びって 附高池田校舎カウンセラー便り No 、 5 < 2 0 0 8 . 0 9 . 0 3 > 8月後半がとてもしのぎやすく、このまま秋になるのかしらと思っていましたが、学校が始まるのを待ってい たかのように又暑くなりましたね。皆さん、お変わりありませんか?海や山にでかけましたか? 先日新聞を読んでいたら、この夏水着を着なかった人が75%というアンケート結果がのっていました。 私もその中の一人です。そういえば私は自分の母親の水着姿を見たことがありません。海水浴に連れて行っ てもらっても、母はいつもビーチパラソルや海の家で、荷物番をしていました。「お母さんつまらなくないのか な?」と子供心に思ったものですが、母は私たちのはしゃぐ様子を見るだけで十分楽しそうにしていました。う ちの親だけではなく、まわりにもあまり海水浴をしているお母さんはいませんでした。今では子どもと一緒に入 るママ達のほうが多分多いでしょうし、フィットネスクラブなどでは人生の大先輩のご婦人達が華やかな水着で プールを楽しんでいます。時代、文化によってずいぶん変わりますね。だからといって昔のお母さん達の方が 今より幸せでないとはいえないのが、面白いところなのですが。 蜘蛛の巣をみつけて 夏休みの私にとっては、お盆前から夫の実家にみんなで帰り、お墓参りをしたり、一人暮らし の義父としばらく過ごすことが、結婚以来欠かすことの出来ない行事になっています。 特に何をするわけではなく、のんびりと家事をします。実家の周辺はまだ田んぼがたくさん残っ ていて、朝顔やひまわりや鶏頭の花が咲き、蝉の声、虫の声が聞こえる、そんなのどかなところ です。ある朝洗濯物を干していると、草花の間に透明の蜘蛛の巣がかかり、それに太陽の光が そそぎ、虹色に光っているのが見えました。幾何学模様が手を止めて見とれるほどきれいでし た。神戸の家のベランダでたとえば蜘蛛の巣を見つけたら、掃除の不行き届きを反省して大あ わてで片付けてしまうのに、なぜここではこんなにきれいに見えるのだろうとちょっと不思議でし た。置かれる場面というか環境が違うとこんなに扱いや印象が違うんだなと思いました。で、連 想したのが「人格障害」の定義でした。唐突でしょ?でも頭の中に浮かんできたのです。人格障 害とはとてもおおざっぱに言ってしまうと「性格のいちじるしい偏り」によって、本人と周りが困っ ている状態のことです。ただしその偏りとは、「ある特定の文化における平均的な人間が、知覚 し、考え、感じ、そしてとりわけ他人にかかわる仕方からの」偏りだと定義(IC-10より)されて います。 違う環境や、文化、時代、地域に住んでいたらなんでもなく受け入れられることが、こちらの世 界の中では「困った性格」「とんでもない行動」と見なされることって案外多いのかなと、 たった一つの蜘蛛の巣からそんなことを考えていました。 では今月も宜しくお願いします。 カウンセラーは西館がリニューアルするまで 国際センター一階の総合学習室にいます。どうぞお話にいらしてください。 9月の来校日は 3日、5日、8日、10日、12日、17日、22日です。
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