筆者が石笛を吹くのは 心を鎮め気持ちよくなるためです その気持ちよさを

‐練習と演奏へのアドバイス‐
筆者が石笛を吹くのは
心を鎮め気持ちよくなるためです
その気持ちよさを鳥や獣や虫たち、山や空
目に見えない大きなもの、もちろんみなさんと
共有することを願って吹くのです
石笛奏者 守山 鷲声
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●はじめに●
石笛は 4500 年前の縄文時代の遺跡から出土する石の笛です。当時はシャーマンが儀式の時に吹い
たのでしょう。現在でも神社の神降ろしの神事や、浄霊のさいに吹かれることがあります。縄文の昔
から現在まで、神道の場で脈々と受け継がれてきたのでしょう。縄文時代、まだこの国にリズムもメ
ロディもないころ、どのような音色を奏でていたのでしょう。
石笛の音色には人間の耳には聞こえない高周波音が含まれています。この音は風やせせらぎの音、
鳥の声などの自然音にも含まれていて、聴く者をリラックスさせる効果があるそうです。ただ自然石
なので一つ一つ形が異なり音階を生み出す指穴もありません。その演奏にはフルートや尺八などの一
般的な笛の技術だけではなく、石の形に合わせて吹き方を変え、一つの穴で音階をコントロールする
石笛独特の技術も求められます。しかも一般の楽器とは違い、これまで演奏の参考書も存在しません
でした。ですから何かの機会に石笛の音色を聴いて演奏したいと思っても、独学で工夫をするしかな
かったのです。筆者は自然とかけ離れた生活をし、さまざまなストレスを抱え込む人たちに石笛を吹
いていただき、できれば自然の中で石笛の美しい音色を響かせ、人が自然の一部だった太古の昔に想
いをはせてほしいと願っています。
石笛は力任せに吹こうとするとシューシューとノイズが強くなり、お世辞にも「美しい」とはいえ
ない音色になります。そういう音色が石笛の音色だと思っている人も多いようです。ところが、しっ
かりと手順を守って練習すれば、心が洗われるような美しい音色を響かせることも難しくはありませ
ん。このテキストはストローやカセットコンロのふたなど、どこの家庭でも手に入る身近なものを使
って石笛の練習ができる内容になっています。また石笛を演奏する基本的なテクニックから即興演奏
の方法まで紹介、付属のCDでは実際の音も聴くことができます。みなさんが石笛を奏でる参考にな
れば幸いです。
石笛を「鳴らす」
「吹く」
「奏でる」
このテキストでは3ページ目が重要です。本当に「石笛を吹きたい」と願う方は、3ページ目の腹
式呼吸の修行を最低でも1週間は続け、どんな時でも深い腹式呼吸ができるようになって、4ページ
目にお進みください。3ページ目を軽視して先へ進んだ人は、いまのところ一人も吹けるようになっ
ていません。石笛(竹笛)の音を「何秒間維持できるか」持続時間を常に意識してください。
石笛を鳴らせる:持続時間は数秒間
いわゆる「縄文ホイッスル」
。コツさえ覚えればテキストも不要です。石笛の音色はノイズが強く、
やかましいです。守山には「石の悲鳴」にしか聞こえません。
石笛を吹ける :持続時間は 20 秒以上
石笛の音色にはノイズが少なくなります。気持ちにも余裕が生まれます。石笛を動かすなどして
音程を表現することもできるようになります。
石笛を奏でる :持続時間は 40 秒以上(吹きやすい石笛では 60 秒を越える場合も)
どんな音楽でも一流の演奏家に共通するのは「最弱音」の表現が卓越していることです。石笛でも
「最弱音」の音色は透明感があって倍音が美しく聞こえてきます。石笛の持つ最も美しい音色を引
き出す「石笛奏者」と言えるでしょう。
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●ストローをつかった腹式呼吸の練習(細い絹糸のような息をめざしましょう。毛糸はNGです。
)
笛を演奏する時は腹式呼吸で静かに息を押し出しています。ロウソクを吹き消す胸式呼吸で笛を吹
こうとすると、数秒で息が切れて酸欠になって演奏できません。腹式呼吸と胸式呼吸はまったく別な
呼吸法です。
腹式呼吸は下腹部にある丹田というツボをポンプのように使って、横隔膜で息を押し出す呼吸です。
唇の隙間を限界まで小さくすれば、自然に腹式呼吸になり決して酸欠になることはありません。谺堂
では誰でも腹式呼吸の感覚がつかめるストローを作っていますが、そういう特別な道具がなくても普
通のストローに爪楊枝を 5 本詰めれば、息が出にくくなって練習できます。
●息を2度吸うインターバル呼吸で時間を測る(ここで呼吸が乱れるようでは石笛は吹けません。
)
まず呼吸を楽にして心を鎮め、瞑想するようにリラックスしましょう。時計を見ながら大きく息を
吸って時間を測ります。すべての息を吐ききると呼吸が乱れるので、無理をしないで息を吸います。
慣れない人は少し呼吸が乱れる場合が多いので一度息を吐き、あらためて大きく息を吸って時間を測
ります。この2回息を吸う時間に「どうすれば秒数が伸びるか」しっかり考えて工夫しましょう。
①練習用ストローから息をできるだけ静かに出してみてください。さて何秒間息が続いたでしょう。
健康な成人男性で 50 秒近く。成人女性で 40 秒近くが平均です。
②ストローから息を思いっきり強く出してみてください。20~30 秒息が続いたはずです。酸欠にな
りましたか?なりませんね。息を通りにくくすると、何秒吹いても息がなくなりません。このとき体
のどこに力が入っているでしょう。おへその下です。ここが丹田というツボです。
③ストローをくわえて、息を強く吹いたり弱めたりを繰り返してください。丹田がポンプのように動
くのが感じられたでしょうか。その感覚が腹式呼吸になっている証拠です。
④今度はストローなしで息を出してみてください。唇に力をいれ、隙間を小さくします。隙間がスト
ローより小さくなれば、自然に腹式呼吸になっているはずです。腹式呼吸のコツは「肺活量」ではな
く「唇の絞り方」なのです。時計を見ながら 20 秒程度は息が続くように練習を重ねてください。こ
の練習なら車の運転中にもできますね。20 秒では初歩の初歩です。しっかり練習してください。
石笛の練習で挫折するのは、「強く吹く悪い癖」が簡単につくからです。腹式呼吸が未熟なままで
竹笛を吹くと、「吹こう」という意識が強すぎて瞬間的に「悪い癖」がつき 100%の確率で挫折しま
す。いったん「悪い癖」がついてしまうと、その「癖」を治すのに何年もかかる場合があります。
最初に静かで深い腹式呼吸をマスターして「呼吸の型」をゆるぎないものにします。その状態で音
が出れば石笛をマスターできます。ところが音が出ないと不安なので、どうしても「型」を崩して強
めに吹いてしまいます。そのぶん石笛を吹くのに時間がかかるのです。
神道で使われる石笛は「心を映す」笛です。なにより「欲」を嫌います。「吹きたい」気持ちも欲
なのです。「はやく吹きたい」などと考えるのは「挫折したい」と言っているのと同じです。心を鎮
めて呼吸を整え、音が出たら感動して石に感謝する気持ちを大事にしてください。正しい練習をすれ
ば3週間程度で石笛が吹けるようになります。それでも挫折する人のほうが圧倒的に多いです。
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●一升瓶で石笛の吹き方を理解する(CDと比較するために、かならず一升瓶を使ってください)
空の一升瓶を使って石笛の吹き方を練習できます。ワインのビンでもできますが、一升瓶の方がい
ろんな音が出て面白いです。普通「ビンを吹く」というと、ビンを立てて横から息を吹き降ろします。
そういう吹き方をすると、こんな音が出ます。
音源①:一升瓶を吹く
この音は胸式呼吸で出しています。
石笛の吹き方は、ビンを少し傾けて吹口を下唇でふさぎます。完全にふさいでしまうと息が入らな
いので隙間を少しあけ、息を細く強く吹き込みます。一息でどれくらい音が続くか聴いてください。
音源②:石笛の吹き方で
ガラス独特の音色になりました。息の強さを変えると音が変化します。「倍音」という音です。い
ろんな倍音を出してみましょう。
音源③:倍音を出す
今度は息の強弱やビンの傾きを変えて、一つの音に変化を加えます。
音源④:変化を加える
みなさんも一升瓶で遊んでみてください。石笛を「縄文のシャーマン風」に吹いて楽しむためには、
自由自在に音を変えて遊べる感性が必要です。けれども、いままでたくさんの人に笛を教えてきまし
たが、
「遊び方」を教えるのが一番難しいです。一升瓶で 10 分以上遊べる人は、石笛吹きになる才能
があります。
一升瓶で 20 秒近く音を維持でき、何種類かの音をコントロールできたら先に進んでください
●20 秒以上音が続かない人へ●
ストローや唇だけで腹式呼吸をすると 20 秒以上続くのに
「竹笛や石笛では 20 秒続かない」。
そういう人は「笛を吹くには肺活量が要る」という意識が強すぎる人です。まだまだ息が強
すぎます。音がかすれてもいいので 20 秒以上息を維持してください。そのうち音が出るよ
うになります。
自分が吹く音と CD の音を聞き比べてください。
(音源②⑤⑩⑱)CD では「シューシュー」
という耳障りな息のノイズが聞こえません。20 秒続かない人は、笛を持たずに唇を固めて「ノ
イズが出ないぎりぎりの強さ」で吹く練習をしてみてください。ある一定以上強く吹くとノ
イズが出ます。ノイズが出る直前の強さを確認して、その強さで笛を吹くようにしてくださ
い。
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●カセットコンロのボンベのふたで音程の変え方を理解する
石笛で童謡などの簡単な曲を演奏する練習は、カセットコンロのボンベのふたでできます。一升瓶
と違って持ち運びができるので、ちょっとしたかくし芸にもなります(宴会では一升瓶の方が受ける
と思いますが…)。ボンベのふたの底に穴があるものは指でふさいでください。石笛を使って、草笛
のように童謡などを演奏しようという方は、ボンベのふたの練習に時間をさいてください。
まず一升瓶で覚えた石笛の吹き方で音を出し続けてみます。
音源⑤:長く音を出す
プラスチックの質感がよくわかる音色です。石笛の吹き方は、ガラスからはガラスらしい音、プラ
スチックからはプラスチックらしい音が出ます。石でも種類によって音色が異なります。
次に音程を変えるテクニックを紹介します。音を低くする「メリ」と、高くする「カリ」です。こ
れが「メリハリ」という言葉の語源です。
①メリ
音を出しながら吹き口の中に下唇を押し込むと、音が低くなります。これが「メリ」です。細く正
確な息を出し続けるのが「メリ」のコツです。「メリ」で吹くと音が小さくなります。
音源⑥:メリで音程を変える
②カリ
今度は下唇の先端を浮かすようにします。これが「カリ」です。強く正確な息を出すのが「カリ」
のコツです。「カリ」で吹くとノイズが多くなります。
音源⑦:カリで音程を変える
メリカリを使って音階を出してみます。どこまで低い音が出せるかが、実力の見せ所です。
音源⑧:音階を出す
では音階を使って曲を演奏してみましょう。
音源⑨:演奏
ボンベのふたは1オクターブちょっとの音域があって、吹き口の直径と深さが音階を出すのに理想
的です。石笛とは比較にならないほど吹きやすいので、しっかり練習してコツをつかんでください。
♪ボンベのふたで演奏できる曲♪
高音域が出にくい曲は音域を低くして演奏します。メリの限界に挑戦してみてください。
赤とんぼ
岬
かあさんの歌
のうた
さんぽ
ばたさま
ー
アメージング・グレイス
案山子
しずかな湖畔の
ちいさい秋みつけた
春の小川
小焼け
かえるの合唱
春よ来い
ロンドン橋
アルプス一万尺
一年生になったら
かたつむり
ずいずいずっころばし
つき
ふるさと
われは海の子
手のひらを太陽に
ほたるの光
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うみ
クラリネットをこわしちゃった
荒城の月
線路はつづくよどこまでも
竹田の子守唄
とんび
もえろよもえろ
ほか
いぬのおまわりさん
にっぽん昔話
もみじ
桃太郎
七つの子
襟裳
トトロ
たな
走れコータロ
森のくまさん
夕焼け
●練習用竹笛を吹く
谺堂では石笛の練習用にオリジナルの竹笛を販売しています。平らな吹き口と斜めに切った吹き口
があり、3通りの音の出し方を練習できます。また正面からだけではなく、横向きに吹くことも可能
です。この竹笛は音色も石笛に近い「優れもの」です。ただボンベのふたより細いため、音階をコン
トロールしにくい場合があります。
まず平らな吹き口で音を出し続けてみます。ボンベのふたと同じ要領です。
音源⑩:平らな吹き口を吹く
冬の真夜中に暖房のない部屋で録音しましたので、思ったより続きませんでした。暖かい部屋だと
47 秒続きます。みなさんは 20 秒から 30 秒をめざして練習してください。
次に息の強弱を加えてみます。
音源⑪:息の強弱
石笛らしい音になりました。さらにメリカリを加えてみましょう。
音源⑫:メリカリを加える
音階も出せますが、ボンベのふたほどではありません。
音源⑬:音階を出す
石笛の中にも特定の音がかすれやすいものがあります。ちょうどこんな感じです。
次は斜めに切った吹き口を吹いてみます。息のぶつかるエッジが鋭角になる吹き方と、鈍角になる
吹き方ができ、音域が違います。まず鋭角の吹き方で。竹笛を横に寝かせて、尖った先を下あごに当
てて吹きます。
音源⑭:鋭角な吹き方で
鈍角になる吹き方は、竹笛を門松のように立てて静かに吹きます。
音源⑮:鈍角な吹き方で
斜めになった吹き口は、鋭角に吹くと鋭い音色になり、鈍角に吹くと穏やかで低い音色になります。
鈍角に吹くと強く吹くことができません。なぜこういう吹き方が必要かというと、実際の石笛でも吹
き口が斜めになっているものが多くあります。海岸で見つけても吹きにくいものは置いて帰るのです
が、貫通孔で音が出るものや非常に音色のいいものは話がちがってきます。石笛によっては、両手の
「持ち方」を絵に描いておかなければ演奏できないものさえありますが、その音色は二度と得られな
い美しさを持っています(石笛:桜香「ことはじめ」)。そういう石笛を演奏するために、さまざまな
吹き方を知っておく必要があるわけです。練習用の竹笛の3種類の吹き方をマスターできれば、大概
の石笛を吹くことができるでしょう。
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●横向きに吹く
石笛の穴を口の正面に当てて吹く吹き方は尺八の演奏法に近いので、多くの石笛奏者は石笛を正面
から吹いています。ところが穴を正面からずらして吹く吹き方もあるのです。平らな石の中央に穴が
あると正面からでは吹くことができません。ところが頬を石につけて横から吹くと、音を出すことが
可能になるのです。また横から吹く吹き方は「守備範囲」が広く、わずかなくぼみでも音を出すこと
ができます。ネットで縄文時代の石笛をいくつか見たことがありますが、中には正面からでは吹けな
いような形状のものもありました。また、ある神道関係者の石笛コレクションというのを目にしたこ
とがありますが、すべて正面からでは吹けない石笛でした。そういう横から吹く吹き方も練習用の竹
笛でできますので、興味のある方は挑戦してみてください。
横から吹く方法には2通りあるようです。①しっかり唇を固める吹き方と、②力を抜く吹き方です。
唇を固める吹き方は、口の中央から1センチほど穴をずらして、しっかりと唇を押し当てて鋭い息を
穴に入れます。この吹き方をマスターすると穴の小さな石笛も吹きやすくなり、高周波音が増えるた
め音色も石笛に近い美しい音色になります。
音源⑯:横から吹く
力を抜く吹き方は、
「洞窟の入り口に落とし穴がある」イメージです。石笛の穴を、正面から吹く
時より、少し横にずらします。まっすぐ前向きに吹いた息が、穴の上ぎりぎりを通過するように吹い
てください。息の音が聞き取れないくらい静かに吹くと、石笛が鳴りはじめます。吹いていて気持ち
の悪い吹き方ですが、音が出るので不思議です。この吹き方は守備範囲が広く、穴とはいえない小さ
なくぼみでも音が出ます。音色は非常に不安定です。慣れてくればしっかりした音も出せると思いま
すが、筆者自身まだ試行錯誤の最中です。
音源⑰:横から吹く②
●メリとカリ●
ピアノやギターなどでは音の高さを変えても音量は変わりません。フルートなどの高音域は、
低音域より響きが強くなりますが、吹き方で音量を調節できます。ところが石笛ではメリ(低
音域)は聴き取れないほど小さな音になり、カリ(高音域)にはブレスノイズが加わって荒々
25 )
25 の石笛〈蓮香〉も2オクターブ目のラまでの音
しく濁った音になります(音源⑧⑬○
。音源○
階を出すことは可能ですが、実際に演奏できる音域は上下を削って1オクターブ+ミ程度です。
●正確な音程と石笛らしさ●
ピアノは調律された音程しか出せません。オカリナなどの笛も、ある程度のコントロールは可
能ですが、正確な音程が出ます。ところが草笛や石笛では音程が無段階になっていて、演奏者
が音程を合わせなければなりません。正確な音程が求められる場合は、チューナーなどを使っ
て練習を積み重ねてください。けれども「正確な音程」だけで演奏すると石笛らしさが損なわ
れるような気がします。
「ド」から「レ」へ音を変える時も、キーボードのように「ド-・レ-」
とするより、「ド~レ~(青字はピアノに無い中間音)」と、ゆっくり音を高くしていく方が石
笛らしさが出るように思います。
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●石笛を吹く
では本物の石笛で演奏のテクニックをおさらいしてみましょう。音域が広くて演奏しやすい「蓮香」
と名づけた石笛を吹きます。まず長く吹き続けてみます。
音源⑱:石笛を長く吹く〈石笛:蓮香〉
続いて息の強弱を加えてみます。
音源⑲:息の強弱を加える
次はメリとカリです。石笛の演奏の基本技術となるメリ・カリですが、①最大限に時間をかけて音
程の変化を表現する、②比較的短く一拍程度、③素早く、④中間の音を表現しない…など、多彩な表
現が可能です。特に①では音色が微妙に変化して、石笛の魅力を発揮しやすい表現になります。
音源⑳:所要時間の異なるメリとカリ
一瞬うなずいて戻す音、一瞬しゃくりあげて戻す音、最後は強い息で音を切ります。
21 :その他の表現
音源○
石笛の演奏でぜひマスターしたいのが「装飾音」のテクニックです。吹き始めに大きくしゃくりあ
げて戻すのですが、単純でゆったりとした石笛の演奏に華を添える効果があります。演奏の冒頭に使
っても美しいですし、ゆったりした曲に挟むとパッと目が覚めるような曲になります。装飾音もしゃ
くりあげる程度によって印象が変わります。
22 :装飾音
音源○
鳥の声のように音を切ってみます。
23 :鳥の声
音源○
別な石笛でトンビの声を…。
24 :トンビ〈石笛:鳶〉
音源○
石笛で鳥の声を出すと、たくさんの鳥が鳴き返してくれます。自然の中で石笛を吹いて、耳を澄ま
してみてください。
次に音階を出してみます。ふたたび「蓮香」で…
25 :音階
音源○
吹きながら石を大きく揺らしたり、細かく震わせてみます。
26 :石を動かす
音源○
このように石笛の演奏にはさまざまなテクニックがあります。また「蓮香」は貫通孔の石笛なので
底部を指穴のように使って、ダイナミックに音程を変えることもできます。
27 :貫通孔の音
音源○
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●石笛を使った即興演奏
ピアノでは最大 10 個(それ以上?)の音を同時に出すことができます。ところが笛は一つだけ。
今出している音の次は①同じ音か、②高い音か、②低い音にしかなりません。この笛の特徴を活かし
て、適当に音をつないで即興演奏をすることができます。簡単なコツを紹介します。
●笛でしか表現できない日本の音と「笛心」
日本人の遺伝子に染みこんだ音があります。その音を聴くと世界のどこでもない「日本」を感じる
音の組み合わせです。そんな音が誰でも簡単に作って遊べます。では実験してみましょう。音程がわ
かりやすい横笛の「ド」と「レ」で日本情緒たっぷりのサウンドを作ってみます。
28 :ドレ~ドレ~〈横笛〉
音源○
たった 2 つの音、しかも 95%は「レ」の音です。ただ、
「レ」の音には聴き飽きないように変化を
加えています。はじめに短く「ド」の音を出して「レ」に移り、「レ」の音に飽きる直前に鼓を打つ
ように「ド」の音を挟みます。そうすることで「レ」の音が新鮮に聞こえるのです。2つの「ド」の
音は「レ」を聴かせるための装飾音です。音に変化のないキーボードで「ドレ~ドレ~」と演奏して
も、「日本」は感じませんし、すぐに聴き飽きてしまいます。尺八や石笛のように音程に微妙な変化
を加えることのできる笛ならではの作曲法です。
日本には律音階「ドレファソラ」という古い音階があって、多くの童謡が律音階で作られています。
律音階を利用すると短い「装飾音」と「変化を加えた長い音」の組み合わせで即興演奏を楽しめます。
長い音をどう変化させるのか、どのタイミングで装飾音をはさむのかはみなさんの笛心しだいです。
●音程を決める
みなさんが石笛を吹かれる時に「出しやすい音」があるはずです。今回はその音をドレミ音階の「レ」
だと考えてみましょう。一音下がれば「ド」です。この「ド」と「レ」だけで演奏してみましょう。
29 :練習曲「ことはじめ」
音源○
〈石笛:二代目桜香(一音石笛・音声加工あり)〉
この曲は「縄文シャーマン風」に作った「ことはじめ」という曲です。完成してみると最初の装飾
音と「ド」「レ」の音しか使っていません。「装飾音+レ~ド~レ~ド~」「レ~ド~レ~」です。ど
んな石笛でも吹けますので、皆さんも練習してみてください。
録音は貫通孔のある石笛「桜香(二代目)」の音色です。手前味噌になりますが、たくさんの音階
を使ってメロディを表現しなくても、これだけで充分な気がします。桜香のように「ただ鳴っている
だけで気持ちがいい」石笛を「一音石笛」と分類しています。一音石笛の音色を出すには 40 秒ほど
音を出し続ける腕前と、ゆっくりと音程を変えるテクニックが求められます。息を吹きすぎる人が吹
くと「シューシュー」いうノイズがかぶさって、音色の美しさは表現できません。そういう意味でも
「ことはじめ」は練習曲として奥が深い曲です。
-9-
●「律音階」と「四七(よな)抜き和音階」
律音階は日本古来の音階です。「ドレ~ドレ~」のように短い装飾音と長い音を組み合わせると「日
本っぽいサウンド」になります。尺八の音階をピアノのドレミで表現すると「レ」
「ファ」
「ソ」
「ラ」
「ド」となっています。
「レから始まる律音階」です。ですから「律音階は尺八の音階」ということ
もできます。
和音階にはもう一つ作り方があります。ドレミ音階から「ファ(4 番目)
」と「シ(7番目)」を抜
いた四七抜き和音階です。「ド」
「レ」
「ミ」「ソ」「ラ」になります。西洋音楽が入ってきた明治時代
に作られました。「ドレミ」を使うので、明るい印象の音階になります。一方、律音階はしっとりと
した印象の音階です。実はこの2種類の音階は同じ音階なのです。四七抜き和音階を「ソ」からはじ
めると「ソラドレミ」となって、律音階「ドレファソラ」とキーが違うだけなのがわかります。
●「律音階」を使った石笛のための簡単な曲作り
律音階(あるいは四七抜き和音階)は非常に作曲・即興演奏のしやすい音階です。例えば、「音を
変える時は絶対に隣の音に変える」という条件でも、簡単にメロディを作ることができます。
例)律音階の「レ」
「ファ」
「ソ」「ラ」の4音を使って、①ひとつ上の音へ移動
へ移動
②ひとつ下の音
③同じ音を繰り返す …という3通りの音の変化だけで簡単な曲を作ってみました。上下ど
ちらへも移動できる「ファ」の音からはじめてみます。石笛用の曲なので、一呼吸で1~3音しか使
っていません。まず横笛で演奏してみます。
最初はゆったり「ファ」
、次に「ファからソ」「ソからラに移ってソ」「ファ~レ~と下がる」
30 :
音源○
「ファ~」「ファ~ソ~」「ソラソ~」「ファ~レ~」〈横笛〉
こういう単調な音の変化では、音を高く変えると「ウキウキしたイメージ」、低く変えると「落ち
着いたイメージ」になります。演奏しながら「ちょっとウキウキさせたい」と思えば音を高く、「そ
ろそろ終わろう」と思えば低く変えるのです。
31 :
音源○
「ファソラ~」「ソ~ラ~」「ファ~レ~」「ファファ~レ~」〈横笛〉
ここまでゆったりと演奏してきました。後半はテンポアップしてメロディを繰り返しながら、末尾
を少し変えてみます(青字)
。「ファ~ファ~ソ~
ソラソ~ファ~ソ~」、最後は「ラからレ」まで
音のアップダウンを大きくしました。「ラソファ~ファ~レ~
ファソラ~
ファファレ~」最後を
「ファファレ~」とするために、
「ソ」を飛ばして「ラ」「ファ」と演奏してしまいました(青字)。
32 :後半のテンポアップ〈横笛〉
音源○
こうして作った曲を石笛で吹いてみました。もう少し息の強弱などを加えると石笛らしい味が出る
とは思いますが、横笛の演奏をなぞるように吹いています。
33 :石笛で演奏〈石笛:朧〉
音源○
律音階を使ってパターン通りに演奏してみました。律音階に縛られて隣の音にしか移らないと、地
味な「おっさんくさい」曲になることが多いので、皆さんは自由に音を選んでください。律音階を使
った作曲や即興演奏には「失敗」がありません。そこには①音を変えるタイミング ②ウキウキさせ
る
③落ち着かせる
④隣の音に移る
⑤ダイナミックに離れた音に移る
⑥装飾音を使う
という選択肢があるだけです。みなさんも気楽に作曲や即興演奏を楽しんでください。
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など
●「一音石笛」の吹き方
ホームページで詳しく紹介していますが、すべての楽器の音色は「基音」と「倍音」でできていま
す。「基音」というのは一番低い音。笛では1オクターブ目の音です。笛を強く吹くと2オクターブ
目や3オクターブ目の音に変化します。これが「倍音」です。「基音」と「倍音」はピアノやギター
などでも同時に出ています。笛で1オクターブ目を演奏していても「倍音」が混入するので「甘いツ
ヤのある音色」になります。2オクターブ目の音を演奏していても「基音」が混入しています。「基
音」が強すぎると、気味の悪い音色になります。男性と女性が同じ音程で歌っても、男女の声が聞き
分けられるのは「基音」と「倍音」のバランスが異なるからです。
石笛では穴が小さすぎて2オクターブ目の音を出すことはできません。ですから「基音」に混入して
いるわずかな「倍音」を注意深く聴きとってください。石笛を吹くと「ピュィィ~(基音)」という
音に混じって「リィィ~」とか「シィィ~」という高音が聴きとれます。息を極限まで抑えて静かに
吹くと倍音が強くなる音域があり、口角を横に広げるなど唇にわずかな変化を加えると、倍音が「ま
たたく」ように聴こえる石笛があります。息は一定ではありません。静かに吹くことで息の微妙な振
34 ○
35 )
29 ○
幅が倍音の変化として聴きとれるのです。こういう石笛が「一音石笛」です。
(参考:音源○
「一
音石笛」は素早く音程を変える演奏をすると、持ち味を発揮できません。
●石笛の音色いろいろ●
石笛の音色には「基音」
「倍音」のほかに「シューシュー」という「雑味(ノイズ)
」も混入してい
ます。石のきめが粗かったり、吹口が荒れていると「雑味」が強くなります。石笛の音色は石の質や
穴の形で「基音」
「倍音」
「雑味」のバランスが異なってきます。また音域も違います。
音域が高くて雑味の少ない石笛の音色はシャキッと目が覚めるようです。こういう石笛を「浄めの
石笛」と名づけています。やや音域が低くて倍音と雑味のバランスがいい石笛の音色は、心が落ち着
いて眠くなることさえあります。こういう石笛を「鎮めの石笛」と名づけています。音域にかかわら
ず雑味が強い石笛の音色は、荒波のような「そこのけそこのけ」の響きがします。こういう石笛を「払
いの石笛」と名づけています。払いの石笛でも、息を細めて抑え気味に吹いたり横から吹くと、少し
穏やかになって味のある音色になることもあります。石笛を何十個も吹き比べると、それぞれに合っ
た吹き方やメロディがあるように思います。みなさんも一つの固定観念にとらわれて石笛を力任せに
操るのではなく、石の声を聴くような気持ちで吹かれると、石笛も美しい音色を出してくれます。
●律音階と四七抜き和音階●
前のページで紹介した律音階の曲を四七抜き和音階で演奏すると、低い「ラ」と「ドレミ」を
使います。
「ド~」
「ド~レ~」
「レミレ~」
「ド~ラ~」
「ドレミ~」
「レ~ミ~」
「ド~ラ~」「ドドラ~」
「ド~ド~レ~」
「レミレ~ド~レ~」
「ミレド~ド~ラ~」
「ドレミ~」
「ドドラ~」
曲を作る時、律音階と四七抜き和音階の「イメージしやすい方」を使ってください。
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●石笛の演奏作法??
忙しい現代人に縄文人の心を取り戻していただくために、簡単な手順を紹介します。
①リラックスして呼吸を整えてください
筆者も突然「石笛を吹いて」といわれて吹くことがあります。道端で立って演奏すると中途半端
な演奏になることが多いです。いきなり道端で「本気」の演奏をするのも、どうかと思いますが、
みなさんが石笛を吹く時は、リラックスして呼吸を深くしてから演奏してみてください。驚くよ
うな音色が出ることがあります。そういう体験することで、石笛への理解が深まると思います。
②石笛をしっかり見つめます
石笛の穴をよく見ましょう。特に息の当たる部分「エッジ」は、しっかりと意識してください。
③口に当てて深呼吸します
口に当てて、すぐに演奏を開始するのではなく、深く息を吸い、ゆったりと吐き出します。この
間に心を鎮めます。あまり先を急ぐと縄文人になれません。
④深く息を吸い込んで演奏します
練習曲「ことはじめ」でもかまいませんし、好きな音を吹きながら、音を上げるか下げるか考え
て即興演奏をするのも楽しいです。
⑤音色を楽しむ
出だしの音の音色を楽しんだら、ゆっくり音程を変えてみましょう。音色が変化するはずです。
石笛によっては耳にビリビリくるような感覚を覚えたり、音が頭の上を舞うように聴こえる時が
あります。この音色の変化が石笛の醍醐味です。
⑥無音を味わう
少し息を残して吹き終わったら、息を吸います。この「無音」も重要な演奏の要素です。頭の中
で「五つ」数えてみてください。ゆったりと演奏した後は、いったん息を吐き、二呼吸目で演奏
を再開するくらいでもいいです。即興演奏している時は、ボ~ッと次の音を考えます。
⑦静かに演奏を終えます
「ことはじめ」や簡単な即興演奏は「失敗」がありません(たとえ失敗していても誰も気がつき
ません)
。途中で美しい音色が出ていれば 100 点満点です。失敗する時は「もっと格好よく吹こう」
など「欲」や「色気」を出した時が多いです。最初は気持ちがよかったのに、途中からもう一人
の自分がゴチャゴチャ言いはじめて音色に集中できなくなります。そういうことも経験しておい
てください。
石笛の演奏は、その場の「響き」に左右されます。コンサートホールのように響きの良い場所で
石笛を吹くと、出だしの音から「とんでもなく美しい音色」が出ます。吹いているだけで天に昇る
気持ちになるのですが、広い海岸などで吹くと「何でこんなに響かないんだ」と絶句します。その
たびに動揺して自身の未熟さを思い知るのですが、まぁ何事も経験だと割り切っています。
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●石笛の演奏例
最後に石笛の演奏を収録します。
34 :山の中で演奏〈石笛:栗丸(一音石笛)
音源○
〉
横から吹く石笛です。まだ横吹きに不慣れな頃の録音ですが、小鳥たちの「からみ」が絶品で、収
録させていただきました。最初は一音から、次第に音数を増やしています。石笛を吹き始めて、まだ
音が長く続かず、音程も少ししか変えられない人でも、こんな感じで石笛を楽しむことができます。
トンビやカラスが「いい味」を出しています。
みなさんもぜひ自然の中で吹いてみてください。雲が流れるのを見ながら、静かに音を出し始めま
す。「目の前の風景のBGM」になったつもりで音を奏でてみましょう。風が頬をなでたり鳥の声が
聴こえたら、心のおもむくままに音を変えていきます。そうしていると、絶妙なタイミングで目の前
を鳥が横切ったりすることがあります。その瞬間、自然と一体になったような幸福感を体験できます。
そういう体験をしたら、建物の中で吹くときも、雲の流れや風を想いだしながら吹いてみてください。
きっと自然に包まれているような気持ちになります。そういう時は演奏を聴いている人も、森の中に
いるような感じがするのではないでしょうか。石笛の音で自然が感じられるようになったら、つまら
ない技術なんて不要なのかもしれません。
35 :縄文シャーマン風?演奏〈石笛:№175(一音石笛)
音源○
〉
装飾音を使いながら石笛の音色や音域を確かめるような演奏をしています。
36 :メリカリの変化を多用した演奏「月の瀬」
音源○
〈石笛:月姫〉
満月の夜、淵には丸い月が映り、せせらぎには細く輝く光の帯が…。川面に映る月の光を、玉を追
う龍に見立てた古座川の月の瀬伝説。そんなイメージで遊んでみました。後半には同じフレーズでも
長い音(ピィィ~)の末尾に音を繰り返すこと(ピィィ~ピ)で、音数を増やしています。
37 :童謡の「うみ」をアレンジ「想い出の中の海」
音源○
〈石笛:蓮香〉
石笛をゆったり吹いていたら、聴いたことのあるメロディに…。でも何か変?
石笛の音は低音域は弱弱しく、高音域はノイズが加わり荒々しくなります。「アメイジング・グレ
イス」など高音域を長く伸ばす曲を演奏する時は、荒々しい音色になる一番高い音域を使わないよう
に低音域にスライドさせて演奏するほうが美しいです。石笛によって得意な曲があり、「蓮香」では
「うみ」
「かあさんの歌」
「ドナドナ」など静かでゆったりとした曲が得意です。楽譜通りに演奏して
もいいのですが、石笛独特の音色の変化を表現したくて最初はゆったりと、演奏に面白さを加えたく
てメロディも変えてみました。ラストは石笛らしい音の変化が活かせたように思います。
このように知っている曲の出だしの2音や3音をもとにメロディを組み立てたり、途中で別な音を
加えたりして曲を作ることもできます。
「想い出の中の海」は入浴中に口笛で作った曲です。
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●演奏した石笛ほか●
①和歌山の焼酎 藤白無限
ビンが美しく倍音も出やすく感じました。味も◎。
②和歌山のスーパー オークワのオリジナル商品。クラシモアのカセットボンベ。縁が痛くないです。
③谺堂オリジナルの練習用竹笛。1個 300 円。
④石笛蓮香:聴いていて心が安らぐ「鎮めの石笛」。目の粗い砂岩です。貫通孔で音域が広いです。
⑤石笛鳶:トンビと鳴き交わしたことも。フリマで展示中に大阪のオバチャンが勝手に吹いて口紅を
つけてしまいました。石笛に口紅は厳禁です(怒)。
⑥石笛桜香(二代目)
:非常に柔らかくキメの細かい泥岩製の一音石笛。華やかな音色が魅力。貫通
孔で音域も広いです。
⑦石笛朧:⑥の桜香と同じ石質?音域は狭いですが、鳥の声が絶品です。
⑧石笛栗丸:古座川の川原で拾った石笛。小石の混入した砂岩から、風化して泥になった小石が溶け
落ちて石笛になっています。拾っていなかったら、もう砂になっていたでしょう。強く吹くと雑味
が強く荒波のようにパワフルな「払いの石笛」です。
録音では鳥を驚かさないように抑え気味に吹いています。抑えて吹いた音色も抜群です。
⑨石笛№175:ムンクの…じゃなくて、この石笛の音色が一番初代桜香に近いです。ハッと目が覚め
る「浄めの石笛」です。
⑩石笛月姫:石笛の音色に「色」を感じることがあるのですが、この石笛は明るい月の色。月を想い
ながら吹くと気持ちよく吹けます。
「浄めの石笛」です。
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