取扱説明書 (PDF

Ferret D フロントパネルコントロール
Input Signal(入力信号)
:
信号を感知すると、SIG LED が点灯します(フルスケールか
ら-40dB)。信号がクリップする -1/2 dB で CLIP LED が点灯
します。
BYPASS(バイパス):
Ferret D をバイパスするには、LED が点滅から点灯の状態に
変わるまで、リセット ボタンを押し続けます。これによっ
て、全てのフィードバック フィルタがバイパスされます。
バイパスを行う時に、フィードバックが生じることがありま
すので、ご注意ください。
RESET(リセット):
リセット ボタンには 2 つのステージがあります。リセット
ボタンを押し続けると、全てのフィルタ LED は点滅します。
まず、フィルタ 9ー16(ダイナミック)がクリアされ、LED
が消灯します。ここでボタンを離すと、スタティック フィ
ルタ(1−8)は現在の状態を維持します。続けてリセット ボ
タンを押し続けると、残りのフィルタ 1−8(スタティック)
がクリアされます。
NOTCH WIDE(ノッチ ワイド)
:
このボタンを押すと、各フィルタの影響する周波数帯域が広
がります。ワイド機能が動作すると、LED が点灯します(注:
ピッチまたは周波数の周囲にフィードバックが生じるため、
必ずしも 1 つのピッチに設定する必要はありません。この機
能を実行することによって、Ferret D は各フィルタが影響す
る周波数範囲を広げ、少ないフィルタで同じ効果を得ること
ができます)。
PANIC MODE(パニック モード):
突然、生じる極端なフィードバックを素早く制御する特殊な
パニック フィルタです。パニック フィルタは、通常の操作
モード(NORMAL)において有効となります。パニック フ
ィルタが有効の場合、LED は点灯します。
MODE(モード)
:
モード スイッチを押して、SETUP モードと PRESET モー
ドを切り替えます。SETUP モードに入っている場合 LED は
オンとなり、PRESET モードの場合はオフとなります。
PRESET MODE(プリセットモード、LED がオン):
1−4 と書かれている 4 つのボタンは、Ferret D の設定を保
存、呼び出します。設定を保存する場合、希望するプリセッ
ト ボタンが点滅から点灯に変わるまで押し続けます。保存
されたプリセットを呼び出すには、そのプリセット ボタン
を押します。
注:リアパネルにある起動時の呼出しスイッチを使用すると、
Ferret D の電源が入ると、自動的にプリセット 1 を呼び出す
ように設定することができます。
SETUP MODE(セットアップモード、LED がオフ):
このモードでは、4 つの機能ボタンがあり、それぞれが独立
の機能が動作します(フロントパネルに表示されます)。
NORMAL/FILTER LEARN(通常/固定フィルタ学習モード)
:
固定フィルタ学習モードは、演奏が始まる前に固定のフィル
タを設定することによって、フィードバックを制御します。
ボタンを押すと、LED は点灯し、NORMAL(通常)モード
に入っていない状態を示します。
STEREO/MONO(ステレオ/モノ):
このボタンは、Ferret D の操作モードにおいて、ステレオま
たはデュアル モノを選択します。ステレオ モードでは、
Ferret D はステレオ フィルタを構成し、左右両方のチャン
ネルに反応します。デュアル モノモードでは、Ferret D の
各チャンネルは単独にフィードバックを検知し、削除します。
デュアル モノモード時の、左/右チャンネル セレクタ ボタ
ンは、チャンネル間の表示と機能ボタンを切り換えます。
MONO VIEW LEFT/RIGHT(モノビュー左/右):
これらのボタンは、フロントパネルボタンとチャンネル間の
表示(デュアル モノモードの場合)を切り換えます。選択
されたチャンネルの LED は点灯します。
LOCK(ロック)
:
Ferret D の新規フィルタの設定を停止します。但し、定義さ
れたフィルタは保持されます。
FILTER(フィルタ):
Ferret D には、2 種類のフィルタがあります。フィルタ 1-8
はスタティック フィルタであり、常にダイナミックフィル
タの前に設定されなければなりません。これらのスタティッ
ク フィルタが定義されると、リセットされるまでそれぞれ
のステータスをロックし、保持します。一方、ダイナミック
フィルタ(9-16)は、入力の変化に伴って変化します(例:
ボリュームの変更など)。
POWER(電源オン):
AC 電源が供給され、パワースイッチをオンにすると、この
LED は点灯します。
Ferret D リアパネルコントロール
AC 電源
これは標準 IEC 電源コネクタです。メインコードをコンセン
トに挿す前に、ユニットに接続して下さい。
ヒューズ
1 Amp Slow-Blow
電源スイッチ
このスイッチは、内部パワーサプライに AC 主電源を供給し
ます。ユニットが正しく動作する場合、フロントパネルの
Power LED は点灯します。
フロントパネル無効スイッチ
フロントパネル無効スイッチを押すと、フロントにある全て
のボタンは無効となります。このスイッチは、既に行われた
システムのセットアップが偶発的に変更されることがない
ようにします。
POWER-UP RECALL(起動時の呼び出し)
起動時に、前回の最終設定を呼び出すか、プリセット 1 を呼
び出すかをこのボタンで決定します。
出力
1/4” TRS バランス オーディオ出力
(チップ=正、リング=負、スリーブ=アース)。
XLR バランス オーディオ出力
(ピン 1=アース、ピン 2=正、ピン 3=負)。
アンバランス出力(チップ=正、スリーブ=アース)
。
入力
XLR 及び 1/4” ジャック、1/4” TRS バランス オーディオ入
力(チップ=正、リング=負、スリーブ=アース)
。
XLR バランス オーディオ入力
(ピン 1=アース、ピン 2=正、ピン 3=負)。
アンバランス入力(チップ=正、スリーブ=アース)。
出力レベル
出力レベルを +4 dBu(定格)、+18 dBu(最大)
入力レベル
入力レベルを +4 dBu(定格)、+18 dBu(最大)
基本操作について
Ferret D を使用する場所
Ferret D はサウンド システムにおける、あらゆる場所に使用することができます。Ferret D を全てのマイクの入力イン
サートに挿入したり、ボーカルのサブグループの出力に接続したりして、複数のマイクを同時に処理することができます。
よくある使用例として、Ferret D をパワーアンプの入力とミキサーの出力間に使用します(需要に応じてメイン出力また
はモニタ出力)。また、Ferret D を単一チャンネルのインサートに置いて、マイクまたは楽器からのフィードバックを削除
することができます。Ferret D が特定のセットアップにおける問題の周波数を検出すると、フィルタ設定のグループを呼
び出しボタン(4 つのうちの 1 つ)に保存することができます。
動作について
Ferret D に搭載された 16 個のデジタル ノッチ フィルタのデュアル セットには、洗練されたアルゴリズムが含まれ、音
調を消さずにフィードバックを検出、削除することができます。Ferret D には、2 セットのフィルタがあります、即ち、
スタティクとダイナミック フィルタです。フィルタ 1-8 はスタティック フィルタであり、常にダイナミックフィルタの
前に設定されなければなりません。これらのスタティック フィルタが定義されると、リセットまたはプリセットを選択す
るまでそれぞれのステータスをロックし、保持します。一方、ダイナミック フィルタ(9-16)は、入力の変化に伴って変
化します。フィルタ LED が点滅しているロックされていない状態の全てのフィルタ(スタティクまたはダイナミック)は、
徐々にフラット(0 dB)に戻り、使用可能となります。
Ferret D はフィードバックを起こす周波数を検出すると、フィルタを適用させます(フィルタ 1 から始まる)。このフィル
タは、フィードバック周波数の中心に配置され、フィードバックを削除する必要最低限のアッテネーションを適用します。
フィードバックが続く場合、フィルタの深さはフィードバックが消えるまで上昇します。フィードバックが一時的な場合、
Ferret D はフィルタを適用しますが、フラット(0 dB)になるまで徐々に戻ります(0.l0 dB 単位)。同じ周波数がフィー
ドバックを起こす場合、同じフィルタが適用されます。全てのフィードバックが消えるまで、フィルタを追加し続けます。
Ferret D が各有効なフィルタ(アンロック)を 0.10 dB 毎に戻す時に、モニタリングは動作し続けます。フィルタが 0 dB
に達すると、Ferret D はフィルタを使用可能な状態に戻ります。
セットアップについて
最高の結果を得るために、セットアップを比較的に静かな場所で行うことをお勧めします。これによって、Ferret D は一
次フィードバックの周波数を検知することができます。全ての部屋やセットアップには必ず問題の周波数が存在し、部屋
によって生成されるフィードバックは異なります。ここで重要なのは、セットアップ モード時、Ferret D はフィードバッ
クと音楽との区別を認識できないということです。セットアップ モード時に音楽を再生しても、Ferret D はフィードバッ
クを取り除くことはできません。
ステップ 1
チャンネルインサートではなく、ミキサーの出力から Ferret D に接続されていることを確認します。次に Normal/Fixed
Filter Learn LED が点灯し、固定フィルタ学習モードになっていることを確認し、マイクレベルを設定します。徐々にマ
スターレベルを上げていきます。この時、フィードバックが生じるとフィルタが検知、ロックを開始します。Ferret D の
16 個のフィルタが、左から右へ自動的に処理を行います。各フィルタは最初に点滅を始め、各周波数がロックすると点灯
の状態に変わります。
ステップ 2
必要なボリューム レベルに達するまで、マスターレベルを上げていきます。フィードバックが聞こえてくると、レベル調
整を一時、中断させ Ferret D がそのフィルタ調整を完了するまで待ちます。通常、Ferret D が動作する前にフィードバッ
クの前兆が聞こえるはずです。ほとんどのアプリケーションの場合、これによって充分なゲインを確保することができ、
後に使用可能なフィルタを保持することができます。全てまたは、ほとんどのフィルタ LED が点灯する場合、マスターレ
ベルを下げ、フィルタをリセットします。このような場合、リセット後にフロントパネルの Wide ボタンを押します。こ
れによって、各フィルタは広範囲の周波数に対して動作します。他の用途のために使用可能なフィルタを空けます。一般
的な部屋の場合、サウンドチェックのセットアップ時に必要のフィルタは 1−6 です(注:全て、またはほとんどのフィル
タ LED が点灯する場合は、悪条件の部屋、誤ったシステムセットアップまたはボリュームが過剰なレベルに達しているこ
とを意味します)。
ステップ 3
ユニットを NORMAL(通常)モードに切り換えます。これによって、自動的に Panic(パニック)モードになります。
これで、お持ちのシステムの準備は完了しました。設定内容に問題がなければ、プリセットボタン 1 を長押ししプリセッ
ト 1 番にセーブします。調整したフィルタが変更されないように、リアパネルの FRONTPANEL DISABLE スイッチを押し
てください。またプリセット 1 を通常のフィルタとして使用する場合は同じく、POWER-UP RECALL スイッチを押して
ください。
固定フィルタ学習モード(FILTER LEARN LED 点灯)のままご使用にならないでください。必ず通常モード(FILTER
LEARN LED 消灯)にしてからご使用ください。
注:Ferret D は優れたサウンドマンの代わりにはなれません。優れたパフォーマンスを示すサウンド システムを構成す
るには、まずマイク及びスピーカーを正しく配置することから始まります。
営業部プロ課
〒171-0043 東京都豊島区要町 2-19-6
TEL03-3530-6103 FAX03-3974-2448