平成28年度 No.10 平成28年6月16日 大麻東小学校 校長 ~ 品田 人体への影響は? 日本でもようやく話題になり始めたマイクロプラスチックの害 敏 ~ 昨年12月、アメリカではオバマ大統領が「マイクロビーズ除去海域法」に署名し、海をマイクロビ ーズ(マイクロプラスチック)による汚染から守る法律が制定されました。来年7月からマイクロプラ スチックを含むハミガキ剤などを製造中止に、2018 年6月には販売も全面禁止にするという内容です。 つぶつぶ入りハミガキ剤や洗顔料、デオドラント用品、シャンプーなど、生活用品に多用されている つぶつぶはスクラブと呼ばれ、材料は石油化学製品のポリエチレン、ポリスチレンなどのプラスチック 粒子です。チューブのつぶつぶハミガキ 1 本に、数万個のマイクロプラスチックが入っているといいま す。毎朝晩、つぶつぶハミガキ剤で歯を磨くと、大量のマイクロプラスチックが下水から河川や海へと 流れ込みます。海に流れたマイクロプラスチックを魚が食べると海の生態系に影響を及ぼす恐れがある と指摘されていますが、それだけでなくその魚を人間が食べれば人体がプラスチックに汚染されること になります。 東京農工大の高田秀重教授は、世界中の海を漂うプラスチックごみに有害な化学物質が付着している ことを、世界で初めて明らかにしました。海鳥を解剖して胃の中を調べた結果、脂肪から特定の有害物 質が検出されたと報告。 「一度人体に入ると、そこから有害物質が溶け出し、 脂肪や肝臓にたまり、健康に悪影響を及ぼす恐れが ある」と。 そもそもプラスチックは石油で作られており、固体 状になった油のようなものです。油に溶けやすい様々 な有害物質を吸着させるといいます。 以前は、つぶつぶの材料には種子や天然石などが使 われていました。天然素材で代替可能なのです。 右のようにマイクロプラスチックは様々な製品に利 用されています。日本の化学物質の規制は、いつも世 界に後れを取っています。成長過程にある子どもたち の健康を考えずにはいられません。 (参考:「見えない有害物質と子どもの健康講座」 雑誌「食べ物通信」2016・6 月号) 多用されるマイクロプラスチックの例
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