発行 平成 13 年 8 月 22 日 NO.10 小栗キャップの ドクター 財産博士 ■□■ ㈱中央経営コンサルティング 岐阜市東金宝町1−17ムラセビル TEL 058−264−8858 FAX 058−264−8708 Q. 離婚をする場合の財産分与や慰謝料はどうなる? ■□■ A:離婚を検討するときには財産分与や慰謝料、子どもがいれば養育費など経済的なことについても話し合うこと になります。家庭裁判所における調停、審判での財産分与・慰謝料の平均は400万円程度で、9割は夫から妻に 対して支払われています。しかし裁判までいかない協議離婚なども含めると一時金・定期金のいずれも取得してい ない女性もかなり多いようです。 財 産 分 与 財産分与は婚姻期間中に二人で築いた財産を分けるものです。預貯金や家財道具、不動産など婚姻 期間中に築いた財産が対象なので、結婚前にそれぞれが持っていたものや、親から相続した財産、 片方が単独で使用する物は原則対象外となっています。夫婦での話し合いでまとまらない場合は裁 判所に申立てをします。財産分与の割合は一般に専業主婦の場合は3分の1程度、共稼ぎの場合は 半分程度にすることがあるようです。 養 育 費 養育費は子供を育てるために必要な資金の一部を離婚した相手に定期的に負担してもらうもので す。家庭裁判所の調停・審判では子供一人のケースで月2∼4万円程度ですが、子どもと別に暮ら す父親が、その経済力に応じて子供が満20歳になるまで毎月送金するという形が多いようです。 養育費の支払いが滞る場合もあるので、公正証書をとっておく方が安全です。 慰 謝 料 慰謝料は相手側の有責行為によって離婚をやむなくされることによる精神的苦痛に対する損害賠償 です。金額は離婚に到る原因と有責割合や共有財産の額、婚姻期間中の同居期間や別居期間などを 考慮して決められます。慰謝料は財産分与とは別なものですが、財産分与に慰謝料を含める場合も あるようです。 ■□■ もうちょっと詳しく教えて! ■□■ では、 『財産分与』についてもう少し詳しく見てみましょう。財産分与というのは、婚姻中にお互いが築いた財産を清算するこ とですが、法律的に財産分与が意味する範囲はたいへんに広く、法律的に認められている財産分与の性質は次のとおりです。 ◎ 清算的財産分与(婚姻中の共有財産、実質的共有財産の清算) 財産分与の中心になります。 ◎ 扶養的財産分与(離婚後の弱者に対する扶養) 離婚によって生活ができなくなる夫婦の一方の暮らしの維持。経済的に弱い立場にある配偶者が、自立をするまでの 援助として支給されるものです。清算的財産分与も慰謝料も請求できない、あるいはできたとしてもそれだけでは生活 できないときに、これを補うために請求できます。支払期限については3年程度といわれています。 ◎ 慰謝料的財産分与(離婚による慰謝料) 最高裁判所は財産分与に離婚による慰謝料を含めることができるとしています。財産分与に慰謝料が含まれて、精神 的な損害に対して十分に補てんがされている場合、配偶者の不貞行為などを理由として、別に慰謝料を請求することは できません。慰謝料的財産分与を含めて財産が分与されても、精神的苦痛に対して十分に補てんされたとはいえないと 認められる場合には、別に慰謝料の請求ができます。 ◎ 過去の婚姻費用の清算 多くは婚姻中に「婚姻費用分担請求」というかたちで処理されます。
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