エアロビックトレーニングとレジスタンストレーニングが太り過ぎあるいは

エアロビックトレーニングとレジスタンストレーニングが太り過ぎあるいは
肥満の成人の体重と脂肪量に及ぼす影響
Willis LH et al. J Appl Physiol. 2012; 113: 1831-7
近年の減量と体重維持のための運動ガイドラインには、運動処方の一環としてレジスタンストレーニング
が含まれている。今のところ、同じ運動量のエアロビックトレーニングとレジスタンストレーニングが、過
体重の成人の体重と体脂肪量に及ぼす影響を比較したした研究はほとんどない。STRRIDE AT/RTという無作
為試験により、 肥満の減少のための最適な運動を見つけるために、エアロビックトレーニング、レジスタン
ストレーニング、あるいは両方を組み合わせた群で比較した。被験者は11 9名の運動量が少なく太り過ぎや
肥満の成人で、3つの8ヶ月の運動プロトコールの1つに無作為に分けられた。1)RT群:レジスタンスト
レーニング、2)AT群:エアロビックトレーニング、3)AT/RT群:エアロビックとレジスタンストレーニ
ング(ATとRTの組み合わせ)。主な結果には体重、体脂肪量および除脂肪量が含まれていた。AT群とAT/RT
群はRT群より体重と体脂肪量が有意に減少したが(p < 0.05)、これらの群間に有意差はなかった。RT群と
AT/RT群はAT群より除脂肪量が有意に増加した (p < 0.05)。ATとRTの組み合わせのプログラムは、ATのみ
に比べて倍の時間の参加を必要としながら、結果的に体脂肪量あるいは体重に有意な減少をもたらさなかっ
た。健康上の利益と参加時間のバランスから、ATは体脂肪量と体重の減少させる運動として最適な方法であ
る一方、RTを含むプログラムは中年の太り過ぎ/肥満の人で除脂肪体重を増加させるために必要である。
(2013年2月12日 博士前期課程2年 中島あゆみ)
レジスタンス運動は除脂肪組織を増やして基礎代謝を増大することで、体脂肪の減少や蓄積防止に効果が
あるのではないかと考えられている。本研究では基礎代謝は報告されていないが 、レジスタンス運動で除脂
肪組織が増えたり筋肉が肥大しても体重や体脂肪を減少させていない。被験者のエネルギー摂取量は
2000~2100kcal/日、開始時の体重は88~89kgで8ヶ月間の減少量はエアロビック運動をおこなった群で1.7kgほ
ど。レジスタンス運動だけの群では体重は減少していない(岡村浩嗣)。