顧客価値経営の徹底

顧客価値経営の徹底
アセスメントの鍵はなにか
1.知識経営
コンセプトづくりにはじまり、イノベーションに至る道筋を「重視する考え方」とした。
これは、グローバル競争の背景にある知識経営、持続的優位の崩壊によるケイ
パビリティ競争を考慮したためである。知識経営を目指し、自社のケイパビリティを
構築、強化、創造することがアセスメントの目的である。
無形資産
無形資産:格付け、証券、債権等
知的資産
知的財産
知的資産:人的資産、組織力、経営理念、顧
客とのネットワーク、技能など
知的財産:ブランド、営業秘密(ノウハウ等
の技術情報、顧客情報等)
知的財産権:特許権、実用新案権、著作権等
有形資産
1.「ヤングレポート(1985)」、「メイド・イン・アメリカ(1989)」、「知識創造経営
(野中郁次郎、1991)」、「パルミサーノ・レポート(2004)」
2.米国トップ500社の資産で80%が無形資産。知的財産の上位カテゴリー
に知的資産がある。クリントン政権以降、米国は知識経営の確立に成功
2.知識労働の本質
先進国における中心的な課題は、もはや単なる肉体労働の生産性の向上
ではない。こらからの中心的な課題は、知識労働の生産性の向上である。
すでに先進国では、知識労働者が労働力人口の中核を占めている。おそら
くアメリカでは、全労働力の五分の二に達する。他の先進国も急速に増大し
つつある。
(1)仕事の目的を考える。仕事はプログラム化されていない。(肉体労働で
は仕事の方法)
(2)働く者自身が生産性向上の責任を負う。自らをマネジメントする。自律性
をもつ。(肉体労働では上司)
(3)継続してイノベーションを行う。(肉体労働ではルーティン)
(4)自ら継続して学ぶ。(肉体労働はベテランに教わる)
(5)知識労働の生産性は、量よりも質の問題でありことを理解する。(肉体
労働では数)
(6)知識労働者は、組織のとってのコストではなく、資本財である。
ドラッカー『明日を支配するもの』1999
3.知識の変化
社会の重心が知識へ移行していった三つの段階、すなわち産業革命、生
産性革命、マネジメント革命の根底にあったものは、知識の意味の根本的な
変化だった。
われわれは、一般的な知識から専門的な知識へと移行した。
伝統的な意味での知識は、一般的知識だった。これに対し、今日知識とさ
れているものは、必然的に高度に専門化された知識である。
われわれが、真に必要とするものは、多様な専門知識を理解する能力で
ある。
専門知識はそれぞれ、何についてのものか、何をしようとするものか、中心
的な関心事は何か、中心的な理論は何か、どのような新しい洞察を与えてく
れるか、それについて知られていないことは何か、問題や課題は何か、を知
らなければならない。
今日、重要な新しい洞察は、全く別の専門分野、別の専門知識から生まれ
るようになっている。経済学や気象学は、カオス理論という新しい数学に、地
質学は物性物理学に、考古学は遺伝学に、歴史学は、心理学、統計学に
よって変わろうとしている。
ドラッカー『ポスト資本主義社会』1993
4.アセスメントによるイノベーション・サイクル
環境・土台づくり
②変革
成
果
・実 ⑨イノベーション
績
⑧ブランド
③価値前提
④プロセス
①コンセプト
⑤創発
⑦戦略思考
⑥対話
実体化・デザイン・プラクティス
モ
デ
ル
化
・構
造
化
5.コンセプト
An Idea or a principle that in connected with something abstract.
(抽象的ななにかと結びつけられた着想や原理原則、オクスフォー
ド英々辞典)
平均・平凡・業界常識には、ニュー・コンビネーション(新しい組み
合わせ)、アソシエーション(つながり、連想)、コネクト(結びつけ)
がない。
-ヤマト運輸:宅急便(自宅に翌日届く、路線+区域)
-アート引越センター:(荷物の移動→生活の移動)
-良品計画:わけあって、安い(「でよい」の価値観)
-ホギ・メディカル:手術室の効率化(手術用具のセット化)
-ディズニー・リゾート:ファミリー・エンターテイメント(一緒の価値)
-旭山動物園:行動展示(動物+最高の環境)
-スターバックス:第3の場(もうひとつの場の価値)
6.時代の変遷
・生産志向、商品中心の時代:「我々は鉄道会社である、映画産業
である」
・販売志向、売り込みの時代:アプローチからクロージング
AIDMA
・マーケティングの時代:コンセプト(考え方)を生み出すブランド・
マネジャー、プロダクト・マネジャー、マーチャンダイザー。
AMTUL
・戦略的マーケティングの時代:差別化から独自化へ、そしてUS
へ(USP=①提案がある ②他社がしない、できない ③広い興
味や深い関心を集める)
7.変革(チェンジ)と価値前提
マネジメント
リーダーシップ
管理能力
変革能力
問題に対応する
変化に対応する
1.計画立案(事実前提)
1.変革ビジョンをつくる(価値前提)
2.組織人材配置(部分最適)
2.変革ビジョンの共有(全体最適)
3.コントロール(規則基準)
3.方向づけ(原則基準)
4.問題解決(手順思考)
4.動機づけ(発想、着眼思考)
8.プロセス(やり方の違い)
(1)起きた犯罪を捜査する→犯罪を無くす(軽犯罪、非行を取り
締まる)(ウィリアム・ブラットン元NY市警本部長)
(2)掃除や洗濯のための製品をつくる→土曜の朝を取り戻すに
はと考える、「役に立つ」から「生活の高度化」(元P&G、CEOラ
フレー)
(3)ミルクシェイクは子どもの食べ物→クルマで通勤する大人の
男性が運転しながら、ヒマつぶし兼軽食)(クリステンセン)
(4)ハブ&スコープを採用、空飛ぶ倉庫(フェデックス)
(5)ハブ&スコープを回避、バスとたたかう(SWA)
(6)宅配便ドライバーに密着したサントリー(ダカラ)
(7)南京虫に食われながらのニーズ共感(ユニ・チャーム)
(8)自宅と外出(バーベキュー)で「味が違う」ことを発見(キリン・
フリー)
(9)メニュー1種、容器回収の意味(玉子屋)
(10)ローカル・ブランド、ナショナル・マーケット(久保田)
9.創発(場をつくる)
計画型
創発型
1.世界認識
ばらばらに事物が存在する
混み合った場所
無数の相互関係が生じる複雑
な場所
2.マネジメント目的
個々の実体(Entity)を管理
する
関係性や相互作用を誘導する
3.基本原則
個別の状況ごとにマニュアル 全体的な視野を備え、相互作
的な問題解決
用が起こるように促す
4.管理・指導
成果のために行動を管理す
る
行動ではなく、ものの見方を導
く
5.物語
命令を下し、必要な作業をこ
なさせる
意味のある文脈を伝え、共鳴
を導く
6.言葉
言葉は一般的、抽象的に用
いられる
言葉は文脈、状況をわかりや
すく表現するもの
10.対話
1.個人のコミュニケーション能力をどのように高めるか
・自己概念:場をつくる役割、リードする責任、盛り上げるセンス
・傾聴:整理しない人の長話、つまらない冗舌、くだらないお追従、アホの無反応
・感情の取り扱い:不快・怒りを我慢できないガキ、態度の悪い劣等生
・明確な表現:とりとめない話し、副詞(修飾語、節)過多、回転弁証法、トートロジー
・自己開示:開示は場づくりのマナー、うちとけないなら邪魔
2.メンバーが集団決定の病理を熟知し、それを協力して回避する
・社会的手抜き:自分で考えない、独自の意見を言えない、迎合、ステレオタイプ
・同調圧力:安易かつ無意味に同意、賛成を求める。これが手抜きを招く。
・過剰そんたく:ご機嫌取りで、お追従する。そうした行為が周りにどう影響するか考えな
い。(アルビーノ現象)
・リスキーシフト:精神論、根性論の類。埋没原価の状況に対して「今さら降りれない」
3.ミーティングによりアプローチを変える
(1)スタッフ・ミーティング:重要性・緊急性、形式化・無意識化の回避
(2)問題解決ミーティング:理解の確認、ソリューションの数
(3)ブレーン・ストーミング:アイデア準備、状況別アイデア
(4)プランニング・ミーティング:全員の事前準備、ホームランのイメージ
(5)コラボレーション・ミーティング:提案のインターラクション、トピックやゴール
11.場づくりの工夫
○感じる場所に共同で行き、体験を共有する。そして、その感じ、インパクトの状況とそ
の要因を話し合う。
○What’s New ミーティング:ミーティングの冒頭で、具体的に興味を引くモノやコト、
情報や知識を題材にフリーなミーティングを行い、”場“を盛り上げる。
○Hot Vortex(熱い議論の渦を起こす):あるテーマについて、複数の違いのある意見
を交換し、次第に雰囲気と内容を高めていく。リーダーが意識的に仕掛ける。
○短期集中情報インプット:1日で数冊の本を速読する。テキスト類と自分との融合状態
をつくりだす。
○異分野直接交流:テーマとはかけ離れた分野で活躍している人に、直接2時間以上
のディスカッションを行う。
アイデアは自分の頭からひねり出すものではない。“場”から与えられるものである。ま
た、アイデアは無理やり出すものではない。“場”づくりができれば、瞬間的に膨大なアイ
デアやヒントがメンバーの心の中に湧き出してくる。雨のように降ってくるという表現をす
る人もいる。したがって、アイデア創出のために最も時間と労力をかけるべきなのは、
“場”づくりなのである。
また“場”が楽しいものになっていなければ、アイデアの質も量も限りなく低下する。楽
しくない状況があるならば、その状況の改善をする必要がある。
12.コンセプト・メーキング・プロセス
プロセスは①“場”づくり→②コンセプトづくり→③実体化表現となる。フェーズであらわ
すと、①観る(読む、聴く、体験するなど知を収集する)→②創る(描く、表現する、書く、
話す)→③実体化する(事業、製品、サービス、作品、カタチや状況など)となり、それぞ
れ①と①、②と②、③と③が対応する。
プロセスに必要なのは、活動性(activity)、独創性(originality)、現実性(rerality)で
あり、メンバーがこれを強く意識しないと、“場”は壊れてしまう。
進め方にはOCM(ordinary concept making)、RCM(reverse concept maki
ng)、ACM(applied consept making)の3つがある。
・OCM:①場づくり→②コンセプトづくり→③実体化
・RCM:③実体化→②コンセプトづくり→①場づくり
・ACM:②コンセプトづくり→①場づくり→②コンセプトづくり→③実体化
RCMは優れた実体が先行してできあがり、そのコンセプトを後から説明していく場合
のコンセプト・メーキングである。実体の諸事象や関連要素、キーワードを丁寧に抽象度
を上げながら逆行していく。また、未完、未熟な実体の弱点や懸念を解明する場合にも
用いられる。
ACMは、組み込みたい技術が先行している場合などに用いられる。そうしたシーズを
効果的に位置づけて、よいコンセプトと優れた実体を生み出したい場合に適している。
また、場づくりの仕方、重要性の認識が不足している場合に、まず②をいきなりやっても
無理なことを体験して、改めて場づくりしなおすという場合にも用いることができる。
13.戦略思考
1.戦略スタイルの違い
(1)伝統型:予測できるが、影響は与えられない。競争地位型の戦略手法が使える。
=石油・ガス、リテール金融、自動車、製紙(35%)
(2)適応型:環境予測できず、受け身。変化速度が速いので、俊敏な対応自体を組織能
力とする。=コンピュータ周辺機器、通信機器、ファッション小売など。(16%)
(3)形成型:参入障壁低く、イノベーション発生の可能性高い。市場地位がめまぐるしく変
わる。業界を静態的に分析する意味がない。自社に有利な環境形成に専念する。=航
空、IT、ソフト・サービス等。(9%)
(4)先見型:将来を創り出す能力、予見力がある。起業家戦略や新たなビジョンを示して
いくビジョン・リーダーシップ(エジソン、フォード、ラタン・タタ)を発揮する。=メディア、医
療サービス、食品製造、食品・必需品小売等(40%)
2.持続的優位性の消滅とケイパビリティ
(1)オペレーショナル・ケイパビリティ:技・生・販・サそれぞれの現場力、QCDカイゼン力
「匠」「職人芸」増幅力などの組織能力
(2)マーケティング・ケイパビリティ:市場分析、市場洞察、コンセプト発想、ブランド管理、
顧客関係管理など、独特のマーケティングを磨き続ける組織能力。
(3)イノベーション・ケイパビリティ:製品、プロセス、インタラクションなど様々な領域におけ
るイノベーションをくり返す組織能力
(4)ダイナミック・ケイパビリティ:M&AやPMIなどを含む組織全体の大胆な変革能力
14.環境により異なる戦略スタイル
低
環
境
の
予
測
可
能
性
②アダプティブ(適応
型)戦略
③シェーピング(形成
型)戦略
①クラシカル(伝統型)
戦略
④ビジョナリー(先見
型)戦略
高
低 企業行動の環境影響力
高
15.伝統型(予測できるが、改変できない)
中
・レジャー設備・製品
・総合金融サービス
・石油・ガス・消耗燃料
・独立系発電・エネルギー商取引
予
測
可
能
性
・自動車
・ITサービス
・消費者金融
・水道
・卸売り・販売代理
・製紙林産品
・貯蓄金融と住宅ローン
総合通信サービス・
・たばこ
・産業コングロマリット
・複合
公益
サービス
・航空輸送・物流
高
・家庭用品
低
改変可能性
・飲料
・製薬
中
16.適応型(予測できず、改変も不可能)
低
・輸送インフラ
・半導体・同
製造装置
・バイオテクノロジー
予
測
可
能
性
・事務用電子部品
・建設関連製品
・コンピュータ周辺機器
・通信機器
・資本
市場
・建材
・電子装置
・特殊小売
・繊維・衣料・ラグジュアリー
・陸上輸送
中
・各種小売
低
改変可能性
中
17.形成型(予測できないが、改変は可能)
低
・インターネット・
カタログ通販
・不動産管理・開発
・航空
予
測
可
能
性
・電子機器・
器具・部品
・金属・鉱業
・家庭用耐久財
・貿易・流通
・海洋
・建設土木
・医療技術
・インターネットソフトウェア
およびサービス
・エネルギー装置・保守
・各種消費者サービス
・自動車部品
・生命科学研究装置・保守
・機械
・ワイヤレス通信サービス
・不動産投信
・パーソナル・
ケア製品
・各種専門サービス
中
・各種小売
中
・ホテル・飲食・レジャー
改変可能性
高
18.先見型(予測でき、改変できる)
中
・ソフトウエア
・化学品
・容器包装
・医療機関・医療サービス
・業務用サービス・用品
予
測
可
能
性
・マスコミ
・航空・防衛
・保険
・ガス
・食品・必需品小売り
・食品
・電力
高
中
改変可能性
高
19.ケイパビリティ
ものづくり
組織能力
他社が簡単に
真似できない
現場のレベル
裏の競争力
顧客から見え
ない現場の実
力
表の競争力
収益力
顧客が評価す
る製品の実力
利益
株価
5S、改善、問
題解決、JIT、
フレキシブル
生産
製造品質、生
産性、コスト、
リードタイム
能力構築競争
意味的価値、
全体統合、ブラ
ンド、広告効果、
CS
ニューケイパビリティ
20.二つのケイパビリティ
成熟ケイパビリティ
・コスト管理力
・品質管理力
・納期管理力
・方針管理力
…
ニュー・ケイパビリティ
・論理、ストーリー構築力
・組織的学習力
・ニーズ把握・洞察力
・迅速な対応力
・情報加工能力
・社外資源の活用力
・創造力
…
21.ブランド・マネジメント
1.AMTUL
(1)Awareness 再認知名率(ブランド名を知っている)
(2)Memory 再生知名率(ブランドを思い出す)
(3)Trial Use 試用経験率(ブランドを買ったことがある)
(4)Use 使用経験率(ブランドを時々買う・使う)
(5)Loyal Use 愛用固定率(そのブランドしか買わない)
2.ブランド連想
(1)インテンション:WANT、SUIT、SUITABLE、WISH
(2)情報構造:テクニカル情報、一般的意味、専門的意味
3.価値
(1)機能的価値
(2)情緒的価値
(3)意味的価値
22.ブランドの課題はなにか
A
M
T
U
L
U/A
M/A
T/M
U/T
L/U
X
97.3 86.1 85.9 65.2
62.5
67.0
88.7
99.6
75.9
90.8
Y
82.8 44.4 43.5 23.1
21.1
27.9
53.6
97.8
53.0
91.5
Z
33.0
5.6
7.8
0.6
2.4
17.0 139.0
1.0
75.0
A
M
T
0.8
U
L
U/A M/A T/M U/T L/U
A
99.8 90.3 78.2 60.0 49.7 60.1 90.5 86.5 76.7 82.8
B
98.4 85.7 65.8 25.7 20.3 26.1 87.2 76.9 39.1 78.8
C
95.3 76.6 58.7 11.2
8.1 11.8 80.5 76.5 19.1 73.2
D
87.4 53.4 39.8
4.9
6.3
6.9 61.3 74.5 15.8 77.6
23.イノベーション
新
物
語
コ
ン
テ
ク
ス
ト
固
定
・平
受
容
可
能
性
の
増
大
コンテクスト思考
イノベーション思考
従来とは異なった
コンテクストの成立
可能性を検討共有し
洞察を深める
実現可能性と
受容可能性の
向上・増大が
組織の基本テーマ
平凡な組織
多様性増大
慣習や常識、固定
観念、メンタルモデル
で単純、画一的に
なってしまっている
固定した常識
とは異なった
様々な見方・価値観
知識を認め合う
凡
実現可能性の増大
一様性
価値観・思考
多様性
24.コンテクスト形成のレベル-1
価値の源泉
価値探索のための質問・疑問
1.予期せざるもの
1.予期していなかったのに、売れたものはないか?
2.予想に反して売れなかったものはないか?
3.その他、どんな予期せぬ出来事があるか?
2.ギャップ
1.その低生産性に打つ手はないか?
2.それは本質価値とは違うのではないか?
3.識者の見通しは本当か?
4.ボトルネック、クリティカルパスはどこか?
3.ニーズ
1.どのプロセスの課題、価値は?
2.労働力(人口変動)ニーズは?
3.どんな知識が欠落しているのか?
25.コンテクスト形成レベル-1、事例
価値の源泉
例えば
1.予期せざるもの
メーシーvsブルーミングデール、ヌーコアvsUSX、科
学技術業vs会計事務業(IBM)、「最初の家」コンセプ
ト、フォードT型、ホンダvsハーレー、CVSvs〒
2.ギャップ
コナー(白内障手術の酵素保存)、スコット(スプレッダ
―)、路線+区域、運航スピードvsロジスティックス、
業種vs業態、ハンバーガーvsSQC、遊園地vsファミ
リー・エンターテイメント、飲料vs衝動
3.ニーズ
空飛ぶ倉庫、納得工房、メディカルプラネックス、住友
3M(カスタマーテクニカルセンター)、AT&T(電話交
換機)、エジソン、ルース(タイム)
26.コンテスト形成レベル-2
価値の源泉
価値探索のための質問・疑問
4.産業構造
1.イノベーションのジレンマの兆候はどうか?
2.市場認識が不適合になりつつあるのでは?
3.産業内で最も傲慢になっているのは?
5.人口構造
1.定量は予測できるが、定性はどう考えているか?
2.年齢構成の変化は社会をどう変えるのか?
6.認識変化
1.社会価値観の変化をどう吸収、解読しているか?
2.健康意識はこれからどうなるか?
3.社会階層による生活習慣の違いはどうなるか?
27.コンテクスト形成レベル-2、事例
価値の源泉
例えば
4.産業構造
プロダクト・ライフサイクルのステージ毎の質的変化
(自動車)、急成長時=市場認識・対応が不適切、成
熟時=根本的に性質が変わる、長距離通話割引、破
壊的イノベーションの可能性
5.人口構造
ショッパ「最後の社会主義国~日本の苦闘」、優秀女
性を確保できたシティバンク、知識労働者の増大、人
口重心移動による「空気変化」
6.認識変化
ヤング・レポート(1985)、メイド・イン・アメリカ(89)、
野中「知識創造経営」(90)・・・知識労働のアイデン
ティティと組織のケイパビリティの関連づけ、資源基準
戦略とケイパビリティの一致
28.マーケティングの論理
製品
コンセプト、ポジショニング、製品の多様性、品質、
デザイン、特徴、ブランド名、パッケージ、サイズ、
サービス、保証、返品、USP、STP、ドメイン、PLC
価格
ペネトレーション、スキミング、マーケットマイナス、
コストプラス、標準価格、値引き、アローアンス、支
払期限、信用取引条件、損益分岐点、付加価値分
析、直接原価計算
プロモーショ 販売促進、広告、セールス・フォース、プッシュ、プ
ン
ル、PR、インターネット、ダイレクト・マーケティング、
リーチ、フリクエンシー、GRP、AIDMA、AMTUL、
AISAS
流通チャネ
ル
流通範囲、品揃え、立地、在庫、業種業態、物流、
ロジスティックス、バリューチェーン、SCM
29.コンセプト・マップ
新製品
若返り商品
硬派商品
導入期商品
軟派商品
成長期商品
パッケージ商品 成熟期商品
サービス
産業用商品
衰退期商品
プレスティージ商品
成人商品
ステイタス商品
不安商品
快楽商品
機能商品
テレビ広告向商品
新聞広告向商品
雑誌広告向商品
ダイレクトメール向商品
インターネット広告向商品
商品イメージ型商品
広告中心型商品
先発商品
後発商品
ブランド・イメージ型商品 流通網中心型商品
独占商品
寡占商品
企業イメージ型商品
セールスマン中心型商品 多占商品
大広告費商品
小広告費商品
即席商品
舶来商品
個性商品
姉妹商品
システム商品
必需商品
デザイン
パッケージ
ネーミング
価格
サービス
アイデア
コンビニエンス商品
ショッピング商品
スペシャルティ商品
30.リサーチ
1.定量調査:
20~30代
30~50代
50以上
再認知名
再生知名
試用
使用
愛用
2.定性調査:
(1)グループ・インタビュー:5~6名で、井戸端会議的なインターラクション状況を誘導
する。(広告連想、購買や使用習慣など)
(2)デプス・インタビュー:1対1で潜在意識、深層心理的な意味を探る。(心理的な意味
の希薄な商品のヒントなどを探る)
(3)使用テスト:一定期間の使用体験を経てから、印象を探る。
(4)観察調査:購買や使用場面を観察することを通じて、些細なギャップを探る。
(5)コンセプト・テスト:仮コンセプトの共感性、理解度を探る。
(6)味覚テスト:商品をブラインド化し、純粋に味、香り、風味の評価を探る。
(7)エスノグラフィー:経験を共有することを通じて、TPOSなどを全体的に把握する。
31.B2BマーケティングのSAVE
Product
からSolutionへ
製品の特徴、機能または技術的卓越性を強調するので
はなく、これらの製品が満たす顧客のニーズを、明確
に示す。
Place
からAccessへ
個別の購入地点と流通チャネルを重視するのではなく、
顧客の全体的な購入過程を考慮した、複数の流通チャ
ネルにまたがる統合的なプレゼンスを確立する。
Price
からValueへ
生産コスト、利益率または競合製品の価格を比較の
ベースにした価格ではなく、価格と比較した場合のメ
リットを強調する。
Promotion
広告、PRおよび販売現場を支える対面販売に依存す
からEducationへ るのではなく、購入サイクルの各ポイントにおける顧
客の特定にニーズに応える情報を提供する。
32.4つの戦略タイプ
低い顧客適応
高い顧客適応
高い技術的能力
2.製品開発戦略
3.顧客開発戦略
低い技術的能力
1.低価格戦略
4.顧客調整戦略
1.低価格戦略…規模の経済性による低コスト、品種の絞込み、トップダウンの選択集
中、経験効果(学習スピード)
2.製品開発戦略…製品~システムの差別化、リスク(顧客の採用リスク)と開発期間、
技術信頼性、包括的な市場セグメントでのトップ・シェア、調達先から見た大口ユーザ
ー化(早期提案先)
3.顧客開発戦略…革新的技術によるカスタマイズ、広範なセグメントでの高シェア(矛
盾関係の克服)、多数顧客との信頼関係構築(多大なコスト)→大規模顧客への絞込
み、新製品開発と併行したプロセス革新(標準化モジュールの組合せによる多様ニー
ズ対応、標準化部分の見込み生産、生産ラインの自動化などフレキシブル生産体制)
4.顧客調整戦略…顧客との戦略的パートナーシップ(顧客の個別問題への対応)、付
加的な機能やサービスの需要は限定的、参入障壁が低く持続的優位の確保は困難
33.顧客・市場理解のレベル差
1.営業担当者は日々、顧客を訪問し商談を行っており、そこで顧
客ニーズを把握しています。顧客ニーズは基本的にQCDであり、
営業担当者はそれを実現するために、努力を重ねています。
2.当社の顧客は中高生、若者などの消費者であり、ヒット商品を
出すことが顧客価値につながります。顧客の声を聞くことよりも、
ヒット商品を出すためのアイデア開発が重要だと考えています。
3.POSに代表される情報システムでリアルタイムな売れ筋、死に
筋把握を行い、それを翌週のMDに反映させています。その他の
エリアの出来事などは、商圏観察、関係者ヒヤリングを行い把握
しています。
4.ブランド・エクイティを最も重要な要件と考えています。ブランド
の管理項目は、①認知~愛用のAMTUL、②連想、③知覚品質
です。
34.顧客価値提供のレベル差
1.各部門がそれぞれ戦略課題を理解し、互いに連携をとりながら、
顧客価値の提供を行っています。
2.前線の店長を中心に、第一線スタッフが一丸となって、サービ
ス提供を行っています。
3.商品販売業ではなく、「便利さ提供業」を目指しています。顧客
にとってどういう状態だと不便なのか、接客上の不手際、欠品に
ついて日々振り返ります。
4.企画開発担当者はキー・コンセプトに基づいて製品アイデアを
プレゼンテーションします。それに対して、社の幹部とは別に外
部の専門家によるアドバイザリ・ボードが評価とコメントをします。