犬訓練士 B249-07 ど んな職業か 警察犬、盲導犬、災害救助犬、空港などにいる麻薬捜査犬、ガス漏れを嗅ぎつけたり、ガードマンの代わりをする犬 など、犬を様々な分野で活躍させるため、その特性や嗅覚などの能力を活用するために専門的な訓練を行うのが、犬訓 練士である。 「訓練」には、訓練所が犬を預かる場合と飼主のもとへ出張訓練に出かける場合があるが、本格的なしつけや教育を するには、訓練所に預かって基本から応用までの訓練を行うのが一般的である。まず、犬と親和を図りながら「座れ」 や「伏せ」といった服従を主とする基本訓練を6ヶ月ほど行う。普通の家庭用の犬はこの単純なしつけで十分であるが 、警察犬の場合は特殊な能力を必要とするので、応用訓練をさらに約6ヶ月行う。警察犬は、シェパードなどが多く、 臭いから犯人を追及したり、犯罪現場に犯人が残した物品の臭いと容疑者の臭いを選別する訓練の他、施設の警護など を行う。 盲導犬の場合は、ラブラドルレトリーバーなどが多く、生後12ヶ月から訓練を始め、障害物をよけること、交差点 で止まること、階段の昇降など、盲人を誘導する方法を教える。最後に盲導犬としての適性を判断し、盲人との共同訓 練を行う。 訓練期間は、給餌、排便の処理をはじめとする日常の健康管理も責任を持って行う。飼い主に、犬の状態や訓練の内 容、進み具合などを説明し、犬の飼い方などを指導する仕事も行う。 就 くには 犬の公認訓練士になるには、日本警察犬協会、ジャパンケンネル クラブ、日本シェパード犬登録協会が実施している所定の試験に合 格して、公認訓練士の資格を取得する必要がある。 まず見習として訓練所に入って技術を身につけ、資格を取得後、 正規の訓練士として2∼3年ほど訓練所で働く。その後は、多くの 人が独立または訓練所を開業しているようである。 盲導犬訓練士の場合は、国家公安委員会が指定する訓練施設で研 修を受け、盲導犬訓練施設に採用されることが必要である。 犬が好きというだけでは務まらず、利口な犬を自由に動かすこと ができる技能、訓練所で共同生活をしていく協調性や根気、飼い犬 を預かる責任感、健康であることも求められる。 労 働条件の特徴 警察犬訓練士の場合、訓練士は、住込みの見習訓練士、住込み訓練士、訓練所をかまえている訓練士、訓練所は持た ないが独立して出張訓練などを行う訓練士の4種類に分けられる。正規の訓練士1人に見習訓練士2∼3人くらいの訓 練所が多く、なかには10人以上の訓練士を抱えているところもある。 生き物を扱う仕事なので、訓練所は年中無休で、休日は当番制である。展覧会や競技会の開催は日曜日が多くなって いる。 犬の訓練技術が最も明確に評価されるのが、警察が実施している嘱託警察犬の審査である。嘱託警察犬制度とは、各 道府県警察が民間で飼育している警察犬を指定して、犯罪捜査などに協力を求める制度である。各道府県では、毎年1 ∼2回嘱託の審査会を実施しており、これに合格すると一人前の訓練士として認められる。この他にも、各種団体が開 催する訓練競技会があり、これらに出場してよい成績をあげることも大切な仕事である。 近年では、身体障害者の生活を助ける「介助犬」や「聴導犬」も普及してきており、犬訓練士の活躍の場も広がって いくと考えられる。 参 考情報 関連団体 関連資格 社団法人 ジャパンケネルクラブ http://www.jkc.or.jp 公認訓練士 コンパニオン・ドッグ・トレーナー 盲人歩行指導員
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