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日薬業発第518号
平成24年3月9日
都道府県薬剤師会会長
殿
日本薬剤師会
会 長
児 玉
孝
新たな医薬品販売制度の完全施行への対応について
(日薬版チェックリスト等の送付について)
平素より本会会務に格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
平成 21 年 6 月 1 日に施行された新たな医薬品販売制度については、日頃より制
度の周知・広報ならびに貴会会員薬局等における対応についてご尽力賜っておりま
すこと、厚く御礼申し上げます。
新たな医薬品販売制度に関しては、本年 5 月末をもってその経過措置が終了し、
6 月 1 日から完全施行となります。そのため、本会では、改正薬事法完全施行の際
に会員薬局で参考となる資料を作成いたしました。
貴会におかれましては、新制度の経過措置終了(平成 24 年 5 月末)を前に、改
めて、医薬品販売制度の遵守徹底と、新しい医薬品販売制度の意義についての国民
理解の向上のため、会員への周知ならびにご指導を賜りますよう、ご高配のほどよ
ろしくお願い申し上げます。
なお、本資料は、平成 24 年 2 月 17 日付日薬業発第 486 号でお知らせした「日薬
版チェックリスト」を含んでおりますことを申し添えます。
記
添付資料
○
2012 年 6 月 1 日、改正薬事法完全施行への対応
(『日薬版チェックリスト』を含む)
※2009/5/22 日薬ニュースでお示しした「2009 年 6 月1日から薬局にお
いて施行となる事項」の改訂版です。
○
新たな医薬品販売制度の概要と法令遵守のポイント
※平成 22 年 8 月 10 日日薬業発第 122 号「添付3」の改訂版です。
上記資料は、本会ホームページ(会員向け)にも掲載いたします。
トップページ > 会員向けページ > 一般用医薬品関係
http://nichiyaku.info/member/ippanyaku/default.html
以 上
2012年6月1日、改正薬事法完全施行への対応
改正薬事法に関し、対応する事項をまとめました。改正薬事法は、2012年6月1日から完
全施行されます。これまで経過措置であった事項には【変更あり】と記載してあります。十分
に留意し、各項目の実施をお願いします。
・第一類・第二類・第三類医薬品の区分陳列。
医薬品を医薬品以外と区別して陳列するとともに、第一類・第二類・第三類医薬品を区分
して陳列。第二類・第三類の陳列場所で、第一類の製品リストや空箱等を示すことは可能。
・第一類医薬品の陳列(第一類医薬品陳列区画の設置)
【変更あり】「第一類医薬品陳列区画の設置」が必要となります。
第一医薬品を取り扱う場合は、第一類医薬品を陳列設備から1.2m以内に消費者が進入
できない措置を施した「第一類医薬品陳列区画」を設置した上、陳列すること。ただし、かぎ
をかけた陳列設備か消費者が直接手の触れられない陳列設備に陳列している場合は、消
費者が進入できない措置を実施しなくともよい。
消費者が進入できない措置とは、カウンター等の通常動かすことのできない構造設備によ
り遮断することで従事者以外の者が進入できないような措置をいう(以下、同様)。
・指定第二類医薬品は、情報提供場所から7m以内の範囲又は消費者が触れられない
場所に陳列。
【変更あり】消費者が触れられない場所として「陳列設備から1.2m以内に消費者が進入
できない措置」という要件が付きます。
指定第二類医薬品は、情報提供場所から7m以内の範囲に陳列。ただし、かぎをかけた
陳列設備か陳列設備から1.2m以内に消費者が進入できない措置をとっている場合は、7
m以内でなくても可能。
・薬局医薬品は調剤室や倉庫以外の場所に貯蔵しない。
薬局医薬品は調剤室又は一般用医薬品の陳列や交付する場所以外の場所(倉庫等、
薬局の従事者のみが立ち入れる場所又は従事者のみが手に取ることができる場所)に貯蔵。
薬局製造販売医薬品(薬局製剤)は、薬剤師による情報提供が十分確保できることを前提
に、同一又は類似薬効の一般用医薬品の陳列場所で、製品リストや空箱等を示すことは可
能。
・一般用医薬品や第一類医薬品を販売しない時間は、陳列する場所を閉鎖。
【変更あり】非販売時の閉鎖方法が詳細に規定されます。
一般用医薬品を販売しない営業時間は、一般用医薬品の陳列や交付する場所を閉鎖。
第一類医薬品を販売しない営業時間は、第一類医薬品の陳列場所を閉鎖。ただし、かぎを
かけた陳列設備に第一類医薬品を陳列している場合は、閉鎖しなくてもよい。閉鎖は、シャ
ッター、パーティション、チェーン等、物理的に遮断され、進入困難となるもの。可動式の構
造設備の場合には、従事者以外の者が動かすことができないような措置を取ったもの。また
閉鎖した区画の入り口に「専門家不在時の販売等は薬事法に違反するためできない」旨を
表示。
・調剤室に消費者が進入できない措置を施すこと
・第一類医薬品は、書面を用いた情報提供を行う。
・第二類医薬品は、必要な情報提供を行う。
第一類は、薬剤師が情報提供場所で、書面を用いて情報提供。情報提供する項目は「①
名称」、「②成分・分量」、「③用法・用量」、「④効能・効果」、「⑤使用上の注意のうち、保健
衛生上の危害の発生を防止するために必要な事項」、「⑥その他薬剤師が必要と判断する
事項」。なお、書面を必ずしも購入者に交付する必要はない。
第二類は、薬剤師又は登録販売者が情報提供場所で、情報提供を行うように努力。情報
提供する項目は第一類と同じだが、書面を用いることまでは求められていない。
購入者から情報提供不要との意思表示があった場合、第一類は、薬剤師が必要と判断し
た場合には積極的に情報提供を行う。第二類は、情報提供を行わなくとも良い。
・調剤された薬剤、薬局医薬品は、書面を用いた情報提供を行う。
調剤された薬剤については、書面により「①名称」、「②成分・分量」、「③用法・用量」、「④
効能・効果」、「⑤その他薬剤師が必要と判断する事項」の情報提供が必要だが、薬剤師法
第 25 条に規定された事項が薬袋に記載されていれば①∼④は記載しなくてもよい。
薬局医薬品については、書面により「①名称」、「②成分・分量」、「③用法・用量」、「④効
能・効果」、「⑤保健衛生上の危害の発生を防止するために必要な事項」、「⑥その他薬剤
師が必要と判断する事項」の情報提供が必要。
・情報提供場所の設置。
・情報提供場所の設置は調剤された薬剤、薬局医薬品についても同様。
【変更あり】情報提供場所の設置要件が詳細に規定されます。
以下の要件を満たす場所を調剤された薬剤、薬局医薬品、一般用医薬品の販売等の際
の情報提供を実施する場所として設置する。①調剤室に近接、②第一類を陳列する場合は、
第一類医薬品陳列区画の内部または近接、③指定第二類を陳列する場合は、指定第二類
の陳列設備から7m以内。ただし、かぎをかけた陳列設備か指定第二類の陳列場所から1.
2m以内に消費者が進入できない措置をとっている場合は、除外。④2以上の階で医薬品を
陳列している場合は、各階の医薬品を陳列している場所の内部に設置。
複数の情報提供場所がある場合には、いずれかの設備が適合していればよい。
・すべての医薬品についての相談応需。(調剤された薬剤、薬局医薬品についても同
様)
購入者等から相談があったとき、調剤された薬剤の場合は、情報提供場所又は患者の居
宅等で、薬局医薬品又は一般用医薬品の場合は情報提供場所で、薬剤師(第二類・第三
類医薬品の場合は登録販売者でも可)が対面で情報提供すること。
・薬局には薬剤師が常駐すること(いないときは閉局)
【変更あり】体制省令により明確化されます。
・名札の着用。
薬剤師、登録販売者は、氏名に加え「薬剤師」、「登録販売者」と名札に記載するか、氏名
を記載した名札に加えて薬剤師又は登録販売者の別を記載したバッジ等を付ける。一般従
事者は、氏名のみ、または氏名に加え「一般従事者」と記載した名札を付ける。
・薬局における掲示
【変更あり】薬局内掲示が義務化されます。
薬局の管理及び運営に関する事項、一般用医薬品の販売に関する制度に関する事項を
薬局内に掲示しなければならない(一般用医薬品の扱いがなくても掲示)。
日薬会員向けホームページに例示有り。
なお通知では、「その営業時間において、現に勤務している者がわかるように表示するよう
努めること」とされているため、「氏名の頭部分に勤務状況を示す印をつける」、「勤務状況が
わかる掲示物を別途作成する」等の対応が望ましいと考えられる。
また、薬局全体の営業時間と一般用医薬品や第一類医薬品の販売時間が異なる場合に
は、その旨がわかるように表示。
・安全管理や情報提供等に関する指針と手順書を備えること
【変更あり】これまでの安全管理に関する指針・手順書に加え、情報提供等に関する指針・
手順書を作成し、備え付けることが必要となります。
日薬会員向けホームページに例示有り。
・実務に従事したこと及び業務経験の証明。
薬局開設者は、登録販売者や一般従事者からの求めに応じ、実務に従事したこと等の証
明を行わなければならない。
・一般用医薬品を販売する薬局の体制上の留意点、
【変更あり】従業者の勤務時間数等についての届出が必要となります。
従事する薬剤師及び登録販売者の週あたり勤務時間数の総和を情報提供場所の数で除
した値が、当該薬局の週あたり営業時間の総和以上であること。
一般用医薬品を販売する週あたり営業時間が、当該薬局の週あたりの営業時間の総和の
2分の1以上であること。
第一類を販売する場合、第一類を販売する週あたり営業時間が、一般用医薬品を販売す
る週あたり営業時間の総和の2分の1以上であること。
週当たり勤務時間数は、通常の勤務体制により当該薬局で勤務する時間により算出する
こととし、通常の勤務体制が変更された場合は変更届の対象とするが、一時的な休暇やそ
れに伴う補充の場合等は対象としない。また、通常の勤務体制においてシフト勤務等による
週当たり勤務時間数の変動がある場合は、週平均により算出する。
・第三類医薬品以外の医薬品の郵便等による販売の禁止。
※次ページのチェックリストもご活用ください。
また、本会会員向けホームページで最新情報を提供していますので適宜ご覧くださ
い。
新たな医薬品販売制度の概要
と
法令遵守のポイント
∼2012 年 6 月 1 日 改正薬事法完全施行に向けて∼
平成24年3月
日本薬剤師会
Ⅰ 新たな医薬品販売制度について
新たな医薬品販売制度は、平成 15 年から続く「医薬品の一般
小売店における販売」という規制緩和要望への対応という観点と、
薬局が行っている業務を国民にわかりやすく示すとともに、より
国民の側に立った情報提供等を行う目的で導入されたものであ
ると捉える必要があります。
これまでも薬局は、医薬品の供給に真摯に取り組んできました
が、「一般の薬店・ドラッグストアなどで、対面で服薬指導されて
いる実態は乏しい。消費者ニーズに対応するためにも危険性の
低い医薬品については販売可能とすべき(総合規制改革会
議)」とされ、規制緩和要望が強まりました。
医薬品を一般小売店で販売できるような改正の実施は、薬剤
師の存在の否定に繋がることから、本会では強い反対活動を実
施し、平成 21 年 6 月 8 日には全国紙に一面広告を掲載し、下
記の3つの約束をしました。
薬を安全に飲んでほしいから
私たち薬剤師会は、次のことを徹底いたします。
1 夜間・休日に必要な医薬品を入手しやすいようにします。
2 医薬品購入者への適切な説明、服薬指導を徹底します。
3 薬剤師の名札を着用し、責任の所在を明確にします。
これらの結果、一旦は一部医薬品を医薬部外品に移行させる
ことでの決着を見ましたが、規制緩和要望は強く、その後の「医
薬品販売制度改正検討部会」で一般用医薬品をリスク分類し、リ
スクに応じた販売方法を定める等の報告書がまとめられ、その報
告書を基に薬事法が改正されました。
Ⅱ 新たな医薬品販売制度の要点
○医薬品の分類
医薬品
薬局医薬品
医療用医薬品
薬 局 製 剤
一般用医薬品
第一類医薬品
第二類医薬品
第三類医薬品
※この他の規定
・指定第二類医薬品:第二類医薬品のうち、特別の注意を要
する医薬品です。
・調剤された薬剤:調剤された薬剤は、医療用医薬品を調剤し
たものですが、医療用医薬品とは別に「調剤された薬剤」とし
て分類します。
・処方せん医薬品:医療用医薬品のうち、一般人に対しては、
処方せんに基づく使用に限定されたもの。
■体外診断薬について
体外診断薬には、医療用の体外診断薬と一般用の体外診断
薬の2つがあります。医療用の体外診断薬は、医療用医薬品
と同じ取扱いになります。
○分類毎の陳列
・医薬品を医薬品以外と区別して陳列する。
・第一類医薬品、第二類医薬品、第三類医薬品を区分して陳
列する。
・第一類医薬品は、消費者が触れられない場所に陳列する。
・指定第二類医薬品は、情報提供場所から7m以内の範囲、又
は直接手の触れられない場所に陳列する。
・専門家不在のため、一般用医薬品や第一類医薬品を販売し
ない時間は、陳列する場所を閉鎖する。
・薬局医薬品は調剤室以外の場所に貯蔵又は陳列しない。
○分類毎の情報提供
・第一類医薬品は、書面を用いた情報提供を行う。
・第二類医薬品は、必要な情報提供を行う。
・薬局医薬品(医療用医薬品+薬局製剤)は、書面を用いた情
報提供を行う。
・情報提供場所を設置する。
○その他
・すべての医薬品についての相談を応需する。
・名札を着用する。
○掲示等
・薬局等の管理及び運営に関する事項を掲示する。
・一般用医薬品の販売に関する制度に関する事項を掲示する。
・「一般用医薬品の情報提供等」に関する指針と業務手順書を
整備する。
Ⅲ 法令順守のためのポイント
A.陳列について
○医薬品を医薬品以外と区別して陳列する。
▽消費者から見ても明確にわかる区分された陳列であること
・医薬品のドリンク剤と医薬部外品のドリンク剤が混在していませんか?
・医薬品のビタミン剤とサプリメント等が混在していませんか?
・医薬品と健康食品が混在していませんか?
▽消費者が1つ1つ商品を手にとって確認しなければならない
陳列では、「明確にわかる」とは言えません。
▽消費者が、棚を見ただけでわかることが、ポイントです。
○第一類医薬品、第二類医薬品、第三類医
薬品を区分して陳列する。
▽消費者から見ても明確にわかる区分された陳列であること。
※消費者が紛らわしいと感じる陳列の例
・1つの棚に複数の分類を陳列しており、その区分が見ただけではわ
からない。
・薬効別で見ると区分して陳列されているが、すぐ隣に別の薬効分類
の医薬品が並んでいて一見わかりにくい。
▽消費者が1つ1つ商品を手にとって確認しなければならない
陳列では、「明確にわかる」とは言えません。
▽消費者が、棚を見ただけでわかることが、ポイントです。
▽カウンター内側の陳列であっても、第一類、第二類、第三類
の3つを区分して陳列しなければなりません。
○第一類医薬品は、消費者が触れられない
場所に陳列する。
▽第一類医薬品は、1.2m以内に消費者が進入できない措置
を施した場所(第一類医薬品陳列区画)を設置の上、陳列し
ます。
▽消費者が進入できない措置とは、カウンター等の通常動かす
ことのできない構造設備により遮断することで従事者以外の
者が進入できないような措置をいいます。
▽ただし、鍵をかけた陳列設備か消費者が直接手の触れられ
ない陳列設備の場合は、消費者が進入できない措置を実施
しなくてもよい。
▽第一類の空箱や製品リストを、第二類・第三類の陳列場所で
示すことは可能です。
○指定第二類医薬品は、情報提供場所から
7m以内の範囲、又は直接手の触れられ
ない場所に陳列する。
▽指定第二類医薬品は、情報提供場所(後述)から7m以内の
範囲に陳列します。
▽ただし、鍵をかけた陳列設備か陳列設備から1.2m以内に
消費者が進入できない措置をとっている場合は、7m以内で
なくても陳列可能になります。
○薬局医薬品※は調剤室以外の場所に貯
蔵又は陳列しない。
※薬局医薬品=医療用医薬品+薬局製剤
▽薬局医薬品は陳列できません。
▽薬局製剤のリスト・空箱等を一般用医薬品の陳列場所で示す
ことは可能です(薬局製剤そのものは陳列できません)。
▽医療用医薬品については、製品そのものはもちろん、製品名
リストや空箱等も示すことはできません。
▽薬局医薬品は下記の場所で貯蔵します。
・調剤室
・倉庫等の薬局従事者のみが立ち入ることができる場所
・陳列什器の上部や下部のストッカー部分等当該薬局の従
事者のみが手にとることが出来る場所
○専門家不在のため、一般用医薬品や第一
類医薬品を販売しない時間は、陳列する
場所を閉鎖する。
▽薬局の場合は、薬剤師が常駐していなければなりませんので、
該当する事例は少ないと考えられます。
▽一般用医薬品を販売しない営業時間は、一般用医薬品の陳
列や交付をする場所を閉鎖します。
▽第一類医薬品を販売しない営業時間は、第一類医薬品の陳
列場所を閉鎖します。ただし、鍵をかけた陳列設備に第一類
医薬品を陳列している場合は、閉鎖しなくても問題ありませ
ん。
▽閉鎖の方法は、社会通念上、物理的に遮断され、進入が困
難なものである必要があります。例えばシャッター、パーティシ
ョン、チェーン等が該当しますが、可動式の場合は、従業者
以外の者が動かせないようにします。
▽また、閉鎖区画の入口に「専門家不在時の販売等は薬事法
に違反するためできない」旨を表示します。
○調剤室に消費者が進入できないよう
にする。
B.情報提供・相談応需について
○第一類医薬品は、薬剤師が書面を用いて
情報提供を行う。
▽消費者が情報提供不要であると言わない限り、必ず情報提
供を行わなければなりません。
▽薬剤師は書面を用いて情報提供を行います。
▽情報提供する項目は「①名称」、「②成分・分量」、「③用法・
用量」、「④効能・効果」、「⑤使用上の注意のうち、保健衛生
上の危害の発生を防止するために必要な事項」、「⑥その他
薬剤師が必要と判断する事項」の6つです。
▽消費者に書面を渡しただけでは「書面を用いて情報提供」を
行ったことになりません。
▽書面を用いず、口頭だけの説明では「書面を用いて情報提
供」を行ったことになりません。
▽情報提供に用いた書面は、必ずしも消費者に渡す必要はあ
りません。
▽消費者から見て薬剤師が情報提供を行っていることがわかる
ようにする必要があります(名札・着衣)。
▽情報提供に必要な書面のサンプルは、日薬会員向けホーム
ページで提供しています。
○第二類医薬品は、必要な情報提供を行う。
▽第二類は、必要に応じ、専門家(薬剤師か登録販売者)が情
報提供を行います。
▽消費者から見て専門家が情報提供を行っていることが見てわ
かるようにする必要があります(名札・着衣)。
○薬局医薬品(医療用医薬品※+薬局製剤)
は、書面を用いた情報提供を行う。
※「調剤された薬剤」については別記します。
▽薬局医薬品も、第一類医薬品と同様に、薬剤師が書面を用
いて情報提供を行う必要があります。
▽消費者が情報提供不要であると言っても、積極的に情報提
供を行わなければなりません。
▽情報提供する項目は第一類医薬品と同じです。
▽消費者に書面を渡しただけでは「書面を用いて情報提供」を
行ったことになりません。
▽書面を用いず、口頭だけの説明では「書面を用いて情報提
供」を行ったことになりません。
▽情報提供に用いた書面は、必ずしも消費者に渡す必要はあ
りません。
▽消費者から見て薬剤師が情報提供を行っていることがわかる
ようにする必要があります(名札・着衣)。
■医療用医薬品の販売には種々の遵守事項があります。詳しく
は、巻末の資料(「処方せん医薬品等の取扱いについて」(平
成17年3月30日、厚労省医薬食品局長通知)をご覧下さい。
○調剤された薬剤の情報提供に関する留意
点
▽薬剤師は適正使用のために、必要な情報を書面を用いて提
供しなければなりません。
▽情報提供する項目は「①名称」、「②成分・分量」、「③用法・
用量」、「④効能・効果」、「⑤その他薬剤師が必要と判断する
事項」の 5 つです。
▽ただし、薬剤師法第 25 条に規定する情報が記載された薬
袋等を用いて情報提供する場合は、前記①∼④の記載は必
要ないとされています。
▽そのため、⑤に該当する事項がない場合には、従来どおり薬
袋のみで差し支えありません。また、⑤に該当する事項の情
報提供を行う場合、薬袋に加え⑤に関する記載を行った書面
を用いて情報提供することで差し支えありません。
○情報提供場所を設置する。
▽一般用医薬品の取扱いがなくても必須です。
▽具体的には、医薬品を通常陳列する場所又は交付する場所
となります。
▽構造設備規則により、下記の要件を満たす情報提供場所が
必要となります。
□複数の情報提供場所がある場合は、いずれかの場所が下記の要件
に適合している必要があります。
・調剤室に近接する場所にあること※。
※店舗販売業には当てはまりません。
・第一類医薬品を陳列する場合には、第一類医薬品陳列区画の内部
又は近接する場所にあること。
・指定第二類医薬品を陳列する場合には、指定第二類医薬品の陳列
設備から7メートル以内にあること。ただし、鍵をかけた陳列設備か指
定第二類の陳列場所から1.2m以内に消費者が進入できない措置
をとっている場合は、この限りではありません。
・二以上の階に医薬品の陳列場所や交付場所がある場合には、各階
の医薬品を陳列している場所の内部にあること。
○すべての医薬品についての相談を応需す
る。
▽調剤された薬剤、薬局医薬品、一般用医薬品の全てについ
て、消費者(患者)から相談を受けた場合には、それを応需す
る必要があります。
▽上記の医薬品を、その薬局で買おうとしている人と、その薬
局で買った人(買った本人だけではなく、家族等も含む)から
の相談が対象です。
▽調剤された薬剤は情報提供場所又は患者の居宅等で、薬局
医薬品又は一般用医薬品の場合は情報提供場所で、薬剤師
が情報提供します。
C.その他
○薬局には薬剤師が常駐する。
▽薬剤師が不在の場合には閉局します。
○名札を着用する。
▽薬剤師、登録販売者、一般従事者の全員が名札をつけなけ
ればなりません。
▽名札には「氏名」を記載します。「名字」だけでなく「名前」も記
載する必要があります。
▽薬剤師・登録販売者の場合は、それぞれ氏名に加え「薬剤
師」、「登録販売者」と記載した名札を着用するか、氏名を記載
した名札に加え、薬剤師又は登録販売者の別を記載したバッ
チ等を着用します。
▽一般従事者は、氏名のみ、又は氏名に加え「一般従事者」と
記載した名札を着用します。
▽休憩時間後の名札付け忘れや、名札が裏返ってしまうことも
ありますので、姿見の利用や従業員間でのチェック等の実施
が重要です。
D.掲示物、指針・手順書等
▽掲示物例、指針・手順書作成例とも、日薬会員向けホームペ
ージでサンプルの提供を行っています。
○薬局等の管理及び運営に関する事項を掲
示する。
▽下記の事項を薬局等に掲示します。
・許可の区分の別
・開設者の氏名又は名称その他開設の許可証の記載事項※
※薬局等の開設許可証を掲示しているので、別に掲示する必要はありません。
・管理者の氏名
・勤務するすべての薬剤師又は登録販売者の氏名を記載する※。
・取り扱う一般用医薬品の区分
・勤務する者の名札等による区別に関する説明
・営業時間、営業時間外で相談できる時間
・相談時及び緊急時の連絡先
※通知では、「その営業時間において、現に勤務している者がわかるよ
うに表示するよう努めること」とされているので、「氏名の頭部分に勤務
状況を示す印をつける」、「勤務状況がわかる掲示物を別途作成す
る」等の対応がより望ましいと考えられます。
▽薬局・店舗販売業とも、開設許可証の掲示は薬事法施行規則
上の必須事項です。
○一般用医薬品の販売に関する制度に関す
る事項を掲示する。
▽下記の事項を薬局等に掲示します。
・第一類、第二類及び第三類医薬品の定義及びこれらに関する解説
・第一類、第二類及び第三類医薬品の表示に関する解説
・第一類、第二類及び第三類医薬品の情報の提供に関する解説
・指定第二類医薬品の陳列等に関する解説
・一般用医薬品の陳列に関する解説
・医薬品による健康被害の救済に関する制度に関する解説
・苦情相談窓口の掲示(多くの場合、都道府県薬剤会と都道府県の行
政が苦情相談窓口になっています。)
○「一般用医薬品の情報提供等」に関する
指針と業務手順書を整備する。
▽薬局は下記の指針と業務手順書の整備が必要です。
・調剤された薬剤及び医薬品の情報提供等のための業務に関する指
針の整備
・調剤された薬剤及び医薬品の情報提供等のための業務に関する業
務手順書の整備
・医療安全管理指針の整備(平成 19 年 4 月 1 日施行済)
・医療安全管理指針に基づく業務手順書の整備(平成 19 年 4 月 1 日
施行済)
▽店舗販売業は下記の指針と業務手順書の整備が必要です。
・一般用医薬品の情報提供等のための業務に関する指針の整備
・一般用医薬品の情報提供等のための業務に関する業務手順書の整
備
・従事者から店舗販売業者への事故報告の体制の整備
○実務に従事したこと及び業務経験の証明
を行う。
▽薬局開設者は、登録販売者や一般従事者からの求めに応じ、
実務に従事したこと等の証明を行わなければなりません。
○従業者の勤務時間数等の届出を行う。
▽従業者の勤務時間数等についての届出が必要となります。