歴史と発展 - Zegna

歴史と発展
現在のグループ
「1910 年から続く、 ファブリック、 イノベーション、 品質
への限りなき情熱」
今日の エルメネジルド ゼニア グループ は、 イタリアで最も有名
なファミリー企業のひとつです。 その ビジネス遺伝子 と 起業家
精神は、 過去 1 世紀にわたって世代から世代へと引き継がれ、 ゼ
ニアという名前はビジネス先駆者の代名詞となっています。 グ
ループの成長を可能にしてきたのは、 現在のアパレルからアクセ
サリーにわたる製品の明敏な多角化と、 エルメネジルド ゼニア
ブランドの成長を世界的な成功に導いた戦略でした。
しかし、 ゼニアの成功に寄与した要素は到底この限りではなく、
全社的に品質を追求するなかで若い才能の開花を可能にする、 強
力で統合的な事業文化や顧客はもちろんのこと、 従業員や地域の
人々を常に重視する一貫した姿勢が、 グループの成功を可能にし
たのです。
偉大なファミリーが偉大な企業を
作り、 偉大な企業が偉大なファミ
リーを作ります。」 ジルド・ゼニ
ア
Gildo Zegna
ゼニア グループの理念は次の 3 つの原則に基づいています:
- 長期的な目標
- 事業の継続のための、 ゼニアファミリーによる企業経営
- 厳格な企業統治制度に体現された、 健全な倫理コミットメント
現在のゼニアの経営陣は、 ジルドが CEO、 パオロが会長、 アン
ナがイメージディレクター兼ゼニア財団社長、 ベネデッタが人材
開発プログラムディレクター、 ラウラは「オアジ・ゼニア」を統
率し、 レナータはボードメンバーに名を連ねています。
www.zegnagroup.it
Gildo Zegna and Paolo Zegna
歴史 / 始まり
ファミリービジネスとして始まったエルメネジルド ゼニアの歴史は、
19 世紀後半にまで遡ります。 時計製造を営んでいたアンジェロ・ゼニ
ア は、 4 台の織機を使いウールの製織を始めました。この工場を引継
ぎ、 後にイタリアで最も有名でダイナミックなファミリー企業に育て
上げたのが、 アンジェロ・ゼニアの 10 番目の末息子で 1892 年に誕生
した エルネメジルド・ゼニア でした。
1910 年、 18 歳の若き起業家エルメネジルドは、ビエラ近くのアルプ
ス山麓に位置する トリヴェロの地にラニフィーチョ エルメネジルド
ゼニア(ゼニアの服地工場) を設立しました。エルメネジルドは、4
台の織機を使いファブリックの生産を始めました。彼自身の言葉によ
ると、これらのファブリックは「世界で最も美しい」ものでなければ
なりませんでした。今日でも、 ゼニアのファブリック はイタリアが誇
る輸出品のひとつであり、赤い蝋の印章によって国際的にも認知され
ています。
「“ T トリヴェロの市民は、 エルメ
ネジルド・ゼニアが狂人なのか、 夢
想家なのか、理解に苦しみました
が、 ゼニアは地に足が付いた類の人
物ではな、 一様に考えていました。
しかし実際には、 エルメネジルド・
ゼニアは、 トリヴェロの善良な市民
が考えるよりもしっかりと、 地に足
がついていたのです。」 アルド・ゼ
ニア
Aldo Zegna
エルメネジルドは時代に先駆けて、国際的なビジョンを持っていまし
た。それは、最高級の 天然繊維 を原産国から直接買いつけ、製品と
技術の革新を推進し、積極的なブランド戦略を行うというものでし
た。このビジョンが、完全な垂直統合システムを実現した、イタリア
の最も著名なファミリー企業の土台となりました
間もなくエルメネジルドの戦略がの成功へとつながりました。 彼の国
際的ビジョンにより、エルメネジルド ゼニアのファブリックは 1938
年、 アメリカに輸出されるまでに成長し、 1945 年までには 40 カ国以
上で販売されるようになりました。
エルメネジルドの卓越したビジネスマインドは事業領域にとどまりま
せんでした。 自分が製品に求める品質は 地域と地域社会との良好な
関係 と切り離せないことを、 彼は理解していました。 自然環境の美
しさと、 自社の従業員のみならず、 すべての人々の幸せが長期的な成
功を目指す企業にとって不可欠であることを理解していました。
1932 年、 トリヴェロにはすでに、 エルメネジルドによって集会場、
図書館、 体育館、 映画館/劇場、 公営プールが完備されていました。
その数年後には、 医療センターや保育園が設けられました。 エルメ
ネジルドは一方で、 地域の環境と景観の保全に尽くし、 何千本もの
植樹を行い、 「パノラミカ・ゼニア」と呼ばれる、 トリヴェロと海抜
1,500 メートルにあるリゾート地ビエルモンテを結ぶ、 14 キロメート
ルの道路を建設しました
現在のグループの名誉会長である アンジェロ・ゼニア は、 父エルメ
ネジルドの功績について次のように語っています: 「私は、 父の人生
を通じて 4 つの力が働いたと考えています。 第一に、 父は自分のビジ
ネスの才覚を伸ばすのに適した環境に生まれました。 小さな地域の中
で様々な小企業が競い合っていました。 第二に、 父は常に、 最高品
質のイタリア製ファブリックを提供することで、 イギリスのライバル
たちより優れたものづくりをする決意をしていました。 第三に、 特
に地元地域の社会福祉と労働者への利益の再分配に対して、 他に例を
見ないほど積極的な姿勢を持っていました。 そして最後に、 父は自
然との関わりを大事にすることを基本とし、 限られた天然資源は人間
が守っていかなくてはならないと意識していました。 エコロジストと
いう言葉が生まれるはるか前から、 父はエコロジストでした。」
www.zegnagroup.it
Ermenegildo Zegna – The founder
CURIOSITY
エルメネジルド・ゼニアは、名前を
確立してその名を真のブランドに
変えるためには広告が重要である
ことを、 直ちに悟りました。 エル
メネジルド ゼニアは、 イタリアで
電車広告を使った最初の企業で
す。
歴史 / 発展
創業者の息子であるアンジェロとアルドは、 すぐに父親から事
業の秘訣を教わりました。 二人は、 勉学の傍ら、 若い頃から
事業に参加しました。 1960 年代 に入ると、 二人は徐々に父親
からラニフィーチョ エルメネジルド ゼニア(ゼニアの服地工
場)の経営を引き継ぎました。 に入ると、 二人は徐々に父親か
らラニフィーチョ エルメネジルド ゼニア(ゼニアの服地工場)
の経営を引き継ぎました。
ゼニア第 3 世代の時代に、 会社の完全な垂直統合が完了しまし
た − プレタポルテ(既製服)コレクションとパターンオー
ダー事業が開始され、 生産と販売が国際化され、 ミラノとパリ
に最初の単独ブランドショップがオープン しました。
1968 年アンジェロとアルドはイタリアのノヴァラに工場を開
き、 スリーブ(コート、スーツ、ジャケット、シャツなど)と
パンツのコレクションを生産しました。 事業は、 ファブリック
の高い信頼性によって直ちに大きな成功を収めました。 二人は
すぐに海外への事業拡大に着手します。 まずスペインとスイス
に、その後は世界中へ進出しました。 一方で、 二人はアクセサ
リーとスポーツウェアを新たに展開して製品の多角化を行いま
した。 また 1972 年にパターンオーダー事業を開始 しました。
アルドとアンジェロは父の志を継ぎ、 イタリアアルプス山麓
に、 トリヴェロとビエルモンテを結ぶ長さ 14 キロメートルの景
観道路「 パノラミカ ゼニア 」の建設を完了させました。 従業
員の福利厚生の重要性を理解していた二人は、 1963 年に住宅地
を建設し、 1965 年にビエルモンテにもうひとつの住宅地ととも
にスキーリゾートを建設しました。
www.zegnagroup.it
“Style and innovation for strong,
distinctive identity"
Aldo and Angelo Zegna
at Pitti Uomo, 1986
CURIOSITY
第二次大戦という困難な時期におい
ても、 ゼニアのファブリックの名声
は上がり続けました。 実際に、 高
品質のファブリックのおかげで、
テーラーはスーツのファブリックを
裏返して仕立て直すことができまし
た。 顧客のワードローブの古いスー
ツが「第二の人生」を与えられ、 新
しいスーツに生まれかわることが可
能になったのでした。
歴史 / 発展
エルメネジルドの教えを受け継ぎ、 アンジェロとアルド・ゼニアも
また、エルメネジルド(通称ジルド)、 パオロ、 アンナ、 ベネ
デッタ、 ラウラ、 レナータ が事業に参加し、 ゼニアグループの経
営陣の一員として成長していく道を支援しました。 現在の世代はゼ
ニアの世界展開を加速させています。
1990 年代の終わりに、 垂直統合、 明敏な多角化、 ブランド拡大お
よびライセンシングの包括的な戦略を実行し、 アパレルからアクセ
サリーまでを展開するグローバル ラグジュアリー ブランドを作り
上げました。 ゼニアは小売事業に注力しており、 新興のラグジュアリー市場、 特
に BRICs 諸国(ブラジル、 ロシア、 インド、 中国)にいち早く進
出し先駆者でした。 ゼニアは中国に直営店を出店した最初のラグ
ジュアリー ブランドでした(1991 年北京に出店)。 現在 70 以上の
店舗を出店している中国は、 ゼニアブランドにとって世界最大の市
場となっています。 現在、80 を超える国と地域で 555 店舗がエルメネジルド ゼニア
を取り扱っています。 そのうち 311 店舗が直営店です。
2002 年、 ゼニアは高級レザーアパレル企業の「ロンギ」ブランドを
取得しました。 同年後半には、 シューズ&レザーアクセサリービジ
ネスの世界展開のためにサルヴァトーレ・フェラガモ社との合弁会
社「ゼフェル」を設立しました。
2003 年に「イヴ・サンローラン・ボーテ」社の販売による最初の
エルメネジルド ゼニアのフレグランス エッセンツァ・ ディ・ ゼニア
を発売し、 ブランドの多角化を更に推進しました。 その後、ジー
ゼニアや最近発売したゼニア コロニアを含む 3 種類のフレグランス
がラインに加わりました。 また、 イタリアのアイウェアブランド「デ・リーゴ」社とのライセ
ンス契約により、 2004 年にサングラスとメガネフレームの最初のコ
レクションが発表され、 エルメネジルド ゼニア アイウエア が実現
しました。 2006 年には、 ぺロフィル社がライセンス製造・販売す
る エルメネジルド ゼニア アンダーウェアコレクション が発表され
ました。
建築とデザインは、 ブランド拡大の重要な柱となっています。 それ
を主導するのが、 2007 年に著名な建築家ピーター・マリノによって
制作された初の グローバル ストアの デザインコンセプトです。 以
来、ミラノ、ニューヨーク、 新宿、ドバイ、 香港のグローバルスト
アがオープンし、 2010 年後半にはリッポープラザ(上海)とラスベ
ガスに出店が予定されています
同年(2007 年)、 建築家アントニオ・チッテリオのデザインによ
る 8000 平方メートルのミラノの本社社屋がオープンしました。 ゼニ
アの抑制のきいたエレガンスとクラシックモダンが融合した建物
は、 グループのグローバルショールーム、 製品開発、 店舗計画、
営業、 マーケティングの各部門が入っています。
2008 年には エルメネジルド ゼニア と とジー ゼニア によるミラノ
ファッション ウィーク ショーがスタートしました。 スタイル、 卓
越性、 品質、 伝統に、 今日の多様なゼニアの顧客が持つ洗練され
た、 コスモポリタンなテイストを組み合わせることにより、 さら
に豊かになった「ゼニアスタイル」の世界を表現しています
これらの戦略がひとつになって、 ゼニアの歴史の次の章への礎が作
られていきます。
第 4 世代の目標の一つは、 創業者の理念から生まれた価値観を受け
継いでいくことです。 その価値観は、ゼニアファミリーに限らずゼ
ニアグループで働く一人ひとりの文化遺産になっています
「品質は、 環境と地域社会に対して敬意をともなう『美しさの文
化』が存在する場所でのみ向上する」という考えを受け継いでいく
務めは、 2000 年に創設された ゼニア財団 と、 1993 年の オアジ ゼ
ニア(ゼニアのオアシス) の設立によって推進されています。
www.zegnagroup.it
「我々のミッションは、 将来を見据
えてゼニアの伝統を活かすことで
す。 」 ジルド&パオロ・ゼニア
Gildo and Paolo Zegna
Gildo and Paolo Zegna