生涯研修コード 0 50 10 5 ク リ ニ カ ル 注目されるバイオフィルム除去 からの歯ブラシ選び 山田 やまだ さとる ● 東京歯科大学教授(歯周療法学講座) ● 歯学博士 ● 日本歯周病学会理 事,日本保存学会理事,日本歯周病学会・日本保存学会・日本口腔インプ 9 7 2年東京歯科大学卒業,7 6年同大学院修了,8 8年 ラト学会各指導医 ●1 ペンシルバニア大学歯周病学教室研究員,9 1年東京歯科大学教授,9 5年東 京歯科大学副病院長,0 1年東京歯科大学病院長 ●1 9 4 5年8月生まれ,千 ,プログレッシブテクニック臨床医 葉県出身 ● 著書:歯周病学(共著) のための歯周治療(共著) ,細菌から体を守るプラークコントロール(共 著)ほか ● 主研究テーマ:歯根膜を中心とした再生医療に関する研究, インプラント周囲炎に関する研究,咬合性外傷に関する研究 了 要 約 従来,歯ブラシによるプラーク除去は,歯ブラシの はじめに 毛先の器械的除去を主眼としていた。しかし,最近, 歯周病は歯面に付着したプラークによって発症する プラークが集団を形成するバイオフィルムであること 感染症です。また,この歯周病の治療や予防において が示されてきた。そこで,より効果的なバイオフィル 重要な療法の1つとしてブラッシング法が取り上げら ムの除去法の研究が進められている。このバイオフィ れてきました。従来,ブラッシングによるプラーク除 ルムを除去する方法として間接的除去を用いた電動, 去は,歯ブラシの毛先がプラークに接して器械的に除 音波,超音波歯ブラシによるブラッシング法を解説 去することを主眼にしてきました。しかし,最近,こ し,電動,音波,超音波各種歯ブラシのプラーク除去 のプラークが,集団を形成して歯面に付着するバイオ 効果,その特徴や使用上の注意点などを併せて示す。 フィルムとして生存しており,歯周病をバイオフィル ム感染症と捉える概念が提唱されています。 そこで,今回は,プラークの除去法についてプラー クをバイオフィルムとして捉え,ブラッシングについ て直接的な器械的作用と,現在注目されている間接的 キーワード 電動・音波・超音波歯ブラシ/ バイオフィルム/プラーク除去効果 4 ● 826 日本歯科医師会雑誌 Vol. 5 7 No. 82 0 0 4−1 1 な作用によるプラーク除去法に焦点を当てて述べま す。 では,細胞壁の肥厚や代謝活性の低下が示されていま 1.歯周病とバイオフィルム感染症 す。したがって,ヒトの生体内に形成されたバイオ フィルムは,抗生物質や生体の免疫機構に抵抗を示 1)バイオフィルム感染症 歯周病の発症と進行には,歯肉縁上プラークから発 展した歯肉縁下プラークの関与が示されています。こ し,ただ単にポケット内に抗生物質を投与しただけで は,フイルム状の細菌集落に対して十分な効果が発揮 できません。 のプラークは,歯周ポケット内の種々なる因子の攻撃 を逃れるために付着や凝集によって歯面上にフィルム 4)バイオフィルム感染症の治療法 状の細菌集落を形成しています(図1) 。このような バイオフィルム感染症である歯周病治療の基本は, 細菌叢の集落をバイオフィルムと呼び,歯周病が,バ 歯肉縁上および縁下プラークのバイオフィルムの器械 イオフィルム感染症であるという新しい概念が提唱さ 的除去と環境の改善です。バイオフィルムの器械的な 1) れています 。 除去は,歯ブラシの毛先の動きによる物理的除去法で す。一方,バイオフィルムの環境の改善は,歯ブラシ 2)バイオフィルムの成熟 バイオフィルムは,浮遊性細菌がまず歯面上に付着 し,自ら産生する粘着性物質によって被覆しながら増 の毛先の到達しない部位や届きにくい部位のバイオ フィルムを超音波歯ブラシや音波歯ブラシの超音波や 音波の波動エネルギーで分解,破壊することです。 殖,成熟していきます。さらに,1つのバイオフィル ムの成熟が進むと,このバイオフィルムから浮遊性細 2.バイオフィルム除去検討用モデル 菌が遊出し,あらたなバイオフィルムを形成し,増大 すると考えられています2)。 1)バイオフィルムモデル 超音波歯ブラシや音波歯ブラシによるバイオフィル 3)バイオフィルムの環境 ムの分解,破壊を観察するために口腔外でバイオフィ 成熟したバイオフィルム中では,酸素分圧,Ph 等 ルムを再現させる試みが行われています。口腔外でバ に勾配が生じることによって多種多様な細菌の生存で イオフィルムを再現させる方法として,HA ディスク 3) きる微小環境が形成されます 。また,バイオフィル やスライドガラス上に造らせる方法がとられていま ム中では数多くの種類の細菌が,共生関係を維持し, す4)。スライド上に再現する方法として滴下反応器を 共存しながら独特の細菌叢を呈しています(図1) 。 用いています(図2) 。 このフィルムはバリアとして働くとともに内部の細菌 図1 歯周ポケット内のバイオフィルム 図2に示す滴下反応器内に設置したスライド上にバ 図2 滴下反応器の模式図 (Darveau et al.,1 9 9 7より引用) 日本歯科医師会雑誌 Vol. 5 7 No. 82 0 0 4−1 1 827 ● 5 イオフィルムを形成します。すなわち,Streptoccoccus 近いガラススライドの端から0∼5!,5∼1 0!,1 0 mutans をガラススライド上に加え,滴下反応器の炭 ∼1 5!の3ヵ所の距離で残存したバイオフィルムの厚 酸ガス気相下,3 7℃で培養します。最初の3時間,反 さを測定します。 応器を水平位置で培養し,S. mutans がガラススライ ドに付着します。その後,滴下反応器は1 0度の傾斜し 3.音波歯ブラシと超音波歯ブラシの たブロック上におき,この間,栄養は栄養供給口のシ バイオフィルム除去効果 リコンチューブで注がれ,図2の廃液排水口へ自然落 下されます。流れる細胞中で炭酸ガスのヘッドスペー スが保持されています。4 8時間培養後にバイオフィル ムが図2のガラススライド上に形成されます。 1)音波歯ブラシによるバイオフィルム除去 前 述 し た2. のモデルを用いて音波歯ブラシに よるバイオフィルムの除去効果を検討しました4)。 S. mutans バイオフィルムを滴下流体反応器のガラス 2)隣接歯間部位の刷掃モデル スライド上に培養し,歯間モデルに設置しました。各 バイオフィルムの形成されているガラススライドを ガラススライドは,二種のA, B音波歯ブラシを使用 滴下反応器から取り外し,ガラススライドを歯間モデ して各1 5秒間ブラッシングを行いました。毛先の先端 ルの中に置き,約1 0!の深さまで滅菌リンゲル緩衝液 からの距離で,バイオフィルムの厚さを測定し,術前 で満たします(図3) 。歯ブラシヘッドの位置を調整 の厚みとブラッシング後の厚みを比較しました。その 後,1 5秒間作動させます。ガラススライドをチャン 結果,A 音波歯ブラシは,毛先の音波振動によって バーから外して染色し,ついで4℃で1時間培養しま 大量の泡が作り出され,歯間モデルにおける隣接歯間 す。ガラススライドのバイオフィルム中の生細胞は緑 を通って大量の泡が吐出されていることが明らかとな 色に,死細胞は赤色に染色されます。毛先先端に一番 りました。 また,A 音波歯ブラシは,図4に示すごとく毛先 から0∼5!では5 7%,5∼1 0!では5 3%,1 0∼1 5! では4 3%の厚さの減少を示しました。B 音波歯ブラシ では,毛先から0∼5!,5∼1 0!,1 0∼1 5!の距離 で,1 6%,1 3%,1 9%の厚さの減少を示しました。し (%) 図3 歯ブラシの刷掃モデル 1:観察方向 2:バイオフィルムスライド 3:歯の模型 4:歯ブラシ 5:リンゲル緩衝液 (Adams et al.,2 0 0 2より引用) 6 ● 828 日本歯科医師会雑誌 Vol. 5 7 No. 82 0 0 4−1 1 A : A 音波歯ブラシ 図4 B : B 音波歯ブラシ 音波歯ブラシのバイオフィルム除去効果 表1 超音波歯ブラシによるバイオフィルム除去量 (%) バイオフィルム除去量 HA ディスク面 超音波 電動 との距離 歯ブラシ(UV) 歯ブラシ(V) 1㎜ UV1 > V1 5㎜ UV5 > V5 (UV:超音波歯ブラシ 図5 電動歯ブラシによるバイオフィルム除去量 V:電動歯ブラシ) 4.電動・音波・超音波 各種歯ブラシの臨床応用 たがって,音波歯ブラシによって毛先の届かない範囲 における歯面表面に付着しているバイオフィルムの除 去が可能であることが示されています。 1)各種歯ブラシの特徴 ! 電動歯ブラシの特徴 電動歯ブラシは,基本的には,プラーク除去は 2)電動歯ブラシによるバイオフィルム除去 HA(hydroxyapatite)ディスク上にバイオフィル 振動による器械的なものであり,間接的除去も行 われています。 であり, 図6‐A は,Oral B3D excel (BRAUN) ム を 形 成 し,こ の HA デ ィ ス ク を 両 隣 在 歯 間 に 装 着,隣接面間のプラークをブラシの毛先の振動によっ 5) 電動歯ブラシは,毎分2, 5 0 0∼7, 5 0 0回のブラシス B2種類を用 て除去しました 。電動歯ブラシはA, トロークでのプラーク除去のタイプです。ブラシ い,5秒間ブラッシングを行いました。その結果,図 の振動の発現方法は,ヘッド全体が振動する毛束 5に示すように A 電動歯ブラシは,バイオフィルム 振動式と毛束が回転する回転式,さらに両者を組 除去率が4 8. 5%であり,B 電動歯ブラシでは,1 5. 9% み合わせた方式などが開発されてプラークの除去 でした。したがって,電動歯ブラシも直接,毛先の届 効果や効率性を増大させています。 かない部位におけるバイオフィルムの除去が可能であ ることが明らかにされています。 " 音波歯ブラシの特徴 現在,発売されている音波や超音波歯ブラシで 3)超音波歯ブラシによるバイオフィルム除去 も歯面に付着しているプラークの除去は,原則的 HA(hydroxyapatite)ディスク上にバイオフィル には,手用歯ブラシや電動歯ブラシと同様にブラ ムを形成し,この HA ディスクを滅菌蒸留水中に固 シの毛先による物理的除去ですが,それに加えて 定,超音波歯ブラシと電動歯ブラシを HA ディスク 間接的除去が注目されています。 面より1!ないし5!の距離で3分間作用させまし 6) 図6‐B は,Sonicare Elite(PHILIPS)であり, た 。その結果,表1に示すように HA ディスク面と 音波歯ブラシは,毎回約3万回の音波振動による の距離が,1!または5!いずれの場合も超音波ブラ プラーク除去のタイプです。この音波振動による シが,電動歯ブラシよりバイオフィルムの除去効果が 高速振動で発生する多数の泡沫により,ブラシの 大でした。したがって,超音波歯ブラシによる微弱超 毛先の接しない範囲,2∼3!から1 5!までの刷 音波がバイオフィルムの微生物に作用することや,毛 掃効果は,前述のごとくです。さらに,ブラシが 先の届かない部位におけるバイオフィルムの除去も可 直接当たっていない細菌の線毛の破壊,細胞構造 能であることを示しています。 の破壊をすることも示されています。 日本歯科医師会雑誌 Vol. 5 7 No. 82 0 0 4−1 1 829 ● 7 A:電動歯ブラシ 図6 8 C:超音波歯ブラシ 各種歯ブラシ 図7 ! B:音波歯ブラシ 各種歯ブラシの周波数 超音波歯ブラシの特徴 Hz 以上です(図7) 。この2 0, 0 0 0Hz 以上の振動 超音波歯ブラシのプラーク除去は,ブラシの毛 数をもつ音波が超音波です(図7) 。 先の器械的な作用ですが,さらに超音波の微振動 図6‐C は,DENT EX systema です。この超 のエネルギーによるバイオフィルムへの除去効果 音波歯ブラシは,電圧をかけるとヘッドの部分に も前述のごとくです。 内蔵されている超音波を生じる超音波振動素子よ ヒトが音の感覚として聞き分けられる弾性波が り,1. 6MHz の超音波が発生し,歯ブラシの毛先 音波であり,聞き取れない領域が1 6, 0 0 0∼2 0, 0 0 0 に伝えられます。この1. 6MHz の超音波の細菌に ● 830 日本歯科医師会雑誌 Vol. 5 7 No. 82 0 0 4−1 1 対する効果は前述したごとくで,その強力な波動 アは,それぞれ1. 3 0,1. 1 6と1. 3 8であり,一方手 エネルギーにより分解された小コロニー化したバ 用歯ブラシでは,それぞれ1. 5 2,1. 5 1,1. 5 6で各 イオフィルムのさらなる分解,剥離に影響を及ぼ 期間とも音波歯ブラシが有意にプラークスコアの し歯面よりバイオフィルムを除去します。 低いことを示しています(図9) 。歯肉炎指数の 改善は,初診と4週後で音波歯ブラシでは,1. 4 7 が1. 2 6に,手用歯ブラシでは,1. 5 8が1. 2 8に改善 2)電動・音波・超音波歯ブラシによる プラーク除去量 ! されています(図1 0) 。出血指数は,初診と4週 電動歯ブラシのプラーク除去効果 後で音波歯ブラシでは5 7. 5が4 0. 7に,手用歯ブラ 7) Weijden ら は,電動歯ブラシと音波歯ブラシ シでは7 1. 6が4 5. 9に,それぞれ改善されています (図1 1) 。 のプラーク除去効果の比較を3 5人のボランティア で行いました。被験者には2 4時間ブラッシングせ 以上の結果より,プラークスコアは,音波歯ブ ず来院させ,一口腔を4分割し,音波歯ブラシと ラシでより改善が得られ,歯肉炎指数と出血指数 電動歯ブラシで実験をしました。結果は,図8に の改善では,両者が同等であったとしています。 示すように各部位でのプラーク除去率は電動歯ブ ラシ4 5%前後であり,音波歯ブラシでは,4 0%前 後で有意に電動歯ブラシのプラーク除去率が大で した。また,実験後のアンケートでは,音波歯ブ plaque index ラシに比較して電動歯ブラシを再度,選択する者 が多かったとしています。 " 音波歯ブラシのプラーク除去効果 Johnson ら8)は,音波歯ブラシのプラーク除去 効果について報告しています(図9) 。5 1名の患 者で2 3名が手用歯ブラシ,2 8名が音波歯ブラシを 用いてブラッシングを行い,1, 2, 4週後にプ ラークスコアを診査しました。 1, 2, 4週後の音波歯ブラシでのプラークスコ (%) 図8 電動歯ブラシのプラーク除去量 図9 音波歯ブラシのプラーク除去指数 gingival index 図10 音波歯ブラシによる歯肉炎指数の変化 日本歯科医師会雑誌 Vol. 5 7 No. 82 0 0 4−1 1 831 ● 9 " 超音波歯ブラシのプラーク除去効果 9) Terezhalmy ら は,超音波歯ブラシのプラー ク除去効果についてみています。 5 4名の患者のうち超音波歯ブラシ2 7名と手用歯 後で超音波歯ブラシでは,0. 4 5が0. 1 8に,手用歯 ブラシでは0. 4 0が0. 4 4になりました(図1 4) 。歯 肉炎指数および出血指数は,超音波歯ブラシでよ り改善が得られたとしています。 ブラシ2 7名で診査を行っています。診査日の1 2∼ 1 4時間前にブラッシングは中止させ,観察開始1 5 日後,3 0日後に診査を行いました。 その結果,図1 2に示すように1 5日後および3 0日 後の初診時に対する各プラーク除去指数は,超音 3)電動・音波・超音波歯ブラシの使用上の 注意事項 ! 使用の前準備 ① 各種電動歯ブラシ,とくに音波歯ブラシでは 波歯ブラシ群では2. 4 8と2. 9 9であり,手用歯ブラ ブラシを確実にバンドルに装着し,あらかじめ シ群では,1. 4 1と1. 3 3です。歯肉炎指数の改 善 水分をブラシに含ませてから電源を入れるよう は,1 5日後と3 0日後で超音波歯ブラシでは,0. 9 9 にします。音波歯ブラシでは,ブラシの振動に が0. 7 1に,手用歯ブラシでは,0. 8 9と0. 8 9であり よる泡沫現象と音波効果を引き出すためにブラ 同様でした(図1 3) 。出血指数は,1 5日後と3 0日 シを十分,水分に浸します。 bleeding index plaque index 図11 音波歯ブラシによる出血指数の変化 gingival index 図13 超音波歯ブラシによる歯肉炎指数の変化 1 0 ● 832 日本歯科医師会雑誌 Vol. 5 7 No. 82 0 0 4−1 1 図12 超音波歯ブラシのプラーク除去指数 gingival index 図1 4 超音波歯ブラシによる出血指数の変化 ② 歯磨剤の使用に関しては,歯磨剤に含まれる 研磨剤が振動数の多い音波や超音波による歯面 おわりに の摩耗を避けるために,また,歯磨剤に含まれ る粒子のブラシ内に入り込むことによる故障防 従来,ブラッシングによるプラーク除去は,歯ブラ 止のためにも指定された歯磨剤を使用します。 シの毛先による器械的除去を主眼としていました。し 電磁波が悪影響を及ぼし誤作動を引き起こす かし現在,歯周病の原因の解明が進み,歯面に付着し 恐れがあるので,ペースメーカー等の体内埋込 ているプラークは集団を形成するバイオフィルムであ 型医用電子器具使用を控えます。 ることが示され,歯周病をバイオフィルム感染症とし ③ て捉え,より効果的なバイオフィルムの除去法の研究 ! 使用法 が進められています。 音波歯ブラシを歯面に当てる場合にブラシを 今後,音波・超音波歯ブラシなどの間接的プラーク 歯面に強く当てすぎず,適切な圧でブラッシン 除去効果を用いた医療器材のさらなる進歩により,容 グを行うことです。適切なブラッシング圧は, 易な,効率のよいプラーク除去法の開発が期待されま 効果的な振動数,振幅を再現させ,間接的なプ す。 ① ラーク除去効果を発現する多くの泡沫を生み出 すことにもなります。 ② 音波歯ブラシでは,ブラシの音波の振動でプ ラークを除去するもので手用歯ブラシのように 歯ブラシを動かす必要はなく,適切なブラシ圧 を歯面に当てることが大切です。 ③ 超音波歯ブラシは,超音波による振動によっ てプラークを除去するとともに手用歯ブラシと 同様に歯ブラシを動かすことでより多くのプ ラーク除去ができるとされています。 ④ 音波・超音波歯ブラシの使用説明書ではその 参考文献 1)Costerton, J. W., Stewart, P. S., Greenberg, E. P : Bacterial biofilms ; a common cause of persistent infections. Science,2 8 4 (5 4 1 8):1 3 1 8∼1 3 2 2,1 9 9 9. 2)Stoodly, P., Sauer, K., Davies, D. G., Costerton, J. W. : Biofilms as Complex differentiated communities. Annu. Rev. Microbiol., 5 6:1 8 7∼2 0 9,2 0 0 2. 3)Marsh, P., Martin, M. V. : Oral Microbiology 4th ed, Oxford, Wright,1 9 9 9. 4)Heather, A., Matthew, T., Winston, J. : Development of a alaboratory model to assess the removal of biofilm from interproximal spaces by powered tooth brushing. Am. J. Dent., 1 5:1 2B1 7B,2 0 0 2. 5)Christopheer, K. H., Aviva, P. and Michael, W. : In vitro assess- 多くが,約2分間使用となっています。手用歯 ment of the plaque-removing ability of hydrodynamic shear ブラシでは,3分間の使用が行われているのに forces produced beyond the bristles by2electric toothbrushes. 対して使用時間が短くなっています。2分間で ブラッシングを行うには,1歯あたり約2秒間 の固定が目安となります。 J. Periodontol.,7 4:1 0 1 7∼1 0 2 2,2 0 0 3. 6)藪根俊晃,野 由一郎,恵比寿繁之:Porphyromonas gingivalis バイオフィルムに対する超音波電動歯ブラシの作用に関する微細 形態学的検索.日歯周誌,4 4(春期特別号):1 5 7,2 0 0 2. 7)Weijden, G. A., Timmerman, M. F., Reijerse, E., Snoek, E. R. and Velden, V. U. : Comparison of an oscillating/rotating electric " 使用後 電動・音波・超音波歯ブラシのブラシ部分は使 用後には十分に水洗し,唾液やプラークがブラシ 部分に残らないように水切りに注意します。ま た,充電式の電動・音波・超音波歯ブラシでは, ブラッシング後の充電も忘れないように使用した らすぐに充電する習慣をつけます。 toothbrush and a ‘sonic’ toothbrush in plaque-removing ability. A professional toothbrushing and supervised brushing study. J. Clin.Periodontol.,2 3:4 0 7∼4 1 1,1 9 9 6. 8)Johnson, B. D. D. and Mcinnes, C. : Clinical evaluation of the efficacy and safety of a new sonic toothbrush. J. Periodontol., 6 5:6 9 2∼6 9 7,1 9 9 4. 9)Terezhalmy, G. T., Gagliardi, V. B., Rybicki, L. A. and Kauffman, M. J. : Clinical evaluation of the efficacy and safety of the UltraSionex ultrasonic toothbrush ; A3 0-Day study. Compend. Contin. Educ. Dent., 7:8 6 6∼8 7 4,1 9 9 4. 日本歯科医師会雑誌 Vol. 5 7 No. 82 0 0 4−1 1 833 ● 1 1
© Copyright 2024 Paperzz