石垣市水族館建設推進基本計画(素案)のパブリックコメント意見結果

石垣市水族館建設推進基本計画(素案)のパブリックコメント意見結果
石垣市水族館建設推進基本計画(素案)に対して実施したパブリックコメント(市民の意見)募集では、市民の皆様からご
意見が寄せられました。
これらのご意見について整理しましたので、市の考え方とあわせて公表します。
今回、ご意見をお寄せいただきました皆様のご協力にお礼申し上げます。
【パブリックコメントの実施状況】
(1)意見の募集期間
平成 26 年 12 月 8 日~平成 27 年 1 月 7 日
(2)募 集 方 法
①郵送
②電子メール
③FAX による送付
④窓口持参
(3)意見の提出者(有効数)
12 名
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No.
1
意見内容
市の考え方
こんなにシュノーケリング、ダイビングツアーが豊富な島で、わざわざ水 本市へ訪れる観光客の中には、身体的な理由からシュノーケル
槽の中に魚をいれる必要は無いと思います。
やダイビングといったマリンスポーツを体験することが出来
ツアーに参加したら、自然に優雅におよぐ魚達を見ることが出来るからで ない方も少なからずいるものと考えております。
す。
そのような方たちに八重山の海洋環境を疑似体験できる場所、
絶対に反対です。
また、八重山の自然を学び知ることができる水族館を創出した
いと考えております。
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水族館建設にあたっては、石垣島を取り巻く環境が美しい海と素晴らしい 本市としては、自然に優しい環境と共存する社会をめざし、先
自然に恵まれているのにも関わらず、本当に必要なのか疑問に思います。 人の知恵から、地域に適した施策により、環境負荷を抑えた電
施設を運営するためのコストや周囲の自然環境への影響を考えると、環境 気や水の利用など、本市の特色を生かした環境共生型まちづく
保護への投資をする方が先ではないでしょうか。これから先、温暖化によ りに取り組みます。
る気候変動や、自然災害、地球の環境が変わっていく中で、重要視されて 今回計画する水族館は、八重山の自然の豊かさや大切さを学ぶ
いくものが変わっていくのではないかと感じます。求められていくのは、 機会を創出する施設です。
自然なありのままの姿です。
水族館での自然環境学習を通して、来館する市民・観光客に環
水族館は石垣まで来なくても、どこにでもあります。人工的に、不自然な 境保全への認識・関心を向上させたいと考えます。
形で展示されている生き物より、実際の海で、山で見れるからこそ豊かな
資源のある石垣島に魅力があるのではないでしょうか。
「島らしさ」にもっとこだわって、自然・文化・人を守って欲しいです。
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水族館の規模が大きすぎ、目指しているものが一昔前の印象がある。沼津 今回計画する水族館は、八重山の海洋環境を疑似体験できる場
深海水族館のようにコンパクトで維持しやすく、地域の特色を押し出した 所、また、八重山の自然を学び知ることができる水族館を創出
施設にするべきである。そうでなければ作らない方がよい。
したいと考えております。
また、石垣島での自然体験、マリンレジャーへ誘う出発地点と
して考えており、八重山の自然環境を学習することで、その後
の自然体験等をより楽しんでいただけるものと考えておりま
す。
「八重山の森」「サンゴ礁の海」まではよい。「黒潮の海」とマンタは関 石垣島の西側は黒潮が流れ、これが八重山の豊かな海を支える
係ない。大型の生物を展示するための理由付けに「黒潮の海」という言葉 一つの要因であると考えております。
が使われている印象を受ける。
八重山の豊かな自然環境を多くの方に疑似体験して頂けるよ
う、「八重山の森」「サンゴ礁の海」「黒潮の海」での生物展
示を検討しています。
野外体験ツアーとあるが、地域ですでに自然体験型観光をしている業者と 「野外体験ツアー」に関しては、関連業者や企業と連携しなが
のすりあわせはどうするのか?
ら、八重山の自然を活かした体験ツアーを創出したいと考えて
おります。
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水族館に求められる役割に「観光振興」とあるが、新空港が出来たことで 本市観光の持続的発展には自然環境の保全が不可欠です。自然
現在でも質の低い観光業者が増え、サンゴの踏み荒らし等で自然へのダメ 環境の魅力とそれに付随した島の暮らしが観光価値となり、ブ
ージが増加している。水族館ができることで本土からさらに利益のみを目 ームとして“集客”を促し、多様な“スタイル”が持ち込まれ
的とした業者が参入し、静かに営業していた既存の観光業者がフィールド ることで、観光入域客は加速度的に増加してきました。しかし、
や仕事を奪われ、自然を壊される恐れがある。ただ観光客数を増やすこと 観光客が増加する一方で、自然環境への負荷や受入容量が懸念
が観光振興ではない。関係者には再考を願いたい。
されます。集客目標やブーム的な観光需要に対応していた従来
の観光振興も自然環境という資本があって成り立っていたこ
とを認識して、その資本価値を将来に向かって維持できる管理
と活用に努めてまいります。
「学習交流施設」とあるが、計画を見ると商業的な面ばかりが際立ち、具 子どもから国内外の観光客まで広く八重山の自然環境・海洋文
体的にどのような環境教育的活動を行うのか伝わってこない。このあたり 化について学習する機会を創出し、学校などと連携した学習支
の具体的な計画を知りたい。
援活動や体験学習を実施していきたいと考えております。
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計画案の1.目標の想定の中で、本水族館は、国内外からの観光客を誘引 昨年の石垣市への年間入域観光客数が約112万人(H27年1月速
する魅力ある観光拠点施設としての整備を目指す。したがって、石垣市の 報値)で過去最高を更新し、石垣市観光基本計画(H22年8月)
将来観光客数 100 万人/年の半数の入場者数を目標として想定する。と、 の目標値である入域観光客数100万人を達成しました。
ありますが今まで観光客数が 100 万人を超えたことはなく、ましてやその また、同計画では、再来訪者(リピーター)を6割以上、目指
半分の入場者数を目標としていること自体に無理がある。
しております。石垣水族館の目標入館者数については、石垣市
これは目標であって達成の可能性は 100%ではない。あくまでも目標であ 観光基本計画の入域観光客数の半数の50万人を目標としまし
る。
た。
沖縄観光が果たしていつまで続くのか、本島よりもはるか遠く離島観光が 石垣市は観光振興を重要な政策の一つと位置付けており、水族
メインの石垣島にそうそう何回も来る観光客はいない。
館についても、観光振興に資する施設と考えております。
安いツアーで駆け足で離島を巡った観光客は二度と来ることはない。設置 水族館建設位置については、p15-1で示すとおり、地域住民と
場所についてもほとんどが郊外のため地元住民は一度行けば二度目はほ の合意をはかりつつ、プロポーザルの条件の一つとして、本市
とんどない。
の水族館に適した建設位置を検討していきます。
維持費も莫大な金額である。観光客が激減した時のことを想定していな また、資金の調達や運営については、今後のプロポーザルの条
い。
件の一つとして、アイデアを募りたいと考えております。
市民に負担をかけることなく維持できるのであれば建設に踏み切ってく
ださい。
市民に負担をかけた時には石垣島には観光客が来なくなった時である。
市の財政は大きく傾くことになります。無駄な税金を注ぎ込むより自然を
守ること、赤土の流失対策などに使っていただきたい。
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集客見込み数を見る限り、この施設の目的は、「海に入れない老人、子ど H22道路交通センサスにおいて、石垣市の道路に関する調査の
も、障がい者、また雨の日の観光対策」というタテマエよりも、明らかに 結果が出されております。
「一般観光客」が対象と思われます。
その中で、道路の混雑度が算出されており、市内の各道路にお
ほとんどの客は、島の南部繁華街から、北部の僻地にできる水族館へ、車 いては、「混雑度」は1.00以下となっております。これは、道
で往復するでしょう。
路が混雑することなく、円滑に走行できる指数となっておりま
平均して一日千台ほどがアクセス道路を往復することになります。
す。また、市街地以外の県道については、「混雑度」はかなり
石垣港の県有埋立地「ぱいぬしま」に造る場合以外は、アクセス道路は、 低く、渋滞が起こる可能性は低いも考えられます。
二車線一本道ですね。ここは農業用車両などがノロノロと走ることも多
い。 【道路の混雑状況の予測】について、県警と東バスの見解を尋ねて、
公表してください。
今のところ、80 億の建設費見込みだが、3.11津波被災地の復興に加え、 本計画の策定目的は、水族館を建設するための諸条件の整理を
東京五輪の建設需要も加わって、資材も人手も不足しており、あらゆる工 行い、外部に対し熟度の高い計画書を提示することにより、建
事が遅延し、費用は嵩んでいる。
設を推進するものです。水族館という特殊施設を検討するた
すべてを船で運ばなければならない離島石垣であることからも、ざっと め、専門的知識を必要とすることから美ら海水族館に携わった
100 億と見ておくべきでしょう。
実績のあるコンサルタントに委託をしています。
その建設費を石垣市で負担することが不可能であることは計画でも認め
ている。
では、
【誰に出資を依頼するのか?】
その場合の★「石垣島ならではの水族館の売り」は何か?
現在、何の見通しもなしで「建設計画」だけコンサルに 2 千万円ほども払
って作成しているのか? そこを回答してほしい。
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この計画には反対です。建設目的、展示内容、集客予想、運営計画など建 頂いたご意見についてはご参考にさせて頂きます。
設の根幹部分が曖昧、ご都合主義的、根拠薄弱で、説得力に欠けます。こ
のまま建設すれば、これまで中央官庁が行った施設建設と同様、失敗に終
わり、巨大な負債を次代に残すことになると思います。石垣市の財政規模
で計画からは負担が大きすぎると同時に、計画書から黒字になる見込みが
見えません。
単体の巨大な施設でなく、石垣島全体を魅力ある博物館、水族館、図書館、
教室などのある知的でわくわくする場所に、島の住民も来島者も島を巡れ
るような分散型の施設構成で島全体を活性化させる知恵を出してほしい
と思います。この計画は島の未来に、子供たちの未来に無責任な視野の狭
いものだと思います。以下、主な点について述べます。
*水族館建設の目的、理念は?
今後のプロポーザル等の基本設計などにおいて、アイデアを募
なぜ今、水族館を建設するのかという説明がないので、展示内容やコスト、 る機会を設けたいと考えております。
必然性などの判断のしようがありません。「雨の日に行場がない観光客の
ために」という目的があると聞いたことがありますが、そんな巨額の雨傘
をなぜ、市が計画しなければいけないのか理解に苦しみます。「海は入れ
ないお年寄りや子供のために」というような話も聞きましたが、そういう
反対しにくい言い方で事の本質をはぐらかすのは、極めて卑怯な思考法だ
と思います。
確かに、石垣市は観光立市を標榜しながら、総合的で緻密な観光開発をし
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てこなかったので、観光客の行き場が少ない(雨の日だけでなく)のは事
実でしょう。しかしその対策として、たった1つの巨大施設しか考えない
のは、怠慢のそしりを免れません。一部の業者のためでなく、市民全体の
ためになるという観点を明確にして考えるべきでしょう。
どうしたら、より楽しく、魅力ある島にする、リピーターを増やし、滞在
時間を長くするか、島全体で考えることが必要でしょう。そこが知恵の出
しどころであり、石垣の人々が石垣を見直し、石垣の人が一体となって多
くの人が訪れる島にする力が湧いてくるのだと言えましょう。
全体を水に、1点集中で取り組んでしまうと、当該地域以外は何の恩恵も
なく、理解協力する気にもならないでしょう。何より、たった1つの施設
ができただけで観光客が増えるのか、喜ぶのか分かりません。1度行けば
おしまいの施設になってしまうのではないでしょうか。
水族を計画するにしても、もう1度計画を見直して、石垣市に相応しい施
設のあり方を根本から見直した方がよいと思います。その時、この計画案
も無駄にはならないでしょう。
*展示内容が曖昧で陳腐
具体的な展示方針や展示内容等については、今後のプロポーザ
5-3以下にある展示計画は、石垣にある自然を整理しまとめただけに過 ルの条件の一つとして、アイデアを募りたいと考えておりま
ぎず、魅力がありません。
す。
「八重山らしい水族館を創出することや、市民のニーズにあった石垣市水
族館」(15-1)というのが、どこにあるのかでしょうか。空疎な言葉
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遊びに見えます。
八重山、石垣の何を見せるのか、何を目玉にするのか、その目玉にはどれ
くらいの耐用期間があるのか、どんな来場者を想定しているのか、まった
く分かりません。とりあえず、思いついたものを、並べてみましたという
感じですね。こんな思いつきを並べたような展示で人が集まるのでしょう
か。そのために「水族館に行こう」と思わせる知恵も、アイデアも感じら
れません。なんでも盛り込めば、人が来るとでも思っているのでしょうか。
立案者、検討した方々の能力に疑問を感じざるを得ません。
*集客予想を明確に
石垣市観光基本計画(H22年8月)の目標値である入域観光客数
水族館を運営し、収益を上げないまでも、赤字にならないではないと思い 100万人の半数の入場者数を目標としています。
ます。そのカギは入場者をどれだけ確保できるかにかかります。しかし、 この目標値は、沖縄美ら海水族館を参考に沖縄県入域観光客数
計画案では「年間50万人目標」としているだけで、その根拠も示されて の半数が美ら海水族館に来館している実績から、石垣市水族館
いません。極めて無責任であり、投げやりという印象です。根拠を明確に も同様に石垣市入域観光客数の半数が訪れることを目標に掲
しないと受け入れられないでしょう。目標だけでは事業はできません。マ げるものです。
ーケットリサーチ、来島者予測、経済予測など多角的に検討する必要があ
るでしょう。税金を使うとしたら、なおのこと説明責任を果たすべきでし
ょう。
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*事業費、運営費が巨額
資金の調達や運営等の目途が立たない状況で、計画を進めるこ
イニシャルコスト79億5000万円、ランニングコスト6億9000万 とはありません。
円となっているが、だれが負担するのでしょうか。市庁舎や病院の建設な
どの話がある中で、どこから費用を捻出するのでしょうか。民間がやるな
ら、市がこんな計画を税金を使って作る必要はないでしょう。市が関与す
るのなら、当然税金が使われます。市の財政にそんな余裕はあるのでしょ
うか。市の役人は簡単に「起債」だの「補助金」だのと言いますが、これ
が将来にかける負担を考えるべきです。本当に必要なら、財源を明確にし
て、市民に問うべきです。それがないままに、事業を進めるのは市民への
背信行為ではないでしょうか。
「年間50万人目標」としている一方で。コスト計算では「年間35万人
以上の入館者」のある館を参考にしていますが、これは矛盾ではないでし
ょうか。
補助金を受けたとしても、ランニングコストがかかれば、それは市税で賄
うことになるでしょう。一概に水族館がいけないというのではないが、こ
の計画がそんなリスクを冒すだけのものとは思えません。
(5)収支計画では、事業補助率4パターンを検討しているが、補助率5
0%でも借入金返済後30年たっても赤字が続くとあり、補助率80%で
も黒字化は25年後以降となっている。その頃には建物は老朽化し、お荷
物になっていることでしょう。黒字化するのは補助率100%の場合だけ
です。いかに運営が難しいか自ら示しています。
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*専門的なノウハウ
p13-14 に示すとおり、今後、指定管理者制度等を活用し、ノ
水族館の運営、しかも集客力の高い内容の施設にするには、飼育員ら行動 ウハウを持った事業者及び人材を確保することを計画に位置
の専門的知識、技能を持つ専門家が必要です。成功している水族館や動物 付けております。
園はそのために優れた人材を育てています。新たに作る水族館でそれが可
能なのでしょうか。1から始めて、人を集め人を育てることが出来るので
しょうか。難しいと思います。(6)運営方針の2)でも「水族館は高度
な経営ノウハウと運営スキルを要求される」と指摘しています。その人材
を集めるだけでも、相当の人件費が必要とされるでしょう。そのことも考
えられていないように思います。
以上、主な点について述べました。この計画でなく、発想を変えて、島全
体の視点で白紙から検討すること、無駄な税金を使わないようお願いいた
します。
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これだけの規模の水族館ははたして必要か??
p13-14 に示すとおり、今後、指定管理者制度等を活用し、ノ
建設費 79 億 5000 万、年間維持費 6 億 9000 万、収入予測 7 億 7,000 万円 ウハウを持った事業者及び人材を確保することを計画に位置
の施設を簡単な試算で信用できるのか?
付けております。
全国の黒字水族館は経験豊富な民間企業や財団が運営しているところが
多く、黒字水族館のほとんどが、イルカやアシカなどのショーを取り入れ
て集客しています。
美ら海水族館にも珍しいジュゴンがいますし、簡単に美ら海水族館を試算
の対象にしてはいけないと思います。
また、企業等に委託した場合、会社の決定に対して市がどれだけ権限をも
てるか、きちんとした取り決めをしないと、運営が危うくなった場合問題
がおきると思います。直営、財団、株式会社の場合と、それぞれのリスク
もきちんと予測をだしていただきたい。
赤字体質の水族館は存在しており、特に地方にあって、大型の公立水族館 地形や敷地の規模、周辺自然環境など、より具体的な条件を設
の中には、運営費を収入だけでは確保できず、自治体からの補助金に依存 定し建設候補地を設定していく必要があると考えております。
している施設も少なからずあるようです。
その際、取水施設や排水施設の整備手法等、周辺の自然環境へ
それよりも、何よりも、これだけの施設を維持するために自然環境に与え の負荷の軽減について検討します。さらに、再生可能エネルギ
るダメージははかりしれないと思います。
ーの活用などについても検討します。
近隣住民の排気ガスの問題、汚水は浄化槽を通しますがまとめて海へ放 また、p15-2 に示すとおり、施設から発生する浄化槽処理水、
水。
【※建設位置によっては、排水方法について、周辺利用者との調整が 雨水排水、海水排水の放流水質については石垣市並びに八重山
必要である。
(p8-5)
】という文面が付け加えられているという事は、や 保健所等、関係機関との調整し、環境負荷の低減に努めていき
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はり少なからず影響があるという事だと思います。
ます。
私は気が向いたらさっと行ける素敵な海岸の保全の方が興味ありますが。
内地できれいなビーチを探すのも車で行けるところを探すのも一苦労。今
日は夕日がきれいだから、この辺でちょっと海眺めちゃおうかな?なん
て、すごく贅沢で素敵な事だと思うのです。観光客としても来ていたこと
があるのでつくづくそう思います。今ある自然環境を今以上、それ以上よ
くしていく事に税金を投入してほしいです。
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せっかく水族館をつくるのなら、One and only の、八重山にしかないもの 具体的な展示方針や展示内容等については、p15-2に示すとお
にしたい。建物のデザインを公共物にありがちな無骨なものにするのでは り、今後のプロポーザルの条件の一つとして、アイデアを募り
なく、有機的で現代アートを利かせたものであってほしい。
たいと考えております。
「深海シアター」は実際の稼働率が低いのではないだろうか。とぅもーる 今後の基本計画においてバリアフリー法に基づき構造や設備
ネットセンターのような無駄な設備にならないようにしたい。
を計画していきます。P3-2(2)の展示動線計画において、ユ
宮古島の海中公園にも公園が整備されていたが、寂れた雰囲気で草の茂り ニバーサルデザインの文言を追記し、すべての人が利用しやす
方からするとあまり人が使っていないと思われた。同じことが起こらない い施設を検討します。
ように公園や広場は最低限の面積にしておいてほしい。
また、今回計画する水族館は、付帯施設の増設の余地を残すた
海に出られる道を含め、完全にバリアフリー構造にしてほしい。
め、「将来予定エリア」を確保することを検討しております。
美ら海水族館のように水槽の脇にカフェがあるとリピート率が高まると その中で、地域住民や観光客のニーズに合わせた施設計画を今
思う。
後検討します。
観光客へのアピールも大事ではあるが何より地元の人達が頻繁に訪れた
いと思う、季節を感じられる(熱帯魚のハッチアウトなどで)水族館にな
ってほしい。
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水族館建設について
今回計画する水族館は、子供達が八重山の自然の豊かさや大切
時期尚早と思う。水族館は観光客を呼び込むために求められるものではな さを学ぶ施設としても計画に位置付けております。
く、島の子どもたちの教育に役立つものでないと長つづきしないと思う。 子供達の自然環境の学習を通して、来館する市民・観光客に環
高い入場料で一回きりしか行けないものでなく、気軽に行けるところであ 境保全への認識・関心を向上させたいと考えます。
るべき。
また、具体的な展示方針や展示内容等については、p15-2 に
まずは、亀・サンゴ・ギーラなどから始める方式を提案する。
示すとおり、今後のプロポーザルの条件の一つとして、アイデ
アを募りたいと考えております。
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建設の趣旨は理解できるが、その費用や建設後のメンテなどの負担が住民 資金調達や運営等の目途が立たない状況で、計画を進めること
にかけられるのでは、との懸念がある。
はありません。
全体像が、イベント会場など多目的要素をおびていて本命の水族館として 今回計画する水族館は、八重山の海に生息する水族を展示し、
の機能面が弱いのではないか。
八重山の海環境を疑似体験できる施設として検討しておりま
すでに在る、栽培漁業センターや西海区水産(研)などとの連携で構想を す。イベントや自然体験、学習など多目的に利用できる水族館
見直すことはできないか。
を目指しております。
また、水族館では、八重山特有の自然環境や生物に関する調
査・研究の充実を図ります。他の研究施設や大学と連携・協力
を図りながら、自然環境の保全や水産業の振興などに寄与した
いと考えております。
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基本的に、水族館建設には反対です。主な理由は以下の通り。
市民、観光客の中には、身体的な理由からシュノーケリングや
① 石垣の特性を生かした観光政策ではないから。
ダイビングといったマリンスポーツを体験することが出来な
県内に「美ら海水族館」があるのに、それと同等あるいはそれ以上の施設 い方も少なからずいるものと考えております。
を作ろうとするのは得策ではない。
そのような方たちに八重山の海洋環境を体験できる場所とし
石垣を訪れる観光客は、美しい海でマリンレジャー(ダイビング、シュノ て、さらに本物の自然へ誘う施設として水族館を創出したいと
ーケリング、カヤック、釣り…)を楽しむことを第一の目的としている。 考えております。
現段階で、市の観光課はそうしたレジャーについての情報発信などのバッ また、本市として、窯元などの各産業が石垣島らしさの共有を
クアップを十分にしているとはいえない。雨降り対策が必要だというな 意識してまちづくりを行うことで、それが観光との関わり、石
ら、例えば、多様な土を産出することから多くの窯元があるという石垣の 垣島ならではの魅力を創出します。地域ブランドの本来の価値
特性も、今後の観光に行かせる資源ではないか。いくつかの窯元を巡るツ を安心、安全、信頼そして固有性と定義して、観光イメージに
アーなどが考えられる。また、八重山博物館のリニューアル計画も進めら より石垣島ならではの付加価値を得ていくことを目指します。
れており、その内容を工夫すること(島内の複数個所に分館を設けるなど) 八重山博物館については、今後の参考にさせていただきます。
でも新たな観光の振興策になり得る。
② 環境破壊が懸念されるから。
地形や敷地の規模、周辺自然環境など、より具体的な条件を設
水族館は毎日、大量の海水の入れ替えが必要。周辺海域の汚染、それに伴 定し建設候補地を設定していく必要があると考えております。
う生態系の破壊は、むしろ石垣市の観光資源を失うことにつながる。
その際、取水施設や排水施設の整備手法等、周辺の自然環境へ
現段階においても、海の環境保全は十分といえない。海水の透明度を保つ の負荷の軽減について検討します。さらに、再生可能エネルギ
ために、エビの養殖場や養豚場、牧場からの汚水基準を厳しくしたり、抜 ーの活用などについても検討します。
き打ちで排水の成分チェックをしたりするなど、もっと先にやるべきこと また、p15-2に示すとおり、施設から発生する浄化槽処理水、
がある。世界有数のサンゴを守るための対策(行政主導のオニヒトデ駆除 雨水排水、海水排水の放流水質については石垣市並びに八重山
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など)も必要だが、現状では不十分だ。
保健所等、関係機関との調整し、環境負荷の低減に努めていき
こうしたことがおざなりになっているにもかかわらず水族館が造られれ ます。
ば、せっかくの石垣の海をだいなしにして、人工的な水槽で「かつての石
垣の海」を見せるしかないことになってしまう。
③ 市の財政では無理があるから。
資金の調達や運営等の目途が立たない状況で、計画を進めるこ
水族館は、いろいろな施設の中でも、最も維持費がかさむ施設である。他 とはありません。
のハコもののように「造っておしまい」ではないことを、重く考えるべき
だ。
水温調節や水のろ過など水質管理は 24 時間体制になり、照明や空調など
も必要である。福岡市にあるマリンワールド(海の中道海洋生態科学館)
の場合、水質管理に関わる経費だけで月約900万円に上るという。実際
には、海洋生物のえさ代、清掃や入館者のトイレなどに使われる水道代、
人件費が加わるため、月1,500万円は軽く超えるはずだ。石垣市の場
合、台風のときの停電対策も不可欠であり、そうすると大がかりな自家発
電、蓄電の装置も必要になる。
(
「マリンワールドほどの規模ではないから、
そんなに維持費はかからない」というなら、そんな小規模のものでは客は
呼べない。集客力の低い施設を造るのはナンセンスである。同じ予算を投
じるなら、ほかにいろいろな創意工夫はいくらでもある)
石垣市はこれから市庁舎の移設に加え、県立八重山病院の移設、八重山
博物館のリニューアルなど、多くの建設計画を進めようとしている。健全
な水族館運営を目指そうとするなら、一括交付金等に頼ることは望ましく
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ないが、市も相応の負担をすべきであろう。すると、市民税の値上げが不
可欠となる。消費税率も上がろうとする今、市民にそれだけの負担を強い
ることは賛同を得られないはずだ。
④ 諸々の見込みが甘い。
目標入館者数については、「石垣市観光基本計画」における石
例えば、
「年間入場者数」を50万人と見込んでいるが、その根拠が示さ 垣市への入域観光客数の目標値である100万人の半数の50万人
れておらず納得できない。石垣市を訪れた観光客数の推移、また、そのう を目標としました。
ち何割が離島へ行っているか、など最終目的地や観光の何を(ダイビング、 昨年の石垣市への年間入域観光客数が約112万人(H27年1月速
ショッピング……)目的に来島したのか、という追跡調査などのデータが 報値)で過去最高を更新し、石垣市観光基本計画(H22年8月)
欲しいところである。鹿児島市の「いおワールドかごしま水族館」はオー の目標値である入域観光客数100万人を達成しました。
プン5年目で54万人、新潟市水族館マリンピア日本海は65万人、とい 石垣市は観光振興が重要な政策の一つと位置付けており、水族
ずれも陸路で行けるところながら入場者はオープン当時からそれほど伸 館についても、観光振興に資する施設と考えております。
びていない。交通の利便性に劣る石垣市で、50万人という入場者数を見
込むあたり、たいへん危ういものを感じる。
もっと、データに即した見込みを示してもらわないと、さまざまな環境ア
セスメント等への不信感にもつながる。
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特色ある展示に関して
ウミガメの展示については、今後の計画のアイデアとして参考
石垣市が目指す水族館の規模は美ら海に代表される大型の水族館ではな にしたいと思います。
く、身の丈に合った規模であることが望ましいと考える。その中で、いか また、他の研究施設の連携を図り、調査研究の充実や、八重山
に特色ある水族館(展示物)を目指すかが、成功の可否を左右する。
の自然環境について学習できる機会を創出したいと考えてお
今回の素案で示された展示構成では、八重山の自然(森から海、そして深 ります。
海まで)をメインに展示が構成されている。その中で、マンタ、サメ、ウ
ミガメと大型水槽が並んでいる。マンタ、サメについては、他の水族館に
も同様な展示が見られるが、八重山諸島は日本で唯一の 3 種類のウミガメ
が産卵を行う地域であることから、ウミガメこそ八重山を代表する展示と
なりうると考える。
水族館の基本構想の一つとして調査研究が検討されている。今回の基本計
画の中でモデル地に選ばれた桴海には西海区水産研究所が隣接されてお
り、研究成果を水族館の展示に生かすことができ、水族館と研究施設がタ
イアップする全国区でも珍しい水族館となりうる。前述した 3 種類のウミ
ガメの中で、タイマイは西海区水産研究所により、産卵技術開発が行われ、
毎年仔ガメを得ることが可能となっている。このことは、産卵、卵発生、
ふ化から仔ガメという成長を追った展示が可能であることを意味する。ウ
ミガメは思いのほか、獰猛で、かみ合いにより傷つけあうことが知られて
いる。そのため、状態の良い個体を展示するためには、バックヤードに相
当数の個体のストックが必要となる。
現在、西海区水産研究所の技術移転をうけ、養殖事業計画が進みつつある。
この事業とタイアップすることで、常に状態のよい個体の供給および卵か
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ら仔ガメの発生といった展示も可能となるものと思われる。
また、漁業(養殖を含めた)による海の利用に関して、ウミガメの中で唯
一、べっ甲製品として産業的に利用されているのがタイマイである。(八
丈島ではアオウミガメが食用に利用されており、石垣でも以前は食用とし
て供されていたが、非常にローカルな産業である)将来、べっ甲養殖が事
業化された場合には、甲羅は工芸品の材料として、また肉については石垣
島特産としてレストラン等での提供が可能になるかもしれない。
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