サッカーゲームにおけるサイド攻撃に関する研究

サッカーゲームにおけるサイド攻撃に関する研究
古田
一馬(競技スポーツ学科 コーチングコース)
指導教員 北村 哲
キーワード:サイド攻撃, ゲーム分析, キックエリア
3.結果と考察
1. 緒言
サッカーにおける最大の目的は, ゴールを
クロスボールはエリア 7 からが非常に多く,
奪うことである. 近年のサッカー戦術は攻撃
マイナス方向へのクロスボールは GK も DF も反
的戦術, 守備的戦術が大きく発展してきてい
応や対応が遅れるため有効であると考えられ
る. 現代サッカーにおいて攻撃は, ピッチ
る(図 2).
を広く使い, スペース作る事を重視する事
が多いため, サイドからの攻撃が重要であ
ると考えられている.
そこで本研究では, サイド攻撃の成功事
例についてのゲーム分析から有効なプレー
の特徴を明らかにし整理することを目的と
図 2 クロスボールを上げたエリア
した.
2.研究方法
ーはニアサイドに寄ることが多く, 逆側で攻
1) 対象
撃選手がフリーになることが多かった(表 1).
深い位置からのクロスボールの際, キーパ
世界中の各プロリーグにおけるサイド攻
撃からの得点場面 100 シーンを対象とした.
表1
サイド攻撃からの得点場面の映像を観察し,
場合の GK 位置とマーク状況
設定した項目について,私案のコート分割
図に記入し(図1),集計および分析を行っ
た.
7 エリアからのマイナス方向のクロスボールの
A
マークあり
マークなし
B
6
9
C
6
2
D
3
2
0
0
4.まとめ
A
B
D
C
C
深い位置からのマイナス方向へのクロスボ
D
B
A
ールはオフサイドになりにくく, DF も引いて
1
31 7
25 13
19 19
13 25
7 31
1
いるため反応や対応が遅れる. またキーパー
2
32 8
26 14
20 20
14 26
8 32
2
はニアに寄る為, 逆サイドがオープンになり
3
33 9
27 15
21 21
15 27
9 33
3
やすい. このことから, サイド攻撃において
4
34 10
28 16
22 22
16 28
10 34
4
深い位置に切り込んでからのクロスボールが
5
35 11
29 17
23 23
17 29
11 35
5
有効であると考えられる.
6
36 12
30 18
24 24
18 30
12 36
6
図1
コート分割図
2)分析項目
1. 攻撃サイド
2. キーパーの位置
4.引用・参考文献
林雅人(2011)サッカー:ゴールを奪う攻撃
戦術,得点するために,個人,チームは何
をすべきか.ナツメ社;東京.
相馬直樹(2008)サイドプレーヤーの本質・
3. クロスボールの球種
実戦で生かす「サイド」の戦術.東京ベ
4. クロスボールを上げた位置
ースボールマガジン社;東京.