ヴィンテージ資本と更新投資循環

ヴィンテージ資本と更新投資循環*
2006 年 2 月
宮川
浜潟
努(学習院大学)
純大(筑波大学大学院)
*
本稿を作成するにあたり、文部省科学研究費プロジェクト「基盤研究(A):景気循環論の理論的・実証
的再考察と景気判断モデルの構築(課題番号:14203001、代表者:浅子和美一橋大学教授)」と「特定領域
研究:経済制度の実証分析と設計(研究課題:
「金融財政政策の評価と将来の望ましい枠組み」、課題番号:
12124202、代表者:林文夫東京大学教授)」の資金補助を受けた。また、信州大学で行われた景気循環日付
検討会のコンファレンスにおいて、福田慎一東京大学教授から貴重なコメントを頂いた。さらに、桜川昌
哉慶應義塾大学教授、細野薫学習院大学教授、石原秀彦専修大学助教授からも有益な助言を頂いた。ここ
に記して謝意としたい。なお、残された誤りは筆者たちの責任である。
1
はじめに
「失われた 10 年」の桎梏からは、何とか脱却したものの、日本経済の行く末には、依然
として克服していかなくてはならない重要な課題が横たわっている。その中で最も大きな
問題は、人口減少下において、どのようにして一定の経済成長を維持していくかというこ
とであろう。多くの人々は、人口の減少と高齢化の進行が、国内市場を縮小させたり、技
術力の減退に伴う国際競争力の低下をもたらすと懸念している。こうしたな中で、2005 年
4 月に発表された政府の『21 世紀ヴィジョン』では、資本蓄積と生産性の向上によって、
人口減少下での経済成長を達成する見通しを描いている。
しかしながら、単に量的に資本を増加させるだけでは、長期的に経済成長を維持するこ
とはできない。また生産性上昇の源泉となる技術進歩も労働や資本と独立に天から与えら
れるものではない。むしろ新たな資本蓄積の際に、最新の技術革新が資本に体化され、そ
れが生産性を向上させ、国際競争力を高めていくと考えるのが自然であろう。
米国では 1990 年代の IT 化によって、従来の景気循環局面では異例と言えるほどの資本
蓄積による長期の好景気が達成された。このような現象に刺激され、米国では資本蓄積に
伴う技術進歩と経済成長に関する研究が進んでいる。これらの研究は、
Lucas (1988)や Romer
(1990)が始めた内生的成長モデルとも異なり、むしろ 1960 年代に Solow (1960)、Phelps
(1962)、Nelson(1964)らが提起した vintage capital の系譜に連なるものである。すなわ
ち vintage capital は、各期に投資される資本が同質的でなく、しかも年を経過する毎に
陳腐化していくという点で、これまでの内生的成長モデルで利用されていた資本とは異な
る概念に属している。先進国のように、継続的に技術進歩が生じ、その技術を体化した設
備が連続的に生み出されていく一方で古い機械が使われなくなっていくために、70 年代半
ばからの生産性低下や 90 年代の IT 化を説明するには、vintage capital の概念が有用だと
いう認識が広まっている。
かつて Denison(1964)は、資本年齢の変化が経済成長にそれほど影響を与えないという
実証結果を示したため、vintage model は、当時は深く研究される課題とはならなかった。
しかし 1990 年代に入って、Wolff(1991),(1996),Hulten (1992)、Bark and Gort (1993)ら
が、資本に体化された技術や設備年齢が、生産性や GDP に無視できない影響を与えている
との実証結果を示し、再び注目され始めた。これを受けて Benhabib and Rustichini (1991),
Boucekine, Germain and Licando(1997), Jovanovic (1998)や Benhabib and Hobijn (2002)
は、vintage capital を含む経済成長モデルを構築し、そこから所得の不平等やエコー効果
を含む経済成長経路の変化を導出している。
技術進歩が資本の質を変化させていく場合、新規の資本財価格は低下傾向を示す。こ
れを受けて、Greenwood. Hercovitz, and
Krusell (1997), (2000)達は IT 機器などの資
本財価格の低下が、景気循環に与える影響を、Cummins and Violante (2002)は、経済成長
への寄与度を分析している。特に Greenwood. Hercovitz, and Krusell (2000)では、設備
1
の更新による資本の質の向上が、GDP 上昇の 30%を占めるという calibration の結果を示
している。
このように、設備更新が景気循環や経済成長に重要な影響を与えることは、広く認識さ
れるようになったが、更新の動機に関する実証分析はさほど多くはない。更新投資に焦点
をあてた分析としては、Feldstein and Foot (1971)が知られている。これは McGraw Hill
社が行った設備投資調査を使って設備投資の中で企業が更新と考えているものを対象に、
設備投資関数を推計したものである。この Feldstein and Foot (1971)以降、久しく更新投
資に関する実証分析はみられなかったが、最近 Goolsbee (1998)は、B727 型旅客機の更新
を取り上げ、資本財価格の低下や技術革新が更新投資のパターンを変えるかどうかを検討
している。また Cooper, Haltiwanger and Power (1999)も、Goolsbee (1998)と同様の生存
確率関数を利用して事業所レベルの更新投資動機を探り、過去の設備投資の山からの経過
期間が、更新投資にとって重要であることを示している。
日本でも、新しい資本ほど新技術が体化されるという認識はあった。例えば、国則・高
橋(1984)や鈴木・宮川(1986)は、資本の設備年齢を計測し、石油危機後日本の設備年
齢が上昇し、米国との差が縮小していることに警鐘を鳴らしていた。
本稿では、この設備更新とそれに伴う資本の質の向上について多面的に分析する。次節
では、資本の経過年数(ヴィンテージ)と設備の更新期間(エコー効果)を JIP 及び JCER
データベースを使って算出する。次に第 3 節では、Wolff らの分析にしたがって、ヴィンテ
ージ資本の変化が生産性にどのような影響を与えているかを検討する。そして第 4 節では、
更新投資の動機について実証分析を行い、最終節で本稿の分析で得られた結論を要約する。
2
ヴィンテージと平均更新期間
それでは、まず資本のヴィンテージからみてみよう。国則・高橋(1984)や鈴木・宮川
(1986)で計測されたヴィンテージは、内閣府(当時は経済企画庁)の『民間企業資本ス
トック統計』を利用して計算されていた。現在でもこの方法での計測は可能だが、『民間企
業資本ストック統計』で使われている粗資本ストックは、物理的な資本ストックを測る概
念としては適切かもしれないが、生産効率的な観点からみた資本量ではない。現在生産性
等を計測する場合に用いられている資本ストックは、定率で資本効率が減耗すると想定し
た計測された従来の「純資本ストック」に近い概念である。1本稿では、この資本ストック
の概念にしたがって作成された日本経済研究センターの産業別データベース(以下JCERデ
ータベース)と深尾他(2003)によって作成されたJIP(Japan Industry Productivity)デ
1
最近では、米国も公式統計で粗資本ストックの系列を公表しておらず、純資本ストックの系列のみを公
表している。資本ストックの概念や呼び名については、様々なものがあり、例えば野村(2005)は、純資
本ストックとは別に生産資本(Productive Capital)という概念を提示し、これが経済学で使われる資本
概念であるとしている。
2
ータベースの二つを利用して分析を行う。2
ヴィンテージは以下の式にしたがって求められる。
Vt = [(Vt −1 + 1) * ( K t − I t ) + 0.5 * I t ] / K t
(1)
ここでVtは、t期におけるヴィンテージで、Kt, Itは、それぞれt期における資本ストック、
設備投資を示している。
(1)式は、1 期前の資本ストックで減耗せずに残った資本が 1 年老
朽化し、今期投資された資本は 0.5 年として、それぞれの資本量をウエイトとして加重平
均して今期のヴィンテージを計算する式になっている。
(1)式にしたがって実際のヴィンテージを計算するためには、ヴィンテージの初期値を
知る必要がある。粗資本ストックでヴィンテージを計算する場合は、
『昭和 45 年 国富統
計』に資本の経過年数が記載されていたが、純資本ストックの場合は、それに相当するデ
ータがない。代わりに我々は、『昭和 45 年
国富調査』にある 1970 年時点での純資本スト
ックの年次別取得額のデータを利用した。そこでは、各産業の資産について 1965 年以降は
毎年、それ以前については 5 年毎の資産取得額が記載されている。このデータを利用すれ
ば、1970 年時点で取得後何年目の資産がどれだけあるか(5 年毎のデータについては中間
年をとった)を把握することができ、同時点での平均的な設備年齢を計算することができ
る。こうして得られたヴィンテージの初期値とJCERデータベースを利用して得られた全産
業及び産業別のヴィンテージが、図 1 及び表 1 に記載されている。3
(表 1 及び図 1 挿入)
図 1 をみると、資本のヴィンテージは、1970 年の 4 年から 2002 年の 9 年まで、5 年上昇
している。すなわちこの 30 年余りの間に設備は平均して 5 年老朽化したといえる。これを
製造業、非製造業別にみると、非製造業は比較的単調に設備年齢が上昇しているのに対し、
製造業は、1980 年代後半に設備投資が活性化したため、ヴィンテージは一時的に低下して
いる。表 1 は、このヴィンテージを産業別に見たものだが、2002 年時点で最も老朽化した
設備を抱えているのは、一次金属(11.9 年)であり、最も新鋭の設備を抱えている産業は、
通信業(7,2 年)である。またこの 30 年余りの老朽化のスピードをみると、最も老朽化の
2
JCERデータベースの作成方法については、Miyagawa, Ito and Harada (2004)を参照されたい。JCERデー
タベースとJIPデータベースの相違点は、①前者が民間 23 産業を対象としているのに対し、後者は、公的
企業部門も含めて 84 産業で構成されている。②前者は、各産業の付加価値、労働力、資本の系列で構成さ
れているのに対し、後者は、生産量、中間投入額、労働力、資本の系列で構成されている。
3
『昭和 45 年 国富調査』における、取得年次別資産額のデータは、JCERデータベースやJIPデータベー
スに比べ産業分類が粗い。このため、複数の産業について共通の初期値を利用している(例えば、一般機
械、電気機械、輸送機械、精密機械は、
『昭和 45 年 国富調査』の機械産業で計算されたヴィンテージを
初期値としている)
。また、JCERデータベースでは産業別の受注ソフトウエアストックを計算しているが、
利用データの限界から、その系列は 1980 年までしか遡れない。このため今回のヴィンテージの計算には含
まれていない。
3
スピードが早い産業は、やはり一次金属である。逆に老朽化のスピードが遅い産業は、サ
ービス業で、次に通信業が続いている。4
ただ、産業別のヴィンテージの違いに関しては、その産業の資産構成の違いが影響して
いる。また Greenwood. Hercovitz, and
Krusell (1997)、(2000)や Cooper, Haltiwanger
and Power (1999)達の分析は、機械設備の更新が新技術の導入を通して資本の質を高める
効果もたらすという問題意識にたっている。したがって、以下では機械資産に限定してヴ
ィンテージを計測する。
図 2 は、機械資産のヴィンテージの推移を図示したものである。これを図 1 と比較する
と、機械の耐用年数が建物や構築物に比して短いことから、全体的にヴィンテージの水準
は低くなっている。機械資本だけを取り出してもやはり老朽化は進んでいるが、それは 4
年程度となっている。5この結果 2002 年時点での全産業ベースのヴィンテージは、6.6 年と
なっている。また図 1 では 1980 年代後半に製造業のヴィンテージだけが低下を示していた
が、機械資本に限ると、この時期は全産業ベースでヴィンテージが低下していたことがわ
かる。
(図 2 挿入)
興味深いのは、製造業及び非製造業の動きである。図 1 では、非製造業のヴィンテージ
の動きは全産業の動きをし、90 年代にはほぼ一貫して製造業を上回って推移していた。し
かし、図 2 では逆に、90 年代において非製造業のヴィンテージが製造業のヴィンテージを
下回るようになっている。このことは非製造業ではむしろ建物や構築物の老朽化が急速に
進んでおり、機械の老朽化は相対的に小さいということを示している。こうした結果は、
90 年代に、非製造業の中では伝統的な産業である、運輸業や電力・ガス・水道業、建設業、
不動産業といった建物や構築物の比重が高い業種で、投資が落ち込む一方、通信業やサー
ビス業など技術革新を体化した機械主体のビジネスでの投資が活発化したことと整合的で
ある。
表 2 は、表 1 と同様産業別のヴィンテージを見たものだが、ここでも表 1 とは異なる結
果が現れている。2002 年時点で、最も設備の老朽化が進んでいる産業は、一次金属ではな
く、鉱業となっている。鉱業はまた、この 30 年余りで、機械資本の老朽化が最も進んだ産
業でもある。一方 2002 年時点で最もヴィンテージが若い産業は、通信業ではなく、電気機
械産業でサービス業がこれに次いでいる。
4
我々は、JIPデータベースでも同様の推計を行っているが、産業数が多いことと 1998 年までのデータし
か得られないため、本稿では省略している。ただ全産業ベースの結果は、JCERデータベースとほぼ同じで、
1970 年から 98 年まで、ヴィンテージは約 5 年上昇している。JIPデータベースは非製造業の比重が多きこ
ともあり、全産業のヴィンテージの動きと非製造業のヴィンテージの動きはほとんど同じである。一方製
造業は、98 年時点でのヴィンテージが 8 年とJCERデータベースの結果よりは少し若くなっている。
5
JIPデータベースでは 2.7 年程度の老朽化に止まり、2002 年時点でのヴィンテージは 5.2 年となっている。
4
(表 2 挿入)
以上をみると、経済全体で設備の老朽化は着実に進んでいることがわかる。ただその
老朽化の程度は産業によって差があり、一次金属、鉱業など伝統的な産業では老朽化がよ
り進み、電気機械産業や通信業、サービス業などでは活発な機械投資によって、老朽化に
一定の歯止めがかかっていることが見て取れる。
それでは、こうした老朽化した設備の更新サイクル期間はどれくらいなのだろうか。こ
こでは、t期における減価償却分の投資が、どれくらい過去の粗投資量を反映しているの
かということを基準に更新サイクルを考える。つまり、
δ t K t −1 = I t −T
(2)
となる期間 T を更新期間と考えるのである。
(2)式のように考えると、t期の投資全体は、
I t = gK t −1 + δ t K t −1 = gK t −1 + I t −T
(3)
である。純投資率gが長期的に変化しないと考えると、(3)式は、
(1 + g ) T
]
I t = gK t −1 + gK t −T −1 + gK t − 2T −1 + L = gK t −1 [
(1 + g ) T − 1
(4)
となる。(4)式を整理して、平均更新期間 T について解くと、
T = [log H t − log( H t − g )] / log(1 + g )
となる。ここで、 H t =
It
K t −1
(5)
である。
この(5)式にしたがって、平均更新期間を算出したものが表 3 である。表 3 をみると、
すべての産業で、1980 年代後半は、平均更新期間が低下したが、その後は、食品、精密機
械、通信といった一部の産業を除いて、平均更新期間は一貫して上昇している。2000 年代
における全産業ベースの平均更新期間は 12.6 年だが、最も長い産業(不動産業)では 19.2
年にも及んでいる。
(表 3 挿入)
ただし不動産業は、耐用年数が比較的長い建物や構築物の比重が高いという業種の特性
5
上更新期間が長くなっている可能性がある。したがって、ヴィンテージのケースと同じく、
機械資本に限った平均更新期間をみたものが表 4 である。表 4 をみると、表 3 に比べて全
体的に平均更新期間は短縮している。2000 年代における全産業ベースの平均更新期間は 8.9
年である。
(表 4 参照)
また約 30 年間における平均更新期間の推移についても、産業間での共通性はあまりみら
れない。1980 年代後半に一度平均更新期間が短縮する産業が多いことは確かだが、電気機
械産業では、80 年前半に、通信業では 90 年代前半に平均更新期間の短縮がみられる。予想
されていたように不動産業の平均更新期間は、それほど長くはなく、むしろ 2000 年代で平
均更新期間が最も長い産業は繊維産業になっている。
以上を整理すると、産業全体としては、1980 年代後半を除いて、平均更新期間が長期化
する傾向がみられる。しかし食品、精密機械、通信などは、90 年代に入っても機械資本の
更新を積極的に行っている。
3
ヴィンテージ資本の変化と生産性
3-1
成長会計による分析
すでに Wolff(1991),(1996), Gittleman, Raa and Wolff (2003)らが、資本の質が生産性
にどのような影響を与えるかということを分析している。我々も彼らにならって、以下の
ようなコブ=ダグラズ型生産関数を考える。
Yt = ( Z Et ) α ( Z St ) β ( Ae gt Lt )1−α − β
(6)
と考える。ここでYは生産、Lは労働力、gは労働節約的な技術進歩率である。そしてZiは、
次のように表わすことができる。
Z it = Qit K it
(7)
(2)式において、Qi,tは、i資産(i=E, S, Eは機械、Sは建物)におけるt期の資本(Kit)
の質を示している。6このqiは、設備年齢(Vi)に依存し、 Qi = Vi
6
−γ i
(γ i > 0) とする。(6)、
Wolff(1991), (1996)の分析は、単一の資本による分析だが、最近では、機械資本に体化された技術進歩
に着目する研究が多いため、ここでは、機械資本と建設資本との 2 資産による生産関数を考える。機械資
6
(7)式を使って(1)式を変形すると、
y t = ln A + gt +
α
β
(q Et + x Et ) +
(q st + x St )
1−α − β
1−α − β
(8)
となる。ここで、yは、労働生産性の対数値、xiとqiは、それぞれ資本係数と資本の質に
関する対数値である。この(8)式の対数をとって時間で微分し、資本の質の定義式を考慮
すると、
.
yt = g −
.
.
.
.
αγ
α
βγ
β
v Et +
x Et −
v St +
x St
1−α − β
1−α − β
1−α − β
1−α − β
(9)
(9)式は、労働生産性上昇率が、労働節
となる。ここで、viは、設備年齢の対数値である。
約的な外生的技術進歩率(g)と機械資本、建築資本量的な変化率、及びそれぞれの設備の
年齢の変化に分解できることを示している。
この(9)式をもとに、簡単化のためにγ=1という前提をおいて、労働生産性の要因分解を
行った結果が表 5 である。表 5 をみると、1980 年代から 90 年代、2000 年代にかけての労
働生産性の低下の多くは、技術進歩率の低下によって説明される。これは、両資本におい
て質の変化がみられるとした場合も、機械資本のみに質の変化がみられるとした場合も同
様である。
(表 5 挿入)
各資本の量的な変化をみると、機械資本については、1980 年代から 2000 年代にかけて
それほどの低下はみられず、労働生産性低下の主要因でなかったことがわかる。ただし、
機械資本の質については、80 年代から 90 年代にかけて 0.2%ポイント近く低下しており、
同時期の労働生産性低下の 10%強を説明している。機械資本の量的な貢献と質的な貢献を
合わせると、80 年代を除いてはほぼ相殺されてしまう。このことは、機械資本の更新が十
分でなく、古い機械を残しているため、労働生産性の向上に対する寄与は十分でないとい
うことを意味している。
一方建設資本の量的な寄与については、80 年代から 90 年代前半にかけては、上昇してい
るものの、90 年代後半には一転してマイナスとなり、90 年代前半から後半にかけての労働
生産性低下の大きな要因となっている。建設資本の質は、常に 0.5%程度のマイナスを示し
本と建設資本の分離の仕方については、宮川・山澤(2003)、宮川・真木(2004)を参照されたい。
7
ているため、量と質の面双方を考慮すると、建設資本は老朽化のために、労働生産性の上
昇には全く寄与していないということになる。
3−2
生産関数の推計による検証
成長会計では、分析の便宜上、各資本の質は、設備年齢の逆数に等しいという制約を置
いた。今度は、この制約をはずし、Wolff (1991), (1996)らのように、労働生産性を被説
明変数として、各資本の質がどの程度の貢献をするかについて、実証的に検討してみよう。
推計式としては、成長会計の基礎となった(8)式が考えられるが、機械資本係数、建物資
本係数ともに上昇しているため、多重共線性が生じる可能性がある。そこで、(6)、(7)式
と資本の質の定義式を利用して、以下の式を推計する。
y t = (1 − α − β )(a + gt ) + (αγ E )(v Et − v st ) + α (k Et − k st ) + [(α + β )γ s ]v st + (α + β )(k St − l t )
(10)
となる。ここで、ki、lは、それぞれ各資本、労働力に関する対数値である。
我々は、先ほどヴィンテージや平均更新期間を計算するために利用した JCER データベー
スを利用して、(10)式を推計する。すでに述べたように、JCER データベースは 23 産業の
産業別データなので、産業の固定効果と時間ダミーを含めた FGLS によって推計を行う。推
計データは、第 1 次石油ショック後の 1976 年からのデータを利用している。また実際の推
計において、ヴィンテージは逆数を入れて推計をおこなっている(したがって予想される
符号は正である)。推計結果は、表 6 にまとめられている。
(表 6 挿入)
表 6 をみると、全産業ベースの推計では、すべて符号条件を満たし、そのほとんどが有
意となっている。ただし、係数の値については、注意が必要である。全期間における推計
では、機械資本への分配率が 35%、建設資本への分配率が 5%となっている。このことは、
建設資本の資本収益率が機械資本に比べて著しく低いということを示している。一方設備
年齢の変化が各資本の質の変化に及ぼす弾力性は、機械資本の場合が 1.3 で、建設資本の
場合が 0.6 となっている(γ=1という仮説も棄却されている)。すなわち、設備年齢が上昇す
るに伴って資本の質が劣化する度合いは、機械資本の方が建設資本より大きいことになる。
最後に推計から計算される労働節約的技術進歩率は、2.5%である。
全産業全期間ベース以外の推計結果については、機械資本に対する分配率は、全期間で
機械資本の質だけを考慮した推計や、1990 年代に限った推計では、30%台から 50%程度の
値をとっている。ただ 70 年代から 80 年代に限った推計では、分配率の値は相当低くしか
も有意ではない。一方建設資本に対する分配率は、機械資本の質のみを考慮した推計や、
8
90 年代の推計でマイナスの値をとってしまう。また資本の質の設備年齢に対する弾力性は、
機械資本の質のみを考慮した推計や 90 年代の推計では、ほぼ 1 に近い値をとっているが、
70 年代から 80 年打にかけての推計では、機械資本/建設資本の係数値が非常に小さいこと
から、異常に大きい値となっている。労働節約的技術進歩率は、90 年以前の推計による値
と 90 年以降の推計による値を比べると、後者が前者を大きく下回っていることが確認でき
る。
業種別の推計をみると、製造業では、1970 年代から 80 年代の推計を除いて、すべて符号
条件を満たしており有意となっている。係数の値をみると、全産業での推計結果に比べて
機械資本の分配率が少し低下し、反対に建設資本の分配率が上昇している。資本の質の設
備年齢に対する弾力性は、機械資本で非常に高くなっており、製造業では設備年齢の低下
が機械資本の質を大きく低下させる効果を持っていることがわかる。また労働節約的技術
進歩率は、全期間と 90 年代以降の推計値を比べると、全産業の場合と同じく、後者が前者
よりも低くなっている。
非製造業の推計結果は、機械資本の質や建物資本の係数がしばしば負になっており、仮
説をすべて満たした推計結果は得られていない。この点は業種を絞った推計でも同じであ
る。どちらのケースでも、
建設資本の質を考慮しない 90 年代の推計結果が比較的良好だが、
それでも、機械資本の分配率は非常に大きく、建設資本の分配率と合わせると、1 を超える
ため、労働力の分配率は負になってしまう。ここで、機械資本の質の設備年齢に対する弾
力性は負か非常に小さい値をとっており、非製造業の場合は、設備年齢の上昇による資本
の質の低下はそれほど大きな影響を与えていないとみられる。
以上の結果をまとめると、全産業ベースや製造業ベースの推計では、資本の質の低下は、
労働生産性を低下させるとみなすことができる。また設備年齢の上昇が資本の質の低下に
与える影響は、おおむね機械資本の方が建設資本よりも大きい。特に製造業では、機械資
本と建設資本の差が大きい。
4
更新投資関数の推計
前節では、資本の質の向上が、労働生産性に正の影響を与え、この資本の質が設備年齢
に影響されることを確認した。その設備年齢は 90 年代以降単調に上昇していることから、
生産性の上昇を図ろうとするならば、積極的な更新投資によって資本の質の低下を食い止
める必要がある。ここでは資本の質の低下を、どのようにしたら抑制することができるか
を更新投資の推計を通して考察する。
第 2 節でヴィンテージや更新投資期間を計算する場合は、減価償却分を更新投資とみな
していた。しかし企業の更新投資動機を考える場合、それぞれの減価償却分を、更新投資
分とみなすことは適切ではない。その理由は、第 2 節で使用したデータベースでは、減価
償却額は、各資産における定率的な償却率から機械的に算出された値となっているからで
9
ある。
そこで、本節では、更新投資を企業の資本ストックの質を維持するために必要な投資と
考え、次のような定義を行う。これまでの議論から、資本ストックの質を維持するという
ことは、資本のヴィンテージを維持することであると解釈できる。資本ヴィンテージの定
義式(1)において、もし前期と今期のヴィンテージが等しくなるとすれば、すなわち
Vt = Vt −1 = V * であるとすれば、(1)式は、
H * V * = −0.5H * +1
(11)
と書き換えることができる。ここで、H*は、資本の質を一定にするために必要な、設備投
資比率(I/K)とする。
したがって、J*は
H * = 1 /( H * +0.5)
(12)
ということになる。
ここでは、現実の設備投資比率(Ht= It/ Kt-1)とJ*の比率(IKt= Ht/ H*t)を被説明変数と
して、次のような設備投資関数を推計する。
IK jt = a1 * CC jt −1 + a 2 * CF jt −1 + a 3Y jt −1 + a 4V jt −1 + µ j + ν t + ε jt
(13)
(13)式において、CCは資本コストである。この資本コストは、実質金利の低下が設
備投資に及ぼす効果をみるとともに、投資財価格の低下が設備投資に及ぼす影響を測る役
割を持つ。すでにみたように、Greenwood. Hercovitz, and
Krusell (1997), (2000)、
Cummins and Violante (2002)らの研究では、急速な技術革新によって、資本財価格が低下
し、機械投資の更新が促進された点に着目している。したがって、我々はこうした効果を
より明確に把握するために、資本コストをIT投資財の相対価格に置き換えた推計も試みる。
いずれのケースにおいても、a1<0 が期待される。
(13)式の右辺第 2 項は、企業の資金制約を測る変数である。我々はこれを表す指標と
して、負債比率または、内部留保と減価償却を足したキャッシュ・フローを資本ストック
で割った比率を利用した。これらの変数は、JCER データベースでは用意できないので、財
務省の『法人企業統計年報』から算出した。いずれのケースも予想される係数の符号は、
負債比率を説明変数に使用した場合は負で、キャッシュ・フローを説明変数に使用した場
合は正である。
Yは付加価値だが、これは企業が直面する需要を表している。需要が更新投資に与える
10
影響は二種類ある。一つは需要の増加が更新投資を増加させる効果であり、もう一つはっ
企業は需要の増加に対して、既存設備の稼働率を上昇させて対応するため、更新が遅れる
という見方である。前者の場合であれば、係数の符号は正であり、後者の場合であれば、
係数の符号は負である。7こうした効果をみるためには、本来は稼働率を説明変数としたほ
うがわかりやすい。したがって 1990 年以降の推計では、Yの代わりに稼働率を説明変数と
している。ここで製造業の稼働率については、経済産業省が公表している稼働率指数を用
いているが、非製造業には公表されている稼働率がない。そこで、ここではWakita(1996)
が、労働保蔵を推計する際に用いたインデックスを応用する。Wakita(1996)は、日本銀行
の『主要企業短観』の労働に関する過剰・不足DIを用いて労働保蔵インデックスを作成
したが、我々は同調査の生産・販売設備に関する過剰・不足DIを用いて、Wakita(1996)
と同様に、次のような生産・販売設備の過剰度指数を作成して、この逆数を稼働率の代理
変数とみなした。
生産・販売設備の過剰度指数=(過剰と答えた企業数−不足と答えた企業数)/(過剰
でも不足でもない企業数)
最後のヴィンテージについては、ヴィンテージの上昇による資本の質の低下が、更新を
促進するかどうかを確かめている。通常はヴィンテージの上昇は、更新を促進すると考え
られるので、予想される符号は正である。
この(13)式を JCER データベースについて FGLS 推計を行ったものが、表 7-1、表 7-2 で
ある。これまでも強調しているように、資本の質を考える場合、機械資本に着目した研究
が多いため、ここでも全資産ベースの推計の他に、機械資本だけの推計もおこなっている。
なお、負債比率を算出するために使用した『法人企業統計年報』は、金融・保険業を含ん
でいないため、全産業ベースでの産業数は 22 となる。
(表 7-1、表 7-2、表 7-3 挿入)
まず表 7-1 をみると、全資産ベースの推計は、ほぼ符号条件を満たしている。資本コスト
やIT財価格の符号はいずれも負で、負債比率やキャッシュ・フローの係数も前者が負で、
後者が正となっている。付加価値額の符号は、正と負の両方のケースがあるが、需要が増
加すると更新を先延ばしにするケースの方が多い。最後のヴィンテージの符号は正で、資
本の質の低下が更新を促進させることを示している。そしてこれらの推計された係数は、
いずれも 1%水準で有意となっている。
次に機械資本の推計をみると、負債比率の係数が逆で、付加価値額の係数が曖昧だがその
他の係数は、いずれも予想通りの符号で、しかもすべて 1%水準で有意となっている。
7
Goolsbee(1998)の実証分析では、後者の見方をとっている。
11
これを業種別でみたときに、製造業では全資産ベースの推計は、ほぼ条件を満たしており、
しかも有意である。付加価値額の符号は負で有意のケースが多く、需要の増加によって更
新が先延ばしになっていることが伺える。機械資本の推計については、負債比率が予想と
逆符号になっている他は、いずれも予想された符号条件を満たし、しかも有意となってい
る。一方非製造業では、資本コスト、IT投資財価格ともに正の符合となっており、金利
の低下や投資財価格の低下が更新投資を増加させる方向へ働いていない。資金制約を表す
変数については、キャッシュ・フローは逆符号となっている他、負債比率については、全
資産ベースの推計のみ、予想された符号となっている。付加価値額の係数については、製
造業と同様負のケースが多く、ヴィンテージについては、すべて正で有意となっている。
次に推計期間を 1990 年で区切ったケースについて表 7-2、7-3 に示した推計結果をみてみ
よう。全産業ベースでは、1990 年以前の推計における機械資本のケースに限り資本コスト、
IT投資財価格とも負の符号となり当初の仮説と整合的である。資金制約を表す変数につ
いてみると、1990 年以前の結果では負債比率は期待通りの符号である一方、キャッシュ・
フローについては仮説と整合的ではない。1990 年以降の推計では負債比率、キャッシュ・
フローともほぼ期待通りの符合となっている。企業の直面する需要を表す変数である付加
価値額や稼働率は、正の符合となり、稼働率の上昇が更新を促進する効果を持っているこ
とを示している。これは、稼働率が単に需要の代理変数としての意味を持っているだけで
はなく、稼働率の上昇が、資本の減耗を早め、更新を促進するという効果もあるため、む
しろ後者の効果が強く働いているのではないかと思われる。またヴィンテージについては、
1990 年以前の推計では全てのケースで正となる一方、1990 年以降では機械資本の推計で主
に正で有意となっている。
製造業、非製造業別にみた推計では、製造業は、負債比率、キャッシュ・フロー、ヴィン
テージについてはすべて符号条件を満たし、しかも有意となっている。また、企業の直面
する需要を表す変数については、1990 年以前で負、1990 年以降で正となっている。このこ
とは 1990 年以前については需要の増加に対して既存設備の稼働率を上昇させることにより
対応したため更新が遅れたことを示すのではないかと考えられる。ヴィンテージについて
は、その上昇が資本の質を低下させるため、更新比率を上昇させる効果がすべての推計で
みられる。
非製造業については、1990 年以前、以降の両推計ともに、パフォーマンスが良くない。
ただし、機械資本の推計になると、資本コスト、IT 財価格、ヴィンテージの係数は全て予
想される符号で有意となっている。
以上の推計結果を要約すると、ほとんどの推計において、ヴィンテージの係数は、正で有
意な符号となっている。これは、ヴィンテージの上昇に伴う資本の質の低下は、更新投資
の比率を高める効果を持っていることを示している。推計では、機械資本の場合は、必ず
符号条件を満たしていることから、ヴィンテージの効果は、機械資本の更新にとりわけ強
く現われていると考えられる。資金制約の効果も、キャッシュ・フローを説明変数とした
12
場合には、製造業に限ったケースや 90 年代の推計において、すべて予想された符号で有意
となっている。特に 90 年代の推計ではすべての推計で符号条件を満たしていることから、
90 年代の更新投資は、キャッシュ・フローを媒介として資金制約を受けていたと考えられ
る。稼働率については、90 年代の全産業、製造業の推計で、ほぼ正で有意な符号となった
ことから、稼働率の上昇が、資本の減耗を早め、更新を促進したと考えられる。
5
結論
資本の質の向上による生産性の上昇は、今後の人口減少化における日本経済において、
適切な経済成長を維持するために不可欠の要素である。しかしながら、日本では 1990 年初
頭からの長期停滞により、設備の更新が制約され、更新期間も長期化してきた。本論文で
は、こうした問題意識にたって、設備更新の状況と、設備更新を促進するための要件を探
る分析を行った。主要な結論は、以下の通りである。
(1) 設備年齢を表すヴィンテージは、1980 年代後半の一時期低下する局面もあったが、
90 年代に入ってからはほぼ単調に上昇している。電気機械、精密機械、通信などの
先端的産業では、比較的ヴィンテージは低いが、それでも相当の上昇を続けている。
(2) 平均更新期間も 1980 年代後半や 90 年代前半に一時短縮する動きがあったが、おお
むね長期化している。
(3) このため、成長会計でみると、常にヴィンテージの上昇に伴う資本の質の低下が、
労働生産性の上昇を抑制している。特に 1980 年代から 90 年代にかけての機械資本
の質の低下は、同時期の労働生産性の低下に相当寄与した。
(4) 生産関数の推計を通しても、機械資本を中心とした資本の質の低下は、労働生産性
を低下させている。
(5) 資本の質を一定に保つことを目標として、どれだけの投資がなされているかという
ことを被説明変数として、更新投資関数を推計すると、ヴィンテージの上昇は、お
おむね更新投資を促進していることが確認された。しかし、90 年代は資金制約から
こうした更新投資が抑制されていたと考えられる。
それでは、こうした更新投資を促進するためには、今後どのような政策がとられるべき
なのであろうか。すでに宮川・浜潟(2004)では、投資減税が IT 投資を促進する効果を有
することを実証している。本稿の推計でも、推計によって資本コストの低下が更新投資を
促進するという結果が得られている。しかし、こうした投資減税は、一時的なものであり、
また近年税制上の特別措置を縮小する方向を考えると適切とはいえない。また技術革新の
早い投資財では、投資減税による資本コストの低下効果よりも、投資財価格の低下のほう
がより大きいと考えられる。
13
したがって長期的に設備の更新を促進するためには、むしろ税制上の耐用年数を全面的
に見直し、IT 投資財やソフトウエアのように技術進歩が早い機械を中心に短縮化、簡素化
を進めるべきであろう。人口の高齢化だけでなく、設備の老朽化も進むようであれば、変
転激しいグローバル化の中で、日本が競争力を維持していくことは困難であると考えられ
る。
14
参考文献
国則 守生・高橋 伸彰(1984)『設備投資と日本経済』東洋経済新報社
鈴木 和志・宮川 努(1986)『日本の企業投資と研究開発戦略』東洋経済新報社
野村 浩二(2005)『資本の測定』慶應義塾大学出版会
林
文夫(2003)「構造改革なくして成長なし」岩田
規久男・宮川
努編『失われた 10
年の真因は何か』東洋経済新報社
深尾
京司・宮川
田
努・河井
雅秀・中田
啓希・乾
一良・橋川
友彦・岳
希明・奥本
佳伸・中村
勝克・林
健祥・奥村
直紀・村上
友佳子・浜潟
純大・
吉沢 由羽希・丸山 士行・山内 慎子(2003)
「産業別生産性と経済成長:1970
−98 年」『経済分析』第 170 号
宮川 努・山澤成康(2003)「景気判断と GDP 統計」浅子
和美・福田
慎一編『景気循環
と景気予測』東京大学出版会
宮川 努・真木 和彦(2004)
「潜在成長力、GDP ギャップと資本ストックの計測」福田
一・粕谷
慎
宗久編『日本経済の構造変化と経済予測』東京大学出版会
宮川 努・浜潟 純大(2004)
「わが国 IT 投資の活性化要因 −JIP データベースを利用し
た国際比較と実証分析−」『経済研究』第 55 巻、pp. 245-260.
Bahk, Byong-Hyong and Michael Gort (1993),
Plants,
Decomposing Learning by Doing in New
Journal of Political Economy 101: pp. 561-583.
Benhabib, Jess and Bart Hobijn (2003),
Another View of Investment : 40 Years Later,
in Philippe Aghion, Roman Frydman, Joseph Stiglitz and Michael Woodford eds,
Knowledge, Information and Expectations in Modern Macroeconomics, Princeton
University Press.
Cooper, Russel, John Haltiwanger, and Laura Power (1999),
the Business Cycle: Lumps and Bumps,
Machine Replacement and
The American Economic Review 89: pp.
921-946.
Cummins, Jason G. and Giovanni L. Violante (2002),
Investment-Specific Technical
Change in the United States (1947-2000): Measurement and Macroeconomic
Consequences,
Denison, Edward (1964),
Review of Economic Dynamics 5: pp. 243-284.
The Unimportance of the Embodied Question,
American
Economic Review 54 (Papers and Proceedings):pp. 90-93.
Feldstein, Martin S. and David K. Foot (1971)
The Other Half of Gross Investment:
Replacement and Modernization Expenditures
Review of Economics and
Statistics 53: pp. 49-58.
Gittleman, Maury, Thijs ten Raa, and Edward N. Wolff (2003),
15
The Vintage Effect
in TFP Growth: An Analysis of the Age Structure of Capital,
NBER Working
Paper Series no.9768.
Goolosbee, Austan (1998),
The Business Cycle, Financial Performance, and the
Retirement of Capital Goods,
Review of Economic Dynamics 1: pp.474-496.
Greenwood, Jeremy, Zvi Hercowitz, and Per Krusell (1997),
of Investment Specific Technological Change,
Long-Run Implications
American Economic Review 87:
pp. 342-362.
Hulten, Charles R. (1992),
Capital,
Growth Accounting when Technical Change Is Embodied in
American Economic Review 82: pp. 964-980.
Jovanovic, Boyan (1998),
Vintage Capital and Inequality,
Review of Economic
Dynamics 1: 497-530.
Lucas, Robert E. Jr. (1988),
On the Mechanics of Economic Development,
Journal
of Monetary Economics 22: pp.3-42.
Miyagawa, Tsutomu, Yukiko Ito, and Nobuyuki Harada (2004),
Productivity Growth in Japan,
The IT Revolution and
Journal of the Japanese and International
Economies 18: pp. 362-389.
Nelson, Richard R. (1964)
Aggregate Production Functions and Medium-Range Growth
The American Economic Review 54: pp. 575-606.
Projections,
Phelps, Edmund S. (1962),
The New View of Investment: A Neoclassical Analysis,
Quarterly Journal of Economics 76: pp. 548-567.
Romer, Paul (1990),
Endogenous Technological Change,
Journal of Political Economy
98: pp. S71-S102.
Solow, Robert (1960),
Investment and Technological Progress,
in Kenneth J. Arrow,
Samuel Karlin, and Paptick Suppes eds, Mathematical Methods in the Social
Sciences 1959, Stanford University Press.
Wakita, S. (1997),
Chronic Labor Hoarding: Direct Evidence from Japan,
Japanese
Economic Review, vol.48: pp.307‒323.
Wolff, Edwards N. (1991)
Long-Term,
Capital Formation and Productivity Convergence over the
The American Economic Review 81: pp. 565-579.
Wolff, Edwards N. (1996)
The Productivity Slowdown: The Culprit at Last? Follow-Up
on Hulten and Wolff,
The American Economic Review 86: pp. 1239-1252.
16
表1 産業別ヴィンテージ
食品工業
1970
1975
1980
1985
1990
1995
2000
2002
2002年と
1970年と
の差
石油・石炭 窯業土石
製品
製品
3.30
3.30
3.81
3.99
4.73
6.47
6.92
6.78
7.96
7.85
7.82
4.71
7.49
8.79
8.43
9.25
10.80
11.49
4.28
6.71
8.01
7.38
8.18
9.80
10.45
4.21
6.59
8.20
8.03
8.72
9.64
10.02
3.97
6.44
9.17
9.84
8.59
9.81
10.73
4.92
6.78
7.58
8.02
9.24
10.55
11.06
4.00
7.49
7.24
6.72
7.43
7.76
農林水産
業
4.85
1970
1975
4.38
1980
5.99
1985
7.67
1990
9.08
1995
10.45
2000
11.37
2002
11.71
2002年と
1970年と
の差
繊維製品
パルプ・
化学
紙・木製品
3.22
3.30
6.86
鉱業
建設
4.34
6.82
8.98
9.91
10.20
11.14
11.70
2.46
3.39
4.59
6.18
7.18
8.17
9.58
10.20
7.85
7.73
3.84
電力・ガ
ス・水道
5.99
5.42
5.46
7.08
8.70
9.47
10.22
10.60
4.61
商業
3.65
4.17
5.51
6.84
7.66
8.89
10.30
10.85
7.20
金融・保
険
4.92
5.65
6.78
7.78
7.95
9.08
10.57
11.12
6.20
(単位:年)
その他
一次金属 金属製品 一般機械 電気機械 輸送機械 精密機械
製造業
3.32
3.32
3.27
3.27
3.27
3.27
3.30
4.15
4.71
4.43
4.60
4.03
4.86
4.59
6.59
7.29
5.78
5.75
5.68
5.01
6.36
8.58
8.10
6.03
5.16
6.15
5.59
5.92
8.36
7.54
5.95
5.22
6.02
5.96
6.05
9.24
8.38
7.11
6.50
7.32
7.28
7.13
11.12
9.57
8.00
7.30
8.62
7.70
7.79
11.89
10.05
8.31
7.60
9.05
7.81
8.07
8.56
不動産
6.73
運輸
5.04
通信
4.34
サービス
4.92
4.21
5.39
5.89
5.66
7.31
9.84
10.80
3.39
4.68
5.88
6.74
7.35
8.18
9.32
9.84
3.39
4.37
5.57
6.44
7.78
7.87
7.15
7.20
4.24
2.91
4.31
5.46
5.80
6.55
7.33
7.72
5.89
6.45
3.81
3.48
17
5.79
4.55
4.77
表2 産業別ヴィンテージ(機械資産)
(単位:年)
パルプ・
食品工業 繊維製品 紙・木製
品
1970
2.74
2.62
2.61
1975
3.53
4.01
3.79
1980
4.55
6.13
5.55
1985
5.08
6.25
6.61
1990
4.78
5.48
5.68
1995
6.16
6.26
6.35
2000
6.15
7.61
7.34
2002
6.17
8.22
7.74
2002年と
1970年との
3.43
5.60
5.14
差
1970
1975
1980
1985
1990
1995
2000
2002
2002年と
1970年との
差
農林水産
業
2.11
3.26
5.03
6.19
6.49
7.14
7.74
8.05
5.94
化学
石油・石 窯業土石
その他製
一次金属 金属製品 一般機械 電気機械 輸送機械 精密機械
炭製品
製品
造業
2.48
3.88
5.50
6.25
6.09
6.42
6.77
7.04
2.48
3.00
5.42
7.76
7.56
7.25
8.05
8.59
2.48
4.30
5.27
5.31
5.82
6.77
7.59
7.97
2.81
3.88
5.78
7.05
6.80
7.21
7.77
8.06
2.81
4.65
6.01
5.62
4.37
5.54
6.84
7.32
2.35
3.84
4.17
4.41
4.54
5.79
6.59
6.89
2.35
3.85
5.28
3.65
3.59
4.88
5.44
5.72
2.35
3.51
4.48
4.42
4.61
5.83
6.51
6.79
2.35
3.26
4.02
3.81
4.07
5.56
6.05
6.24
2.48
3.58
4.51
3.95
4.46
5.77
6.47
6.77
4.55
6.10
5.49
5.26
4.51
4.55
3.37
4.45
3.90
4.28
不動産
運輸
通信
サービス
1.78
2.55
4.88
3.84
3.86
5.08
5.79
6.13
2.62
3.43
4.52
4.82
5.52
6.77
7.60
7.93
2.62
3.10
3.81
4.25
5.26
6.77
5.62
5.94
1.75
2.34
3.75
4.70
4.45
5.05
5.58
5.91
4.35
5.31
3.32
4.16
鉱業
建設
2.31
3.17
5.18
7.05
8.26
8.21
8.51
8.88
1.60
2.98
4.33
5.67
6.43
7.23
7.77
8.06
電力・ガ
ス・水道
4.42
4.77
4.44
5.21
5.61
5.95
6.01
6.22
6.58
6.47
1.80
1.74
3.19
4.27
5.01
5.68
6.85
7.41
7.68
金融・保
険
1.78
2.63
4.98
4.75
4.79
5.76
6.27
6.56
5.94
4.78
商業
18
表3 平均更新期間
全産業
1976-80
1981-85
1986-90
1991-95
1996-2000
2001-2002
1976-80
1981-85
1986-90
1991-95
1996-2000
2001-2002
11.50
11.81
11.41
11.96
12.29
12.58
11.94
14.20
パルプ・
紙・木製品
12.73
10.95
10.46
11.35
10.54
10.49
13.28
11.38
12.08
13.43
14.37
12.39
10.90
11.99
13.66
14.38
食品工業 繊維製品
農林水産
業
11.81
鉱業
建設
12.34
13.10
13.69
14.17
14.02
14.23
13.50
12.65
12.41
13.33
14.50
9.46
10.67
10.95
11.61
12.78
13.55
電力・ガ
ス・水道
12.52
14.00
14.97
14.27
14.49
14.94
化学
12.77
13.03
11.38
12.24
12.74
12.94
商業
11.99
12.63
12.60
13.76
14.93
15.45
石油・石炭 窯業土石
一次金属 金属製品 一般機械 電気機械 輸送機械 精密機械
製品
製品
12.12
12.52
12.78
14.38
11.06
11.49
11.52
10.30
15.23
12.91
11.15
13.52
16.54
金融・保
険
12.68
13.34
12.30
13.41
14.41
14.49
11.88
11.57
12.72
13.42
13.81
13.98
11.80
13.16
15.49
16.33
12.80
11.32
11.82
12.65
13.10
10.13
9.70
10.49
10.70
10.83
不動産
運輸
通信
サービス
13.37
13.42
13.01
14.74
18.15
19.18
11.30
11.41
11.25
11.86
12.94
13.72
12.15
11.94
12.68
11.56
10.78
11.34
10.84
10.95
10.62
10.90
11.03
11.34
19
11.25
10.77
11.08
10.95
10.99
10.74
10.21
11.40
12.04
12.09
10.94
10.03
10.58
10.10
9.96
(単位:年)
その他
製造業
11.93
9.94
9.83
10.41
10.42
10.64
表4 平均更新期間(機械資本)
1976-80
1981-85
1986-90
1991-95
1996-2000
2001-2002
1976-80
1981-85
1986-90
1991-95
1996-2000
2001-2002
全産業
食品工業
7.32
7.37
7.18
8.05
8.24
8.89
7.22
パルプ・
繊維製品
紙・木製品
9.44
8.65
7.40
6.77
8.62
7.88
8.43
8.04
7.09
8.34
9.61
10.34
農林水産
業
鉱業
建設
8.09
8.64
8.27
8.84
9.17
9.60
8.40
9.83
10.06
9.08
9.32
10.10
7.20
8.30
8.65
8.96
9.13
9.57
8.83
7.13
8.32
9.21
9.63
電力・ガ
ス・水道
6.48
7.63
7.73
7.92
7.82
8.65
化学
8.44
8.39
7.77
8.21
8.44
9.07
商業
7.00
7.46
8.13
8.93
8.95
9.37
石油・石炭 窯業土石
製品
製品
8.87
7.81
11.04
8.70
8.35
9.41
10.33
金融・保
険
8.39
6.73
7.08
8.09
8.22
8.89
7.33
7.92
8.84
9.21
9.70
(単位:年)
その他
一次金属 金属製品 一般機械 電気機械 輸送機械 精密機械
製造業
8.81
8.65
6.51
8.17
7.12
6.60
7.14
9.37
7.33
6.75
5.40
6.61
6.04
6.00
8.17
6.14
6.79
6.00
6.89
6.49
6.94
8.72
8.06
8.30
7.64
8.32
8.27
8.35
9.15
9.12
8.62
7.68
8.50
8.09
8.48
9.58
9.58
9.06
8.52
8.98
8.63
8.99
不動産
運輸
通信
サービス
8.25
5.59
6.37
7.72
8.02
8.77
7.23
7.08
7.81
9.03
9.26
9.58
6.44
6.75
7.85
7.36
7.67
8.67
6.69
7.31
6.52
7.43
7.77
8.66
20
表5 労働生産性変化率の要因分解
(単位:%)
2002/00
1990/80
2000/90
労働生産性変化率
3.46
2.09
1995/90
2.33
2000/95
1.84
1.52
機械資本の寄与度
機械資本の質の寄与度
0.43
-0.13
0.41
-0.31
0.44
-0.38
0.38
-0.24
0.35
-0.35
建設資本の寄与度
建設資本の質の寄与度
0.17
-0.54
0.16
-0.51
0.34
-0.46
-0.02
-0.56
0.14
-0.51
技術進歩率
技術進歩率(除く建設資本の質の変化)
3.53
2.99
2.34
1.83
2.39
1.94
2.28
1.72
1.89
1.38
21
表6 労働生産性の推計結果
全産業
LN(機械資本の質/建物資本の
LN(機械資本/建物資本)②
(1)
0.446
(.027)
0.351
(.013)
(2)
***
***
LN(機械資本の質)
LN(建物資本の質)③
LN(建物資本/労働投入)④
TIME
期間
0.379
(.013)
0.364
(.023)
***
(3)
0.681
(.072)
0.065
(.047)
(4)
(5)
0.512
(.172)
0.496
(.078)
***
0.054
(.053)
0.720
(.069)
***
(6)
***
***
***
0.355
(.075)
0.449
(.112)
***
***
0.747 ***
0.709 ***
0.246 ***
(.032)
(.072)
(.129)
0.346 ***
0.109 **
0.180 ***
0.373 ***
0.302 ***
0.399 ***
(.025)
(.024)
(.054)
(.059)
(.087)
(.087)
0.021 ***
0.061 ***
0.056 ***
0.015 ***
0.013 ***
0.015 ***
(.002)
(.001)
(.005)
(.005)
(.005)
(.004)
1976-2002
1976-2002
1976-1990
1976-1990
1991-2002
1991-2002
no. of obs.
621
621
345
345
276
276
no.of groups
23
23
23
23
23
23
①と②の係数の一致(chi^2)
8.07
③と④の係数の一致(chi^2)
10.91
**
28.12
***
0.00
***
30.00
***
4.02
②と③の係数の一致(chi^2)
0.30
α
β
γE
0.351
0.048
1.271
γS
g
0.617
0.024958
32.71
0.379
-0.033
0.960
0.03211
**
0.54
***
0.065
0.044
10.477
0.054
0.126
13.333
0.496
-0.123
1.032
0.355
-0.053
1.265
6.853
0.068462
0.068293
1.901
0.023923
0.018625
製造業
LN(機械資本の質/建物資本の
LN(機械資本/建物資本)②
(1)
0.715
(.093)
0.293
(.041)
(2)
***
***
LN(機械資本の質)
LN(建物資本の質)③
LN(建物資本/労働投入)④
TIME
期間
0.296
(.038)
0.554
(.085)
***
(3)
1.553
(.101)
-0.328
(.032)
(4)
***
***
***
-0.371
(.032)
1.446
(.090)
***
(5)
0.441
(.053)
0.135
(.045)
(6)
***
***
***
0.273
(.049)
0.291
(.036)
***
***
1.204 ***
0.147 ***
0.424 ***
(.122)
(.085)
(.081)
0.546 ***
0.729 ***
0.561 ***
0.188 ***
0.148 ***
0.613 ***
(.075)
(.066)
(.044)
(.044)
(.050)
(.047)
0.022 ***
0.059 ***
0.079 ***
0.012 ***
0.016 ***
0.012 ***
(.006)
(.004)
(.005)
(.004)
(.004)
(.003)
1976-2002
1976-2002
1976-1990
1976-1990
1991-2002
1991-2002
no. of obs.
351
351
195
195
156
156
no.of groups
13
13
13
13
13
13
①と②の係数の一致(chi^2)
13.34
③と④の係数の一致(chi^2)
1.25
②と③の係数の一致(chi^2)
***
6.06
α
β
γE
0.293
0.320
2.440
γS
g
0.692
0.031
241.16
***
12.75
19.08
***
0.16
259.28
**
0.296
0.250
1.872
0.048
-0.328
1.057
-4.735
1.652
0.218
注)
***、**、*はそれぞれ1、5、10%で有意であることを示す
すべての推計で、産業ダミー、年ダミーを付加している
説明変数についてはラグをとっている
産業間で残差の不均一分散を仮定したFGLSにより推計している。
カッコ内は標準誤差である。
22
-0.371
0.932
-3.898
0.180
***
0.06
***
0.135
0.053
3.267
0.782
0.015
0.273
-0.125
1.066
0.019
非製造業
(1)
LN(機械資本の質/建物資本の質)①
LN(機械資本/建物資本)②
-0.546
(.116)
0.601
(.085)
(2)
***
LN(機械資本の質)
LN(建物資本の質)③
LN(建物資本/労働投入)④
TIME
期間
0.144
(.074)
(3)
0.297
(.074)
-0.053
(.073)
***
(5)
(.081)
0.102
(.055)
-0.667
*
0.095
(.049)
0.034
(.052)
0.101
(.073)
*
-0.008
(4)
-0.036
***
-0.048
-0.046
-0.085
*
(.105)
1.174
(.040)
(6)
***
***
0.435
(.057)
***
0.468
***
(.074)
(.079)
(.069)
(.059)
(.075)
0.024 ***
0.024 ***
0.035 ***
0.034 ***
0.009 ***
(.005)
(.005)
(.006)
(.005)
(.002)
1976-2002
1976-2002
1976-1990
1976-1990 1991-2002
0.798
(.037)
-0.009
(.103)
***
0.808
***
(.071)
-0.016 ***
(.002)
1991-2002
no. of obs.
270
270
150
150
120
120
no.of groups
10
10
10
10
10
10
①と②の係数の一致(chi^2)
36.73
③と④の係数の一致(chi^2)
1.78
***
②と③の係数の一致(chi^2)
7.20
α
β
γE
0.601
-0.609
-0.908
γS
g
-18.000
0.024
1.16
204.84
1.42
0.30
***
0.297
-0.345
-0.178
0.42
0.102
-0.148
-0.353
0.095
-0.180
0.358
-2.196
0.033
0.023
***
0.031
53.99
1.174
-0.706
-0.568
***
0.798
0.010
-0.011
0.929
0.017
-0.083
(11)
(12)
非製造業(農業、鉱業、不動産業除く)
(7)
LN(機械資本の質/建物資本の質)①
LN(機械資本/建物資本)②
-0.887
(.150)
0.680
(.081)
(8)
***
LN(機械資本の質)
LN(建物資本の質)③
LN(建物資本/労働投入)④
TIME
期間
no. of obs.
(9)
-0.357
***
0.441
(.102)
-0.097
(.108)
***
(.171)
0.146
(.075)
(10)
0.121
**
*
0.031
(.070)
-0.001
(.104)
(.161)
1.016
(.070)
***
1.129 ***
0.044
0.249 **
(.107)
(.109)
(.219)
-0.277 **
0.320 *
0.107
0.083
-0.235 **
(.117)
(.132)
(.120)
(.122)
(.180)
0.021 ***
0.017 ***
0.050 ***
0.045 ***
0.028 ***
(.007)
(.008)
(.009)
(.009)
(.008)
1976-2002
1976-2002
1976-1990
1976-1990 1991-2002
0.916
(.084)
0.436
(.186)
189
105
105
84
84
no.of groups
7
7
7
7
7
7
①と②の係数の一致(chi^2)
57.10
③と④の係数の一致(chi^2)
0.11
②と③の係数の一致(chi^2)
8.11
α
β
γE
0.680
-0.573
-1.304
γS
g
0.411
0.024
4.78
**
7.13
***
***
0.441
-0.358
-0.220
0.019
18.81
5.57
0.04
0.146
-0.381
-2.445
0.031
-0.308
-0.029
-1.060
0.040
0.035
注)
***、**、*はそれぞれ1、5、10%で有意であることを示す
すべての推計で、産業ダミー、年ダミーを付加している
説明変数についてはラグをとっている
産業間で残差の不均一分散を仮定したFGLSにより推計している。
カッコ内は標準誤差である。
23
***
**
3.56
1.016
-0.696
0.119
3.528
0.041
**
1.287 ***
(.097)
-0.014 ***
(.004)
1991-2002
189
***
***
0.916
0.371
0.476
0.049
*
表7−1 更新投資関数推計結果(1976-2002)
全産業
資本コスト
IT財価格
負債比率
キャッシュフロー
付加価値額
ヴィンテージ
no. of obs.
no.of groups
製造業
資本コスト
IT財価格
負債比率
キャッシュフロー
付加価値額
ヴィンテージ
no. of obs.
no.of groups
非製造業
資本コスト
IT財価格
負債比率
キャッシュフロー
付加価値額
ヴィンテージ
no. of obs.
no.of groups
(1)
(2)
(3)
(4)
(5)
(6)
(7)
(8)
全資本
全資本
全資本
全資本
機械資本
機械資本
機械資本
機械資本
-0.737 ***
-0.648 ***
-0.61 *** -0.234 ***
(.011)
(.024)
(.003)
(.022)
-0.026 ***
-0.031 ***
-0.021 *** -0.028 ***
(.001)
(.002)
(.001)
(.003)
-0.358 ***
0.249 ***
3.104 ***
-0.441 ***
(.006)
(.005)
(.005)
(.006)
2.201 ***
2.816 ***
0.339 ***
2.136 ***
(.046)
(.051)
(.056)
(.005)
-0.003 *** -0.003 *** -0.004 ***
-0.008 ***
0.006 ***
0.005 ***
-0.012 ***
0.0003 **
(.0001)
(.0003)
(.0001)
(.0003)
(.0002)
(.001)
(.0001)
(.001)
0.028 ***
0.015 ***
0.022 ***
0.054 ***
0.057 ***
0.06 ***
0.059 ***
0.017 ***
(.0004)
(.0003)
(.001)
(.001)
(.001)
(.001)
(.001)
(.002)
529
529
529
529
529
529
529
529
23
23
23
23
23
23
23
23
(1)
(2)
(3)
(4)
(5)
(6)
(7)
(8)
全資本
全資本
全資本
全資本
機械資本
機械資本
機械資本
機械資本
-0.218 ***
-0.262 **
-1.025 *** -0.636 ***
(.122)
(.134)
(.034)
(.122)
0.012 **
-0.023 *
-0.022 *** -0.045 ***
(.006)
(.007)
(.004)
(.013)
-0.785 ***
-0.393 ***
-0.467 ***
-0.764 ***
(.038)
(.036)
(.021)
(.024)
4.14 ***
4.282 ***
4.455 ***
4.008 ***
(.309)
(.329)
(.328)
(.330)
0.01
-0.072 *** -0.007
-0.098 ***
-0.05 ***
-0.12 ***
-0.057 ***
-0.018 ***
(.006)
(.008)
(.004)
(.005)
(.002)
(.010)
(.002)
(.007)
0.069 ***
0.028 ***
0.058 ***
0.044 ***
0.055 ***
0.048 ***
0.054 ***
0.034 ***
(.003)
(.002)
(.002)
(.003)
(.044)
(.006)
(.003)
(.010)
299
299
299
299
299
299
299
299
13
13
13
13
13
13
13
13
(1)
(2)
(3)
(4)
(5)
(6)
(7)
(8)
全資本
全資本
全資本
全資本
機械資本
機械資本
機械資本
機械資本
2.865 ***
0.471 *
0.53 ***
2.929 ***
(.110)
(.130)
(.048)
(.046)
0.053 ***
0.045 ***
0.051 ***
0.073 ***
(.006)
(.004)
(.004)
(.004)
-0.255 ***
-0.35 ***
0.203 *
0.188 ***
(.063)
(.070)
(.045)
(.042)
-0.579 ***
-0.866 ***
-0.67 ***
-0.721 ***
(.168)
(.167)
(.134)
(.129)
0.004 *** -0.013 ***
-0.008
-0.005 ***
-0.007 ***
-0.005 ***
0.0006
-0.013 ***
(.001)
(.001)
(.001)
(.001)
(.001)
(.001)
(.001)
(.001)
0.009 **
0.007 ***
0.053 ***
0.045 ***
0.062 ***
0.056 ***
-0.001
0.006 ***
(.002)
(.002)
(.004)
(.002)
(.003)
(.002)
(.003)
(.003)
230
230
230
230
230
230
230
230
10
10
10
10
注)
***、**、*はそれぞれ1、5、10%で有意であることを示す
すべての推計で、産業ダミー、年ダミーを付加している
説明変数についてはラグをとっている
産業間で残差の不均一分散を仮定したFGLSにより推計している。
カッコ内は標準誤差である。
24
10
10
10
10
表7-2 更新投資関数推計結果(1976-1989)
全産業
資本コスト
(1)
全資本
0.460
(.140)
***
(2)
全資本
0.718
(.075)
(3)
全資本
-0.965
(.090)
付加価値額
0.023
(.008)
-0.907
(.102)
***
キャッシュフロー
-1.074
(.096)
0.010
(.004)
0.055
(.003)
437
no. of obs.
0.046
(.003)
0.050
(.008)
437
no.of groups
23
23
(1)
全資本
-0.222
(.236)
(2)
全資本
-0.068
(.156)
ヴィンテージ
製造業
資本コスト
***
***
-1.275
(.106)
***
***
付加価値額
ヴィンテージ
no. of obs.
no.of groups
非製造業
資本コスト
-0.125
(.026)
0.120
(.008)
247
***
***
13
13
(1)
全資本
1.174
(.262)
(2)
全資本
1.204
(.162)
***
0.345
(.083)
キャッシュフロー
付加価値額
ヴィンテージ
no. of obs.
no.of groups
-0.005
(.004)
0.007
(.005)
190
10
***
-0.126
(.025)
0.120
(.008)
247
***
***
(4)
全資本
0.017
(.006)
0.065
(.002)
437
***
***
3.916
(.141)
-0.070
(.017)
0.131
(.004)
247
***
***
***
***
13
(4)
全資本
***
*
***
10
10
注)
***、**、*はそれぞれ1、5、10%で有意であることを示す
すべての推計で、産業ダミー、年ダミーを付加している
説明変数についてはラグをとっている
産業間で残差の不均一分散を仮定したFGLSにより推計している。
カッコ内は標準誤差である。
25
***
***
***
***
***
23
(5)
機械資本
-0.388
(.155)
(6)
機械資本
0.033
(.114)
(7)
機械資本
(8)
機械資本
-0.011
(.015)
-2.118
(.137)
0.036
(.009)
***
5.102
(.333)
-0.578
(.024)
0.058
(.012)
247
***
-0.512
(.050)
0.043
(.014)
247
**
***
***
***
4.880
(.348)
-0.542
(.025)
0.058
(.013)
247
***
***
***
***
-0.528
(.052)
0.050
(.015)
247
***
***
13
13
13
13
(5)
機械資本
-0.539
(.193)
(6)
機械資本
-1.266
(.159)
(7)
機械資本
(8)
機械資本
1.692
(.178)
-4.512
(.428)
-0.004
(.004)
-0.003
(.012)
190
-0.499
(.074)
0.007
(.003)
0.067
(.003)
437
23
***
-0.042
(.005)
0.074
(.008)
190
10
-0.111
(.017)
1.556
(.177)
***
***
***
***
-2.831
(.257)
0.005
(.003)
0.072
(.013)
190
10
***
***
***
-0.004
(.039)
***
***
***
***
0.018
(.005)
0.063
(.005)
437
-0.091
(.002)
23
***
***
***
23
-2.094
(.139)
***
***
0.005
(.003)
0.015
(.004)
190
-0.096
(.004)
-0.239
(.028)
-0.677
(.081)
0.007
(.005)
0.066
(.001)
437
(8)
機械資本
***
0.002
(.010)
(3)
全資本
***
(7)
機械資本
***
***
23
13
***
10
***
***
0.007
(.012)
0.284
(.057)
-4.378
(.423)
-0.010
(.002)
-0.015
(.012)
190
***
(3)
全資本
IT財価格
負債比率
0.045
(.003)
0.054
(.009)
437
-0.010
(.013)
-1.272
(.105)
3.869
(.142)
-0.063
(.018)
0.131
(.004)
247
-0.171
(.037)
-1.093
(.103)
0.011
(.004)
0.056
(.003)
437
***
(6)
機械資本
-1.053
(.044)
***
***
23
***
キャッシュフロー
0.041
(.006)
***
***
IT財価格
負債比率
(5)
機械資本
-1.046
(.060)
***
IT財価格
負債比率
(4)
全資本
***
***
10
***
-2.775
(.193)
0.010
(.005)
0.065
(.008)
190
***
***
***
-0.036
(.005)
0.077
(.008)
190
-0.156
(.019)
***
***
10
**
***
表7-3 更新投資関数推計結果(1990-2002)
全産業
資本コスト
(1)
全資本
1.256
(.221)
***
(2)
全資本
1.101
(.207)
(3)
全資本
-0.356
(.055)
稼働率
0.184
(.021)
-0.358
(.049)
***
キャッシュフロー
1.147
(.132)
0.127
(.005)
-0.002
(.003)
286
no. of obs.
0.122
(.006)
0.002
(.004)
286
no.of groups
22
22
(1)
全資本
1.812
(.093)
(2)
全資本
1.743
(.078)
ヴィンテージ
製造業
資本コスト
***
***
-1.747
(.111)
***
***
稼働率
no. of obs.
0.108
(.006)
0.040
(.009)
169
no.of groups
13
13
(1)
全資本
-0.498
(.198)
(2)
全資本
-0.653
(.321)
ヴィンテージ
非製造業
資本コスト
***
***
**
***
稼働率
ヴィンテージ
no. of obs.
no.of groups
-0.024
(.034)
-0.029
(.013)
117
9
**
9
***
***
***
***
***
***
(5)
機械資本
1.253
(.041)
(6)
機械資本
1.228
(.009)
(7)
機械資本
(8)
機械資本
0.241
(.012)
1.426
(.183)
0.112
(.005)
0.023
(.006)
169
***
0.253
(.008)
-0.799
(.041)
***
***
***
***
0.044
(.002)
0.104
(.002)
169
***
***
1.337
(.016)
0.040
(.001)
0.114
(.001)
169
***
***
0.037
(.003)
0.103
(.003)
169
0.826
(.090)
0.042
(.002)
0.108
(.002)
169
***
***
***
***
***
***
***
13
13
13
13
(4)
全資本
(5)
機械資本
-1.736
(.152)
(6)
機械資本
-1.659
(.171)
(7)
機械資本
(8)
機械資本
0.339
(.030)
***
-0.145
(.020)
-0.034
(.034)
***
9
9
***
***
0.005
(.012)
0.080
(.008)
117
9
注)
***、**、*はそれぞれ1、5、10%で有意であることを示す
すべての推計で、産業ダミー、年ダミーを付加している
説明変数についてはラグをとっている
産業間で残差の不均一分散を仮定したFGLSにより推計している。
カッコ内は標準誤差である。
26
***
0.182
(.118)
-0.008
(.011)
0.077
(.006)
117
9
***
***
***
-0.048
(.036)
1.398
(.249)
-0.024
(.028)
-0.042
(.011)
117
***
0.247
(.007)
13
***
***
**
***
-0.802
(.023)
***
***
***
***
(4)
全資本
***
*
0.070
(.002)
0.087
(.005)
286
0.484
(.058)
0.060
(.002)
0.086
(.003)
286
22
***
***
0.031
(.019)
-0.029
(.011)
117
***
***
22
**
*
0.069
(.002)
0.090
(.002)
286
***
0.082
(.004)
22
13
0.013
(.055)
1.066
(.224)
0.055
(.032)
-0.043
(.015)
117
***
***
22
***
(3)
全資本
***
0.076
(.003)
0.020
(.013)
0.568
(.057)
0.065
(.002)
0.091
(.004)
286
(8)
機械資本
22
***
0.101
(.006)
0.033
(.009)
169
(7)
機械資本
*
***
***
0.247
(.042)
0.007
(.065)
キャッシュフロー
***
(3)
全資本
IT財価格
負債比率
0.124
(.005)
-0.005
(.004)
286
0.252
(.016)
-0.174
(.112)
1.808
(.195)
0.101
(.006)
0.034
(.007)
169
0.028
(.015)
0.913
(.083)
0.118
(.004)
0.013
(.009)
286
***
(6)
機械資本
0.290
(.016)
***
***
22
***
キャッシュフロー
0.209
(.008)
***
***
IT財価格
負債比率
(5)
機械資本
0.154
(.056)
***
IT財価格
負債比率
(4)
全資本
***
0.005
(.013)
0.010
(.006)
117
9
***
***
-0.135
(.022)
***
0.357
(.103)
-0.016
(.012)
0.094
(.006)
117
***
9
***
図1 ヴィンテージの推移
10
9
8
7
年
全産業
製造業
非製造業
6
5
4
3
1970
1972
1974
1976
1978
1980
1982
1984
1986
1988
27
1990
1992
1994
1996
1998
2000
2002
図2 ヴィンテージの推移(機械資産)
7
6.5
6
5.5
年
5
全産業
製造業
非製造業
4.5
4
3.5
3
2.5
2
1970
1972
1974
1976
1978
1980
1982
1984
1986
1988
28
1990
1992
1994
1996
1998
2000
2002