 科 目 と し て 基 礎 ゼ ミ ナ ー ル が 開 講 さ れ 、学
生 の グ ル ー プ 学 習 に TA を 配 置 し て い る 。基 礎 数 学 演 習 で は 習 熟 度 別 に ク ラ ス を 編 成 し 、TA
を利用してきめ細かに指導している。
22 科 目 の フ ィ ー ル ド 実 習 を 開 講 し 、附 属 施 設 と 学 外 機 関 と の 連 携 に よ り 学 生 の 現 場 体 験
を 重 視 し て い る ( 表 19)。 例 え ば 、 獣 医 学 課 程 の 獣 医 臨 床 実 習 で は 、 動 物 病 院 や 小 岩 井 農
牧等において、少人数の班毎に患畜の診断検査、治療を実習し、獣医師との検討、学生に
よ る 症 例 発 表 を 行 っ て い る 。平 成 19 年 度 か ら は 単 位 数 及 び 教 員 数 を 増 や し た 総 合 臨 床 実 習
に科目名変更し、さらに充実した教育を実施している。
シラバスの構成は全学統一され、アイアシスタントによりシラバスを公開している。新
入生にはシラバスの冊子を配布している。
約 200 名 が 履 修 す る 専 門 基 礎 科 目 の 生 物 統 計 学 を 、平 成 19 年 度 か ら 2 ク ラ ス に 分 割 し た 。
2 年 次 以 降 の 専 門 教 育 科 目 で は ク ラ ス 規 模 は 約 30 名 で あ り 、行 き 届 い た 教 育 が 可 能 で あ る 。
また、各棟に共通セミナー室を設置しており、研究室のセミナー、論文指導・発表に活用
している。
す べ て の 講 義 室 に OHP、 液 晶 プ ロ ジ ェ ク タ を 設 置 し て い る 。
観点
主体的 な学習 を促 す取組
(観 点 に 係 る 状 況 )
従 来 か ら セ メ ス タ ー 制 の 科 目 が 大 部 分 で あ っ た が 、平 成 19 年 度 改 組 に 伴 い 、セ メ ス タ ー
制 科 目 を 拡 大 し た 。学 生 の 履 修 登 録 の 機 会 が 年 2 回 と な り 、科 目 選 択 の 自 由 度 が 高 く な り 、
履修計画をより立てやすくなった。
単位の実質化のために、授業時間外の学習を授業計画に盛り込み、シラバスにより学生
に 周 知 し て い る 。 ア イ ア シ ス タ ン ト の i カ ー ド (Web を 利 用 し た レ ス ポ ン ス カ ー ド )や ド リ
ル を 利 用 し て 宿 題 を 課 し 、教 室 外 学 習 を 推 進 し て い る 。履 修 体 系 を 十 分 理 解 さ せ る た め に 、
入学時から大学教育総合センター、農学部の各課程が主体となりガイダンスを実施してい
る 。 授 業 時 間 と 教 室 外 学 習 時 間 を 勘 案 し て 履 修 単 位 数 の 上 限 を 半 期 22 単 位 と し て い た が 、
学 生 の 要 望 に 応 じ 、平 成 19 年 度 か ら 24 単 位 に 増 や し た 。成 績 優 秀 者 の 上 限 を 28 単 位 と し 、
早 期 卒 業 を 可 能 に し て 積 極 的 な 自 主 的 学 習 も 促 し て い る 。ま た 、平 成 19 年 度 入 学 生 か ら 成
績評価に「秀」を加えた5段階評価とし、成績をより厳格に評価できるシステムに改善し
710-
岩手大学農学部 分析項目Ⅲ
ている。成績不振者に対してはクラス担任が中心となり随時個別面談等を行っている。
平 成 16年 度 か ら オ フ ィ ス ア ワ ー の 時 間 帯 を シ ラ バ ス に 記 載 し 、 平 成 18年 度 に は ア イ ア シ
スタントにオフィスアワーを掲載し、学生に周知徹底している。
パ ソ コ ン 95台 を 配 置 し た 情 報 処 理 演 習 室 を 終 日 開 放 し 、 学 生 が 自 主 学 習 で き る 環 境 を 提
供している。
火災・地震対策、実験実習の安全対策等をまとめた「安全マニュアル」を作成し、平成
19年 度 か ら 入 学 生 に 冊 子 を 配 布 し て い る 【 別 添 資 料 2 : 安 全 マ ニ ュ ア ル 】 。
(2)分析項目 の水準 及び その判 断理由
(水 準) 期 待 さ れ る 水 準 に あ る 。
(判 断 理 由 )
講 義 、演 習 、実 験 、実 習 を バ ラ ン ス よ く 配 置 し 、ク ラ ス 規 模 を 30 名 前 後 に 適 正 化 し 、き
め 細 か に 指 導 し て い る 。TA の 活 用 、ア イ ア シ ス タ ン ト の 活 用 、フ ィ ー ル ド 実 習 に よ る 現 場
体験の重視等、多様な学習機会を用意している。セメスター制の徹底、定期的なガイダン
スの実施、オフィスアワーの周知、宿題やレポートによる教室外学習の推進、履修単位数
上限の緩和等、学生の主体的学習を促している。以上により、教育方法について学生の期
待に応える水準にあると判断する。
表 19
平 成 19 年 度 入 学 生 対 象 の フ ィ ー ル ド 実 習
担当・年次・区分
学部
1 年・必
修
農 学 生 命 2 年・必 修
農 学 生 命 2 年・選 択
農 学 生 命 3 年・選 択
科目名
総合フィールド科学実習
概要
作物栽培
作物栽培
作物栽培
作 物 栽 培 、家 畜 管 理 、
食品加工
保全生物フィールド科学 野 生 生 物 の 生 息 調
実習
査
地域デザイン実習
町づくりのための
点検
附属施設
附属施設
附属施設
共 生 環 境 3 年・選 択
共 生 環 境 2 年・必 修
農山村調査実習
森林資源と人間生活
農山村調査
森 林 調 査 、工 場 見 学
学外
附属施設、学外
共 生 環 境 2 年・必 修
森林測量学実習 I
森林内測量
附属施設
共 生 環 境 2 年・選 択
暖帯林概論
森林見学
学外(鹿児島)
共 生 環 境 2 年・必 修
樹木形態観察
学内圃場
共 生 環 境 3 年・選 択
樹木の組織と形態・生理
実習
野生動物管理学実習
野生動物の生息調
査
附属施設
共 生 環 境 3 年・必 修
森林計測学実習
森林調査
附属施設
共 生 環 境 3 年・必 修
共 生 環 境 3 年・必 修
森林造成学実習
林業生産工学実習
育苗、森林造成
木材収穫
附属施設、学外
附属施設
共 生 環 境 3 年・必 修
砂防学実習
附属施設、学外
共 生 環 境 3 年・必 修
林道工学実習
河川防災施設の設
計
林道設計
共 生 環 境 2 年・必 修
共 生 環 境 2 年・選 択
測量学実習 I
測 量 学 実 習 II
疎開地の測量
疎開地の測量
学内植物園
学外
共 生 環 境 2 年・選 択
共 生 環 境 2 年・選 択
農場実習 I
農 場 実 習 II
農場特別実習
利用施設
附属施設、学内圃場
711-
附属施設、学外
学外
附属施設
岩手大学農学部 分析項目Ⅲ.Ⅳ.Ⅴ
動 物 科 学 3 年・必 修
牧場実習
家 畜 管 理 、飼 料 収 穫
附属施設、学外
獣医学
択
獣医学
修
4 年・選
家畜衛生実習
家畜の衛生管理
附属施設、学外
5 年・必
総合臨床実習
患畜の診断・治療
附属施設、学外
分析項目Ⅳ 学業の成果
(1 )観 点 ご と の 分 析
観点 学生が身に付けた学力や資質・能力
(観 点 に 係 る 状 況 )
卒 業 要 件 単 位 に 対 す る 卒 業 時 取 得 単 位 の 比 率 は 110% 、
「 優 」の 取 得 率 は 60% 以 上 で あ る 。
90% 以 上 の 学 生 が 標 準 修 業 年 限 で 卒 業 し て い る 。 獣 医 学 科 に お け る 過 去 5 年 間 の 獣 医 師 国
家 試 験 の 合 格 率 は 84∼ 95% で あ り 、 全 国 の 新 卒 者 合 格 率 ( 91% ) の 水 準 を 維 持 し て い る 。
観点
学業の成果に関する学生の評価
(観 点 に 係 る 状 況 )
平 成 16 年 度 の 農 学 部 授 業 ア ン ケ ー ト で は 、7 割 以 上 の 学 生 が「 授 業 は 総 合 的 に 良 か っ た 」
と回答し、全学共通教育の授業アンケートでは、7割以上の学生が「知的好奇心を喚起さ
せ ら れ る 、将 来 に 役 立 つ 授 業 で あ っ た 」と 回 答 し て い る 。平 成 17 年 度 か ら 導 入 し た 農 学 部
授 業 ア ン ケ ー ト 方 式 で は 、学 生 に よ る 授 業 評 価 結 果 を 点 数 化 で き る 。達 成 度 評 価 は 平 成 17
年 度 の 12.3 点 か ら 平 成 18 年 度 に は 14.3 点 と な り( 評 価 点 は 最 低 -26 点 、最 高 26 点 )、教
員が授業改善に努めていることが窺われる【別添資料3:農学部の授業に関する学生アン
ケ ー ト 実 施 報 告 書 —平 成 17、 18 年 度 —】。
(2 )分 析 項 目 の 水 準 及 び そ の 判 断 理 由
(水 準 ) 期 待 さ れ る 水 準 に あ る 。
(判 断 理 由 )
90% 以 上 の 学 生 が 標 準 修 業 年 限 内 で 卒 業 し 、卒 業 時 の 単 位 取 得 比 率 が 110% 、
「 優 」取 得
率 は 60% 以 上 で あ り 、意 欲 的 な 単 位 取 得 態 度 が 窺 わ れ る 。獣 医 師 国 家 試 験 の 合 格 率 は 全 国
水準を維持している。学生による授業の達成度評価では7割以上の学生が満足しており、
かつ評価が向上している。ゆえに、学生は広範な授業から得た学業の成果を肯定的に捉え
ており、学生の期待に応える水準にあると判断する。
分析項目Ⅴ 進路・就職の状況
(1 )観 点 ご と の 分 析
観 点 卒 業 (修 了 )後 の 進 路 の 状 況
(観 点 に 係 る 状 況 )
主な就職先は公務員、食品産業である。進学先は、本学大学院農学研究科が最も多い。
過 去 4 年 間 の 就 職 希 望 者 の 就 職 率 、進 学 希 望 者 の 進 学 率 は と も に 95% 以 上 で あ り 、い ず れ
も 平 成 16 年 度 か ら 19 年 度 に か け て 増 加 し た ( 表 20)。
観点
関係者からの評価
(観 点 に 係 る 状 況 )
年間を通じた就職説明会、企業合同セミナー、公務員採用試験ガイダンス等を実施し、
指導教員の協力の下、就職支援に努めている。企業へのアンケートでは、農学部と農学研
究 科 の 卒 業 ・ 修 了 生 の 特 長 と し て 、 75% が 「 責 任 感 が あ る 」、「 粘 り 強 さ が あ る 」 と 回 答 し
712-
岩手大学農学部 分析項目Ⅴ
て い る 。次 い で「 意 欲 が あ る 」
( 67% )、
「仕事に必要なことを自ら主体的に学ぶことができ
る 」( 48% )、「 社 会 性 が あ る 」( 43% ) と な り 、 評 価 は 概 ね 高 い 。 JABEE 指 向 教 育 コ ー ス に
よる学外有識者との懇談会では、
「 卒 業 生 の 多 く は 真 面 目 で 知 識・能 力 も 十 分 あ る 」と 評 価
さ れ て い る 。保 護 者 を 対 象 と し た 進 路 懇 談 会 で は 、
「 大 変 参 考 に な っ た 」、
「4年生の就職先
をさらに細かく分析して教えて欲しい」といった肯定的・積極的な意見が毎年大半を占め
ている。
(2 )分 析 項 目 の 水 準 及 び そ の 判 断 理 由
(水 準 ) 期 待 さ れ る 水 準 に あ る 。
(判 断 理 由 )
学生の希望に沿った就職・進学が高率で達成され、就職支援体制も整っている。就職先
による卒業生の評価は概ね高く、保護者による就職・進学状況への評価も高い。さらに、
就職先や保護者の要望を把握し、改善に努めていることから、学生、保護者、企業、自治
体の期待に応える水準にあると判断する。
表 20
就職率と進学率の推移
就職希望者の就職率(%)
進学希望者の進学率(%)
16 年 度
17 年 度
18 年 度
19 年 度
95.6
96.2
96.3
98.0
95.9
98.6
97.9
98.8
713-
岩手大学農学部
Ⅲ
質の向上度の判断
① 事 例 1 「 平 成 19 年 度 改 組 に よ る 教 育 体 制 ・ 教 育 内 容 の 充 実 」 (分 析 項 目 Ⅰ 、 Ⅱ 、 Ⅲ )
農 学 分 野 に お け る 国 際 化 や 地 域 貢 献 へ の 社 会 要 請 の 高 ま り に 対 応 し 、平 成 19 年 度 に 3 学
科体制から教育目的と内容に明確な特徴を持つ5課程体制に改組した。獣医学分野では、
教 員 数 が 平 成 16 年 度 の 24 名 か ら 平 成 19 年 度 に は 32 名 に 増 加 し 、 附 属 動 物 医 学 食 品 安 全
教育研究センターが設置され、
「 農 場 か ら 食 卓 ま で 」の 横 断 的 衛 生 管 理 教 育 プ ロ グ ラ ム の 開
発 (特 別 教 育 研 究 経 費 ( 教 育 改 革 ) )が 採 択 さ れ た 。 こ の 結 果 、 獣 医 臨 床 学 や 公 衆 衛 生 学 分
野の教育研究が充実し、食の安全に関する教育が推進可能となった。また、生命・環境分
野の新しい枠組みと内容充実を盛り込んだ教育体制を編成し、学部の専門性を生かした多
様 な コ ー ス カ リ キ ュ ラ ム を 実 施 し た 。 こ れ ら の 結 果 、 農 学 部 の 志 願 倍 率 は 17 年 度 入 試 の
3.2 倍 か ら 20 年 度 入 試 の 4.0 倍 に 増 加 し た 。
② 事 例 2 「 平 成 19 年 度 か ら の 教 員 組 織 の 全 学 一 元 化 」 (分 析 項 目 Ⅰ 、 Ⅱ )
平 成 16 年 度 に は 教 育 組 織 と 研 究 組 織 が 一 体 と な っ た 3 学 科 11 講 座 の 講 座 制 を 採 用 し て
い た が 、平 成 19 年 度 か ら 教 員 組 織 を 全 学 一 元 化 す る 学 系 制 度 が 導 入 さ れ 、柔 軟 な 教 育 シ ス
テムが可能となった。
動物科学課程と獣医学課程の専任教員は教員組織「動物医科学系」に所属し、強力な協
力体制の下に教育を行っており、動物倫理学、動物栄養学Ⅱ、家畜生殖技術論などを新た
に両課程に必修で課した。
③ 事 例 3 「 平 成 17 年 度 か ら の 学 生 授 業 ア ン ケ ー ト の 毎 学 期 実 施 と 集 計 結 果 の 還 元 」 (分 析
項目Ⅰ、Ⅳ)
平 成 16 年 度 ま で は 5 段 階 評 価 で 自 由 記 述 欄 を 設 け た ア ン ケ ー ト を 実 施 し て い た 。 平 成
17 年 度 か ら は 結 果 を 点 数 化 で き る ア ン ケ ー ト を 毎 学 期 実 施 し 、そ の 得 点 を 教 員 評 価 に も 使
用 し て い る 。ア ン ケ ー ト 結 果 の 点 数 を 各 教 員 に 通 知 し 、授 業 改 善 に 積 極 的 に 利 用 し た 結 果 、
平 成 18 年 度 に は 学 生 の 達 成 度 評 価 が 向 上 し た 。
④ 事 例 4 「 平 成 17 年 度 に 地 域 環 境 工 学 コ ー ス の JABEE 認 定 」 (分 析 項 目 Ⅰ 、 Ⅱ )
平 成 16 年 度 ま で は コ ー ス 教 育 が 社 会 の 要 求 水 準 を 満 た し て い る か 、教 育 の 改 善 方 法 が 適
切 か を 客 観 的 に 証 明 で き な か っ た 。平 成 17 年 度 に JABEE 認 定 さ れ 、就 職 先・学 生 か ら の ニ
ー ズ を 踏 ま え た 教 育 を 推 進 し て い る と と も に 、PDCA サ イ ク ル に 基 づ く 教 育 改 善 の 仕 組 み を
構 築 し て い る こ と が 証 明 さ れ た 。そ の 後 、平 成 19 年 度 に JABEE 中 間 審 査 に 合 格 し 、コ ー ス
の継続的改善の実績が評価された。
714-
岩手大学農学部
添
付
資
(7.農学部)
平成20年6月
岩手大学
料
岩手大学農学研究科
8.農学研究科
Ⅰ
農学研究科の教育目的と特徴
Ⅱ
分析項目ごとの水準の判断
Ⅲ
・・・・・・・・8−2
・・・・・・・・・8−3
分析項目Ⅰ
教育の実施体制
分析項目Ⅱ
教育内容
・・・・・・・・・・・8−4
分析項目Ⅲ
教育方法
・・・・・・・・・・・8−6
分析項目Ⅳ
学業の成果
分析項目Ⅴ
進路・就職の状況
質の向上度の判断
・・・・・・・・8−3
・・・・・・・・・・8−7
・・・・・・・8−9
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 8 − 11
81-
岩手大学農学研究科
Ⅰ
農学研究科の教育目的と特徴
1(農学研究科の目的)
農学の重点分野である生命科学と環境科学分野において、専門的な知識と高い倫理性、
課題発見・解決能力などを修得することによって、最先端の科学・技術の発展に寄与でき
る研究者と、地域社会や国際社会に貢献できる高度専門職業人の養成を目的としている。
2(研究科の個性や特色)
農 学 研 究 科( 修 士 課 程 )は 、昭 和 39 年 4 月 に 設 立 さ れ 、平 成 16 年 度 か ら 農 業 生 命 科 学 、
農林環境科学の2専攻を設置している。本研究科の特徴として、バイオサイエンスを基と
した、生物資源のより高度な利用について分子レベルからフィールドまで多岐にわたる教
育研究と、環境に調和した農山村地域の健全な維持発展を目標とした総合的な教育研究が
あ げ ら れ る 。寒 冷 地 等 の 地 域 特 性 を 生 か し た 本 学 の 教 育 研 究 に 対 す る 最 近 の 評 価 の 一 端 は 、
平 成 16 年 度 に 21 世 紀 COE プ ロ グ ラ ム 「 熱 − 生 命 シ ス テ ム 相 関 学 拠 点 創 成 」 の 採 択 に も 象
徴されている。
3(中期目標や中期計画と関連した研究科の教育)
本研究科の目的を達成するため、専門的な知識の習得に加え、課題発見・解決能力や国
際理解力、科学技術者に必要な倫理性の育成に重点をおいた教育カリキュラムを設定して
いる。また、実践的力量および現代的課題への対応力の向上を目指し、グローバル化の視
点を習得できるよう、高度な専門職業人または研究者を育成するための高度専門教育科目
および研究教育重点科目を設置している。
4(入学者の受け入れ)
広い視野と高い問題意識を持ち、専門的知識と能力を備えた高度な専門職業人の養成を
目的としている。特に、生命、食料、環境に関する分野において世界レベルで活躍できる
人材と地域の農林業の振興発展に先見性を発揮し貢献できる人材の育成を目指している。
こ れ ら を 踏 ま え て 設 定 し た ア ド ミ ッ シ ョ ン ポ リ シ ー に 応 じ て 、一 般 選 抜( 全 専 攻 )に 加 え 、
推 薦 入 試 ( 農 林 環 境 科 学 専 攻 ) 、 面 接 ( 社 会 人 ) に よ る 入 試 や 10月 入 学 制 度 を 実 施 し て い
る。
[想 定 す る 関 係 者 と そ の 期 待 ]
本研究科の学生は、専門的な知識と実験技術とともに、高度な専門職業人や研究者とし
て必要な課題発見・解決能力を習得することを期待している。自治体、農学関係の企業、
及び地域社会は、遺伝子組換え技術の安全性や「食品の安全・安心」について強い関心を
持っており、高い倫理性を有した研究技術者の育成を期待している。また、地域地場産業
の振興に貢献するような人材の育成を求めている。
82-
岩手大学農学研究科 分析項目Ⅰ
Ⅱ
分析項目ごとの水準の判断
分析項目Ⅰ 教育の実施体制
(1 )観 点 ご と の 分 析
観点 基本的組織の編成
(観 点 に 係 る 状 況 )
農学研究科(修士課程)は、農学の重点分野である生命科学と環境科学分野において、
専門的な知識と高い倫理性、課題発見・解決能力などを習得することによって、最先端の
科学・技術の発展に寄与できる研究者と、地域社会や国際社会に貢献できる高度専門職業
人の養成を目的としている。アドミッションポリシーとして、生命、食料、環境に関する
分野の研究に取り組み、その成果を地域から世界に発信しようとする人や、地域において
環境保全型農林業の発展に貢献しようとする人を求めている。
こ の 目 的 を 達 成 す る た め 、 平 成 16 年 度 に 組 織 の 改 編 を 行 い 、 生 命 分 野 の 教 育 研 究 と し
て農業生命科学専攻を、環境分野の教育研究として農林環境科学専攻を設置した。本研究
科には、附属寒冷バイオシステム研究センターや附属寒冷フィールドサイエンス教育研究
センター、岩手生物工学研究センターの教員も授業や研究指導を担当し、寒冷圏遺伝子資
源の活用等、特色のある教育研究を行っている。また、修士課程修了後、さらに研究を深
め た い 場 合 は 岩 手 大 学 連 合 農 学 研 究 科 の 博 士 課 程 に 進 学 す る こ と が で き る (表 1 )。
農 学 研 究 科 の 定 員 は 農 業 生 命 科 学 専 攻 が 37 名 、農 林 環 境 科 学 専 攻 が 30 名 で 合 計 67 名 で
あ る 。 過 去 4 年 間 の 平 均 入 学 者 数 は 、 定 員 の 約 105% と な っ て お り 、 適 正 な 状 況 に な っ て
いる。
表1
区
分
農学研究科の進学状況
平 成 16 年 度
人数
平 成 17 年 度
(%) 人数
本学部卒業者の進学者数
平 成 18 年 度
(%) 人数
平 成 19 年 度
(%) 人数
(%)
75
75
99
73
内
本学大学院進学者数(%)
67 (89)
56 (75)
75 (76)
50 (68)
訳
他大学院進学者数(%)
8 (11)
19 (25)
24 (24)
23 (32)
0
0
0
0
その他(%)
大学院入学定員(修士)
志願者数
(倍 )
本学部出身者数(%)
合格者数
本学部出身者数(%)
入学者数
本学部出身者数(%)
67
67
67
67
91 (1.4)
79 (1.2)
99 (1.5)
76 (1.1)
80 (88)
69 (87)
85 (86)
62 (82)
85 (93)
74 (94)
95 (96)
67 (88)
75 (88)
64 (86)
81 (85)
54 (81)
77 (91)
65 (88)
86 (91)
59 (88)
68 (88)
56 (86)
75 (87)
49 (83)
他大学出身者数(%)
5
(7)
7 (11)
9 (10)
8 (14)
外国の学校卒(%)
4
(5)
2 (3)
2 (2)
2 (3)
平 成 19 年 度 よ り 本 学 の 教 員 は 、 専 門 分 野 毎 に 全 学 一 元 化 さ れ た 学 系 に 所 属 し て い る 。
農学研究科担当の教員は、環境科学系、応用生命科学系、動物医科学系の学系のいずれか
に属しており、他の研究科・専攻の教員との研究交流が活発に行われている。大学院学生
の研究指導においても、必要に応じて他研究科・他専攻の教員も協力して行っている。
農 学 研 究 科 は 、 平 成 20 年 3 月 現 在 81 名 の 教 員 が 教 育 研 究 指 導 を 行 っ て い る 。
教 員 の 年 齢 層 は 、 30 代 24% 、 40 代 26% 、 50 代 37% 、 60 代 13% と 、 バ ラ ン ス の 取 れ た
構成となっている。
研究指導体制としては、各学生の研究指導に責任を持つ主任指導教員の他、2名の教員
83-
岩手大学農学研究科 分析項目Ⅰ.Ⅱ
が修士論文の作成指導を行っている。主要科目は、本務教員が授業を行っている。なお、
平 成 19 年 度 は 学 内 非 常 勤 講 師 2 名 、学 外 非 常 勤 講 師 5 名 を 採 用 し 、関 連 分 野 の 最 新 の ト ピ
ック等の講義を行うことにより授業科目の充実を図った。また、本研究科の連携大学院で
ある岩手生物工学研究センターの客員教授2名が植物バイオテクノロジーと遺伝子組換え
技術におけるバイオセーフティーに関する授業を担当しており、最先端の遺伝子解析法や
遺伝子組換え技術の社会的影響等についても深く学習することができる。
観点
教育内容、教育方法の改善に向けて取り組む体制
(観 点 に 係 る 状 況 )
FD 活 動 は 、農 学 部 と 協 力 し て 実 施 し 、組 織 的 な 教 育 方 法 の 継 続 的 改 善 を 図 っ て い る 。研
究 科 独 自 の FD は 、 平 成 19 年 度 か ら 研 究 科 学 務 委 員 会 が 企 画 し 、 連 合 農 学 研 究 科 と 連 携 し
て実施している。
学 生 に よ る 授 業 評 価 は 、 平 成 19 年 度 か ら 全 授 業 を 対 象 に 実 施 し て お り 、 授 業 改 善 に 役
立てるために集計結果を担当教員に通知している。
農 学 研 究 科 で は 平 成 16 年 度 以 前 よ り 講 義 科 目 の シ ラ バ ス を 作 成 し て い た が 、 平 成 19 年
度 よ り 全 学 統 一 Web シ ラ バ ス ( ア イ ア シ ス タ ン ト ) を 用 い た 全 学 共 通 シ ラ バ ス フ ォ ー マ ッ
トが適用され、記載項目を大幅に増やし、授業内容や教育目標をさらに明確に示している
【 別 添 資 料 1 : ア イ ア シ ス タ ン ト ガ イ ド ブ ッ ク 】。
農学研究科における教育内容、教育方法の改善に向けて取り組む体制は、農学部戦略企
画 ・ 評 価 室 が 企 画 し 、 研 究 科 教 授 会 の 議 を 経 て 実 施 さ れ る 。 こ の よ う な 体 制 で 、 平 成 19
年度に研究教育重点授業科目、高度専門教育重点授業科目、研究基礎科目などの授業カリ
キュラムの改善、学生アンケート調査などを実施した。
(2 )分 析 項 目 の 水 準 及 び そ の 判 断 理 由
(水 準 ) 期 待 さ れ る 水 準 に あ る 。
(判 断 理 由 )
農学研究科では、生命科学分野と環境科学分野において最先端の科学・技術の発展に寄
与できる研究者と地域社会や国際社会に貢献できる高度専門職業人を養成するために、農
業生命科学と農林環境科学の2専攻を設け、在学生や地域社会から期待される人材養成目
標に応じたそれぞれの授業科目を通じて専門教育を行っている。教育目的を達成するため
に適切な教員組織、指導体制が整備されている。入学者数は過去5年間の平均で定員の約
1 .05 倍 と な っ て お り 適 正 な 状 況 に な っ て い る 。平 成 19 年 度 前 期 授 業 ア ン ケ ー ト 結 果 に お
いても、
「 講 義 に 興 味 が 持 て た 」と す る 回 答 が 約 90% で あ り 、
「 授 業 内 容 が 理 解 で き た 」と
す る 回 答 が 約 80% で あ っ た( 図 1 平 成 19 年 度 前 期 学 生 ア ン ケ ー ト の 結 果 資 料 2:平 成
19 年 度 前 期 「 大 学 院 の 授 業 に 関 す る 修 士 学 生 諸 君 の 意 識 調 査 」)。 ま た 、 平 成 17、 18 年 度
の 修 了 生 ア ン ケ ー ト の 結 果 、約 80% が「 本 研 究 科 で 学 ん だ こ と が 現 在 の 仕 事 に 役 立 っ て い
る 」と 回 答 し て い る【 別 添 資 料 2:
「 農 学 研 究 科 の 教 育 改 善 の た め の 修 了 生 ア ン ケ ー ト( 平
成 19 年 度 実 施 )」集 計 表 】。以 上 の こ と か ら 、本 研 究 科 の 教 育 実 施 体 制 は 在 学 生 や 地 域 社 会
の期待に応えられる水準にあると判断できる。
分析項目Ⅱ 教育内容
(1 )観 点 ご と の 分 析
観点 教育課程の編成
(観 点 に 係 る 状 況 )
農学研究科の教育目的に沿うように、両専攻に共通の外国語教育を含む研究基礎科目と
研究科共通科目、それぞれの専攻ごとに専門授業科目を設けている。
学 生 の 進 路 に 対 応 し た 、き め 細 や か な 教 育 を 実 現 す る た め に 、平 成 19 年 度 か ら 両 専 攻 に
研究教育重点科目と高度専門教育重点科目を設置しており、将来の進路に合わせたカリキ
ュ ラ ム 選 択 が で き る 。 ま た 、 両 専 攻 に 共 通 の 必 修 科 目 と し て 、「 研 究 企 画 デ ザ イ ン 演 習 」、
84-
岩手大学農学研究科 分析項目Ⅱ
「 科 学 技 術 英 語 特 論 」、「 研 究 推 進 演 習 」 を 定 め て お り 、 選 択 授 業 科 目 と し て 、 両 専 攻 共 通
の 「 ベ ン チ ャ ー 企 業 論 」 の 他 、 両 専 攻 で 特 徴 あ る 授 業 科 目 を 設 定 し て い る ( 表 2 )。「 研 究
企画デザイン演習」は、研究科の教育目標の一つである課題発見・解決能力を高めること
を目的として、自分の研究に関わる企画書等の作成に取り組ませている。本演習により、
科学技術の発展や地域の要請に対応できる研究者及び高度技術者になるための基本的な能
力 を 養 成 し て い る 。さ ら に 、
「 研 究 推 進 演 習 」は 、学 会 発 表 や 複 数 の 指 導 教 員 が 参 加 す る 発
表会、報告会を通じて研究計画や成果についてのプレゼンテーション能力を養成すること
を目的としている。
表2
研究基礎科目
農学研究科授業科目
(必修、研究教育重点・高度専門教育重点共通)
研究企画デザイン演習
科学技術英語特論
研究推進演習
研究科共通科目
(選択、研究教育重点・高度専門教育重点共通)
ベンチャー企業論
専
門
科
目
(必修)
目
(選択)
特別研究
専
門
科
研究教育重点科目
観点
高度専門教育重点科目
農業生命科学専攻
34科目
16科目
農林環境科学専攻
26科目
18科目
学生や社会からの要請への対応
(観 点 に 係 る 状 況 )
他 専 攻 、他 研 究 科 の 授 業 履 修 に つ い て 、上 限 10 単 位 ま で 、そ の う ち 学 部 の 授 業 を 6 単 位
まで修了要件の選択科目として履修可能である。
また、他の大学院の学生で、本研究科の授業科目を履修したい希望があるときは、特別
聴講生として受け入れる制度を設けており、本研究科において研究指導を受けようとする
場合は、特別研究学生として受け入れる制度がある。教育上必要な場合は、本研究科の学
生を他の大学院において必要な研究指導を受けさせることも可能である。
社 会 人 や 外 国 人 留 学 生 に も 配 慮 し 、 平 成 18 年 度 に 10 月 入 学 の 制 度 を 作 り 、 年 に 2 回 入
学 の 機 会 を 設 け て い る 。 平 成 19 年 10 月 に は 6 名 の 学 生 が 入 学 し た 。 ま た 、 社 会 人 特 別 選
抜制度を設置している。社会人学生の授業等の実施にあたっては、夜間等の特別な時間帯
または長期休業等の特別な時期に履修できるよう配慮している。
社 会 か ら の 要 請 へ の 対 応 と し て は 、近 年 特 に 社 会 的 関 心 を 集 め て い る「 食 の 安 心・安 全 」
についての講義や、岩手生物工学研究センターの客員教授による遺伝子組換え技術におけ
るバイオセーフティーに関する授業を行い、科学技術の社会的影響と研究技術者の倫理と
社会的責任に関して考えを深めさせている。また、教育目標である地域の農林業の振興発
展 に 先 見 性 を 発 揮 し 貢 献 で き る 人 材 の 育 成 を 図 る た め 、両 専 攻 に 共 通 の 授 業 科 目 と し て「 ベ
ンチャー企業論」を設置している。
(2 )分 析 項 目 の 水 準 及 び そ の 判 断 理 由
(水 準 ) 期 待 さ れ る 水 準 に あ る 。
(判 断 理 由 )
学生の進路に対応した、きめ細かな教育を実現するために、研究教育重点授業科目と高
85-
岩手大学農学研究科 分析項目Ⅱ.Ⅲ
度専門教育重点科目を提供し、自らの進路希望に応じて学生に選択させている。また、地
域社会のニーズに応えて、バイオセーフティー論、ベンチャー企業論等の講義を設置して
いる。上限を設けて他研究科、学部の授業も履修できるようにしている。社会人や外国人
留 学 生 の た め に 10 月 入 学 や 特 別 な 時 間 帯 、時 期 に 履 修 で き る よ う 配 慮 し て い る 。こ れ ら の
ことから、本研究科の教育内容は学生をはじめとする関係者の期待に応えられる水準にあ
ると判断される。
分析項目Ⅲ 教育方法
(1 )観 点 ご と の 分 析
観点 授業形態の組合せと学習指導法の工夫
(観 点 に 係 る 状 況 )
授 業 形 態 の 割 合 は 、 講 義 の み が 27% 、 演 習 が 10% 、 ゼ ミ ナ ー ル 形 式 が 24% 、 講 義 と 演
習 あ る い は ゼ ミ ナ ー ル を 組 み 合 わ せ た 複 合 型 の 授 業 が 39% で あ り 、教 育 目 的 に 合 わ せ て 多
様な形態で開講されている。
学習指導法の工夫については、少人数授業、対話、討論型授業、フィールド型授業、多
様 な メ デ ィ ア を 高 度 に 利 用 し た 授 業 、情 報 機 器 の 活 用 や 現 場 体 験 等 を 採 用 し て い る 。ま た 、
地方自治体や民間団体と連携をとりながら、自治体へのヒアリング調査や地域づくりワー
クショップの企画・運営に参加させるなど、多様な学習機会を提供している。
学 生 は TA と し て 採 用 さ れ 、 学 士 課 程 の 実 験 ・ 実 習 に 参 画 す る こ と で 、 研 究 能 力 、 コ ミ
ュニケーション能力を養うとともに、教育的機能の訓練の場となっている
シラバスはすべての授業科目でアイアシスタントを用いて作成し、入学時に学生に冊子
を配布するとともに、大学ホームページで公開し、インターネットで閲覧できる。シラバ
スには、授業の目的、到達目標、授業概要、教室外学習、成績評価の方法等を詳しく記述
し て い る 。ま た 、学 生 が 適 切 な 授 業 科 目 を 選 択 す る よ う に 主 任 指 導 教 員 が 履 修 指 導 を 行 い 、
最大限の教育効果を挙げられるような工夫している。
各専攻の授業は演習、講義など幅広い形式で行われており、予習・復習が必須な授業編
成となっている。また、大学院修了後の希望する進路に応じた履修プログラムを、主任指
導教員と相談して学生に選択させている。さらに研究の進捗状況を確認するため、中間研
究発表会や研究室・研究グループごとのゼミナールを通じて指導を行っている。
両専攻共通の必修科目として「科学技術英語特論」を設け、英語による論文作成や研究
発表の演習を行っている。学習成果を高めるために能力別クラス編成による少人数授業と
し、主に外国人教員が担当している。
最終試験である修士論文発表会を一般公開することにより、学外関係者から教育成果の
評価を聴取する機会を作っている。
観点
主体的な学習を促す取組
(観 点 に 係 る 状 況 )
学生の主体的な学習を促進するため、入学式後のオリエンテーションに加え、専攻ごと
に履修指導のガイダンスを行っている。履修の手引きやシラバス、安全マニュアル(ケガ
の 応 急 処 置 や 火 災・地 震 対 策 、実 験 実 習 の 安 全 対 策 等 を ま と め た 冊 子 )
【 別 添 資 料 3:安 全
マニュアル】を配布し、必要な教室外学習についても具体的に指示している。修士論文で
あ る 特 別 研 究 10 単 位 を 除 く 2 年 間 の 履 修 単 位 数 は 20 単 位 以 上 で あ り 、 教 室 外 の 学 習 時 間
を十分確保できる。授業は、講義形式、ゼミナール・演習形式、これらの複合型が適切な
割合で構成されており、いずれも学生の主体的な学習を必要とする授業が大半を占めてい
る 。ま た 、平 成 19 年 度 か ら 成 績 評 価 に「 秀 」を 加 え た 5 段 階 評 価 と な り 、よ り 厳 密 な 成 績
評価を行っている。高度な専門・技術の修得、倫理性、独創性及び課題探求・解決能力を
中心とした多様な成績評価規準がシラバスに明記され、アイアシスタント上で公開してい
る。さらに、学生の課題発見、研究立案及び発表の能力を評価する「研究企画デザイン演
習」及び学会発表や複数の指導教員が参加する発表会、報告会を通じて研究計画や成果に
86-
岩手大学農学研究科 分析項目Ⅲ.Ⅳ
ついてのプレゼンテーション能力を評価する「研究推進演習」を実施している。
(2 )分 析 項 目 の 水 準 及 び そ の 判 断 理 由
(水 準 ) 期 待 さ れ る 水 準 を 上 回 る 。
(判 断 理 由 )
授業は、講義、演習、ゼミナール形式およびこれらを組み合わせた複合型で構成されて
お り 、教 育 目 的 に 合 わ せ て 多 様 な 形 態 で 実 施 し て い る 。授 業 の 目 的 、到 達 目 標 、授 業 概 要 、
教室外学習、成績評価の方法等を詳しく記述した全授業科目のシラバスを作成し、冊子を
入学時に学生に配布するとともに、大学ホームページで公開している。予習、復習が必要
な科目が大半を占めており、学生の主体的な学習が確保されている。在学生を対象とした
授 業 ア ン ケ ー ト の 集 計 結 果 に お い て も 、「 講 義 に 興 味 が 持 て た 」 と す る 回 答 が 約 90% で あ
り 、「 授 業 内 容 が 理 解 で き た 」 と す る 回 答 が 約 80% と な っ て お り 、 主 体 的 な 学 習 を 促 す こ
と に よ り 、 高 い 学 習 効 果 が 挙 が っ て い る と 判 断 で き る ( 図 1 )。 ま た 、「 受 講 し な け れ ば な
ら な い 授 業 科 目 が 多 す ぎ て 修 論 研 究 の 遂 行 に 支 障 が あ っ た 」 と い う 回 答 は 全 体 の 5% で あ
り、適切な学習時間が確保できており、在学生の期待を上回る成果を挙げていると考えら
れる。
分析項目Ⅳ 学業の成果
(1 )観 点 ご と の 分 析
観点 学生が身に付けた学力や資質・能力
(観 点 に 係 る 状 況 )
平 成 16 年 度 か ら 19 年 度 ま で の 修 了 者 に お け る 修 了 要 件 単 位 数 に 対 す る 単 位 取 得 率 は 平
均 115% で あ り 、 優 の 比 率 は 89% で あ る 。 ま た 、 途 中 退 学 者 を 除 い て 179 名 中 177 名 が 標
準修行年限で修了し、学位(修士)を取得している。法人化前4年間における学生の学会
発 表 の 合 計 回 数 は 年 平 均 42 回 で あ る の に 対 し 、 法 人 化 後 4 年 間 の 平 均 回 数 は 68 回 に 増 加
年
度
学会発表
回
数
12 年 度
13 年 度
14 年 度
15 年 度
16 年 度
17 年 度
18 年 度
19 年 度
39 回
39 回
39 回
49 回
57 回
57 回
70 回
91 回
し て お り 、学 生 の 研 究 能 力 と プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン 能 力 が 向 上 し て い る こ と が 示 さ れ て い る 。
(表3)
表3 農学研究科学生の学会発表回数
( 平 成 12∼ 18 年 度 農 学 部 年 報 よ り 集 計 、 19 年 度 は 聞 取 り 調 査 )
観点
学業の成果に関する学生の評価
(観 点 に 係 る 状 況 )
全授業科目において受講者の満足度、学習成果等を問うアンケートの結果、肯定的な評
価 が 大 き く 上 回 っ て い た【 別 添 資 料 2:
「農学研究科の教育改善のための修了生アンケート
( 平 成 19 年 度 実 施 )」 集 計 表 】。
図1
平 成 19 年 度 前 期 学 生 ア ン ケ ー ト の 結 果
( 資 料 2 平 成 19 年 度 前 期 「 大 学 院 の 授 業 に 関 す る 修 士 学 生 諸 君 の 意 識 調 査 」)
87-
岩手大学農学研究科 分析項目Ⅳ
C-1 この授業に興味が持てたか 回答数
とても興味が持てた
1%
2%
9%
0%
44%
まあまあ興味が持て
た
どちらともいえない
あまり持てなかった
44%
全く持てなかった
無回答
C-2 この授業を理解できたか 回答数
よく理解できた
0%
3%
0%
まあまあ理解できた
20%
18%
どちらともいえない
あまり理解できなかっ
た
全く理解できなかった
59%
無回答
C-3 この授業は、現在取り組んでいる研究を進めるために
役立ったか 回答数
非常に役に立った
2%
13%
0%
やや役に立った
23%
どちらともいえない
25%
37%
あまり役に立たなかっ
た
全く役に立たなかった
無回答
88-
岩手大学農学研究科 分析項目Ⅳ.Ⅴ
(2 )分 析 項 目 の 水 準 及 び そ の 判 断 理 由
(水 準 ) 期 待 さ れ る 水 準 を 上 回 る 。
(判 断 理 由 )
平 成 16 年 度 か ら 19 年 度 ま で の 修 了 生 の ほ と ん ど ( 99% ) が 標 準 修 業 年 限 で 修 了 し て お
り 、期 限 内 に 十 分 な 学 業 成 果 が 得 ら れ る よ う に 適 切 な 教 育 が 行 わ れ て い る 。学 業 の 成 果 は 、
学会発表の数にも反映されており、法人化後の学会発表数は、法人化前4年間と比較して
約 1.6 倍 に 増 加 し て い る 。 ま た 、 授 業 に 対 す る 学 生 ア ン ケ ー ト の 結 果 も 、 非 常 に 満 足 度 が
高く、学生が意欲的に専門知識を習得できるように講義内容が吟味されている。これらの
ことから、本研究科の目的を達成するため学生が期待する水準を上回る学業の成果が得ら
れていると判断される。
分析項目Ⅴ 進路・就職の状況
(1 )観 点 ご と の 分 析
観 点 卒 業 (修 了 )後 の 進 路 の 状 況
(観 点 に 係 る 状 況 )
本研究科では、生命、食料、環境に関する分野で世界レベルで活躍できる人材と地域の
農 林 業 の 振 興 発 展 に 先 見 性 を 発 揮 し 貢 献 で き る 人 材 の 育 成 を 目 指 し て い る 。平 成 16 年 度 か
ら 19 年 度 ま で の 修 了 者 の 主 な 進 路 は 、 博 士 課 程 進 学 者 13% 、 食 品 産 業 ・ 化 学 系 を 主 と す
る 製 造 業 26% 、 教 育 ・ サ ー ビ ス 業 22% 、 官 公 庁 13% と な っ て お り 、 研 究 科 の 設 置 目 的 で
あ る 農 学 分 野 に お け る 研 究 者 と 高 度 専 門 職 業 人 の 育 成 が 行 わ れ て い る ( 表 4 )。
表4
平 成 16 年 度 以 降 に お け る 修 了 生 の 就 職 状 況
16 年 度
17 年 度
18 年 度
19 年 度
53
72
54
80
12
11
7
3
食品・飲料・タバ
コ
6
7
10
9
化学・薬品・石油
2
11
4
6
その他製造業
修了者数
大学院進
学
就職者
製造業
2
5
0
5
農林漁業
1
1
1
2
情報通信・運輸・電気・ガス
3
1
2
5
卸売・小売業
1
5
8
5
教育
3
7
2
7
サービス
5
7
4
21
官公庁
9
8
13
4
その他
3
10
1
3
35
62
45
67
就職者合計
観点
関係者からの評価
(観 点 に 係 る 状 況 )
就職先からの情報としては、就職委員会委員や就職支援課職員が企業訪問し、企業の求
める人材、岩手大学への要望や岩手大学卒業生の勤務状況等についてのアンケート調査に
よ り 聴 取 し て い る 。定 期 的 に 開 催 す る 就 職 ガ イ ダ ン ス に お い て も 、企 業 か ら 本 学 へ の 意 見・
要望・感想等について聴取している。企業の採用担当者を対象としたアンケートでは、農
89-
岩手大学農学研究科 分析項目Ⅴ
学 部 及 び 農 学 研 究 科 の 卒 業 生・修 了 生 は 、
「 責 任 感 が あ る 」、
「 粘 り 強 さ が あ る 」、
「意欲があ
る 」、
「 仕 事 に 必 要 な こ と を 自 ら 主 体 的 に 学 ぶ こ と が で き る 」、
「 社 会 性 が あ る 」と い う 順
の回答であり、高い評価を得た。
また、就職ガイダンス、学内合同企業セミナー及び企業訪問、修了生アンケートにおい
て、在学生にどのような学力や資質・能力を身に付けておくべきか等に関して、修了生の
協力を要請しており、様々な意見を教育改善にフィードバックすると共に、在校生の職業
意識を高め就職活動に役立たせている。
(2 )分 析 項 目 の 水 準 及 び そ の 判 断 理 由
(水 準 ) 期 待 さ れ る 水 準 に あ る 。
(判 断 理 由 )
平 成 16 年 度 か ら 19 年 度 ま で の 修 了 者 の 主 な 進 路 は 、進 学 者 13% 、食 品 産 業・化 学 系 を
主 と す る 製 造 業 26% 、 教 育 ・ サ ー ビ ス 業 22% 、 官 公 庁 13% と な っ て お り 、 本 研 究 科 の 目
的である生命、食料、環境に関する分野の研究者の育成及び地域の農林業の振興発展に貢
献できる高度専門職業人の育成が行われていると判断でき、学生や保護者及び地域の期待
に応えている。
修 了 生 の 就 職 先 の 採 用 担 当 者 の ほ と ん ど が 本 研 究 科 の 卒 業 生 に つ い て 「 責 任 感 が あ る 」、
「粘り強さがある」といった高い評価を得ており、職業人として期待される資質を備えて
いると判断でき、自治体、農学関係の企業、及び地域社会の期待に応えている。
810-
岩手大学農学研究科
Ⅲ
質の向上度の判断
① 事 例 1 「 教 育 組 織 の 編 成 」 (分 析 項 目 Ⅰ )
(質 の 向 上 が あ っ た と 判 断 す る 取 組 )
平 成 16 年 度 に 農 業 生 命 科 学 と 農 林 環 境 科 学 の 2 専 攻 に 改 組 し 、 本 研 究 科 の 教 育 研 究 の
二本柱である生命科学分野と環境科学分野の専門教育を行っている。両専攻において、そ
れぞれに必要な専門知識の習得を行うとともに、課題発見・解決能力や国際理解力等の育
成に重点をおいた教育カリキュラムを設定しており、最先端の科学・技術の発展に寄与で
きる研究者と、地域社会や国際社会に貢献できる高度専門職業人を養成するために適切な
教育研究体制となっている。
② 事 例 2 「 FD 活 動 の 実 施 と 授 業 改 善 」 (分 析 項 目 Ⅰ )
(質 の 向 上 が あ っ た と 判 断 す る 取 組 )
全 学 レ ベ ル で の FD と 研 究 科 独 自 の FD に 多 数 の 教 員 が 参 加 し 、 教 育 に 対 す る 意 識 の 向 上
と 授 業 の 改 善 に 結 び つ い て い る 。 平 成 19 年 度 授 業 ア ン ケ ー ト の 結 果 に お い て も 、「 講 義 に
興 味 が 持 て た 」 と す る 回 答 が 約 90% 、「 授 業 内 容 が 理 解 で き た 」 と す る 回 答 が 約 80% で あ
り、授業に対する学生の評価が非常に高く、授業改善の取り組みの成果が上がっている。
③ 事 例 3 「 教 育 目 的 に 沿 っ た 教 育 課 程 の 編 成 」 (分 析 項 目 Ⅱ )
(質 の 向 上 が あ っ た と 判 断 す る 取 組 )
両専攻に共通の外国語教育を含む研究基礎科目と研究科共通科目、専攻ごとに専門授業
科目を設けており、適切なカリキュラム編成を行っている。また研究教育重点科目と高度
専門教育重点科目を設けており、多様で専門的な授業科目で構成されていることから、全
体として教育課程の編成の趣旨に沿った授業内容になっている。
生命、食料、環境に関する分野において、世界レベルで活躍できる人材と地域の農林業
の振興発展に先見性を発揮し貢献できる人材の育成を目指し、研究企画デザイン演習、遺
伝子組換え技術におけるバイオセーフティーに関する授業、ベンチャー企業論などの独自
の教育プログラムを設置している。
④ 事 例 4 「 学 生 の ニ ー ズ に 対 応 し た 教 育 体 制 」 (分 析 項 目 Ⅱ )、「 多 様 な 授 業 形 態 」 (分 析 項
目Ⅲ)
(質 の 向 上 が あ っ た と 判 断 す る 取 組 )
学生の多様なニーズに応えるために、他専攻・他研究科の授業を履修可能にしており、
他大学とも単位互換制度を設けている。教育目的に合わせ、少人数授業、対話・討論型授
業、フィールド型授業、多様なメディアを高度に利用した授業、情報機器の活用、現場体
験等、工夫した授業体系を導入し、学習効果を高めており、学生の主体的な学習を促して
い る 。こ の 取 り 組 み に よ り 、授 業 ア ン ケ ー ト で「 講 義 に 興 味 が 持 て た 」と す る 回 答 が 約 90%
に 昇 っ た 。 ま た 、 10 月 入 学 の 制 度 を 設 け 、 平 成 19 年 度 に は 6 名 の 合 格 者 が あ り 、 社 会 人
や留学生の受け入れが進んでいる。
⑤ 事 例 5 「 シ ラ バ ス の 作 成 と 活 用 」 (分 析 項 目 Ⅱ )
(質 の 向 上 が あ っ た と 判 断 す る 取 組 )
全授業科目のシラバスを作成し、冊子を入学時に学生に配布するとともに、アイアシス
タ ン ト に よ り 大 学 の ホ ー ム ペ ー ジ で 公 開 し て い る 。シ ラ バ ス に は 、授 業 の 目 的 、到 達 目 標 、
授業概要、教室外学習、成績評価の方法等を詳しく記述してあり、適切な授業科目を選択
さ せ 、最 大 限 の 教 育 効 果 を 挙 げ ら れ る よ う な 工 夫 が な さ れ て い る 。シ ラ バ ス の 改 善 に よ り 、
授 業 内 容 や 教 育 目 標 等 を 明 確 に 示 す こ と が で き る よ う に な り 、約 80% の 受 講 者 が 授 業 を 理
解できているというアンケート結果が得られた。
811-
岩手大学農学研究科
⑥ 事 例 6 「 学 業 の 成 果 」 (分 析 項 目 Ⅳ )
(質 の 向 上 が あ っ た と 判 断 す る 取 組 )
学 生 の 学 会 発 表 の 回 数 は 、 法 人 化 前 4 年 間 に 年 平 均 42 回 で あ っ た の に 対 し 、 法 人 化 後
は 68 回 に 増 加 し て お り 、 学 業 成 果 が 充 分 に 得 ら れ て い る 。
812-
岩手大学農学研究科
添
付
資
(8.農学研究科)
平成20年6月
岩手大学
料
岩手大学連合農学研究科
9.連合農学研究科
Ⅰ
連合農学研究科の教育目的と特徴
Ⅱ
分析項目ごとの水準の判断
Ⅲ
・・・・・・9−2
・・・・・・・・・9−3
分析項目Ⅰ
教育の実施体制
分析項目Ⅱ
教育内容
・・・・・・・・・・・9−5
分析項目Ⅲ
教育方法
・・・・・・・・・・・9−6
分析項目Ⅳ
学業の成果
分析項目Ⅴ
進路・就職の状況
質の向上度の判断
・・・・・・・・9−3
・・・・・・・・・・9−7
・・・・・・・9−8
・・・・・・・・・・・・・9−9
91-
岩手大学連合農学研究科
Ⅰ
連合農学研究科の教育目的と特徴
1
研究科の教育目的:本学研究科は、岩手大学、弘前大学及び山形大学の3大学院農学
系 研 究 科 並 び に 帯 広 畜 産 大 学 の 大 学 院 畜 産 学 研 究 科 (い ず れ も 修 士 課 程 )で 構 成 さ れ る
博士後期課程の独立研究科である。教育目的は、我が国の北部に位置する各構成大学の
特 色 を 活 か し た 教 育 と 研 究 体 制 を 整 え る こ と に よ っ て 、先 端 的・学 際 的 諸 研 究 を 推 進 し 、
創造的で専門的な課題探求・解決能力に優れた研究者・高度専門技術者を養成すること
で あ る ( 岩 手 大 学 中 期 計 画 Ⅱ -1-(1))。
2
教育組織の特徴:本研究科は連携大学院、他研究科、他連合農学研究科との教育協力
による密接な教育連携を図っている。4構成大学の資格教員に加え、岩手連大の構成員
である岩手大学大学院工学研究科(以下、工学研究科)の教員、連携大学院協定を結ん
で い る (独 )農 業 ・ 食 品 産 業 技 術 総 合 研 究 機 構
東北農業研究センター(以下、東北農業
研 究 セ ン タ ー ) 及 び (財 )岩 手 生 物 工 学 研 究 セ ン タ ー ( 以 下 、 生 物 工 学 研 究 セ ン タ ー ) の
客員教授によって、層の厚い教育体制を整えている。
3
入学者の状況:寒冷圏農学分野の高度な専門教育を望む進学生、留学生に加え、リカ
レ ン ト 教 育 を 目 指 す 社 会 人 の 入 学 希 望 者 が 多 い 。 平 成 20 年 4 月 現 在 の 在 学 生 の 内 訳 は
日 本 人 進 学 生 と 社 会 人 が そ れ ぞ れ 44% 、 32% で 、 留 学 生 の 割 合 が 24% と な っ て い る 。
4
教 育 内 容 の 特 徴:博 士 課 程 教 育 の 実 質 化 を 目 指 し て 平 成 19 年 4 月 か ら 教 育 シ ス テ ム を
従来のゼミナール制から単位制へ移行させた。カナダ・サスカチュワン大学との学術・
学生交流協定を結び、国際通用性の高い教育を目指すと共に、科学英語、研究インター
ン シ ッ プ 、 農 学 特 別 講 義 Ⅰ (英 語 )な ど 、 ユ ニ ー ク な カ リ キ ュ ラ ム に よ り 高 い 教 育 水 準 の
農 学 教 育 を 行 っ て い る こ と が 、「 大 学 院 教 育 改 革 支 援 プ ロ グ ラ ム 」 へ の 採 択 に 結 び つ い
た。
5
教育方法の特徴:学生は岩手大学に籍を置き、主指導教員の在籍する構成大学に配属
され指導を受けるが、他の構成大学の施設・設備も利用できる。3人の教員が指導に当
たるが、そのうちの1名は他の構成大学の教員が当たる教育方法をとっている。
6
リ サ ー チ ア シ ス タ ン ト ( RA): 博 士 課 程 学 生 を RA や テ ィ ー チ ン グ ア シ ス タ ン ト ( TA)
に採用し、教員の研究と教育の一部を担わせ、教育効果をねらった学生への経済的支援
を 運 営 費 交 付 金 で 行 っ て い る 。 平 成 16 年 度 に 、 連 合 農 学 研 究 科 構 成 教 員 を プ ロ ジ ェ ク
ト リ ー ダ ー と す る 「熱 ― 生 命 シ ス テ ム 相 関 学 拠 点 創 成 」が 21 世 紀 COE プ ロ グ ラ ム に 採 択
さ れ た こ と か ら 、 研 究 科 長 裁 量 経 費 の 一 部 を COE の RA 採 用 に 割 き 、 若 手 研 究 者 養 成 を
促進している。
7
修 了 生 の 進 路 : 平 成 16-18 年 度 の 修 了 生 は 99 名 で 、 そ の 20% が 大 学 教 員 、 30% が 研
究 所 ・ 団 体 等 の 研 究 員 、 16% が 民 間 企 業 の 研 究 員 で 、 教 員 と 研 究 員 等 を 合 わ せ て 全 体 の
2/3 を 占 め て い る 。 進 路 未 定 者 は わ ず か 7 % と 少 な い 。
[想 定 す る 関 係 者 と そ の 期 待 ]
想定する関係者は、在学生、修了生、修了生の雇用者、構成大学の指導教員、及び農学
関係者であり、農学分野の創造的で専門的な課題探究・解決能力に優れた人材養成のため
の教育組織として適切であることが期待されている。
92-
岩手大学連合農学研究科 分析項目Ⅰ
Ⅱ
分析項目ごとの水準の判断
分析項目Ⅰ 教育の実施体制
(1 )観 点 ご と の 分 析
観点 基本的組織の編成
(観 点 に 係 る 状 況 )
1 研究科の構成:構成4大学に所属する教員が大学の枠を越えて学生教育を行う観点か
ら 、産 業 分 野 共 通 の 学 問 領 域 と し て 下 図 に 示 す 4 専 攻 、10 連 合 講 座 を 編 成 し て い る 。こ
の 内 、 寒 冷 圏 生 命 シ ス テ ム 学 専 攻 は 、 寒 冷 圏 に 棲 息 (生 育 )す る 生 物 の 温 度 環 境 に 対 す る
生命システムの応答機能を総合的に教育・研究するもので、岩手連大を特徴づける専攻
と し て 平 成 18 年 4 月 に 発 足 し た 。
博士
課程
構成
大学
修士
課程
学部
岩手大学大学院連合農学研究科
弘前大学
岩手大学
山形大学
帯広
畜産大学
大学院
大学院
大学院
大学院畜
農学生命科
農学研究
農学研究
産学専攻
学研究科
科
科
科
(4専攻)
(2専攻)
(3専攻)
(4専攻)
農学生命
農学部
農学部
畜産学部
科学部
(5課程)
(3学科)
(2課程)
(5学科)
2
教育体制:連携大学院、他研究科、他連合農学研究科との教育協力による密接な教育
連携をはかっている。4構成大学の資格教員に、本研究科の構成員である工学研究科の
教員7名、連携大学院協定を結んでいる東北農業研究センター及び岩手生物工学研究セ
ン タ ー の 客 員 教 授 7 名 を 加 え 、 153 名 の 学 生 在 籍 者 数 を 遙 か に 上 回 る 236 名 の 資 格 教 員
数 に よ る 幅 広 く 、層 の 厚 い 、充 実 し た 教 育 体 制 を 整 え て い る【 別 添 資 料 1:教 員 名 簿 】。
3 資 格 教 員 の 審 査:直 接 学 生 の 指 導 に 当 た る 主 指 導 教 員 の 資 格 基 準 を 平 成 18 年 4 月 か ら
より厳格化し、ファーストオーサーの論文数を重視した審査をすると共に、主指導教員
資 格 を 取 得 後 も 定 期 的 に 審 査 す る 再 審 査 制 度 を 平 成 18 年 4 月 に 導 入 し た 。
4 入 学 生:
「 広 い 視 野 と 確 か な 問 題 意 識 を 持 ち 、独 創 的 な 考 え 方 、実 行 力 と 忍 耐 力 を 持 つ 」
ことをアドミッション・ポリシーとして、指導教員を含む最低 3 構成大学の教員からな
る 面 接 試 験 を 行 っ て い る 。 入 学 者 数 は 平 成 16、 17 年 が 各 49、 47 名 ( 入 学 定 員 21 名 )、
平 成 18、19 年 は 各 59、44 名( 入 学 定 員 24 名 )で あ っ た【 別 添 資 料 2:入 学 者 の 推 移 】。
寒冷圏農学分野の高度な専門教育を望む進学生、留学生に加え、リカレント教育を目指
す 社 会 人 の 入 学 希 望 者 が 多 い 。 平 成 20 年 4 月 現 在 の 在 学 生 は 153 名 で あ り 、 そ の 内 訳
は 日 本 人 進 学 生 と 社 会 人 が そ れ ぞ れ 44% 、32% で 、留 学 生 の 割 合 が 24% と な っ て い る 。
入 学 定 員 に 比 較 し て 入 学 者 数 が 多 い が 、 入 学 定 員 増 を 図 り な が ら 対 応 し 、 平 成 21 年 度
は 8 名 増 の 32 名 と な る 予 定 で あ る 。
観点
教育内容、教育方法の改善に向けて取り組む体制
(観 点 に 係 る 状 況 )
1 自己点検評価:各構成大学の代議員を中心に自己点検評価委員会を構成し、2年に1
度の頻度で教育内容、教育方法の改善に向けた方策を検討し、実施している。また、定
93-
岩手大学連合農学研究科 分析項目Ⅰ
期的(5−6年に1度)に在学生、修了生、就職先にアンケート調査を行い、農学教育
先 進 国 を 調 査 し 新 し い 教 育 内 容 を 検 討 す る な ど 、 絶 え ず PDCA サ イ ク ル に 基 づ く 改 善 を
行っている。
2
外部評価:農学系国立大学学長、農林水産省研究機関、地方行政機関、修了生就職先
の 責 任 あ る 立 場 の 方 々 を 委 員 と す る 外 部 評 価 委 員 会 を 定 期 的 (約 8 年 に 1 度 ) に 開 催 し
て い る 。 最 近 で は 、 平 成 19 年 11 月 に 本 田 島 根 大 学 長 を 委 員 長 と す る 外 部 評 価 委 員 会 を
開催し、同年9月にはサスカチュワン大学のコールマン教授による国際的視点からの外
部評価を行ない、教育内容、教育方法の改善を図っている。
3 フ ァ カ ル テ ィ・デ ィ ベ ロ ッ プ メ ン ト (FD): 構 成 大 学 の 代 議 員 を 中 心 に FD 委 員 会 を 設 け 、
本研究科の新たな取り組みを構成員に周知させること、博士課程教育のあり方を検討す
る こ と を 目 的 に 、4 構 成 大 学 の 指 導 教 員 が 集 ま る 機 会( 年 2 回 )、及 び 構 成 大 学 ご と( 年
1 回 ) に 講 演 会 を 開 催 し 、 FD の 充 実 に 努 め て い る 。
フ ァ カ ル テ ィ ・ デ ベ ロ ッ プ メ ン ト ( FD)実 施 状 況
期
日
実
施
内
容
対
象
者
連 合 農 学 研 究 科 FD 講 演 会
H18.10.13
講
師:雑賀
優
岩手大学連合農学研究科長
講演内容:アメリカ,オレゴン州立大学とカナダ,サ
帯広畜産大学所属
連合農学研究科資格教員
スカチュワン大学における博士課程教育について
連 合 農 学 研 究 科 FD 講 演 会
講
H19.2.14
師:上村松生
岩手大学農学部教授
講演内容:アメリカ,オレゴン州立大学とカナダ,サ
連合農学研究科資格教員
スカチュワン大学における大学院学生教育方法につい
て
連合農学研究科教員会議(岩手大学)
H19.4.24
実施内容:単位制への移行及び研究インターンシップ
の実施について
連合農学研究科教員会議(弘前大学)
H19.4.26
実施内容:単位制への移行及び研究インターンシップ
の実施について
連合農学研究科教員会議(山形大学)
H19.4.27
実施内容:単位制への移行及び研究インターンシップ
の実施について
連合農学研究科教員会議(帯広畜産大学)
H19.5.11
実施内容:単位制への移行及び研究インターンシップ
の実施について
連合農学研究科・農学研究科共催
講
H19.9.12
師 : B. E. コ ー ル マ ン
岩手大学所属
連合農学研究科資格教員
弘前大学所属
連合農学研究科資格教員
山形大学所属
連合農学研究科資格教員
帯広畜産大学所属
連合農学研究科資格教員
FD 講 演 会
カナダ,サスカチュワ
ン大学農業生物資源学部教授
講演内容:カナダの大学における農学分野の学術・研
連合農学研究科,
農学研究科資格教員
究プログラムについて
連 合 農 学 研 究 科 FD 講 演 会
H20.2.15
講
師:上村松生
岩手大学農学部教授
講演内容:アイスランド,ノルウェーの博士課程教育
事情について
(2 )分 析 項 目 の 水 準 及 び そ の 判 断 理 由
(水 準 )
期待される水準を大きく上回る。
94-
連合農学研究科資格教員
岩手大学連合農学研究科 分析項目Ⅰ.Ⅱ
(判 断 理 由 )
本研究科を特徴づける寒冷圏生命システム学専攻を設置したことに加え、組織に地域の
研究機関を連携大学院として加えるなど、寒冷圏農学教育で幅広い教育を行う体制を整え
た 。ま た 、自 己 点 検 評 価 お よ び 外 部 評 価 を 定 期 的 に 行 な い 、指 摘 事 項 に 対 応 し た 教 育 内 容 ・
方 法 の 改 善 に 努 め 、FD に よ り 構 成 員 へ の 周 知 を 図 っ て お り 、関 係 者( 構 成 大 学 の 指 導 教 員 、
農業関係者)の期待を大きく上回ると判定した。
分析項目Ⅱ 教育内容
(1 )観 点 ご と の 分 析
観点 教育課程の編成
(観 点 に 係 る 状 況 )
1 単位制への移行:構成大学が離れた場所にあることから、研究指導を中心としたゼミ
ナール制(研究指導、合宿研修による一般ゼミナール、指導教員による特別ゼミナール
へ の 参 加 に よ っ て 修 了 要 件 が 満 た さ れ る ) を 採 っ て き た が 、 平 成 19 年 4 月 か ら 教 育 の
実質化を目指して、コースワークを重視した単位制に移行した。
2 カリキュラムの構成:研究科共通科目と研究科専門科目から成り、必修科目8単位、
選 択 4 単 位 の 合 計 12 単 位 以 上 で 修 了 要 件 を 満 た す 【 別 添 資 料 3 : 教 育 課 程 表 】。「 農 学
特 別 講 義 Ⅰ ( 英 語 )、 同 Ⅱ ( 日 本 語 )」 は 、 全 国 18 大 学 を 衛 星 通 信 で 結 び 、 優 れ た 教 員
資源を有効に活用して先端的・学際的研究における広い視野と高度の専門的知識を身に
つ け さ せ 、「 科 学 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 」、「 研 究 イ ン タ ー ン シ ッ プ 」、「 専 攻 別 特 論 」 に よ
り創造的で専門的な課題探求・解決 能 力 に 優れ た 研 究 者 ・ 高 度 専 門 技 術 者を 養 成 す る 。
3 大 学 院 教 育 改 革 支 援 プ ロ グ ラ ム:前 項 の 教 育 内 容 は 自 己 点 検 評 価 、外 部 評 価 、FD の 実
施課程で改善したものであり、これらに加えて海外での博士課程教育を参考にした教育
内 容 の 「 寒 冷 圏 農 学 を 拓 く 研 究 適 応 力 育 成 プ ロ グ ラ ム 」 が 平 成 19 年 度 の 「 大 学 院 教 育
改革支援プログラム」に採択された【別添資料4:大学院教育改革支援プログラム概念
図 】。
4 教育内容の特徴:人材養成目標を目指した学生教育を行うために、幅広い専門性を付
与する講義群、研究能力育成のための講義群、学位論文研究に指導に関わる講義群を整
備し、さらに国際通用性のある研究適応力の向上を目指し、外国人講師を配置して研究
者として必要な英語力を身につけさせる「科学英語」の講義を行なっている。
観点
学生や社会からの要請への対応
(観 点 に 係 る 状 況 )
1 ア ン ケ ー ト 調 査:平 成 19 年 8 月 に 、指 導 教 員 、在 学 生 、修 了 生 、修 了 生 就 職 先 に 対 し
て、アンケート調査を行った。その結果、在学生が今後もっとも伸ばしたいと考えてい
る能力は、科学英語力であり、他の研究者とのコミュニケーション能力、自分の研究分
野以外の幅広い知識、が続いた。また、修了生就職先が修了生の能力評価で高い評価を
与えているのが専門的知識であり、科学英語力(会話能力、文章理解力)に対して高い
と評価した回答数は必ずしも多くなかった。
2 農学教育先進国の調査:想定する関係者からの要請をより高い視点から満足させるた
め に 、 ア メ リ カ ・ オ レ ゴ ン 州 立 大 学 と カ ナ ダ ・ サ ス カ チ ュ ワ ン 大 学 を 平 成 18 年 度 に 訪
問 し 、 寒 冷 圏 農 学 教 育 先 進 事 例 調 査 を 行 っ た 。 平 成 19 年 9 月 に は サ ス カ チ ュ ワ ン 大 学
から大学院教育担当教員を招聘し、本研究科の教育内容に対する評価を依頼し、改善方
法を検討した。
3 要請への対応:前回のアンケート調査結果、農学教育先進国調査結果を反映させ、平
成 19 年 度 か ら 外 国 人 講 師 に よ る 「 科 学 英 語 」 を 新 た に 開 設 し た 。「 科 学 コ ミ ュ ニ ケ ー シ
ョン」は在学生や修了生就職先等の社会の要請に応えた、科学英語力と科学コミュニケ
ーション能力を向上させるのに有効な科目である。サスカチュワン大学コールマン教授
の 外 部 評 価 で は 、 教 育 内 容 を 含 め た 岩 手 連 大 の 博 士 課 程 の 修 了 要 件 に つ い て 、「 高 い 水
95-
岩手大学連合農学研究科 分析項目Ⅱ.Ⅲ
準の学位を授与する大学として適切なものである」との評価結果を得た。
(2 )分 析 項 目 の 水 準 及 び そ の 判 断 理 由
(水 準 ) 期 待 さ れ る 水 準 を 大 き く 上 回 る 。
(判 断 理 由 )
大学院教育の実質化を目指して、他の連合農学研究科に先駆けて単位制に移行させ、在
学生の要望を受け入れた外国人英語講師による「科学英語」等の科目を設けた。定期的に
関係者にアンケート調査を行ない、想定する関係者からの要請をより高い視点から満足さ
せる先進事例調査を行なうなど、学生や農業関係者の要請を的確に把握し、要請への対応
を 教 育 内 容 の 改 善 に 活 か し 、人 材 養 成 目 標 に 沿 っ た 高 い 水 準 の 教 育 内 容 と な っ て い る 点 を 、
関係者の期待を大きく上回ると判断した。
分析項目Ⅲ 教育方法
(1 )観 点 ご と の 分 析
観点 授業形態の組合せと学習指導法の工夫
(観 点 に 係 る 状 況 )
1 授業形態の組合せ:地理的に離れた4大学に配置された学生を対象に教育を行うとい
う、連合大学院のデメリットをメリットに変えるべく、種々の授業形態を組み合わせた
カ リ キ ュ ラ ム を 実 施 し て い る 。「 科 学 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 」 は 4 構 成 大 学 の 一 年 生 を 一
箇 所 に 集 め た 合 宿 形 式 で 、「 研 究 イ ン タ ー ン シ ッ プ 」 は 連 携 大 学 院 の 研 究 機 関 で 客 員 教
授 の 指 導 を 受 け な が ら 研 究 現 場 の 経 験 を 積 む 実 習 形 式 で 、「 科 学 英 語 」 と 「 専 攻 別 特 論 」
はテレビ会議システムを利用した講義形式で、
「 農 学 特 別 講 義 」は SCS( 衛 星 放 送 )で 行
い、それぞれの科目も講義と実習を組み合わせたものとなっている【別添資料3:教育
課 程 表 】。
2 学 習 指 導 法 の 工 夫 :「 農 学 特 別 講 義 Ⅰ ( 英 語 ) 及 び 同 Ⅱ ( 日 本 語 )」 は 、 全 国 6 大 学 に
設 置 さ れ た 連 合 農 学 研 究 科 の 15 構 成 大 学 を SCS で 結 び 、 豊 富 な 教 育 ス タ ッ フ に よ る エ
リ ー ト 講 義 を 受 講 さ せ て い る 。 ま た 、「 科 学 英 語 」 は 外 国 人 講 師 に よ る 講 義 で 、 そ の 内
容は英語によるプレゼンテーション、ディスカッション、論文作成の指導である。テレ
ビ会議システムを利用した講義により他大学配属の学生との競争の意識を高める指導
法を採用し、構成大学ごとの少人数教育を行うなど、講義方法を工夫している。
3 RA・ TA: 博 士 課 程 学 生 を RA や TA と し て 、 教 員 の 研 究 と 教 育 の 一 部 を 担 わ せ る こ と は
教 育 効 果 も 期 待 で き る こ と か ら 、 運 営 費 交 付 金 に よ っ て RA と TA を 採 用 し 、 学 生 へ の 経
済 的 支 援 を 行 っ て い る 。 平 成 16 年 度 に 、 連 合 農 学 研 究 科 構 成 教 員 が 中 心 の プ ロ グ ラ ム
が 21 世 紀 COE プ ロ グ ラ ム に 採 択 さ れ た こ と か ら 、 研 究 科 長 裁 量 経 費 の 一 部 を COE の RA
採用に割き、若手研究者養成の促進に寄与している。
4 国 際 研 究 イ ン タ ー ン シ ッ プ:博 士 課 程 の 教 育 協 力 を 行 な う た め に 平 成 20 年 3 月 に サ ス
カチュワン大学との学術・学生交流協定を結び、交流を開始した【別添資料5:学術交
流 協 定 書 】。 交 流 内 容 と し て 、 国 際 研 究 イ ン タ ー ン シ ッ プ と 共 同 講 義 の 開 講 を 平 成 20 年
度から実施する。
観点
主体的な学習を促す取組
(観 点 に 係 る 状 況 )
1 学 生 の 種 類 別 科 目 履 修 例( シ ラ バ ス )
:進 学 生 、留 学 生 、社 会 人 と い っ た 学 生 の 種 類 別
に 科 目 履 修 例 を 作 成 し 、シ ラ バ ス に 提 示 し た 。博 士 の 学 位 取 得 へ の 道 筋 を 示 す と と も に 、
それぞれの学生の将来に役立つ知識や能力の習得ができるよう配慮し、成績評価基準を
明示している。
2 学 位 取 得 へ の 道:
「 科 学 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 」の 講 義 で は 、大 学 や 研 究 機 関 に 勤 務 す る
修了生を講師として、博士課程在学中の心掛け、論文が学会誌に掲載可となるまでのプ
96-
岩手大学連合農学研究科 分析項目Ⅲ.Ⅳ
ロセス、などの経験談を在学生に講義し、意見交換を行う「学位取得への道」の時間を
設 け て い る 【 別 添 資 料 6 : 科 学 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 日 程 表 】。 ま た ア ン ケ ー ト 調 査 結 果
から、合宿形式で学位取得という厳しい状況に置かれた学生同士のコミュニケーション
を 図 ら せ る こ と が 、 モ チ ベ ー シ ョ ン を 高 め る の に 役 立 ち 、 SCS や テ レ ビ 会 議 シ ス テ ム を
利用した講義で、他大学の学生と一緒に受講することが競争意識を芽生えさせ、自主的
な学習取組みを促していることを把握している。
3 他大学の教員による指導:学生の研究指導は3人体制で、そのうちの1人は他大学の
教 員 が 担 当 し て い る (第 2 副 指 導 教 員 )。 異 な る 教 育 環 境 に あ る 他 大 学 を 訪 問 し て 、 教 員
から客観的な視点からアドバイスを受けることは、研究進展方向の可能性を広げるもの
であり、他大学配属の学生との協調と競争意識が芽生え、教育効果は大きい。
4 学 生 へ の 交 通 費 支 給:
「 科 学 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 」参 加 の た め の 交 通 費 、第 2 副 指 導 教
員に研究指導を受けるために他大学を訪問するための交通費、研究成果を学会で発表す
る た め の 交 通 費 を 支 給 す る こ と が で き る 規 則 を 設 け 、 平 成 17 年 か ら 実 施 し て い る 。
5 学生表彰制度:学生の自主的な学習を促す取組みの一つとして、学生表彰制度を平成
19 年 度 か ら 開 始 し 、 9 月 修 了 者 3 名 ( 14 名 中 ) 3 月 修 了 生 3 名 ( 25 名 中 ) の 6 名 に 優
秀学術賞を授与した。
(2 )分 析 項 目 の 水 準 及 び そ の 判 断 理 由
(水 準 ) 期 待 さ れ る 水 準 を 大 き く 上 回 る 。
(判 断 理 由 )
距 離 的 に 離 れ た 4 構 成 大 学 の 博 士 課 程 学 生 教 育 を SCS や テ レ ビ 会 議 シ ス テ ム を 利 用 し 、
ま た 、講 義 や 演 習 、実 習 等 を 組 合 せ て 多 彩 な 教 育 を 行 い 、修 了 生 に よ る「 学 位 取 得 へ の 道 」
の 講 義 を 行 っ て い る こ と は 、在 学 生 や 指 導 教 員 、修 了 生 の 雇 用 者 か ら 高 く 評 価 さ れ て お り 、
平 成 19 年 に 行 な っ た 外 部 評 価 で「 連 合 形 態 の 弱 点 を 逆 に 強 み に 活 か そ う と す る 発 想 で 、意
欲的に取り組んでいる」と評価され、関係者の期待を大きく上回ると判断した。
分析項目Ⅳ
学業の成果
(1 )観 点 ご と の 分 析
観点 学生が身に付けた学力や資質・能力
(観 点 に 係 る 状 況 )
本 研 究 科 に お け る 学 位 授 与 者 数 は 、平 成 16∼ 18 年 度 の 3 年 間 そ れ ぞ れ 36 人 、29 人 、34
人 で 、標 準 修 了 年 限 内 の 学 位 授 与 率 は そ れ ぞ れ 61% 、59% 、61% で あ っ た 。修 了 生 の 博 士
論 文 を 構 成 す る 主 論 文 数 は 過 去 10 年 以 上 1.7∼ 2.0 報 で 推 移 し て お り 変 化 な い が 、 公 表 論
文 数 3 報 以 上 の 課 程 修 了 生 は 、 年 次 に よ る 変 動 は あ る も の の 平 成 9 年 度 の 4 人 ( 13% ) か
ら 平 成 18 年 度 の 9 人 ( 26% ) へ と 着 実 に 増 加 す る 傾 向 に あ る 。 平 成 16∼ 18 年 度 の 在 学 生
数 は そ れ ぞ れ 157 人 、 139 人 、 159 人 で あ り 、 学 生 の 論 文 発 表 数 は そ れ ぞ れ 66 報 、 59 報 、
48 報 、学 会 発 表 数 は そ れ ぞ れ 121、114、131 で あ っ た【 別 添 資 料 7 : 在 学 者 数 と 研 究 業 績
の 推 移 】。ま た 、指 導 教 員 に 対 す る ア ン ケ ー ト 調 査 で 、指 導 学 生 が 在 学 中 に 知 識 や 能 力 を 伸
ば し た 点 を 質 問 し た 結 果 、専 門 知 識 に 98% 、専 門 分 野 以 外 の 幅 広 い 知 識 に 73% 、研 究 コ ミ
ュ ニ ケ ー シ ョ ン 能 力 に 76% の 教 員 が 肯 定 の 回 答 を 寄 せ た 【 別 添 資 料 7 : 点 検 評 価 報 告 書 、
ア ン ケ ー ト 調 査 結 果 】。
観点
学業の成果に関する学生の評価
(観 点 に 係 る 状 況 )
一 年 間 以 上 の 在 学 経 験 を 有 す る 平 成 18 年 度 以 前 の 入 学 者 に 対 し て 行 な っ た ア ン ケ ー ト
調査の結果では、在学中に知識や能力を伸ばしたと感じる点の質問に対して、自分の研究
分 野 の 専 門 知 識 に 54% 、専 門 分 野 以 外 の 幅 広 い 知 識 に 74% 、科 学 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 能 力
97-
岩手大学連合農学研究科 分析項目Ⅳ.Ⅴ
に 50% の 学 生 が 、知 識 や 能 力 を 伸 ば し た と 感 じ た 。こ れ に 対 し て 、科 学 英 語 力 は 32% の 学
生 が 感 じ た の み で 、高 く は な か っ た 。単 位 制 に 移 行 し た こ と に よ り 、新 し い 科 目 と し て「 科
学英語」を導入したことは、指導教員と学生の双方が高い必要性を認めながら果たせなか
った科学英語力を向上させる科目であり、
「 専 攻 別 特 論 」や「 専 攻 別 教 育 研 究 指 導 」と 合 わ
せ、単位制への移行とそれに伴うカリキュラム編成が学力や資質・能力の向上に好影響を
及ぼすことが期待される。
(2 )分 析 項 目 の 水 準 及 び そ の 判 断 理 由
(水 準 ) 期 待 さ れ る 水 準 を 上 回 る 。
(判 断 理 由 )
修 了 生 、修 了 生 の 雇 用 者 、主 指 導 教 員 に 対 す る ア ン ケ ー ト 調 査 で は 、学 生 が 専 門 的 知 識 、
幅広い研究分野の知識、コミュニケーション能力の向上を認めたとする多くの回答が寄せ
ら れ た 。標 準 修 了 年 限 内 の 学 位 授 与 率 の 約 60% は 、サ ス カ チ ュ ワ ン 大 学 博 士 課 程 学 生 の 平
均 在 籍 年 数 の 4 ∼ 4.5 年 、標 準 修 了 年 限 内 の 学 位 授 与 率 の 25-30% と 比 較 し て 高 い こ と か ら 、
学生が身に付けた学力や資質・能力は期待される水準を上回ると判断した。
分析項目Ⅴ 進路・就職の状況
(1 )観 点 ご と の 分 析
観 点 卒 業 (修 了 )後 の 進 路 の 状 況
(観 点 に 係 る 状 況 )
修 了 年 次 に よ る 差 は あ る が 、平 成 16-19 年 度 の 修 了 生 は 132 名 で 、内 訳 は 大 学 教 員 が 18% 、
研 究 所・団 体 等 の 研 究 員 が 34% 、民 間 企 業 の 研 究 員 等 が 14% で 、教 員 と 研 究 員 等 を 合 わ せ
て 全 体 の 2/3 を 占 め て い る 。そ の 他 、ポ ス ド ク 等 が 23% 、自 営 1 % と な っ て お り 、進 路 未
定者はわずか9%であった。この値は、他の連合農学研究科(東京農工連大、岐阜連大、
鳥 取 連 大 、愛 媛 連 大 、鹿 児 島 連 大 )に 比 較 し て 最 も 低 い 。産 業 分 野 別 に 見 る と 、教 育 分 野 、
製 造 業 (科 学 研 究 員 )、 農 林 水 産 業 が 多 く 、 修 了 後 も 研 究 生 や ポ ス ド ク と し て 研 鑽 を 積 む 人
数 も 多 い が 、職 業 に 就 く 者 の 中 で は 研 究 員 や 教 員 、農 学 分 野 の 職 業 人 が 多 く な っ て い る【 別
添 資 料 8 : 修 了 者 就 職 状 況 】。
観点
関係者からの評価
(観 点 に 係 る 状 況 )
修了生の就職先に修了生の能力評価を問うアンケート調査によれば、修了生が有する能
力 は 、 専 門 知 識 が 100% 、 専 門 以 外 の 幅 広 い 知 識 が 69% 、 科 学 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 能 力 が
74% 、科 学 英 語 力 が 52% で あ り 、学 業 成 果 に 関 す る 学 生 の 評 価 を 大 き く 上 回 る 評 価 を 受 け
た。能力の分野別では、専門分野の知識は豊富と極めて高い評価を受けたが、専門分野の
知識に比較して科学英語の能力があまり高く評価されていない傾向にあったことは、科学
英語が従来の教育内容で最も不足していた点であり、この改善策をとったことは、大学院
教育の実質化と修了生の国際通用性向上に役立つと考えられる。
(2 )分 析 項 目 の 水 準 及 び そ の 判 断 理 由
(水 準 ) 期 待 さ れ る 水 準 を 上 回 る 。
(判 断 理 由 )
修了生の就職先は、教員や研究員の割合が高いことは、連合農学研究科の人材養成目的
に沿うものである。また、修了生の就職先から専門知識や専門以外の知識、科学コミュニ
ケーション能力が高いと評価されたこと、さらに、進路未定者が他の連合農学研究科に比
較して最も低いことも、在学生、修了生、指導教員、農学関係者から期待される水準を上
回ると判断した。
98-
岩手大学連合農学研究科
Ⅲ
質の向上度の判断
① 事 例 1 「 単 位 制 へ の 移 行 に よ る 教 育 の 実 質 化 」 (分 析 項 目 Ⅱ )
構 成 大 学 が 離 れ た 場 所 に あ る こ と か ら 、研 究 指 導 を 中 心 と し た ゼ ミ ナ ー ル 制( 研 究 指 導 、
合宿研修による一般ゼミナール、指導教員による特別ゼミナールへの参加によって修了要
件 が 満 た さ れ る )を 採 っ て き た が 、平 成 19 年 4 月 か ら 教 育 の 実 質 化 を 目 指 し て 、コ ー ス ワ
ークを重視し、厳密な評価制度を伴った単位制に移行させた。同時に、研究インターンシ
ップや科学英語の科目を設け、教育内容の向上を図ったことが、大学院教育改革支援プロ
グラム採択につながった。このプログラムは、博士課程学生がグローバルな視点で異分野
を含む多くの研究者と交流しながら、寒冷圏農学に関わる研究課題を遂行できる基礎的な
研究適応力を、海外を含む大学・研究機関との協力により育成するもの、本研究科の人材
養成目的に沿うものである。
② 事 例 2 「 寒 冷 圏 生 命 シ ス テ ム 学 専 攻 の 設 置 」 (分 析 項 目 Ⅰ )
本 研 究 科 を 特 徴 づ け る 独 自 の 教 育 組 織 と し て 、 寒 冷 圏 生 命 シ ス テ ム 学 専 攻 を 平 成 18 年
4月に設置し、併せて岩手大学工学研究科(博士前期課程)6名の教員が加わり、東北農
業研究センターとの連携大学院協定の締結を行った。さらに、寒冷圏農学分野の教育連携
を 目 指 し て 、 平 成 20 年 3 月 に サ ス カ チ ュ ワ ン 大 学 と 学 術 交 流 協 定 を 結 び 、 平 成 20 年 度 に
は共同シンポジウムを盛岡で開催すると共に、研究インターンシップでサスカチュワン大
学に学生を派遣する。本研究科は、寒冷圏農学の教育研究を推進するために連携大学院を
充実させ、サスカチュワン大学と教育連携することによって、幅広く、層の厚い、国際通
用性が高い、充実した教育体制を整えている
③ 事 例 3 「 教 育 方 法 の 充 実 化 」 (分 析 項 目 Ⅲ )
主指導教員の資格審査では、基準の一つとして研究業績を観ているが、論文等学術刊行
物 に お い て 筆 頭 著 者 の ウ ェ イ ト が 低 か っ た も の を 平 成 18 年 4 月 か ら 重 く し 、厳 格 な 審 査 に
変 更 し た 。ま た 、資 格 取 得 後 も 8 年 ご と に 再 審 査 を 義 務 づ け る 再 審 査 制 度 を 平 成 18 年 4 月
から開始した。サスカチュワン大学のコールマン教授による外部評価でも、厳密な教員資
格審査は高く評価されている。指導教員は研究指導、学位審査や中間発表会で異なる大学
間 を 移 動 す る 必 要 が あ る 。地 理 的 に 離 れ た 構 成 大 学 間 で は 、悪 天 候 に よ る 交 通 機 関 の 乱 れ 、
教 員 の 移 動 に 伴 う 時 間 の 無 駄 が 生 じ る こ と か ら 、平 成 19 年 9 月 に テ レ ビ 会 議 シ ス テ ム を 導
入した。これにより、必要に応じて学生と第2副指導教員がインターネットを通じた双方
向通信が可能となり、他大学教員による学生教育の充実が図られた。
④ 事 例 4 「 研 究 科 長 裁 量 経 費 に よ る 若 手 研 究 者 養 成 促 進 」 (分 析 項 目 Ⅲ )
平 成 16 年 度 に 、連 合 農 学 研 究 科 構 成 教 員( 岩 手 大 学 )を プ ロ ジ ェ ク ト リ ー ダ ー と す る 「熱
― 生 命 シ ス テ ム 相 関 学 拠 点 創 成 」が 21 世 紀 COE プ ロ グ ラ ム に 採 択 さ れ た こ と か ら 、 研 究 科
長 裁 量 経 費 を COE の RA 経 費 に 割 き 、構 成 大 学 の 学 生 を 採 用 し て 若 手 研 究 者 養 成 の 促 進 に 寄
与 し て い る 。 RA と し て 平 成 16 年 か ら 19 年 に そ れ ぞ れ 33 名 、 41 名 、 44 名 、 49 名 の 合 計
167 名 を 採 用 し た 。RA に よ る 研 究 業 績 は 3 年 間 で 59 編 の 論 文 発 表 、101 件 の 学 会 発 表 が あ
り 【 別 添 資 料 9 : RA・ TA 採 用 者 数 と 研 究 実 績 】、 本 研 究 科 の 学 生 の 若 手 研 究 者 養 成 に 貢 献
している。
99-
岩手大学連合農学研究科
添
付
資
(9.連合農学研究科)
平成20年6月
岩手大学
料
資料1
岩手大学大学院連合農学研究科教員名簿
専 攻
前
大
学
生物資源科学
生物機能開
生物資源利
ゲノム工学
発学
用学
荒川 修 鈴木 裕之 青山 正和 石黒 誠一 菊池 英明 戸羽 隆宏
主 葛西 身延
佐野 輝男 大町 鉄雄 原田 竹雄
比留間 潔 小原 良孝 姫野 俵太
指
片方陽太朗 牛田 千里※
導
黒尾(片倉)正樹
千田 峰生※
鮫島 正純 福澤 雅志※
教
橋本 勝
宮入 一夫
員
石田 幸子
佐原 雄二
副 教
指 授
伊藤 大雄 松崎 正敏 田中 和男 高田 晃 柏木 明子
導 准
大河 浩
松岡 教理 殿内 暁夫
教
教
本多 和茂
吉田 孝
員 授 松山 信彦
連合講座
弘
生物生産科学
植物生産学 動物生産学 生物制御学
寒冷圏生命
システム学
生物環境科学
熱・生命シス 地域資源経
テム学
済学
杉山 修一 宇野 忠義
赤田 辰治※神田 健策
石川 隆二※澁谷 長生
地域環境工 地域環境管
学
理学
泉 完 檜垣 大助
工藤 明
佐々木長市
高橋 照夫
谷口 健
万木 正弘
張 樹槐※
人数計
36
高橋 秀直
2
泉谷 眞美 藤崎 浩幸 東 信行
武田 共治
萩原 守
16
12
7
1
3
6
8
3
54
黒田 榮喜 喜多 一美 河合 成直 磯部 公安 高畑 義人 小野 伴忠 伊藤 菊一 岡田 秀二 倉島 栄一 青井 俊樹
主 雑賀 優 佐野 宏明 溝田 智俊 平 秀晴 堤 賢一 長澤 孝志 上村 松生 木村 伸男 古賀 潔 澤口 勇雄
壽松木 章 高橋壽太郎
木村 賢一※岡田 益己 玉 真之介 広田 純一 関野 登
小藤田久義※鈴木 幸一
藤井 克己 橋本 良二
指 星野 次汪 橋爪 力
松原 和衛※
塚本 知玄※吉川 信幸
三輪 弌 比屋根 哲
岩
渡邊 彰○
三浦 靖※ 新貝 鉚蔵*
武田 純一※井良沢道也※
導
一ノ瀬充行*
廣間 達夫※
佐藤 拓己※*
教
寺内 良平○
西原 昌宏○
員
手
小池 説夫○
菅野 洋光○
50
教
小栗栖太郎*
立川 史郎
2
副 授
魚住 順○ 小田 伸一 磯貝 雅道 佐藤 利次○横井 修司 伊藤 芳明 木藤新一郎 木下 幸雄 小林 幹佳 國﨑 貴嗣
准 稲田委久子 村元 隆行 立石 貴浩 山下 哲郎
小出 章二 斎藤 靖史 柴崎 茂光 颯田 尚哉
大
指
嬉野 健次
荒木 功人*
山本 信次
教 小森 貞男
導
庄野 浩資
授 築城 幹典
松嶋 卯月
25
学 教
講
出口 善隆
松浦 哲也*
三宅 諭 東 淳樹
師
4
員 助
澤井 健
若林 篤光
教
2
人数
11
10
4
6
3
8
16
6
10
9
83
主 安藤 豊 高橋 敏能 生井 恒雄 上木 厚子 阿部 利徳 五十嵐喜治 後藤三千代 岩鼻 通明 大久保 博 小野寺弘道
指 平 智 戸津川 清 安田 弘法 上木 勝司 佐藤 英世※高橋 孝悦 三橋 渉 小沢 亙 粕渕 辰昭 高橋 教夫
山
導 高樹 英明
我妻 忠雄 小関 卓也※
貫名 学
菊間 満 前川 勝朗 中島 勇喜
教 西澤 隆
俵谷圭太郎
村山 哲也
野堀 嘉裕
形
員 山本 隆儀
夏賀 元康
33
副 教 藤井 弘志
林田 光祐
2
大 指 授
導 准 村山 秀樹 木村 直子
加来 伸夫 豊増 知伸 塩野 義人
金 成学 安中 武幸 小山 浩正
教 教
堀口 健一
角田 毅 石川 雅也
学 員 授
11
人数
7
4
4
4
3
6
2
5
5
6
46
堀川 洋 柏村 文郎 筒木 潔 後藤 健 石井 達 大西 正男 山本 紳朗 澤田 学 武田 一夫 岩佐 光啓
主
鈴木 三義 小池 正徳※小嶋 道之※櫛 泰典 小田 有二 日高 智 樋口 昭則 土谷富士夫 本江 昭夫
帯
指
福井 豊 谷 昌幸※
三浦 秀穂 高澤 俊英
仙北谷 康※岸本 正※ 柳川 久※
導
桑山 秀人※
加藤 清明※橋本 誠※
佐藤 禎稔※
教
広
手塚 雅文※
弘中 和憲※
辻 修※
員
福島 道広
34
教
姜 興起 前多 修二
畜
副 授
2
准 花田 正明 門平 陸代
大和田琢二
小疇 浩
倉持 勝久
押田 龍夫
指
産
教
木田 克弥
島田謙一郎
紺野 康夫
導 授
古村 圭子
平田 昌弘
11
講
河合 正人
木下 幹朗
宗岡 寿美 仲島 義貴
大
教 師
中村 正
5
助
橋本 靖
員
学
教
1
人数
2
9
4
3
4
10
3
4
7
7
53
小 計
26
25
18
25
17
25
24
21
30
25
合 計
69
67
24
76
236
・主任指導教員の※印は准教授
-1・○印は客員教員、*印は工学研究科
岩手大学連合農学研究科
人数
6
2
6
資料2
入学者数の推移
入学
定員
年度
4月
16
21
10月
4月
17
21
10月
4月
18
24
10月
4月
19
24
10月
配 属 大 学 別
入学者数
岩手大学
弘前大学
山形大学
帯広畜産大学
41
(10)
15
(1)
6
(1)
8
(1)
12
(7)
8
(2)
3
(0)
4
(2)
0
(0)
1
(0)
42
(13)
20
(7)
7
(2)
2
(0)
13
(4)
5
(0)
1
(0)
1
(0)
1
(0)
2
(0)
48
(16)
24
(7)
8
(1)
7
(4)
9
(4)
11
(2)
5
(0)
3
(1)
3
(1)
0
(0)
36
(10)
16
(5)
8
(1)
3
(0)
9
(4)
8
(2)
5
(2)
1
(0)
1
(0)
1
(0)
【注】外国人留学生は( )内に内数で表記
30
25
入 20
学
15
者
数 10
岩手大学
弘前大学
山形大学
帯広畜産大学
5
0
4月
10月
16
4月
10月
4月
17
10月
18
4月
10月
19
入学年月
-2 -
岩手大学連合農学研究科
資料3
岩手大学大学院連合農学研究科(博士課程)教育課程表(2007 年4月)
必修
受講
専攻
科目名
単位
時間
講義
選択
数
の
方式
別
受講予定年次
担当教員
次
目安
農学特別講義Ⅰ
産科学
生物資
源科学
次
次
1
16
SCS
○
生物生産科学特論
1
16
教室
○
生物資源科学特論
1
16
教室
○
生物環境科学特論
1
16
教室
○
科学コミュニケーション
1
18
合宿
●
研究インターンシップ
2
90
訪問
○
客員教授
◎
科学英語
1
15
SCS
○
非常勤講師
◎
生物生産科学教育研究指導
1
15
教室
○
主指導教員
◎
生物生産科学特別演習
1
15
対面
●
主・副指導教員
◎
◎
生物生産科学特別研究
6
90
対面
●
主・副指導教員
◎
◎
生物資源科学教育研究指導
1
15
教室
○
主指導教員
◎
生物資源科学特別演習
1
15
対面
●
主・副指導教員
◎
◎
生物資源科学特別研究
6
90
対面
●
主・副指導教員
◎
◎
1
15
教室
○
主指導教員
◎
1
15
対面
●
主・副指導教員
◎
◎
6
90
対面
●
主・副指導教員
◎
◎
生物環境科学教育研究指導
1
15
教室
○
主指導教員
◎
生物環境科学特別演習
1
15
対面
●
主・副指導教員
◎
◎
生物環境科学特別研究
6
90
対面
●
主・副指導教員
◎
◎
寒冷圏
指導
生命シ
寒冷圏生命システム学
ステム
特別演習
寒冷圏生命システム学
特別研究
生物環
年
○
寒冷圏生命システム学教育研究
学
年
SCS
(日本語)
生物生
3
16
農学特別講義Ⅱ
共通
5 連大からの選出教員(8
2
1
(英語)
研究科
1年
名)
5 連大からの選出教員(8
名)
各専攻資格教員(各構成
大学で 4 名ずつ)
各専攻資格教員(各構成
大学で 4 名ずつ)
各専攻資格教員(各構成
大学で 4 名ずつ)
担当構成大学の代議員、
教員、修了生等
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
境科学
◎
注1)修了に必要な単位は12単位(●必修8単位、○選択4単位)
。
注2)受講予定年次は目安を示したもので、指導教員と相談した上で適宜変更してもよい。
注3)他の研究科(工学研究科、各構成大学修士課程)の科目での代替可能単位数は 2 単位。
-3 岩手大学連合農学研究科
資料4
大学院教育改革支援プログラム概念図
寒冷圏農学を拓く研究適応力育成プログラム
岩手連大の教育課程
幅広い専門性を付与する講義群
◎寒冷圏農学の基礎知識と専門分野の
裾野を広げる幅広い知識の提供。
農学特別講義Ⅰ(英語) 1単位、選択
農学特別講義Ⅱ(日本語) 1単位、選択
生物生産科学特論、1単位、選択
生物資源科学特論、1単位、選択
生物環境科学特論、1単位、選択
◎教育者としてのプレゼン能力の育成。
教育能力向上のための講義
◎教員個人・FDによる講義内容の改善
各専攻教育研究指導、1単位、選択
科学英語力
研究適応力( 科学コミュニケーション能力 )育成プログラム
ワークショップ形式
による学生参加型授
業の試行・改善。
科学コミュニケーション(1単位、必修)
合宿形式の教育実践で、日本人学生と留学
生との異文化研究交流による研究上のコミュ
ニケーション能力を育成。
4大学学生+教員
留学生、日本人学生
との英語による科学
コミュニケーション
空間の創出。
学生
研究インターンシップ(2単位、選択)
他の研究機関や大学で研修することで高度
な学術研究に触れ、学際的な分野への対応能
力、研究上のコミュニケーション能力を育成。
他機関の研究員
学生
科学英語(1単位、選択)
国際社会で活躍するための科学英語による
コミュニケーション能力を育成。
外国人講師
学生
サスカチュワン大学
(カナダ)、パ
デュー大学(アメリ
カ)等、外国の機
関・大学での研修の
実施と成果の検証。
遠隔教育システムを
活用した学生参加型
の科学英語コミュニ
ケーション演習の試
行・改善。
外国人講師︵
教育スタッフ︶
による系統的な個別・
グループ
︵
社会人学生、留学生、日本人学生︶
指導の実施
教育内容の向上
◎遠隔教育システムを活用した個別・
グループ指導法の
試行と改善。
研究適応力育成のための講義群
学位論文研究の指導に係わる講義群
各専攻特別演習、1単位、必修
各専攻特別研究、6単位、必修
1人ひとりの学生に相応しい寒冷
圏農学を拓く研究適応力の育成
岩手連大の人材養成目標:
「寒冷圏農学分野における高度な専門知識を持ち、国際水準を目指す先端的な研究を展開できる
研究者、農学分野に高い関心と豊かな知識を持った大学教員や柔軟な課題探求能力を備えた高
度専門職業人の養成」 を実現。
-4 -
岩手大学連合農学研究科
資料6
19(2007)
(
)
19(2007)
8:00
9:00
10:00
11:00
12:00
13:00
14:00
15:00
16:00
17:00
(
開講式次第 [総合研究棟2F:
E2503]
1.開式
2.連合農学研究科長挨拶
3.帯広畜産大学長挨拶
4.日程等の説明
5.閉式
)
(
8
(
20:00
21:00
20:30
)
(
(
)
(
)
(
)
)
(
)
(
)
(
)
(
(
(
19:00
)
(
1.
2.
1.
2.
3.
4.
( )
)
)
(
総合研究棟
1Fホール
28
)
29
17:50
(
27
( )
(
18:00
13:30
8
27
)
(
(
)
)
)
)
3.
4.
(
(
(Lee Hong Gu
)
)
)
1.
)
(
[
]
.
(
)
2.
)
(
(
Agriculture and Environment in Tokachi
8
(
29
)
)
(
)
(
)
:
)
14:00頃
8:30
8:00
12:30
9:00
10:00
11:00
12:00
13:30
13:00
14:30
15:00
-6 -
16:00
17:00
18:00
19:00
20:00
21:00
岩手大学連合農学研究科
資料7
在学者数と研究業績の推移
ポスター
学会賞数
発表数
年 度
在学者数
論文数
口頭発表数
著書数
平成16年度
157
66
113
8
0
0
平成17年度
139
59
109
5
0
0
平成18年度
159
48
125
6
3
2
点検評価報告書,アンケート調査結果
指導教員からみた学生が在学中に伸ばした能力
100
90
80
70
60
50
40
30
20
10
0
そ
変
大
学生は、在学中にどんな能
力が伸ばせたか?
専門知識
幅広い分野の知
識
コミュニケーション
能力
科学英語能力
う
う思
そ
う
う思
ま
あ
思
り
わ
い
な
な
わ
く思
全
グラフ
(上)指導教員からみて
(中)ゼミナール制学生
(下)単位制学生
い
学生(ゼミナール制)の自分が伸ばせたと思う能力
100
90
80
70
60
50
40
30
20
10
0
そ
変
大
修了生が在学中に伸ばせたと思う能力
専門知識
幅広い分野の知
識
コミュニケーション
能力
科学英語能力
う
う思
そ
う
う思
ま
あ
思
り
な
わ
い
な
わ
く思
全
い
100
90
80
70
60
50
40
30
20
10
0
う
う思
そ
変
大
-7 -
専門知識
幅広い分野の知
識
コミュニケーション
能力
科学英語能力
そ
う
う思
あ
ま
思
り
な
わ
い
な
わ
く思
全
い
岩手大学連合農学研究科
資料8
修 了 者 就 職 状 況
16年度
人数
割合
%
17年度
人数
割合
%
18年度
人数
割合
%
19年度
人数
割合
%
合計
人数
合計
割合
大学教員
7
20
8
28
5
15
4
12
24
18.2%
研究所・団体等研究員
10
28
5
17
14
41
16
49
45
34.1%
7
20
6
21
3
9
2
6
18
13.6%
10
28
7
24
9
26
4
12
30
22.7%
1
3
1
3
2
1.5%
年 度
民間企業研究員(職)
職
種
区 その他(含む研究生等)
分
自営
未定
合 計
農林水産業
2
4
3
3
2
6
6
18
13
9.8%
36
100
29
100
34
100
33
100
132
100.0%
4
11
1
3
4
12
9
6.8%
鉱業
0
建設業
3
8
1
3
製造業(科学研究員)
8
22
8
28
6
17
3
9
卸売・小売業
1
3
18.9%
0.8%
0
教育
7
19
8
28
1
3
4
12
4
12
教育(高専)
教育(その他)
25
1
金融・保険・不動産
教育(大学)
3.0%
0
運輸・通信・電子・ガス・水道
産
業
分
類
4
1
0.8%
23
17.4%
0
2
6
2
1.5%
非営利団体
4
12
6
18
10
7.6%
国家公務員
2
6
1
3
3
2.3%
国家公務員
(農試・森林総研等)
1
3
6
18
7
5.3%
国家公務員(農試・試験場等)
その他(研究生・PD含む)
合 計
0
10
28
10
40
12
35
13
40
45
34.1%
36
100
29
100
34
100
33
100
132
100.0%
-8-
岩手大学連合農学研究科
資料9
RA,TA採用者数と研究業績
RA・TA採用者の内,研究業績のある者
採用年度
H15年度
種 別 採用者数
人数
論文数
口頭発表数
ポスター
発表数
学会賞数
RA
20
13
15
19
2
0
TA
74
40
48
63
2
0
小計
94
53
63
82
4
0
RA
20
4
8
9
0
0
COE-RA
13
6
9
12
0
0
TA
69
31
32
47
3
0
102
41
49
68
3
0
RA
20
13
11
8
0
0
COE-RA
21
10
8
17
3
0
TA
53
21
25
36
0
0
小計
94
44
44
61
3
0
RA
20
14
18
34
1
1
COE-RA
24
9
5
15
2
0
TA
63
28
24
49
2
2
小計
107
51
47
98
5
3
RA
30
28
12
9
7
0
COE-RA
19
19
4
6
3
0
TA
39
37
8
16
4
0
小計
88
84
24
31
14
0
RA
110
72
64
79
10
1
COE-RA
77
44
26
50
8
0
TA
298
157
137
211
11
2
合計
485
273
227
340
29
3
H16年度
小計
H17年度
H18年度
H19年度
合 計
-9-
岩手大学連合農学研究科