モジュールME-16 ME-16 ピボットテーブルによる データ分析 岡山県情報教育センター ピボットテーブルによるデータ分析 EXCELのリスト(シート上の表形式のデータ)から縦・横の項目を設定して新しい表(集 計表)を作ることができます。この表を「ピボットテーブル」と呼びますが、集計を自動で行う ことができるので、学校では科目などの選択人数を確認したりするのに便利で、うまく利用すれ ば進級時のクラス編成の資料を作成するのにも役に立ちます。 1 ピボットテーブルウィザード 例としてクラス編成の資料作成にピボットテーブルを応用してみる。 (学校ごとにクラス編成の方法 は異なるので、実際には各校の現状にあわせて行うこと) ①「演習_ピボットテーブル.xls」を読み込む。 ②準備しているデータを確認する。 ・名簿(現在の組、番、氏名、せい、めい) ・クラス編成に用いる項目 今回は項目 1~5 までに A~C の段階の データを準備した。 ※項目 1 は「地区」として、これだけは 10 種類にしておいた。実際にはこれに、 「リーダーシップ」などを当てはめれば よい。 ・計算、新組、新番号 編成作業と後の処理に用いる。 この例では「計算」列の計算式を次のように設定している。 Mll: 「=COUNTIF(I11:L11,”=A”)*5+COUNTIF(Ill:Lll,”=B”)*3+COUNTIF(I11:Lll,”=C”)*1」 つまり、項目2~5で A を 5 点、B を3点、C を1点として合計点を「目安」として算出している。 全クラス(例では3クラス)を「計算」の列が降順になるように並べ香えて、 「新組」に仮のクラスを入力する。 このときに1,2,3,1,2,3,・・・と入力すると、1組に得点の高いものが集まるので、例えば1、2,3, 3,1,2,2,3,1・・・というように同じ並びが続かないように仮クラスを設定してゆく。 ③表の構成を確認したら、表内部のどれか(どれでもよい)一つのセルを選択する。 ※複数セルを選択してはいけない。 ④メニューから「データ」一「ピボットテ ーブルとピボットグラフレポート」をク リックする。 ※ EXCEL97 と EXCEL2000 とで異なる。 左図は EXCEL2000 の例 EXCEL97 では「ピボットテーブルレポート」を クリックする。 「ピボットグラフ」は扱えない。 1 ④左図のようにピボットテーブルウイザードが起動 し、まず、データの場所とレポートの種類を確認 する。 ※単一セルを選択していた場合は、そのセルがある領域 (空白セルで囲まれた範囲)が自動的に設定される。 外部データソース(Access などの外部データベース) などからピボットテーブルを作成するように設定する こともできる。 この例では何も変更せず、そのまま、 「次へ」をクリックする。 ⑤範囲設定の画面が現れる。 単一セルを選択していたので範囲が自動選択 され、点滅線で示される。 ここで範囲を変更することもできる。 「次へ」をクリックする。 ⑥ピボットテーブルの作成先の設定を行う。 「新規ワークシート」を選択すると、新しいワーク シートが作成され、その上に表示される。 「既存のワークシート」を選択すると、セルの位置 を指定し、その場所に表示させることができる。 「レイアウト」をクリックする。 ※ EXCEL97 では、直接「レイアウト」の画面になり、作成先はその後で設定する。 ⑦レイアウトの設定を行う。 ・ 画面の右に表示されている項目をドラッグし て左のレイアウト画面にドロップする。 ・ ここでは左図のように 「新組」を「行」の位置へ 「項目1」を「列」の位置へ 「性別」を「列」の「項目1」の右へ 「氏名」を「データ」へ それぞれドロップする。 ・ドロップした「項目1」をダブルクリックする。 右図のような画面が出るので ・ 「名前」を「1」に変更 ・ 「集計」を「なし」に設定 ・同様に「性別」でも集計を「なし」にしておく。 2 ⑧ワークシートが挿入され、ピボットテーブルが作成される。見やすいように列の幅を変更する。 「新組」が2 「項目1」が8 「性別」が1 の該当者が2名である ことを示す。 「項目1」の内容・・・それぞれが「性別」の1、2を含んでいる。 ※ 内容が「5」のときは「性別」の「1」のデータが存在していないので非表示されている。 ・設定したレイアウトどおり、縦に「新組」横に「項目1」 「性別」が並んでいるのが確認できる。 ・シートの名称を「資料」としておく。 2 複写によるピボットテーブル作成と再設定 ①ピボットテーブルをコピーする。 ・表示されているピボットテーブル内部で、右クリック→「選択」→「テーブル全体」をクリック して、ピボットテーブル全体を選択する。 ※テーブルの左上隅、例ではA2セルの上部分にマウスカーソルを合わせるとカーソルが下向きの矢印に変わる。 このときクリックすればテーブル全体を選択できる。 ・メニューから「編集」→「コピー」を行う。 ・貼り付けたい場所をクリックして選択し、メニューから「編集」→「貼り付け」を行う。 ここではA1セルに貼り付ける。 ②新しく貼り付けたピボットテーブルを選択肢、右クリック→「ウィザード」を選択する。 ※EXCEL2000 では表示されるダイアログから「レイアウト」を選ぶ。EXCEL97 では直接レイアウト画面になる。 ③レイアウトの再設定を行って、 「項目1」を削除し、 「項目2」を加える。 ・ 「項目1」をドラッグして、テーブルから離れたところでドロップする。 ※「項目1」を「1」という名称にしているので、実際には「1」を削除する。 ・テーブル内部の「項目2」をドラッグし テーブルの「性別」の左にドロップする。 ・ドロップした「項目2」をダブルクリッ クして、名称を「2」、集計を「なし」 に設定する。 ④再設定を行ったピボットテーブルをコピーし、A20,J11,J20 に貼り付ける。 ⑤それぞれのピボットテーブルを再設定して、項目1~5の全てを確認できるようにする。 ⑥列の表示を見やすいように設定する。 3 ⑦次のようになる。 3 ピボットテーブルの応用 作成した表から、クラス編成上の偏りを見つけて、修正を行う。 ①各テーブルを調べて、クラスによる偏りをみる。 「項目2」のテーブル(右図)を見ると、 ・1,2組はAが4人なのに3組では2人 ・3組のCの人数は2組の6人に対して8人と多い。 となっているので、 ・3組のCの誰かを2組へ ・2組のAの誰かを3組へ 移動させればバランスが取れることになる。 ここで男女(1,2)をみると3組のCは男子(1)の方が5人と多いので男子を移動させれ ば良いだろうと考えられる。 ②テーブルデータの詳細を表示して、移動の候補者を捜す。 ・テーブルの該当部分をダブルクリックすると、その集計値の元データが新しいワークシートに 表示される。 ・ここでは3組のC、男子の5人を示す「5」をダブルクリックする。 該当の5名のデータが表示される。 新しいワークシートが挿入される。 ・同様に2組のA、男子の「2」を 詳細表示させる。 4 ③シートのデータを複写して並べて見比べ、候補者を絞り込む。 ・今回は新3組の「西 和則」と新2組の「芳明 充洋」を入れ替えてみる。 ④「名簿」シートを選択し、データを変更する。 ・現3組(B列参照)の「西 和則」の「新組」 (N列〉を「2」に変更する。 ・現1組の「芳明 充洋」の「新組」を「3」に変更する。 ⑤ピボットテーブルを更新する。 ・シート「資料」を選択し、メニューから「データ」→「データの更新」をクリックする。 ・再集計が行われ、各テーブルの値が変更される。 ※書式(列幅)も再表示で変更されるので設定をやりなおす。 ⑥それぞれの項目で同様の変更を行い、それを繰り返して全体のバランスを整える。 ⑦できた編成を新クラス、せい、めい、で並び替えを行い、新しい名簿を作成する。これを印刷して 関係者で詳細を評価し、生徒間の関係などから最終調整を行って、編成資料の一つとする。 再集計を繰り返すときには、それぞれのテーブルの再設定時にウィザードから「オプション」 で「表のオートフォーマット」のチェックを外しておくとよい。 5 ■ Microsoft,Windows,Windows NT, Microsoft Office,Microsoft Outlook,Internet Explorer,MSN は米国 Microsoft Corporation の米国およびその他の国における登録商標または商標です。 ■ Netscape, Netscape Navigator, Netscape ONE, Netscape の N ロゴおよび操舵輪のロゴは、米国 およびその他の諸国の Netscape Communications Corporation 社の登録商標です。 ■ 一太郎、ATOK は、株式会社ジャストシステムの登録商標です。 ■ その他、本書に掲載したプログラム名、システム名、CPU などは一般に各社の登録商標です。本 文中では、TM などのマークは明記していません。 ■ 本文中では「Microsoft® Internet Explorer」のことを「Internet Explorer 5.0」または「IE5.0」 、 「Internet Explorer」と記述しています。 平成13年11月1日 初版発行 発行 岡山県情報教育センター 〒703-8288 岡山市赤坂本町3番15号 電話 (086)272-1405(総務課) 272-4608(研修課) 交通機関 市内電車 岡山駅前(東山行)乗車 東山(終点)下車,南へ徒歩7分 市内バス 岡山駅前(東山行)乗車 東高前下車,西へ徒歩2分 禁無断転載 ©2001 岡山県情報教育センター
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