ウルド ブレイカ ウルド モハメッド ハテル (モーリタニア)

ファイナルレポート アブストラクト 2003
氏名
ハタール(ハテル)
・ウールド・アハメッド
国名
モーリタニア
現職
農業省 調査研修普及局 水管理普及責任者
1. 各科目ごとの自分自身の到達目標を箇条書きし、研修後の結果を簡潔に記入してください(クリスタルウオーター記述の総括)
研修科目
あなた自身の目標
(1) 貯水送水施設
様々なタイプの貯水送水施設の利用法と保全
いかに持続可能な事業管理システムを開発するかのアプローチ
灌漑水の環境に与える影響とその対策
(2) 圃場水土壌管理
- 蒸発量推定のための最も良い方法
- 浸透流と蒸発ロスの抑制管理
- 水に関するニーズの実用的な調査法
(3) 土壌水質管理
(4) 緑地保全・植生評価
土壌塩分の評価の方法
水田の土壌管理
土壌劣化のミテイゲーションの方法
乾燥地の農林業と緑地の保全
1
研修の成果
コンクリートの劣化診断法,コンクリート水路の耐久性試験の研究。
ダム設計の基本,アースダムの浸透流と斜面の安定性,効
率を尺度に用いた灌漑システムの評価など,持続可能な灌
漑事業管理に役割を果たす考え方を学んだ。
コンクリートとフィルダムの設計理論,それらの歴史的変化。ス
ライス法を用いた斜面安定性の解析。ダムの安全性。
ペンマン・モンテイス法概論と(灌漑効率を向上させるため
の)ETP 測定のバルク移動法。
土壌から,そして植物の中,そして大気へと移動する土壌
水分の動きのモデル開発のアプローチ。
土壌劣化の理論
鳥取大学で実施された本研修コースを通じて,私は下記の
ことを学んだ。
:
土壌の塩類化は地球規模で起きている問題であり,地力
に直接影響を及ぼす。土壌・水中の全溶塩量の迅速かつ簡
易な推定法は,電気伝導率と PH を用いる方法である。
農業生産性を向上させるために,もしくは作物収量を最
大にするために,土壌・水の化学的特性を把握する方法を
強化すること。
下記に関する全般的な知識:
乾燥地・半乾燥地の生態系と再緑化。
日本の砂丘の生態系と緑化技術。
樹木の成長と生理学。
年輪解析の基本と環境科学への応用。
GIS データベースのソースとしてのリモートセンシング。
砂丘湧水湿地のミテイゲーション。
(5) 地下水
地下水質の管理
帯水層の解析
地下ダムへの塩水の侵入
(6) 乾燥地適性作物・植物栄養(施肥)
乾燥地・半乾燥地に適した作物の特定。
耐旱魃性・耐塩性の作物。
塩類の植物に対する影響。
(7)営農管理と食糧政策
営農管理の開発と食糧政策。
世界の食糧供給と乾燥地農業の開発の意義。
(8) 送配水システム設計実習
自動制御ゲートの作動メカニズム。
水圧の制御システム。
自動バルブの制御機能。
水資源の需要と供給の制御管理。
地下水の流れの基本。
塩水侵入の要因,調査方法と対策。
地下ダムにおける地下水流の解析。
揚水試験の理解とデータ解析。
塩類濃度における植物の浸透圧の重要性。
水耕栽培実験法を用いた塩ストレス下の作物の評価。
耐旱魃性と耐塩性の作物および植物,特にそれらの持つ特
性とセダム種の植物の環境的利用。
営農のコンピューター利用。
世界の食糧供給と乾燥地における農業開発の経済的意義。
食糧経済の統計的解析。
財政評価と関数。
自汲式ポンプと無水撃圧チェッキ弁。
開水路用の自動チェックゲートの機能と作動メカニズム。
2. 自分にとって、特に有益であったと思われる研修内容を箇条書きし、その理由を簡明に述べてください。
(3 つ以上、複数回答可)
研修単元
研修内容
その理由
地下水の涵養および帯水層の特性識別は持続可能な地下
地下水流の基本原理。
水源の利用において重要である。
塩水に関する調査と対策。
地下水汚染のメカニズムは地表水のそれとは異なる。
地下水質の管理。
1-地下水
地下ダムは貯水の新しい方法である。
地下水汚染。
乾燥地における唯一の水源は地下水である。
地下ダム。
ESP と SARは深刻な塩類塩質土壌浸食と土壌保全研究に
おいて重要なファクターである。
2-土壌水質評価
乾燥地土壌の化学的特性と主要パラメーター。
汚水汚泥処理とリサイクリング。
下水を用いた灌漑。
2
モーリタニアの耕地資源における主要な問題点は塩分濃
度,ウオーターロギング,浸食による耕地の劣化等である。
これらの問題の軽減は,有効なファクタを把握することで可能
になる。私はこの科目から,土壌塩類化,土地使用と灌漑
管理の方法に起因する土壌劣化の主要ファクタに関する詳細
な情報を得た。
緑地保全・植生評価
日本の砂丘の生態系と固定技術。
乾燥地・半乾燥地の緑化。
生態影響評価およびミテイゲーション計画。
我が国では砂漠化が大きな問題である。私は砂漠化に対処
し,モーリタニアの乾燥地を開発するための知識と方法論
の詳細を得た。
我が国が直面している問題の1つである動植物資源の悪
化についても延べられた。
様々な国の生態系ミテイゲーション計画について学んだ。
3.帰国後、この研修コースの成果をもって本国の実施または立案するプロジェクトまたはアクションプラン(活動計画)の内容について、箇条書きに簡明
に記入してください。
(できれば3つ以上書いてください。 )
タイトル
プロジェクトまたは活動計画の概要
プランの実施によって解決が期待される現実の課題
浸食は我が国の天然資源を脅かす重大な環境問題の1
(1) リモートセンシングと GIS の技術を用いた浸食マッピング法に
より緑地被覆率,土地斜面比率,気象条件などのパラ つである。その現状と問題点をまず把握することにより,
保全と良好な管理方法を樹立することができる。
メータを解析する。
(2) 調査対象地域の浸食リスクのポテンシャルのマッピン
我が国の浸食リスク・マッピング
新しい技術(リモートセンシング,GIS)は対象地域の気候,地
グと実際の浸食リスク値の決定。
(浸食マッピング手法を用いる)
(3) モデリングにより,対象地域において,ある年月に渡 形,斜面勾配,土壌構造,植生による被覆,植生密度など
の特性の効果的評価に利点がある。これに侵食の要因解析
り浸食によって起きた変化を特定する。
(4) 対象地域の浸食状態調査結果に基づいた土壌保全計画 のために重要な定住地域の社会経済的特性の解析を加え
る。
の策定。
モーリタニアの水資源は非常に限定されている。この問題は既存
国家計画の更新と強化。
モーリタニア全土にわたる GIS 技術による水理学的調査の実施。 の水資源の保全のための良好な水資源管理と同時に新し
水資源の管理と利用の現状の概観(処理された汚水,塩水,農 いタイプの水資源を開発していく必要性を示唆している。
水資源開発において適切な投資を行っていくために調査
業排水の再利用とこの分野の水利用の普及)
モーリタニアの水資源管理の住民参加
を実施する。
灌漑事業による生産性を増大させること。
灌漑システムの効率を増大させること。
我が国の緑地面積を増やすこと。
様々な作物と植物において耐旱魃性の試験を実施する。
これらのうち耐旱魃性に優れた作物,植物を国家計画に盛り 農家の収入を増大させ,彼らの生活水準を向上させる。
砂漠化対策。
込み,導入する。
緑地保全・植生評価
これらの作物または樹木植物の重要性について農家が認識 土壌浸食防止。
できるよう,普及活動を行う。
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