オレオサイエンス 第 14 巻第 4 号(2014) 139 巻 頭 言 日本油化学会の国際交流活動に ついて 日本油化学会 国際交流委員会 委員長 妻 鳥 正 樹 2013 年 4 月に前任者の北本大副会長(産業技術総合 研究所)より,国際交流委員会委員長(理事)を引き継 ぎました。国際交流活動を活発に進め,日本油化学会の 更なる国際化に貢献したいと思っております。どうぞよ ろしくお願い申し上げます。 本年度の国際交流活動としては,まず,本年 5 月 4 日 ~7 日にアメリカ テキサス州 サンアントニオで開催さ れます第 105 回 AOCS(American Oil Chemists’Society:アメリカ油化学会)Annual Meeting & Expo にお いて,AOCS-JOCS ジョイントミーティングを開催致し ます。私が AOCS の a member of the governing board (2011 年 5 月就任)であることもあり,今回のジョイン トミーティングの JOCS 側の代表を務めています。 ジョイントミーティングは,双方の学会の活性化と友 好,そして研究者同士が直接議論を交わし,またネット ワークをつくる場として,1972 年ロスアンジェルスに て第 1 回目が開催されました。その後,7 年に一度開催 されており,今回が第 7 回目になります。7 年間の中間 年では小規模のジョイントシンポジウムを開催してお り,2012 年 9 月に佐世保で開催された World Congress on Oleo Science(WCOS2012) に お い て,Surfactants and Detergents ディビジョンのジョインセッションを 開催しましたが,これは中間年のジョイントシンポジウ ムに相当します。 今回のジョイントミーティングでは,11 ディビジョ ンのうち, Analytical (北海道大学 板橋 豊先生) Biotechnology (大阪市工研 永尾寿浩先生) Edible Applications (北海道大学 細川雅史先生) Health and Nutrition (西九州大学 柳田晃良先生) Protein and Co-Products (日本大学 熊谷日登美先生) Surfactants and Detergents (花王(株) 妻鳥正樹) (かっこ内は各ディビジョンの日本側の世話人) の 6 つのディビジョンでジョイントセッションを開催し ます。日本からは 40 件を超える口頭発表が申し込まれ ており,活発な議論が期待されます。各ディビジョンの プログラムを作成していただいた世話人の先生方に厚く 御礼申し上げます。参加登録の受付けは既に始まってお り,JOCS 会員には参加登録料の割引がありますので, 私あて(e-mail:[email protected]) ,または 日本油化学会 事務局(担当:清宮,e-mail:yukagaku@ jocs-office.or.jp)にお問い合わせください。学会開催期 間中には,ジョイントセッションにご参加された方によ る交流会 (5 月 6 日午後 6 時~7 時半を予定) が計画され, またこの他にも,多くのイベントが企画されており,国 際交流,ネットワークづくりの場として大いに役立つと 思います。日本からの多くの方々のご参加をお待ちして います。 また,本年 9 月には JOCS 主催の第 1 回のアジアオレ オサイエンス会議(ACOS2014)がホテルロイトン札幌 にて開催されます。本会議の詳細については実行委員長 の宮下先生(北海道大学教授)が本誌 3 号の巻頭言で案 内されていますので,ご参照ください。 更 に, 本 年 10 月 に は World Conference on Fabric and Home Care(Montruex2014)がスイスのモントルー で開催されます。この会議は AOCS が主催して 1976 年 に始まり,1998 年以降は 4 年に一度,毎回モントルー で開催され,今回で第 8 回目を迎えます。2012 年から はその中間年にシンガポールでも開催されるようにな り,2012 年からはモントルーとシンガポールにおいて 交互に 2 年に一度開催されることになります。JOCS は Co-Sponsor として,また私個人は Executive Program Committee のメンバーとして参画しています。今年の 会議のメインテーマは‘Creating Value in the New Reality’となっており,基調講演では,花王(株)社長 澤田道隆氏,ライオン(株)社長 濱逸夫氏,更に Henkel 社,Novozymes 社,BASF 社,S. C. Johnson & Son 社から 6 人の CEO(最高経営責任者)の方々がご登壇 される予定です。会議では技術の話題以外にも,新しい ビジネスモデル,あるいは我々の業界全体として取り組 まなくてはならない社会的課題など幅広いテーマについ て議論されます。 最後に AOCS の活動について少し紹介させていただ きます。AOCS は 1909 年に設立され,現在,会員の半 数以上は海外会員(アメリカ以外)で構成され,ボード にも私を含めて複数の海外メンバーが含まれており,非 常に国際化の進んだ団体です。団体名には設立当時の ‘American’が付いていますが,活動はグローバルに行っ ています。 JOCS も更なる国際化が必要であり,宮澤会長が本誌 2013 年 6 月号の巻頭言でも触れられていますように, まず「アジアの中の JOCS」を意識し,強いリーダーシッ プを発揮して,アジア諸外国からの信頼を獲得すること が必要だと思います。先に触れましたアジアオレオサイ エンス会議の開催もそのための活動の 1 つであり,また 昨年度からは,アジア海外会員およびアジア海外学生会 員を設置し,海外会員を増やす活動も始めています。 今後も国際交流委員会のメンバーの方々と協力して, JOCS の国際交流を更に積極的に進めていきたいと思っ ております。皆さまのご支援,ご協力の程,どうぞよろ しくお願い申し上げます。 (花王株式会社 研究開発部門 研究主幹,コーポレー トコミュニケーション部門 花王エコラボミュージアム 館長) ― 1 ―
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