2004/ 6/ 2 鉄筋コンクリートはりの実験 夏学期 材料演習(野口) 冬学期 構造演習(塩原) ■ 概要 鉄筋コンクリート構造物は現在の建築構造の代表的なものであり、引張強度と靭性に富む鉄 筋と圧縮強度が高いコンクリートの2種の材料の特性を生かして組み合わせて使用されている。 鉄筋コンクリート部材の破壊は、部材に作用する応力の大きさと組み合わせ、部材の形状・ 寸法・配筋・材料の性質などによって異なる。大地震の後に鉄筋コンクリートの柱やはりなど に見られる破壊形式としては、変形性能に富む曲げ破壊と比較的粘りのないせん断破壊に大別 できる。 本演習では、各班2体ずつのはり試験体を作製し、これらの試験体に対する破壊試験によっ て、コンクリートの引張ひび割れと圧縮破壊、鉄筋の降伏などを観察し、試験体が曲げ破壊、 あるいはせん断破壊する現象を体験することを目的とする。 ■ 班分け 班 学生証番号 試験体(パラメータ) A・B 40051〜40083 A1・A2(主筋の降伏強度) C・D 40084〜40113、その他 B1・B2(あばら筋の間隔) ■ 日程 夏学期 夏学期 夏学期 冬学期 2004/ 6/ 2 :型枠・鉄筋の組立て 2003/ 6/16 :コンクリートの打込み :型枠の脱型 日時未定 :はりの破壊試験 ■ 報告書の作成 □ 試験体作成作業レポート 自分が作業した内容と、感想を書いて提出する(A4 1枚程度) 提出:2004年6月9日(次回演習時) □ 破壊実験レポート 報告書は班毎に自分たちが参加した試験体について作成する。その中には、①実験の目的、 ②試験体の製作、③コンクリートの配合、④材料の特性(コンクリートと鉄筋) 、⑤実験方法(加 力方法と支持方法、計測方法)、⑥実験経過と結果(ひび割れの進展とその時の荷重、荷重と変 形関係)、⑦耐力の予測計算結果、実験結果との比較、⑧考察、⑨各人の感想(3〜5行程度) と作業内容、などを盛り込む。 提出:冬学期 はりの破壊試験 終了後 ■ 試験体および作製要領 → 別紙 鉄筋コンクリート梁の試験体作成 作業要領 2004/ 6/ 2 塩原研究室 ■ 型枠の組み立て ① 鋼製の型枠を組み立てる。 ② 型枠の内側に剥離剤を塗る。 ③ D13の鉄筋を折り曲げ機を用いて180度に折り曲げ、つりフックを作成する。 ■ 鉄筋かごの組み立て □ 鉄筋かごの組み立ておよび結束 ① 主筋のあばら筋位置にマークをする。 ② 上端主筋3本を組み立て台に並べる。 ③ 加工されたあばら筋を、端から順に所定の位置に引っ掛ける。 ④ ハッカーを用いて結束線で固定する。(あらかじめ練習しておく。) → 結束する際には主筋とあばら筋が密着するように、主筋を引っ張りながら行う。 → あばら筋のフックの位置は1箇所に固まらないよう、8の字を描くようにする。 ⑤ ④で出来上がった鉄筋かごに、下端主筋2本(隅筋)を通す。 ⑥ ハッカーを用いて結束線で下端主筋とあばら筋を固定する。 ⑦ ひずみゲージを貼付した下端中筋を通す。 (歪ゲージのリード線に注意する。) ⑧ リード線は主筋に沿って軽く束ねておき、あばら筋の内側に通す。 ⑨ ハッカーを用いて結束線で主筋の所定の位置であばら筋を固定する。 (リード線をはさまないよ うに注意する) □ リード線の処理 ① 各リード線は、まず主筋に沿って横にはわせ、一番近いあばら筋のところから、あばら筋に沿 って縦にはわせ1/3くらいの高さまであげる。 ② 横方向にあばら筋と交差させながら西端までもっていく。(リード線は西端の上面からだす。) → 適宜、主筋・あばら筋にくくりつける。 → 東側(番号が若い方)から順に処理し、最終的には一つの束にする。 ③ 試験体から外にだしたリード線は、丸めてビニル袋にいれ、袋の口をビニルテープで閉じる。 □ スペーサーの取り付け ① 上端および下端の中主筋の折り曲げ定着部にスペーサー(大)を、結束線で取り付ける。(合計4 箇所) ② 中央から360 mm の位置のあばら筋の底面側および側面側(高さ方向中央よりやや上)にスペー サー(小)を取り付ける(合計6箇所) ■ あばら筋の折り曲げ加工 ① 4φの鉄筋を長さ665mmにワイヤカッターを用いて切断する。(2mのものから3本作成する) ② 成形台を用いて所定の形状に折り曲げる。 ■ ひずみゲージ貼り ① ひずみゲージ貼り付け位置をマークする。 (主筋の全周に線をひく) ② マークした箇所の鉄筋のゲージ貼り付け面の節をやすりでけずり、サンドペーペーで磨く。 ③ ひずみゲージを貼る。 (②の作業が全貼り付け箇所について終了後いっせいに作業する) → リード線が東側にでるように貼る。 → 接着が不十分であった場合、新しいゲージを貼り直す。 ④ リード線を布テープで仮止めし、パラフィンワックスを塗る。 ⑤ リード線の先端にビニルテープで番号札をつける。(ゲージを貼った人の名前も書く) ⑥ 反対側のゲージを貼り、パラフィンワックスを塗る。 ⑦ 両面のゲージのリード線を折り返す。 ⑧ 自己融着テープで2次コーディングをし、最後にビニルテープを巻きつける。 ⑨ リード線は少しだけ解き、リード線の先端のかたまり主筋の西側に縛り付ける。 ※ ゲージ貼り作業の詳細は説明カードをよく読むこと。 《試験体製作手順》 各班:約30人,試験体2体 4人×2体 型枠の組立て 7人×2体 4人×2体 主筋の折曲げ加工 全員 あばら筋の折曲げ加工 主筋のひずみゲージ貼り 組立式鋼製型枠を完成させる。 5本の主筋を折り曲げ加工する。 あばら筋4φを折曲げ治具を用い 1本の主筋の所定位置に、測定用の 型枠の内側に剥離剤を塗る。 あばら筋取付け位置をマークする。 て必要な本数を成形する。 ひずみゲージを貼る。 以下の3つのグループに分けて順に行う。 第1群:学生証番号の末尾0,3,5,8 吊り治具の作製 鉄筋かごの組立て(1) 試験体A1・B1用の主筋 第2群:学生証番号の末尾1,4,6,9 試験体の運搬のための吊りフック 主筋5本の所定位置にあばら筋を 作製し、打設時に埋め込んでおく。 針金とハッカーを用いて固定する。 鉄筋かごの組立て(2) ひずみゲージを貼った残る1本の 主筋を鉄筋かごに挿入し固定する。 鉄筋かごの型枠への固定 組立てた鉄筋を型枠へセットする。 歪みゲージのリード線を処理する。 コンクリート打設 脱型 全員 全員 試験体A2・B2用の主筋 第3群:学生証番号の末尾2,7 鉄筋引張試験用供試体
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