東近江市第2次総合計画策定の考え方

H28.5.13 第1回総合計画審議会及び政策推進懇話会 資料5
東近江市第2次総合計画策定の考え方
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1 はじめに
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平成 17 年 2 月 11 日(旧八日市市、旧永源寺町、旧五個荘町、旧愛東町、旧湖東町)と平成
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18 年 1 月 1 日(東近江市、旧能登川町、旧蒲生町)の2度の合併を経て、東近江市はスタートした。平成
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19 年 3 月に東近江市の新たな将来ビジョンを描くとともに、市民と行政が協働して取り組む魅力あるまちづ
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くりの指針として「東近江市総合計画(基本構想及び前期基本計画)
」を策定し、各種施策に取り組んできた。
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平成 24 年 3 月には後期基本計画を策定したところであるが、平成 28 年度で基本構想及び後期基本計画の
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計画期間が終了することに伴い、平成 29 年度から始まる新たな総合計画を策定する。
2 策定に当たっての基本的な考え方
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(1)地方自治法の改正による総合計画(基本構想)の取扱いについて
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これまで総合計画については、地方自治法第 2 条第 4 項において、
「議会の議決を経てその地域におけ
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る総合的かつ計画的な行政の運営を図るための基本構想を定める」ことが義務付けされていたが、平成 23
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年 5 月の地方自治法の改正により、基本構想の法的な策定義務が廃止され、策定の可否は市の判断による
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こととなった。
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総合計画(基本構想)は、まちの将来ビジョンを表すものとして、まちづくりの基本理念、将来の都市
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像及び基本方針を示し、総合的かつ計画的な行政運営を行う「市の最上位計画」としてきたところである。
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また、各分野別計画を策定する際には、総合計画に基づき、全体的な統一性、整合性を図ることとし、
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行政の継続性を含めて羅針盤的な役割を示す最重要な計画となっている。
このことから総合計画は、市の進むべき方向性を明らかにし、計画的なまちづくりを進めていく上で、
今後の市政運営の指針となる計画である。
したがって、引き続き総合計画を策定することとし、策定に当たり総合計画策定条例を制定(H27.12
制定済)し、同条例において議会の議決を得ることとしている。
(2)計画期間について
第1次東近江市総合計画では、平成 19 年から平成 28 年までの基本構想10 年、基本計画を前期、後期
それぞれ 5 年として実施してきた。
従来、基本構想 10 年、基本計画 5 年として策定してきたが、市長の任期4年とは連動しておらず、策
定時期も市長選挙の時期と異なるため、市長の政策方針の総合計画への反映に苦慮する部分があった。
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そこで、計画期間は、基本的に 8 年とすることとし、第2次総合計画については、市長の政策方針を総
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合計画に反映しやすくするため、計画期間を平成 29 年度から平成 37 年度までの 9 年として策定し、市長
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選挙に合わせて中間年(平成 33 年度)に見直しを行う。
H28
市長
任期
H29
H30
市長任期
H31
4年
H32
H33
H34
市長任期
H35
H36
4年
見直し
計画
期間
第2次総合計画
H37
市長任期
改定
9年
H38
H39
H40
4年
H41
H42
市長任期
H43
1
H45
4年
見直し
第3次総合計画 8年
30
H44
改定
1
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(3) 計画構成について
第 1 次総合計画は、
「基本構想」
「基本計画」及び「実施計画」の3層で構成している。
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基本構想
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10 年間
H19∼28 年度
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基本計画
H19∼H23 年度
5 年間
H24∼H28 年度
実施計画
3 ヵ年(ローリング)
東近江市の10年後を展望し、まちの将来ビジョンを表すものと
して、まちづくりの基本理念と将来像及び基本方針(6本柱)を示
したもの。
将来像を達成するための基本方針に基づく施策体系を示したも
ので、まちの将来ビジョン実現のための取り組みの方向性を示した
もの。
基本計画に示された施策の具体的な事業として定めたもので、計
画する主な事業の内容、事業費、事業の方向性を示したもの。
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総合計画は、東近江市の目指す将来像を明確にし、取組の方向性を事務事業全般にわたって示す計画で
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あることから、第 1 次総合計画後期基本計画の策定時に、従来の全体調和的な計画から、計画期間中に実
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行性があり実用的な基本計画となるよう次のような視点で見直しを行った。
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(第 1 次総合計画後期基本計画策定時の視点)
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・後期計画で取り組む内容について、簡潔に整理
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・各施策間で重複した取組みがないように整理
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・計画の評価が可能なように施策ごとに指標を設定
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また、実施計画についても事務事業評価を加えるとともに予算や財政推計と連動させるなど、東近江市
行財政マネジメントシステムを構築し進捗管理を行い、成熟化を図ってきた。
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さらに、平成 20 年度から始まった人事考課制度は、職員個人の業務目標を設定する際に、個々の目標
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が、市の進む方向と違っては、組織力の強化や、東近江市としての組織目標の達成につながらないことか
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ら、総合計画や各個別計画の方針に沿った業務目標を、部目標、課目標、個人目標と連携させることにも
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取り組んできた。
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こうしたことから、第 2 次総合計画における構成については、
「基本構想」
「基本計画」
「実施計画」の三
層構造を基本に、各部、各課の目標がこれに連動できるよう構成する。
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体系のイメージ
※体系のイメージ図であり、詳細な構成は策定する中で決定する。
市の将来像・基本理念
【基本構想】8年(今回は9年)
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みんなで育む うるおいと にぎわいのまち
基本理念
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ひと
人が輝き、まちづ
くりの主役として
活躍できるまち
東近江市
まち
活力と快適さをそな
えた、にぎわいのある
元気なまち
くらし
心おだやかに、暮
らしにうるおいが
実感できるまち
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政
策
政策目標
健康福祉
市民環境
誰もが笑顔で暮ら
せるまちづくり
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都市整備
○○○○・・・
…部単位
○基本的に政策目標が各部の目標
となる。ただし、複数の部の目標
をまとめたものになることもあ
る。
○横断的な取組による重点プロジ
ェクト
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分
野
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健康
分野
高齢者福祉
みんなが健康で輝く人
生を送れるまちづくり
住み慣れた地域で誰もが安心
して暮らせるまちづくり
障害福祉
…課単位
目標:健康寿命○○歳
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施
策
【○○○課】
保健事業の推進
→ 生 活習 慣病 に か
かる市民を減らす
【○○○課】
健康づくりの推進
→自ら健康づくりを
行う市民を増やす
目標:生活習慣病による死亡者率○○%
○○○○・・・
【基本計画】8年(今回は9年)
4年毎に見直し
○政策目標に沿って分野ごとに目
指す成果、目標、使命を明らかに
する。
○分野=課となり、各分野の目標
が、各課の目標となる。
○施策=係となり、各施策の目標が
係の目標となる。ただし施策につ
いては細分化することもある。
目標:○○・・・
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取
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母子健診を行う
乳幼児等教育相談訪問する
乳幼児の歯科健診を行う
…
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組
事
○取組=事業となる。ただし、複数
の取組を統合し事業となること
もある。
○○○○
…
毎年の重点化方針
業
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母子健診事業
乳幼児等教育相談事業
目標:乳幼児健診受診率○○%、子育て中のストレスがある○%
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【実施計画】アクションプラン
○事業は、予算事業と連動する。
○事務事業評価を行う。
○毎年3年間のローリングを行う。
3 計画策定に当たっての基本的な視点
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(1)人口減少と少子高齢化による人口構成の変化への対応
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国勢調査によると、本市の人口は、平成 17 年まではゆるやかな増加傾向をみせていたが、平成 22 年に
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は減少に転じている。また、年少人口(14 歳以下)は平成 2 年から、生産年齢人口(15 歳から 64 歳)
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は平成 22 年から減少に転じている一方、老年人口(65 歳以上)は増加し続けており、少子高齢化の進行
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が顕著に見られる。
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人口減少や少子高齢化は、税収の減少や社会福祉費用を増大させる構造的な問題であることから、将来
を見据え、持続的に発展する施策を創出・展開する必要がある。
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(2)地域資源や施策に磨きをかける
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グローバル化、地球環境問題、人口減少や少子高齢化など社会経済状況は大きく変化しているが、市域に
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広がる豊かな自然、歴史、文化及び伝統などの地域資源を磨き、人材を育て、本市の持つポテンシャルを最
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大限に向上させる必要がある。
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また、持続的な地域社会づくりを進めるため、環境施策、健康・福祉・医療施策、こども・教育施策や産
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業・建設施策など、今まで実施してきた施策の効果や成果を検証し、更に磨きをかけ、知恵と工夫による新
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たな施策を創造・実施する必要がある。
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(3)地方創生
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国は 50 年後に1億人程度の人口を維持するため、人口の東京への一極集中に歯止めをかけ、若い世代の
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結婚・出産・子育ての希望をかなえつつ、地域の特性に即して地域課題を解決することを基本に、人口の長
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期ビジョンと総合戦略を策定した。
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本市においては、平成 27 年度に人口ビジョン及びまち・ひと・しごと創生総合戦略を策定し、また、地
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域の一体性や連携を進める定住自立圏共生ビジョンを策定したところであり、これから策定する総合計画と
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整合をとりながら、確実な地方創生の取組を行う必要がある。
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(4)安全・安心な地域社会
地震や台風による豪雨など自然災害等は、市民生活や多方面に長期間にわたって、人命や経済的に大きな
被害を及ぼすことが懸念されており、被害等を最小限に抑える取組がこれまで以上に求められる。
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また、本市の生涯学習施設、スポーツ施設、公園施設等の公共施設や、上下水道施設や道路、橋梁などの
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インフラの老朽化対策も課題となっており、地域社会が一体となって、安全・安心の確保や施設の機能維持
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に向けた取組が求められている。
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(5)柔軟で機動的な施策の実施
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合併後の平成 17 年度以降、行財政改革に努めてきたが、学校施設や道路等の社会資本整備、新たな福祉
制度への対応による扶助費の増大等により、財政の硬直化が懸念される状況である。
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さらに、合併支援措置が終了した後は、大幅な財源不足が見込まれることから、税収も含めた収入増加策
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を講じながら、適正な予算規模への取組みを進め、将来の東近江市のすがたを考え、真に住民に必要な施策
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を見定める必要がある。
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また、長期的な収支の均衡を見越して、財政運営を好循環化させるため、厳しい状況にあっても柔軟に的
確かつ機動的な取組みに対応できるような仕組みづくりを導入する必要がある。
4 計画策定の体制
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(1)東近江市総合計画審議会
東近江市総合計画策定条例に基づき設置し、学識経験者、関係団体代表者等 25 人以内で組織し、市長か
ら諮問を受け、意見等を答申する。
(2)市民参加
市民アンケート調査及びまちづくり座談会(H27.11 実施済み)等を活用し市民意向を把握するとともに、
市民フォーラムやパブリックコメントを通じ、広く意見を反映する。
(3)庁内体制
政策推進戦略本部を設置し、その下部組織として政策推進戦略本部幹事会(兼総合計画策定委員会)を設
置し、専門部会(各部単位)等において検討を行う。
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