文献情報 (引用文献 (引用文献) 引用文献) の読み方 - 雑誌論文および図書 - KSC 図書メディア館 ●図書や論文に引用、参照、注記されている文献をたどるためには、文献記載法を理解しておかなけ ればなりません。また、文献情報は雑誌論文だけでなく、図書や研究機関報告、講演予稿集、学位論 文、政府刊行物、技術レポートなどにも掲載されています。 ●文献記載法は種々あり、また記述方法もそれぞれ異なります。 以下に代表的なものとして洋書の"MLA(Modern Language Association)"と"APA(American Psychological Association)"が定めた記載法と自然科学系でよく使われる記載法の例を紹介します。主 にMLAは文学・言語学などの人文科学系分野で、APAは心理学だけでなく、政治学や社会学など の社会科学系分野で採用されています。自然科学系の記載法も年代により多少変化しています。 ◇ 学術雑誌に掲載されている 学術雑誌に掲載されている論文 に掲載されている論文の記載法 論文の記載法 ◇ <和雑誌の場合> 必須事項: 1著者名、 2論文名、 3掲載雑誌名、 4掲載巻号、 5刊行年(月) 、 6掲載ページ 1 2 3 4 5 今井一郎 「スワンプ漁撈民の活動様式」 『アフリカ研究』 (日本アフリカ学会) 29, 1986, pp1-28. 6 1 2 樫本修、小川泰治、川越総一郎 「身体障害者療護施設におけるリハビリテーション」 『総合リハビリテーション』 32(11), 2004,11, 1043-1048. 3 4 5 6 *論文名は「 」または “ “ 内に、掲載雑誌名は『 』内に示します。雑誌の場合、通常は出版地 と出版社は省略されますが、類似の雑誌名が多い時には( )に入れて記述されることもあります。 また、掲載巻号を 47(5) (47 巻 5 号)と記述したり、掲載ページを pp.1-17、p1-17、または単に 1-17 と記載する場合もあります。 <洋雑誌の場合> 必須事項: 1著者名、 2論文名、 3掲載雑誌名、 4掲載巻号、 5刊行年(月) 、 6掲載ページ 1 2 Elbow, Peter. “Ranking, Evaluating, and Liking: Sorting Out Three Forms of Judgment” College English 55 (1993): 187-206. (MLA の場合) 3 4 5 6 1 5 2 Elbow, P. (1993). Ranking, evaluating, and liking: Sorting out three forms of judgment. College English, 55, 187-206. (APA の場合) 3 4 6 *論文名は副題まで省略せずに記載し、APA では最初だけ大文字で" "に入れません。雑誌名(APA では巻号まで)はイタリック体かアンダーラインを引きます。必ず論文名、雑誌名の順になりま す。 *自然科学系 自然科学系では、次のように雑誌略名となっている場合や、著者名のみで論文名が記述されてい 自然科学系 ない場合、開始ページのみ記述されている場合が多いので注意が必要です。 1 3 4 6 5 S.Suzuki, J.Nakamura, and T. Yoshida, Bull. Chem. Soc. Jpn, 54, 3800 (1976) 1 3 5 6 T. Robert, Tetrahedron Lett., 1980, 2675. や”Tetrahedron なお、 上記の”Bull. Chem. Soc. Jpn”(Bulletin of the Chemical Society of Japan) Lett.” (Tetrahedron letters)などの略誌名の調査は各種の参考書がありますが、OPAC や Webcat などの前方一致検索 (“Bull* Chem* Soc* Japan” および ” Tetra* lett*”) により調べる こともできます。 自然科学系学術雑誌掲載文献に関連して、次のような形式の文献があります。 ●特許文献: 発明者(特許権者)特許名 特許番号(年号) :化学であれば Chem. Abstr.の巻号 抄録番号 (年号)などの順で記述されています。 A. B. Cook, U. S. Patent 3456345 (1976) : Chem. Abstr., 73, 34567q (1977) ●学位論文:著者名 学位 授与者 所在地 国名 年号の順です。 F. G. Hoffman, Ph. D. Thesis, University of London, London, UK, 1980. ●政府刊行物:刊行物名 著者名 発行者名 所在地 年号の順です。 “Selected Values of Chemical Thermodynamic Properties ”, National Bureau of Standards Circular 500, U. S. Government Printing Office, Washington, D.C. 1980. ● 講演予稿集:著者名 講演会名 開催地 講演年月日の順です。 F. Freeman, 170th National Meeting of the American Chemical Society, Chicago, IL, Aug.26, 1975. <図書に <図書に複数の論文が収録されている 複数の論文が収録されている場合 収録されている場合> 場合> 必須事項: 1著者名、 2論文名、 3編者名、 4掲載図書名(版表示やシリーズ名も 記載) 、 5出版地、 6出版者、 7出版年、 8掲載ページ *オンライン目録やデータベースで調べるときには個々の論文名ではなく、必ずその論文が収録さ れている図書名で検索してください。 1 2 3 木本幸子 「電子ジャーナルとドキュメントデリバリーサービス」日本私立大学協会大学図書館研修委 員会編 『大学図書館の理論と実践(Ⅱ) 』 東京, 雄松堂出版, 2005. p247-260 4 5 6 7 8 *一般に「 」か “ “ 内が論文名か章名で、 『 』内はその論文が含まれている図書名です。掲載ペー ジは省略されることがあります。 1 3 4 6 E. R. Davidson, in R. Daudel, B. Pullman (Ed.s.), The world of quantum chemistry, Reidel, Dordrecht, 1974. (自然科学系で掲載ページが示されていない例) 5 7 1 2 4 Silko, Leslie Marmon. "The Man to Send Rain Clouds. " Imagining America: Stories from the Promised Land. Ed. Wesley Brown and Amy Ling. New York: Persea, 1991. 191-95. 3 5 6 7 8 (MLA の場合) 1 7 2 3 4 Silko, L. M. (1991). The man to send rain clouds. In W. Brown and A. Ling (Eds.), Imagining America: Stories from the promised land (pp. 191-195). New York: Persea. 8 5 6 (APA の場合) * MLA では論文名は ” “ でくくり名詞は大文字ですが、APA では ” “ は入れず、最初だけ大文字 です。出版年だけでなく、編者名(著者とは異なり、姓は先に来ない)や掲載ページの位置や記 述方法も異なります。APA では掲載図書情報の前に In が入ります。 ◇ 図書の記載法 図書の記載法 ◇ 必須事項: 1著者名(編者名、訳者名、著作者としての団体名) 、 2書名( ― (ハイフン) か :(コロン) に続けて副題) 、 3版表示やシリーズ・文庫名、 4出版地(日本 国内なら省略されることが多い) 、 5出版者、 6出版年 <和図書の <和図書の場合> 場合> 1 2 3 4 5 6 櫻井雅夫 『レポート・論文の書き方 上級編』 改訂版 東京, 慶應義塾大学出版会, 2003. 1 2 3 4 5 6 進藤久美子 『ジェンダーで読む日本政治―歴史と政策』 有斐閣選書 東京, 有斐閣, 2004. <洋図書の場合 <洋図書の場合> の場合> 1 2 3 4 5 Gibaldi, Joseph. MLA Handbook for Writers of Research Papers. 6th ed. New York: The Modern Language Association of America, 2003. (MLA の場合) 6 1 6 2 3 4 5 Gibaldi, J. (2003). MLA handbook for writers of research papers. 6th ed. New York: The Modern Language Association of America. (APA の場合) *著者名は、姓、コンマ、名前(APA はイニシャル)の順です。書名はイタリック体かアンダーライ ンを引きますが、APA では書名と副題の最初だけ大文字になります。出版年の位置は MLA と APA で異なります。 ○インターネット情報の記載について ○ *ウェブサイトを参照するケースが増えています。URL やアクセスした日を記述します。 必須事項: 1著者名(あれば) 、 2タイトル、 3データベースやサイトの名称、 4そのデータベースやサイトの管理者、 5アクセスした日、 6URL 1 2 3 および 4 日本図書館協会 「図書館の自由に関する宣言」 ((社)日本図書館協会) <http://www.jla.or.jp/ziyuu> (アクセス日:2004 年 2 月 28 日) 6 5 2 3 4 "This Day in History: August 20." The History Channel Online. 1998. History Channel. 19 June 1998 <http://historychannel.com/thisday/today/980820.html> 5 6 (MLA の場合) 1 2 3 および 4 Simpson, B. (1999). Cartooning and psychology. Hollywood, CA: American Psychological Association. Retrieved March 5, 2001 from http://www.apa.org/journals/simpson.html 5 6 (APA の場合) * オンラインデータベースやウェブサイトからの情報が参照・引用されるようになったのは 最近のため、まだその参照・引用ルールが確立していません。URL(<>や【】に入れることも あり)とアクセスした日を記述してください。 ○ 注記や参考文献欄によく見られる常用 注記や参考文献欄によく見られる常用略語 常用略語、慣用句 略語、慣用句 ○ app. appendix(付録) cf. confer(比較せよ。参照せよ。 ) diss. dissertation(博士論文) do. ditto (同前) ed. editor(編者複数は eds.) edition(版) ed. cit. edition citata(前掲書) e.g. exampli gratia(例えば) et al. et alii (およびその他の著者) fac. facisim (復刻版) ibid. ibidem(同誌) id. idem(同上の、同著者) i.e. id est(すなわち) in press (印刷中) n.d. no date given(出版年月日不明) l.. c., loc. Cit . loco citato (前掲の場所に) n.p. no place given(出版地不明) n.pag. no pagination(ページ数なし) op. cit. opere citare(前掲書) pl. plate(図版) personal communication (私信) rev. revised(改訂された) submitted for publication (投稿中) sic (原文のまま) suppl. supplement(増刊、補遺) to be published (投稿予定) vol.. volume (巻) under preparation (投稿予定) 2007.1
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