Vol. 0 No. 1 IPSJ Journal Regular Paper Jan. 1959 無線電波強度の可視化に関する検証 Kiyomi Kageyama(景山清美) y LAN 本研究の目的は、無線 アンテナの電波の強弱を、測定位置が分かる形で可視化することで、 ネットワークオペレータが無線通信のトラブルに対処する際の仕事量を軽減することである。本研究 では、無線データをグラフ化する方法を取ることにする。具体的には、電波測定ツールで取得した無 をもとに、測定位置を表わす横軸と縦軸のフィールド 上に電波の強弱を色で表わす点 線データの の主旨である。 をプロットするプログラムを作成することが、本 で見られる方法で出力することに 尚、このグラフは、グループ内での共有を可能にするため、 する。 log 1. 背 Term Project web 本研究はこのうち二つ目の部分を対象とするも のである。 システムの概要は、無線の電波強度を位置情報 とともに測定し、強度と位置を可視化するもの である。何故強度と位置を可視化するかという と、レイヤー 1 に起因するトラブルの主要因は 電波が取得できないことであり、電波強度を位置 情報とともに示せば、通信不良のクライアント の周辺の電波を見ることで、トラブル要因がレ イヤー 1 にあるのかどうかを判断できるからで ある。そうすれば、例えば operator が client の 無線環境を知りたいと思った時、従来までは単 につながっているかいないかしか分らなかった のが、無線のリンク・クオリティが良好か、信号 強度はどうかといったより詳細な点まで知るこ とができるようになる。 なお、今回は試作段階のため、クライアント側と オペレータ側とに作業を分けず、電波ログ取得 からグラフ化までの全過程を、制作者の PC で 行っている。 景 無線 LAN アンテナの電波が不安定である、無 線でネットワークに繋がらないといった、無線に 関するトラブルがあった場合、その原因と解決 法をクライアントに示すサービスを提供したい。 しかし現状では、ネットワーク・オペレータが、 トラブルを抱えているクライアントのつながっ ている AP の通信品質を知ろうとしても知るこ とができない、その結果何がトラブルの原因か を特定するのが困難であるという問題がある。 2. 目 的 2.1 モデルの提案 本研究が想定しているのは、無線電波に関す るトラブルの原因を特定し、解決する無線 LAN 管理サービスである。具体的には、無線でネット ワークに接続したクライアントから無線データ を収集し、その log をオペレータのもとに集め て、通信不安定などのトラブルの際に、原因と 解決法をユーザに提示するというのが、本研究 が提案する利用モデルである。 3. 実現される世界 2.2 本研究における実現部分 本研究によって、例えば夜のデルタにネット ワーク管理者が独り残留していて、アクセスポ イントとノックのサーバが同時におかしくなり、 有線も無線も壊滅、しかも誰にも連絡がつかな いという場合、トラブルの原因をより容易に特 定できるといった作業の軽減化が実現する。 こうしたサービスに関し、本研究では通信ト ラブル要因がレイヤー 1 であるかどうかを突き 止めるシステムを構築する。本システムの実現 には以下の三つの仕組みが必要である。 クライアントの所有する無線電波 log をオペ レータのもとに収集する仕組み log を可視化する仕組み クライアントが無線通信の品質が不良な地 点で何が起きているかの情報をオペレータ から取得する仕組み y ☆ 4. 設 計 4.1 無線電波強度と位置の測定 無線 LAN の電波がどこまで届いているかを一 目瞭然にするため、GPS と連動した netStumbler で取得した電波 log の、強度と位置をグラフに出 力する。 しかし現状では、NetStumbler が出力するグラ フは、GPS で取得した位置情報を反映していな い。しかも NetStumbler が生成する無線電波 log は、位置で重複するデータがあったり、位置情報 Login name is cecil.University of Keio,2nd Year Student In Faculty Of Environment Information At Shonan Fusisawa Campus.Primary KG is nacm. The real author is the Editorial Board of the Trans. IPSJ. 1 2 IPSJ Journal に基づくグラフ化に適さないフォーマットであ るなど、さまざまな問題がある。 この問題を解決するため、log を適切なフォーマッ トに変換するプログラムを作りたい。さらに、そ の log 中の電波強度データを位置情報に基づいて グラフ化するプログラムを作りたい。 4.2 log フォーマット 統一とグラフ化プ ログ ラム まず、無線電波測定ツールで取得した無線デー タの log を、コンバータファイルを実行して csv 形式に変える。次に、グラフ化ファイルを実行し て点グラフを、北緯を y 軸、東経を x 軸にとっ た出力フィールド 上に、電波強度により色分け して出力する。最後に、そのグラフを web で見 られるようにする、というものである。 なお、プログラムを csv le 出力とグラフ化との 2つに分けたのは、csv le でデータを蓄積し、 グラフを見たい時だけグラフ化することができ るようにするためである。 5. 実 装 5.1 log 収 集 GPS と連動した NetStumbler をインストール した Note PC でアンテナの無線データを収集 する。 5.2 コンバータファイル作成プログラム log をグラフ化に適した書式に変換して、csv le として出力するプログラムを書く。これには C を用いる。以下に format を示す。なお、この フォーマットは NetStumbler が生成する指標に 従って決める。 連続する N とスペース、E とスペースをス キップ。 tab をコンマに変換。 位置データを格納する [ ] 内のスペースをコ ンマに変換し、[ ] は削除。 位置情報取得ミスしている行は削除。 重複する行を一つにする。 冒頭のコメント文は削除。 5.3 グラフ化プログラム 次に、GPS の位置情報を反映したグラフを web 上に表示するプログラムを書く。これには java を用いる。以下に処理の流れを示す。なお、測 定位置は North(北緯)・East(東経) に、電波強度 は SNR(signal-to-noise ratio[信号対雑音比率])・ Signal(信号)・Noise(雑音) に基づく。また、 le のデータを web で使用する際、 le の呼び出しは security 上の事由によりできないため、 le 名を URL で指定する方法をとる。 csv le の読み込み ↓ グラフ化処理 ↓ html le に csv le の URL を指定 Jan. 1959 6. 評 価 6.1 性 能 評 価 使いかたに不自由な点がある。JAVA のグラフ 化プログラムは指定した URL に置かれた同じ名 称の csv le しか読み込まないので、複数の log のグラフを見たければ、一回グラフを出すごと に html の URL 識別子の箇所をそれぞれの csv le 名に書き変えるか、同じ csv le を上書きし なければならない。前者の方法では、html le を 開いて改変する手間が、後者の方法では、もし 前回の log のグラフを見たければ、もう一度その log で csv le を作り直してからグラフを出さな ければならない手間がかかる。 6.2 社会的有意性 オペレータはこのグラフを参照にして、無線 LAN のメンテナンスをより効率的に行なうこと ができる。 また、別の使い方として、無線を使って作業した い区画で一度無線データを収集しておけば、作 業に適した場所を探す際、位置情報を参照にで きるため、歩きながら電波の強そうな場所を見 つけるより効率が良い。また、次回作業する際 に歩き回る労力を省くことができる。 6.3 反 省 無線 LAN アンテナの電波の到達範囲を一目瞭 然にしたいと考えた時、当初は、電波強度を地 図上でプロットするつもりであった。しかしプロ グラミング力の不足から、今回は GPS の位置情 報を反映するだけで終ってしまった。地図との 連動は今後の課題にしたい。また、電波を歩い て測定するという収集方法のため、測定範囲が 広範に渡ると取り切れない箇所が生じ、グラフ 上のその部分が空白になるという問題が残って いるので、これも収集方法を見直すなど、今後 の解決が期待される。また、GPS で位置を取得 不能な場所や天候時にはどうするかに関しては フォローできなかったので、これも今後の課題で ある。 References 1) 林晴比古:改訂 新 C 言語入門 ビギナー編,SOFT BANK(1998). 2) Steve Oualline: Practical C , SOFT BANK (1992). 3) Joseph O'Nell.: 独 習 JAVA, SE shoeisha (1999). 4) 高 橋 麻 奈: や さ し い JAVA, SOFT BANK (2000). 5) 慶応義塾大学 SFC 研究会:インターネット ITS に係わる基盤要素技術の開発報告書,(2003), 第三 部 p25. 6) W.Slavin: NetStumbler , http://www.netstumbler.com/, (2001,2002)
© Copyright 2026 Paperzz