飼育池の清掃システム

圓爺翼翼鐙騰艶薮鱒
戸
叶
,恒
サケ稚魚飼育期間中における 飼育 池 での清掃は,従来注水部から 排水部ヘ
デ,キブラシを用いて 排泄物等を押し 流す方法がとられてぎた。 しかし飼
育量の増加,飼育期間の 長期化に伴い 排泄物は増加し
今後河川の汚染も 懸
念されるため ,汚物の陸上吸い 上げ処理と清掃作業量の 軽減化を図るために
も一体化した 清掃システムの 開発が望まれる。 ここに丸一物産 KK, 第一工業
KK. 旭日産業 KK の協同のもとに ,真空タンクを 使い真空圧を 利用して飼育池
の排泄物を吸引する 清掃システム 試験を実施したので 紹介する。
1
装置と方法
1
装
置
図 -1 に示す 2 3 に岩場の飼育 池 の拷 (4 面 ) を試験 区 とした。 本 システ
ムは大 ぎく次の 3 に 分 げられる。
図 -1 配符設備
① 真空タンクユニット 室
図一 2 に示すよさに 本 システムのメイン 装置であ り,真空ポンプ ,真空タ
一
52
ンク,配電盤等が セ ,
ト
され,真空力 で飼育池からの 吸引物は,まずストレ
ーナーを通して 排泄物と無だけを 真空タンク内に 入れ,排水ポンプで 沈澱 池
へ送る。 真空タンク内には 各種のセンサーが 組み込まれ,排水中も 吸引が継
続されるしくみになっている。
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図 -2
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英主タンクユニット
② 配管装置
真空タンク ュニ,ト 室から飼育 池 通路上に 径 65 脚と 40 賭の塩ビ管を 配管し
掃除 機の ホースとカム
回
-3 参照 )
ロ,クで接続する取付口を
回
途中
8
個所設けてあ
る。(図
③ 掃除 機
試作品としてステンレスパイプを
加工し,吸引部の 池底面には吸い 込
み口として 3.5 ∼4.5% 幅で スリ,
ト
を 入れ,サイドにはキャスターを 取
り
付けたものを 用いた。 ( 図一 4 歩
照 ) パイプの 柄と 配管装置はホース
で 接続される。
この他にプールの 掃
除機 として,市販されているプール
クリーナーも ,比較のため使用した。
図 -3
吸引木
一ス 取付け
佃所(カムロック
(図-5 参照 )
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一
S3
一
㍗'
㍗
一
図 -4
図 -5
2
プールク
り
一々一の吸引部
作業方法
排水・真空ポンプの 水抜 き ピーコ, クと配管の水抜 き ハル フ を閉し,図一
2 の" ハブ ①と③を 開 ,②を閉にし ,真空ポンプを 作動させ圧力を
HfU
58-60cm
に安定させた後,配管とホース て 接続した掃除機を 持って飼育 他 へ入り,
清掃作業を開始する。 ストレーナ一には 窮死魚や砂利等の 異物かたきるの て ,
これを除去する 必要かあ る。
除去の方法は 逆洗を用い,排水スイ , チを 切り,
満水警報 か 出たら ソレ ノイトス イ,チを入れ真空ポンプス イ,チを切り,ハ
ル ブ ①と③を 閉, ②を開にし,配管の 水抜 き ハル フ を開けて異物の 入った 流
54
出物を ザル または タモ網で受ける。
結 果
Ⅱ
岩場では 図 -1 の 1 -1 ∼ 1 -2 の池を 1 面として使用している。 池の上流部
3.5m の間は水流に
5
m
X 長28.5m)
よ
り排泄物が少ないので ,通常,清掃面積は
142.5 ㎡ (幅
で実施した。 清掃時間は掃除 機 1 本の場合,約40 分間 (17
5㌔りであ り,これは デ, キブラシ法では 図一 6 から 換 水準 1.37%
紬 での 条
件 時に相当した。 掃除 機 2 本では約 30 分間, 3 本では約 20 分間を要した。 4
本の場合は作業開始後 1 分位で満水警報が 鳴り,真空ポンプ 内にタンクから
汚水が入り真空 圧 が変動し真空ポンプの 振動が起こったため 中止した。
掃除機の試作品とプールクリーナー
の作業時間の差はなかったが
,それぞ
れ一長一短があ った。 試作品は , 池の
堰 上金具の溝や 網戸についた 排泄物や
艶 死点を吸 い易いが,排泄物と 池 底の
間 にあ る白い被膜状物質を 完全に取り
きれず,時間の 経過にっ れ池底が滑る
状態となる。 また柄と吸引部分が 一体
となっているため ,地底に対し 同じ角
度を保つことが 難しい。 小 砂利がスリ
, トに吸い付き作業に
支障をきたし
た。 プールクリーナーは 吸引部のブラ
図 -6
シ でこすりながら 吸引するため 池底の
デッキプラシによる
池油井時間
白い被膜もとれ , 小 砂利も吸い込まな
い構造となっているが , 堰 正金具の溝や 網戸の清掃には 不適であ った。
全体的な作業時間は 装置の始動開始までの 準備に 5 分間,清掃作業に 池
面あ たり掃除 機 1 本で 40分間,艶死 魚や砂利等の 回収のための 逆洗に
4
1
分間,
作業終了後の 跡 片付 げに 3 分間を要した。 飼育中期になり 河川水を増量でき
るよ う になってからは 挽木率が高まり ,地底の排泄物が 帯状にたまるため ,
池 全体を清掃しなくてもよいことから 掃除 機 1 本でも 20 分間で終了できた。
一
55
一
Ⅲ
考 察
今回試作したシステムは 掃除 機が 3 本までしか使用でぎなかったが ,飼育
池 1 面を 2 人で作業し,終了後ストレーナーから
すれば,常に各池の飼育 尾 数を把握できる。
池 1 面ごとに 弊死 数を計数
1 面の池に 3
人が入って掃除す
ると短時間で 終了できるが ,稚魚が逃げ 場を失い , 生きた稚魚を 吸うことに
なり,清掃作業は 2 人性が適当と 思われる。 他 1 面の清掃時間は 掃除 機 1 木
で40 分間であ り,これはデッキブラシ 法では挽木 率 1.37 ㌧作手の池に相当す
るが, 全 道的にみても ,喫水率がこれ 以上の好条件で 飼育用水を確保できる
ふ化場はほとんどないため 妥当な速さと 判断される。 真空方式のため ,作業
中に吸引部を 空中に少しの 間上げて置いても 水中に入れればすぐに 吸引し始
めることや,掃除機を 取り付けずに 装置を作動させても 機械に支障のないこ
とから安定した 作業がで き ,準備や跡片付けに 要する時間が 短く, また, 池
によって機械を 移動させなくてよいとし
多くの利点があ る。今後の改良,点
としては排泄物の 厚いところでも 速度が落ちずに 完全に吸引し ,また,生き
ぅ
た稚魚や小石をできるだけ 吸わない吸引部の 工夫が必要であ る。 ストレーナ
一内のスクリーンは 河川水導入後は 水あ かや アオミドロ ですぐ詰まるので ,
ろ過 面積が大きく ,容易に取り 外しのできるものが 良いと思われ , 逆洗 式は
不適と判断された "
(千歳支場 )
く
参考資料 )
飼育池の清掃 機は ついて
1
構
造
本清掃機は ,図一 1 に示すとおり 吸引部には市販の 電気掃除機のブラシ 及
び継ぎ手を使用している。 他 底部の排泄物等は ,
ブラシを押すことにより 後
方のブラシ部分で 捕えられ,その 直前にあ る吸引口から 吸引される。
吸引の原理は ,図一 2 に示すとおり 水中ポンプの 排水管に水中曝気装置
( サーキュレータ 一 ) を取り付け,その 先に,吸引部側から 導いた 40m九m
のホースを取り 付け,水中ポンプによる 水の押し出しで 排泄物等を同時に 排
ダ
水 する。
なお,作業中にホースが 沈み排泄物等を 巻き上げるため ,約l m 間隔に浮
一 56
一
予を取り付けホースを 浮かす必要があ
2
る。
使用結果
昭和 59年度は,天塩事業場において 本清掃機を排水路にそなえ 付 け ,ホー
ス延長約 30m で使用した。
この結果
① 排泄物等は ,ほば完全に除去でき ,また,排泄物等の巻き上げも 殆ん
どなく,池 一面当たりの 清掃時間は約 1 時間と作業の 効率化が図られた。
② 誤って稚魚を 吸い込んだ場合でも , 24 時間生残率 93.3% と稚魚には 殆
んど影響がなかった。
③ 付着藻類等を 除去するまでには 至っていない。
④ 砂利等がサーキュレータ 一部分につまるなどの 問題点も指摘された。
図 -2
掃除
(
@
ホ中田先
サーキ 萄且レーク ヨ
1@
@
ホ中
ポ
,7
・
弗
プ
,除
ラ棋
図 -l
ア
(LB-25o1
棲担き手
(天塩文場
57
一
事業 係 )