麻布大学附属動物病院 全科研修獣医師 教育プログラム Azabu Veterinary Teaching Hospital Intern Program 編 麻布大学附属動物病院 研修獣医師諸君へ 巻頭の辞 病院長 信田卓男 獣医学系大学における附属動物病院の設置は,大学設置基準第三十九条に基づくものであり,その存在意 義は診療のみならず多くの症例を教材として実践的な獣医臨床教育を実施することと、動物とヒトに貢献する 臨床研究を遂行することあります。 本学附属動物病院の歴史は極めて古く百余年に及び、現在の病院施設は相模原市移転後では三代目とな ります。近年、犬や猫などのコンパニオンアニマルは家族の一員として認知され、高度獣医療に対する社会的 要求度は年々増大しています。本学ではこのような社会情勢の変化に即応して、11 年前に現在の獣医臨床セ ンター・附属動物病院を新築して病院システムを更新し、コンピューター断層撮影装置・MRI 診断装置・放射線 治療用高エネルギーX 線発生装置等を導入しました。さらに 2005 度には、政岡学長が提案された大学改革案 の中に附属動物病院改革が重要課題として取り上げられ、2006 年度には動物病院抜本的改革案が動物病院 大学附属化大綱として答申され、2007 年 4 月に従来の獣医学部附属から大学附属へと移行しました。病院組 織やシステムの大規模な改革は現在もなお進行中であり、2007 年度は専任教員も増員され、研修獣医師・ 動物看護師・検査技師・事務員を含めると約130名のスタッフで年間約 2 万例の診療を行っている現状であり ます。 ここに各先生方の尽力により完成した研修獣医師教育プログラムは、社会のニーズに即応し、従来のものよ りもより細分化して高度となりました。しかし、どんなに立派な教育プログラムが完成したとしても、それを学ぶ 諸君が技術・知識を吸収し、臨床獣医師としての血となり肉としなければ何の意味もありません。また、本学附 属病院の各診療科は本邦でも有数の教師陣で構成されていますが、臨床を学ぶ上で最良の教師は実際の症 例であります。年間 2 万例に及ぶ症例を、自分が主治医になった気持ちで接することが、臨床力を上げるため に最も大切であることを心に深く刻んで、日夜の診療に励んでください。 また、本学附属動物病院では、プライマリーケアを経験する機会がなく、またエマージェンシー症例の受け 入れも公的に行なっていないことから、そのような症例に遭遇する機会がありません。そこで、プライマリーケア およびエマージェンシー症例を経験することを目的として、病院外研修を実施できることを目標に、協議・検討し ています。 最後に臨床獣医師としての私の座右の銘を記して、病院長の言葉とします。 「慈 愛 理 知」 慈しみと愛をもって症例と飼い主に接し、理論と知識をもって病気を治す! 2011 年3月 麻布大学附属動物病院 全科研修獣医師教育プログラム 目 巻頭の辞 病院長 次 信田卓男 院内研修概要とスケジュール 各科研修内容 担当者 1、全科研修獣医師一般教育 三品美夏、武田晴央、杉山大樹、石川剛司 2、一般内科 土屋亮、印牧信行、並河和彦、久末正晴、伊藤哲郎、根尾櫻子 3、一般外科 渡邊俊文、茅沼秀樹、齋藤弥代子、圓尾拓也、伊藤哲郎 4、皮膚科 川原井晋平 5、消化器科・内視鏡科 渡邊俊文、久末正晴、三品美夏 6、腎泌尿器科 渡邊俊文、三品美夏 7、循環器科 藤井洋子、青木卓磨 8、神経科 齋藤弥代子、茅沼秀樹 9、眼科 印牧信行 10、腫瘍科 信田卓男、圓尾拓也、伊藤哲郎、武田晴央、杉山大樹、石川剛司 11、放射線治療 圓尾拓也 12、感染症科 並河和彦 13、血液内科 土屋亮、久末正晴、伊藤哲郎、根尾櫻子 14、整形外科 藤田幸弘、渡邊俊文、茅沼秀樹 15、麻酔科 藤井洋子、伊藤哲郎 16、放射線科 菅沼常徳、信田卓男、茅沼秀樹 17、病理 斑目広郎 2 院内研修概要とスケジュール 本院における研修の目的: 全ての科にわたって、臨床獣医師として必要な基本的な知識および技術を習得する。また、各専門科 による高度医療に触れることにより、ジェネラリストとしての知識を蓄積する。 プログラムおよびスケジュールの概要: 1、各科担当教員によるレクチャーを年 20 回実施する。 (1)4 月集中講義・実習(4 月上旬の休診期間に実施、詳細は別紙を参照) 4 月上旬 金曜診察終了後 内容 担当教員 オリエンテーション 獣医療倫理、診察にあたっての心構え (4、5、6 月に月 1 回) 滅菌・消毒・手洗いゼミ、実習 画像診断ゼミ、実習 麻酔ゼミ、実習 神経検査ゼミ (2)単発セミナー (基本的には隔週月曜日の夕方 2 時間程度、担当教員のスケジュールに応じて日時変更もあり) 内容 輸血・血液疾患 心肺蘇生 輸液療法 画像診断Ⅰ 眼科検査法、眼科疾患 免疫介在性疾患 画像診断Ⅱ 脳・神経疾患 腫瘍放射線治療学 画像診断Ⅲ 病理診断 感染症 皮膚科疾患 心疾患 内分泌疾患 腎・泌尿器疾患 ※腫瘍科は木曜ラウンド、セミナーに参加することで代替する。 3 2、診療終了後の定期的ラウンド 月曜日 麻酔科 各科の水曜日手術症例を題材として疾患別麻酔管理を検討する 隔週火曜日 一般内科 症例検討 木曜日 腫瘍科 症例検討・レクチャー 腫瘍症例診断・治療に関する新人セミナー 金曜日 循環器科 症例検討 神経科 症例検討 内科 症例検討 3、手術実習 学生実習犬の譲渡または全科研修医研修費により実習犬および実習用豚眼等を購入し、各研修医の 希望のある手術実習を行う。年間3回の実習を予定し、麻酔の必要な検査・処置および侵襲性の高い手 技に関しても併せて実習を行う。スケジュールと予定する内容を以下に示す。 6~7 月 8~9 月 2月 実習① 各種造影検査(尿路造影、消化管造影、脊髄造影等)、各種穿刺術による サンプリング(膀胱・関節液・CSF・骨髄液等)、一般外科手術実習 実習② 豚眼を用いた眼科手術実習 実習③ 特殊検査・処置(内視鏡検査、中心静脈留置、咽頭食道チューブ設置、 PEG チューブ設置、胸腔カテーテル留置等)、手術実習 4、各種学会への参加補助 スケジュールへの配慮と可能であれば経済的な補助を行う。 獣医麻酔外科学会/日本獣医循環器学会/日本獣医画像診断学会(大宮) 日本獣医がん学会(大阪) 日本臨床獣医学フォーラム年次大会(赤坂) 動物臨床医学会年次大会(大阪) 比較臨床医学会 日本獣医がん学会(麻布大学) 日本獣医師会学会年次大会 日本獣医皮膚科学会学術大会 獣医神経病学会 5、各科ローテーション+症例担当制による診療への参加 1)全科研修医を複数の班に分け、各班は継続研修医 1 名と新人研修医複数名で構成する。8 から 12 週間毎に各診療科を班単位でローテーションする。各診療科において、問診から診 断、治療アプローチにいたるまで担当教員とともに症例を一貫して担当することで、効率的に 経験を集積することができる。 2)プログラム開始当初に分けた班による各診療科へのローテーションが終了した後、各自の 希望診療科に応じて班編成を組みなおす。 4 3)各班は前日のうちに、翌日の診療科担当症例をそれぞれの班員に振り分け、症例の担当者 を決定しておく(朝礼時に担当表を担当教員および受付に提出)。継続研修医および既卒者 は4月より症例を担当し、新卒者は7月頃から徐々に担当を振り分ける。継続症例について は各期の終了毎に次のローテーション担当班に申し送りを行い、症例担当者を交代する。 4)手術・入院症例に関しては、担当教員の指導のもとで症例担当者を責任者として診療科 担当班が協力して入院管理を行う。 6、学会発表あるいは論文の投稿 担当科の教員の指導に従い、最低年1回の学会発表あるいは論文、症例報告を雑誌に投稿するのを 義務とする。 5 参考資料 2010 年度の週ごとの各科診療頭数 診療科 月 火 循環器科 水 木 金 初診:2 初診:4 継続:2 継続:6 手術:1 腫瘍科 初診:1~3 手術:5~10 初診:10~15 初診 1~3 継続:3~5 RT:5~7 継続:40~60 継続 3~5 RT:5~10 RT:5~10 皮膚科 腎・泌尿器科 初診:1 初診:1 継続:2 継続:4 初診:3 初診:7 初診:4 継続:4 継続:8 継続:0 手術:1 手術:5 初診:4 初診:5 継続:0~2 継続:0~2 手術:2 手術:3 CT・MRI:3 CT・MRI:3~5 初診:3 放射線科 初診:3 初診:3 継続:20 継続:20 手術等:3 手術等:3 初診:1 初診:3 初診:3 継続:3 継続:8 継続:8 眼科 内科 感染症科 初診:1~2 継続:2~3 神経科 整形外科 初診:1~2 初診:1~2 継続:3 継続:3 CT・MRI:1 CT・MRI 等:1~2 初診:2~3 初診:1~2 継続:3~4 継続:3~4 手術:2~3 手術:1~2 6 各科研修内容 1、一般教育 1、レクチャー形式の教育プログラム 1)大学附属動物病院での診察のあり方 2)獣医療倫理 について、4月から6月までの間、月1回1時間程度ずつ実施する。 2、滅菌・消毒法のレクチャーおよび実習 1)外科診療に必要な滅菌・消毒法について実習を通じて習得する。 診療開始前(4月1週目)に実施する。 2、一般内科(土屋、印牧、並河、久末、伊藤、根尾) 1、レクチャー形式の教育プログラム 1)検査所見から基礎疾患を特定する論理を概説する 2)血液体液検査室に置いて、血液、尿、糞便などの検査の流れ(検査依頼から報告と結果保存まで) と検査手技について(土屋) 2、診療を通じた教育プログラム 1)消化器疾患における食事療法・・・各種消化器疾患における適切な飼料成分と給与法(土屋) 2)検査室における実技の習得(土屋) 7 3、一般外科(渡邊、茅沼、齋藤、圓尾、伊藤) 1、診療を通じた教育プログラム 1)頭部の外科:眼球摘出術、眼瞼内反・外反矯正術、耳道切開術、唾液腺切除術、唾液腺管移動術、 開頭術 2)頚部外科:食道切開術、気管切開術 3)胸部外科:開胸術、肺葉切除術、乳び胸(胸管結紮、心膜切除) 4)腹部外科:開腹術、胃切開術、小腸切開術・吻合術、結腸切除・吻合術、卵巣子宮摘出術、去勢術 5)皮膚形成術:皮膚形成術、有茎皮弁移植術 6)腹腔鏡 4、皮膚科(川原井) 1、レクチャー形式の教育プログラム 4月から10月までの間、月2回、午前7時30分より1時間宛て実施 1)感染性皮膚疾患・・・寄生虫性、真菌性、細菌性 2)内分泌性皮膚疾患 3)免疫介在性皮膚疾患 4)皮膚疾患の好発品種 5)栄養性皮膚疾患 6)遺伝性皮膚疾患 7)耳の疾患 2、診療を通じた教育プログラム 問診のとり方 皮膚疾患と内科、外科疾患との関連性 3、実習動物を用いた教育プログラム 皮膚科診断手技 生検 掻爬検査 皮内反応、免疫療法 8 5、消化器科・内視鏡科(渡邊、久末、三品) 1、症例を通じた教育プログラム 1) 内視鏡の操作方法 2) 内視鏡の挿入操作法 3) 内視鏡による上部消化管の見方と操作方法 4) 内視鏡による下部消化管の見方と操作方法 5) 上部消化器疾患の診断と治療法 6) 下部消化器疾患の診断と治療法 7) 小動物における輸液療法の修得 8) 小動物における酸塩基へ平衡、血液ガスの基礎と判読 9) 消化器疾患に対する外科的治療法の修得 6、腎泌尿器科(渡邊、三品) 1、症例を通じた教育プログラム 1) 腎泌尿器疾患検査の基本的手技 検査に必要な病歴の取り方 腎泌尿器疾患の臨床所見と症状の見方 腎泌尿器疾患の診断に必要な検査手順 2) 尿検査所見の判読 尿沈渣所見の判読 3) 腎泌尿器疾患における血液生化学検査の判読 4) 腎泌尿器疾患に対する基本的画像診断 5) 主要な腎泌尿器疾患に対する内科的アプローチの基礎 6) 腎泌尿器疾患に対する外科的アプローチの基礎 2、レクチャー形式の教育プログラム 9 7、循環器科(藤井、青木) 小動物における循環器疾患の診断と治療の実際を、動物病院に来院する症例を使用して 教育を行う。この場合、治療内容としては、内科的、外科的治療の両者を包含する。 1、レクチャー形式の教育プログラム: 循環器疾患の基本的な事項を修得させる。 1) 循環器疾患と心機能 2) 心電図検査と異常心電図の判読 3) 心電図検査と不整脈の判読 4) 聴診と心音図 5) 心エコーによる心疾患の診断法 2、診療を通じた教育プログラム:実際の症例を用いて心疾患の診断から治療の実際までを 系統的に修得させる。 1) 動脈管開存症の診断と治療 2) 心室中隔欠損症の診断と治療 3) 大動脈狭窄症の診断と治療 4) 肺動脈狭窄症の診断と治療 5) 右大動脈弓遺残症の診断と治療 6) 複合心奇形の診断と治療 7) 僧帽弁閉鎖不全症の診断と治療 8) 犬糸状虫症の診断と治療 3、実習動物を用いた教育プログラム:主に心疾患の治療に必要な基本的な外科的手技に ついて研修させる。 1) 開胸術の基本的手技 2) 開胸術に必要な麻酔法(モニター含む) 3) 血管縫合法の基本的手技 4) 心臓カテーテル法の実際 5) 救急処置法の基本的手技(1) 6) 救急処置法の基本的手技(2) 10 8、神経科(齋藤、茅沼) 小動物における神経系疾患の診断と治療の実際を、動物病院に来院する症例を使用して教育を行う。 この場合、治療内容としては内科的、外科的の両者を包含する。 1、レクチャー形式の教育プログラム(月1回、水曜あるいは金曜の神経科診療後) 1)神経学的検査法 2)病変の位置決め法 3)てんかん発作の診断と治療法 4)神経疾患の emergency 5)一般的な神経疾患について ◆原則として、月1回、水曜あるいは金曜の夜、神経科診療後にラウンドおよび症例検討会を実施 する。 2、診療を通じた教育プログラム 以下の内容を習得させる。また、神経科診療後にはラウンドを実施する。 1)問診の取り方 2)神経学的検査 3)2)の結果からの病変の位置決め 4)DAMNITV 分類からの鑑別診断リストの作成 5)一般的神経疾患の診断法と治療法 6)神経系特殊検査(脳波、BAER,末梢神経/筋電気生理学的検査など)の概要 3、実習動物を用いた教育 実習動物が入手可能でかつ希望があれば脳脊髄液の採取と分析手技を研修させる。 9. 眼科(印牧) 1、レクチャー形式の教育プログラム 1)眼科診療について 2)眼の構造と眼疾患について 3)「赤目」診断 4)点眼薬について 5)眼の救急処置 6)眼内手術について 11 2、診療を通じた教育プログラム 本病院に来院する眼科臨床例を通じて、以下の項目を1年間で修得させる。 1) 眼科症例の診断:眼科症例の問診、明室内の検査、特殊検査および暗室内の検査等に基づく診断。 2) 眼科症例の治療:眼窩症例における内科療法。眼科外科手術手技とその術前・術後管理。 3、実習動物を用いた教育 診療の範囲内で、その都度、技術を修得させるので、とくに予定していない。 10、腫瘍科(信田、圓尾、伊藤、武田、杉山、石川) 1、レクチャー形式の教育プログラム 各1時間で4月から6月までで終了する。 1)腫瘍科診療について 腫瘍診断の合理的手順 稟告のとり方からガン病期の評価まで ガンの治療法 2)各種抗癌剤と使い方のコツ 3)ガン化学療法の実際 4)肺転移病変の読み方と類症鑑別 5)骨転移病変の読み方と類症鑑別 6)自分の病院でできる細胞診 ―各種Biopsyと細胞の見方― 7)腫瘍の外科療法 8)腫瘍の放射線療法 9)末期がん療法・飼い主のメンタルケア ◆原則として、腫瘍科診療日(木曜)18:30から19:30に実施する。 2、診療を通じた教育プログラム 本病院に来院する腫瘍臨床例を通じて、以下の項目を1年間で修得させる。 1)腫瘍症例の診断 腫瘍が疑われる症例に対する稟告の取り方、五感検査、血液・生化学的検査の読み方、 生検の方法・細胞の読み方、X線・超音波診断、腫瘍随伴症候群の診断等。 2)腫瘍症例の治療 腫瘍外科手術手技、術前・術中・術後管理、抗ガン剤の使い方、副作用対策、 放射線治療等。 3)乳癌・肥満細胞腫・悪性リンパ腫・口腔腫瘍・骨腫瘍・軟部組織肉腫・肝臓癌等 の実質臓器腫瘍・消化管腫瘍等の実例を経験させると共に、各腫瘍の臨床的特徴 を理解させる。 12 3、実習動物を用いた教育 実習動物等が入手可能なかぎり、教員の指導のもとに各科の実習を行なう。 (新病院完成後は供血動物の有効利用を行なって研修獣医師実習用の動物を確保する) 以下の手技を経験させ技術を修得させる 診断手技: 1.各種生検手技 治療手技: 1.乳腺切除術 11、放射線治療(圓尾) 1、レクチャー形式の教育プログラム 1)放射線の種類 2)放射線治療の原理 3)放射線治療スケジュール 4)放射線障害 5)放射線防護 6)腫瘍疾患の治療成績 2、診療を通じた教育プログラム 1)実例による放射線治療効果・障害の把握 2)放射線治療以外の補助療法の説明 12、感染症科(並河) 1、レクチャー形式の教育プログラム 1)感染症の診断法 2)感染症の治療法 3)感染症の予防法 4)監視伝染病の取り扱い 2、診療を通じた教育プログラム 1)ウイルス性疾患の診断・治療・予防 2)細菌性疾患の診断・治療・予防 3)原虫性疾患の診断・治療・予防 4)その他の病原体による疾患の診断・治療・予防 13 3、実習動物を用いた教育 1)感染症の治療法(薬剤感受性試験による化学療法剤の選択法) 13、血液内科(土屋、久末、根尾、伊藤) 1、レクチャー形式の教育プログラム 1) 各種血球像の解釈 2) 貧血の分類と鑑別診断:貧血が認められる場合に原因を明らかにするための基礎知識について 概説する。 3) 血小板減少症の原因分類 2、診療を通じた教育プログラム 1) 貧血の診断と治療 2) 止血異常の診断と治療 14、整形外科(藤田、渡邊、茅沼) 1、レクチャー形式の教育プログラム 1)整形外科・神経外科診断法 整形外科検査・神経学検査法 整形外科触診法 レントゲン診断法 2)整形外科・神経外科器具の種類と使用法 3)整形外科・神経外科手術の一般原則 4)骨折手術の一般原則 5)関節手術の一般原則 6)神経外科の一般原則 7)術後管理法 14 2、診療を通じた教育プログラム 本病院に来院する臨床例を通じて、以下の項目を1年間で修得させる。 1)整形外科・神経外科疾患の診断:稟告の取り方、身体検査、X線診断、等。 2)整形外科・神経外科疾の治療:保存療法、整形外科・神経外科手術手技、術前・術中・術後管理、等。 3)単純骨折、膝関節疾患、股関節疾患、椎間板ヘルニアの臨床的特徴を理解させる。 15、麻酔科(藤井、伊藤) 1、レクチャー形式の教育プログラム 1)鎮静・鎮痛・麻酔薬の種類と特徴 2)吸入麻酔法 3)麻酔中のモニター法 4)各種疾患に対する麻酔の選択:心・肺疾患各種疾患、神経疾患、肝疾患、腎疾患、眼科疾患、 内分泌疾患など。 5)麻酔の合併症とエマージェンシー 6)実習 2、症例を通じた教育プログラム 麻酔および鎮静が必要な臨床例を通じ、臨床例の術前評価、麻酔薬の選択、手術目的にみあった 麻酔法、術後管理を修得する。 Rounds:各症例の麻酔分野に関する検討会を定期的に開催し、麻酔症例について事前に打ち 合わせを行う。 16、放射線科(菅沼、信田、茅沼) 1、レクチャー形式の教育プログラム 各種疾患に対するX線読影基準について講述する。 1)心陰影の評価基準 胸腔内血管の評価基準 気管・気管支の評価基準 典型的な異常所見を持つ臨床例 15 2)横隔膜の評価基準 肝臓の評価基準 腎臓の評価基準 膀胱の評価基準 典型的な異常所見を持つ臨床例 3)食道の評価基準 胃の評価基準 その他の消化管の評価基準 生殖器・前立腺の評価基準 典型的な異常所見を持つ臨床例 4)股関節の評価基準 脊椎の評価基準 その他の股関節の評価基準 典型的な異常所見を持つ臨床例 合計4回に分けて実施し、1回を60分前後とする。 2、診療を通した教育プログラム 実際に診療したX線症例の中から特異的な症例を抜粋し、ラウンド形式で教育する。回数は2週に 1回とし、時間は60分前後とする。 レクチャー形式の教育プログラムが終了した後に実施する。 3、実習動物を用いた教育 ✶ 各種臓器に対する超音波検査法 心臓の抽出法 腹腔臓器の抽出法 17、病理(斑目) 1、レクチャー形式の教育プログラム 直近の検体の症例の解説を交えたセミナー(犬と猫に見られる腫瘍(病理学的側面から))を年 1 回 行う。 16 麻布大学附属動物病院 全科研修獣医師教育プログラム Azabu Veterinary Teaching Hospital Intern Program 2008年4月1日発行 2011年3月1日発行 発行元 麻布大学附属動物病院 〒252-5201 神奈川県相模原市中央区淵野辺 1-17-71 ホームページ http://www.azabu-u.ac.jp 制 作 (有)コンパニオン・アニマル・カンパニー 〒169-0075 東京都新宿区高田馬場 2-4-11 KSE ビル2F ⒸPrinted in Japan 落丁・乱丁本はお取り替えいたします 麻布大学附属動物病院 全科研修獣医師教育プログラム Azabu Veterinary Teaching Hospital Intern Program
© Copyright 2024 Paperzz