「レポート・ レポート・論文の 論文の書き方」 ~引用の 引用の実際と 実際と注の付け方~ 広沢絵里子 (一部加筆修正) ○ 引用文献表記の方法には現在さまざまなタイプがありますが,「図書館活用法」ではそ の一例を学習します。「図書館活用法」期末レポート作成の際にも参照してください。 ① 著作物の 著作物の内容を 内容を「要約」 要約」して利用 して利用する 利用する (例) 日本における都市計画の歴史は,急速な近代化が進んだ明治期にさかのぼる。しかし, 首都東京の実質的大改造は,関東大震災後の帝都復興計画によって実現した。明治期か ら大正期にかけての都市計画の歴史を,越沢明の叙述に従ってまとめておきたい(注1)。 【以下,注1であげた著作に基づいて,「東京の都市計画」について調べたことを まとめる段落】 本文末尾に「注」をつける。そのとき,注1で参照した著作とそのページ数をあげる。 (例)注1.越沢明『東京の都市計画』岩波書店(岩波新書),1991 年,pp.1-18 を参照。 ② 著作物の 著作物の一部を 一部を,「字句どおり 字句どおり引用 どおり引用」 引用」する (a) 短い引用文:本文中に「 」を使って引用する。 (例)「研究ノート」と「論文」の区別に関して小笠原喜康は,「[…]私は,論文は先行研究を批 判的に乗り越えることによって作成されると考えている」(注1)と述べている。 (b) 長い引用文:前後1行の空白行を入れ,左右を2字ほど空ける(左側だけでもよい)。 (例) 単なる「研究ノート」と「論文」にはどのような違いがあるのだろうか。そもそも,「論文」 を決定的に特徴付ける要素は何なのか。この点について小笠原喜康は次のように述べて いる。 この先行研究批判がなくて,単に調べたこと・勉強したことを述べるとか,実験したこ との結果だけを述べるというものがよくある。しかしそれは,「研究ノート」ではあっても 「『論』文」とは言いがたい。「『論』文」は,そうした勉強なり実験の結果から先行研究を 読み直してみて,自分が「どういう理由でなにを主張するのか」が述べられなくてはな らない。(注2) 小笠原によれば,先行研究に関する知識や,先行研究に対する批判を踏まえた上で議論 を展開する文書が「論文」と呼ばれるのである。この点について,さらに他の論者の議論も 見てみよう・・・・(以下,地の文が続くイメージ。) 1 ③「注」の付け方 (a) 文末脚注(本文が終わったあとにまとめる) (b) 脚注(論文本文の各ページごとにまとめる) 本文中の(注1), (注2)等で引用した箇所の「出典」を示す。引用した箇所のペー ジ数を忘れずに。雑誌記事や雑誌論文の場合,全掲載ページ数を示した上で,引用ペ ージを示すこと。 (下の例で,注4.の文献参照。) 注 1 引用としての注 ① 小笠原喜康『大学生のためのレポート・論文術』講談社(講談社現代新書),2004 年, p.117。 ② 大串夏身『文科系学生のインターネット検索術』青弓社,2001 年,pp.25-26。 ③ 田所○○子「大学における良いレポートとは」 『雑誌 大学教育研究』15 号,2008 年 9 月,pp. 20-31。 2 説明としての注 ④ 出典表記の 出典表記の方法 1 和文 (1)単行本 森本三男『企業社会責任の経営学的研究』白桃書房,1994 年。 (2)雑誌論文 谷本寛治「CSR と企業価値」『組織科学』第 38 巻第 2 号(2004 年 12 月),pp.18-28。 枡谷義雄「CSR と企業パフォーマンス」(亀川雅人・高岡美佳編『CSR と企業経営』学文社,2007 年, pp.39-57)。 (3)インターネット上の情報源(URL) トップページのタイトル,情報テーマ,サイトの URL と情報入手日を明記する。 「日本総研 ホ ー ム ペ ー ジ http://www.jri.co.jp/ 」 , 「 CSR 経 営 動 向 調 査 / 2008 年 度 http://www.jri.co.jp/column/study/detail/2887/」(2010 年 4 月 28 日) 2 英文 (1)単行本 Fombrun, C. J., and C.B.M.Van Riel, FAME and FORTUNE: How Successful Companies Build Winning Reputations, Prentice Hall, 2004. (2)雑誌論文 McWilliams, A. and D. Siegel, Corporate social responsibility and financial performance: correlation or misspecification? Strategic Management Journal, Vol.21, No.5 (May 2000), pp.603-609. 2
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