Seminar report 1 4 月間約500万人にニュースを届ける չSmartNewsպ 。そのPR活用法を知ろう スマートニュース マーケティングディレクター 松岡洋平氏 ■プロフィール スマートニュース株式会社 ニュースでも PC を上回り、 「スマホでネット利用」が主流に マーケティングディレクター 松岡洋平氏 京都大学卒業後、アーサー・D・リトルに入社。ライフネット生命 保険の創業期から参画し、マーケティング部長を務める。米アパ レルブランド「ディッキーズ」日本法人の立ち上げに副社長とし スマートフォンが普及したことで、スマホを含むモバイル からのネット利用が PC からの利用を上回るようになってき て携わった後、スマートニュースに転職。ブランディングやマー ました。調 査 会 社 Nielsen によると、さまざまなジャンルで ケティングコミュニケーション戦略の立案・実行を担当する。 スマホが PC を上 回るようになったのは 2014 年ごろから。 「オ ー クション」、 「映 画 / ビ デ オ」、 「オンラ イン モ ー ル」、 月間アクティブユーザー数は 500 万人に迫り、ニュースの収集 「TV、ラジオ、ストリーミング」、 「ポータル、コミュニティ」と ツールとして欠かせない存在となりつつあるニュースアプリ いう順にモバイルが勝るようになり、 「総合ニュース」につい 「SmartNews」。SmartNews に掲載されるかどうかで記事の ては 2014 年 12 月に PC を超えました。そこからもモバイル 閲覧数が大きく変わるため、 「プレスリリース配信した情報が掲 のニュース利用者数は増え続け、2015 年 6 月時点ではモバ 載されているか」 「どんな媒体の記事が SmartNews に載って イルからの利用は PC と比べて 1.3 倍に。それくらい差が開 いるのか」 「今後、どういったサービス・機能を追加していくの き始めているのが現状です。 か」といった点が気になる PR 担当者も多いことでしょう。 そんな SmartNews のブランディングやマーケティング戦略 を統括する松岡洋平氏をゲスト講師として招き、PR TIMES 1 カ月に 10 回以上起動するアプリは わずか 9 個 では 2015 年 9 月 17 日にゲスト講演も兼ねた広報担当者交 流 会を開 催いたしました。SmartNews が 急 成 長を遂げて そしてネットを利用する環境が PC からモバイル、中でもス ニ ュ ー ス ア プ リ の 中 で も 有 数 の 評 価 を 受 け る 理 由、 マホにシフトしつつあることで、利用方法にも変化が生じてき SmartNews がニュースを収 集・評 価して掲 載 記 事を選ぶ ています。PC からネット利用するときはブラウザを使ってい 仕組み、そして PR 担当者のための SmartNews 活用術。セ ると思いますが、スマホからのネット利用時間のうち 79%が ミナーで語られたその 3 点について、ご紹介していきます。 ブラウザではなくアプリを使っています。 Seminar report 2 この 79%という数字は、ゲームやビデオなどの利用も含め の中で、SmartNews が占めるシェアは過半を占めるほどに た数字になりますが、ニュースについてもアプリを使って見ら なっています。 4 れるようになってきました。 それなら「自分たちでアプリを開発して提供すればいいの 40 ∼ 50 代男性の利用が多いところが特徴 ではないか」と考える企業があるかもしれませんが、日本では 今、数 十 万 件のアプリがあると言われている中で、ほとんど それだけ使われている SmartNews ですが、ユーザ ー 属 ユーザーに使われていないアプリが大半になっています。そ 性はどうなっているのでしょうか。 もそもダウンロードされないケースがほとんどですが、皆さん SmartNews ユーザ ーのうち、約 65%は男性。男性ユー にも、 「アプリをダウンロードしたけれど、いつの間にか使わ ザーを年代別に見ると、40 ∼ 50 代の利用が他アプリに比 なくなった」という経験もあるのではないでしょうか。 して多いところが特徴となっています。 「スポーツ」、 「エンタ メ」などのというチャンネルがよく見られています。 一方、女性ユーザーは 3 割ほどで、20 ∼ 30 代が 6 割以 上 を占めています。女 性 に人 気 なのは「グ ルメ」、 「コラム」。 同じニュースアプリでも、性別によって使い方に違いがあるこ とが分かります。 編集部は存在しない。すべて機械が自動処理 続いては、SmartNews の仕組みについて説明しましょう。 SmartNews は多数のメディアから記事を収集し、その中 から選び抜いた話題のニュース記事を掲載していますが、実 は、掲載記事を選ぶ編集部は存在しません。 それでは今、1 人のユーザーが使っているアプリの数はど その代わり、掲載記事はすべて機械が選んでいます。機械学 れくらいあるのでしょうか。こちらも Nielsen のデータですが、 習、自然言語処理と呼ばれるような技術を使って、たくさんの 1 カ月に 1 回でも立ち上げるアプリの数は 27 個、月 2 回以上 記事の中から掲載記事を自動的に選別・表示しているのです。 となると19 個、そして月 10 回以上となるとわずか 9 個。 SmartNews は今、世 界 150 カ国でサービスを展 開して では、実際に利用数が多いアプリとはどんなものなのでしょ おり、各国で掲載する記事を選ぶため、1 日 1000 万件ほど うか。アプリ分析ツールを提供する AppAnnie のデータ(プリ の記事を世界中から集めてきています。 インを除く月間アクティブユーザー:2015 年第 1 四半期)に 次に収集した記事について、言語等を解析し、記事が扱う よると、国によって多少違いはありますが、世界的に見るとコ 話題が「スポーツ」 「テクノロジー」 「エンタメ」 「グルメ」といっ ミュニケーションツールや検索、動画や地図など Facebook たどのカテゴリに該当するか、といったことを記事の中身を見 とGoogle が提供するアプリが大半を占めています。日本では ながら機械が自動的に判定していきます。 LINE が圧倒的に強い。そんな中で SmartNews は iPhone で また「芸能人の誰かが結婚しました」というニュースがある は 9 番目に入っています。 場合に、同じ話題ばかりにならないような調整も自動的にな されます。 ニュースアプリを利用時間シェアで見る 「話題になっていない」と評価されるようになったら自動的 に別の記事へと差し替えられるので、数分程度しか表示され 現 在の月間アクティブユーザ ー 数、つまり月に 1 回 以 上 ない記事もあれば、24 時間以上表示される記事もあります。 利用するユーザー数と、月間アクティブユーザー一人当たり PR 担当の皆さんには、単純に「SmartNews に載った」と喜 の平 均 利用時 間で見ると、ニュースアプリの利用時 間 全 体 ぶのではなく、どれだけ載ったかも気にするようにしてください。 Seminar report 3 こうした一連のプロセスを経て、SmartNews では日本で ディアや PR 活動の成果であるメディア掲載された記事など 1 日当たり1000 本の記事を配信しています。全員に表示さ を活用し、ユーザに魅力的なコンテンツを届けていくことがで れる標 準 チャンネルは 約 10 ですから、、チャンネル当たり きます。実際、スポンサードチャンネルという広告商品を利用 100 本ほどの記事が表示されていることになります。 しているエン・ジャパンさん(「キャリア」チャンネルをスポン サード)などはオウンドメディアの記事を日替わりでクリエイ ブランド認知向上・ファン育成に利用できる チャンネルプラス ティブに活用しています。 プレスリリースは量より質にこだわりを ニュースアプリとしての SmartNews には、このような記事 収集・選別・表示の仕組みがあるわけですが、もう1 つの特 SmartNews ではできるだけ多様な話題の記事を提供す 徴として「チャンネルプラス」の機能を紹介したいと思います。 るようにしています。配 信されたプレスリリースがそのまま SmartNews には「トップ」 「エンタメ」 「スポーツ」といっ SmartNews に掲載されることもありえますが、ユーザーが たチャンネルが既に存在していますが、それ以外にも新規に 興 味を持ってくれる内容でなければ、、すぐに掲 載されなく 「TOKYO FM+」 「阪 神」 「読 書」 「マンガ」といったメディア なってしまいます。 やブランド、カテゴリについて SmartNews 内にチャンネル ただプレスリリース配信するだけでなく、ターゲットやカテゴ を設置できる仕組みを用意していまして、現在、100 ほどの リに強いこれぞという記者・ライターにリリースにはない追加 チャンネルをユーザーに選んでもらえるようになっています。 素 材などを用 意し、記 事 化してもらうなどの対 応が 重 要に 各ブランドやメディアが提供している最新記事を、ユーザー なってくるのかもしれません。 がまとめてチェックできるわけです。 「このプレスリリース配信によって、これだけの数の媒体に取 この仕組みを使うことで、どんなメリットがあるのでしょうか。 り上げてもらえた」と量を意識することも大事ですが、オリジ 各ブランドやメディアには、そのブランドやメディアのことが ナリティや新規性、ターゲットや効用など、掲載される 1 本 1 大好きで、毎日サイト訪問してくれて、公式アカウントも必ず 本の質をより重視するようにしていただけると、より効果的な チェックしてくれるコアなファンがいる一方、何かきっかけが PR になるのではないでしょうか。 ないと行動に移してくれないライトなファンもいます。 そこで SmartNews ユーザーに「普段読むチャンネルを一通 りチェックしたけど、時間があるからこのチャンネルも見るか」 細やかな対応も可能な SmartNews の広告メニュー と何度か見てもらうことで、いつの間にか、チャンネル提供元 のブランドやメディアに対する親しみが増し、コアなファンに 最後に、SmartNews が取り扱っている広告の種類につい なってもらうことも可能だと考えています。 て、簡単に説明させていただきます。 SmartNews を PR 業務にどう役立てるか 最後に、PR 担当の皆さんに向けてSmartNews をPR 業務 でどう生かしていけばいいのか、私なりの考えをご紹介します。 これまでのメディアクリッピングと本質的には何ら変わり はないと思いますが、まず自社と競合会社の露出量を比べる 比較調査や提携先の候補探し、新しいメディアや書き手、こ れから来るキーワードの発見などがあげられると思います。 もう一つはマーケティングとして予算を持ち、ターゲットを想 定しながら広 告としてリーチしていくことです。オウンドメ 4 Seminar report 4 からある程度の見込み客を獲得できたら、先ほどのオーディ エンス拡 張の機 能を使い、似たような属 性の SmartNews ユーザーへリーチするといった広告展開も可能になるのでは ないでしょうか。 先進的なクライアントはそうした広告商品の使いこなしを 企図し、代理店とともにいちはやく機能を試し、着実に成果を つみあげているので、マーケティング部門などとも連携し、い ちはやく実践していくことをお勧めします。 もう 1 つ、2015 年 7 月から「スポンサードチャンネル」と いう広告もスタートしました。 「キャリア」 「トラベル」 「ビュー ティー」という 3 つのチャンネルで、それぞれエン・ジャパン SmartNews には、各チャンネルのトップに表示される動 さん、JAL さん、資生堂さんにスポンサーになっていただいて 画広告、チャンネル内で記事と同じレイアウトに掲載されるイ います。 ンフィード広告があります。インフィード広告には、入札価格 広告の内容としては、各チャンネルに提供元のスポンサー を設定できるオークションタイプと、インプレッション料金固 名が表示されるようになり、チャンネル内の固定の広告枠へ 定で必ず表示されるタイプの広告を用意しています。いずれ 独占的に広告配信できるようになるというものです。 も JIAA に準 拠した広 告 審 査 基 準に基づいて審 査しており、 契約は半年以上の長期間になり、チャンネル内で掲載する記 〈広告〉表記は必須になっています。 事の編成権も SmartNews が持つことになります。広告枠を また最近は SmartNews 上で、かなりターゲットを絞って 常時有していますので、もともとオウンドメディアを長く運営 広告配信できるようになってきました。 しているなど豊富なコンテンツを持っている企業に限られて 特 定 の キ ャリ ア ユ ー ザ ー に だ け 表 示 し た い、OS が くるとは思いますが、各チャンネルに興味を持つユーザーを Android のユーザーに絞りたい、朝の時間帯だけ掲載したい、 一緒になって集めていって、長期的にスポンサーのブランド 特定の地域のユーザにだけ見せたい――など、要望に応じて 認知を上げてエンゲージを高めていくお手伝いができればと 細かな配信条件を設定することにも対応しています。 考えています。 さらに、自社が保有するユーザー属性に似たユーザーを探 他 にも、SmartNews に記 事 配 信してくれている提 携メ して広告配信する機能も追加しています。 ディアの一部に向けて提供している広告もあります。 各メディアが広告主のためにタイアップ記事を制作する場 キーワードターゲティング、 スポンサードチャンネルなどの新広告が登場 合に、SmartNews のインフィード広告の枠に広告表記付き でタイアップ記事を掲載し、SmartNews からユーザーを誘 導するという仕組みです。 また、2015 年 9 月から、キーワードターゲティングの機能 こちらは比較的低予算からスタートでき、クリエイティブに も提供開始しました。 よってはクリック率が非常に高い事例も出てきています。興 これはどういう機 能かと言うと、例えば「セキュリティ」と 味のある方は、取引のあるメディアか、SmartNews にまず いったキーワードを設定しておくことで、該当するキーワード 相談いただければと思います。 が含まれた記事を読んだ人を広告配信のターゲットにできる というものです。 以上、駆け足になりましたが、なぜニュースアプリがこれだ もちろん幅広い層にリーチすることは難しいものの、特に け人気になってきていて、その中でもなぜ SmartNews なの BtoB 商材を扱っている企業などにとっては役立つ機能にな かという話、SmartNews の仕 組みの話、PR 担当の皆さん る可 能 性が高いと考えています。例えば「データベース」関 に向けた話を語らせていただきました。ご静聴、どうもありが 連の記事を読んだ人をターゲットにして広告配信して、そこ とうございました。 4
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