化学物質の自主管理基準 (第4.1版)

管理番号:NES-0NN152
化学物質の自主管理基準
(第4.1版)
初版制定
2004年
11月
17日
第4.1版制定
2008年
6月
30日
適用実施
2008年
7月
1日
並木精密宝石株式会社
目
次
1. はじめに
2. 適用範囲
3. 用語の定義
4. 化学物質の管理
5. 禁止物質の特例措置
6. お取引先様へのお願い事項
7. 制定及び改定
2
1. はじめに
本基準書は、並木精密宝石株式会社の製品を構成する材料・部品などに含まれる
化学物質及びその製造工程において、使用される化学物質について、許容値、猶予
期限などの扱いについて定め、並木精密宝石株式会社(以下当社とする)の自主管
理基準を明確にし、材料・部品などの調達に際して化学物質の管理を徹底すること
を目的とする。
今後、並木精密宝石株式会社では、本基準書に定める使用禁止物質を含有してい
る材料・部品などについて原則として購入しない方針です。
お取引先様におかれましては、既にホームページ上に公開しておりますグリーン
調達ガイドライン及び本基準書の趣旨をご理解頂き、今後とも弊社の環境保全活動
にご協力頂きますよう、お願いいたします。
2. 適用範囲
本基準書は、並木精密宝石株式会社グリーン調達ガイドラインに準ずる。
3. 用語の定義
(1)製品を構成する材料・部品など
当社が生産する製品を構成する材料・部品・副資材・電子部品、切削加工部品、
樹脂部品、プレス部品、接合材料、はんだ、ガラス、ファイバ芯線、線材、その他
の部品・材料・副資材・サービス部品・梱包材などをいう。
(2)含有
物質が意図的もしくは意図的でないかを問わず、製品を構成する材料・部品など
に添加、混入、又は付着することをいう。
(3)不純物
天然素材中に含有され工業材料としての精錬過程で技術的に除去しきれない物
質、又は合成反応の過程で生じ、技術的に除去しきれない物質をいう。
4. 化学物質の管理
(1)使用禁止物質の扱い
当社が生産する製品を構成する材料・部品などへの使用を禁止する物質をいい、
その扱いについては「禁止物質」、「管理物質」に区分して管理する。
(注意)
当社で定めた「使用禁止物質」、「管理物質」はグリーン調達調査共通化協議会(JGPSSI)・EIA・
EICTA の共同作成された「電気・電子機器製品に関する含有化学物質情報開示
ジョイント・
インダストリー・ガイドライン(JIG)」中のレベル A 及びレベル B に準じて決定した。
個々の化学物質についてはグリーン調達調査共通化協議会のホームページを御覧ください。
ホームページアドレス http://210.254.215.73/jeita_eps/green/greenTOP.html
3
「禁止物質」
2006年7月1日以降、EUで販売する電機・電子機器に使用を禁止する、い
わゆるRoHS指令で規制する特定有害物質及び当社が使用を禁止する物質で、含
有量調査を実施するとともに意図的添加による使用を禁止する物質である。材料中
に含まれ、精製等の技術手段によって除去しきれない物質についての許容値は以下
の表とする。
「禁止物質」の特定有害物質及び非含有とする許容値
禁止物質
許容値(*1)
主な測定対象
カドミウム及びそ 接点材料、表面処理、低融 <0.01%(100ppm)
の化合物
点はんだ
(* 1 )
対象範囲
不純物で左記含有量を超
、 メ ッ キ 浴 <0.0075%(75ppm) える場合は不可
(*2)
(液)、など。
プラスチック(ゴム含む)、 <0.0005%(5ppm)
塗料、インキ
全ての梱包材は重金属総量 <100ppm
カドミウム、水銀、六価クロム、
として
鉛の総重量で左記含有量
を超える場合は不可
鉛及びその化合物
はんだ、ろう付けはんだ、 <0.1%(1000ppm)
不純物で左記含有量を超
ゴム加硫促進剤、ゴム硬化 ポ リ 塩 化 ビ ニ ル える場合は不可
(PVC)電線の被覆
剤、メッキ浴(液)。
中の含有
<300ppm
無電解ニッケルメッキ、無 <1000ppm
電解金メッキ皮膜中の含有
プラスチック(ゴム含む)、 <0.01%(100ppm)
塗料、インキ
全ての梱包材は重金属総量 <100ppm
カドミウム,水銀、六価クロム、
として
鉛の総重量で左記含有量
を超える場合不可
水銀及びその化合 電極、水銀灯、水銀電池、 <0.1%(1000ppm)
不純物で左記含有量を超
物
える場合は不可
防腐剤、顔料、金属エッチ
ング、乾電池など。
全ての梱包材は重金属総量 <100ppm
カドミウム,水銀、六価クロム、
として
鉛の総重量で左記含有量
を超える場合は不可
六価クロム及びそ 顔料、触媒、メッキ、イン <0.1%(1000ppm)
不純物として 1000ppm を
の化合物
超える場合は不可
キ、防食防止、写真、防錆、
表面処理、塗料など。
全ての梱包材は重金属総量 <100ppm
カドミウム,水銀、六価クロム、
として
鉛の総重量で左記含有量
を超える場合は不可
4
PBB類
難燃剤など
<0.1%(1000ppm)
不純物として 1000ppm を
超える含有がある場合は
不可
PBDE類
難燃剤など
<0.1%(1000ppm)
(Deca BDE を含む)
不純物として 1000ppm を
超える含有がある場合は
不可
アスベスト類
摩擦材料、ガスケット、断 含有禁止
熱材など
特定フロン
洗浄剤、フロンガス、冷媒、 含有禁止
HCFC類
発泡剤など
HFC類
塩素系有機溶剤
洗浄剤など(トリクロロエ 含有禁止
チレン他)
有機スズ化合物
インキ、船底塗料、魚網防 含有禁止
(TBT・TPT 類)
腐剤など
放射性物質
特定アゾ化合物
顔料、染料、接着剤など
含有禁止
1000ppm 以下
含有禁止
特定アミンを形成する物質
は不可
マイレックス
樹脂、ゴム、塗料、紙、織 含有禁止
物など
ポ リ 塩 化 (PVC) 系 非接触 IC カード用機材など 含有禁止
不純物として 1000ppm を
化合物
超える含有がある場合は
不可
塩素化パラフィン 外筐(キャビネット)、プリ 含有禁止
但しポリ塩化ビニル
(CP)
(PVC)は別途禁止物質と
ント配線板
して取り扱う
ポリ塩化ビフェニ 旧式トランス、コンデンサ 含有禁止
ル(PCB)
ー油など
ポリ塩化ナフタレ 潤滑油、塗料、難燃剤、プ 含有禁止
ン(PCN)
ラ用安定剤
ポリ塩化ターフェ 電気絶縁媒体、塗料溶媒、 含有禁止
ニル(PCT)
熱媒体など
ホルムアルデヒド
パーチクルボード、木工製 含有禁止
品など(木工用途に限る)
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パーフルオロオクタンスルホン フォトリソグラフィー、金属メッキ、 含有禁止
最終製品形態が、
酸塩(PFOS)及び 洗浄、紙及び包装紙など
1.調剤に該当
その類縁化合物
重量比
0.005%以上含有
2.調剤以外
重量比
特定ベンゾトリア 紫外線防止剤、紫外線吸収 含有禁止
ゾール
剤など
酸化ベリリウム
合金、セラミックス材料
0.1%以上含有
CAS No.3846-71-7 が対象
含有禁止
(特殊用途で代替がないも
のを除く)
* 1:はんだでカドミウムの含有が 20ppm を超えるもの。
* 2:一部材料において対象閾値とする。詳細に関しては各事業体購買窓口へ
お問い合わせください。
注)許容量はあくまで不純物としての量であって意図的添加は禁止する。
(2)成形樹脂材のリサイクル使用の禁止
成形樹脂材のリサイクル使用は禁止します。
但し、「化学物質の自主管理基準」に定める管理基準値以下の場合はこの限
りではない。
(詳細に関しては各事業体購買まで問い合わせください。)
(3)適用除外品
【カドミウム及びその化合物】
1 EU指令76/769EEC規制改正版のEU指令91/769EEC規制
に基づき禁止された用途を除く電気接点とメッキ。
2 光学ガラス・フィルタガラス
3 ホウケイ酸ガラスへのエナメル塗布用印刷インクに含まれるカドミウム
【鉛及びその化合物】
1 CRT、電子部品、蛍光管に使用されるガラス
2 電子セラミック部品
3 鋼材合金成分としての0.35wt%までの鉛(快削鋼・亜鉛メッキなど)
4 銅材合金成分としての4wt%までの鉛(真鍮・りん青銅など)
5 アルミ材合金成分としての0.4wt%以下の鉛
6 高融点はんだの中の鉛(鉛を85%以上含む錫/鉛はんだ合金)
7 サーバ、ストレージ及びストレージ・アレイ・システム、交換、シグナリン
グ、伝送及び通信ネットワーク管理の為のネットワーク・インフラ機器用は
んだ
6
8 コンプライアントピン・コネクタ
9 熱伝導体モジュール C-リング用コーティング材
10 光学ガラス・フィルタガラス
11 80wt%以上、85wt%未満のピンとマイクロプロセッサーパッケージの接
合用の2種類以上の元素で構成されるはんだ
12 Flip Chip IC パッケージ内で半導体のダイとキャリヤー接合用のはんだ
13 鉛青銅製の軸受胴とブッシング
14 ケイ酸塩(silicatc)被覆されたバルブを有する直線状白熱ランプの鉛
15 プロフェショナル向け複写用途に使用される高輝度放電ランプ(HID)中の
光放射用媒体としてのハロゲン化鉛
16 ジアゾ複写印刷、リソグラフィー、SMS((Sr,Ba)2MgSi2O7:Pb)等に使用
される蛍光物質を含む光化学的硬化用特殊ランプ、BSP(BaSi2O5:Pb)に
代表される蛍光物質を含む放電ランプの蛍光粉体に存在する活性化材とし
ての鉛(重量にて1%以下の鉛)
17 超小型省エネルギーランプ(ESL)中に含まれる主成分アマルガムとしての
特定構成物中の PbBiSn-Hg 中の鉛及び補助成分アマルガムとしての PbSn-Hg
中の鉛
18 液晶ディスプレイ(LCD)に使用される薄型(平面)蛍光灯の前・後部基板
を結合するために使用されるガラス中の酸化鉛
19 ホウケイ酸ガラスへのエナメル塗布用印刷インクに含まれる鉛
20 光ファイバー通信システムに使用される RIG(希土類ガーネット)ファラデ
ー回転子の不純物として含有される鉛
21 0.65nm ピッチ以下の NiFe リードフレームを持つコネクタ以外の微細ピッチ
コンポーネットの仕上げ処理が施された部位に含まれる鉛並びに 0.65nm ピ
ッチ以下で銅フレームを持つコネクタ以外の微細ピッチコンポーネントの
仕上げ処理が施された部位に含まれる鉛剤に含まれる鉛
22 機械加工通し穴付き円盤状および平面アレーセラミック多層コンデンサへ
のはんだ付け用はんだに含まれる鉛
23 構造要素に用いられるプラズマ表示盤(PDP)および表面伝導電子エミッタ
表示盤(SED)に含まれる酸化鉛。特に、前後ガラス誘電体層、バッス電極、
ブラックストライプ、アドレス電極、バリアリブ、シールフリット、フリッ
トリング、及びプリントペーストに含まれる酸化鉛
24 ブラックライトブルー(BLB)ランプのガラス筺体に含まれる酸化鉛
25 高出力(125dB SPL 以上の音響パワーレベルで数時間作動すると規定されて
いる)スピーカに使用されるトランスデューサ用はんだとして用いられる鉛
合金
26 理事会指令 69/493/EEC の付属書Ⅰ(カテゴリ 1,2,3 及び 4)で定義されて
いるクリスタルガラスに含まれる鉛
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【水銀及びその化合物】
1 水銀が 1 本あたり 5mg を超えないコンパクト蛍光ランプ
2 水銀が各閾値を超えない一般照明用の直管形蛍光ランプ
3 特殊用途用の直管形蛍光ランプ
4 その他のランプ
【六価クロム及びその化合物】
1 吸収型冷蔵庫中のカーボン・スチール冷却システムの防錆用
【特定アゾ化合物】
1 皮革製品及び繊維製品であって、人体に持続的に触れない用途
(4)管理物質の扱い
当社の製品を構成する材料・部品などから可能な限り、削減すべき物質及び意図
的(特性維持に必要な場合、現時点で代替品がないもの等)に使用している物質で、
その含有量、部位、用途を把握し、適正に管理すべき物質をいう。
尚、今後の法規制及び社会情勢により禁止物質に変更する可能性があります。
詳細に関しては各事業体の購買窓口へお問い合わせください。
管理物質
「管理物質」の特定有害物質
主な用途
対象範囲
コバルト及びその化合物
合金、塗料、顔料など
アンチモン及びその化合物
難燃助剤、接着剤、はんだなど
1000ppm 以下
ニッケル及びその化合物
合金、メッキ、塗料など
1000ppm 以下
合金を除く
(例ステンレス)
セレン及びその化合物
半導体、塗料、感光体など
1000ppm 以下
ビスマス及びその化合物
半導体、はんだなど
1000ppm 以下
砒素及びその化合物
ガラス消泡材、顔料、半導体基板な 1000ppm 以下
ど
ベリリウム及びその化合物
合金、ガラス、研究用試薬など
1000ppm 以下
フタル酸エステル
接着剤、塗料、染料、インキなど
1000ppm 以下
臭素系難燃剤(PBB,PBDE は除く)
難燃剤
1000ppm 以下
パーフルオロオクタン酸(PFOA)
PFOS 類と同様の用途
*1
(酸化ベリリウムは除く)
*1:今回管理物質として定めた PFOA については、調査依頼時に使用している
JGPSSI 発行のフォーマット及び当該物質群が改訂・追加された時点で実施す
る予定です。
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5.
禁止物質の特例措置
禁止物質を技術的に代替が困難であるなどの理由により使用することを希望さ
れる場合は、担当の各事業体購買窓口までお申し出ください。
但し、使用許可の判定は対象物が明らかに法令による規制において対象外であるこ
とを前提といたします。
6.
お取引先様へのお願い事項
(1)化学物質の含有量調査
当社への材料・部品などの納入品に関し、含有される環境負荷物質とその量を把握す
るため、含有状況の報告(化学分析データ他)・の提出などにより調査を実施いたします。
又、必要と判断した場合には、材料・部品などの納入品の全製造工程における環境負荷
物質の使用と削減の状況についても同様の調査を実施いたします。
(2)環境負荷低減に関する覚書の締結
当社への納入品の環境負荷低減を確実とするために必要と判断される場合、調査
への協力などの明記された“グリーン調達実施に関する覚書”を締結させていただ
く場合があります。
(3)使用禁止物質の不使用保証
①
②
当社に納入する材料・部品などは指定する禁止物質の猶予期限以降に非含有
とする許容値を超えて禁止物質を含まないこと。
当社から指示があった場合には、上記を証明する文書、
“使用禁止物質の不使
用証明書”を提出して下さい。
(注)
: 禁止物質を含有、又は工程において使用している場合には、事前に弊社
購買担当窓口へ通知し、その措置について協議して下さい。又、禁止物質が
含まれ、又は使用していることが事後に判明した場合には、直ちに弊社購買
担当窓口に通知し、その措置について協議して下さい。
(4)情報開示
①
当社から指示があった場合は、納入される材料・部品などの構成部材、その
材質を明らかにして下さい。
② 当社から指示があった場合は、納入される材料・部品などへの化学物質の含
有情報を明らかにして下さい。
③ 当社から指示があった場合には、上記に関する文書を提出して下さい。
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7.
制定及び改定
第1版
制定
:2004年11月17日
施行開始 :2004年12月 1日
第2版改定
制定
:2005年12月21日
施行開始 :2005年12月21日
第3版改定
制定
:2006年11月30日
施行開始 :2006年11月30日
第3.1版改定
制定
:2006年12月13日
施行開始 :2006年12月21日
第4版改定
制定
:2008年 4月 1日
施行開始 :2008年 6月 1日
第4.1版改定
制定
:2008年 6月30日
施行開始 :2008年 7月 1日
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